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技術 ドラムブレーキ装置

出願人 株式会社豊田自動織機曙ブレーキ工業株式会社
発明者 増田英夫酒井一幸高宮稔金子太山本勝義塚越秀樹高橋佳之
出願日 2014年6月2日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2014-113687
公開日 2015年12月17日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2015-227699
状態 特許登録済
技術分野 ブレーキ装置
主要キーワード ドーナツ盤 合否基準 シリンダ取付孔 略三日月形状 ボルト取付孔 オートアジャスタ シャフト孔 周方向外側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月17日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

ブレーキ鳴きの発生を防止するとともに、設計の自由度が確保され、設置スペースを小さくすることができるドラムブレーキ装置を提供する。

解決手段

回転可能なブレーキドラム30と、車両に固定されるバックプレート10と、バックプレート10に支持され、ブレーキドラム30の内周面に対向するブレーキシュー14と、シリンダ取付孔16を介してバックプレート10に取り付けられ、ブレーキシュー14をブレーキドラム30に押圧するホイールシリンダ11とを備え、バックプレート10には、X軸正方向側において複数のリブ部21が形成され、シリンダ取付孔16は、複数のリブ部21の端部のうち、互いに対向する少なくとも一対の端部の間に配置される。

概要

背景

従来、フォークリフト等の産業用車両に用いられる車輪ブレーキ一種として、ドラムブレーキ装置が採用されている。ドラムブレーキ装置は、車輪の回転に伴って回転するブレーキドラムの内側表面に、ホイールシリンダによって円弧形状の一対のブレーキシューが押し当てられ、摩擦力が発生することにより車輪の回転を制動するものである。このブレーキシューはドラムブレーキ装置のバックプレートに取り付けられている。

車輪の制動時、ブレーキドラムに押し当てられたブレーキシューには、ブレーキドラムと共に回転しようとする力が働く。この時、バックプレートに形成される突出部(アンカー)が回転しようとするブレーキシューを受け止めることにより、ブレーキシューはブレーキドラムと摩擦接触した状態で位置を固定される。しかしながら、バックプレートの剛性が低い場合、バックプレートはアンカーを介してブレーキシューから力を受ける際に変形してしまうおそれがある。バックプレートが変形してしまうとブレーキシューとブレーキドラムとの接触面も不均一となり、ドラムブレーキ装置を作動させる際に振動が発生しやすくなってしまう。そして、ブレーキシューとブレーキドラムとの接触面が振動すると、ブレーキ鳴きという不快な音が発生するおそれがあった。

このようなブレーキ鳴きの発生を防止するために、特許文献1では、バックプレートに形成された複数の取付孔周方向外側細長い円環状の連続したリブ部を設けている。そして、このリブを設けることにより、ブレーキシューとブレーキドラムとの接触面が振動した場合にバックプレートが共振しないよう、バックプレートの固有振動数を変更している。

概要

ブレーキ鳴きの発生を防止するとともに、設計の自由度が確保され、設置スペースを小さくすることができるドラムブレーキ装置を提供する。回転可能なブレーキドラム30と、車両に固定されるバックプレート10と、バックプレート10に支持され、ブレーキドラム30の内周面に対向するブレーキシュー14と、シリンダ取付孔16を介してバックプレート10に取り付けられ、ブレーキシュー14をブレーキドラム30に押圧するホイールシリンダ11とを備え、バックプレート10には、X軸正方向側において複数のリブ部21が形成され、シリンダ取付孔16は、複数のリブ部21の端部のうち、互いに対向する少なくとも一対の端部の間に配置される。

目的

この発明は、このような問題を解決するためになされ、ブレーキ鳴きの発生を防止することができるとともに、設計の自由度が確保され、設置スペースを小さくすることができるドラムブレーキ装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両の車輪の回転に伴って回転可能なブレーキドラムと、前記車両に固定して設けられるバックプレートと、前記バックプレートに、前記ブレーキドラムの内周面に対向して設けられるブレーキシューと、前記バックプレートに形成される作動機構取付孔を介して前記バックプレートに取り付けられ、前記ブレーキシューを前記ブレーキドラムに押圧する作動機構とを備えるドラムブレーキ装置であって、前記バックプレートには、前記作動機構が取り付けられる側とは反対側において複数のリブ部が形成され、前記作動機構取付孔は、前記複数のリブ部の端部のうち、互いに対向する少なくとも一対の前記端部の間に配置されるドラムブレーキ装置。

請求項2

前記バックプレートには、前記車両に取り付けられるために使用される複数の締結部材取付孔が形成され、前記複数の締結部材取付孔は、前記ブレーキドラムの回転中心を中心とした周方向に沿って、前記作動機構取付孔の近傍箇所を除いて配置され、前記リブ部は、前記複数の締結部材取付孔の1箇所以上又は全部の径方向外側の位置に重なって延びる請求項1に記載のドラムブレーキ装置。

請求項3

前記リブ部の各々の張角Θ1は、前記作動機構取付孔の中心を起点として90度以上130度以下である請求項1又は2に記載のドラムブレーキ装置。

請求項4

前記リブ部の高さHに対する前記リブ部の幅Wの比α=W/Hは、1以上2.5以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のドラムブレーキ装置。

請求項5

前記リブ部の高さHは24mmであり、前記リブ部の幅Wは45mmである請求項1〜4のいずれか一項に記載のドラムブレーキ装置。

技術分野

0001

この発明は、ドラムブレーキ装置に関する。

背景技術

0002

従来、フォークリフト等の産業用車両に用いられる車輪ブレーキ一種として、ドラムブレーキ装置が採用されている。ドラムブレーキ装置は、車輪の回転に伴って回転するブレーキドラムの内側表面に、ホイールシリンダによって円弧形状の一対のブレーキシューが押し当てられ、摩擦力が発生することにより車輪の回転を制動するものである。このブレーキシューはドラムブレーキ装置のバックプレートに取り付けられている。

0003

車輪の制動時、ブレーキドラムに押し当てられたブレーキシューには、ブレーキドラムと共に回転しようとする力が働く。この時、バックプレートに形成される突出部(アンカー)が回転しようとするブレーキシューを受け止めることにより、ブレーキシューはブレーキドラムと摩擦接触した状態で位置を固定される。しかしながら、バックプレートの剛性が低い場合、バックプレートはアンカーを介してブレーキシューから力を受ける際に変形してしまうおそれがある。バックプレートが変形してしまうとブレーキシューとブレーキドラムとの接触面も不均一となり、ドラムブレーキ装置を作動させる際に振動が発生しやすくなってしまう。そして、ブレーキシューとブレーキドラムとの接触面が振動すると、ブレーキ鳴きという不快な音が発生するおそれがあった。

0004

このようなブレーキ鳴きの発生を防止するために、特許文献1では、バックプレートに形成された複数の取付孔周方向外側細長い円環状の連続したリブ部を設けている。そして、このリブを設けることにより、ブレーキシューとブレーキドラムとの接触面が振動した場合にバックプレートが共振しないよう、バックプレートの固有振動数を変更している。

先行技術

0005

特開平10−148230号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ここで、ドラムブレーキ装置のバックプレートには、ホイールシリンダを取り付けるための孔が形成されなければならない。しかしながら、特許文献1のドラムブレーキ装置のバックプレートにはリブ部が連続的に延びて設けられているので、ホイールシリンダ用の孔が形成される位置はリブ部の径方向外側に限定される。そのため、ホイールシリンダ用の孔をリブ部に対して径方向の同じ位置に形成することができず、その分ドラムブレーキ装置の設計の自由度が低くなる。また、特許文献1の図1及び2に示すように、ホイールシリンダ用の孔が形成される箇所はバックプレートから部分的に張り出すように形成され、その分ドラムブレーキ装置全体が径方向に大きくなり、設置スペースも大きくとらなければならなかった。

0007

この発明は、このような問題を解決するためになされ、ブレーキ鳴きの発生を防止することができるとともに、設計の自由度が確保され、設置スペースを小さくすることができるドラムブレーキ装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記の課題を解決するために、この発明に係るドラムブレーキ装置は、車両の車輪の回転に伴って回転可能なブレーキドラムと、車両に固定して設けられるバックプレートと、バックプレートに、ブレーキドラムの内周面に対向して設けられるブレーキシューと、バックプレートに形成される作動機構取付孔を介してバックプレートに取り付けられ、ブレーキシューをブレーキドラムに押圧する作動機構とを備え、バックプレートには、作動機構が取り付けられる側とは反対側において複数のリブ部が形成され、作動機構取付孔は、複数のリブ部の端部のうち、互いに対向する少なくとも一対の前記端部の間に配置される。

0009

また、この発明に係るドラムブレーキ装置のバックプレートには、車両に取り付けられるために使用される複数の締結部材取付孔が形成され、複数の締結部材取付孔は、ブレーキドラムの回転中心を中心とした周方向に沿って、作動機構取付孔の近傍箇所を除いて配置され、リブ部は、複数の締結部材取付孔の1箇所以上又は全部の径方向外側の位置に重なって延びてもよい。

0010

さらに、リブ部の各々の張角Θ1は、作動機構取付孔の中心を起点として90度以上130度以下であってもよい。
また、リブ部の高さHに対する幅Wの比α=W/Hが1以上2.5以下であってもよい。

0011

またさらに、リブ部の高さHは24mmであり、リブ部の幅Wは45mmであってもよい。

発明の効果

0012

この発明に係るドラムブレーキ装置によれば、ブレーキ鳴きの発生を防止することができるとともに、設計の自由度が確保され、設置スペースを小さくすることができる。

図面の簡単な説明

0013

この発明の実施の形態に係るドラムブレーキ装置の斜視図である。
図1に示すドラムブレーキ装置のバックプレートをX軸正方向側から見た様子を示す平面図である。
図1に示すドラムブレーキ装置のバックプレートのリブ部の形状を示す図であり、図3(i)はリブ部をX軸正方向側から見た平面図を示し、図3(ii)は図3(i)のリブ部を切断線II−IIで切断した断面図である。
図1に示すドラムブレーキ装置におけるリブ部の高さに対する幅の比(W/H)、バックプレートの剛性及び鳴き性能の関係を示すグラフである。
図1に示すドラムブレーキ装置のバックプレートをX軸負方向側から見た様子を示す平面図である。

実施例

0014

以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ドラムブレーキ装置1は、略円筒形状のブレーキドラム30と、ブレーキドラム30の内側の一端に配置される略ドーナツ盤形状の鋳物製のバックプレート10とを有する。ブレーキドラム30は、車輪としてのタイヤ(図示せず)の回転に伴って回転可能となるように車両に対して取り付けられており、回転中心Xを中心として回転する。一方、バックプレート10は車両に固定して取り付けられている。すなわち、ブレーキドラム30はバックプレート10に対して相対的に回転可能である。また、バックプレート10には、一対の略三日月形状のブレーキシュー14が設けられている。ブレーキシュー14は、外側表面がブレーキドラム30の内周面に対向するように配置される。ブレーキシュー14の外側表面には摩擦部材14aが貼り付けられている。さらに、一対のブレーキシュー14の間にはホイールシリンダ11が設けられる。ホイールシリンダ11はドラムブレーキ装置1に対して、1つ設けられた構成である。バックプレート10には、ホイールシリンダ11の取付位置に対応する箇所にシリンダ取付孔16が形成される。ホイールシリンダ11は、シリンダ取付孔16を介してバックプレート10に取り付けられる。
なおここで、ブレーキドラム30に対してバックプレート10が配置されている側をX軸正方向とする(図1の矢印x1参照)。また、X軸正方向の反対側、すなわちバックプレート10に対してホイールシリンダ11が取り付けられる側は、X軸負方向とする(図1の矢印x2参照)。
また、ホイールシリンダ11は作動機構を構成する。さらに、シリンダ取付孔16は作動機構取付孔を構成する。

0015

バックプレート10のX軸正方向側の構造の詳細について、図1及び2を用いて説明する。なお、以下の説明において、シリンダ取付孔16の中心をYとし、ブレーキドラム30の回転中心Xとシリンダ取付孔16の中心Yとを結ぶ直線をX−Y線とする。また、シリンダ取付孔16の中心Yからの距離がr以下である範囲を、シリンダ取付孔16の近傍箇所Nとする。シリンダ取付孔16の近傍箇所Nは、バックプレート10のX軸負方向側に設けられた後述するアンカー(図5参照)を含む範囲であるものとする。

0016

図1及び2に示すように、バックプレート10のX軸正方向側の面には、シリンダ取付孔16を挟んで一対の略円弧状の帯形状の複数のリブ部21が形成されている。
また、バックプレート10の中心には、車両の車軸(図示せず)が貫通するためのシャフト孔18が形成されている。シャフト孔18の中心、すなわち車両の車軸の回転中心はブレーキドラム30の回転中心Xと一致する。シャフト孔18の周りには8個のボルト取付孔17が、回転中心Xを中心とした周方向に沿って形成される。これらのボルト取付孔17は4個ずつ、X−Y線に対して互いに線対称となるように設けられている。また、ボルト取付孔17は、シリンダ取付孔16の近傍箇所Nを除いた範囲に配置される。
なお、バックプレート10はボルト取付孔17を介して、ボルト等の締結具によって車両の固定部材(図示せず)に固定されている。
また、ボルト取付孔17は締結部材取付孔を構成する。
また、この実施の形態において、バックプレート10の外径Dは310mmである。

0017

次に、リブ部21について図2を用いて説明する。一対のリブ部21は、X−Y線に対して互いに線対称となるように配置されている。ここで、一対のリブ部21のシリンダ取付孔16側の端部を端部21bとし、端部21bとは反対側の端部を端部21aとする。
端部21bは、シリンダ取付孔16が互いに対向する一対の端部21bの間に配置されるようにそれぞれ配置される。すなわち、図2に一点鎖線Lで示すように、一対のそれぞれの端部21bを結ぶ直線上にシリンダ取付孔16が存在するように、シリンダ取付孔16の近傍に端部21bを設けている。
また、端部21aは、リブ部21がシリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように設けられている。すなわち、リブ部21はボルト取付孔17aの径方向外側の位置をオーバーラップしている。
ここで、回転中心Xを中心としてシリンダ取付孔16の中心Yを起点とする、リブ部21の端部21aの位相(角度)Θ1をリブ部21の張角とする。
なお、本発明において、リブ部とは、部材に一体的に形成された突出部分をいう。

0018

リブ部21の形状について、図3を用いて具体的に説明する。
図3(i)に示すようにリブ部21の幅をWとすると、リブ部21の断面形状は、図3(ii)に示すように、底辺の長さがWかつ高さがHの台形形状をなす。すなわち、リブ部21の高さ(厚み)はHである。

0019

ここで、図4にリブ部21の幅Wと高さHの比W/Hとバックプレート10の剛性Bs、ブレーキの鳴き性能Bnの関係を示す。鳴き性能は、ブレーキを装着した車両において実際にブレーキをかけた際のブレーキから発せられる音(ブレーキ鳴き)を作業者が聞いた際に不快(うるさい)と感じるかどうかの判断を数値化して基準としてしたものである。
図4において、リブ部21の高さHに対する幅Wの比W/Hが大きくなると鳴き性能Bnが悪化し、バックプレート10の剛性Bsも低くなることが分かる。そして、リブ部21の幅Wと高さHとの比W/Hが3より少し小さい値Pにおいて、上記判断における鳴き性能の判断の合否基準点Cnが存在している。なお、バックプレート10は鋳物として製造されるため、製造誤差が起こる可能性があるため、誤差によって基準点を超えないようにするため、W/Hの上限を2.5とすることが良い。
なお、図4から分かるようにW/Hの値を小さくすることにより、鳴き性能Bnは向上する。そして、最終的にブレーキ鳴きが感じられない程度となる。しかしながら、バックプレート10の剛性Bsの観点からリブ部21の幅Wはある程度必要となるため、W/Hの値を小さくするためには、リブ部21の高さHを大きくすることになり結果的にリブ部21の体積が大きくなることになる。リブ部21を大きくすることは、それだけ多くの材料を必要とすることになり、コスト面において不利となる。したがって、鳴き性能Bnとコストを考慮するとW/Hの下限を1とすることが良い。すなわち、ブレーキ鳴きの防止とドラムブレーキ装置1の製造コストの抑制とを両立するためには、リブ部21の高さHに対する幅Wの比の最適な値α=W/Hは1以上2.5以下となる。
なお、この実施の形態においては、鳴き性能Bn及びコスト面を考慮して最適な値としてリブ部21の幅はW=45mm,リブ部21の高さはH=24mmとしている。

0020

次に張角Θ1について説明する。張角Θ1は、リブ部21がシリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように最低限設ける必要があり、より具体的には、張角Θ1は90度以上130度以下とすることが良い。張角Θ1についても張角Θ1が小さいと鳴き性能Bnは悪化し、バックプレート10の剛性Bsも低くなる。そして、鳴き性能Bnの判断の合否基準Cnを満たすためには、最低限リブ部21がシリンダ取付孔16に最も近い一対のボルト取付孔17aの径方向外側の位置に重なるように設ける必要がある。ただし、製造誤差を考慮すると張角Θ1は90度以上とすることが良い。
そして、張角Θ1を大きくすることにより鳴き性能Bnは向上する。そして、最終的にブレーキ鳴きが感じられない程度となる。しかしながら、張角Θ1を大きくすることはリブ部21の体積が大きくなることになる。したがって、張角Θ1においても張角Θ1を大きくするとコスト面で不利となる。したがって、鳴き性能Bnとコストを考慮して、張角Θ1の上限を130度とすることが良い。
なお、この実施の形態においては、鳴き性能Bn及びコスト面を考慮して最適な値として、張角Θ1は90度としている。

0021

バックプレート10のX軸負方向側の構造の詳細について、図5を用いて説明する。
一対のブレーキシュー14は一対のシューホールドスプリング19によってバックプレート10に支持されている。また、一対のブレーキシュー14の間に設けられるホイールシリンダ11の径方向内側に隣接して、帯形状のアンカー12がバックプレート10に一体的に形成されている。アンカー12と一対のブレーキシュー14との間には一対のリターンスプリング13が架け渡される。ここで、リターンスプリング13は、ブレーキシュー14に対して、ブレーキドラム30の内周面から離れる方向に力を加えている。また、一対のブレーキシュー14において、ホイールシリンダ11が接続されている側とは反対側の端部には、オートアジャスタ15が接続されている。オートアジャスタ15は、ブレーキシュー14の外周面とブレーキドラム30の内周面との隙間を調整する。

0022

次に、ドラムブレーキ装置1の動作について、図1及び5を用いて説明する。なお、ブレーキドラム30は矢印Aの方向に回転しているものとする。
まず、ドラムブレーキ装置1を作動させる時は、ホイールシリンダ11の内部に油圧が導入される。そして、ホイールシリンダ11内のピストン(図示せず)は、リターンスプリング13の弾性力に抗して、一対のブレーキシュー14を各々外側に回動させるように押圧する。これにより、ブレーキシュー14の摩擦部材14aがブレーキドラム30の内周面に押し付けられる。この時、ブレーキシュー14はブレーキドラム30の回転とともに矢印Aの方向に動こうとするが、紙面上左側に配置されたブレーキシュー14のホイールシリンダ11側の端部14bがアンカー12に突き当たる。そのため、ブレーキシュー14は矢印Aの方向には動くことができず位置を固定される。そして、これによって、ブレーキシュー14の摩擦部材14aとブレーキドラム30の内周面との間には大きな摩擦力が働き、ブレーキドラム30の回転は停止する。

0023

上より、この実施の形態に係るドラムブレーキ装置1では、一対のリブ部21が、ドラムブレーキ装置1に設けられた1つのホイールシリンダ11のシリンダ取付孔16を、互いに対向する端部の間に挟んで設けられている。これらの一対のリブ部21により、ドラムブレーキ装置1のバックプレート10の剛性が高められるとともに、シリンダ取付孔16をリブ部21と径方向において同じ位置に設けることができる。従って、ホイールシリンダ11からリブ部21までの距離(モーメント距離)が小さくできるので、リブ部により作用力が低減されバックプレート10の変形は抑制されブレーキ鳴きの発生が防止される。さらに、それと同時に、ホイールシリンダ11を取り付ける位置についても設計の自由度が確保されている。また、シリンダ取付孔16をリブ部21の径方向外側に設ける必要がないため、ドラムブレーキ装置1全体の径方向の大きさを抑えられ、設置スペースを小さくすることができる。

0024

また、複数のボルト取付孔17がシリンダ取付孔16の近傍箇所Nを除いて配置されていることにより、バックプレート10において特に剛性が必要とされるホイールシリンダ11及びアンカー12の周辺の剛性が確保される。また、リブ部21が、複数のボルト取付孔17の一部(ボルト取付孔17a)の径方向外側の位置に重なって延びていることにより、ボルト取付孔17a近傍のバックプレート10の剛性の低下を防ぐことができる。

0025

また、リブ部21の張角Θ1は90度である。さらに、外径Dが310mmであるバックプレート10において、リブ部21の高さHは24mmであり、幅Wは45mmとしている。具体的にリブ部21をこのような形状にすることにより、ドラムブレーキ装置1のブレーキ鳴きが防止されると共に、バックプレート10の製造コストの面でも優れたものとすることができる。

0026

なお、リブ部21の高さH及び幅Wの寸法はこの実施の形態に限定されない。具体的には、リブ部21の高さHに対するリブ部21の幅Wの比α=W/Hが1以上2.5以下であれば、ドラムブレーキ装置1の製造コストを案しても、効率よくブレーキ鳴きを防止することができる。
また、リブ部21の張角Θ1は90度に限定されず、90度以上130度以下であればよい。張角Θ1についても、この範囲内であればドラムブレーキ装置1の製造コストを勘案しても、効率よくブレーキ鳴きを防止することができる。
また、リブ部21の数は2個に限定されず、3個以上設けられていてもよい。また、ボルト取付孔17の数は複数であればよく、8個に限定されない。
さらに、リブ部21は、一対のボルト取付孔17aのみならず8個のボルト取付孔17の1箇所以上又は全部の径方向外側の位置に重なって延びていてもよい。
また、ボルト取付孔17は、シリンダ取付孔16の近傍箇所Nを除いた範囲に配置される構成で説明したが、シリンダ取付孔16の近傍に配置された構造に対して設けてもよい。

0027

1ドラムブレーキ装置、10バックプレート、14ブレーキシュー、16シリンダ取付孔(作動機構取付孔)、17ボルト取付孔(締結部材取付孔)、21リブ部、21a,21b リブ部の端部、30ブレーキドラム、D バックプレートの外径、H リブ部の高さ、W リブ部の幅、N シリンダ取付孔(作動機構取付孔)の近傍箇所。

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