図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2015年12月14日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (15)

課題

追跡対象の移動体に対する運転支援の実施中において、車両側方を並走する他の移動体が複数のセンサ間の死角領域に移動した場合であっても、死角領域内を移動する移動体の位置を把握して追跡した移動体の軌跡に基づいて、運転支援を継続して実施可能な運転支援装置を提供することを課題とする。

解決手段

本発明の運転支援装置は、追跡対象の移動体が第1領域又は第2領域を外れて死角領域内に入ると、位置推定手段を制御して移動体の位置を推定し、当該移動体が死角領域を外れて第1領域又は第2領域内に入ると、位置検出手段を制御して移動体の位置を検出することで、第1領域又は第2領域内で検出された移動体の軌跡と死角領域内で推定された移動体の軌跡とが連続するように、追跡対象の移動体の軌跡を追跡し、追跡された追跡対象の移動体の軌跡に基づいて、運転支援を実施する。

概要

背景

従来、複数のセンサを利用して自車両の側方に存在する他の移動体位置情報を検出する技術が報告されている。例えば、特許文献1には、路側物近傍を走行する車両の位置を検出可能な物体検出装置が開示されている。また、特許文献2には、後方探査モードでの測定結果に基づき重複エリア移動物標が検出されていれば、側方検出物標側方検出エリアにて追跡の必要がある追跡対象物標として登録すると共に、その登録した追跡対象物標に重複エリア移動物標の情報を引き継ぐ技術が開示されている。

概要

追跡対象の移動体に対する運転支援の実施中において、車両側方を並走する他の移動体が複数のセンサ間の死角領域に移動した場合であっても、死角領域内を移動する移動体の位置を把握して追跡した移動体の軌跡に基づいて、運転支援を継続して実施可能な運転支援装置を提供することを課題とする。本発明の運転支援装置は、追跡対象の移動体が第1領域又は第2領域を外れて死角領域内に入ると、位置推定手段を制御して移動体の位置を推定し、当該移動体が死角領域を外れて第1領域又は第2領域内に入ると、位置検出手段を制御して移動体の位置を検出することで、第1領域又は第2領域内で検出された移動体の軌跡と死角領域内で推定された移動体の軌跡とが連続するように、追跡対象の移動体の軌跡を追跡し、追跡された追跡対象の移動体の軌跡に基づいて、運転支援を実施する。

目的

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、追跡対象の移動体に対する運転支援の実施中において、車両側方を並走する他の移動体が複数のセンサ間の死角領域に移動した場合であっても、この死角領域内を移動する移動体の位置を把握して追跡した移動体の軌跡に基づいて、運転支援を継続して実施可能な運転支援装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

自車両の前側方の搭載位置に備えられたセンサであって、当該自車両の前側方における第1領域の状況を検出する第1センサと、前記自車両の後側方の搭載位置に備えられたセンサであって、前記第1領域とは異なる領域であって当該自車両の後側方における第2領域の状況を検出する第2センサと、前記第1領域及び前記第2領域内で移動する追跡対象の移動体の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により前記第1領域又は前記第2領域のいずれか一方で検出された前記追跡対象の移動体の位置に基づいて、前記自車両の側方における周辺領域であって、前記第1領域及び前記第2領域以外の領域である死角領域内で移動する前記追跡対象の移動体の位置を推定する位置推定手段と、前記追跡対象の移動体が前記第1領域及び前記第2領域のうち一方を外れて前記死角領域内に入ると、前記位置推定手段を制御して前記移動体の位置を推定し、当該移動体が前記死角領域を外れて前記第1領域及び前記第2領域のうち他方に入ると、前記位置検出手段を制御して前記移動体の位置を検出することで、前記第1領域及び前記第2領域内で検出された前記移動体の軌跡と前記死角領域内で推定された前記移動体の軌跡とが連続するように、前記追跡対象の移動体の軌跡を追跡する軌跡追跡手段と、前記軌跡追跡手段により追跡された前記追跡対象の移動体の軌跡に基づいて、運転支援を実施する支援実施手段と、を備えたことを特徴とする運転支援装置

請求項2

前記支援実施手段は、前記位置推定手段により推定された前記追跡対象の移動体の位置の推定精度に応じて前記運転支援の支援内容を変更する請求項1に記載の運転支援装置。

請求項3

前記支援実施手段は、前記推定精度が高い場合は車両制御による前記運転支援を実施し、前記推定精度が低い場合は報知による前記運転支援を実施する請求項2に記載の運転支援装置。

請求項4

前記推定精度は、前記自車両と前記追跡対象の移動体との相対速度が小さいほど低く、前記相対速度が大きいほど高くなるように設定される請求項2又は3に記載の運転支援装置。

請求項5

前記推定精度は、前記追跡対象の移動体の属性に応じて設定される請求項2乃至4のいずれか一項に記載の運転支援装置。

請求項6

前記推定精度は、前記自車両周辺に存在する前記追跡対象の移動体とは別の移動体が、当該追跡対象の移動体に対して接近する加減速度が小さいほど高く、前記加減速度が大きいほど低くなるように設定される請求項2乃至5のいずれか一項に記載の運転支援装置。

請求項7

前記推定精度は、前記自車両から交差点までの距離が遠いほど高く、前記距離が近いほど低く設定される請求項2乃至6のいずれか一項に記載の運転支援装置。

請求項8

前記推定精度は、前記自車両周辺における湿度が低いほど高く、前記湿度が高いほど低く設定される請求項2乃至7のいずれか一項に記載の運転支援装置。

請求項9

前記推定精度は、前記自車両周辺における雨量が少ないほど高く、前記雨量が多いほど低く設定される請求項2乃至8のいずれか一項に記載の運転支援装置。

技術分野

0001

本発明は、運転支援装置に関する。

背景技術

0002

従来、複数のセンサを利用して自車両の側方に存在する他の移動体位置情報を検出する技術が報告されている。例えば、特許文献1には、路側物近傍を走行する車両の位置を検出可能な物体検出装置が開示されている。また、特許文献2には、後方探査モードでの測定結果に基づき重複エリア移動物標が検出されていれば、側方検出物標側方検出エリアにて追跡の必要がある追跡対象物標として登録すると共に、その登録した追跡対象物標に重複エリア移動物標の情報を引き継ぐ技術が開示されている。

先行技術

0003

特開2010−211504号公報
特開2012−159348号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、車両側方を並走する他の移動体に対する運転支援を実施する場合、自車両に搭載された複数のセンサ間で検出される追跡対象の移動体の位置から、この移動体の軌跡を正確に把握する必要がある。

0005

しかしながら、従来技術においては、車両側方を並走する他の移動体が複数のセンサ間の死角領域に移動した場合に、この移動体の軌跡を把握できない虞がある。この場合、センサの検出領域内で追跡対象の移動体の軌跡を把握できている状態では、運転支援を継続できるものの、この移動体が死角領域内に入ると移動体の軌跡を把握できなくなるため、継続して実施すべき運転支援が中断されてしまう事象が生じてしまう。また、一旦死角領域内に入った移動体が再度検出領域に入ると、中断されていた運転支援が突然再開されて運転者に対して違和感を与える可能性も考えられる。

0006

このように、従来技術においては、追跡対象の移動体に対する運転支援の実施中において、センサの検出領域内から死角領域内へ移動体が入ると、追跡対象の移動体の軌跡を追跡できなくなるため、この移動体との衝突を回避する等の運転支援を継続できなくなるという問題があった。

0007

本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、追跡対象の移動体に対する運転支援の実施中において、車両側方を並走する他の移動体が複数のセンサ間の死角領域に移動した場合であっても、この死角領域内を移動する移動体の位置を把握して追跡した移動体の軌跡に基づいて、運転支援を継続して実施可能な運転支援装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の運転支援装置は、自車両の前側方の搭載位置に備えられたセンサであって、当該自車両の前側方における第1領域の状況を検出する第1センサと、前記自車両の後側方の搭載位置に備えられたセンサであって、前記第1領域とは異なる領域であって当該自車両の後側方における第2領域の状況を検出する第2センサと、前記第1領域及び前記第2領域内で移動する追跡対象の移動体の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により前記第1領域又は前記第2領域のいずれか一方で検出された前記追跡対象の移動体の位置に基づいて、前記自車両の側方における周辺領域であって、前記第1領域及び前記第2領域以外の領域である死角領域内で移動する前記追跡対象の移動体の位置を推定する位置推定手段と、前記追跡対象の移動体が前記第1領域及び前記第2領域のうち一方を外れて前記死角領域内に入ると、前記位置推定手段を制御して前記移動体の位置を推定し、当該移動体が前記死角領域を外れて前記第1領域及び前記第2領域のうち他方に入ると、前記位置検出手段を制御して前記移動体の位置を検出することで、前記第1領域及び前記第2領域内で検出された前記移動体の軌跡と前記死角領域内で推定された前記移動体の軌跡とが連続するように、前記追跡対象の移動体の軌跡を追跡する軌跡追跡手段と、前記軌跡追跡手段により追跡された前記追跡対象の移動体の軌跡に基づいて、運転支援を実施する支援実施手段と、を備えたことを特徴とする。

0009

上記運転支援装置において、前記支援実施手段は、前記位置推定手段により推定された前記追跡対象の移動体の位置の推定精度に応じて前記運転支援の支援内容を変更することが好ましい。

0010

上記運転支援装置において、前記支援実施手段は、前記推定精度が高い場合は車両制御による前記運転支援を実施し、前記推定精度が低い場合は報知による前記運転支援を実施することが好ましい。

0011

上記運転支援装置において、前記推定精度は、前記自車両と前記追跡対象の移動体との相対速度が小さいほど低く、前記相対速度が大きいほど高くなるように設定されることが好ましい。

0012

上記運転支援装置において、前記推定精度は、前記追跡対象の移動体の属性に応じて設定されることが好ましい。

0013

上記運転支援装置において、前記推定精度は、前記自車両周辺に存在する前記追跡対象の移動体とは別の移動体が、当該追跡対象の移動体に対して接近する加減速度が小さいほど高く、前記加減速度が大きいほど低くなるように設定されることが好ましい。

0014

上記運転支援装置において、前記推定精度は、前記自車両から交差点までの距離が遠いほど高く、前記距離が近いほど低く設定されることが好ましい。

0015

上記運転支援装置において、前記推定精度は、前記自車両周辺における湿度が低いほど高く、前記湿度が高いほど低く設定されることが好ましい。

0016

上記運転支援装置において、前記推定精度は、前記自車両周辺における雨量が少ないほど高く、前記雨量が多いほど低く設定されることが好ましい。

発明の効果

0017

本発明にかかる運転支援装置によれば、追跡対象の移動体に対する運転支援の実施中において、車両側方を並走する他の移動体が複数のセンサ間の死角領域に移動した場合であっても、この死角領域内を移動する移動体の位置を把握して追跡した移動体の軌跡に基づいて、運転支援を継続して実施することができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明に係る運転支援装置の構成を示す図である。
図2は、車両に搭載された複数の周辺環境認識センサの検出領域及び死角領域の一例を示す図である。
図3は、死角領域内を通過する追跡対象の移動体の軌跡を追跡する状況の一例を示す図である。
図4は、相対速度に応じて推定精度を設定する状況の一例を示す図である。
図5は、推定精度と相対速度との関係の一例を示す図である。
図6は、推定精度と属性との関係の一例を示す図である。
図7は、別の移動体の加減速度に応じて推定精度を設定する状況の一例を示す図である。
図8は、推定精度と加減速度との関係の一例を示す図である。
図9は、交差点までの距離に応じて推定精度を設定する状況の一例を示す図である。
図10は、推定精度と交差点との関係の一例を示す図である。
図11は、推定精度と湿度との関係の一例を示す図である。
図12は、推定精度とワイパー作動速度との関係の一例を示す図である。
図13は、本発明に係る運転支援装置が実行する基本処理の一例を示すフローチャートである。
図14は、本発明に係る運転支援装置が実行する推定精度設定処理及び運転支援変更処理の一例を示すフローチャートである。

実施例

0019

以下に、本発明にかかる運転支援装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。

0020

[実施形態]
図1図12を参照して、本発明に係る運転支援装置の構成について説明する。図1は、本発明に係る運転支援装置の構成を示す図である。図2は、車両に搭載された複数の周辺環境認識センサの検出領域及び死角領域の一例を示す図である。図3は、死角領域内を通過する追跡対象の移動体の軌跡を追跡する状況の一例を示す図である。図4は、相対速度に応じて推定精度を設定する状況の一例を示す図である。図5は、推定精度と相対速度との関係の一例を示す図である。図6は、推定精度と属性との関係の一例を示す図である。図7は、別の移動体の加減速度に応じて推定精度を設定する状況の一例を示す図である。図8は、推定精度と加減速度との関係の一例を示す図である。図9は、交差点までの距離に応じて推定精度を設定する状況の一例を示す図である。図10は、推定精度と交差点との関係の一例を示す図である。図11は、推定精度と湿度との関係の一例を示す図である。図12は、推定精度とワイパー作動速度との関係の一例を示す図である。

0021

本実施形態において、ECU1は、周辺環境認識センサ3から入力される情報から自車両の側方を並走する移動体の位置を検出及び推定することで追跡された移動体の軌跡に基づいて、運転支援を実施する運転支援装置としての機能を有する。ECU1は、車両運動量検出センサ2と、周辺環境認識センサ3と、ナビゲーションシステム4と、湿度センサ5と、ワイパーセンサ6と、アクチュエータ7と、ディスプレイ8と、スピーカ9と、電気的に接続されている。ECU1は、車両運動量検出センサ2と、周辺環境認識センサ3と、ナビゲーションシステム4と、湿度センサ5と、ワイパーセンサ6と、から入力される各種信号に基づいて演算処理を行う。ECU1は、各種信号に基づく演算処理結果に応じて、アクチュエータ7、ディスプレイ8、及び、スピーカ9のうち少なくとも1つを介して運転支援を実施する。

0022

車両運動量検出センサ2は、車両運動量を示す各種情報を検出する車両運動量検出装置である。本実施形態において、車両運動量検出センサ2は、加速度センサ2aと、ヨーレートセンサ2bと、車速センサ2cとを備える。加速度センサ2aは、車体にかかる加速度を検出する加速度検出装置である。加速度センサ2aは、検出した加速度の大小を示す信号をECU1へ出力する。ヨーレートセンサ2bは、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出装置である。ヨーレートセンサ2bは、検出したヨーレートの大小を示す信号をECU1へ出力する。車速センサ2cは、車輪毎に設けられ、夫々の車輪速度を検出する車輪速度検出装置である。各車速センサ2cは、各車輪の回転速度である車輪速度を検出する。各車速センサ2cは、検出した各車輪の車輪速度を示す信号をECU1へ出力する。ECU1は、各車速センサ2cから入力される各車輪の車輪速度に基づいて、車両の走行速度である車速を算出する。ECU1は、各車速センサ2cのうち少なくとも1つから入力される車輪速度に基づいて車速を算出してもよい。このように、車両運動量検出センサ2は、加速度センサ2aで検出した加速度と、ヨーレートセンサ2bで検出したヨーレートと、車速センサ2cで検出した車輪速度とを、車両運動量を示す情報として検出し、これらの情報をECU1へ出力する。

0023

周辺環境認識センサ3は、車両周囲移動物体静止障害物等の車両周辺状況を認識する周辺環境認識装置である。周辺環境認識センサ3は、レーダカメラ等により構成される。周辺環境認識センサ3は、周辺環境情報として、例えば、道路上の白線との相対位置、周辺障害物の相対位置、周辺移動物標との相対位置や相対速度や相対加速度等の情報を取得し、当該周辺環境情報をECU1へ出力する。更に、周辺環境認識センサ3は、車両周囲の認識対象の相対位置や相対速度等の情報の他に、認識対象の強度、明るさ、色等といった周辺障害物の属性に関する情報も周辺環境情報として取得してECU1へ出力してもよい。例えば、周辺環境認識センサ3がレーダで構成される場合、周辺環境認識センサ3が認識対象とする物体の強度が固い場合と柔らかい場合とでレーダの反射波波長パターンは異なる。周辺環境認識センサ3は、この波長パターンの違いを利用して、認識対象の強度を検出する。認識対象の明るさ及び色は、周辺環境認識センサ3がレーダで構成される場合はレーダの反射波の波長パターンの違いにより検出され、周辺環境認識センサ3がカメラで構成される場合は画像のコントラストの違いにより検出される。

0024

本実施形態において、複数の周辺環境認識センサ3が車両に搭載されている。例えば、周辺環境認識センサ3は、図2に示すように、第1センサとしてのセンサ1(3a)、第2センサとしてのセンサ2(3b)から構成される。図2において、自車両は、センサ1を自車両の右前側方の搭載位置に備え、センサ2を自車両の右後側方の搭載位置に備える。ここで、センサ1及びセンサ2は、其々異なる検出領域の状況を検出する。例えば、図2に示すように、センサ1は、自車両の右前側方における第1領域の状況を検出する。センサ2は、第1領域とは異なる領域であって自車両の右後側方における第2領域の状況を検出する。図2に示すように、第1領域と第2領域は自車両の右側方を全てカバーした検出領域となっていないため、第1領域と第2領域の間に死角領域が存在する。本実施形態において、死角領域は、自車両の側方における周辺領域であって、第1領域及び第2領域以外の領域である。言い換えると、死角領域とは、センサ1が第1領域で自車両の周辺に存在する追跡対象の移動体の位置情報を検出できず、かつ、センサ2が第2領域で自車両の周辺に存在する追跡対象の移動体の位置情報を検出できない領域であって、車両から所定範囲内の周辺領域を意味する。図2の例では、死角領域は、センサ1の搭載位置、センサ2の搭載位置、及び、第1領域の境界線と第2領域の境界線とが交わる交点、を結んだ領域として示されている。より具体的には、図2の例において、第2領域は、第1領域の一部と重複するように設定されているため、センサ1の搭載位置、センサ2の搭載位置、及び、第1領域の境界線と第2領域の境界線とが交わる交点、を結んだ領域であって、且つ、第1領域と第2領域とが重複しない領域となる。

0025

なお、車両に搭載される周辺環境認識センサ3の数は、図2の例のように2つに限定されず、車両に2つ以上のセンサを搭載してもよい。例えば、図2の例では、自車両の右側方に備えられた2つのセンサ1及びセンサ2のみを挙げているが、自車両の左側方にもセンサを備えていてもよい。例えば、図示しないが、自車両の左前側方の搭載位置にセンサ3が備えられ、自車両の左後側方の搭載位置にセンサ4が備えられていてもよい。自車両の左側方にセンサ3及びセンサ4が備えられている場合、センサ3は、自車両の左前側方における第3領域の状況を検出し、センサ4は、第3領域とは異なる領域であって自車両の左後側方における第4領域の状況を検出するものとする。この場合、第1センサをセンサ3、第2センサをセンサ4としてもよいが、以下、説明の便宜上、第1センサをセンサ1とし、第2センサをセンサ2とした例で説明する。

0026

図1戻り、ナビゲーションシステム4は、自車両を所定の目的地誘導することを基本的な機能としている。ナビゲーションシステム4は、電波航法により自車両の現在位置を検出するためのGPSセンサ4aと、車両の走行に必要な地図情報が記憶された地図データベース4bと、自車両から所定の目的地までの経路情報演算する演算処理装置と、を少なくとも備える。本実施形態において、ナビゲーションシステム4では、GPSセンサ4aや地図データベース4bや演算処理装置等で得られた各種情報をECU1へ出力する。本実施形態において、ナビゲーションシステム4からECU1へ送信される各種情報としては、例えば、自車両の位置情報、交差点の位置情報、自車両から所定の目的地までの経路情報などが挙げられるが、これらに限定されない。

0027

湿度センサ5は、自車両周辺における湿度を検出する湿度検出装置である。湿度センサ5は、検出した湿度の高低を示す信号をECU1へ出力する。ワイパーセンサ6は、自車両のフロントウィンドウ等に搭載されたワイパーの作動速度を検出するワイパー作動速度検出装置である。ワイパーセンサ6は、検出したワイパー作動速度を示す信号をECU1へ出力する。ECU1では、ワイパーセンサ6より入力された信号に基づいて、自車両周辺における雨量を推定する。ECU1は、ワイパー作動速度が大きければ自車両周辺における雨量は多いと推定し、ワイパー作動速度が小さければ自車両周辺における雨量は少ないと推定する。

0028

アクチュエータ7は、ECU1からの運転支援信号に基づいて、運転者の運転操作介入して、自車両のブレーキアクセルステアリングを駆動させる、ブレーキアクチュエータアクセルアクチュエータステアリングアクチュエータである。ディスプレイ8は、車両内に設置される表示装置であり、ECU1から出力される運転支援信号に応じて各種情報を表示し、運転者に警報又は報知する。スピーカ9は、ECU1からの運転支援信号に応じて所定の音声を出力して、運転者に警報又は報知する。このように、ディスプレイ8及びスピーカ9は、HUD(Head-Up Display)等のHMI(Human Machine Interface)として画面表示及び音声出力を行う。

0029

ここで、図1において、ECU1は、位置検出部1aと、位置推定部1bと、軌跡追跡部1cと、支援実施部1dと、推定精度設定部1eと、を少なくとも備える。

0030

ECU1のうち、位置検出部1aは、第1センサの第1領域及び第2センサの第2領域内で移動する追跡対象の移動体の位置を検出する位置検出手段である。具体的には、位置検出部1aは、周辺環境認識センサ3から入力された周辺環境情報に基づいて、第1領域及び第2領域内で移動する追跡対象の移動体の位置を検出する。更に、位置検出部1aは、周辺環境認識センサ3から入力された周辺環境情報に基づいて、第1領域及び第2領域内で移動する追跡対象の移動体の速度、加減速度を検出する機能も有する。

0031

ECU1のうち、位置推定部1bは、位置検出部1aにより第1領域又は第2領域のいずれか一方で検出された追跡対象の移動体の位置に基づいて、前記自車両の側方における周辺領域であって、前記第1領域及び前記第2領域以外の領域である死角領域内で移動する追跡対象の移動体の位置を推定する位置推定手段である。具体的には、位置推定部1bは、第1領域内から死角領域内へ移動する追跡対象の移動体について、当該死角領域内に入る直前に第1領域内で周辺環境認識センサ3により検出されて入力された周辺環境情報に基づいて、死角領域内で移動する追跡対象の移動体の位置を推定する。あるいは、位置推定部1bは、第2領域内から死角領域内へ移動する追跡対象の移動体について、当該死角領域内に入る直前に第2領域内で周辺環境認識センサ3により検出されて入力された周辺環境情報に基づいて、死角領域内で移動する追跡対象の移動体の速度、加速度を推定する。

0032

ECU1のうち、軌跡追跡部1cは、追跡対象の移動体が第1領域及び第2領域のうち一方を外れて死角領域内に入ると、位置推定部1bを制御して移動体の位置を推定し、当該移動体が死角領域を外れて第1領域及び第2領域のうち他方に入ると、位置検出部1aを制御して移動体の位置を検出することで、第1領域及び第2領域内で検出された移動体の軌跡と死角領域内で推定された移動体の軌跡とが連続するように、追跡対象の移動体の軌跡を追跡する軌跡追跡手段である。言い換えると、軌跡追跡部1cは、追跡対象の移動体が第1領域を外れて死角領域内に入るか、又は、追跡対象の移動体が第2領域を外れて死角領域内に入ると、位置推定部1bを制御して当該移動体の位置を推定し、第1領域を外れて死角領域内に入った移動体が死角領域を外れて第2領域に入るか、又は、第2領域を外れて死角領域内に入った移動体が死角領域を外れて第1領域に入ると、位置検出部1aを制御して移動体の位置を検出することで、第1領域及び第2領域内で検出された移動体の軌跡と死角領域内で推定された移動体の軌跡とが連続するように、追跡対象の移動体の軌跡を追跡する。本実施形態において、軌跡追跡部1cが追跡する追跡対象の移動体は、第2領域から死角領域内を通り第1領域に入る移動体、又は、第1領域から死角領域内を通り第2領域に入る移動体である。

0033

ここで、図3を参照して、軌跡追跡部1cによって実行される、位置推定部1bによる制御と位置検出部1aによる制御とを切替える処理の詳細について説明する。図3では、追跡対象の移動体として、自車両の右後方における第2センサとしてのセンサ2の第2領域内の位置から、自車両の右側方の死角領域内を通過して、自車両の右前方における第1センサとしてのセンサ1の第1領域内へ移動する後方車両を例に挙げる。図3において、自車両の中心を原点とし、自車両の進行方向をX軸とし、自車両の進行方向に対する垂直方向をY軸としている。また、図3において、自車両の右側方の死角領域を含むように推定領域が予め設定されている。この推定領域は、センサ1の搭載位置とセンサ2の搭載位置を結ぶX軸と平行な線を短辺とし、センサ1の搭載位置及びセンサ2の搭載位置からそれぞれY軸と平行な線を死角領域を含むように延長させた線を長辺とする矩形状の領域である。本実施形態において、推定領域の長辺のうち上辺は、死角出口ラインに相当し、推定領域の長辺のうち下辺は、死角入口ラインに相当する。更に、図3において、推定領域の下辺の死角入口ラインより手前側(すなわち、自車両の後方側)の所定範囲に死角進入確定領域が予め設定されている。この死角進入確定領域は、追跡対象の移動体が自車両の死角領域に進入することを確定するために用いられる領域である。

0034

この図3の状況において、軌跡追跡部1cは、位置検出部1aを制御して第2センサの第2領域内における追跡対象の移動体としての後方車両の位置(x1,y1)を検出し、更に、移動体の速度(Vx1,Vy1)を検出する。そして、軌跡追跡部1cは、位置検出部1aにより検出された移動体の位置(x1,y1)及び速度(Vx1,Vy1)に基づいて、追跡対象の移動体が死角領域内に進入するかを判定する。例えば、死角進入確定領域の高さ(すなわち、矩形の短辺)分に相当する距離を追跡対象の移動体が移動するのに必要な時間として判定閾値ΔT(s)を設定した場合、移動体の位置(x1,y1)から死角入口ラインまでを距離L1とすると、軌跡追跡部1cは、移動体の位置(x1,y1)から死角入口ラインまで移動体が移動するのに必要な時間t(s)を、「t(s)=L1/(Vx1,Vy1)」として計算する。そして、軌跡追跡部1cは、死角入口ラインまで移動体が移動するのに必要な時間t(s)が、「t(s)<ΔT(s)」の条件を満たした場合に、追跡対象の移動体が自車両の死角領域に進入すると判定する。

0035

軌跡追跡部1cは、追跡対象の移動体としての後方車両が自車両の死角領域に進入すると判定した場合に以下の処理を実行する。軌跡追跡部1cは、第2センサの第2領域内における推定領域の下辺に対応する死角入口ラインで、位置検出部1aにより移動体の位置(x0,y0)及び速度(Vx0,Vy0)を検出すると、位置検出部1aによる制御から位置推定部1bによる制御に切替えて、死角領域を含む推定領域内で移動する移動体の位置(x’,y’)及び速度(V’x,V’y)を推定する。例えば、軌跡追跡部1cは、位置推定部1bを制御して、推定領域内で移動する移動体の位置を示すx座標を「x’=x0+(Vx0)×推定経過時間」として計算し、推定領域内で移動する移動体の位置を示すy座標を「y’=y0+(Vy0)×推定経過時間」として計算する。ここで、推定経過時間は、移動体が死角入口ラインを通過してからカウントされる経過時間を意味する。また、軌跡追跡部1cは、位置推定部1bを制御して、位置検出部1aにより死角入口ラインで検出された速度(Vx0,Vy0)が維持された状態で推定領域内を移動すると仮定し、推定領域内で移動する移動体の速度を「(V’x,V’y)=(Vx0,Vy0)」として計算する。そして、軌跡追跡部1cは、第1センサの第1領域内における推定領域の上辺に対応する死角出口ラインで、位置検出部1aにより移動体の位置(x2,y2)及び速度(Vx2,Vy2)を検出すると、位置推定部1bによる制御から位置検出部1aによる制御に切替える。

0036

このようにして得られた追跡対象の移動体としての後方車両の位置に基づいて、軌跡追跡部1cは、追跡対象の移動体の軌跡を追跡する。具体的には、図3に示すように、軌跡追跡部1cは、位置検出部1aにより第2センサの第2領域内で死角入口ラインまで検出した移動体の位置、位置推定部1bにより推定領域内で推定した移動体の位置、及び、位置検出部1aにより第1センサの第1領域内で死角出口ラインから検出した移動体の位置に基づいて、追跡対象の移動体としての後方車両の軌跡を追跡する。

0037

なお、図3の例では、死角領域を含むように推定領域を予め設定した例について説明したが、推定領域を設定しなくてもよい。この場合、周辺環境認識センサ3の検出領域の境界線を、死角入口ライン及び死角出口ラインとして設定してもよい。例えば、図示しないが、死角領域側の第2領域の境界線を死角入口ラインとし、死角領域側の第1領域の境界線を死角出口ラインとして設定してもよい。

0038

図1に戻り、ECU1のうち、支援実施部1dは、軌跡追跡部1cにより追跡された追跡対象の移動体の軌跡に基づいて、運転支援を実施する支援実施手段である。例えば、支援実施部1dは、車両運動量検出センサ2から入力される自車両の車両運動量を示す各種情報(自車両の加速度、ヨーレート、車速等)、ナビゲーションシステム4から入力された自車両の位置情報、及び、軌跡追跡部1cにより追跡された追跡対象の移動体の軌跡等を用いて、自車両と追跡対象の移動体との衝突を回避するための運転支援を実施する。支援実施部1dにより実施される運転支援としては、例えば、車両制御による運転支援、警報による運転支援、報知による運転支援を含む。車両制御による運転支援は、自車両と追跡対象との衝突が生じる直前である場合等に、自車両と追跡対象の移動体との衝突を回避するように、アクチュエータ7を介して車両の挙動を制御する支援である。警報による運転支援は、自車両と追跡対象の移動体との衝突が生じると予測される場合等に、自車両の運転者に対して当該衝突を回避するための運転操作を行うように、ディスプレイ8及び/又はスピーカ9を介して警報する支援である。報知による運転支援は、自車両と追跡対象の移動体との衝突が将来生じる可能性がある位置に当該移動体が存在する場合等に、この移動体の存在を運転者が認識できるように、ディスプレイ8及び/又はスピーカ9を介して報知する支援である。

0039

このように、本実施形態の運転支援装置によれば、追跡対象の移動体に対する運転支援の実施中において、車両側方を並走する他の移動体が複数のセンサ間の死角領域に移動した場合であっても、この死角領域内を移動する移動体の位置を把握して追跡した移動体の軌跡に基づいて、運転支援を継続して実施することができる。

0040

ところで、支援実施部1dが実施する運転支援の支援内容は、軌跡追跡部1cにより追跡された追跡対象の移動体の軌跡の追跡精度トラッキング精度)に応じた内容にすることが望ましい。これは、車両制御による運転支援を実施するには、比較的高い精度が必要であり、中程度や低い精度では、車両制御による運転支援を実施するのは望ましくないからである。ここで、追跡対象の移動体の軌跡の追跡精度は、死角領域内で位置推定部1bにより推定された追跡対象の移動体の位置の推定精度によって決定される。これは、周辺環境認識センサ3の検出領域内で位置検出部1aにより検出された追跡対象の移動体の位置については比較的安定しているものの、死角領域内で位置推定部1bにより推定された追跡対象の移動体の位置については比較的不安定な結果が得られる可能性があるからである。従来技術では、死角領域内に追跡対象の移動体が進入した時点で実施中の運転支援を中断していたが、本実施形態における運転支援装置では、死角領域内に追跡対象の移動体が進入しても移動体の位置を推定することで軌跡を追跡して運転支援を継続する。更に、本実施形態における運転支援装置では、実施中の運転支援を死角領域内で中断せずに継続する際、追跡対象の移動体の軌跡の追跡精度に応じた支援内容で継続することが望ましいため、追跡対象の移動体の軌跡の追跡精度に応じて運転支援の支援内容を変更する。

0041

具体的には、本実施形態において、支援実施部1dは、位置推定部1bにより推定された追跡対象の移動体の位置の推定精度に応じて運転支援の支援内容を変更する。例えば、支援実施部1dは、推定精度が高い場合は車両制御による運転支援を実施し、推定精度が中程度の場合は警報による運転支援を実施し、推定精度が低い場合は報知による運転支援を実施する。ここで、推定精度が高い場合は、支援実施部1dは、車両制御による運転支援だけでなく、警報による運転支援及び報知による運転支援を実施してもよい。また、推定精度が中程度の場合は、支援実施部1dは、警報による運転支援だけでなく、報知による運転支援を実施してもよい。なお、推定精度が低い場合は、支援実施部1dは、報知による運転支援のみを実施することが望ましい。このように、本実施形態における運転支援装置では、走行状況に応じて、死角領域における追跡対象の移動体の位置の推定精度に関する信頼度(例えば、高い、中程度、低い等)を予測し、予測した推定精度を運転支援を実施する前に予め支援実施部1dへ伝えることで、支援実施部1dによって適切な支援内容が決定されて実行される。

0042

ECU1のうち、推定精度設定部1eは、位置推定部1bにより推定された追跡対象の移動体の位置の推定精度を設定する推定精度設定手段である。以下、推定精度設定部1eによる推定精度の設定例について説明する。

0043

本実施形態において、推定精度設定部1eは、自車両と追跡対象の移動体との相対速度が小さいほど低くなるように推定精度を設定し、相対速度が大きいほど高くなるように推定精度を設定してもよい。例えば、図4に示すように、自車両の右後方から自車両の側方を通過するように接近する追跡対象の移動体としての後方車両が、自車両の死角領域を含む推定領域の死角入口ラインに差し掛かった場合、推定精度設定部1eは、移動体の速度V2(0)から自車両の速度V1(0)を差し引いた速度を、相対速度「ΔV(0)=V2(0)−V1(0)」として計算する。移動体の速度は、周辺環境認識センサ3から入力される追跡対象の移動体に関する周辺環境情報に基づいて検出され、自車両の速度は、車速センサ2cから入力される信号に基づいて検出される。そして、推定精度設定部1eは、演算式「推定精度=K×L2/ΔV(0)」により推定精度を計算する。ここで、Kは設計パラメータであり、L2は推定領域の長さ(m)であり、ΔV(0)は相対速度である。この演算式に基づいて推定精度を計算すると、図5に示すように、ΔV(0)が小さければ小さいほど、推定精度は低く設定される。これは、相対速度ΔV(0)が小さいほど、死角領域を含む推定領域内に追跡対象の移動体が位置する時間が長くなり、この移動体の軌跡が時間の経過とともに変化する可能性が高くなるからである。一方、図5に示すように、相対速度ΔV(0)が大きければ大きいほど、推定精度は高く設定される。これは、相対速度ΔV(0)が大きいほど、死角領域を含む推定領域内に追跡対象の移動体が位置する時間が短くなり、この移動体の軌跡が時間の経過とともに変化する可能性が低くなるからである。

0044

また、推定精度設定部1eは、追跡対象の移動体の属性に応じて推定精度を設定してもよい。例えば、上述の図3に示すように、自車両の右後方から自車両の側方を通過するように接近する追跡対象の移動体としての後方車両が第2センサの第2領域内に存在する場合、推定精度設定部1eは、第2センサから入力される周辺環境情報に含まれる認識対象の強度、明るさ、色等といった周辺障害物の属性に関する情報に基づいて、追跡対象の移動体の属性を判定する。追跡対象の移動体の属性としては、例えば、歩行者自転車バイク、車等が挙げられる。ここで、周辺環境認識センサ3がレーダで構成される場合は、物体からレーダへ反射していた波の強度等で属性を判定可能である。周辺環境認識センサ3がカメラで構成される場合は、パターン認識等で属性を判定可能である。推定精度設定部1eは、図6に示すように、追跡対象の移動体の属性が歩行者の場合は、他の属性に比べて推定精度を最も低く設定し、車の場合は、他の属性に比べて推定精度を最も高く設定する。これは、車に比べて歩行者の軌跡の方が変化しやすいと考えられるからである。同様に、推定精度設定部1eは、図6に示すように、追跡対象の移動体の属性が自転車の場合は、歩行者の次に推定精度を低く設定し、バイクの場合は、車の次に推定精度を高く設定する。これは、バイクに比べて自転車の軌跡の方が変化しやすいと考えられるからである。

0045

また、推定精度設定部1eは、自車両周辺に存在する追跡対象の移動体とは別の移動体が、当該追跡対象の移動体に対して接近する加減速度が小さいほど高くなるように推定精度を設定し、加減速度が大きいほど低くなるように推定精度を設定してもよい。例えば、図7に示すように、自車両の右後方から自車両の側方を通過するように接近する追跡対象の移動体としての後方車両とは別の移動体が、当該後方車両の前方に存在しかつ当該後方車両に対して接近するように減速中である場合、推定精度設定部1eは、当該別の移動体としての前方車両の減速度に応じて推定精度を計算する。減速度は、周辺環境認識センサ3から入力される別の移動体に関する周辺環境情報に基づいて検出される。そして、推定精度設定部1eは、例えば、演算式「推定精度=K×Ap/THeadWay」により推定精度を計算する。ここで、Kは設計パラメータであり、Ap(m/s2)は別の移動体の加減速度であり、THeadWay(s)は、自車両から別の移動体までの車間時間である。なお、別の移動体が停止している場合、Ap=∞とする。この演算式に基づいて推定精度を計算すると、図8に示すように、加減速度が大きければ大きいほど、推定精度は低く設定される。これは、加減速度が大きいほど、死角領域を含む推定領域内において、追跡対象の移動体が別の移動体と衝突しないように速度調節により車間距離を調整する可能性や軌跡を変更する可能性が高くなるからである。一方、図8に示すように、加減速度が小さければ小さいほど、推定精度は高く設定される。これは、加減速度が小さいほど、死角領域を含む推定領域内において、追跡対象の移動体が別の移動体と衝突しないように速度調節により車間距離を調整する可能性や軌跡を変更する可能性が低くなるからである。本実施形態において、図7の例では、追跡対象の移動体としての後方車両とは別の移動体として前方車両を例に挙げて、当該前方車両の減速度を例に説明したが、これに限定されない。例えば、図示しないが、追跡対象に移動体としての後方車両の更に後方に存在する後続車両を別の移動体とした場合、推定精度設定部1eは、当該後続車両の加速度に応じて上述のように推定精度を設定してもよい。

0046

また、推定精度設定部1eは、自車両から交差点までの距離が遠いほど高くなるように推定精度を設定し、距離が近いほど低くなるように推定精度を設定してもよい。交差点までの距離は、ナビゲーションシステム4のGPSセンサ4aから入力される自車両の位置情報と、地図データベース4bから入力される交差点の位置情報とに基づいて検出される。例えば、図9に示すように、自車両が交差点付近を移動する場合を想定すると、交差点では、自車両の死角領域内を移動する追跡対象の移動体としての並走車両が、交差点の道路構造に沿って右折する可能性や、自車両の死角領域内を移動する追跡対象の移動体としての歩行者が歩道に沿って右方向へ曲がる可能性がある。このように、交差点では、自車両が直進する場合であっても、追跡対象の移動体が自車両と並走して移動せずに、右折や左折等により軌跡を変化させて移動する可能性がある。そこで、図9に示すように、交差点までの距離が近いか遠いかを判定するための閾値として所定距離L4を設定して、推定精度設定部1eは、自車両と交差点までの距離が所定距離L4より短い場合は、交差点までの距離が近いと判定し、自車両と交差点までの距離が所定距離L4より長い場合は、交差点までの距離が遠いと判定する。このようにして交差点までの距離を判定すると、図10に示すように、交差点までの距離が近ければ近いほど、推定精度は低く設定される。これは、交差点までの距離が近いほど、死角領域を含む推定領域内において、追跡対象の移動体が交差点の道路構造に沿って移動することで軌跡を変更する可能性が高くなるからである。一方、図10に示すように、交差点までの距離が遠ければ遠いほど、推定精度は高く設定される。これは、交差点までの距離が遠いほど、死角領域を含む推定領域内において、追跡対象の移動体が交差点の道路構造に沿って移動することで軌跡を変更する可能性が低くなるからである。

0047

また、推定精度設定部1eは、自車両周辺における湿度が低いほど高くなるように推定精度を設定し、湿度が高いほど低くなるように推定精度を設定してもよい。自車両周辺における湿度は、湿度センサ5から入力される信号に基づいて検出される。例えば、図11に示すように、自車両周辺における湿度が高ければ高いほど、推定精度は低く設定される。これは、湿度が高いほど、追跡対象の移動体に対する天候の影響が大きくなり、当該移動体が速度調節する可能性や軌跡を変更する可能性が高くなるからである。一方、図11に示すように、自車両周辺における湿度が低ければ低いほど、推定精度は高く設定される。これは、湿度が低いほど、追跡対象の移動体に対する天候の影響が小さくなり、当該移動体が速度調節する可能性や軌跡を変更する可能性が低くなるからである。

0048

また、推定精度設定部1eは、自車両周辺における雨量が少ないほど高くなるように推定精度を設定し、雨量が多いほど低くなるように推定精度を設定してもよい。自車両周辺における雨量は、ワイパーセンサ6より入力されるワイパー作動速度を示す信号に基づいて、作動速度が速ければ雨量が多く、作動速度が遅ければ雨量が少ないものとして検出される。例えば、図12に示すように、自車両周辺におけるワイパー作動速度が速ければ速いほど、推定精度は低く設定される。これは、ワイパー作動速度が速いほど雨量が多い状況が想定され、この雨量が多い状況では追跡対象の移動体に対する天候の影響が大きくなり、当該移動体が速度調節する可能性や軌跡を変更する可能性が高くなるからである。一方、図12に示すように、ワイパー作動速度が遅ければ遅いほど、推定精度は高く設定される。これは、ワイパー速度が遅いほど雨量が少ない状況が想定され、この雨量が少ない状況では追跡対象の移動体に対する天候の影響が小さくなり、当該移動体が速度調節する可能性や軌跡を変更する可能性が低くなるからである。

0049

このように、本実施形態の運転支援装置によれば、追跡対象の移動体の軌跡の追跡精度を様々な状況下で適切に設定することができるため、実施中の運転支援を死角領域内で中断せずに継続するだけでなく、追跡対象の移動体の軌跡の追跡精度に応じた適切な支援内容で運転支援を継続することができる。

0050

続いて、図13及び図14を参照して、上述の運転支援装置により実行される各種処理について説明する。図13は、本発明に係る運転支援装置が実行する基本処理の一例を示すフローチャートである。図14は、本発明に係る運転支援装置が実行する推定精度設定処理及び運転支援変更処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態において、図13及び図14に示す各種処理は、短い演算周期で繰り返し実行されるものとする。

0051

図13に示すように、ECU1は、周辺環境認識センサ3の検出領域から周辺環境情報を取得する(ステップS10)。ステップS10において、ECU1は、例えば、上述の図3に示すように、第2センサとしてのセンサ2の第2領域内で移動する追跡対象の移動体としての後方車両に関する周辺環境情報を取得する。

0052

ECU1は、ステップS10にて取得した周辺環境情報に基づいて追跡対象の移動体が死角領域内に進入するか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において、ECU1は、例えば、上述の図3に示すように、死角入口ラインまで移動体が移動するのに必要な時間t(s)が、「t(s)<ΔT(s)」の条件を満たした場合に、追跡対象の移動体が自車両の死角領域に進入すると判定する。一方、ECU1は、死角入口ラインまで移動体が移動するのに必要な時間t(s)が、「t(s)<ΔT(s)」の条件を満たさない場合に、追跡対象の移動体が自車両の死角領域に進入していないと判定する。

0053

ステップS11において、ECU1は、追跡対象の移動体が死角領域内に進入すると判定した場合(ステップS11:Yes)、ステップS12の処理へ移行する。一方、ステップS11において、ECU1は、追跡対象の移動体が死角領域内に進入していないと判定した場合(ステップS11:No)、ステップS13の処理へ移行する。

0054

ECU1は、ステップS10にて取得した周辺環境情報に基づいて死角領域内を移動する移動体の位置を推定する(ステップS12)。ステップS12において、ECU1は、例えば、上述の図3に示すように、第2センサの第2領域内における推定領域の下辺に対応する死角入口ラインで、移動体の位置(x0,y0)及び速度(Vx0,Vy0)を検出すると、死角領域を含む推定領域内で移動する移動体の位置(x’,y’)及び速度(V’x,V’y)を推定する。例えば、ECU1は、推定領域内で移動する移動体の位置を示すx座標を「x’=x0+(Vx0)×推定経過時間」として計算し、推定領域内で移動する移動体の位置を示すy座標を「y’=y0+(Vy0)×推定経過時間」として計算する。また、ECU1は、死角入口ラインで検出された速度(Vx0,Vy0)が維持された状態で推定領域内を移動すると仮定し、推定領域内で移動する移動体の速度を「(V’x,V’y)=(Vx0,Vy0)」として計算する。

0055

ECU1は、ステップS11でYesと判定した場合にステップS12で位置推定処理を行うと、ステップS10で取得した周辺環境情報から検出された追跡対象の移動体の位置(例えば、第2センサの第2領域内を移動する移動体の位置)、及び、ステップS12で推定した追跡対象の移動体の位置(例えば、死角領域を含む推定領域内を移動する移動体の位置)に基づいて、移動体の軌跡を追跡する(ステップS13)。ここで、ステップS13において、ECU1は、ステップS11でNoと判定した場合にステップS12で位置推定処理を行っていなければ、ステップS10で取得した周辺環境情報から検出された追跡対象の移動体の位置(例えば、第2センサの第2領域内を移動する移動体の位置)に基づいて、移動体の軌跡を追跡する。

0056

ECU1は、ステップS13で追跡した移動体の軌跡に基づいて、自車両に対して運転支援を実施する必要があるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14において、ECU1は、例えば、ステップS13で追跡した移動体の軌跡を利用して、自車両と移動体との衝突可能性を演算し、演算した衝突可能性がある場合は、運転支援を実施する必要があると判定する。一方、ステップS14において、ECU1は、演算した衝突可能性がない場合は、運転支援を実施する必要はないと判定し、本処理をリターンする。その後、図13の処理を繰り返し実行する。

0057

ECU1は、ステップS14において、自車両に対して運転支援を実施する必要があると判定した場合(ステップS14:Yes)、衝突可能性に応じた運転支援を実施する(ステップS15)。ステップS15において、ECU1は、例えば、車両制御による運転支援として、自車両と追跡対象の移動体との衝突を回避するように、アクチュエータ7を介して車両の挙動を制御する支援を実施する。この他、ステップS15においてECU1は、車両制御による運転支援の他、警報による運転支援や、報知による運転支援を実施してもよい。ステップS15の処理の後、本処理を終了する。その後、図13の処理を繰り返し実行する。

0058

なお、図13の処理を繰り返し実行した場合、例えば、上述のステップS13において、ECU1は、以下の処理を実行する。一例として、前回の処理においてステップS11でYesと判定した場合にステップS12で位置推定処理を行った後、再度図13の処理を実行して、今回の処理においてステップS11でNoと判定した場合について説明する。この場合、ECU1は、前回の処理においてステップS10で取得した周辺環境情報から検出された追跡対象の移動体の位置(例えば、第2センサの第2領域内を移動する移動体の位置)、前回の処理においてステップS12で推定した追跡対象の移動体の位置(例えば、死角領域を含む推定領域内を移動する移動体の位置)、及び、今回の処理においてステップS10で取得した周辺環境情報から検出された追跡対象の移動体の位置(例えば、第1センサの第1領域内を移動する移動体の位置)に基づいて、追跡対象の移動体の軌跡を追跡する。

0059

更に、本実施形態に係る運転支援装置では、上述の図13に示した基本処理と並行して、以下に示す図14に示す推定精度設定処理及び運転支援変更処理が実行される。

0060

図14に示すように、ECU1は、死角領域内を移動する移動体の位置を推定したか、すなわち、上述の図13のステップS12の処理に対応する位置推定処理を行ったか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20において、ECU1は、移動体の位置の推定を行っていないと判定した場合(ステップS20:No)、本処理をリターンする。その後、図14の処理を繰り返し実行する。

0061

一方、ステップS20において、ECU1は、移動体の位置の推定を行ったと判定した場合(ステップS20:Yes)、図13のステップS10で取得された周辺環境情報に基づいて、上述の図4〜12に示した手法の少なくとも1つを用いて推定精度を設定する(ステップS21)。ステップS21において、推定精度は、自車両と追跡対象の移動体との相対速度が小さいほど低く、相対速度が大きいほど高くなるように設定される。ここで、推定精度は、追跡対象の移動体の属性に応じて設定されてもよい。また、推定精度は、自車両周辺に存在する追跡対象の移動体とは別の移動体が、当該追跡対象の移動体に対して接近する加減速度が小さいほど高く、加減速度が大きいほど低くなるように設定されてもよい。また、推定精度は、自車両から交差点までの距離が遠いほど高く、距離が近いほど低く設定されてもよい。また、推定精度は、自車両周辺における湿度が低いほど高く、湿度が高いほど低く設定されてもよい。また、推定精度は、自車両周辺における雨量が少ないほど高く、雨量が多いほど低く設定されてもよい。

0062

ECU1は、ステップS21で設定した推定精度に応じて、運転支援の支援内容を変更する(ステップS22)。ステップS22において、ECU1は、例えば、推定精度が高い場合は車両制御による運転支援を実施し、推定精度が中程度の場合は、警報による運転支援を実施し、推定精度が低い場合は報知による運転支援を実施するように、支援内容を変更する。ステップS22において変更された運転支援の支援内容については、上述の図13のステップS15の処理において実施される。ステップS22の処理の後、本処理をリターンする。その後、図14の処理を繰り返し実行する。

0063

1 ECU(運転支援装置)
1a位置検出部
1b位置推定部
1c軌跡追跡部
1d支援実施部
1e推定精度設定部
2車両運動量検出センサ
2a加速度センサ
2bヨーレートセンサ
2c車速センサ
3周辺環境認識センサ
3aセンサ1(第1センサ)
3b センサ2(第2センサ)
4ナビゲーションシステム
4aGPSセンサ
4b地図データベース
5湿度センサ
6ワイパーセンサ
7アクチュエータ
8ディスプレイ
9 スピーカ

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日産自動車株式会社の「 走行支援方法及び走行支援装置」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】自車両の周囲の地図情報に基づいて第1走行経路を生成し(S1)、自車両の周囲環境に基づいて第2走行経路を生成し(S2)、自車両が第1走行経路に沿って走行している間に、自車両の前方の第1... 詳細

  • 日立オートモティブシステムズ株式会社の「 車両制御装置」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】本発明の車両制御装置は、温度変化等に起因して車間距離の計測の補正を必要としている状況下においても、違和感の少ない車両の加減速制御をドライバに提供することを目的とする。本発明は、視差画... 詳細

  • 日産自動車株式会社の「 表示制御方法及び表示制御装置」が 公開されました。( 2020/10/08)

    【課題・解決手段】表示制御装置(100)は、車両に設置されたターンシグナル(8)と、車両の乗員にターンシグナル(8)の点灯状態を表示するインジケータ(6a,6b)と、ターンシグナル(8)及びインジケー... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ