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課題
解決手段
概要
背景
概要
外部給電時における排気エミッションが少ないハイブリッド車両を提供する。ハイブリッド車両の制御装置は、外部給電モード時に、エンジンの暖機が不十分か否かを判別し(S1)、エンジンの暖機が不十分である場合は給電開始初期であるか否かを判別し(S2)、給電開始初期である場合は、エンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力のみを外部に供給させ(S3)、給電開始初期でない場合は、エンジンをオンさせてモータで生成された電力のみを外部に供給させ(S4)、エンジンの暖機が十分である場合はモータで生成された電力、蓄電装置の電力、または両方を外部に供給させる(S5)。したがって、排気エミッションを少なくできる。
目的
この発明の主たる目的は、外部給電時における排気エミッションが少ないハイブリッド車両を提供する
効果
実績
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この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
エンジンと、前記エンジンの排気ガスを浄化する触媒と、前記エンジンによって駆動されて電力を生成するモータと、充放電が可能な蓄電装置と、前記モータで生成された電力と前記蓄電装置の電力とのうちの少なくともいずれか一方の電力を車両外部に供給する給電装置と、前記エンジンおよび前記給電装置を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記エンジンの排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別し、前記エンジンの排気ガスの浄化状態が不十分である場合は、前記エンジンの排気ガスの浄化状態が十分である場合と比較して、前記モータで生成される電力よりも前記蓄電装置の電力を前記車両外部に優先的に供給させる、ハイブリッド車両。
請求項2
前記制御装置は、前記エンジンの暖機が不十分か否かを判別することによって前記エンジンの排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別し、前記エンジンの暖機が不十分である場合は、前記エンジンをオフさせた状態で前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給させた後に前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させ、前記エンジンの暖機が十分である場合は、前記エンジンをオンまたはオフさせて前記モータで生成された電力および前記蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を前記車両外部に供給させる、請求項1に記載のハイブリッド車両。
請求項3
前記制御装置は、前記エンジンの冷却水の温度が予め定められた温度よりも低い場合は前記エンジンの暖機は不十分であると判別し、前記エンジンの冷却水の温度が前記予め定められた温度よりも高い場合は前記エンジンの暖機は十分であると判別する、請求項2に記載のハイブリッド車両。
請求項4
前記制御装置は、前記エンジンの暖機が不十分である場合において、前記車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が予め定められた時間よりも短いときは前記エンジンをオフさせた状態で前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給させ、前記車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が前記予め定められた時間を越えたときは前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させる、請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両。
請求項5
前記制御装置は、前記エンジンの暖機が不十分である場合において、前記蓄電装置の充電量が予め定められた充電量よりも高いときは前記エンジンをオフさせた状態で前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給させ、前記蓄電装置の充電量が前記予め定められた充電量よりも低いときは前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させる、請求項2または請求項3に記載のハイブリッド車両。
請求項6
前記制御装置は、前記触媒の浄化率が不十分か否かを判別することによって前記エンジンの排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別し、前記触媒の浄化率が不十分である場合は、前記エンジンをオフさせた状態で前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給させた後に、前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させ、前記触媒の浄化率が十分である場合は、前記エンジンをオンまたはオフさせて前記モータで生成された電力および前記蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を前記車両外部に供給させる、請求項1に記載のハイブリッド車両。
請求項7
前記制御装置は、前記触媒の温度が予め定められた温度よりも低い場合は前記触媒の浄化率は不十分であると判別し、前記触媒の温度が前記予め定められた温度よりも高い場合は前記触媒の浄化率は十分であると判別する、請求項6に記載のハイブリッド車両。
請求項8
前記予め定められた温度は前記触媒の劣化度に応じて上昇する、請求項7に記載のハイブリッド車両。
請求項9
前記制御装置は、前記触媒の浄化率が不十分である場合において、前記車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が予め定められた時間よりも短いときは前記エンジンをオフさせた状態で前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給させ、前記車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が前記予め定められた時間を越えたときは前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させる、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
請求項10
前記制御装置は、前記触媒の浄化率が不十分である場合において、前記蓄電装置の充電量が予め定められた充電量よりも高いときは前記エンジンをオフさせた状態で前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給させ、前記蓄電装置の充電量が前記予め定められた充電量よりも低いときは前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させる、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
請求項11
前記制御装置は、前記モータで生成される電力を前記車両外部に供給した後に前記エンジンをオフさせて前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給している場合において、前記触媒の温度が予め定められた温度よりも低い場合は、前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させ、前記触媒の温度が予め定められた温度よりも高い場合は、前記エンジンをオンまたはオフさせ、前記モータで生成された電力および前記蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を前記車両外部に供給させる、請求項1に記載のハイブリッド車両。
請求項12
前記予め定められた温度は前記触媒の劣化度に応じて上昇する、請求項11に記載のハイブリッド車両。
請求項13
前記制御装置は、前記モータで生成される電力を前記車両外部に供給した後に前記エンジンをオフさせて前記蓄電装置の電力を前記車両外部に供給している場合において、前記エンジンの間欠停止時間が予め定められた時間よりも長い場合は、前記エンジンをオンさせて前記モータで生成された電力を前記車両外部に供給させ、前記エンジンの間欠停止時間が前記予め定められた時間よりも短い場合は、前記エンジンをオンまたはオフさせ、前記モータで生成された電力および前記蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を前記車両外部に供給させる、請求項1に記載のハイブリッド車両。
請求項14
前記予め定められた時間は前記触媒の劣化度に応じて短くなる、請求項13に記載のハイブリッド車両。
技術分野
背景技術
0002
特許文献1には、車両外部に電力を供給する外部給電モードを有するハイブリッド車両が開示されている。このハイブリッド車両では、バッテリのSOC(State Of Charge)が所定値以上である場合は、エンジンをオフさせた状態でバッテリの電力を車両外部に供給し、バッテリのSOCが所定値よりも小さい場合は、エンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給するとともにバッテリを充電する。また、エンジンをオンさせる場合は、排気ガスによって触媒が加熱されて活性化温度以上になるようにエンジンの回転数を上昇させる。
先行技術
0003
特開2000−234539号公報
発明が解決しようとする課題
0004
しかし、従来のハイブリッド車両では、バッテリのSOCが所定値以上になってエンジンをオフさせ、バッテリの電力を車両外部に供給している間にエンジンが冷えてしまう場合がある。その後にバッテリのSOCが所定値よりも小さくなり、再度エンジンをオンさせてモータで電力を生成する場合、エンジンが冷えているので排気エミッション(排気ガス中の汚染物質)が増加してしまう。
0005
それゆえに、この発明の主たる目的は、外部給電時における排気エミッションが少ないハイブリッド車両を提供することである。
課題を解決するための手段
0006
この発明に係るハイブリッド車両は、エンジンと、エンジンの排気ガスを浄化する触媒と、エンジンによって駆動されて電力を生成するモータと、充放電が可能な蓄電装置と、モータで生成された電力と蓄電装置の電力とのうちの少なくともいずれか一方の電力を車両外部に供給する給電装置と、エンジンおよび給電装置を制御する制御装置とを備えたものである。制御装置は、エンジンの排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別し、エンジンの排気ガスの浄化状態が不十分である場合は、エンジンの排気ガスの浄化状態が十分である場合と比較して、モータで生成される電力よりも蓄電装置の電力を車両外部に優先的に供給させる。したがって、排気ガスの浄化状態が不十分である場合は、モータで生成される電力よりも蓄電装置の電力を車両外部に優先的に供給させるので、排気エミッションを少なくすることができる。
0007
好ましくは、制御装置は、エンジンの暖機が不十分か否かを判別することによってエンジンの排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別し、エンジンの暖機が不十分である場合は、エンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させた後にエンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させ、エンジンの暖機が十分である場合は、エンジンをオンまたはオフさせてモータで生成された電力および蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を車両外部に供給させる。この場合は、エンジンの暖機が不十分である場合に、エンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させた後にエンジンをオンさせるので、排気エミッションを少なくすることができる。
0008
好ましくは、制御装置は、エンジンの冷却水の温度が予め定められた温度よりも低い場合はエンジンの暖機は不十分であると判別し、エンジンの冷却水の温度が予め定められた温度よりも高い場合はエンジンの暖機は十分であると判別する。この場合は、エンジンの暖機が不十分であるか否かを容易かつ正確に判別することができる。
0009
好ましくは、制御装置は、エンジンの暖機が不十分である場合において、車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が予め定められた時間よりも短いときはエンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させ、車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が予め定められた時間を越えたときはエンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させる。この場合は、蓄電装置の過放電を防止することができる。
0010
好ましくは、制御装置は、エンジンの暖機が不十分である場合において、蓄電装置の充電量が予め定められた充電量よりも高いときはエンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させ、蓄電装置の充電量が予め定められた充電量よりも低いときはエンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させる。この場合は、蓄電装置の過放電を確実に防止することができる。
0011
好ましくは、制御装置は、触媒の浄化率が不十分か否かを判別することによってエンジンの排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別し、触媒の浄化率が不十分である場合は、エンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させた後に、エンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させ、触媒の浄化率が十分である場合は、エンジンをオンまたはオフさせてモータで生成された電力および蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を車両外部に供給させる。この場合は、触媒の浄化率が不十分である場合に、エンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させた後にエンジンをオンさせるので、排気エミッションを少なくすることができる。
0012
好ましくは、制御装置は、触媒の温度が予め定められた温度よりも低い場合は触媒の浄化率は不十分であると判別し、触媒の温度が予め定められた温度よりも高い場合は触媒の浄化率は十分であると判別する。この場合は、触媒の浄化率が不十分であるか否かを容易に判別することができる。
0014
好ましくは、制御装置は、触媒の浄化率が不十分である場合において、車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が予め定められた時間よりも短いときはエンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させ、車両外部への電力供給を開始してから経過した時間が予め定められた時間を越えたときはエンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させる。この場合は、蓄電装置の過放電を防止することができる。
0015
好ましくは、制御装置は、触媒の浄化率が不十分である場合において、蓄電装置の充電量が予め定められた充電量よりも高いときはエンジンをオフさせた状態で蓄電装置の電力を車両外部に供給させ、蓄電装置の充電量が予め定められた充電量よりも低いときはエンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させる。この場合は、蓄電装置の過放電を確実に防止することができる。
0016
好ましくは、制御装置は、モータで生成される電力を車両外部に供給した後にエンジンをオフさせて蓄電装置の電力を車両外部に供給している場合において、触媒の温度が予め定められた温度よりも低い場合は、エンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させ、触媒の温度が予め定められた温度よりも高い場合は、エンジンをオンまたはオフさせ、モータで生成された電力および蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を車両外部に供給させる。この場合は、触媒の温度が予め定められた温度よりも低下した場合に、直ぐにエンジンをオンさせて触媒を加熱させるので、排気エミッションを少なくすることができる。
0017
好ましくは、予め定められた温度は触媒の劣化度に応じて上昇する。この場合は、触媒が劣化した場合でも排気エミッションを少なくすることができる。
0018
好ましくは、制御装置は、モータで生成される電力を車両外部に供給した後にエンジンをオフさせて蓄電装置の電力を車両外部に供給している場合において、エンジンの間欠停止時間が予め定められた時間よりも長い場合は、エンジンをオンさせてモータで生成された電力を車両外部に供給させ、エンジンの間欠停止時間が予め定められた時間よりも短い場合は、エンジンをオンまたはオフさせ、モータで生成された電力および蓄電装置の電力のうちの少なくともいずれか一方の電力を車両外部に供給させる。この場合は、エンジンの間欠停止時間が長くなって触媒浄化率が低下した場合に、直ぐにエンジンをオンさせて触媒を加熱するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0019
好ましくは、予め定められた時間は触媒の劣化度に応じて短くなる。この場合は、触媒が劣化した場合でも排気エミッションを少なくすることができる。
発明の効果
0020
以上のように、この発明によれば、外部給電時における排気エミッションを少なくすることができる。
図面の簡単な説明
0021
この発明の実施の形態1によるハイブリッド車両の構成を示すブロック図である。
図1に示したハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態2によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態3によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態4によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
図5に示した触媒の劣化度と所定値との関係を示す図である。
この発明の実施の形態5によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態6によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
図8に示した触媒の劣化度と所定値との関係を示す図である。
この発明の実施の形態7によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
図10に示したハイブリッド車両の動作を例示するタイムチャートである。
この発明の実施の形態8によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。
図12に示したハイブリッド車両の動作を例示するタイムチャートである。
実施例
0022
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるハイブリッド車両の構成を示すブロック図である。図1において、このハイブリッド車両は、エンジン1、モータM1,M2、蓄電装置3、動力分割装置10、減速機11、駆動輪12、PCU(Power Control Unit)20、および制御装置25を備える。制御装置25は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。
0023
エンジン1は、制御装置25によって制御され、燃焼室に吸入された空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギによって、クランクシャフトを回転させる駆動力を発生する内燃機関である。モータM1,M2は、交流電動機であり、たとえば、三相交流同期電動機である。
0024
このハイブリッド車両は、エンジン1およびモータM2のうちの少なくともいずれか一方から出力される駆動力によって走行する。エンジン1が発生する駆動力は動力分割装置10によって2分割され、一方の駆動力は減速機11を介して駆動輪12へ伝達され、他方の駆動力はモータM1へ伝達される。
0025
また、停車時および外部給電時においては、エンジン1によってモータM1を駆動させ、モータM1によって電力を生成することができる。モータM1によって生成された電力は、蓄電装置3に供給されて蓄電装置3に蓄えられるか、車両外部の電気機器43へ供給される。
0026
動力分割装置10は、サンギヤ、ピニオンギヤ、キャリア、およびリングギヤで構成される遊星歯車を含む。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤを自転可能に支持するとともに、エンジン1のクランクシャフトに連結される。サンギヤは、モータM1の回転軸に連結される。リングギヤはモータM2の回転軸および減速機11に連結される。
0027
車両の前端部には、エンジン1で加熱された冷却水を冷却するラジエター13が設けられている。エンジン1の水路とラジエター13の水路はホースなどによって環状に接続されており、エンジン1の水路とラジエターの水路に冷却水が循環される。エンジン1をオンすると、冷却水がエンジン1で加熱されてラジエター13で冷却され、冷却水の温度すなわちエンジン水温Twが上昇する。エンジン1の所定位置には温度検出器2が設けられている。温度検出器2は、エンジン水温Twを検出し、その検出値を示す信号を制御装置25に出力する。
0028
蓄電装置3は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置3は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子のセルを含んで構成される。蓄電装置3には、蓄電装置3のSOCを検出するSOC検出器4が接続されている。
0029
SOC検出器4は、蓄電装置3のSOCを検出し、その検出値を示す信号を制御装置25に出力する。SOC検出器4は、たとえば、蓄電装置3の端子間電圧を検出する電圧検出器と、蓄電装置3の充電電流および放電電流を検出する電流検出器と、蓄電装置3の温度を検出する温度検出器と、3つの検出器の検出値に基づいて蓄電装置3のSOCを求め、求めたSOCを示す信号を出力する演算部とを含む。
0030
蓄電装置3は、モータM1,M2を駆動するためのPCU20にリレー24を介して接続される。蓄電装置3の電力は、ハイブリッド車両の駆動力を発生させるためにPCU20に供給されるか、車両外部の電気機器43へ供給される。さらに、蓄電装置3は、モータM1,M2で生成された電力を蓄える。蓄電装置3の端子間電圧は、たとえば200Vである。
0031
PCU20は、コンバータ21、インバータ22,23、およびコンデンサC1を含む。コンバータ21は、制御装置25からの制御信号S1によって制御され、電力線PL1,NL1と電力線PL2,NL1との間で直流電圧のレベルを変換する。
0032
インバータ22,23は、電力線PL2,NL1に対して並列に接続される。インバータ22,23は、それぞれ制御装置25からの制御信号S2,S3によって制御され、コンバータ21から供給される直流電力を交流電力に変換し、それぞれモータM1,M2を駆動させる。また、インバータ22は、エンジン1によって駆動されたモータM1で生成された交流電力を直流電力に変換して電力線PL2,NL1間に供給する。コンデンサC1は、電力線PL2,NL1間に接続され、電力線PL2,NL1間の電圧を安定化させる。
0033
エンジン1は、制御装置25からの制御信号S4によって制御される。具体的には、エンジン1が所望の運転状態になるように、エンジン1のスロットル開度、点火時期、燃料噴射時期、燃料噴射量、吸気バルブの作動状態(開閉タイミング、リフト量、作用角等)が制御される。エンジン1には、吸気通路30を通して空気が導入される。エンジン1から排出される排気ガスは、排気通路31を通って車外に排出される。排気通路31には、排気ガスを浄化するための触媒32が設けられる。触媒32は、たとえば、三元触媒であって、排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、NOx、およびPMを浄化する。
0034
触媒32には、触媒32の床温度Tcを検出するための温度検出器33が設けられる。温度検出器33は、触媒床温Tcの検出値を制御装置25へ出力する。触媒32は、所定の活性化温度に加熱された状態において浄化率が高くなる特性を有する。また、排気通路31には、排気ガスの空燃比を検出するための空燃比検出器34が設けられる。空燃比検出器34は、排気ガスの空燃比AFの検出値を制御装置25へ出力する。
0035
制御装置25は、空燃比検出器34によって検出された空燃比AF、温度検出器33によって検出された触媒床温Tc、温度検出器2によって検出されたエンジン水温Tw、SOC検出器4によって検出されたSOCなどに基づいて、ハイブリッド車両全体を制御する。
0036
なお、制御装置25は、温度検出器33を使用する代わりに、エンジン1を制御するためのパラメータに基づいて触媒床温Tcを推定してもよい。また、触媒32は、排気通路31の上流側に位置する前段触媒と排気通路31の下流側に位置する後段触媒とを含んで構成されてもよい。また、空燃比検出器34は、前段触媒の上流側に位置してもよく、前段触媒と後段触媒との間に位置してもよく、後段触媒の下流側に位置してもよい。
0037
ハイブリッド車両は、車両外部の電気機器43へ電力を供給するための構成として、インバータ40および給電ポート41をさらに含む。給電ポート41は、電気機器43へ電力を供給するための電力インターフェースである。給電ポート41は、電気機器43に接続されたコネクタ42と接続可能に構成される。
0038
インバータ40は、給電ポート41と蓄電装置3およびPCU20との間に設けられる。インバータ40は、制御装置25からの制御信号S5によって制御され、外部給電モード時に、蓄電装置3およびPCU20のうちの少なくともいずれか一方からの直流電力を交流電力に変換し、その交流電力を給電ポート41およびコネクタ42を介して電気機器43に供給する。PCU20、リレー24、およびインバータ40は、外部給電モード時に、モータM1で生成された電力と蓄電装置3の電力とのうちの少なくともいずれか一方の電力を車両外部に供給する給電装置を構成する。
0039
次に、本願発明の特徴となる外部給電モードについて説明する。このようなハイブリッド車両においては、常に排気エミッションを少なくすることが要求される。排気エミッションが多い場合としては、エンジン1の暖機が不十分である第1の場合、触媒32の浄化率が不十分である第2の場合、エンジン1の負荷が変動する第3の場合、エンジン1の負荷が上限値を越える第4の場合が挙げられる。そこで本願発明では、実施の形態1,2では上記第1の場合に着目し、実施の形態3〜6では上記第2の場合に着目し、実施の形態7では上記第3の場合に着目し、実施の形態8では上記第4の場合に着目して、排気エミッションを減少させる。
0040
図2は、図1に示した制御装置25の外部給電モード時の動作を示すフローチャートである。外部給電モードは、たとえば、ハイブリッド車両の使用者が電気機器43に接続されたコネクタ42を給電ポート41に接続し、外部給電モード設定ボタン(図示せず)を操作することによって設定される。
0041
図2において制御装置25は、ステップS1においてエンジン1の暖機が不十分か否かを判別する。エンジン1の暖機が不十分か否かは、エンジン1の温度を直接または間接的に検出した結果(たとえば温度検出器2によって検出されたエンジン水温Tw)に基づいて判別してもよいし、エンジン1の運転パラメータから推定したエンジン1の温度に基づいて判別してもよいし、エンジン1をオンまたはオフしてから経過した時間に基づいて判別してもよい。エンジン1の暖機が不十分か否かを判別することは、エンジン1の排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別することに該当する。
0042
ステップS1においてエンジン1の暖機が不十分であると判別した場合は、ステップS2において給電開始初期であるか否かを判別する。給電開始初期であるか否かは、たとえば、外部給電を開始してから経過した時間tsが所定時間t1よりも短いか否かに基づいて判別される。
0043
所定時間t1は、一定時間でもよいし、外気温に応じて変化する時間であってもよいし、外部への給電量によって変化する時間であっても構わない。外部給電時間tsが所定時間t1内であれば、蓄電装置3の電力が不足することはない。外気温が低下するに従って蓄電装置3の消耗が速くなるので、外気温の低下に応じて所定時間t1を短くしてもよい。
0044
ステップS2において給電開始初期であると判別した場合は、ステップS3において制御装置25は、エンジン1をオフさせた状態で蓄電装置3の電力のみが外部に供給されるようにエンジン1、PCU20、およびリレー24を制御し、ステップS1に戻る。
0045
ステップS2において給電開始初期でないと判別した場合は、ステップS4において制御装置25は、エンジン1をオンさせてモータM1で生成された電力のみが外部給電されるようにエンジン1、PCU20、およびリレー24を制御し、ステップS1に戻る。
0046
ステップS1においてエンジン1の暖機が十分であると判別した場合は、ステップS5において制御装置25は、エンジン1によって駆動されたモータM1で生成された電力と蓄電装置3の電力とのうちの少なくともいずれか一方の電力が外部に供給されるように、エンジン1、PCU20、およびリレー24を制御し、ステップS1に戻る。
0047
ステップS5において外部負荷が変動する場合、モータM1で生成された電力が余剰したときは、その余剰分は蓄電装置3に蓄えられ、モータM1で生成された電力が不足したときは、その不足分は蓄電装置3から供給される。蓄電装置3のSOCが十分に大きい場合は、エンジン1が停止されて蓄電装置3の電力のみが外部に供給される。
0048
この実施の形態1では、エンジン1の暖機が不十分である場合は、エンジン1をオフさせた状態で蓄電装置3の電力を車両外部に供給させた後にエンジン1をオンさせる。つまり、エンジン1の暖機が不十分である場合は、エンジン1をオンさせて生成する電力よりも蓄電装置3の電力を優先的に車両外部に供給するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0049
[実施の形態2]
この実施の形態2でも、エンジン1の暖機が不十分である上記第1の場合に排気エミッションが増大することに着目して、排気エミッションを減少させる。エンジン1の暖機が不十分であるか否かは、温度検出器2によって検出されたエンジン水温Twが所定温度T1よりも低いか否かに基づいて判別する。
0050
図3は、この発明の実施の形態2によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートであって、図2と対比される図である。図3において制御装置25は、ステップS1Aにおいてエンジン水温Twが所定温度T1よりも低いか否かを判別し、Tw<T1である場合はステップS2Aにおいて蓄電装置3のSOCが所定値Xよりも高いか否かを判別する。
0051
ステップS2AにおいてSOC>Xであると判別した場合は、ステップS3において制御装置25は、エンジン1をオフさせた状態で蓄電装置3の電力のみが外部に供給されるようにエンジン1、PCU20、およびリレー24を制御し、ステップS1Aに戻る。
0052
ステップS2AにおいてSOC>Xでないと判別した場合は、ステップS4において制御装置25は、エンジン1をオンさせてモータM1で生成された電力のみが外部給電されるようにエンジン1、PCU20、およびリレー24を制御し、ステップS1Aに戻る。
0053
ステップS1AにおいてTw<T1でないと判別した場合は、ステップS5において制御装置25は、エンジン1によって駆動されたモータM1で生成された電力と蓄電装置3の電力とのうちの少なくともいずれか一方の電力が外部に供給されるように、エンジン1、PCU20、およびリレー24を制御し、ステップS1Aに戻る。
0054
この実施の形態2では、エンジン水温Twが所定温度T1よりも低い場合は、エンジン1をオフさせた状態で蓄電装置3の電力を車両外部に供給させた後にエンジン1をオンさせる。つまり、エンジン水温Twが所定温度T1よりも低い場合、すなわちエンジン1の暖機が不十分である場合は、エンジン1をオンさせて生成する電力よりも蓄電装置3の電力を優先的に車両外部に供給するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0055
なお、この実施の形態2では、エンジン水温Twが所定温度T1よりも低いか否かに基づいてエンジン1の暖機が不十分か否かを判別したが、これに限るものではなく、エンジン1の温度を直接または間接的に検出し、検出した温度に基づいてエンジン1の暖機が不十分か否かを判別すればよい。エンジン1の運転状況に基づいてエンジン温度を推定し、推定した温度に基づいてエンジン1の暖機が不十分か否かを判別してもかまわない。
0056
また、この実施の形態2では、蓄電装置3のSOCが所定値Xよりも高い場合に蓄電装置3の電力を外部に供給したが、これに限るものではなく、蓄電装置3のSOCの低下分ΔSOCが所定値ΔXよりも小さい場合(ΔSOC<ΔX)に蓄電装置3の電力を外部に供給しても構わない。外部給電の開始時にSOCが100%になっていれば、いずれの方法を採用しても同じ結果が得られる。
0057
[実施の形態3]
この実施の形態3では、触媒32の浄化率が不十分である上記第2の場合に排気エミッションが増大することに着目して、排気エミッションを減少させる。図4は、実施の形態3によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートであって、図2と対比される図である。図4が図2と異なる点は、ステップS1がステップS1Bで置換されている点である。
0058
ステップS1Bにおいて制御装置25は、触媒浄化率が不十分か否かを判別し、触媒浄化率が不十分である場合はステップS2に進み、触媒浄化率が十分である場合はステップS5に進む。触媒32の浄化率が不十分か否かは、触媒32の床温度Tcを直接または間接的に検出した結果に基づいて判別してもよいし、エンジン1をオンまたはオフしてから経過した時間に基づいて判別してもよい。触媒32の浄化率が不十分であるか否かを判別することは、エンジン1の排気ガスの浄化状態が不十分か否かを判別することに該当する。他の構成および動作は、実施の形態1と同じであるので、その説明は繰り返さない。
0059
この実施の形態3では、触媒浄化率が不十分である場合は、エンジン1をオフさせた状態で蓄電装置3の電力を車両外部に供給させた後にエンジン1をオンさせる。つまり、触媒浄化率が不十分である場合は、エンジン1をオンさせて生成する電力よりも蓄電装置3の電力を優先的に車両外部に供給するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0060
[実施の形態4]
この実施の形態4でも、触媒32の浄化率が不十分である上記第2の場合に排気エミッションが増大することに着目して、排気エミッションの低減化を図る。触媒浄化率が不十分であるか否かは、触媒床温Tcが所定温度T2よりも低いか否かに基づいて判断する。
0061
図5は、この発明の実施の形態4によるハイブリッド車両の外部給電モードの動作を示すフローチャートであって、図3と対比される図である。図5が図3と異なる点は、ステップS1AがステップS1Bで置換されている点である。ステップS1Bにおいて制御装置25は、触媒床温Tcが所定温度T2よりも低いか否かを判別し、Tc<T2である場合はステップS2Aに進み、Tc<T2でない場合はステップS5に進む。
0062
所定温度T2は、触媒32の活性化温度に設定される。触媒32は、触媒床温Tcが活性化温度以上にされた場合に活性化されて排気ガスを浄化させる。所定温度T2は、一定値であってもよいし、図6に示すように、触媒32の劣化度に応じて高くしてもよい。触媒32は使用時間などに応じて劣化し、触媒32の劣化度に応じて触媒32の活性化温度が上昇するからである。制御装置25は、たとえば、触媒32の総使用時間(すなわち劣化度)と所定温度T2の関係を示すテーブルを記憶しており、触媒32の総使用時間に対応する所定温度T2をテーブルから読み出す。他の構成および動作は、実施の形態2と同じであるので、その説明は繰り返さない。
0063
この実施の形態4では、触媒床温Tcが所定温度T2よりも低い場合は、エンジン1をオフさせた状態で蓄電装置3の電力を車両外部に供給させた後にエンジン1をオンさせる。つまり、触媒床温Tcが所定温度T2よりも低い場合、すなわち触媒浄化率が不十分である場合は、エンジン1をオンさせて生成する電力よりも蓄電装置3の電力を優先的に車両外部に供給するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0064
[実施の形態5]
この実施の形態5でも、触媒32の浄化率が不十分である上記第2の場合に排気エミッションが増大することに着目して、排気エミッションを減少させる。触媒浄化率が不十分であるか否かは、推定した触媒床温Tceが所定温度T2よりも低いか否かに基づいて判断する。図7は、この発明の実施の形態5によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートであって、図2と対比される図である。
0065
図7のステップS11において制御装置25は、エンジン1の運転状況(回転速度など)に基づいて推定した触媒床温Tceが所定温度T2よりも低いか否かを判別し、Tce<T2である場合はステップS12においてエンジン1がオン状態であるか否かを判別する。ステップS11は、たとえば、実施の形態1において、モータM1で生成される電力を車両外部に供給した後にエンジン1をオフさせて蓄電装置3の電力を車両外部に供給している場合に実行される。
0066
所定温度T2は、一定値であってもよいし、図6で示したように、触媒32の劣化度に応じて上昇する値であってもよい。ステップS12においてエンジン1がオン状態でないと判別した場合はステップS13においてエンジン1をオンさせ、ステップS11に戻る。このときエンジン1の回転数は、触媒床温Tceが所定温度T2よりも高くなるように設定される。
0067
ステップS12においてエンジン1がオン状態であると判別した場合は、ステップS14においてエンジン1のオン状態を継続させてステップS11に戻る。ステップS11においてTce<T2でないと判別した場合、すなわち触媒32の浄化率が確保されている場合は、ステップS15においてモータM1、蓄電装置3、またはそれらの両方から外部給電させる。
0068
この実施の形態5では、触媒床温Tceが所定温度T2よりも低い場合、すなわち触媒浄化率が不十分である上記第2の場合は、直ぐにエンジン1をオンさせて触媒32を加熱させるので、排気エミッションを少なくすることができる。
0069
なお、この実施の形態5では、エンジン1の運転状況に基づいて推定した触媒床温Tceを使用したが、図1の温度検出器33によって検出した触媒床温Tcを使用してもよい。
0070
[実施の形態6]
この実施の形態6でも、触媒32の浄化率が不十分である上記第2の場合に排気エミッションが増大することに着目して、排気エミッションを減少させる。触媒浄化率が不十分であるか否かは、エンジン1が停止されてから経過した時間である間欠停止時間tiが所定時間t2よりも長いか否かに基づいて判断する。図8は、この発明の実施の形態6によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートであって、図2と対比される図である。
0071
図8のステップS21において制御装置25は、エンジン1の間欠停止時間tiが所定時間t2よりも長いか否かを判別する。ステップS21は、たとえば、実施の形態1において、モータM1で生成される電力を車両外部に供給した後にエンジン1をオフさせて蓄電装置3の電力を車両外部に供給している場合に実行される。
0072
所定時間t2は、一定値であってもよいし、図9に示すように、触媒32の劣化度に応じて減少する値であってもよい。触媒32は使用時間などに応じて劣化し、触媒32の劣化度に応じて触媒32の活性化温度が上昇するからである。制御装置25は、たとえば、触媒32の総使用時間(すなわち劣化度)と所定時間t2の関係を示すテーブルを記憶しており、触媒32の総使用時間に対応する所定時間t2をテーブルから読み出す。
0073
ステップS21においてti>t2である場合、すなわち触媒32が冷えて触媒浄化率が不十分になっている場合は、ステップS22においてエンジン1をオンさせ、モータM1で生成された電力を外部給電させる。このときエンジン1の回転数は、エンジン1を所定時間t2だけオンしたときに触媒床温Tcが触媒32の活性化温度よりも高くなるように設定される。ステップS21においてti>t2でないと判別した場合、すなわち触媒32の浄化率が確保されている場合は、ステップS23においてモータM1、蓄電装置3、またはそれらの両方から外部給電させる。
0074
この実施の形態6では、間欠停止時間tiが所定時間t2を越えた場合、すなわち触媒浄化率が不十分である上記第2の場合は、直ぐにエンジン1をオンさせて触媒32を加熱するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0075
[実施の形態7]
この実施の形態7では、エンジン1の負荷が変動する上記第3の場合に排気エミッションが増大することに着目して、排気エミッションを減少させる。図10は、この発明の実施の形態7によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートであって、図2と対比される図である。
0076
図10のステップS31において制御装置25は、触媒32の活性化温度、劣化度などに基づいて、触媒32の浄化率を十分に高くすることが可能なエンジン1の運転負荷(所定値P1)を算出し、エンジン1を所定値P1で定常運転させてモータM1で生成された電力を車両外部に供給させる。
0077
ステップS32において制御装置25は、エンジン1で発生する電力Peと車両外部に供給すべき電力Pとに基づいて、給電量Pに過不足が発生しているか否かを判別する。給電量Pの過不足が発生している場合は、ステップS33で給電量Pの過不足を蓄電装置3からの給電で補償する。具体的には、給電量Pが余剰している場合は、その余剰分を蓄電装置3に蓄える。給電量Pが不足している場合は、その不足分を蓄電装置3から供給する。ステップS33を実行した後は、ステップS31に戻る。ステップS32において給電量Pに過不足が発生していない場合は、ステップS31に戻る。
0078
図11は、外部給電モード時における給電量Pを例示するタイムチャートである。図11において、エンジン1で発生する電力Peは所定値P1に維持される。エンジン1の電力Peよりも大きな電力Pを供給する場合は、不足分P−Peを蓄電装置3から供給する。したがって、P=Pe+Pbである。エンジン1の電力Peよりも小さな電力Pを供給する場合は、余剰分P−Peを蓄電装置3に蓄える。この場合は、P=Pe−Pbとなる。
0079
この実施の形態7では、エンジン1を一定負荷P1で定常運転し、給電量Pの過不足を蓄電装置3の充放電によって補償するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0080
[実施の形態8]
この実施の形態8では、エンジン1の負荷が上限値P2を越える上記第4の場合に排気エミッションが増大することに着目して、排気エミッションを減少させる。図12は、この発明の実施の形態8によるハイブリッド車両の外部給電モード時の動作を示すフローチャートであって、図2と対比される図である
図12のステップS41において制御装置25は、触媒32の活性化温度、劣化度などに基づいて、排気エミッションを小さくすることが可能なエンジン1の運転負荷の上限値P2を算出し、エンジン1を上限値P2以下の負荷で運転させてモータM1で生成された電力を車両外部に供給させる。
0081
ステップS42において制御装置25は、車両外部に供給すべき電力Pがエンジン1の負荷の上限値P2よりも大きいか否かを判別する。ステップS42においてP>P2であると判別した場合は、ステップS43において、電力の不足分P−P2を蓄電装置3から供給させる。ステップS43を実行した後は、ステップS41に戻る。ステップS42において給電量Pが不足していない場合は、ステップS41に戻る。
0082
図13は、外部給電モード時における給電量Pを例示するタイムチャートである。図13において、エンジン1で発生する電力Peは上限値P2以下に制御される。エンジン1の電力Peの上限値P2よりも大きな電力Pを供給する場合は、不足分P−Peを蓄電装置3から供給する。したがって、P=Pe+Pbである。エンジン1の電力Peの上限値P2よりも小さな電力Pを供給する場合は、その電力Pはエンジン1から供給する。この場合は、P=Peとなる。
0083
この実施の形態8では、エンジン1の負荷を上限値P2以下に抑制するので、排気エミッションを少なくすることができる。
0084
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
0085
1エンジン、2,33温度検出器、M1,M2モータ、3蓄電装置、4 SOC検出器、10動力分割装置、M1,M2 モータ、11減速機、12駆動輪、20 PCU、21コンバータ、22,23,40インバータ、C1コンデンサ、24リレー、25制御装置、30吸気通路、31排気通路、32触媒、34空燃比検出器、41給電ポート、42コネクタ、43電気機器。
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