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技術 レンズ装置

出願人 株式会社コシナ
発明者 大澤貞満前橋光
出願日 2014年5月19日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2014-103020
公開日 2015年12月7日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2015-219385
状態 特許登録済
技術分野 レンズ鏡筒
主要キーワード 中間アセンブリ ガタ防止機構 剛性素材 係合シャフト 後部ブロック 位置規制機構 長辺方向中央 リング空間
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

操作リングの良好な操作性を確保し、同時に、ヘリコイド結合部の有効なガタ防止を図るとともに、実施の容易性低コスト性,汎用性を確保する。

解決手段

レンズ鏡筒2の固定筒2cに回動変位可能に配した操作リング3と、レンズ枠5により一又は二以上のレンズL1…を保持してなるレンズユニット4と、操作リング3の回動変位を運動変換してレンズユニット4を光軸方向Fcへ変位させるヘリコイド結合部6とを有するレンズ操作機構Mcを具備してなるレンズ装置を構成するに指して、固定筒2c又はレンズ枠5の一方に固定ネジ11…により固定可能であって、かつ光軸方向Fcに対する直角面12sを有する規制プレート12と、固定筒2c又はレンズ枠5の他方に固定し、かつ光軸方向Fcに軸心Fsを有するとともに、規制プレート12に係合して位置が規制される係合シャフト13とを有する位置規制機構部Msを備える。

概要

背景

一般に、レンズ装置は、フォーカス調整を行うフォーカスレンズ操作機構等の各種レンズ操作機構を備えており、通常、この種のレンズ操作機構は、レンズ鏡筒固定筒回動変位可能に配した操作リングと、レンズ枠により一又は二以上のレンズを保持してなるレンズユニットと、前記操作リングの回動変位を運動変換して前記レンズユニットを光軸方向に変位させるヘリコイド結合部を備えている。この場合、ヘリコイド結合部は、レンズ枠の外周面に設けたヘリコイド雄ネジと固定筒の内周面に設けたヘリコイド雌ネジ螺合させた形態を有しているため、精度の高いフォーカス調整を実現するには、ヘリコイド結合部における所謂ガタをできるだけ小さくし、ゼロに近づける必要がある。

従来、このようなガタを防止する手段(方法)としては、特許文献1で開示されるレンズ鏡筒のガタ防止機構及び特許文献2で開示されるガタツキ防止方法が知られている。前者は、ヘリコイド結合された一対の筒体間での光軸方向のガタを防止し、かつ一方の筒体を回転させる際の負荷の変動を防止し、さらに径方向のガタを同時に防止することを可能にしたガタ防止機構の提供を目的としたものであり、具体的には、回転操作される一方の筒体にヘリコイド結合された他方の筒体を、光軸方向に分割された第1及び第2の筒体部で構成するとともに、これら第1及び第2の筒体部はそれぞれ光軸方向に弾性力を有する連結部材により光軸方向に連結され、かつこの連結部材の弾性力により第1及び第2の筒体部はそれぞれ一方の筒体に対して異なる光軸方向に当接されるようにしたものである。また、後者は、光学装置において、製造に時間とコストとを掛けさせることなく、光軸方向に移動する鏡筒部の円滑な移動とガタツキの防止の実現を目的としたものであり、具体的には、投写レンズは、フォーカス筒と固定筒とを備え、フォーカス筒は、固定筒の先端の外側に嵌合し、また、フォーカス筒及び固定筒は、ヘリコイド雌ネジとへリコイド雄ネジとを介してヘリコイド結合するとともに、フォーカス筒と固定筒との間に空けた隙間に、弾性を有する粒状体が添加されたグリス充填されたものである。

概要

操作リングの良好な操作性を確保し、同時に、ヘリコイド結合部の有効なガタ防止をるとともに、実施の容易性低コスト性,汎用性を確保する。レンズ鏡筒2の固定筒2cに回動変位可能に配した操作リング3と、レンズ枠5により一又は二以上のレンズL1…を保持してなるレンズユニット4と、操作リング3の回動変位を運動変換してレンズユニット4を光軸方向Fcへ変位させるヘリコイド結合部6とを有するレンズ操作機構Mcを具備してなるレンズ装置を構成するに指して、固定筒2c又はレンズ枠5の一方に固定ネジ11…により固定可能であって、かつ光軸方向Fcに対する直角面12sを有する規制プレート12と、固定筒2c又はレンズ枠5の他方に固定し、かつ光軸方向Fcに軸心Fsを有するとともに、規制プレート12に係合して位置が規制される係合シャフト13とを有する位置規制機構部Msを備える。

目的

前者は、ヘリコイド結合された一対の筒体間での光軸方向のガタを防止し、かつ一方の筒体を回転させる際の負荷の変動を防止し、さらに径方向のガタを同時に防止することを可能にしたガタ防止機構の提供を目的とした

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

レンズ鏡筒固定筒回動変位可能に配した操作リングと、レンズ枠により一又は二以上のレンズを保持してなるレンズユニットと、前記操作リングの回動変位を運動変換して前記レンズユニットを光軸方向へ変位させるヘリコイド結合部とを有するレンズ操作機構具備してなるレンズ装置において、前記固定筒又は前記レンズ枠の一方に固定ネジにより固定可能であって、かつ光軸方向に対する直角面を有する規制プレートと、前記固定筒又は前記レンズ枠の他方に固定し、かつ光軸方向に軸心を有するとともに、前記規制プレートに係合して位置が規制される係合シャフトとを有する位置規制機構部を備えてなることを特徴とするレンズ装置。

請求項2

前記操作リングは、フォーカスリングであることを特徴とする請求項1記載のレンズ装置。

請求項3

前記規制プレートは、少なくとも二カ所以上の各位置を固定ネジにより固定することを特徴とする請求項1又は2記載のレンズ装置。

請求項4

前記規制プレートは、前記固定ネジを緩めた際に前記直角面の面方向へ所定範囲にわたって変位可能に形成してなることを特徴とする請求項1,2又は3記載のレンズ装置。

請求項5

前記位置規制機構部は、前記直角面に規制孔を形成し、この規制孔に前記係合シャフトを挿通させてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレンズ装置。

請求項6

前記位置規制機構部は、離間した位置に少なくとも二組以上配設することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレンズ装置。

技術分野

0001

本発明は、操作リング回動変位によりレンズユニット光軸方向へ進退変位させるヘリコイド結合部を有するレンズ装置に関する。

背景技術

0002

一般に、レンズ装置は、フォーカス調整を行うフォーカスレンズ操作機構等の各種レンズ操作機構を備えており、通常、この種のレンズ操作機構は、レンズ鏡筒固定筒に回動変位可能に配した操作リングと、レンズ枠により一又は二以上のレンズを保持してなるレンズユニットと、前記操作リングの回動変位を運動変換して前記レンズユニットを光軸方向に変位させるヘリコイド結合部を備えている。この場合、ヘリコイド結合部は、レンズ枠の外周面に設けたヘリコイド雄ネジと固定筒の内周面に設けたヘリコイド雌ネジ螺合させた形態を有しているため、精度の高いフォーカス調整を実現するには、ヘリコイド結合部における所謂ガタをできるだけ小さくし、ゼロに近づける必要がある。

0003

従来、このようなガタを防止する手段(方法)としては、特許文献1で開示されるレンズ鏡筒のガタ防止機構及び特許文献2で開示されるガタツキ防止方法が知られている。前者は、ヘリコイド結合された一対の筒体間での光軸方向のガタを防止し、かつ一方の筒体を回転させる際の負荷の変動を防止し、さらに径方向のガタを同時に防止することを可能にしたガタ防止機構の提供を目的としたものであり、具体的には、回転操作される一方の筒体にヘリコイド結合された他方の筒体を、光軸方向に分割された第1及び第2の筒体部で構成するとともに、これら第1及び第2の筒体部はそれぞれ光軸方向に弾性力を有する連結部材により光軸方向に連結され、かつこの連結部材の弾性力により第1及び第2の筒体部はそれぞれ一方の筒体に対して異なる光軸方向に当接されるようにしたものである。また、後者は、光学装置において、製造に時間とコストとを掛けさせることなく、光軸方向に移動する鏡筒部の円滑な移動とガタツキの防止の実現を目的としたものであり、具体的には、投写レンズは、フォーカス筒と固定筒とを備え、フォーカス筒は、固定筒の先端の外側に嵌合し、また、フォーカス筒及び固定筒は、ヘリコイド雌ネジとへリコイド雄ネジとを介してヘリコイド結合するとともに、フォーカス筒と固定筒との間に空けた隙間に、弾性を有する粒状体が添加されたグリス充填されたものである。

先行技術

0004

特開平8−304688号公報
特開2010−160196号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、上述したガタを防止するための従来の手段(方法)は、次のような問題点があった。

0006

第一に、特許文献1のような、ヘリコイド結合部に対して外部から弾性力を付与する手段は、弾性力がヘリコイド結合部の回動変位及び進退変位に少なからず影響し、操作リングの良好な操作性を損なう虞れがある。しかも、基本的には弾性力により支持する原理のため、ガタを完全に防止することができない。この結果、レンズが重い場合やレンズの角度等によっては、レンズを正確な位置に維持する効果が薄れやすく、フォーカス調整等に高い調整精度が要求される場合はその要求に応えられない。

0007

第二に、特許文献2のような、ヘリコイド結合部の隙間に充填物を収容する方法も同様な問題を有しており、充填物がヘリコイド結合部の回動変位及び進退変位に少なからず影響し、操作リングの良好な操作性に影響する虞れがある。加えて、充填物を収容する工程が必要になるため、製造容易性及び製造品質を損なう虞れがあるとともに、充填物の劣化等により長期使用における信頼性及び安定性を確保しにくい。

0008

本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したレンズ装置の提供を目的とするものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係るレンズ装置1は、上述した課題を解決するため、レンズ鏡筒2の固定筒2cに回動変位可能に配した操作リング3と、レンズ枠5により一又は二以上のレンズL1…を保持してなるレンズユニット4と、操作リング3の回動変位を運動変換してレンズユニット4を光軸方向Fcへ変位させるヘリコイド結合部6とを有するレンズ操作機構Mcを具備してなるレンズ装置を構成するに指して、固定筒2c又はレンズ枠5の一方に固定ネジ11…により固定可能であって、かつ光軸方向Fcに対する直角面12sを有する規制プレート12と、固定筒2c又はレンズ枠5の他方に固定し、かつ光軸方向Fcに軸心Fsを有するとともに、規制プレート12に係合して位置が規制される係合シャフト13とを有する位置規制機構部Msを備えてなることを特徴とする。

0010

この場合、発明の好適な態様により、操作リング3には、フォーカスリング3fを適用することができる。また、規制プレート12は、少なくとも二カ所以上の各位置を固定ネジ11…により固定することができるとともに、固定ネジ11…を緩めた際に直角面12sの面方向Fdへ所定範囲にわたって変位可能に形成することができる。さらに、位置規制機構部Msは、直角面12sに規制孔12hを形成し、この規制孔12hに係合シャフト13を挿通させて構成できる。なお、位置規制機構部12sは、離間した位置に少なくとも二組(Ms…)以上配設することが望ましい。

発明の効果

0011

このような構成を有する本発明に係るレンズ装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。

0012

(1)固定筒2c又はレンズ枠5の一方に固定ネジ11…により固定可能であって、かつ光軸方向Fcに対する直角面12sを有する規制プレート12と、固定筒2c又はレンズ枠5の他方に固定し、かつ光軸方向Fcに軸心Fsを有するとともに、規制プレート12に係合して位置が規制される係合シャフト13とを有する位置規制機構部Msを設けたため、ヘリコイド結合部6に対する位置規制機構部Msからの直接的な作用は生じない。したがって、操作リング3の良好な操作性を確保できるとともに、同時に、ヘリコイド結合部6に対する有効なガタ防止を図ることができる。これにより、フォーカス調整等に高い調整精度が要求される場合であっても、その要求に十分に応えることができる。

0013

(2) 量産可能な小型簡易部品をレンズ鏡筒2内の空スペースに対して追加的に組付ければ実現できるとともに、空スペースが無い場合であっても僅かな追加加工等により実現できる。したがって、容易かつ低コストに実施できるとともに、既存製品にも容易に適用できるなど汎用性にも優れる。加えて、単純な係合構造により実現できるため、長期使用における耐久性、更には信頼性及び安定性にも優れる。

0014

(3) 好適な態様により、操作リング3として、フォーカスリング3fを適用すれば、フォーカス調整の精度を飛躍的に高めることができるため、特に高い精度が要求される高性能レンズ装置や高級レンズ装置の要請にも十分に応えることができる。

0015

(4) 好適な態様により、規制プレート12における少なくとも二カ所以上の各位置を固定ネジ11…により固定するようにすれば、規制プレート12に対する固定強度及び固定バランスを高めることができることに加え、固定位置を調整(設定)する際の作業を的確かつ柔軟に行うことができる。

0016

(5) 好適な態様により、規制プレート12を、固定ネジ11…を緩めた際に直角面12sの面方向Fdへ所定範囲にわたって変位可能に形成すれば、固定位置を調整(設定)する際の追従範囲余裕をもって確保できるため、規制プレート12の固定位置に対する円滑かつ確実な調整(設定)を行うことができる。

0017

(6) 好適な態様により、位置規制機構部Msを構成するに際し、規制プレート12の直角面12sに規制孔12hを形成し、この規制孔12hに係合シャフト13を挿通させるようにすれば、一つの規制孔12hにより直角面12sの面方向の全範囲に規制できるため、十分な規制機能を確保できるとともに、位置規制機構部Msが一組であっても実現可能になるなど、少ない組数での実施が可能となり、低コスト性を確保する観点から最も望ましい形態として実施できる。

0018

(7) 好適な態様により、位置規制機構部Msを、離間した位置に少なくとも二組(Ms…)以上配設するようにすれば、組数に従ってフォーカス調整等の調整精度をより高めることができる。したがって、各種レンズ装置1の要求に応じた調整精度の最適化を容易に行うことができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の好適実施形態に係るレンズ装置(中間アセンブリ)に備える位置規制機構部を明示する背面図、
同レンズ装置に備える位置規制機構部の構成を明示する斜視図、
同レンズ装置の全体構造を示す断面側面図、
同レンズ装置に備える位置規制機構部を抽出して示す側面図、
同レンズ装置に備えるレンズユニットを前方(図中、左方向)へ変位させた状態を示す位置規制機構部の側面図、
同レンズ装置に備える位置規制機構部の組付位置を調整(設定)する際の手順を示すフローチャート
同位規制機構部の組付位置を調整(設定)する際におけるレンズ装置の中間アセンブリを示す断面側面図、
同位置規制機構部の組付位置を調整(設定)する際の処理説明図、

実施例

0020

次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。

0021

まず、本発明の理解を容易にするため、本実施形態に係るレンズ装置1全体の概要について、図1及び図3を参照して説明する。

0022

例示のレンズ装置1は、フォーカス調整に対して高い調整精度が要求される高性能レンズ、特に、カメラボディ(不図示)に対して着脱する交換レンズである。このレンズ装置1は、固定筒2cとこの固定筒2cの後端付設する後部ブロック2crを有するレンズ鏡筒2を備える。また、固定筒2cは、外筒部2coと内筒部2ciにより構成し、内筒部2ciの内部における前側位置には、前レンズユニット31を配設する。この前レンズユニット31は、内筒部2ciに支持された前レンズ枠32及びこの前レンズ枠32により保持された四枚のレンズを含む前レンズ群33を備える。

0023

さらに、内筒部2ciの内部における後側位置には、内筒部2ciに支持されるレンズユニット4を備える。このレンズユニット4は内筒部2ciにより回動変位が規制され、かつ進退変位が許容されたフォーカスレンズ枠5及びこのフォーカスレンズ枠5により保持された三枚のフォーカスレンズL1,L2,L3を含むフォーカスレンズ群8を備える。この場合、内筒部2ciには光軸方向Fcに沿ったガイドスリット36…が形成され、フォーカスレンズ枠5に一体に設けたリング体35の一部が当該ガイドスリット36…に係合する。このレンズユニット4は、リアフォーカス方式として機能する。

0024

一方、外筒部2coの光軸方向Fcの中間位置には、カット状リング空間を設け、このリング空間を埋めるように、フォーカス調整を行うマニュアル操作用のフォーカスリング3fを回動変位可能に配する。このフォーカスリング3fは操作リング3を構成する。さらに、フォーカスリング3fとレンズユニット4間にはヘリコイド結合部6を設ける。このヘリコイド結合部6は、フォーカスリング3fの内周面に設けたヘリコイド雌ネジ部6iと、リング体35の外周面に設け、かつ当該ヘリコイド雌ネジ部6iに螺合するヘリコイド雄ネジ部6oにより構成する。

0025

他方、外筒部2coの後端には後部ブロック2crを付設する。後部ブロック2crは後端にバヨネット式レンズマウント部41を有し、このレンズマウント部41を介してカメラボディ側マウント部に対して着脱する。なお、例示の場合、後部ブロック2crには、絞り調整用絞りリングも備えている。さらに、後部ブロック2crの内方には、後レンズユニット42を配設する。この後レンズユニット42は、後レンズ枠43及びこの後レンズ枠43により保持された四枚のレンズを含む後レンズ群44を備える。後レンズ枠43の前端はフォーカスレンズ枠5の後端に結合し、後レンズユニット42とレンズユニット4は一体となる。

0026

以上の構成において、フォーカスリング3fからフォーカスレンズ枠5までの機構はフォーカス調整を行うための基本的なレンズ操作機構Mcを構成する。これにより、フォーカスリング3fを回動操作すれば、ヘリコイド雌ネジ部6iが回動変位する。この際、ヘリコイド雄ネジ部6oはガイドスリット36…により回動変位が規制されているため、ヘリコイド雄ネジ部6oは進退変位する運動変換が行われる。即ち、レンズユニット4は光軸方向Fcに進退変位し、フォーカス調整が行われる。

0027

ところで、このようなレンズ操作機構Mcは、ヘリコイド結合部6を備えるため、少なからずガタが存在する。ヘリコイド結合部6は、原理上、通常のねじ結合部に対して、よりガタの少ない原理に基づいているが、高精度化の要求はより高まる傾向にあるとともに、他方、加工精度を高めるには限界がある。具体的には、高度の加工技術により製作しても現状では平均0.005〔mm〕程度の誤差が発生する。そこで、本実施形態に係るレンズ装置1は、このレンズ操作機構Mcのガタを防止する手段として、基本構成のレンズ操作機構Mcに対して、二組の位置規制機構部Ms,Nsを追加的に付加して構成したものである。

0028

次に、本実施形態に係るレンズ装置1の要部を構成する位置規制機構部Msについて、図1図8を参照して説明する。

0029

なお、一方の位置規制機構部Msについて説明するが、他方の位置規制機構部Msは180〔゜〕離間した位置に配設する点を除いて同様に構成することができる。

0030

最初に、位置規制機構部Msの構成部品について説明する。位置規制機構部Msは、基本的な構成部品として、一枚の規制プレート12と一本の係合シャフト13を備える。また、規制プレート12を取付けるための二つの固定ネジ11,11を使用する。

0031

この場合、規制プレート12は、金属素材プラスチック素材等の剛性素材を使用し、所定の厚さを有するプレート材を切断することにより、図1に示すような略長方形に形成する。そして、規制プレート12の短辺方向一方側に、長辺方向に離間した二つの円形挿通孔21,22を形成するとともに、規制プレート12の短辺方向他方側であって、長辺方向中央位置に、規制孔12hを形成する。これにより、規制プレート12の短辺方向一方側は、固定筒2cに対して二つの固定ネジ11,11により固定できるとともに、規制プレート12における少なくとも短辺方向他方側は、光軸方向Fcに対する直角面12sとして形成される。

0032

この際、円形挿通孔21,22は、固定ネジ11のネジ本体部11nが挿通し、かつ図8に示すように、ある程度の遊びCpが生じる径を選定する。これにより、規制プレート12は、固定ネジ11…を緩めた際に直角面12sの面方向Fdへ所定範囲にわたって変位可能となる。これにより、固定位置を調整(設定)する際の追従範囲を余裕をもって確保できるため、規制プレート12の固定位置に対する円滑かつ確実な調整(設定)を行うことができる。さらに、規制プレート12は、二カ所の各位置を固定ネジ11,11により固定したため、規制プレート12に対する固定強度及び固定バランスを高めることができるとともに、これに加え、固定位置を調整(設定)する際の作業を的確かつ柔軟に行うことができる。

0033

また、直角面12sに形成した規制孔12hは、係合シャフト13が挿通する円孔により形成する。これにより、規制孔12hは係合シャフト13を光軸方向Fcへ自在にガイドするとともに、直角面12sの面方向には規制する。したがって、規制孔12hの径は、係合シャフト13の径に対応して選定、即ち、係合シャフト13を、光軸方向Fcに対しては円滑な変位を許容するとともに、直角面12sの面方向に対する遊びはできるだけ小さくなるように選定する。このような規制孔12hを設ければ、係合シャフト13を挿通させた際に、一つの規制孔12hにより直角面12sの面方向の全範囲を規制できるため、十分な規制機能を確保できるとともに、位置規制機構部Msが一組であっても実現可能になるなど、少ない組数での実施が可能となり、低コスト性を確保する観点から最も望ましい形態として実施できる。

0034

他方、係合シャフト13は、金属素材やプラスチック素材等の剛性素材を使用することにより一本の丸棒状に形成する。この場合、係合シャフト13は、図4に示すように、光軸方向Fcに軸心Fsを有し、かつ規制プレート12に係合して位置が規制されるシャフト本体部13mを備える。また、シャフト本体部13mの一端には取付ネジ部13cを一体形成するとともに、この取付ネジ部13cとシャフト本体部13m間には大径となる鍔部13fを一体形成する。

0035

次に、位置規制機構部Msの組付方法及び組付位置の調整(設定)方法について、図6図8を参照して説明する。

0036

まず、本実施形態に係るレンズ装置1は、二組の位置規制機構部Ms…を使用し、図1に示すように、レンズ鏡筒2の径方向における180〔゜〕離間した位置にそれぞれ配設する。このように、位置規制機構部Msを、離間した位置に少なくとも二組(Ms…)以上配設するようにすれば、組数に従ってフォーカス調整等の調整精度をより高めることができる。したがって、各種レンズ装置1の要求に応じた調整精度の最適化を容易に行うことができる。

0037

以下、組付方法及び組付位置の調整(設定)方法について、図6に示すフローチャートを参照して説明する。

0038

なお、一方の位置規制機構部Msについて説明するが、他方の位置規制機構部Msも同様に組付及び調整(設定)を行うことができる。まず、前段組立工程では、レンズユニット4を含む固定筒2c側における必要な組立を行い、図7に示す中間アセンブリ1mを得る(ステップS1)。なお、このステップS1で得られる中間アセンブリは、図7に示す中間アセンブリ1mから、規制プレート12,固定ネジ11,11及び係合シャフト13を除いた状態となる。

0039

そして、レンズユニット4におけるフォーカスレンズ枠5に対して係合シャフト13の取付けを行う(ステップS2)。この場合、図5に示すように、レンズユニット4のフォーカスレンズ枠5における段差面部、即ち、光軸方向Fcに対して直角となる段差面部5sには、係合シャフト13の取付ネジ部13cが螺合可能なネジ孔25を形成するとともに、このネジ孔25に取付ネジ部13cを螺着する。即ち、レンズ枠5に係合シャフト13を固定する。これにより、係合シャフト13は、光軸方向Fcに軸心Fsを有し、かつ後方に突出する。段差面部5sは、既存のフォーカスレンズ枠5における段差面をそのまま利用してもよいし、適当な段差面が存在しない場合には別途形成してもよい。なお、フォーカスレンズ枠5は、レンズL1…を直接保持するレンズ枠体5mのみならず、このレンズ枠体5mに対して一体に取付けられている部材を全て含む概念である。

0040

一方、係合シャフト13の取付けが終了したなら、固定筒2cにおける内筒部2ciの後端部に、規制プレート12を固定ネジ11,11により取付ける。この場合、図2に示すように、内筒部2ciの後端部には、光軸方向Fcに凹んだ取付凹部2ccを切欠状に形成するとともに、この取付凹部2ccに固定ネジ11…が螺合可能な一対の離間したネジ孔を形成する。そして、組付時には、まず、規制プレート12の規制孔12hに、シャフト本体部13m(係合シャフト13)を挿通させる(ステップS3)。次いで、固定ネジ11…を規制プレート12の円形挿通孔21,22に通し、内筒部2ciに設けた取付凹部2ccの各ネジ孔に螺着することにより、規制プレート12を固定筒2cに対して取付ける(ステップS4)。この際、完全に固定することなく、僅かな外力で規制プレート12が面方向Fdへ変位できるように仮固定状態に保持する(ステップS5)。

0041

この後、フォーカスリング3fを全操作範囲にわたって回動操作する(ステップS6)。これにより、係合シャフト13(シャフト本体部13m)を、図8に示すように、実線で示す前端位置と仮想線で示す後端位置間のストローク範囲にわたって変位させることができる。したがって、シャフト本体部13mを適当な回数だけ当該ストローク範囲を往復変位させれば、この変位に対応して規制プレート12がいわば自動により最適位置に調整(設定)される。

0042

このような原理に基づくため、フォーカスリング3fを回動操作し、スムースに操作できることを確認しながら、固定ネジ11,11を図8中、矢印Fr方向に締付け又は必要により緩めることにより、徐々に固定ネジ11,11の締付けを行う(ステップS6,S7,S8,S9,S5…)。そして、最終的に固定ネジ11,11を完全に締付ける。これにより、規制プレート12を固定筒2cに固定することができる。この状態が図7に示す中間アセンブリ1mとなる。規制プレート12の取付けが終了したなら後前段組立工程を行う(ステップS10,S11)。後前段組立工程では、後部ブロック2cr及び後レンズユニット42等の残りの組立を行う。これにより、図3に示す目的のレンズ装置1を得ることができる。

0043

よって、このような本実施形態に係るレンズ装置1によれば、固定筒2c又はレンズ枠5の一方に固定ネジ11…により固定可能であって、かつ光軸方向Fcに対する直角面12sを有する規制プレート12と、固定筒2c又はレンズ枠5の他方に固定し、かつ光軸方向Fcに軸心Fsを有するとともに、規制プレート12に係合して位置が規制される係合シャフト13とを有する位置規制機構部Msを設けたため、ヘリコイド結合部6に対する位置規制機構部Msからの直接的な作用は生じない。したがって、操作リング3の良好な操作性を確保できるとともに、同時に、ヘリコイド結合部6に対する有効なガタ防止を図ることができる。これにより、フォーカス調整等に高い調整精度が要求される場合であっても、その要求に十分に応えることができる。特に、例示した実施形態の場合、位置規制機構部Msを設けなければ、平均0.005〔mm〕程度の誤差が発生してしまうが、二カ所の位置規制機構部Ms,Msを設けることにより、最大0.002〔mm〕以下の誤差まで低減できた。

0044

また、量産可能な小型簡易部品をレンズ鏡筒2内の空スペースに対して追加的に組付ければ実現できるとともに、空スペースが無い場合であっても僅かな追加加工等により実現できる。したがって、容易かつ低コストに実施できるとともに、既存製品にも容易に適用できるなど汎用性にも優れる。加えて、単純な係合構造により実現できるため、長期使用における耐久性、更には信頼性及び安定性にも優れる。しかも、操作リング3として、フォーカスリング3fを適用したため、フォーカス調整の精度を飛躍的に高めることができ、特に高い精度が要求される高性能レンズ装置や高級レンズ装置の要請にも十分に応えることができる。

0045

以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。

0046

例えば、規制プレート12を固定筒2cに取付け、かつ係合シャフト13をレンズ枠5に取付ける形態を例示したが、規制プレート12をレンズ枠5に取付け、かつ係合シャフト13を固定筒2cに取付ける形態であってもよい。また、操作リング3としてフォーカスリング3fを適用した場合を例示したが、ズームリング等の他の操作リング3であってもよい。一方、規制プレート12は二カ所の各位置を固定ネジ11,11により固定した場合を例示したが、一カ所を排除するものではないし、三カ所以上であってもよい。また、位置規制機構部Msは、180〔゜〕離間した位置に二組の位置規制機構部Ms,Msをそれぞれ配設した場合を例示したが、一組であってもよいし、三組以上であってもよい。さらに、位置規制機構部Msを構成するに際し、規制プレート12の直角面12sに規制孔12hを形成した場合を示したが、位置規制機構部Ms…を二組以上配設する場合には、U字形切欠部を係合させるなど、他の形態による実施も可能である。

0047

本発明に係るレンズ装置1は、交換レンズをはじめカメラ一体型のレンズにも利用できるとともに、標準レンズをはじめズームレンズマクロレンズ等の各種タイプのレンズに利用できる。また、使用の対象となるカメラも、フィルムカメラデジタルカメラビデオカメラ等の各種タイプのカメラに利用することができる。

0048

1:レンズ装置,2:レンズ鏡筒,2c:固定筒,3:操作リング,3f:フォーカスリング,4:レンズユニット,5:レンズ枠,6:ヘリコイド結合部,11…:固定ネジ,12:規制プレート,12s:直角面,12h:規制孔,13:係合シャフト,L1…:レンズ,Fc:光軸方向,Fs:軸心,Fd:面方向,Mc:レンズ操作機構,Ms:位置規制機構部

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