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技術 低歪み送信機

出願人 三菱電機株式会社
発明者 能登一二三樋口和英水谷浩之安藤暢彦川上憲司
出願日 2014年5月14日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2014-100230
公開日 2015年12月7日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-220479
状態 特許登録済
技術分野 増幅器一般 送信機
主要キーワード ディジタル基板 PF8 信号精度 可変利得器 復元方式 校正信号 飽和増幅器 PF1
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図面 (11)

課題

位相情報を持った定包絡な信号に対して、タイミングずれのないパルス変調を行う。

解決手段

変調波信号61を生成する信号生成部1と、変調波信号61から位相情報及びエンベロープ成分に基づくパルス信号を取得するデータ変換部2と、基準信号を生成する基準信号源3と、基準信号に同期し、位相情報に基づく位相制御及びパルス信号に基づく0π変調を行った信号62を生成するADPLL4と、基準信号に同期し、位相情報に基づく位相制御を行った信号63を生成するADPLL5と、信号62,63を合成する合成器6と、合成された信号を増幅するHPA7と、増幅された信号64から不要波を取り除くBPF8とを備えた。

概要

背景

一般に、通信に用いられる送信機には、信号を効率よく増幅するために高効率であることが求められ、また、信号精度を維持して送信するために線形性が求められる。しかしながら、送信機に内蔵されている従来の線形電力増幅器は、線形成と効率がトレードオフの関係にあり、両立しない。そのため、従来では、電力増幅器の効率を上げる手法とは別に、線形化技術として歪み補償回路を適用し、送信機の線形性と高効率を両立していた。

また、2000年代ごとから注目を浴びている技術としてポーラ変調がある。この技術は、理論的には送信機の高線形成と高効率を実現するものである。代表的なポーラ変調として、例えば非特許文献1に開示された包絡線除去及び復元方式(EER:Envelope Elimination and Restoration)がある。この方式では、通信に用いられる変調波信号ポーラ成分(極座標系)に分解して位相成分及び振幅成分を取得し、2つの成分を別々に増幅した後再結合して、増幅した信号精度の劣化のない変調波信号を生成する。この際、定包絡なため、位相成分を増幅する際に非線形増幅器飽和近傍を使用することができ、高効率に増幅することができる。また、振幅成分を増幅する際には、変調波信号のエンベロープ成分を検出してオーディオ増幅器と同じくD級増幅することで、高効率に増幅することができる。そして、この2つの信号を再度変調することで元の変調波信号を得ることができる。この変調波信号は理想的には高効率に増幅され、かつ線形成が保たれる。

しかしながら、非特許文献1に開示されたEER方式を理想的に実現することは難しい。そこで、例えば特許文献1〜3に開示されるような工夫がなされている。特許文献1では、D級増幅器に対して線形成を改善している。また、特許文献2では、振幅変調及び高周波増幅時のトランジスタの制御に対して線形成を改善している。また、特許文献3では、フィードバック信号を元のエンベロープ信号と比較することで線形成を改善している。
また、EER方式の亜流の構成が非特許文献2に開示されている。この構成では、飽和増幅器に直接振幅情報を変調するのではなく、予めスイッチで定包絡の位相信号を変調している。

以下では、非特許文献1,2及び特許文献2,3に開示されているEER方式の基本原理について説明する。まず、非特許文献1及び特許文献2,3に開示されているEER方式の原理を、図9を用いて説明する。
図9に示すように、信号生成部101で生成された変調波信号51のうちエンベロープ成分52は、PWM(Pulse Width Modulation)102に入力され、パルス変調される。パルス変調された信号53は、LPF(Low−Pass Filter)103で平滑化され、HPA(High Power Amplifier)105のドレインコレクタバイアスに入力されて振幅変調される。また、信号生成部101で生成された変調波信号51はリミッター104に入力され、位相情報を持った定包絡な信号55に変換される。この信号55は、定包絡な信号のため、HPA105が飽和増幅器であっても歪みは発生しない。そして、HPA105では、位相情報を持った定包絡な信号55と、振幅情報を持った信号54がドレイン(コレクタ)バイアスによって振幅変調された信号とが合成される。その結果、理想的には信号生成部101で生成された変調波信号51がそのまま増幅された信号56が出力される。

しかしながら、ドレイン(コレクタ)バイアスで振幅変調された信号は、変調率100%で変調した場合に歪みを発生させる。また、ドレイン(コレクタ)バイアスを変化させるとAM−PM特性ダイナミックに変動する。そして、この場合に出力された信号56bは、入力した変調波信号51と比較して波形が歪む。よって、信号精度の劣化につながるという課題がある。

次に、非特許文献2に開示されているEER方式の原理を、図10を用いて説明する。
図10に示すように、信号生成部101で生成された変調波信号51のうちエンベロープ成分52はPWM102に入力され、パルス変調される。パルス変調された信号53は、SW106で後述する位相情報を持った定包絡な信号55をパルス変調する。また、信号生成部101で生成された変調波信号51はリミッター104に入力され、位相情報を持った定包絡な信号55に変換される。そして、SW106によりパルス変調されたバースト信号は、飽和増幅器であるHPA107で増幅される。増幅された信号57はバースト信号であるため、スプリアスが発生する。発生したスプリアスはBPF108により取り除かれ、理想的には信号生成部101で生成された変調波信号51がそのまま増幅された信号56が出力される。以上により、図9に示されるドレインバイアスによる歪みの劣化については解決される。

しかしながら、振幅情報を持ったPWM102から出力される信号53と、位相情報を持ったリミッター104から出力される信号55とのタイミングが合わないと、信号精度の劣化につながる。変調速度が高くなるほど、その精度が求められることになる。また、PWM102とリミッター104の群遅延時間温度変動は同じ能動デバイスを使用していないため異なる。したがって、温度変動まで含めてタイミングを合わせることが困難であるという課題がある。図9に示されるEER方式においても同様のことが言える。

概要

位相情報を持った定包絡な信号に対して、タイミングずれのないパルス変調を行う。変調波信号61を生成する信号生成部1と、変調波信号61から位相情報及びエンベロープ成分に基づくパルス信号を取得するデータ変換部2と、基準信号を生成する基準信号源3と、基準信号に同期し、位相情報に基づく位相制御及びパルス信号に基づく0π変調を行った信号62を生成するADPLL4と、基準信号に同期し、位相情報に基づく位相制御を行った信号63を生成するADPLL5と、信号62,63を合成する合成器6と、合成された信号を増幅するHPA7と、増幅された信号64から不要波を取り除くBPF8とを備えた。

目的

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、位相情報を持った定包絡な信号に対して、タイミングずれのないパルス変調を行うことができる低歪み送信機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

変調波信号を生成する信号生成部と、前記信号生成部により生成された変調波信号から、位相情報、及びエンベロープ成分に基づくパルス信号を取得するデータ変換部と、基準信号を生成する基準信号源と、前記基準信号源により生成された基準信号に同期し、前記データ変換部により取得された位相情報に基づく位相制御及び前記パルス信号に基づく0π変調を行った信号を生成する第1の信号源と、前記基準信号源により生成された基準信号に同期し、前記データ変換部により取得された位相情報に基づく位相制御を行った信号を生成する第2の信号源と、前記第1,2の信号源により生成された信号を合成する合成器と、前記合成器により合成された信号を増幅する増幅器と、前記増幅器により増幅された信号から不要波を取り除くバンドパスフィルタとを備えた低歪み送信機

請求項2

前記第1,2の信号源はADPLLであることを特徴とする請求項1記載の低歪み送信機。

請求項3

前記合成器の前段に設けられ、前記第1,2の信号源により生成された信号を増幅又は減衰する可変利得器と、前記合成器により合成された信号を検出する信号検出器と、前記信号検出器により検出された信号に基づいて、前記可変利得器を制御することで、当該可変利得器から出力される両信号の振幅を一定にする制御部とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の低歪み送信機。

請求項4

前記合成器の前段に設けられ、前記第1,2の信号源により生成された信号を増幅又は減衰する可変利得器と、前記バンドパスフィルタにより不要波が取り除かれた信号をAD変換するAD変換器と、前記信号生成部により生成された変調波信号と、前記AD変換器によりAD変換された信号とを比較する比較器と、前記比較器による比較結果に基づいて位相誤差及び振幅誤差を検出し、前記データ変換部及び前記可変利得器を制御する制御部とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の低歪み送信機。

請求項5

前記第1の信号源に並列接続され、前記基準信号源により生成された基準信号に同期し、前記データ変換部により取得された位相情報に基づく位相制御及び前記パルス信号に基づく0π変調を行った信号を生成する第3の信号源と、前記第2の信号源に並列接続され、前記基準信号源により生成された基準信号に同期し、前記データ変換部により取得された位相信号に基づく位相制御を行った信号を生成する第4の信号源と、前記第1,3の信号源により生成された信号を合成する第2の合成器と、前記第2,4の信号源により生成された信号を合成する第3の合成器と、前記バンドパスフィルタにより不要波が取り除かれた信号をAD変換するAD変換器と、前記信号生成部により生成された変調波信号と、前記AD変換器により変換された信号とを比較する比較器と、前記比較器による比較結果に基づいて位相誤差及び振幅誤差を検出し、前記データ変換部を制御する制御部とを備え、前記合成器は、前記第1,2の合成器により合成された信号を合成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の低歪み送信機。

技術分野

0001

この発明は、送信機線形性と高効率を同時に実現する低歪み送信機に関するものである。

背景技術

0002

一般に、通信に用いられる送信機には、信号を効率よく増幅するために高効率であることが求められ、また、信号精度を維持して送信するために線形性が求められる。しかしながら、送信機に内蔵されている従来の線形電力増幅器は、線形成と効率がトレードオフの関係にあり、両立しない。そのため、従来では、電力増幅器の効率を上げる手法とは別に、線形化技術として歪み補償回路を適用し、送信機の線形性と高効率を両立していた。

0003

また、2000年代ごとから注目を浴びている技術としてポーラ変調がある。この技術は、理論的には送信機の高線形成と高効率を実現するものである。代表的なポーラ変調として、例えば非特許文献1に開示された包絡線除去及び復元方式(EER:Envelope Elimination and Restoration)がある。この方式では、通信に用いられる変調波信号ポーラ成分(極座標系)に分解して位相成分及び振幅成分を取得し、2つの成分を別々に増幅した後再結合して、増幅した信号精度の劣化のない変調波信号を生成する。この際、定包絡なため、位相成分を増幅する際に非線形増幅器飽和近傍を使用することができ、高効率に増幅することができる。また、振幅成分を増幅する際には、変調波信号のエンベロープ成分を検出してオーディオ増幅器と同じくD級増幅することで、高効率に増幅することができる。そして、この2つの信号を再度変調することで元の変調波信号を得ることができる。この変調波信号は理想的には高効率に増幅され、かつ線形成が保たれる。

0004

しかしながら、非特許文献1に開示されたEER方式を理想的に実現することは難しい。そこで、例えば特許文献1〜3に開示されるような工夫がなされている。特許文献1では、D級増幅器に対して線形成を改善している。また、特許文献2では、振幅変調及び高周波増幅時のトランジスタの制御に対して線形成を改善している。また、特許文献3では、フィードバック信号を元のエンベロープ信号と比較することで線形成を改善している。
また、EER方式の亜流の構成が非特許文献2に開示されている。この構成では、飽和増幅器に直接振幅情報を変調するのではなく、予めスイッチで定包絡の位相信号を変調している。

0005

以下では、非特許文献1,2及び特許文献2,3に開示されているEER方式の基本原理について説明する。まず、非特許文献1及び特許文献2,3に開示されているEER方式の原理を、図9を用いて説明する。
図9に示すように、信号生成部101で生成された変調波信号51のうちエンベロープ成分52は、PWM(Pulse Width Modulation)102に入力され、パルス変調される。パルス変調された信号53は、LPF(Low−Pass Filter)103で平滑化され、HPA(High Power Amplifier)105のドレインコレクタバイアスに入力されて振幅変調される。また、信号生成部101で生成された変調波信号51はリミッター104に入力され、位相情報を持った定包絡な信号55に変換される。この信号55は、定包絡な信号のため、HPA105が飽和増幅器であっても歪みは発生しない。そして、HPA105では、位相情報を持った定包絡な信号55と、振幅情報を持った信号54がドレイン(コレクタ)バイアスによって振幅変調された信号とが合成される。その結果、理想的には信号生成部101で生成された変調波信号51がそのまま増幅された信号56が出力される。

0006

しかしながら、ドレイン(コレクタ)バイアスで振幅変調された信号は、変調率100%で変調した場合に歪みを発生させる。また、ドレイン(コレクタ)バイアスを変化させるとAM−PM特性ダイナミックに変動する。そして、この場合に出力された信号56bは、入力した変調波信号51と比較して波形が歪む。よって、信号精度の劣化につながるという課題がある。

0007

次に、非特許文献2に開示されているEER方式の原理を、図10を用いて説明する。
図10に示すように、信号生成部101で生成された変調波信号51のうちエンベロープ成分52はPWM102に入力され、パルス変調される。パルス変調された信号53は、SW106で後述する位相情報を持った定包絡な信号55をパルス変調する。また、信号生成部101で生成された変調波信号51はリミッター104に入力され、位相情報を持った定包絡な信号55に変換される。そして、SW106によりパルス変調されたバースト信号は、飽和増幅器であるHPA107で増幅される。増幅された信号57はバースト信号であるため、スプリアスが発生する。発生したスプリアスはBPF108により取り除かれ、理想的には信号生成部101で生成された変調波信号51がそのまま増幅された信号56が出力される。以上により、図9に示されるドレインバイアスによる歪みの劣化については解決される。

0008

しかしながら、振幅情報を持ったPWM102から出力される信号53と、位相情報を持ったリミッター104から出力される信号55とのタイミングが合わないと、信号精度の劣化につながる。変調速度が高くなるほど、その精度が求められることになる。また、PWM102とリミッター104の群遅延時間温度変動は同じ能動デバイスを使用していないため異なる。したがって、温度変動まで含めてタイミングを合わせることが困難であるという課題がある。図9に示されるEER方式においても同様のことが言える。

0009

「Single-Sided Transmission by Envelope Elimination and Restoration」、Proc. IRE、1952年7月、pp.803〜806
「AN EERTRANSMITTER ARCHITECTURE WITH BURST-WIDTH ENVELOPE MODULATION BASED ON TRIANGLE-WAVE COMPARISON PWM」PIMRC 2007.IEEE 18th International Symposium

先行技術

0010

特開2004−32532号公報
特開2006−93874号公報
特開平10−256843号公報

発明が解決しようとする課題

0011

上述したように、非特許文献1及び特許文献2,3に開示されたEER方式では、ドレイン(コレクタ)バイアスで振幅変調された信号は、変調率100%で変調した場合に歪みを発生させる。また、ドレイン(コレクタ)バイアスを変化させるとAM−PM特性がダイナミックに変動する。そして、この場合に出力された信号56bは、入力した変調波信号51と比較して波形が歪む。よって、信号精度の劣化につながるという課題がある。
また、非特許文献2に開示されたEER方式では、上記課題は回避されるが、振幅情報を持ったPWM102から出力される信号53と、位相情報を持ったリミッター104から出力される信号55とのタイミングが合わないと、信号精度の劣化につながる。また、PWM102とリミッター104の群遅延時間の温度変動は同じ能動デバイスを使用していないため異なる。したがって、温度変動まで含めてタイミングを合わせることが困難であるという課題がある。

0012

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、位相情報を持った定包絡な信号に対して、タイミングずれのないパルス変調を行うことができる低歪み送信機を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0013

この発明に係る低歪み送信機は、変調波信号を生成する信号生成部と、信号生成部により生成された変調波信号から、位相情報、及びエンベロープ成分に基づくパルス信号を取得するデータ変換部と、基準信号を生成する基準信号源と、基準信号源により生成された基準信号に同期し、データ変換部により取得された位相情報に基づく位相制御及びパルス信号に基づく0π変調を行った信号を生成する第1の信号源と、基準信号源により生成された基準信号に同期し、データ変換部により取得された位相情報に基づく位相制御を行った信号を生成する第2の信号源と、第1,2の信号源により生成された信号を合成する合成器と、合成器により合成された信号を増幅する増幅器と、増幅器により増幅された信号から不要波を取り除くバンドパスフィルタとを備えたものである。

発明の効果

0014

この発明によれば、上記のように構成したので、位相情報を持った定包絡な信号に対して、タイミングずれのないパルス変調を行うことができる。

図面の簡単な説明

0015

この発明の実施の形態1に係る低歪み送信機の構成を示す図である。
この発明の実施の形態1に係る低歪み送信機の動作を示すフローチャートである。
この発明の実施の形態1におけるADPLLの動作を示す図であり、(a)単一のADPLLによる位相制御を示す図であり、(b)2つのADPLLによる振幅制御を示す図であり、(c)ADPLLを用いたOn−Off−Keying変調を示す図である。
この発明の実施の形態2に係る低歪み送信機の構成を示す図である。
この発明の実施の形態2におけるADPLLの動作を示す図であり、(a)振幅誤差がない場合を示す図であり、(b)振幅誤差がある場合を示す図である。
この発明の実施の形態3に係る低歪み送信機の構成を示す図である。
この発明の実施の形態4に係る低歪み送信機の構成を示す図である。
この発明の実施の形態4におけるADPLLの動作を示す図であり、(a)振幅制御を示す図であり、(b)(a)と同位相で異なる振幅に制御した場合を示す図である。
従来の低歪み送信機の構成を示す図である。
従来の低歪み送信機の別の構成を示す図である。

実施例

0016

以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る低歪み送信機の構成を示す図である。
低歪み送信機は、図1に示すように、信号生成部1、データ変換部2、源振(基準信号源)3、2つのADPLL(All Digital Phase−Locked Loop)4,5、合成器6、HPA(飽和増幅器)7、BPF(バンドパスフィルタ)8及びアンテナ9から構成されている。

0017

信号生成部1は、変調波信号を生成するものである。
データ変換部2は、信号生成部1により生成された変調波信号から、位相情報、及びエンベロープ成分に基づくパルス信号を取得するものである。
源振3は、ADPLL4,5により生成される信号を同期させるための基準信号を生成するものである。

0018

ADPLL(第1の信号源)4は、源振3により生成された基準信号に同期し、データ変換部2により取得された位相情報に基づく位相制御及びパルス信号に基づく0π変調を行った信号を生成するものである。
ADPLL(第2の信号源)5は、源振3により生成された基準信号に同期し、データ変換部2により取得された位相情報に基づく位相制御を行った信号を生成するものである。

0019

合成器6は、ADPLL4,5により生成された信号を合成するものである。
HPA7は、合成器6により合成された信号を増幅するものである。
PF8は、HPA7により増幅された信号から不要波を取り除くものである。
アンテナ9は、BPF8により不要波が取り除かれた信号を出力するものである。

0020

次に、上記のように構成された低歪み送信機の動作について、図1〜3を参照しながら説明する。
低歪み送信機の動作では、図1,2に示すように、まず、信号生成部1は変調波信号61を生成し、データ変換部2は当該変調波信号61から位相情報及びエンベロープ成分に基づくパルス信号を取得する(ステップST1,2)。そして、データ変換部2は、ADPLL5にて上記位相情報を持った定包絡な信号63を出力させるために必要な制御信号をADPLL5に伝達する。また、データ変換部2は、ADPLL4にて、ADPLL5で出力される信号63に上記パルス信号のOnとOffの時間的なプロファイルで0π変調した信号62を出力させるために必要な制御信号をADPLL4に伝達する。

0021

次いで、ADPLL4は、源振3により生成された基準信号に同期し、データ変換部2により取得された位相情報に基づく位相制御及びパルス信号に基づく0π変調を行った信号62を生成する(ステップST3)。また、ADPLL5は、源振3により生成された基準信号に同期し、データ変換部2により得られた位相情報に基づく位相制御を行った信号63を生成する(ステップST4)。このADPLL4,5により生成された信号62,63は、基準信号をもとに同期がとられている。次いで、合成器6は、ADPLL4,5により生成された信号62,63を合成する(ステップST5)。

0022

ここで、非特許文献2に開示されたEER方式を実現するためには、変調波信号61の位相情報を持った定包絡な信号63に対して、変調波信号61のエンベロープ成分から得られるパルス信号で、On−Off−Keying変調を行う必要がある。

0023

それに対し、図3(a)に示すように、ADPLL4,5では、振幅一定で任意の位相に設定できるという特徴がある。そのため、上記EER方式を実現するための1つの条件である、変調波信号61の位相情報を持った定包絡な信号63を簡単に作り出すことができる。

0024

また、上記EER方式を実現するためのもう1つの条件である、On−Off−Keying変調を、2つのADPLL4,5を用いて作り出す。上述したようにADPLL4,5では振幅一定で任意の位相に設定できる特徴があるため、源振3を同じにして2つのADPLL4,5から出力される信号を同期させて同じ信号を出力させて足し合わせると、2倍の出力が得られる。また、図3(b)に示すように、一方の信号の位相を180度反転させて足し合わせると、信号がキャンセルされ出力がなくなる。

0025

本発明では、上記特性を利用して、図3(c)に示すように、0変調の区間では同位相の信号を足し合わせ、π変調の区間では逆位相の信号を足し合わせる。このように、変調波信号61のエンベロープ成分から得られるパルス信号のOnとOffの時間的なプロファイルがわかることで、ADPLL4をそのプロファイルをもとに0π変調することができ、On−Off−Keying変調を実現できる。

0026

次いで、HPA7は、合成器6により合成された信号を増幅する(ステップST6)。このHPA7により増幅された信号64は、π変調がかかっている時間帯は信号が無いバースト信号になる。

0027

次いで、BPF8はHPA7により増幅された信号64から不要波を取り除き、アンテナ9はその信号65を出力する(ステップST7,8)。このように、HPA7による増幅後、BPF8を通すことで、信号生成部1で生成された変調波信号61がそのまま増幅された信号65が出力される。

0028

以上のように、この実施の形態1によれば、基準信号が共通である2つのADPLL4,5を用い、一方を0π変調するように構成したので、位相情報を持った定包絡な信号に対して、タイミングずれのないパルス変調を行うことができる。すなわち、2つのADPLL4,5が源振3により同期させられており、経路差も生じないため、タイミングずれが生じない。また、2つのADPLL4,5は同一ディジタル基板上に存在し、同一プロセスであることから、環境温度の変動によるずれは同じであり、温度によるタイミングずれは生じない。その結果、入力された変調波信号を高効率に増幅しかつ高い線形を保つことが可能となる。

0029

なお上記では、2つのADPLL4,5を用いた場合を示したが、2つ以上のADPLLを用いてもよい。これは以下の実施の形態についても同様である。

0030

実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2に係る低歪み送信機の構成を示す図である。図4に示す実施の形態2に係る低歪み送信機は、図1に示す実施の形態1に係る低歪み送信機に、可変利得増幅器可変利得器)10,11、信号検出器12及び制御部13を追加したものである。そのほかの構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。

0031

可変利得増幅器10は、合成器6の前段に設けられ、ADPLL4により生成された信号を増幅するものである。
可変利得増幅器11は、合成器6の前段に設けられ、ADPLL5により生成された信号を増幅するものである。

0032

信号検出器12は、合成器6により合成された信号を検出するものである。
制御部13は、信号検出器12により検出された信号に基づいて、可変利得増幅器10,11を制御することで、当該可変利得増幅器10,11から出力される両信号の振幅を一定にするものである。この制御部13は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。

0033

次に、上記のように構成された低歪み送信機の実施の形態1との差異について述べる。なお、実施の形態2に係る低歪み送信機の基本的な動作は実施の形態1と同じである。
実施の形態1において、ADPLL4,5により生成された信号の振幅は理想的には一定である。しかしながら、実際には、部品バラツキや寸法の誤差により振幅誤差が発生することがある。

0034

ここで、ADPLL4,5により生成された信号の振幅が一定の場合には、図5(a)に示すように、信号検出器12により検出される信号にはπ変調の区間に振幅は現れない。一方、部品のバラツキや寸法の誤差により振幅誤差が発生した場合には、図5(b)に示すように、信号検出器12により検出される信号にはπ変調の区間に微弱な信号が発生する。この微弱な信号は、信号精度が劣化する原因となる。そこで、π変調の区間における微弱な信号がなくなるように、制御部13にて可変利得増幅器10,11を制御する。

0035

なお上記の信号検出器12では、信号のエンベロープ成分を検出することを想定しているが、π変調の区間の信号をモニタできる検出方法であればどのような方法を用いてもよい。
また上記では、可変利得器として、信号を増幅する可変利得増幅器10,11を用いた場合を示したが、信号を減衰する可変減衰器を用いてもよい。
また、制御部13は、信号をモニタしながら動的に制御を行ってもよいし、予めπ変調の区間の信号を校正信号として出力し、静的に制御を行ってもよい。

0036

以上のように、この実施の形態2によれば、ADPLL4,5の出力信号の振幅誤差を検出し、可変利得増幅器10,11により振幅補正を行うように構成したので、実施の形態1の効果に加え、ADPLL4,5の出力信号に振幅誤差が発生しても、信号精度を劣化させずに線形増幅できる。

0037

実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3に係る低歪み送信機の構成を示す図である。図1に示す実施の形態1に係る低歪み送信機に、可変利得増幅器(可変利得器)10,11、AD変換器14、比較器15及び制御部16を追加したものである。その他の構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。なお可変利得増幅器10,11は、実施の形態2に示す構成と同様であり、その説明を省略する。

0038

AD変換器14は、BPS8により不要波が取り除かれた信号をAD変換するものである。
比較器15は、信号生成部1により生成された変調波信号と、AD変換器14によりAD変換された信号とを比較するものである。

0039

制御部16は、比較器15による比較結果に基づいて位相誤差及び振幅誤差を検出し、データ変換部2及び可変利得増幅器10,11を制御するものである。この制御部16は、ソフトウェアに基づくCPUを用いたプログラム処理によって実行される。

0040

次に、上記のように構成された低歪み送信機の実施の形態1との差異について述べる。なお、実施の形態3に係る低歪み送信機の基本的な動作は実施の形態1と同じである。
実施の形態1において、ADPLL4,5により生成された信号の振幅は理想的には一定であり、位相は、0変調の区間では同位相で、π変調の区間では180度の位相差が発生する。しかしながら、実際には、部品のバラツキや寸法の誤差により位相誤差及び振幅誤差が発生することがある。

0041

そこで、BPF8を通過後の信号の一部をフィードバックし、AD変換器14によるAD変換後、元の変調波信号と比較することで位相誤差及び振幅誤差を検出し、制御部16にてデータ変換部2及び可変利得増幅器10,11に対して制御信号を送って信号精度の劣化を取り除く。ここでは、フィードバック信号と元の変調波信号とを比較する場合を示したが、歪み成分を抽出し、その成分が小さくなるように制御する等の同様の方法を用いてもよい。

0042

以上のように、この実施の形態3によれば、フィードバック信号と変調波信号とを比較して位相誤差及び振幅誤差を検出し、データ変換部2及び可変利得増幅器10,11を制御することで位相補正及び振幅補正を行うように構成したので、実施の形態1の効果に加え、ADPLL4,5の出力信号に位相誤差及び振幅誤差が発生しても、信号精度を劣化させずに線形増幅できる。

0043

実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4に係る低歪み送信機の構成を示す図である。図7に示す実施の形態1に係る低歪み送信機は、図6に示す実施の形態3に係る低歪み送信機から可変利得増幅器10,11を削除し、ADPLL(第3,4の信号源)17,18及び合成器(第2,3の合成器)19,20を追加したものである。そのほかの構成は同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。

0044

ADPLL17は、ADPLL4に並列接続され、源振3により生成された基準信号に同期し、データ変換部2により取得された位相信号に基づく位相制御及びパルス信号に基づく0π変調を行った信号を生成するものである。
ADPLL18は、ADPLL5に並列接続され、源振3により生成された基準信号に同期し、データ変換部2により取得された位相信号に基づく位相制御を行った信号を生成するものである。

0045

合成器19は、ADPLL4,17により生成された信号を合成するものである。
合成器20は、ADPLL5,18により生成された信号を合成するものである。
なお、合成器6は、合成器19,20により合成された信号を合成する。
また、制御部16は、比較器15による比較結果に基づいて位相誤差及び振幅誤差を検出し、データ変換部2のみを制御する。

0046

次に、上記のように構成された低歪み送信機の実施の形態3との差異について述べる。なお、実施の形態4に係る低歪み送信機の基本的な動作は実施の形態3と同じである。
実施の形態3ではデータ変換部2の制御に伴うADPLL4,5により位相補正を行い、可変利得増幅器10,11により振幅補正を行う場合について示した。それに対し、実施の形態4ではADPLL4,17とADPLL5,18により位相補正及び振幅補正を行う。すなわち、図8に示すように、2つのADPLL4,17(又はADPLL5,18)を用いることで振幅及び位相を自在に変化することができる。なお図8(a),(b)は同位相で異なる振幅となる場合を示している。したがって、実施の形態4の構成では、制御部16は、データ変換部2のみを制御することで、ADPLL4,17とADPLL5,18により位相補正及び振幅補正を行うことができる。

0047

以上のように、この実施の形態4によれば、可変利得増幅器10,11に代えて、ADPLL17,18を用いるようにしても、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。

0048

なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

0049

1信号生成部、2データ変換部、3 源振(基準信号源)、4,5,17,18ADPLL(第1〜4の信号源)、6,19,20合成器、7 HPA(飽和増幅器)、8 BPF(バンドパスフィルタ)、9アンテナ、10,11可変利得増幅器(可変利得器)、12信号検出器、13,16 制御部、14AD変換器、15比較器。

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