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技術 タイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置

出願人 横浜ゴム株式会社
発明者 山村健太佐藤元
出願日 2014年5月28日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2014-110479
公開日 2015年12月14日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2015-223777
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の加熱、冷却、硬化一般
主要キーワード 主突起 白金抵抗温度計 温度測定プローブ 懸架部分 凝固水 補助リング 補助突起 温度測定位置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

タイヤ加硫時におけるブラダー内部の上下温度差を測定し、その上下温度差に応じてブラダー内部の温度分布低コストで効果的に均一化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置を提供する。

解決手段

空気入りタイヤTの外表面を成形するモールド9と、空気入りタイヤTの内側に挿入されるブラダー10と、ブラダー10の内面上下対称位置に設置された一対の温度測定手段20と、ブラダー10の内部温度を均一化する温度均一化手段30と、温度測定手段20の測定結果に基づいて温度均一化手段30を制御する制御手段40とを備えたタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤを加硫する方法であって、タイヤ加硫時において温度測定手段20の測定結果から算出される上下温度差が所定の閾値に到達したときに温度均一化手段30を発動させる。

概要

背景

空気入りタイヤ加硫する場合、モールド内にセットされたグリーンタイヤの内側にブラダーが挿入され、そのブラダー内加熱加圧媒体が導入される。このような加熱加圧媒体としては、スチーム窒素ガスが挙げられる。ところで、スチームを用いた加硫では、ブラダーの内部でスチームの一部が凝縮してブラダーの下側部分に凝縮水として滞留する。また、スチームと窒素ガスを用いた加硫では、凝縮水の生成に加えて、ブラダーの内部空間の上方に高温のスチームを主とする相が形成され、その下方に窒素ガスを主とする相が形成される。その結果、ブラダーの上下方向において温度分布が不均一になる。

このようにしてブラダー内部の温度分布が不均一になると、得られる空気入りタイヤの加硫度が部位によって相違することになるため、要求されるタイヤ性能を十分に発揮できなくなる恐れがある。このような不都合を回避するために、加熱加圧媒体をブラダーの内部で撹拌し、ブラダー内部の温度分布を均一化する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。

しかしながら、加熱加圧媒体をブラダーの内部で撹拌するにあたって、その攪拌装置タイヤ加硫工程において常時稼働させた場合、ブラダー内部の温度分布を均一化することは可能であるものの、その運転コストが大きくなるという問題がある。また、攪拌装置を予め設定されたプログラムに基づいて間欠的に運転することも可能であるが、その場合、ブラダー内部の温度分布が必ずしも均一化されないという問題がある。

概要

タイヤ加硫時におけるブラダー内部の上下温度差を測定し、その上下温度差に応じてブラダー内部の温度分布を低コストで効果的に均一化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置を提供する。空気入りタイヤTの外表面を成形するモールド9と、空気入りタイヤTの内側に挿入されるブラダー10と、ブラダー10の内面上下対称位置に設置された一対の温度測定手段20と、ブラダー10の内部温度を均一化する温度均一化手段30と、温度測定手段20の測定結果に基づいて温度均一化手段30を制御する制御手段40とを備えたタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤを加硫する方法であって、タイヤ加硫時において温度測定手段20の測定結果から算出される上下温度差が所定の閾値に到達したときに温度均一化手段30を発動させる。

目的

本発明の目的は、タイヤ加硫時におけるブラダー内部の上下温度差を測定し、その上下温度差に応じてブラダー内部の温度分布を低コストで効果的に均一化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

空気入りタイヤ外表面を成形するモールドと、該空気入りタイヤの内側に挿入されるブラダーと、前記ブラダーの内面上下対称位置に設置された一対の温度測定手段と、前記ブラダーの内部温度を均一化する温度均一化手段と、前記温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度均一化手段を制御する制御手段とを備えたタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤを加硫する方法であって、タイヤ加硫時において前記温度測定手段の測定結果から算出される上下温度差が所定の閾値に到達したときに前記温度均一化手段を発動させることを特徴とするタイヤ加硫方法

請求項2

タイヤ加硫時における前記ブラダーの内部空間のタイヤ軸方向の高さHに対して、タイヤ中心位置からタイヤ軸方向に0.3Hとなる位置よりもタイヤ軸方向外側の領域に前記温度測定手段を配置したことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ加硫方法。

請求項3

前記温度均一化手段が、前記ブラダー内部での加圧媒体又は加熱媒体循環、前記ブラダー内部への加圧媒体又は加熱媒体の噴出、或いは、前記ブラダー内部からの加圧媒体又は加熱媒体の放出を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ加硫方法。

請求項4

前記温度測定手段が温度測定プローブを含み、前記ブラダーが円筒状に成形されたブラダー本体を有し、該ブラダー本体の内側の温度測定位置に該ブラダー本体に対して一体的に成形されたプローブ固定用主突起を設けると共に、前記ブラダー本体の内側の前記温度測定位置から離間した少なくとも1箇所に該ブラダー本体に対して一体的に成形されたリード線係留用補助突起を設け、前記温度測定プローブを記主突起に固定する一方で、前記温度測定プローブに繋がるリード線を前記補助突起に係留したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ加硫方法。

請求項5

前記主突起と前記補助突起との間又は前記補助突起の相互間に懸架される前記リード線の懸架部分が弛みを持つように前記リード線を前記補助突起に係留したことを特徴とする請求項4に記載のタイヤ加硫方法。

請求項6

空気入りタイヤの外表面を成形するモールドと、該空気入りタイヤの内側に挿入されるブラダーと、前記ブラダーの内面の上下対称位置に設置された一対の温度測定手段と、前記ブラダーの内部温度を均一化する温度均一化手段と、前記温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度均一化手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とするタイヤ加硫装置。

請求項7

タイヤ加硫時における前記ブラダーの内部空間のタイヤ軸方向の高さHに対して、タイヤ中心位置からタイヤ軸方向に0.3Hとなる位置よりもタイヤ軸方向外側の領域に前記温度測定手段を配置したことを特徴とする請求項6に記載のタイヤ加硫装置。

請求項8

前記温度均一化手段が、前記ブラダー内部での加圧媒体又は加熱媒体の循環、前記ブラダー内部への加圧媒体又は加熱媒体の噴出、或いは、前記ブラダー内部からの加圧媒体又は加熱媒体の放出を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ加硫装置。

請求項9

前記温度測定手段が温度測定プローブを含み、前記ブラダーが円筒状に成形されたブラダー本体を有し、該ブラダー本体の内側の温度測定位置に該ブラダー本体に対して一体的に成形されたプローブ固定用の主突起を設けると共に、前記ブラダー本体の内側の前記温度測定位置から離間した少なくとも1箇所に該ブラダー本体に対して一体的に成形されたリード線係留用の補助突起を設け、前記温度測定プローブを記主突起に固定する一方で、前記温度測定プローブに繋がるリード線を前記補助突起に係留したことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のタイヤ加硫装置。

請求項10

前記主突起と前記補助突起との間又は前記補助突起の相互間に懸架される前記リード線の懸架部分が弛みを持つように前記リード線を前記補助突起に係留したことを特徴とする請求項9に記載のタイヤ加硫装置。

技術分野

0001

本発明は、ブラダーを備えたタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤ加硫する方法及び装置に関し、更に詳しくは、タイヤ加硫時におけるブラダー内部の上下温度差を測定し、その上下温度差に応じてブラダー内部の温度分布低コストで効果的に均一化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置に関する。

背景技術

0002

空気入りタイヤを加硫する場合、モールド内にセットされたグリーンタイヤの内側にブラダーが挿入され、そのブラダー内に加熱加圧媒体が導入される。このような加熱加圧媒体としては、スチーム窒素ガスが挙げられる。ところで、スチームを用いた加硫では、ブラダーの内部でスチームの一部が凝縮してブラダーの下側部分に凝縮水として滞留する。また、スチームと窒素ガスを用いた加硫では、凝縮水の生成に加えて、ブラダーの内部空間の上方に高温のスチームを主とする相が形成され、その下方に窒素ガスを主とする相が形成される。その結果、ブラダーの上下方向において温度分布が不均一になる。

0003

このようにしてブラダー内部の温度分布が不均一になると、得られる空気入りタイヤの加硫度が部位によって相違することになるため、要求されるタイヤ性能を十分に発揮できなくなる恐れがある。このような不都合を回避するために、加熱加圧媒体をブラダーの内部で撹拌し、ブラダー内部の温度分布を均一化する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。

0004

しかしながら、加熱加圧媒体をブラダーの内部で撹拌するにあたって、その攪拌装置をタイヤ加硫工程において常時稼働させた場合、ブラダー内部の温度分布を均一化することは可能であるものの、その運転コストが大きくなるという問題がある。また、攪拌装置を予め設定されたプログラムに基づいて間欠的に運転することも可能であるが、その場合、ブラダー内部の温度分布が必ずしも均一化されないという問題がある。

先行技術

0005

特開2009−29035号公報
特開2012−218299号公報
特開2013−922号公報
特開2013−159049号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、タイヤ加硫時におけるブラダー内部の上下温度差を測定し、その上下温度差に応じてブラダー内部の温度分布を低コストで効果的に均一化することを可能にしたタイヤ加硫方法及びタイヤ加硫装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

上記目的を達成するための本発明のタイヤ加硫方法は、空気入りタイヤの外表面を成形するモールドと、該空気入りタイヤの内側に挿入されるブラダーと、前記ブラダーの内面上下対称位置に設置された一対の温度測定手段と、前記ブラダーの内部温度を均一化する温度均一化手段と、前記温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度均一化手段を制御する制御手段とを備えたタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤを加硫する方法であって、タイヤ加硫時において前記温度測定手段の測定結果から算出される上下温度差が所定の閾値に到達したときに前記温度均一化手段を発動させることを特徴とするものである。

0008

上記目的を達成するための本発明のタイヤ加硫装置は、空気入りタイヤの外表面を成形するモールドと、該空気入りタイヤの内側に挿入されるブラダーと、前記ブラダーの内面の上下対称位置に設置された一対の温度測定手段と、前記ブラダーの内部温度を均一化する温度均一化手段と、前記温度測定手段の測定結果に基づいて前記温度均一化手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。

発明の効果

0009

本発明では、空気入りタイヤの外表面を成形するモールドと、該空気入りタイヤの内側に挿入されるブラダーと、ブラダーの内面の上下対称位置に設置された一対の温度測定手段と、ブラダーの内部温度を均一化する温度均一化手段と、温度測定手段の測定結果に基づいて温度均一化手段を制御する制御手段とを備えたタイヤ加硫装置を用い、タイヤ加硫時において温度測定手段の測定結果から算出される上下温度差が所定の閾値に到達したときに温度均一化手段を発動させるようにしたので、タイヤ加硫時にブラダー内部で測定された上下温度差に応じてブラダー内部の温度分布を均一化することができる。しかも、ブラダー内部の上下温度差に応じて温度均一化手段を発動させるので、温度均一化手段の運転コストを抑制し、ブラダー内部の温度分布を低コストで効果的に均一化することができる。

0010

本発明において、タイヤ加硫時におけるブラダーの内部空間のタイヤ軸方向の高さHに対して、タイヤ中心位置からタイヤ軸方向に0.3Hとなる位置よりもタイヤ軸方向外側の領域に温度測定手段を配置することが好ましい。これにより、加硫律速部となるタイヤショルダー部付近における上下温度差を測定し、その上下温度差に基づいてブラダー内部の温度分布を効果的に均一化することができる。

0011

温度均一化手段は、ブラダー内部での加圧媒体又は加熱媒体循環、ブラダー内部への加圧媒体又は加熱媒体の噴出、或いは、ブラダー内部からの加圧媒体又は加熱媒体の放出を行うことが好ましい。このように加圧媒体又は加熱媒体を利用することにより、温度分布の均一化を安価で効果的に行うことができる。

0012

温度測定手段は温度測定プローブを含み、ブラダーは円筒状に成形されたブラダー本体を有し、該ブラダー本体の内側の温度測定位置プローブ固定用主突起を設けると共に、ブラダー本体の内側の温度測定位置から離間した少なくとも1箇所にリード線係留用補助突起を設け、温度測定プローブを主突起に固定する一方で、温度測定プローブに繋がるリード線を補助突起に係留することが好ましい。これにより、加硫工程においてブラダー内の任意の箇所の温度を簡単かつ確実に検出することができる。特に、主突起及び補助突起はブラダー本体に対して一体的に成形されたものであり、温度測定プローブ及びそのリード線が主突起及び補助突起に対して取り付けられるので、例えば、接着剤による接着等の手法とは異なって、温度測定プローブ及びそのリード線がブラダー本体から離脱し難く、しかもブラダー本体を劣化させることもない。また、ブラダー本体は加硫工程において大きな伸縮に晒されることになるが、温度測定プローブを主突起に固定することに加えてリード線を補助突起に係留するので、リード線が絡み合って温度測定プローブを脱落させるような事態を確実に防止することができる。

0013

また、主突起と補助突起との間又は補助突起の相互間に懸架されるリード線の懸架部分が弛みを持つようにリード線を補助突起に係留することが好ましい。より具体的には、主突起と補助突起との間又は補助突起の相互間に懸架されるリード線の懸架部分の長さは加硫時のストレッチ状態における懸架部分の両端間最短距離の1.1倍以上1.5倍以下に設定することが好ましい。これにより、ブラダーがストレッチ状態となった際にリード線に過大な張力が掛かって断線等の不都合が生じるのを確実に回避し、また、リード線の絡み合いを可及的に回避することが可能になる。

0014

更に、主突起及び補助突起の周囲においてブラダー本体の肉厚を局部的に薄くすることが好ましい。ブラダー本体に対して主突起及び補助突起を一体的に成形した場合、主突起及び補助突起を設けた部位におけるブラダー本体の膜剛性熱伝導特性が他の部位とは異なることになるが、上述のように主突起及び補助突起の周囲においてブラダー本体の肉厚を局部的に薄くすることにより、膜剛性や熱伝導特性の均一性を改善することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置を示す子午線半断面図である。
本発明の実施形態からなるタイヤ加硫方法を示すフローチャートである。
本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置に使用されるブラダーを示す子午線断面図である。
ブラダー本体の内側に懸架されたリード線を示す平面図である。
温度測定プローブが主突起に固定された状態にあるブラダー本体を示す断面図である。
温度測定プローブのリード線が補助突起に係留された状態にあるブラダー本体を示す断面図である。

0016

以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置を示すものである。

0017

図1に示すように、このタイヤ加硫装置は、空気入りタイヤTの外表面を成形するモールド9と、空気入りタイヤTの内側に挿入されるブラダー10と、モールド9を外部から加熱するための不図示の加熱手段と、ブラダー10の内側に窒素ガス等の加圧媒体及びスチーム等の加熱媒体を供給するための不図示の媒体供給手段とを備えている。モールド9は、空気入りタイヤTのサイドウォール部を成形するための下側サイドプレート1及び上側サイドプレート2と、空気入りタイヤTのビード部を成形するための下側ビードリング3及び上側ビードリング4と、空気入りタイヤTのトレッド部を成形するための複数のセクター5とから構成され、そのモールド9の内側でタイヤTを加硫成形するようになっている。なお、モールド9の構造は特に限定されるものではなく、セクショナルタイプのモールドのほか、二つ割りタイプのモールドを使用することも可能である。

0018

ブラダー10は、その下端部が下側クランプリング6と下側ビードリング3との間に把持され、その上端部が上側クランプリング7と補助リング8との間に把持されている。図1に示すような加硫状態において、ブラダー10はタイヤTの径方向外側に拡張した状態にあるが、加硫後にタイヤTをモールド内から取り出す際には上側クランプリング7が上方に移動し、それに伴ってブラダー10がタイヤTの内側から抜き取られるようになっている。

0019

更に、上記タイヤ加硫装置は、ブラダー10の内面の上下対称位置に設置された一対の温度測定手段20と、ブラダー10の内部温度を均一化する温度均一化手段30と、温度測定手段20の測定結果に基づいて温度均一化手段30を制御する制御手段40とを備えている。

0020

温度均一化手段40は、その構成が特に限定されるものではないが、例えば、ブラダー10の内部で加圧媒体又は加熱媒体を循環させる装置、ブラダー10の内部に加圧媒体又は加熱媒体を噴出させる装置、或いは、ブラダー10の内部からの加圧媒体又は加熱媒体を放出させる装置を採用することができる。このように加圧媒体又は加熱媒体を利用してブラダー10の内部を攪拌することにより、温度分布の均一化を安価で効果的に行うことができる。

0021

上述したタイヤ加硫装置を用いて空気入りタイヤを加硫する場合、タイヤ加硫工程において温度測定手段20の測定結果が制御手段40に入力され、その温度測定手段20の測定結果から上下温度差が算出される。つまり、タイヤ中心位置Cよりも上側の温度測定位置で測定される温度とタイヤ中心位置Cよりも下側の温度測定位置で測定される温度との差が算出される。このような上下温度差が制御手段40において予め設定された閾値に到達したときに、制御手段40が温度均一化手段30を発動させ、ブラダー10の内部の温度分布を均一化する。

0022

図2は本発明の実施形態からなるタイヤ加硫方法を示すフローチャートである。未加硫状態の空気入りタイヤTをモールド9内に投入した後、図2に示すように、空気入りタイヤTの加硫を開始し(ステップS1)、制御手段40による温度均一化手段30の制御を開始する(ステップS2)。次いで、タイヤ加硫時における温度測定手段20の測定結果を利用してブラダー10内の温度分布を計測し(ステップS3)、温度分布に関する対策の要否を判断する(ステップS4)。対策の要否はブラダー10内の上下温度差が所定の閾値に達しているか否かで判断される。ステップS4において対策が必要であると判断された場合、温度均一化手段30を発動させた後(ステップS5)、加硫の終了を判断する(ステップS7)。一方、ステップS4において対策が必要ではないと判断された場合、温度均一化手段30を停止状態にし(ステップS6)、加硫の終了を判断する(ステップS7)。ステップS7において加硫を終了させると判断された場合、温度均一化手段30を停止状態にし(ステップS8)、一連の加硫工程を終了する。一方、ステップS7において加硫を未だ終了させないと判断された場合、ステップS3に戻ってブラダー10内の温度分布を再び計測する。

0023

上述したタイヤ加硫方法では、空気入りタイヤTの外表面を成形するモールド9と、該空気入りタイヤTの内側に挿入されるブラダー10と、ブラダー10の内面の上下対称位置に設置された一対の温度測定手段20と、ブラダー10の内部温度を均一化する温度均一化手段30と、温度測定手段20の測定結果に基づいて温度均一化手段30を制御する制御手段40とを備えたタイヤ加硫装置を用い、タイヤ加硫時において温度測定手段20の測定結果から算出される上下温度差が所定の閾値に到達したときに温度均一化手段30を発動させるようにしたので、タイヤ加硫時にブラダー10内で測定された上下温度差に応じてブラダー10内の温度分布を均一化することができる。しかも、ブラダー10内の上下温度差に応じて温度均一化手段30を発動させるので、温度均一化手段30の運転コストを抑制し、ブラダー10内の温度分布を低コストで効果的に均一化することができる。

0024

上述したタイヤ加硫装置において、図1に示すように、タイヤ加硫時におけるブラダー10の内部空間のタイヤ軸方向の高さH(上下スパン)に対して、タイヤ中心位置からタイヤ軸方向両側に向かって0.3Hとなる位置よりもタイヤ軸方向外側の領域Xに温度測定手段20を配置すると良い。これにより、加硫律速部となる空気入りタイヤTのショルダー部付近における上下温度差を測定し、その上下温度差に基づいてブラダー10の内部の温度分布を効果的に均一化することができる。

0025

なお、ブラダー10の内部空間のタイヤ軸方向の高さHの範囲内において温度測定手段20をタイヤ軸方向の最外側位置に配置した場合、タイヤ軸方向の下側位置では温度測定手段20がスチームの凝縮により生成される凝固水に浸かったり、タイヤ軸方向の上側位置では温度測定手段20がタイヤサイド付近の温度を検出したりすることになるため、高さHの範囲の上端及び下端からの距離が高さHの10%又は20mmのいずれか小さい値となる位置よりもタイヤ軸方向外側となる領域には温度測定手段20を配置しないことが望ましい。

0026

図3図6は本発明の実施形態からなるタイヤ加硫装置に使用されるブラダーの具体例を示すものである。図3に示すように、ブラダー10は、円筒状に成形されたブラダー本体11を有し、該ブラダー本体11の内側の任意の温度測定位置に該ブラダー本体11に対して一体的に成形されたプローブ固定用の主突起12を備えると共に、ブラダー本体11の内側の温度測定位置から離間した少なくとも1箇所に該ブラダー本体11に対して一体的に成形されたリード線係留用の補助突起13を備えている。ここでは、ブラダー本体11の内側に複数の温度測定位置が設定されているため、ブラダー本体11の内面には複数の主突起12が配設されている。また、1つの主突起12に対して複数個の補助突起13が配設されているが、好ましくは1つの主突起12に対して3〜5個の補助突起13を配設するのが良い。

0027

一方、温度測定手段20は温度測定プローブ14及びそのリード線15を含む温度センサとして構成されている。温度センサとしては、熱電対白金抵抗温度計サーミスター等から適宜選択することができる。いずれの場合も、温度測定部である温度測定プローブ14と、その温度測定部から開始するリード線15とを備えている。上述したブラダー10においては、主突起12及び補助突起13を利用して、温度測定プローブ14及びそのリード線15を含む温度センサが設置されている。即ち、温度測定プローブ14は主突起12に固定され、該温度測定プローブ14に繋がるリード線15が補助突起13に係留される。主突起12に対する温度測定プローブ14の固定方法及び補助突起13に対するリード線15の係留方法は特に限定されるものではないが、例えば、貫通孔への挿入、結紮(結び付けによる固定)、加締めを例示することができる。

0028

図5においては、温度測定プローブ14が結束部材16を用いた結紮により主突起12に固定されている。一方、図6においては、補助突起13に貫通孔17が形成されており、その貫通孔17にリード線15を挿入することにより、該リード線15が補助突起13に係留されている。いずれの場合も、ブラダー本体11の内面から突出した主突起12又は補助突起13に対して温度測定プローブ14又はリード線15が機械的な結合力に基づいて取り付けられている

0029

複数の温度測定プローブ14に繋がる複数のリード線15はそれぞれ補助突起13によって案内されてブラダー10の一方の端部からブラダー10の外部に引き出され、不図示の測定用デバイスに接続される。タイヤ加硫装置において、リード線15は下側クランプリング6を貫通するようにしてブラダー10の外部に引き出しても良く、或いは、中心機構を通してブラダー10の外部に引き出しても良いが、いずれの場合も気密性を適切に確保することが必要である。

0030

上述のようにブラダー10の内部に温度測定プローブ14及びそのリード線15を含む温度測定手段20を設置したタイヤ加硫装置では、ブラダー本体11の内側の温度測定位置にプローブ固定用の主突起12を設けると共に、ブラダー本体11の内側の温度測定位置から離間した少なくとも1箇所にリード線係留用の補助突起13を設け、温度測定プローブ14を主突起12に固定する一方で、温度測定プローブ14に繋がるリード線15を補助突起13に係留しているので、加硫工程において温度測定プローブ14に基づいてブラダー10内の任意の箇所の温度を簡単かつ確実に検出することができる。

0031

ここで、例えば、温度測定プローブ14をブラダー本体11の内面に対して接着剤で接着した場合、加硫工程の繰り返しにより温度測定プローブ14が離脱したり、或いは、接着剤の影響によりブラダー本体11が局部的に劣化したりする恐れがある。しかしながら、主突起12及び補助突起13はブラダー本体11に対して一体的に成形されたものであり、温度測定プローブ14及びそのリード線15が主突起12及び補助突起13に対して機械的に取り付けられるので、温度測定プローブ14及びそのリード線15がブラダー本体11から離脱し難く、しかもブラダー本体11を劣化させることもない。

0032

また、ブラダー本体11は加硫工程において大きな伸縮に晒されることになるが、温度測定プローブ14を主突起12に固定すると共にリード線15を補助突起13に係留しているので、リード線15が絡み合って温度測定プローブ14を脱落させるような事態を確実に防止することができる。

0033

上記ブラダー10においては、図4に示すように、主突起12と補助突起13との間(又は補助突起13の相互間)に懸架されるリード線15の懸架部分15Xが弛みを持つようにリード線15を補助突起13に対して係留すると良い。より具体的には、主突起12と補助突起13との間(又は補助突起13の相互間)に懸架されるリード線15の懸架部分15Xの長さは加硫時のストレッチ状態(図1の状態)における懸架部分15Xの両端間の最短距離Dの1.1倍以上1.5倍以下に設定すると良い。これにより、ブラダー10がストレッチ状態となった際にリード線15に過大な張力が掛かって断線等の不都合が生じるのを確実に回避し、また、リード線15の絡み合いを可及的に回避することができる。ここで、懸架部分15Xの長さが加硫時のストレッチ状態における懸架部分15Xの両端間の最短距離Dの1.1倍より小さいとリード線15に過大な張力が掛かるのを確実に回避することが困難になり、逆に1.5倍よりも大きいとリード線15に絡み合いを生じ易くなる。なお、リード線15の係留間隔を狭くし、懸架部分15Xを短くすることにより、ブラダー本体11の変形に伴うリード線15の踊りが小さくなるが、補助突起13を過度に多く設置するとブラダー10の加工コストが増大するため、補助突起13の設置数は必要最小限に留めることが望ましい。

0034

上記ブラダー10において、主突起12及び補助突起13の周囲においてブラダー本体11の肉厚を局部的に薄くすると良い。図5及び図6においては、主突起12及び補助突起13の周囲に環状の窪み部18が形成されており、窪み部18が形成された部位におけるブラダー本体11の厚さはそれ以外の部位よりも薄くなっている。ブラダー本体11に対して主突起12及び補助突起13を一体的に成形した場合、主突起12及び補助突起13を設けた部位におけるブラダー本体の膜剛性や熱伝導特性が他の部位とは異なることになるが、主突起12及び補助突起13の周囲においてブラダー本体11の肉厚を局部的に薄くすることにより、膜剛性や熱伝導特性の均一性を改善することができる。つまり、窪み部18を形成した場合、主突起12及び補助突起13の付加により局部的に増大した膜剛性を緩和し、主突起12及び補助突起13の付加により局部的に低下した熱伝導特性を補完することができる。

0035

空気入りタイヤの外表面を成形するモールドと、該空気入りタイヤの内側に挿入されるブラダーとを備えたタイヤ加硫装置を用い、その内部温度を均一化するための手段だけを異ならせて空気入りタイヤの加硫を行った。

0036

実施例1:
タイヤ加硫装置において、ブラダーの内面の上下対称位置に設置された一対の温度測定手段と、ブラダーの内部温度を均一化する温度均一化手段と、温度測定手段の測定結果に基づいて温度均一化手段を制御する制御手段とを設けた。そして、タイヤ加硫時において温度測定手段の測定結果から算出される上下温度差が所定の閾値に到達したときに温度均一化手段を発動させた。温度測定手段の温度測定プローブは、タイヤ加硫時におけるブラダーの内部空間のタイヤ軸方向の高さHに対して、タイヤ中心位置からタイヤ軸方向に0.4Hとなる位置に設置した。温度均一化手段としては、加圧媒体又は加熱媒体の循環装置を設置した。制御手段が温度均一化手段を発動させるための上下温度差の閾値は2℃とした。

0037

実施例2:
制御手段が温度均一化手段を発動させるための上下温度差の閾値を5℃としたこと以外は、実施例1と同一条件とした。

0038

比較例1:
温度均一化手段と制御手段を設けていないこと以外は、実施例1と同一条件とした。なお、実施例1と同様にブラダーの内面の上下対称位置に設置された一対の温度測定手段により加硫時に各部位での温度を測定した。

0039

比較例2:
温度測定手段と制御手段を設けずに温度均一化手段を終始運転したこと以外は、実施例1と同一条件とした。

0040

上述した実施例1,2及び比較例1,2に係るタイヤ加硫方法について、温度均一化手段の運転コストを求めた。その評価結果は、比較例2を100とする指数にて表1に示した。また、実施例1,2及び比較例1,2に係るタイヤ加硫方法において、上下2箇所での温度測定値に基づいて各部位での等価加硫量を求め、下側部位での等価加硫量に対する上側部位での等価加硫量の比率(以下、「上下加硫量差」という)を算出し、これを表1に併せて示した。

0041

実施例

0042

表1から判るように、実施例1,2のタイヤ加硫方法では、温度均一化手段を設置していない比較例1に比べて上下加硫量差が大幅に低減されており、しかも、温度均一化手段を終始運転した比較例2に比べて運連コストが大幅に低減されていた。

0043

1,2サイドプレート
3,4ビードリング
5セクター
9モールド
10ブラダー
20温度測定手段
30温度均一化手段
40 制御手段
T 空気入りタイヤ

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