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技術 制御装置

出願人 日産自動車株式会社
発明者 横山敦明
出願日 2014年5月21日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2014-105275
公開日 2015年12月7日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2015-220954
状態 特許登録済
技術分野 発電機・電動機の保護 静止型機器の保護 交流電動機の制御一般
主要キーワード 変化率閾値 電流限界値 変化量閾値 ウィンドコンパレータ 短絡検知 インプットキャプチャ 回数閾値 出力目標
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

モータ電流過渡状態定常状態とを判定した上で、異常を判定する制御装置を提供する

解決手段

接続される負荷に対して所定の電力を出力するスイッチング手段と、負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、負荷の目標電流値演算する目標電流演算手段と、電流検出手段により検出された検出電流と目標電流値に基づき、検出電流を目標電流値に一致させる指令値を演算し、指令値に基づきスイッチング手段をPWM制御するPWM信号を生成し、PWM信号をスイッチング手段に出力する制御手段と、負荷に流れる電流値が所定の閾値以上である場合に、PWM信号をオフにするオフ信号スイッチング手段に対して発信する電流監視手段と、オフ信号の発信が、過渡状態であるか定常状態であるかを判定し、定常状態と判定した場合には、異常と判定する判定手段とを備える。

概要

背景

電源からパワートランジスタブリッジを介してサーボモータ駆動電流を供給するシステムにおいて、電流指令の信号を受信してPWM信号を発生させて当該PWM信号をPWM回路へ送信し、PWM回路によりパワートランジスタブリッジを通過する電流を制御している。そして、電流監視手段により、サーボモータの駆動電流値を取り込み、取り込み電流値電流限界値を超えている場合には、PWM信号をオフにしてサーボモータに流れる実際の電流値をゼロにし、電源をオフにしてサーボモータを停止するサーボモータ保護制御装置が開示されている(特許文献1)。

概要

モータ電流過渡状態定常状態とを判定した上で、異常を判定する制御装置を提供する 接続される負荷に対して所定の電力を出力するスイッチング手段と、負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、負荷の目標電流値演算する目標電流演算手段と、電流検出手段により検出された検出電流と目標電流値に基づき、検出電流を目標電流値に一致させる指令値を演算し、指令値に基づきスイッチング手段をPWM制御するPWM信号を生成し、PWM信号をスイッチング手段に出力する制御手段と、負荷に流れる電流値が所定の閾値以上である場合に、PWM信号をオフにするオフ信号スイッチング手段に対して発信する電流監視手段と、オフ信号の発信が、過渡状態であるか定常状態であるかを判定し、定常状態と判定した場合には、異常と判定する判定手段とを備える。

目的

本発明が解決しようとする課題は、モータ電流が過渡的に閾値より高くなった場合に、異常として判定しないように制御できる制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

接続される負荷に対して所定の電力を出力するスイッチング手段と、前記負荷に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記負荷の目標電流値演算する目標電流演算手段と、前記電流検出手段により検出された検出電流と前記目標電流値に基づき、前記検出電流を前記目標電流値に一致させる指令値を演算し、前記指令値に基づき前記スイッチング手段をPWM制御するPWM信号を生成し、当該PWM信号を前記スイッチング手段に出力する制御手段と、前記負荷に流れる電流値が所定の閾値以上である場合に、前記PWM信号をオフにするオフ信号を前記スイッチング手段に対して発信する電流監視手段と、前記オフ信号の発信が、過渡状態であるか定常状態であるかを判定し、前記定常状態と判定した場合には、異常と判定する判定手段とを備えることを特徴とする制御装置

請求項2

請求項1記載の制御装置において、前記目標電流演算手段は、前記負荷の出力目標値から前記目標電流値を演算し、前記判定手段は、前記出力目標値が変化した時点から所定時間経過後に前記オフ信号が発信されたか否かによって、前記過渡状態であるか前記定常状態であるかを判定することを特徴とする制御装置。

請求項3

請求項2記載の制御装置において、前記スイッチング手段は、バッテリから入力される電力を、前記負荷であるモータに対して出力し、前記出力目標値は、前記モータの出力トルク目標値、前記バッテリの電圧の目標値、及び、前記モータの目標回転数のいずれか一つの値であることを特徴とする制御装置。

請求項4

請求項2又は3記載の制御装置において、前記判定手段は、前記出力目標値が変化した時点から所定時間を経過した時点以降に、前記オフ信号が発信されている場合には、前記電流監視手段に異常が生じたと判定することを特徴とする制御装置。

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記オフ信号を発信する頻度に基づいて、前記過渡状態であるか前記定常状態であるかを判定することを特徴とする制御装置。

請求項6

請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記オフ信号を発信した回数所定回数以下である場合には前記過渡状態であると判定することを特徴とする制御装置。

請求項7

請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記オフ信号を発信した間隔が所定の間隔以上である場合には、前記過渡状態であると判定することを特徴とする制御装置。

請求項8

請求項1〜4のいずれか一項に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記オフ信号が発信したときに対応して前記電流検出手段により検出された前記検出電流に基づいて、前記過渡状態であるか前記定常状態であるかを判定することを特徴とする制御装置。

請求項9

請求項8に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記検出電流が所定の電流閾値以上である場合には、前記過渡状態であると判定することを特徴とする制御装置。

請求項10

請求項8に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記検出電流の変化率が所定の変化率閾値以上である場合には、前記過渡状態であると判定することを特徴とする制御装置。

請求項11

請求項8に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記オフ信号が発信されているときに対応する前記目標電流値と前記検出電流との差分が所定の閾値以上である場合には、前記過渡状態であると判定することを特徴とする制御装置。

請求項12

請求項1〜11のいずれか一項に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記電流監視手段に異常が生じているか否かを判定し、前記電流監視手段に異常が生じている場合には、前記電流監視手段による保護機能無効化することを特徴とする制御装置。

請求項13

請求項12に記載の制御装置において、前記判定手段は、前記制御手段による前記スイッチング手段の制御動作を行う前に、前記電流監視手段による保護機能を無効化することを特徴とする制御装置。

請求項14

請求項12又は13に記載のインバータ制御装置において、前記保護機能が無効化になったことを通知する通知手段を備えることを特徴とする制御装置。

技術分野

0001

本発明は、スイッチング素子を制御する制御装置に関するものである。

背景技術

0002

電源からパワートランジスタブリッジを介してサーボモータ駆動電流を供給するシステムにおいて、電流指令の信号を受信してPWM信号を発生させて当該PWM信号をPWM回路へ送信し、PWM回路によりパワートランジスタブリッジを通過する電流を制御している。そして、電流監視手段により、サーボモータの駆動電流値を取り込み、取り込み電流値電流限界値を超えている場合には、PWM信号をオフにしてサーボモータに流れる実際の電流値をゼロにし、電源をオフにしてサーボモータを停止するサーボモータ保護制御装置が開示されている(特許文献1)。

先行技術

0003

特開平1−185125号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、電流監視手段又は負荷等が正常に動作している状態で、モータ電流過渡的に閾値より高くなった場合には、異常として判定されてしまうという問題があった。

0005

本発明が解決しようとする課題は、モータ電流が過渡的に閾値より高くなった場合に、異常として判定しないように制御できる制御装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明は、スイッチング手段をPWM制御するPWM信号を生成し、当該PWM信号をスイッチング手段に出力する制御手段と、負荷に流れる電流値が所定の閾値以上である場合に、PWM信号をオフにするオフ信号発信する電流監視手段と、オフ信号の発信が、過渡状態であるか定常状態であるかを判定し、定常状態と判定した場合には、異常と判定する判定手段判定手段とを備えることによって上記課題を解決する。

発明の効果

0007

本発明は、電流が過渡的に閾値より高くなった場合に、当該電流の増加が過渡的なものであるか、定常的なものであるかを判定した上で、異常判定を行っているため、過渡状態による電流の増加を、異常として判定しないようにすることができる。

図面の簡単な説明

0008

本発明の実施形態に係るインバータ制御装置を備えた駆動装置ブロック図である。
図1の電流監視部及び状態判定部の制御フローを示すフローチャートである。
本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置の制御フローを示すフローチャートである。
本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置の制御フローを示すフローチャートである。
本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置を備えた駆動装置のブロック図である。
本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置の制御フローを示すフローチャートである。
本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置を備えた駆動装置のブロック図である。
本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置の制御フローを示すフローチャートである。
本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置内の回路図の一部である。

実施例

0009

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

0010

《第1実施形態》
図1は本発明の実施形態に係るインバータ制御装置を備えた駆動装置のブロック図である。本発明に係るインバータ制御装置は、車両等の駆動装置に適用される装置である。以下、インバータ制御装置を車両に適用する場合を例として説明するがインバータ制御装置は、車両以外に適用されてもよい。

0011

図1に示すように、駆動装置は、車両を駆動させるための装置であって、インバータ制御装置10、バッテリ20、及びモータ30を備えている。バッテリ20は、高電圧直流電源であって、複数の二次電池を接続することで構成されている。モータ30は、車両の駆動源となる負荷である。モータ30には、例えば永久磁石式同期モータが使われる。

0012

インバータ制御装置10は、インバータ11、電流センサ12、磁極位置検出器13、電圧検出器14、指令値演算部15、電流制御部16、PWM制御部17、電流監視部18、及び状態判定部19を備えている。

0013

インバータ11は、バッテリ1からジャンクションボックス(図示しない)から供給された直流電力3相交流に変換し、モータ30に出力する、インバータ11は、ブリッジ状に接続された複数のスイッチング素子(三相の場合には6つ)を有する。スイッチング素子には、IGBT等のパワー半導体が用いられる。そして、複数のスイッチング素子が、PWM制御信号に同期してオン及びオフを切り替えることで、三相交流電流をモータ30に出力する。

0014

電流センサ12は、インバータ11からモータ30に供給される三相交流電流を検出するセンサである。電流センサ12には、ホール素子を使用した磁気比例式のセンサが用いられる。なお、図1では、電流センサ12はU相、V相、及びW相にそれぞれ設けられているが、電流センサ12は2相に設けられ、残りの1相の電流は演算により算出してもよい。またモータの回生時には、電流センサ12はモータ30からインバータ11に供給される交流電流を検出する。

0015

磁極位置検出器13はモータ30の磁極の位置を検出器であり、モータ30に設けられている。磁極位置検出器13には例えばレゾルバが用いられる。モータ30の回転数は、磁極位置検出器13の検出値からR/D変換することで演算され、指令値演算部15に出力される。磁極位置検出器13の検出値は、電流センサ12により検出される検出電流値座標変換、又は、PWM制御部17における電圧指令値の座標変換等に用いられる。なお、図1では座標変換器を省略している。

0016

電圧検出器14は、バッテリ20の電圧を検出し、検出値を指令値演算部15及びPWM制御部17に出力する。

0017

指令値演算部15は、モータ30の出力目標値からモータ30の目標電流値を演算する。指令値演算部15には、モータ30の出力目標として外部から入力されるトルク指令値と、磁極位置検出器13の検出値に基づく演算されたモータ30の回転数と、電圧検出器14により検出されたバッテリ20の検出電圧が入力される。指令値演算部15には、トルク指令値、モータ30の回転数、及び電圧を指標として、電流指令値を出力するためのマップが予め格納されている。そして、指令値演算部15は、当該マップを参照しつつ、入力値に対応する電流指令値を、モータ30の目標電流値として演算し、演算された指令値を電流制御部16に出力する。

0018

電流制御部16は、電流センサ12の検出電流、及び、指令値演算部15により演算された電流指令値に基づき、検出電流を電流指令値に一致させる指令値を演算し、PWM制御部17に出力する。具体的には、電流制御部16は、電流センサ12の検出電流と電流指令値との偏差を演算し、定常的な偏差なく所定の応答性で追随させるように、PI制御による演算処理をすることで電圧指令値を演算し、PWM制御部17に出力する。

0019

PWM制御部17は、電流制御部16により演算された指令値に基づき、インバータ11に含まれるスイッチング素子をPWM制御するPWM信号を生成し、当該PWM信号をスイッチング素子に出力することで、インバータ11を制御する。具体的には、PWM制御部17は、電流制御部16により演算された電圧指令値を、磁極位置検出器13の検出値を用いて座標変換した上で、座標変換された電圧指令値(変調波)とキャリアとを比較する。このとき、キャリアの振幅は、電圧検出器14の検出値に応じて決まる。そして、PWM制御部17は、変調波とキャリアとの比較からデューティを演算することで、PWM信号を生成する。

0020

そして、インバータ11のスイッチング素子の駆動回路(図示しない)は、PWM信号に応じて、オン及びオフを切り替える。これにより、インバータ制御装置10は、モータ30の回転数に同期させて、目標トルク(トルク指令値)に応じて、スイッチング素子にPWM信号を出力し、電流センサの検出値(相電流の検出値)が目標値に合うように、フィードバック制御を行う。そして、インバータ11からモータ30に供給される電流は、モータ30の回転数と同期した周波数で、目標値に応じた電流値となる。

0021

電流監視部18は、負荷を保護するための制御部である。電流監視部18は、電流センサ12の検出値と所定の電流閾値とを比較して、当該検出値が電流閾値以上である場合には、オフ信号を発信する。オフ信号は、オフ信号は、PWM制御部17からインバータ11に送信されるPWM信号をオフにするための信号である。PWM信号がオフになったときには、インバータ11のスイッチング素子がオフ状態となる。

0022

電流監視部18は、インバータ11の上下アーム短絡を検知する機能(貫通電流検知機能)を有している。上下アームの短絡を検知する際には、電流閾値は非常に高い値に設定される。また、電流監視部18は、上下アームの短絡検知だけでなく、全体の回路の異常、負荷の異常を検知する機能を有する場合には、電流閾値は、貫通電流検知機能のみをもつときに設定された電流閾値よりも、低い閾値に設定される。そして、電流監視部18は、電流センサ12の検出値が電流閾値以上となった場合に、PWM制御をオフにすることで、モータの電流が所定値を超えないように制御する。これにより、モータ30の磁石減磁、過温度、スイッチング素子の過温度を防止できる。

0023

電流監視部18は、電流センサ12の検出値が電流閾値以上である場合には、オフ信号を発信して、オフ信号を状態判定部19に出力する。また、電流監視部18は、状態判定部19による判定結果に応じて、オフ信号をPWM制御部17に出力する。

0024

状態判定部19は、電流監視部18によるオフ信号の発信状態が過渡状態であるか定常状態であるかを判定する。

0025

上記のように、電流監視部18はモータ電流を監視しつつモータ30を保護する機能を有している。そして、電流閾値は、負荷保護役割のために設定されており、定常的にはPWM信号をオフにしないように、高い値に設定されている。その一方で、電流監視部18による異常検知不感帯をできるたけ小さくするためには、電流閾値は高すぎる値に設定できない。

0026

ところで、モータ30に流れる電流は過渡的(一過性)に高くなる場合がある。例えば、モータ30の回転数が急激に低下して誘起電圧が減少した場合には、電流が流れすぎてしまい、過渡的な電流が発生する。また、目標トルクが急変した際に、電流を過大に出力してから電流を定常的に落ち着かせるような制御を行った場合にも、過渡的な電流が発生する。そして、過渡的に電流が電流閾値を超えて高くなる。

0027

また、例えば、電流監視部18に異常が発生し、電流監視部18が設定した電流閾値よりも低いモータ電流で保護機能を発揮したとする。この場合には、電流監視部18以外は正常に動作しているにもかからず、モータ30への電流が制限されてしまうため、車両の駆動トルク脈動し、運転者又は搭乗者が違和感を感じることがある。

0028

さらに、電流監視部18に異常が生じた場合に、異常箇所が特定できないと、サービスの際に、手間がかかってしまい、電流監視部18の修正にも時間がかかってしまう。

0029

そのため、本発明は、状態判定部19により、電流監視部18によるオフ信号の発信が過渡状態であるか、定常状態であるかを判定し、オフ信号の発信が定常状態である場合には、異常が生じていると判定する。また、本発明は、電流監視部18によるオフ信号の発信が、電流監視部18の異常により行われた場合には、電流監視部18の異常を特定しつつ、オフ信号を電流監視部18からPWM制御部17に出力しないように制御する。

0030

以下、電流監視部18及び状態判定部19の制御について、図1及び図2を参照しつつ説明する。図2は電流監視部18及び状態判定部19の制御フローを示すフローチャートである。

0031

テップS1にて、状態判定部19は、電流監視部18から出力されるオフ信号を受信したか否かにより、電流監視部18がオフ信号を発信したか否かを判定する。状態判定部19がオフ信号を受信していない場合には、状態判定部19は、ステップS1の状態で待機する。

0032

状態判定部19がオフ信号を受信した場合には、ステップS2にて、状態判定部19は、出力目標値(トルク指令値)の変化量を演算する。出力目標値の変化量は、例えば、指令値演算部15に入力された今回の目標値と前回の目標値との差分から演算すればよい。

0033

ステップS3にて、状態判定部19は出力目標値の変化量が変化量閾値より高いか否かを判定する。変化量閾値は、出力目標値が過渡的に変化したことを判定するための閾値であって、予め設定されている。例えば、運転者が急にアクセルを踏み込んだ場合など、トルク指令値が過渡的に上昇する際の、指令値の変化量に応じて、変化量閾値は設定される。そして、変化量が変化量閾値より高い場合には、ステップS4に進み、変化量が変化量閾値以下である場合には、ステップS11に進む。

0034

ステップS4にて、状態判定部19は、出力目標値が変化した時点から所定期間を経過したか否かを判定する。状態判定部19は、出力目標値が変化量閾値より高くなった時点からの時間を計測することで、当該所定期間を計測する。所定時間は、過電流が過渡的に流れ始めてから、電流が定常的な状態となるための時間であって、過渡状態の期間に応じて予め設定される時間である。そして、所定時間を経過した場合には、ステップS5に進む。

0035

ステップS5にて、状態判定部19は、電流監視部18がオフ信号を継続して発信しているか否かを判定する。状態判定部19は所定時間を経過後に、電流監視部18からオフ信号を受信しているか否かで判定する。状態判定部19は、当該所定時間を経過した時点から予め定められた期間内に、オフ信号を受信した場合に、電流監視部18がオフ信号を継続して発信している、と判定する。

0036

オフ信号が継続的に発信されていない場合には、ステップS6にて、状態判定部19は、オフ信号の発信状態を過渡状態として判定する。すなわち、出力目標値が大きくに変化し、かつ、オフ信号が過渡的に発信された場合には、電流値が電流閾値を超えた原因はトルク指令値の変化によるものであり、またインバータ11の回路、負荷、及び電流監視部18は正常に動作している。そして、過渡的な電流値が電流閾値を超えて、オフ信号が出力された期間は短時間で終了するため、通常の制御が継続さればよく、制御フローが終了する。

0037

ステップS5に戻り、オフ信号が継続的に発信されている場合には、ステップS7にて、状態判定部19は、オフ信号の発信状態を定常状態として判定する。すなわち、出力目標値が大きくに変化した後に、オフ信号が継続的に発信されている場合には、出力目標値の変化により電流の検出値が電流閾値を超えて、電流が過渡的な状態となった後にもかかわらず、オフ信号が定常的に発信されていることになるため、オフ信号の発信の原因は、電流監視部18の異常によるものである。一方、インバータ11の回路、負荷、及び電流監視部18は正常に動作している。

0038

そして、ステップS8にて、状態判定部19は、定常状態と判定した場合には、電流監視部18に異常が発生していると判定する。ステップS9にて、状態判定部19は、オフ信号の出力禁止指令を電流監視部18に送信し、電流監視部18は、当該出力禁止指令を受信しオフ信号をPWM制御部17に出力しない。そして、制御フローが終了する。これにより、電流監視部18の異常の際には、電流監視部18による保護機能が動作しないため、モータ30等が正常に動作しているにもかかわらずに、モータ電流に制限が加わることを防止できる。さらに、電流監視部18の異常も検知できる。

0039

ステップS3に戻り、変化量が変化量閾値以下である場合には、ステップS10にて、状態判定部19は、状態判定部19は、オフ信号の発信状態を定常状態として判定する。ステップS11にて、状態判定部19はインバータ11又はモータ30に異常が発生したと判定する。電流監視部18の異常と、インバータ11又はモータ30の異常が同時に発生する可能性は低い。また、インバータ11又はモータ30の異常は、モータ電流の過渡的な変化とは関係のないところで発生し、インバータ11又はモータ30の異常時には、オフ信号が定常的に発信することになる。そのため、状態判定部19は、出力目標値が大きくに変化していないにもかからず、オフ信号が発信された場合には、インバータ11の回路又は負荷に異常が生じたと判定する。

0040

ステップS12にて、状態判定部19は、オフ信号を電流監視部18からPWM制御部17に出力させるための出力許可指令を電流監視部18に送信し、電流監視部18は、当該出力許可指令を受信しオフ信号をPWM制御部17に出力する。そして制御フローが終了する。これにより、電流監視機能の異常と、インバータ11又はモータ30の異常とを切り分けた上で異常を検知できる。

0041

上記のように、本発明は、モータ30に流れる電流値が所定の電流閾値以上である場合に、電流監視部18によりPWM信号をオフにするオフ信号を発信し、状態判定部19によりオフ信号の発信が過渡状態であるか定常状態であるかを判定し、定常状態として判定した場合には、異常が発生していると判定する。これにより、電流が過渡的に電流閾値以上になった場合に、当該電流の増加が過渡的なものであるか、定常的なものであるかを判定した上で、異常判定を行っているため、過渡状態による電流の増加を、異常として判断しないようにすることができる。

0042

また本発明は、出力目標値が変化した時点から所定時間経過後にオフ信号が発信されか否かによって、過渡状態であるか定常状態であるかを判定する。これにより、過渡状態と定常状態とを区別した上で、異常を判定できる。

0043

また本発明は、出力目標値が変化した時点から所定時間を経過した時点以降に、オフ信号が発信されている場合には、電流監視部18に異常が生じたと判定する。これにより、電流監視部18の異常を特定した上で、異常検知を行うことができる。また、異常の発生箇所を特定できるため、制御装置の交換等の際に、作業性を向上させることができる。また本発明は、過渡的に電流が電流閾値以上になった場合でも、電流監視部18の異常と判定しないため、電流監視部18の異常の検出精度を高めることができる。また、過渡状態のときに、電流が電流閾値を過渡的に超えた場合でも、異常として判定しないため、電流監視部18による異常の不感帯を小さくできる。

0044

なお、本例において、状態判定部19は、出力目標値としてトルク指令値を用いて、トルク指令値に基づいて、出力目標値が過渡的に変化した否かを判定したが、トルク指令値の代わりに、バッテリの電圧の目標値、モータの回転数の目標値を用いてもよい。

0045

上記の電流センサ12が本発明の「電流検出手段」に相当し、指令値演算部15が本発明の「目標電流演算手段」に相当し、電流制御部16及びPWM制御部17が本発明の「制御手段」に相当し、電流監視部18が本発明の「電流監視手段」に相当し、状態判定部19が本発明の「判定手段」に相当する。

0046

《第2実施形態》
図3は、発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置に含まれる電流監視部18及び状態判定部19の制御フローを示すフローチャートである。本例では上述した第1実施形態に対して、オフ信号の発信回数に基づいて、オフ信号の発信状態を判定している点が異なる。これ以外の制御及び構成は上述した第1実施形態と同じであり、その記載を援用する。ただし、出力目標値(トルク指令値)は状態判定部19に入力されておらず、状態判定部19は出力目標値に基づく状態判定は行っていない。

0047

図3を用いて、電流監視部18及び状態判定部19の制御を説明する。ステップS21にて、状態判定部19は、割り込み処理を開始するか否かを判定する。割り込み処理は、電流監視部18がPWM制御のオフ信号を発信した直後に、電流監視部18の制御に対して割り込むための制御処理である。状態判定部19は、電流監視部18からオフ信号を受信したときに、割り込み処理を開始する。なお、割り込み処理は、PWMオフ信号が入力される度に起動される処置であるので、状態判定部19の機能を含むCPUは、インプットキャプチャポートを利用したハードウェアで構成するとよい。

0048

ステップS22にて、状態判定部19は、オフ信号の発信回数をカウントアップする。なお、発信回数のカウンタがゼロの状態で、状態判定部19が最初にオフ信号を受信した時に、発信回数が1回となる。

0049

ステップS23にて、状態判定部19は、過剰状態及び定常状態の判定タイミングであるか否かを判定する。状態判定部19は、最初にオフ信号を受信した時点から、所定期間内の発信回数をカウントしている。そして、当該所定期間が経過した時が、過渡、定常状態の判定タイミングとなる。

0050

最初にオフ信号を受信した時点から、所定期間を経過していない場合には、ステップS24に進み、状態判定部19は、オフ信号が発信されたか否かを判定する。オフ信号が発信された場合には、ステップS22に進み、状態判定部19は、オフ信号の発信回数をさらにカウントアップする。一方、オフ信号が発信されていない場合にはステップS23に進む。すなわち、所定期間内に、ステップS22からステップS24までの制御ループが処理されることで、オフ信号の発信中は、発信信号がカウントされ、所定期間内の発信回数(すなわち頻度)がカウントされる。

0051

そして、最初にオフ信号を受信した時点から所定期間を経過した場合には、過渡、定常の判定タイミングに達したと判定し、状態判定部19は、カウンタで計測した発信回数と回数閾値とを比較する(ステップS25)。回数閾値は、オフ信号が定常的に発信されていると判定するための閾値であり、少なくとも2回以上である。

0052

発信回数が回数閾値未満である場合には、状態判定部19はオフ信号の発信状態を過渡状態として判定する。すなわち、過渡的なモータ電流の変化により、オフ信号が発信された場合には、オフ信号の発信回数は少なくなるため、状態判定部19は過渡状態として判定する(ステップS26)。そして、制御フローが終了する。

0053

ステップS25に戻り、発信回数が回数閾値以上である場合には、状態判定部19はオフ信号の発信状態を定常状態として判定する(ステップS27)。すなわち、オフ信号が、過渡的な状態とは認められない数だけ発信されていることを意味する。

0054

そして、ステップS28にて、状態判定部19は、異常が発生していると判定する。状態判定部19は、インバータ11、モータ30及び電流監視部18のうち少なくともいずれか箇所で異常が発生したと判定する。

0055

ステップS29にて、状態判定部19は、オフ信号の出力許可指令を電流監視部18に送信する。また状態判定部19は、カウンタを0回にする。電流監視部18は、状態判定部19からオフ信号の出力許可指令を受信した場合には、オフ信号をPWM制御部17に出力する。そして、制御フローが終了する。

0056

上記のように、本発明は所定期間内のオフ信号の発信回数を計測することで、オフ信号の発信の頻度を計測し、当該頻度に基づいて、発信が過渡状態であるか定常状態であるかを判定する。これにより、異常の検知精度を高めることができる。また、CPUに演算負荷がかからないように、簡易な方法で異常判定を行うことができる。

0057

なお、発信状態の検知精度を高めるためには、ステップS21の割り込み処理を開始した後に、ステップS22からS29までの制御フローを、定期処理ソフトウェア等を用いて、繰り返し行い、ステップS27による定常状態の判定が複数回行われた時に、発信状態が定常状態であると判定してもよい。定期処理ソフトウェアによる制御周期は、例えば電気角周期と対応させる。これにより、過渡・定常の判定閾値の設計が容易になる。

0058

《第3実施形態》
図4は、発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置に含まれる電流監視部18及び状態判定部19の制御フローを示すフローチャートである。本例では上述した第2実施形態に対して、オフ信号の発信の間隔に基づいて、オフ信号の発信状態を判定している点が異なる。これ以外の制御及び構成は上述した第2実施形態と同じであり、その記載を援用する。

0059

図4を用いて、電流監視部18及び状態判定部19の制御を説明する。ステップS31の制御処理は、第2実施形態に係るステップS21の制御処理と同様であり、説明を省略する。

0060

ステップS32にて、状態判定部19は、電流監視部18からオフ信号を受信した時点からの時間を計測することで、オフ信号の間隔を開始する。間隔の計測は、時間計測用のレジスタを用いる。当該レジスタは、時間の経過共にカウントアップする(フリーランニング)レジスタである。

0061

ステップS33にて、状態判定部19は、電流監視部18からオフ信号を受信したか否かを判定することで、オフ信号を発信したか否かを判定する。オフ信号が発信された場合には、状態判定部19はレジスタをクリアにする。すなわち、オフ信号が状態判定部19に入力される度に、レジスタはゼロにクリアする。

0062

一方、状態判定部19は、電流監視部18からオフ信号を受信していない場合には、ステップS35に進む。ステップS35の制御処理は、第2実施形態に係るステップS23の制御処理と同様であり、説明を省略する。そして、ステップS33からステップS35までの制御ループが繰り返されることで、オフ信号の間隔が計測される。すなわち、割り込み処理の開始後、オフ信号が発信されない場合には、計測レジスタは走り続ける。

0063

ステップS36にて、状態判定部19は、レジスタで計測される間隔と時間閾値とを比較する(ステップS25)。時間閾値は、オフ信号が定常的に発信されていると判定するための閾値であり、予め設定されている。そして、間隔が時間閾値以上である場合にはステップS37に進み、間隔が時間閾値未満である場合にはステップS39に進む。

0064

ステップS37〜S40の制御処理は、第2実施形態に係るステップS26〜S29の制御処理と同様であり、説明を省略する。

0065

ステップS41にて、状態判定部19はレジスタをクリアにする。レジスタが走る続けた場合に、レジスタが飽和してオーバフロー(計測困難)になるため、ステップS41でレジスタをクリアしている。

0066

上記のように、本発明はオフ信号の発信の間隔を計測することで、オフ信号の発信の頻度を計測し、当該頻度に基づいて、オフ信号の発信が過渡状態であるか定常状態であるかを判定する。また、これにより、異常の検知精度を高めることができる。また、CPUに演算負荷がかからないように、簡易な方法で異常判定を行うことができる。

0067

なお、発信状態の検知精度を高めるためには、ステップS31の割り込み処理を開始した後に、ステップS32〜S4241までの制御フローを、定期処理ソフトウェア等を用いて、繰り返し行い、ステップS38による定常状態の判定が複数回行われた時に、発信状態が定常状態であると判定してもよい。定期処理ソフトウェアによる制御周期は、例えば10msごとなど決まった時間に設定し、決まった時間で処理するルーチンとすることで、閾値設定や時間計測の観点から合理的でよい。

0068

なお、状態判定部19の機能を有したCPUのポートは、インプットキャプチャを利用して、ハードで時間計測することが、処理時間短縮CPU負荷上望ましい。

0069

《第4実施形態》
図5は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置を含む駆動装置のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して状態判定部19への入力が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1〜第3実施形態の記載を適宜、援用する。

0070

図5に示すように、状態判定部19には、電流監視部18により発信されるオフ信号に加えて、電流センサ12により検出される電流の検出値が入力される。

0071

図6を用いて、電流監視部18及び状態判定部19の制御を説明する。図6は電流監視部18及び状態判定部19の制御フローを示すフローチャートである。ステップS51の制御処理は、第2実施形態に係るステップS21の制御処理と同様であり、説明を省略する。

0072

ステップ52にて、状態判定部19は、割り込み処理開始のトリガとなったオフ信号の発信と対応して電流センサ12により検出された検出値を用いて、電流検出値の演算処理を行う。オフ信号の発信と対応する電流検出値は、オフ信号の発信の起因となったモータ電流の検出値に相当する。

0073

状態判定部19は、電流検出値の演算処理として、電流センサ12の検出値(各相の電流値iu、iv、iw)から絶対値(Iu、Iv、Iw)を演算する。次に、状態判定部19は、各相の絶対値(Iu、Iv、Iw)のうち最も大きい電流値(最大電流値)を特定する。

0074

ステップS53にて、状態判定部19は、最大電流値と電流閾値とを比較する。そして、最大電流値が電流閾値以上である場合には、状態判定部19は、オフ信号の発信状態を過渡状態として判定する(ステップS54)。すなわち、最大電流値が電流閾値以上である場合には、オフ信号を発生する際の電流の比較でも、電流センサ12の検出値は、電流閾値以上になっていることになり、オフ信号の発信は過渡的なものであると、判定できる。そして、制御フローが終了する。

0075

ステップS53に戻り、最大電流値が電流閾値未満である場合には、状態判定部19は、オフ信号の発信状態を定常状態として判定する(ステップS55)。すなわち、最大電流値が電流閾値未満であるにもかからず、オフ信号が発信している場合には、電流監視部18によるオフ信号の発信が、電流閾値よりも低いモータ電流のときに行われたことになり、電流監視部18の異常発生の可能性がある。

0076

そして、ステップS56にて、状態判定部19は、異常が発生していると判定する。ステップS57にて、状態判定部19は、オフ信号の出力許可指令を電流監視部18に送信する。電流監視部18は、状態判定部19からオフ信号の出力許可指令を受信した場合には、オフ信号をPWM制御部17に出力する。そして、制御フローが終了する。

0077

上記のように本発明は、オフ信号が発信したときに対応して電流センサ12により検出された検出値に基づいて、オフ信号の発信状態が過渡状態であるか定常状態であるかを判定する。また本発明は、当該検出値が電流閾値以上である場合に、過渡状態として判定する。これにより、異常の検知精度を高めることができる。

0078

なお、本発明の変形例として、状態判定部19は、最大電流値が定常的に電流閾値以上であるか否かにより、電流値が定常的に高い状態であるか否かを判定する。そして、状態判定部19は、電流が定常的に高い状態で、かつ、オフ信号の発信状態が定常状態である場合には、インバータ11又はモータ30の異常と判定する。また状態判定部19は、電流が過渡的に高い状態で、かつ、オフ信号の発信状態が定常状態である場合には、電流監視部18の異常と判定する。これにより、変形例では、故障箇所を特定も可能とする。

0079

《第5実施形態》
図7は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置を含む駆動装置のブロック図である。本例では上述した第4実施形態に対して状態判定部19への入力が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1〜第3の記載を適宜、援用する。

0080

図7に示すように、状態判定部19には、電流監視部18により発信されるオフ信号及び電流センサ12により検出される電流の検出値に加えて、指令値演算部15で演算された電流指令値が入力される。

0081

図8を用いて、電流監視部18及び状態判定部19の制御を説明する。図8は電流監視部18及び状態判定部19の制御フローを示すフローチャートである。ステップS61の制御処理は、第2実施形態に係るステップS21の制御処理と同様であり、説明を省略する。

0082

ステップ62にて、状態判定部19は、割り込み処理開始のトリガとなったオフ信号の発信と対応して電流センサ12により検出された検出値を用いて、電流検出値の演算処理を行う。

0083

状態判定部19は、電流検出値の演算処理として、電流センサ12の検出値(各相の電流値iu、iv、iw)から、電流変化量を演算する。電流変化量は、オフ信号の発生された際に、電流センサ12に検出された検出値(In)と、検出値(In)の検出時点より1周期前に検出された検出値(In-1)との差分(In−In-1)により演算できる。なお、検出値(In)又は検出値(In-1)は、三相の検出値より少なくとも一つの相の電流値を用いればよい。

0084

また、状態判定部19は、オフ信号の発生された際に、電流センサ12に検出された検出値(In)と、電流指令値(I*n)との差分(I*n−In)を演算する。

0085

ステップS63にて、状態判定部19は、演算した差分(In−In-1)と、予め設定される差分閾値(ΔIth1)とを比較し、差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)以上である場合には、ステップS64に進み、差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)未満である場合には、ステップS70に進む。すなわち、差分(In−In-1)は電流の検出値の変化量を示しており、差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)以上である場合には、電流が過渡的に変化していると判定できる。一方、差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)未満である場合には、電流は定常的に落ち着いている(定常状態)と判定できる。

0086

ステップS64にて、状態判定部19は、演算した差分(I*n−In)と、予め設定される差分閾値(ΔIth2)とを比較し、差分(I*n−In)が差分閾値(ΔIth2)以上である場合には、ステップS65に進み、差分(I*n−In)が差分閾値(ΔIth2)未満である場合には、ステップS66に進む。差分(I*n−In)が差分閾値(ΔIth2)以上である場合には、電流は目標値に向かって変化中であること示しているため、電流の変化は過渡状態であると判定できる。一方、差分(I*n−In)が差分閾値(ΔIth2)未満である場合には、電流は目標値に近づいているため、電流の変化は定常状態であると判定できる。

0087

そして、差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)以上であり、かつ、差分(I*n−In)が差分閾値(ΔIth2)以上である場合には、出力目標値の急な変化により、オフ信号が発信されたと判定できる。そのため、ステップS65の制御処理で、状態判定部19は過渡状態として判定する(ステップS65)。

0088

差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)以上であり、かつ、差分(I*n−In)が差分閾値(ΔIth2)未満である場合には、負荷のショートなどでインダクタンス成分が低下しており、目標電流値付近で急峻な電流応答を繰り返していることが考えられる。そのため、状態判定部19は、オフ信号の発信は定常状態として判定しつつ(ステップS66)、負荷の異常発生と判定する(ステップS67)。

0089

差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)未満である場合には、状態判定部19はオフ信号の発信状態は定常状態として判定しつつ(ステップS69)、電流監視部18の異常発生と判定する(ステップS70)。

0090

なお、ステップS68の制御フローは第1実施形態に係るステップS12の制御処理と同様であり、ステップS71の制御フローは第1実施形態に係るステップS9の制御処理と同様であり、説明を省略する。

0091

上記のように、本発明は、電流検出値の変化率に相当する差分(In−In-1)が差分閾値(ΔIth1)以上である場合には、オフ信号の発信状態が過渡状態であると判定する。また、目標電流値と電流検出値との差分(I*n−In)が差分閾値(ΔIth2)以上である場合には、オフ信号の発信状態が過渡状態であると判定する。これにより、発信状態の検知精度を高めることができる。

0092

なお、本発明では、差分(In−In-1)及び差分(I*n−In)を両方用いたが、いずれか一方のみを用いて、オフ信号の発信状態を判定してもよい。また本発明は、目標電流値と電流検出値との差分の変化率((I*n−In)−(I*n-1−In-1))を演算し、変化率が所定値以上の場合は、目標電流値に向けて検出値が大きく変化しつつ、差分も変化が大きいため、オフ信号の発信状態が過渡状態であると判定としてもよい。また、変化率が所定値未満である場合には、目標値に向けた検出値の変化が小さいため、オフ信号の発信状態が定常状態であると判定としてもよい。

0093

《第6実施形態》
図9は、発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置に含まれる電流監視部18及び状態判定部19の構成の一部を示す回路図である。本例は、電流監視部18による保護機能を無効化させる構成を具体化している。なお、インバータ制御装置10の構成及び制御について、第1〜5実施形態の記載を適宜、援用する。なお、図9に示す構成は、主に、電流監視部18に異常が発生していると判定された場合には、動作する構成である。

0094

図9に示すように、ウィンドコンパレータ41は、電流センサ12の電流検出値と、電流閾値とを比較する。電流閾値は非反転端子に入力され、電流検出値は反転端子に入力される。そして、電流検出値が電流閾値以上である場合には、Hiを論理回路44に出力する。なお、ウィンドコンパレータ41の出力と論理回路44の入力の一方は、抵抗R1を介して電源に接続されている。トランジスタ42は、フェール信号の入力によりオフになるスイッチである、トランジスタ42及び抵抗R2によりオープンコレクタが形成されており、オープンコレクタの出力はINH端子45に接続されている。そして、フェール信号の入力がトランジスタ42にあった場合には、INH端子45に対してHiの信号が出力される。

0095

トランジスタ43は、状態判定部19による無効化信号の入力によりオフになるスイッチである。無効化信号は、状態判定部19が電流監視部18に異常が発生していると判定したときに、電流監視部18に出力する信号である。

0096

論理回路44はAND回路であり、トランジスタ43からHiの入力がある状態で、ウィンドコンパレータ41からHiの入力があった場合に、Hiを出力する。

0097

INH端子45は、論理回路44又はトランジスタ42からHiが入力された場合には、INH端子45がLoになって、PWM制御がオフになる。PWM出力バッハIC46には、駆動用の6本の信号(UP〜WN)が入力され、インバータ11のスイッチング素子に対して、増幅した電流を出力する。

0098

ウィンドコンパレータ41、トランジスタ42、43、論理回路44及びINH端子45は、電流監視部18の構成の一部である。

0099

上記の回路において、状態判定部19から無効化信号がトランジスタ43に入力された場合には、トランジスタ43がオフになるため、論理回路44の入力はANS条件をとれない状態となる。そして、ウィンドコンパレータ41からHi信号が論理回路44に入力されたとしても、論理回路44の出力はHiにはならない。これにより、ウィンドコンパレータ41の比較機能が無効化されるため、電流監視部18による保護機能が無効化される。そして、無効化信号は、PWM制御のオフ信号の出力に対して優先するが、フェール信号には優先しないように、回路に組み込まれている。

0100

上記のように本発明は、電流監視部18に異常が生じているか否かを判定し、電流監視部18に異常が生じている場合には、電流監視部18による保護機能を無効化する。これにより、電流監視部18に異常が生じている状態で、電流制限をかえると、車両の駆動モータでは出力トルクが低くなり、安定せず、振動などを発生させ、搭乗者に違和感を感じさせる可能性がある。一方、本発明は、このような違和感を防ぐことができる。

0101

なお本発明による電流監視部18による保護機能を無効化は、インバータ11を制御する前に行うとよい。例えば、無効化信号が発信された状態で、車両が停車し、システムが停止したとする。次にシステムが起動した時、電流監視部18の異常が解消されていない場合には、電流監視部18が動作するとシステムが不安定になる。そのため、インバータ11を制御する前に、電流監視部18による保護機能を無効化させることで、車両の場合には、駆動トルクを脈動させずに発進できるようにするなど、システムを安定化できる。

0102

また本発明は、電流監視部18に異常が発生した場合には、ディスプレイ等で通知してもよい。これにより、異常の発生をユーザにより早く気づかせることができる。

0103

11…インバータ
12…電流センサ
15…指令値演算部
16…電流制御部
17…PWM制御部
18…電流監視部
19…状態判定部

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