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技術 画像レーダ装置

出願人 三菱電機株式会社
発明者 土田正芳原照幸
出願日 2014年5月14日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2014-100139
公開日 2015年12月7日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2015-219016
状態 特許登録済
技術分野 レーダ方式及びその細部
主要キーワード レンジ周波数 パルスレ 観測中 チャープ変調 コンピュータプログラムモジュール ハードウェア特性 時間履歴 反射強度分布
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

従来の画像レーダ装置では、観測データを画像化するための画像再生アルゴリズムは、チャープレートが一定のチャープ信号パルス信号として用いることを前提としている。そのため、途中でチャープレートが変化する観測データをそのまま画像化することができないという問題があった。

解決手段

異なる時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波を観測データとし、その観測データを単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波と等価な波形に変換する。この変換によって生成された波形に対して画像再生アルゴリズムを適用することにより、PRF及びチャープレートが変化する境界付近の観測データを用いて円滑に画像再生処理を行うことができる。

概要

背景

画像レーダ装置では、パルス信号を送信し、観測対象反射または散乱されたパルス信号の一部をエコー信号として受信し、受信信号からレンジプロフィールを得る一連の処理を、観測対象とレーダの間の相対位置関係を変えながら繰り返す。このように得られたレンジプロフィールの時間履歴を相対位置関係を考慮して合成することで、観測対象上の電波反射強度分布を画像として得る。

レンジプロフィールの時間履歴は一般的に2次元分布として与えられる。その一軸は、パルス信号を送信してからの経過時間[s](以下ではファストタイムと呼ぶ)、または、それに電波の速度の1/2を乗じたレンジ[m]であり、この軸に対してレンジプロフィールが生成される。もう一軸は、相対位置関係を変えながら行う観測時刻(以下ではスロウタイムと呼ぶ)である。レーダ画像を得る代表的なレーダとしては、合成開口レーダが挙げられる。また、パルス信号を繰り返し送出する周波数パルス繰り返し周波数PRF:Pulse Repetition Frequency)と呼ばれる。

衛星搭載の合成開口レーダは、地球上の観測位置によって衛星高度が変化するため、長時間にわたる観測を行う場合は、観測途中でPRFの設定を変化させる必要が生じる。観測の途中でPRFが変化すると、パルス信号の受信間隔は一定とならない。その結果、パルス信号の受信間隔が一定であることを前提とする観測データ画像再生処理が機能せず、分解能劣化サイドローブ上昇などにより画質の劣化が生じる。そこで、従来の画像レーダ装置は画像再生処理の構成要素であるアジマス信号処理を施す前に、アジマス方向に観測データをリサンプリングして、観測データが等間隔となる処理を行っていた(例えば、特許文献1)。

概要

従来の画像レーダ装置では、観測データを画像化するための画像再生アルゴリズムは、チャープレートが一定のチャープ信号をパルス信号として用いることを前提としている。そのため、途中でチャープレートが変化する観測データをそのまま画像化することができないという問題があった。異なる時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波を観測データとし、その観測データを単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波と等価な波形に変換する。この変換によって生成された波形に対して画像再生アルゴリズムを適用することにより、PRF及びチャープレートが変化する境界付近の観測データを用いて円滑に画像再生処理を行うことができる。

目的

この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、観測の途中でPRFまたはパルス幅が変更した場合にも、その変更が生じる境界付近の画像化を円滑に行える画像レーダ装置を与えることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

異なるPRFで送信される第1の複数の信号の観測対象からの反射波を示すデータを格納するデータ格納部と、前記データ格納部に格納された反射波を示すデータを、単一のPRFで送信される第2の複数の信号の前記観測対象からの反射波を示すデータと等価なデータに変換するデータ変換部と、を備えたことを特徴とする画像レーダ装置

請求項2

前記第1の複数の信号はチャープ信号であることを特徴とする請求項1に記載の画像レーダ装置。

請求項3

前記第1の複数の信号は異なる時間幅を有することを特徴とする請求項1に記載の画像レーダ装置。

請求項4

前記第1の複数の信号は異なるチャープレートを有するチャープ信号を含み、前記第2の複数の信号は単一のチャープレートを有するチャープ信号であることを特徴とする請求項1に記載の画像レーダ装置。

請求項5

前記データ変換部は、前記第1の複数の信号を格納するレプリカ格納部と、前記データ格納部に格納された反射波を示すデータ及び前記レプリカ部に格納された信号との間でマッチドフィルタ処理を行い取得されるパルス圧縮された信号を複数出力するマッチドフィルタリング部と、前記マッチドフィルタリング部から出力された前記複数のパルス圧縮された信号の時間幅をそろえる等価化処理部と、前記単一のPRFで送信される信号の波形を示すデータを用いて復調処理を行う復調処理部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像レーダ装置。

請求項6

前記マッチドフィルタリング部におけるマッチドフィルタ処理、及び前記復調処理部における復調処理は、周波数領域での処理として行われることを特徴とする請求項5に記載の画像レーダ装置。

請求項7

前記マッチドフィルタリング部におけるマッチドフィルタ処理、及び前記復調処理部における復調処理は、時間領域での処理として行われることを特徴とする請求項5に記載の画像レーダ装置。

技術分野

0001

この発明は電波などを用いて観測対象を画像化する画像レーダ装置に関するものである。

背景技術

0002

画像レーダ装置では、パルス信号を送信し、観測対象で反射または散乱されたパルス信号の一部をエコー信号として受信し、受信信号からレンジプロフィールを得る一連の処理を、観測対象とレーダの間の相対位置関係を変えながら繰り返す。このように得られたレンジプロフィールの時間履歴を相対位置関係を考慮して合成することで、観測対象上の電波の反射強度分布を画像として得る。

0003

レンジプロフィールの時間履歴は一般的に2次元分布として与えられる。その一軸は、パルス信号を送信してからの経過時間[s](以下ではファストタイムと呼ぶ)、または、それに電波の速度の1/2を乗じたレンジ[m]であり、この軸に対してレンジプロフィールが生成される。もう一軸は、相対位置関係を変えながら行う観測時刻(以下ではスロウタイムと呼ぶ)である。レーダ画像を得る代表的なレーダとしては、合成開口レーダが挙げられる。また、パルス信号を繰り返し送出する周波数パルス繰り返し周波数PRF:Pulse Repetition Frequency)と呼ばれる。

0004

衛星搭載の合成開口レーダは、地球上の観測位置によって衛星高度が変化するため、長時間にわたる観測を行う場合は、観測途中でPRFの設定を変化させる必要が生じる。観測の途中でPRFが変化すると、パルス信号の受信間隔は一定とならない。その結果、パルス信号の受信間隔が一定であることを前提とする観測データ画像再生処理が機能せず、分解能劣化サイドローブ上昇などにより画質の劣化が生じる。そこで、従来の画像レーダ装置は画像再生処理の構成要素であるアジマス信号処理を施す前に、アジマス方向に観測データをリサンプリングして、観測データが等間隔となる処理を行っていた(例えば、特許文献1)。

先行技術

0005

特許第5411506号公報

発明が解決しようとする課題

0006

従来の画像レーダ装置、またはその代表的な画像レーダ装置である合成開口レーダでは、観測データを画像化するための画像再生アルゴリズムは、パルス信号としてチャープレートが一定のチャープ信号を用いることを前提としている。ここで、チャープレートはチャープ信号の単位時間当たりの送信周波数の変化を表す。そのため、途中でチャープレートが変化する観測データをそのまま画像化することができない。そこで、従来の画像レーダ装置は、チャープレートが変化する位置を境界として、その境界の前後で別々に観測データを画像再生していた。この場合、チャープレートが変化する境界付近の画像化ができないという問題があった。

0007

また、画像レーダ装置もしくは合成開口レーダにおいて、尖頭送信電力一定、平均送信電力一定、およびパルス幅×PRFで与えられる送信デューティ一定の条件を維持して効率的な運用を行うためには、PRFが変化した場合にパルス信号のパルス幅を変化する必要がある。パルス信号としてチャープ信号を用いる場合、パルス幅を変化させるためには、チャープレートを変化させる必要があるが、従来の画像レーダ装置もしくは合成開口レーダでは一定のチャープレートを前提とするため、パルス幅の変化に対応できない問題があった。

0008

この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、観測の途中でPRFまたはパルス幅が変更した場合にも、その変更が生じる境界付近の画像化を円滑に行える画像レーダ装置を与えることを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係る画像レーダ装置は、異なるPRFで送信される第1の複数の信号の観測対象からの反射波を示すデータを格納するデータ格納部と、前記データ格納部に格納された反射波を示すデータを、単一のPRFで送信される第2の複数の信号の前記観測対象からの反射波を示すデータと等価なデータに変換するデータ変換部と、を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明に係る画像レーダ装置によれば、観測の途中でPRFが変更した場合にも、その変更が生じる境界付近の画像化を円滑に行える画像レーダ装置を与えることができる。

図面の簡単な説明

0011

この発明の実施の形態1の画像レーダ装置1を示すブロック構成図。
この発明の実施の形態1の画像レーダ装置1の動作を示すフローチャート
この発明の実施の形態1の画像レーダ装置1の処理時における観測データ。
この発明の実施の形態2の画像レーダ装置1を示すブロック構成図。
この発明の実施の形態2の画像レーダ装置1の動作を示すフローチャート。

実施例

0012

実施の形態1.

0013

本実施の形態では、異なる時間間隔で送信されるパルス信号の観測対象からの反射波を単一の時間間隔で送信されるパルス信号の反射波と等価な波形に変換する画像レーダ装置の構成を開示する。

0014

図1はこの発明の実施の形態1の画像レーダ装置1を示すブロック構成図である。なお、各図において、同一符号は同一または相当部分を示す。図1において、画像レーダ装置1は合成開口レーダで観測された観測データを格納するデータ格納部である観測データ格納部2とその観測データを変換するデータ変換部3を備えている。観測データ格納部2は異なる時間間隔で送信されるパルス信号の観測対象からの反射波を観測データとして格納する。データ変換部3は、観測データ格納部2に格納された観測データを、単一の時間間隔で送信されるパルス信号の観測対象からの反射波と等価な波形に変換する。

0015

データ変換部3は観測データ格納部2に格納された観測データをパルス圧縮された信号に変換して出力するマッチドフィルタリング部4、マッチドフィルタリング部4から出力されたパルス圧縮された信号の時間長を調整する等価化処理部5、等価化処理部5の出力である時間長が調整されたパルス圧縮された信号から単一の時間間隔で送信されるパルス信号を想定した反射波の波形を生成する復調処理部6、変換後データ格納部9を備える。

0016

パルスレプリカ格納部7は、画像レーダ装置1から送信されたパルス信号のレプリカを格納する。ここで、パルスレプリカは、パルス信号の送信毎、または、PRFの変更毎に、送信されるパルス信号のパルス波形を格納する。復調用参照信号発生部8は、最終的な出力として得るPRF一定、すなわち単一の時間間隔で送信されるパルス信号の観測に相当するデータが想定する理想的なパルス信号を発生する。

0017

次に、マッチドフィルタリング部4内の構成について説明する。マッチドフィルタリング部4では、観測データ格納部2に格納された観測データをパルス圧縮された信号に変換する処理が行われる。本実施の形態では、この処理を周波数領域で行う構成を示している。フーリエ変換A部10は、観測データ格納部2に格納されている観測データのファストタイム方向のフーリエ変換を行う。電力規格化部20は、パルスレプリカ格納部7に格納されているパルス信号のレプリカの電力を規格化する。フーリエ変換B部30は、電力規格化部20で電力が規格化されたパルスレプリカのファストタイム方向のフーリエ変換を行う。マッチドフィルタ処理部50は、フーリエ変換A部10の出力と、フーリエ変換B部30の出力から、マッチドフィルタ処理を行う。逆フーリエ変換部60は、マッチドフィルタ処理部50の出力をファストタイム方向で逆フーリエ変換する。すなわち、マッチドフィルタリング部4では、フーリエ変換A部10及びフーリエ変換B部30でそれぞれ入力信号が周波数領域に変換され、マッチドフィルタ処理部50でマッチドフィルタ処理が行われた後に、逆フーリエ変換部60が行われる。その結果、パルス圧縮された信号が出力される。

0018

等価化処理部5の構成について説明する。等価化処理部5内の受信時間等価化処理部70は、逆フーリエ変換A部60の出力に対し、受信時間を一定にする処理を行う。

0019

復調処理部6の構成について説明する。復調処理部6内のフーリエ変換D部80は、受信時間等価化処理部70の出力をファストタイム方向で逆フーリエ変換する。フーリエ変換C部40は、復調用参照信号発生部8の出力のファストタイム方向のフーリエ変換を行う。チャープ復調処理部90は、フーリエ変換D部80の出力と、フーリエ変換C部40の出力を用いて、チャープの復調を行う。逆フーリエ変換B部100は、チャープ復調処理部90の出力をファストタイム方向で逆フーリエ変換する。アジマス方向リサンプリング部110は、逆フーリエ変換部B部100の出力に対し、アジマス方向のリサンプリングを適用する。

0020

変換後データ格納部9は、アジマス方向リサンプリング部110の出力を格納する。

0021

なお、この説明および以降の説明において、部または部位という語は、専用の電子回路または素子を意味しているが、汎用的な中央演算装置(CPU:Central Processing Unit)を搭載したコンピュータに所定の処理を実行させるコンピュータプログラムモジュールの形で構成するようにしても良い。

0022

次に、動作について図2を用いて説明する。

0023

まず、マッチドフィルタリング部4内では、観測データ格納部2に格納された観測データとパルスレプリカ格納部7に格納されているパルス信号とのマッチドフィルタ処理が周波数領域で行われ、観測データ格納部2に格納された観測データに対応するパルス圧縮された信号が出力される。以下で、具体的な動作について述べる。

0024

まず、観測データ格納部2に格納された観測データを、フーリエ変換A部10が読み込む(ステップST010)。

0025

この観測データの特徴を図3(a)に示す模式図で説明する。図3(a)では、観測域内に位置する5つの点散乱体からのエコー信号を受信することを想定している。図3(a)では、観測の途中でPRFが変更されるのに伴い、送信されるパルスのスロウタイム方向の時間間隔である1/PRFが変化するとともに、送信されるパルスの幅が変化している。また、送信パルスの形状が、送信機ハードウェア特性により理想的な矩形にはならず歪みを持っている。このパルス幅の変更に伴い、観測域の観測幅と送信するパルス幅に応じた受信時間に変更される。

0026

まず、フーリエ変換A部10が、観測データをファストタイム方向にフーリエ変換する(ステップST015)。次に、電力規格化部20が、パルスレプリカ格納部7より、パルス信号のパルスレプリカを読み込み(ステップST020)、電力規格化部20が読み込んだパルスレプリカの電力が1となるように規格化する(ステップST025)。この規格化は、格納されたパルスレプリカ信号の電力を算出し、パルスレプリカを同電力で除算することで成される。さらに、フーリエ変換B部30が電力規格化部20の出力をファストタイム方向にフーリエ変換する(ステップST030)。

0027

マッチドフィルタ処理部50はフーリエ変換A部10の出力と、フーリエ変換B部30の出力を用いてマッチドフィルタ処理を行う(ステップST050)。このマッチドフィルタ処理は、式(1)で与えられる。

0028

ここで、fはレンジ周波数

はマッチドフィルタ処理の出力、Srec(f)は観測データをファストタイム方向にフーリエ変換した信号を示し、Srep(f)は電力で規格化したパルスレプリカをファストタイム方向にフーリエ変換した信号を表す。

0029

パルスレプリカのスペクトルで除算した結果、観測データ内の各エコー信号がもつ振幅の歪みが補正される。ここで、補正される歪みはパルス信号のパルスレプリカがもつ歪みであり、この補正によって、チャープ変調による2次位相変化が取り除かれる。なお、パルスレプリカは、観測中のPRFの変更に対処するため、観測データ内の各エコー信号と同じパルス幅およびチャープレートをもつパルス信号を用いる。その結果、PRFの変更が生じた場合にも、観測データ内の各エコー信号と同じチャープレートのパルス信号を用いて、チャープ変調による2次位相変化が取り除くことができる。また、規格化したパルスレプリカによる除算なので、マッチドフィルタ処理の出力における観測データの電力はマッチドフィルタ処理前と等価となる。

0030

なお、ここではマッチドフィルタ処理を式(1)で示したがこれに限るものではなく、同様の式であれば構わない。例えば、送信するパルスの形状における歪みが問題とならないのであれば、レプリカの複素共役をマッチドフィルタとする一般的なマッチドフィルタ処理でもよい。

0031

逆フーリエ変換A部60はマッチドフィルタ処理部50の出力をファストタイム方向で逆フーリエ変換する(ステップST060)。

0032

図3(b)でこの処理を説明する。逆フーリエ変換A部60の出力は、パルス圧縮された信号となっている。そして、PRFの変更を境として、前述の図3(a)で説明したように受信時間が異なっている。

0033

そこで、ステップST070の処理において、PRFの変更に関わらず受信時間を所定の固定長に揃える。すなわち、マッチドフィルタリング部4内の受信時間等価化処理部70は、PRFの変更に伴い受信時間が変化する。このPRFの変更によって変化する受信時間を固定長に揃える(ステップST070)。受信時間を固定長に揃える方法としては、例えば、PRFが小さい場合の受信時間の時間長の長い部分を削除することで、PRFが大きい場合の受信時間の時間長にそろえても構わない。また、PRFが大きい場合の受信時間の時間長がそれより長い固定長となるよう不足する受信時間を加えることで、受信時間をそろえても構わない。なお、パルス圧縮はパルスの積分処理に相当するため、PRFの変更を境として、パルス圧縮後の振幅が異なる。

0034

復調処理部6内では、受信時間が揃えられたパルス圧縮後の信号に対して、チャープ信号の復調処理を行う。この処理はステップST080からステップST120で行われる。具体的には、フーリエ変換D部80が、受信時間等価化処理部70の出力をファストタイム方向にフーリエ変換する(ステップST080)。次に、復調用参照信号発生部8が、チャープ復調用参照信号を発生する(ステップST090)。このチャープ復調用の参照信号は、式(2)で与えられる。なお、この参照信号は電力が1となるように規格化したものを用いる。

0035

ここで、Tuniは所定のパルス幅、tはファストタイム、Kuniは所定のチャープレートである。

0036

フーリエ変換C部40は、復調用の参照信号をファスト方向にフーリエ変換する(ステップST100)。ここでは復調用の参照信号を時間領域で生成し、それをフーリエ変換することでレンジ周波数領域の復調用の参照信号を得たが、これに限るものではない。例えば、復調用参照信号発生部8およびフーリエ変換C部40の代わりに、レンジ周波数領域で復調用の参照信号を発生する部位を設けても良い。

0037

チャープ復調処理部60はフーリエ変換D部80の出力に、フーリエ変換C部40の出力を乗じて、チャープの復調処理を行う(ステップST110)。このチャープの復調処理は、式(3)で与えられる。

0038

ここで、

はこの復調処理の出力であり、

はフーリエ変換D部80の出力、

はフーリエ変換C部40の出力である。

0039

逆フーリエ変換B部100は、チャープ復調処理部60の出力をファストタイム方向で逆フーリエ変換する(ステップST120)。この逆フーリエ変換後の信号は、図3(c)に示すように、パルス幅が揃った信号となる。ただし、振幅はPRF変更を境に異なる値をもつ。

0040

図3(c)ではパルス幅が揃った信号となるが、アジマス方向のパルスの時間間隔および電力は一定ではない。そこで、アジマス方向のパルスの時間間隔および電力を一定とするため、アジマス方向リサンプリング部110が、逆フーリエ変換B部100の出力をアジマス方向にリサンプリングする(ステップST130)。このリサンプリングは、アジマス方向の電力を変化させないように行う。この結果、図3(d)に示すように、スロウタイム方向、すなわちアジマス方向のパルスの時間間隔および振幅が揃い、固定のPRFでの観測により得られる観測データに相当する変換後の観測データを得る。

0041

すなわち、変換後データ格納部9での変換処理により、単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波と等価な波形に観測データを変換することができる。そして、変換後データ格納部9に、変換後の観測データを出力する。

0042

以上のように、尖頭送信電力一定で平均送信電力を一定にした合成レーダの観測におけるPRFの変更に伴うパルス幅の変更を考慮してパルス幅及びチャープレートを揃えるようにしているので、固定PRFでチャープレートが一定の観測データと等価な観測データを得ることができる。

0043

従来の画像レーダ装置では、チャープレートが変化する境界も含めて画像化しようとする場合、チャープレートの変化を境界として、その前後で別々にパルスの受信間隔をリサンプリングで等間隔化し、パルス圧縮してレンジ方向のチャープを取り除いてから、後段の処理を行うことで画像再生していた。あるいは、先にパルス圧縮してレンジ方向のチャープを取り除いた後に、リサンプリングによりパルスの受信間隔を等間隔化してから、後段の処理を行うことで画像再生していた。このような画像化を行う場合、使用できる画像再生アルゴリズムが、最初にパルス圧縮をしてチャープを取除いてから他の処理をするアルゴリズムに限定され、チャープスケーリングアルゴリズムなどのレンジ方向のチャープを利用して高速な画像再生を行うアルゴリズムを使用できないという問題点があった。また、PRFの変更に伴う、1パルス当り電力変化を考慮せずにリサンプリングを行っているので、アジマス信号処理後の信号におけるPRF変更付近で電力の変調が生じ、再生後の画像に不自然輝度むらが発生するという問題点があった。

0044

これに対して、本実施の形態の画像レーダ装置では、チャープレートに変化がある境界付近で観測データを分割して画像再生を行うことなく、境界付近も含めた全体を任意の画像再生アルゴリズムで画像化ができる。

0045

また、観測データのチャープレートを揃えるので、レンジ方向のチャープを利用した高速な画像再生アルゴリズムを利用でき、高速な画像化ができる。

0046

また、マッチドフィルタ処理を、電力で規格化したパルスレプリカの除算により行い、ハードウェアの特性に起因するパルスの振幅変調を補正しているので、パルスの振幅変調に伴い発生するサイドローブの非対称性など、画像上で発生する再生処理後画質劣化を解消することができる。

0047

このように、実施の形態1に係る画像レーダ装置は、異なる時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波を格納するデータ格納部である観測データ格納部2と、観測データ格納部2に格納された反射波である観測データを、単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号の前記観測対象からの反射波と等価な波形に変換するデータ変換部と、を備えたことを特徴とする。

0048

この構成を用いることにより、観測の途中でPRFまたはパルス幅が変更された場合にも、その変更が生じる境界付近の画像化を円滑に行える画像レーダ装置を与えることができる。

0049

また、異なる時間間隔で送信される複数の信号はチャープ信号であることを特徴とする。チャープ信号を用いることにより、パルス圧縮処理を円滑に行うことができる。

0050

また、異なる時間間隔で送信される複数のパルス信号は異なる時間幅を有することを特徴とする。このような場合にも、この実施の形態1に係る画像レーダ装置では、時間幅の異なる複数のパルス信号に対応したパルス波形をパルスレプリカ部4に格納しており、異なる時間幅を有する複数のパルス信号に対しても、単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波と等価な波形に変換することができる。

0051

また、この実施の形態1に係る画像レーダ装置は、異なる時間間隔で送信される複数の信号は異なるチャープレートを有するチャープ信号を含み、単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号は単一のチャープレートを有するチャープ信号であることを特徴とする。このように異なるチャープレートを有するチャープ信号を用いることで、同一の伝送帯域において異なる時間幅を有するチャープ信号を用いることができる。また、異なる時間幅を有するチャープ信号のパルス波形を単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号の観測対象からの反射波と等価な波形に変換することができ、チャープレートを変更する境界付近で円滑に画像再生することができる。

0052

マッチドフィルタリング部4におけるマッチドフィルタ処理、及び復調処理部6における復調処理は、周波数領域での処理として行われることを特徴とする。周波数領域で処理を行うことによって、周波数ごとの積演算によってフィルタ処理を変えることができ、演算を効率的に行える。

0053

また、この実施の形態1に係る画像レーダ装置は、マッチドフィルタ処理やチャープの復調処理で規格化した参照信号を用い、元の観測データの電力を変化させないようにしている。従って、PRF変更付近で電力の変調を生じず、画像再生後の画像に不自然な輝度むらを発生させない利点がある。

0054

実施の形態2.

0055

実施の形態1では、マッチドフィルタ処理およびチャープ復調処理を周波数領域で行ったのに対し、実施の形態2ではそれらの処理を時間領域で行う形態を示す。

0056

図4は、この実施の形態2を示すブロック構成図である。実施の形態1と同一の部位は、同一の番号を付して説明を省略する。

0057

図4において、時間領域マッチドフィルタ処理部51は、時間領域でマッチドフィルタ処理を行う。時間領域チャープ復調処理部91は、時間領域でチャープ信号の復調を行う。

0058

次に、実施の形態2の動作を図5で説明する。実施の形態1と同じ動作については、同一の番号を付して説明を省略する。

0059

ステップST011において、時間領域マッチドフィルタ処理部51が、観測データ格納部2より観測データを読み込む。

0060

ステップST051において、時間領域マッチドフィルタ処理部51が、観測データ格納部2より読み込んだ観測データと、電力規格化部20の出力から時間領域のマッチドフィルタ処理を行う。このマッチドフィルタ処理は、式(4)で与えられる。

0061

0062

ここで、tはファストタイム、uはファストタイム領域の変数

は時間領域マッチドフィルタの出力、srec(t)は観測データ、h(t)はマッチドフィルタである。マッチドフィルタは、式(5)で与えられる。

0063

ここで、srep(t)はパルスレプリカの信号である。

0064

ステップST111では、時間領域チャープ信号処理部91が、受信時間等価化処理部70の出力と、復調用参照信号発生部8の出力を用いてチャープの復調処理を行う。このチャープ信号の復調処理は、式(6)で与えられる。

0065

0066

以上のように、実施の形態2では、マッチドフィルタリング部4におけるマッチドフィルタ処理、及び復調処理部6における復調処理は、時間領域での処理として行われる。言い換えれば、フーリエ変換を行わずに時間領域でマッチドフィルタ処理とチャープ復調処理を行っている。その結果、フーリエ変換のための部位を必要とせずに、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。

0067

実施の形態1、2において、パルス信号と呼ばれる信号はパルス信号以外の任意の変調信号であっても構わない。従って、「パルス信号」は単に信号と呼んでも構わない。また、「異なる時間間隔で送信される複数のパルス信号」は「異なる時間間隔で送信される第1の複数の信号」と呼んでも構わない。「単一の時間間隔で送信される複数のパルス信号」は「単一の時間間隔で送信される第2の複数の信号」と呼んでも構わない。また、「反射波」は「反射波を示すデータ」と呼んでも構わない。

0068

1:画像レーダ装置、2:観測データ格納部、3:データ変換部、4:マッチドフィルタリング部、5:等価化処理部、6:復調処理部、7:パルスレプリカ格納部、8:復調用参照信号発生部、9:変換後データ格納部、10:フーリエ変換A部、20:電力規格化部、30:フーリエ変換B部、40:フーリエ変換C部、50:マッチドフィルタ処理部、51:時間領域マッチドフィルタ処理部、60:逆フーリエ変換部、70:受信時間等価化処理部、80:フーリエ変換D部、90:チャープ復調処理部、91:時間領域チャープ復調処理部、100:逆フーリエ変換部B部、110:アジマス方向リサンプリング部

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