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技術 酸性水中油型乳化調味料

出願人 キユーピー株式会社
発明者 児玉大介梅津徹
出願日 2014年6月2日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2014-113785
公開日 2015年12月17日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2015-226512
状態 特許登録済
技術分野 調味料 ベイカリー製品及びその製造方法 食品の調整及び処理一般
主要キーワード 残存効果 打ち水 酢酸換算 チキンカツ 需要拡大 乳化材 焼成パン 卵黄リポ蛋白質
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月17日)のものです。
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課題

加熱、焼成熱風乾燥、及び油ちょうを施しても酸味が維持された酸性水中油型乳化調味料およびその用途に関する。

解決手段

酢酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を酢酸換算で1%以上5%以下、食塩を3%以上15%以下、卵黄を含有した酸性水中油型乳化調味料において、乳酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を乳酸換算で0.5%以上4.5%以下、並びにカルシウム塩をカルシウム換算で0.01%以上0.6%以下含有する、酸性水中油型乳化調味料。

概要

背景

酸性水中油型乳化調味料とは、pHを4.6以下にすることで常温流通を可能にした酸性乳化食品であり、代表的なものとして、マヨネーズ様食品等の半固体状ドレッシング乳化液状ドレッシング等が挙げられる。

マヨネーズ等の酸性水中油型乳化調味料は、サラダにかける、または野菜と和える等の用途が一般的であるが、近年その用途が拡大している。具体的には、パン等の焼成食品、せんべい等の米菓ポテトチップス等のスナック菓子、及びチキンカツ等のフライ食品等、従来マヨネーズを使用しなかった業態においてマヨネーズ味を付した加熱食品の開発が進んでいる。

しかしながら、パンの製造工程において、マヨネーズを添加した後、焼成を行ったり、米菓の製造工程において、マヨネーズをからめた後、熱風乾燥を行ったり、フライ食品の製造工程において、バッター液としてマヨネーズを付着させた後、油ちょうを行うと、加熱によってマヨネーズの酸味消失し、調味料全体の味のバランスが失われてしまうという問題があった。

加熱による酸性水中油型乳化調味料の物性変化を抑制する技術としては、従来からホスフォリパーゼ処理卵黄乳化剤として使用する方法(特許文献1)、ホエー蛋白を乳化剤として使用する方法(特許文献2)等が提案されている。

しかしながら、これらの耐熱性を有した酸性水中油型乳化調味料は、一定条件下加熱処理を施した際に、その乳化状態破壊されることなく、乳化定性は有しているものの、当該酸性水中油型乳化調味料に焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施した際に、酸性水中油型乳化調味料の酸味が消失し、調味料全体の味のバランスが失われてしまうという問題は解決されていなかった。

一方、加熱食品にマヨネーズ味を付す方法としては、米菓や、パン、フライ食品の製造工程において、熱風乾燥や油ちょう等を行った後、粉末マヨネーズ(特許文献3)を振りかける方法が知られている。しかしながら、これらの方法でマヨネーズ味を付した加熱食品は、製造工程が増え、コスト面で満足できるものではなかった。

概要

加熱、焼成、熱風乾燥、及び油ちょうを施しても酸味が維持された酸性水中油型乳化調味料およびその用途に関する。酢酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を酢酸換算で1%以上5%以下、食塩を3%以上15%以下、卵黄を含有した酸性水中油型乳化調味料において、乳酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を乳酸換算で0.5%以上4.5%以下、並びにカルシウム塩をカルシウム換算で0.01%以上0.6%以下含有する、酸性水中油型乳化調味料。 なし

目的

そこで、本発明の目的は、酸性水中油型乳化調味料において、焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施しても酸性水中油型乳化調味料の酸味が維持され,調味料全体の味のバランスも維持された、酸性水中油型乳化調味料およびその用途を提供するものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酢酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を酢酸換算で1%以上5%以下、食塩を3%以上15%以下、卵黄を含有した酸性水中油型乳化調味料であって、乳酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を乳酸換算で0.5%以上4.5%以下、並びにカルシウム塩をカルシウム換算で0.01%以上0.6%以下含有する、酸性水中油型乳化調味料。

請求項2

請求項1記載の乳化調味料において、カルシウム塩が、塩化カルシウム乳酸カルシウム又は酢酸カルシウムから選択された1種以上である、酸性水中油型乳化調味料。

請求項3

請求項1又は2に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いた加熱固形状食品

請求項4

請求項1又は2に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いた焼成食品

請求項5

請求項1又は2に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いた米菓

請求項6

請求項1又は2に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いたパン

請求項7

請求項1又は2に記載の酸性水中油型乳化調味料を加熱前の加熱固形状食品表面に付着させた後に加熱する、加熱固形状食品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、焼成熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施しても酸性水中油型乳化調味料酸味が維持され,調味料全体の味のバランスも維持された、酸性水中油型乳化調味料およびその用途に関する。

背景技術

0002

酸性水中油型乳化調味料とは、pHを4.6以下にすることで常温流通を可能にした酸性乳化食品であり、代表的なものとして、マヨネーズ様食品等の半固体状ドレッシング乳化液状ドレッシング等が挙げられる。

0003

マヨネーズ等の酸性水中油型乳化調味料は、サラダにかける、または野菜と和える等の用途が一般的であるが、近年その用途が拡大している。具体的には、パン等の焼成食品、せんべい等の米菓ポテトチップス等のスナック菓子、及びチキンカツ等のフライ食品等、従来マヨネーズを使用しなかった業態においてマヨネーズ味を付した加熱食品の開発が進んでいる。

0004

しかしながら、パンの製造工程において、マヨネーズを添加した後、焼成を行ったり、米菓の製造工程において、マヨネーズをからめた後、熱風乾燥を行ったり、フライ食品の製造工程において、バッター液としてマヨネーズを付着させた後、油ちょうを行うと、加熱によってマヨネーズの酸味が消失し、調味料全体の味のバランスが失われてしまうという問題があった。

0005

加熱による酸性水中油型乳化調味料の物性変化を抑制する技術としては、従来からホスフォリパーゼ処理卵黄乳化剤として使用する方法(特許文献1)、ホエー蛋白を乳化剤として使用する方法(特許文献2)等が提案されている。

0006

しかしながら、これらの耐熱性を有した酸性水中油型乳化調味料は、一定条件下加熱処理を施した際に、その乳化状態破壊されることなく、乳化定性は有しているものの、当該酸性水中油型乳化調味料に焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施した際に、酸性水中油型乳化調味料の酸味が消失し、調味料全体の味のバランスが失われてしまうという問題は解決されていなかった。

0007

一方、加熱食品にマヨネーズ味を付す方法としては、米菓や、パン、フライ食品の製造工程において、熱風乾燥や油ちょう等を行った後、粉末マヨネーズ(特許文献3)を振りかける方法が知られている。しかしながら、これらの方法でマヨネーズ味を付した加熱食品は、製造工程が増え、コスト面で満足できるものではなかった。

先行技術

0008

特開昭51−84785号公報
特開2004−180577号公報
特開平8−56608号公報

発明が解決しようとする課題

0009

そこで、本発明の目的は、酸性水中油型乳化調味料において、焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施しても酸性水中油型乳化調味料の酸味が維持され,調味料全体の味のバランスも維持された、酸性水中油型乳化調味料およびその用途を提供するものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明者等は、上記目的を達成すべく酸性水中油型乳化調味料に使用されている様々な配合原料、及び製造工程について鋭意研究を重ねた。その結果、酢酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を酢酸換算で1%以上5%以下、食塩を3%以上15%以下、卵黄を含有した酸性水中油型乳化調味料であって、特定の有機酸及び/又はその塩とカルシウム塩とを配合するならば、意外にも焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施しても酸性水中油型乳化調味料の酸味が維持され,調味料全体の味のバランスも維持されることを見出し、本発明を完成するに至った。

0011

すなわち、本発明は、
(1)酢酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を酢酸換算で1%以上5%以下、食塩を3%以上15%以下、卵黄を含有した酸性水中油型乳化調味料であって、
乳酸及び/又はその塩(ただし、カルシウム塩を除く)を乳酸換算で0.5%以上4.5%以下、並びにカルシウム塩をカルシウム換算で0.01%以上0.6%以下含有する、
酸性水中油型乳化調味料、
(2)(1)記載の乳化調味料において、
カルシウム塩が、塩化カルシウム乳酸カルシウム又は酢酸カルシウムから選択された1種以上である、
酸性水中油型乳化調味料、
(3)(1)又は(2)に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いた加熱固形状食品
(4)(1)又は(2)に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いた焼成食品、
(5)(1)又は(2)に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いた米菓、
(6)(1)又は(2)に記載の酸性水中油型乳化調味料を用いたパン、
(7)(1)又は(2)に記載の酸性水中油型乳化調味料を加熱前の加熱固形状食品表面に付着させた後に加熱する、加熱固形状食品の製造方法、である。

発明の効果

0012

本発明によれば、焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施しても酸味が維持され,調味料全体の味のバランスも維持された酸性水中油型乳化調味料を提供することが出来る。したがって、酸性水中油型乳化調味料を従来使用しにくかった加熱食品に使い易くなり、酸性水中油型乳化調味料の更なる需要拡大が期待できる。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。

0014

<本発明の特徴>
本発明は、上記酸性水中油型乳化調味料の中でも、カルシウム塩を除く特定量の酢酸及び/又はその塩、食塩並びに卵黄を含有した酸性水中油型乳化調味料において、カルシウム塩を除く特定量の乳酸及び/又はその塩、並びにカルシウム塩を含有することを特徴としており、これにより、焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施してもマヨネーズ等の酸性水中油型乳化調味料と同様の酸味が維持され、調味料全体の味のバランスも維持された酸性水中油型乳化調味料となる。

0015

<酸性水中油型乳化調味料>
本発明において酸性水中油型乳化調味料とは、食用油脂油滴として水相中に略均一に分散して水中油型の乳化状態が維持され、常温流通を可能ならしめるためにpHを4.6以下に調整された酸性乳化食品である。

0016

<酢酸及び/又はその塩、並びにその含有量
本発明の酸性水中油型乳化調味料中の酢酸及び/又はその塩としては、カルシウム塩を除く、例えば、酢酸、酢酸ナトリウム食酢醸造酢、合成酢等が挙げられる。本発明の酸性水中油型乳化調味料中の酢酸及び/又はその塩の含有量は、加熱しても酸味が維持され,調味料全体の味のバランスが維持される程度であればよく、酢酸換算で1%以上5%以下であり、さらに1.5%以上4%以下であるとよい。

0017

<食塩の含有量>
本発明の酸性水中油型乳化調味料中の食塩の含有量は、加熱しても塩味が得られ、調味料全体の味のバランスが維持される程度であればよく、3%以上15%以下であり、さらに5%以上10%以下であるとよい。

0018

<卵黄>
本発明の酸性水中油型乳化調味料は、卵黄を配合したものである。本発明に用いる卵黄は、マヨネーズ等の乳化調味料に用いられるものであればいずれのものでも良い。例えば、鶏卵割卵卵白と分離させた生卵黄あるいは卵黄液、前記生卵黄あるいは卵黄液にスプレードライフリーズドライ等の乾燥処理を施した乾燥卵黄、前記生卵黄あるいは卵黄液に砂糖を加えた加糖卵黄、前記生卵黄あるいは卵黄液や加糖卵黄等を凍結した凍結卵黄、その他、脱糖処理殺菌処理、ホスフォリパーゼAやタンパク分解酵素処理等を施した酵素処理脱コレステロール処理等を施した処理卵黄等が挙げられる。また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で卵白を含んだ例えば、全や上述した処理等を施したもの等も用いることができる。この場合、全卵の卵黄部分が本発明の卵黄に相当する。

0019

<卵黄の含有量>
本発明の酸性水中油型乳化調味料中の卵黄の含有量は生卵黄換算で2%以上40%以下であるとよく、さらに4%以上20%以下であるとよい。卵黄の含有量が前記数値範囲であることにより、加熱しても酸性水中油型乳化調味料中の酸味消失が感じられにくく、調味料全体の味のバランスが失われにくくなる。また、卵黄の含有量を前記範囲よりも多くしたとしても、含有量に応じた効果が期待し難く経済的でない。

0020

<ホスフォリパーゼA処理卵黄>
本発明で用いる卵黄は、その一部または全部をホスフォリパーゼA処理卵黄に置換することで、酸性水中油型乳化調味料に焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施した際の、酸性水中油型乳化調味料の酸味が消失し難くなることができる。ホスフォリパーゼA処理卵黄とは、卵黄の主成分である卵黄リポ蛋白質卵黄リン脂質卵黄油およびコレステロール等の卵黄脂質卵黄蛋白複合体)の構成リン脂質にリン脂質分解酵素であるホスフォリパーゼA1あるいはホスフォリパーゼA2を作用させてリン脂質の1位あるいは2位の脂肪酸残基加水分解してリゾリン脂質とした卵黄をいう。

0021

<ホスフォリパーゼA処理卵黄の加水分解の程度>
ホスフォリパーゼA処理卵黄の前記酵素処理による加水分解の程度としては、リゾホスファチジルコリンホスファチジルコリンの合計量に対するリゾホスファチジルコリンの割合がイアトロスキャン法(TLC−FID法)で分析した場合、その値(本発明の「リゾ化率」)が、10%以上80%以下が好ましく、30%以上70%以下がより好ましい。リゾ化率が前記範囲内であることにより、加熱しても酸性水中油型乳化調味料中の酸味消失が感じられにくく、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスが失われにくくなる。

0022

<ホスフォリパーゼA処理卵黄の含有量>
ホスフォリパーゼA処理卵黄の含有量は生卵黄換算で2%以上20%以下であるとよく、さらに5%以上15%以下であるとよい。なお、前述のホスフォリパーゼA処理卵黄を含有する場合、卵黄の含有量(生卵黄換算)とは、ホスフォリパーゼA処理卵黄の含有量(生卵黄換算)を合算した数値のことをいう。ホスフォリパーゼA処理卵黄の含有量が前記範囲内であることにより、加熱しても酸性水中油型乳化調味料中の酸味消失が感じられにくくすることができ、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスが失われにくくすることができる。また、ホスフォリパーゼA処理卵黄の含有量を前記数値範囲よりも多くしたとしても、含有量に応じた効果が期待し難く経済的でない。なお、卵白を含有した全卵等をホスフォリパーゼAで処理したホスフォリパーゼA処理全卵等を用いた場合は、当該酵素処理された卵黄部分がホスフォリパーゼA処理卵黄に相当する。

0023

<乳酸及び/又はその塩、並びにその含有量>
本発明の酸性水中油型乳化調味料中の乳酸及び/又はその塩としては、カルシウム塩を除き、例えば乳酸、発酵乳酸乳酸ナトリウム乳酸カリウム乳酸鉄等が挙げられる。本発明の酸性水中油型乳化調味料中の乳酸及び/又はその塩の含有量は、乳酸換算で0.5%以上4.5%以下であり、さらに1%以上4%以下であるとよい。
酸性水中油型乳化調味料の乳酸及び/又はその塩の含有量が前記数値範囲より少ないと、たとえ前述の酢酸及び/又はその塩、食塩、卵黄、後述のカルシウム塩を特定量含有したとしても、酸性水中油型乳化調味料に焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施した際、酸性水中油型乳化調味料の酸味が消失し、調味料全体の味のバランスが失われてしまう。一方、酸性水中油型乳化調味料の乳酸及び/又はその塩の含有量が前記数値範囲より多いと、加熱しても酸味を強く感じ、調味料全体の味のバランスが失われてしまう。

0024

<カルシウム塩、並びにその含有量>
本発明の酸性水中油型乳化調味料中のカルシウム塩は、特に限定されず、例えば塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、加熱による酸性水中油型乳化調味料中の酸味消失が感じられにくく、調味料全体の味のバランスが失われにくくなることから、塩化カルシウム、乳酸カルシウム又は酢酸カルシウムの1種以上が含まれるとよく、さらに少なくとも塩化カルシウムが含まれるとよい。
酸性水中油型乳化調味料中のカルシウム塩の含有量は、カルシウム換算で0.01%以上0.6%以下であり、さらに0.02%以上0.4%以下であるとよく、さらに0.03%以上0.1%以下であるとよい。酸性水中油型乳化調味料のカルシウム塩の含有量が前記数値範囲より少ないと、たとえ、前述のカルシウム塩を除く酢酸及び/又はその塩、食塩、卵黄、カルシウム塩を除く乳酸及び/又はその塩を特定量含有したとしても、酸性水中油型乳化調味料に焼成、熱風乾燥、及び油ちょう等の加熱を施した際、マヨネーズ等の酸性水中油型乳化調味料と同様の酸味が消失し、調味料全体の味のバランスが失われてしまう。一方、酸性水中油型乳化調味料のカルシウム塩の含有量が前記数値範囲より多いと、カルシウム塩のえぐみ苦み等を感じやすくなり、調味料全体の味のバランスが失われてしまう。

0025

<酸性水中油型乳化調味料に用いる他の食品原料
本発明の酸性水中油型乳化調味料は、上述の原料の他に本発明の効果を損なわない範囲で酸性水中油型乳化調味料に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、グルタミン酸ナトリウム、砂糖、醤油味噌等の各種調味料、各種エキスキサンタンガムタマリンド種子ガムローカストビーンガムジェランガムグアーガムアラビアガム、サイリュームシードガム等のガム質馬鈴薯澱粉コーンスターチタピオカ澱粉小麦澱粉米澱粉、これらの澱粉アルファ化架橋等の処理を施した加工澱粉、並びに湿熱処理澱粉等の澱粉類澱粉分解物デキストリン、デキストリンアルコールオリゴ糖オリゴ糖アルコール等の糖類、全卵、液卵白レシチンリゾレシチンラクトアルブミンカゼインナトリウムグリセリン脂肪酸エステルポリグリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルオクテニルコハク酸化澱粉等の乳化材アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、からし粉、胡椒等の香辛料、各種蛋白質やこれらの分解物等が挙げられる。

0026

<加熱固形状食品>
加熱固形状食品とは、料理の分野で一般的に行われている、焼成、フライ、煮る、蒸す、炒める等の他、レトルト処理等の加熱処理を施す、具体的には、80℃以上で加熱処理する加熱固形状食品をいう。このような加熱処理を施し、マヨネーズ味が要望される固形状加熱食品としては、例えば、パン、パン用フィリング又はトッピングクッキー、ボーロ、スポンジケーキ等の焼成食品、せんべい、あられ、おかき等の熱風乾燥品スナック等の押出成形品等の加熱固形状食品等が挙げられる。上記加熱固形状食品中でも、特に、パン等の焼成食品や米菓等の熱風乾燥品は加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が消失し、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスが失われることから、本発明を用いることが好適である。

0027

<加熱固形状食品の製造方法>
本発明の酸性水中油型乳化調味料は、加熱固形状食品に用いることができる。ここで、本発明の加熱固形状食品の製造方法は、例えば、加熱前の米菓生地パン生地表面等の加熱前の加熱固形状食品表面に酸性水中油型乳化食品噴霧等の付着処理を施して加熱するとよい。

0028

以下、本発明の酸性水中油型乳化調味料について、実施例、及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。

0029

[実施例1]
<酸性水中油型乳化調味料>
下記に示す配合割合で酸性水中油型乳化調味料を製した。つまり、食酢、食塩、乳酸、塩化カルシウム、生卵黄、リゾ化率50%のホスフォリパーゼA2処理卵黄、清水ミキサーに入れ、攪拌しながら植物油を徐々に添加して粗乳化し、更にコロイドミルに通して仕上げ乳化を施した。次に、得られた乳化物を容量300gのラミネート容器充填することにより本発明品の酸性水中油型乳化調味料を製した。なお、得られた酸性水中油型乳化調味料は、酢酸を2.5%、食塩を5%、乳酸(乳酸50%含有)を乳酸換算で3%、塩化カルシウムをカルシウム換算で0.08%、生卵黄を4%、ホスフォリパーゼA2処理卵黄を生卵黄換算で8%含有した。

0030

<酸性水中油型乳化調味料の配合割合>
油相
植物油20%
(水相)
食酢(酸度20%) 12.5%
食塩5%
乳酸6%
塩化カルシウム0.29%
生卵黄4%
ホスフォリパーゼA2処理卵黄8%
(リゾ化率50%)
清水残余
———————————————————————
合計 100%

0031

[実施例2]
<せんべい>
精米したもち米を水に4時間浸漬した後、当該吸水米セイロに移し蒸煮した。蒸煮の途中で打ち水加水しながら芯が残らないまで蒸煮し約46%の水分とした。得られた蒸煮米をもち搗き機で搗き練り処理を行い、4℃の冷蔵庫で一晩冷却した後、直径4cm、厚さ0.3cmに大きさに切断して成形し、次いで水分含量が15〜16%となるまで乾燥させた。次いで、当該乾燥物油温約240℃の油で1分間揚げた後、油切りし、当該揚げ処理物に実施例1で得られた酸性水中油型乳化調味料を揚げ処理物100部に対し20部となるように噴霧して付着させ、次いで80℃の熱風で60分間乾燥させてせんべいを得た。得られたせんべいを喫食したところ、加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が十分に維持され、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスも十分に維持されていた。

0032

[試験例1]
乳酸、塩化カルシウムの含有量の違いによる、酸性水中油型乳化調味料を熱風乾燥した際の、酸性水中油型乳化調味料の酸味の残存効果を調べた。具体的には、実施例1において、乳酸、塩化カルシウムの含有量を表1に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法で酸性水中油型乳化調味料を製した。次いで、得られた酸性水中油型乳化調味料を用いて、実施例2と同様の方法でせんべいを製造し、得られたせんべいを喫食し、下記の評価基準に従って、加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味の残存効果と調味料全体の味のバランスを評価した。

0033

「加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味の残存効果と調味料全体の味のバランス」の評価ランク:基準
A:加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が十分に維持され、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスも十分に維持されている。
B:加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が若干弱いが、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスは問題とならない程度である。
C:加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が弱く、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスもやや悪いが、問題とならない程度である。
D:加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が感じられず、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスが悪い。

0034

0035

表1より、乳酸の含有量が0.5%以上4.5%以下、かつ塩化カルシウムの含有量がカルシウム換算で0.01%以上0.6%以下、である酸性水中油型乳化調味料(No.5、6)は、加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が弱く、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスもやや悪いが、問題とならない程度であることが理解される。さらに、乳酸の含有量が1%以上4%以下、かつ塩化カルシウムの含有量がカルシウム換算で0.02%以上0.4%以下である酸性水中油型乳化調味料(No.3、4、8、9)は、加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が若干弱いが、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスは問題とならない程度であることが理解される。特に、乳酸の含有量が1%以上4%以下、かつ塩化カルシウムの含有量がカルシウム換算で0.03%以上0.1%以下である酸性水中油型乳化調味料(No.1、2、7)は、加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が十分に維持され、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスも十分に維持されていることが理解される。

0036

[実施例3]
<酸性水中油型乳化調味料>
下記に示す配合割合で酸性水中油型乳化調味料を製した。つまり、食酢、食塩、乳酸ナトリウム、酢酸カルシウム、生卵黄、リゾ化率60%のホスフォリパーゼA2処理卵黄、清水をミキサーに入れ、攪拌しながら植物油を徐々に添加して粗乳化し、更にコロイドミルに通して仕上げ乳化を施した。次に、得られた乳化物を容量300gのラミネート容器に充填することにより本発明品の酸性水中油型乳化調味料を製した。なお、得られた酸性水中油型乳化調味料は、酢酸を1.6%、食塩を3%、乳酸ナトリウムを乳酸換算で2%、酢酸カルシウムをカルシウム換算で0.08%、生卵黄を2%、ホスフォリパーゼA2処理卵黄を生卵黄換算で6%含有した。

0037

<酸性水中油型乳化調味料の配合割合>
(油相)
植物油20%
(水相)
食酢(酸度20%) 8%
食塩3%
乳酸ナトリウム2.5%
酢酸カルシウム0.32%
生卵黄2%
ホスフォリパーゼA2処理卵黄6%
(リゾ化率60%)
清水残余
———————————————————————
合計 100%

0038

[試験例2]
塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、又は炭酸カルシウムの1種以上であるカルシウム塩の種類と含有量の違いによる、酸性水中油型乳化調味料を熱風乾燥した際の、酸性水中油型乳化調味料の酸味の残存効果と調味料全体の味のバランスへの影響を調べた。具体的には、実施例3において、カルシウム塩の種類と含有量を表2に示す割合に変更した以外は、実施例3と同様の方法で酸性水中油型乳化調味料を製した。次いで、得られた酸性水中油型乳化調味料を用いて、実施例2と同様の方法でせんべいを製造し、得られたせんべいを喫食し、加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味の残存効果と調味料全体の味のバランスを評価した。また、評価基準は試験例1と同様とする。

0039

0040

表2より、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム、又は炭酸カルシウムの1種以上が含まれるとよい(No.1、12〜15)。さらに今回用いた4種のカルシウム塩の中でも、少なくとも塩化カルシウムを用いた場合は、酸味の残存効果は他の3種のカルシウム塩に比べ特に優れていた(No.1、12)。また炭酸カルシウムは、酸性水中油型乳化調味料の製造行程中で炭酸カルシウム配合時に発泡し、本発明後の効果が他の3種のカルシウム塩(塩化カルシウム、酢酸カルシウム、乳酸カルシウム)にやや劣った(No.15)。

0041

[実施例4]
<酸性水中油型乳化調味料>
下記に示す配合割合で酸性水中油型乳化調味料を製した。つまり、酢酸、酢酸ナトリウム、食塩、発酵乳酸、酢酸カルシウム、生卵黄、リゾ化率30%のホスフォリパーゼA2処理卵黄、清水をミキサーに入れ、攪拌しながら植物油を徐々に添加して粗乳化し、更にコロイドミルに通して仕上げ乳化を施した。次に、得られた乳化物を容量300gのラミネート容器に充填することにより本発明品の酸性水中油型乳化調味料を製した。なお、得られた酸性水中油型乳化調味料は、酢酸ナトリウムを酢酸換算で2%、食塩を4%、発酵乳酸(乳酸50%含有)を乳酸換算で3%、塩化カルシウムをカルシウム換算で0.08%、生卵黄を2%、ホスフォリパーゼA2処理卵黄を生卵黄換算で10%含有した。

0042

<酸性水中油型乳化調味料の配合割合>
(油相)
植物油20%
(水相)
食酢(酸度20%) 10%
酢酸ナトリウム2.7%
食塩4%
発酵乳酸6%
塩化カルシウム0.29%
生卵黄2%
ホスフォリパーゼA2処理卵黄10%
(リゾ化率30%)
清水残余
———————————————————————
合計 100%

0043

[実施例5]
<酸性水中油型乳化調味料>
下記に示す配合割合で酸性水中油型乳化調味料を製した。つまり、酢酸ナトリウム、食塩、乳酸、酢酸カルシウム、生卵黄、リゾ化率30%のホスフォリパーゼA2処理卵黄、清水をミキサーに入れ、攪拌しながら植物油を徐々に添加して粗乳化し、更にコロイドミルに通して仕上げ乳化を施した。次に、得られた乳化物を容量300gのラミネート容器に充填することにより本発明品の酸性水中油型乳化調味料を製した。なお、得られた酸性水中油型乳化調味料は、酢酸ナトリウムを酢酸換算で4%、食塩を4%、乳酸(乳酸50%含有)を乳酸換算で2%、酢酸カルシウムをカルシウム換算で0.08%、生卵黄を2%、ホスフォリパーゼA2処理卵黄を生卵黄換算で10%含有した。

0044

<酸性水中油型乳化調味料の配合割合>
(油相)
植物油20%
(水相)
酢酸ナトリウム5.5%
食塩4%
乳酸4%
酢酸カルシウム0.32%
生卵黄2%
ホスフォリパーゼA2処理卵黄10%
(リゾ化率30%)
清水残余
———————————————————————
合計 100%

0045

[実施例6]
焼成パン
調製した一次発酵済みのパン生地100g、二次発酵させた後、実施例1、3、4、5で得られた酸性水中油型乳化調味料30gをパン生地にのせ、焼成してマヨネーズパンを調製した。得られた焼成パンを喫食したところ、実施例1、3、4、5のいずれも加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が十分に維持され、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスも十分に維持されていた。中でも、実施例4は、酸味の維持に特に優れており、調味料全体の味のバランスの維持も優れていた。

0046

[実施例7]
<チキンカツ>
鶏胸肉を一口大にカットし、塩、胡椒で調味した。実施例1、3、4、5で得られた酸性水中油型乳化調味料をバッター液として用い、調味した鶏胸肉100部に対し酸性水中油型乳化調味料20部となるように付着させ、パン粉を付けた後、170℃の植物油で4分間油ちょうした。得られたチキンカツを喫食したところ、実施例1、3、4、5のいずれも加熱後の酸性水中油型乳化調味料の酸味が十分に維持され、酸性水中油型乳化調味料全体の味のバランスも十分に維持されていた。中でも、実施例4は、酸味の維持に特に優れており、調味料全体の味のバランスの維持も優れていた。

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