図面 (/)

技術 成膜用マスクホルダユニット

出願人 株式会社システム技研トヨタ自動車株式会社
発明者 大坂卓也長峯清隆今井敦志野原二郎
出願日 2014年5月21日 (4年6ヶ月経過) 出願番号 2014-105201
公開日 2015年12月7日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2015-218388
状態 特許登録済
技術分野 物理蒸着 ウエハ等の容器、移送、固着、位置決め等
主要キーワード 特性要因 下層プレート 外周輪郭 上下プレート マスク成膜法 放熱ルート 熱伝導量 製膜作業
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年12月7日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

成膜時にマスクに発生した熱をホルダ本体側へ放熱させる伝熱経路成膜対象物面積を超えた範囲に拡大することにより、成膜対象物の膜が過熱状態となって膜の内部応力が過大となることを効果的に防止する。

解決手段

少なくとも一部に永久磁石130を備え、且つ成膜対象物10を配置するホルダ本体110と、成膜対象物を間に挟んでホルダ本体上に配置されることにより永久磁石により吸引保持されるマスク20と、を備え、マスクの外周縁部の少なくとも一部は、成膜対象物の対応する外周縁部から庇状に突出した部23となっており、ホルダ本体には庇部との間に空所Sを形成する張出し部111が形成されており、空所内に庇部からの熱をホルダ本体に伝導する熱伝導部材140を配置した。

概要

背景

パワーデバイスをはじめとする半導体素子水晶振動子等の各種デバイスの製造工程には薄膜による電極形成プロセスがあり、この電極形成プロセスとしては、フォトリソグラフィ法と、マスク成膜法とがある。フォトリソグラフィ法は、蒸着スパッタリング等により半導体基板等の基板の全面に薄膜を成膜し、その後フォトレジストにより所望のパターン開口を形成し、不要部分をエッチング処理で除去するものである。またマスク成膜法は、多数の磁石具備した成膜処理マスクホルダ上に、基板と所定の開口が形成された磁性材料から成るマスクとを順次重ねて配置し、マスクを基板の表面に磁力吸着つつ、この状態でスパッタリング等の成膜処理を行い、成膜が終了した後、マスクを離脱することでパターンを形成するものである。
マスク成膜法は簡便でありプロセスコストが安いという利点があるが、マスクが基板から離間して密着性が低下し易い。このようにマスクが基板から浮いた状態でスパッタリング等による成膜を行うと、形成されたパターンに欠陥が発生し易くなり、このマスクの浮きという問題が解決されない限り微細パターン形成には適さない。このため、微細なパターンを形成するため、マスクが基板から浮かないよう、マスクを成膜処理用マスクホルダに強力な磁力で吸着する必要がある。

本出願人により提案された未公知の特許文献1(特願2013−147753)には、一面に磁力により吸引されるマスクを配置した基板の他面を一面で支持する第1プレートと、第1プレートの他面側に配置され、外面に係止部材を取り付けた磁石を夫々収容する複数の穴部を備えた第2プレートと、を備え、磁石の磁力により第1プレートを吸引することにより第2プレート上にマスクを保持するようにした成膜処理用マスクホルダが提案されている。

ところで、スパッタリング等を用いたマスク成膜法では、例えば100℃程度の低温での成膜が理想的であるが、プラズマ内自由電子は基板の成膜面に流入してジュール熱となって成膜面の温度を例えば200℃程度まで上昇させる要因となる。成膜温度が高いほど膜の内部応力が高くなるが、半導体素子を形成する上で膜の内部応力の増大は好ましくない特性要因となるため、成膜温度は極力下げることが理想である。

図6(a)乃至(d)は未公知のマスクホルダユニットの平面図、正面図、分解斜視図、及び(a)のA−A断面図である。
このマスクホルダユニット100は、一面101aに半導体ウェハ等の成膜対象物110を配置するホルダ本体101と、ホルダ本体内収納される複数の磁石115と、成膜対象物110を間に挟んでホルダ本体101上に配置される磁性体から成るマスク105と、を備えている。
ホルダ本体101は、磁石115を収容する複数の凹所102aを上面に有した下層プレート102と、凹所102a内から突出した磁石115の上部を収容する凹所104aを下面に有した上層プレート104と、を有する金属製である。
ホルダ本体101側に固定配置された磁石115の磁力によってマスク105を吸引することにより、マスク105を下層プレート102の上面に位置決め保持することができる。

従来のホルダ本体101はその一面101a上に成膜対象物110、及びマスク105を配置できるように、成膜対象物及びマスクよりも面積が大きく構成されている。一方、従来のマスク105は、成膜対象部110と同面積(外形状が同じ)か、若しくは成膜対象物よりも面積が狭くなるように構成されている。このため、スパッタリング工程中においてマスク面で発生した熱は成膜対象物110を経由しホルダ本体101に伝熱して行くこととなり、これ以外の伝熱経路は存在しない。
成膜工程では、ホルダ本体101を水冷式冷却装置上に搭載することにより、マスク105→成膜対象物110→ホルダ本体101→冷却装置といった伝熱ルートで放熱を行うことになる。
しかし、このように従来のマスクホルダユニット100を用いた成膜工程では、マスクの昇温に起因して成膜対象物の成膜面の温度が過大に上昇したとしても、放熱のための伝熱経路が成膜対象物の面積の範囲内に極限されていたため、成膜温度を充分に低下させることが難しかった。

概要

成膜時にマスクに発生した熱をホルダ本体側へ放熱させる伝熱経路を成膜対象物の面積を超えた範囲に拡大することにより、成膜対象物の膜が過熱状態となって膜の内部応力が過大となることを効果的に防止する。少なくとも一部に永久磁石130を備え、且つ成膜対象物10を配置するホルダ本体110と、成膜対象物を間に挟んでホルダ本体上に配置されることにより永久磁石により吸引保持されるマスク20と、を備え、マスクの外周縁部の少なくとも一部は、成膜対象物の対応する外周縁部から庇状に突出した部23となっており、ホルダ本体には庇部との間に空所Sを形成する張出し部111が形成されており、空所内に庇部からの熱をホルダ本体に伝導する熱伝導部材140を配置した。

目的

本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、成膜時にマスクに発生した熱をホルダ本体側へ放熱させる伝熱経路を成膜対象物の面積を超えた範囲に拡大することにより、成膜対象物の膜が過熱状態となって膜の内部応力が過大となることを効果的に防止することができる成膜用マスクホルダユニットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

全部、又は一部に永久磁石を備え、且つ一面に成膜対象物を配置するホルダ本体と、該ホルダ本体の一面上に配置した前記成膜対象物を間に挟んで前記ホルダ本体の一面上に配置されることにより前記永久磁石により吸引保持されるマスクと、を備え、前記マスクの外周縁部の少なくとも一部は、前記成膜対象物の対応する外周縁部から庇状に突出した部となっており、前記ホルダ本体には、前記庇部との間に空所を形成する張出し部が形成されており、前記空所内に、前記庇部からの熱を前記ホルダ本体に伝導する熱伝導部材の少なくとも一部を配置したことを特徴とする成膜用マスクホルダユニット

請求項2

前記空所は、前記マスク、及び前記ホルダ本体の外周縁部の全周に亘って延在しており、前記熱伝導部材は、前記空所の全周に亘って延在するように配置された環状体であることを特徴とする請求項1に記載の成膜用マスクホルダユニット。

請求項3

前記熱伝導部材は、前記ホルダ本体と一体化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の成膜用マスクホルダユニット。

請求項4

前記永久磁石を前記空所の直下に配置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の成膜用マスクホルダユニット。

請求項5

前記ホルダ本体上面であって、前記成膜対象物と前記熱伝導部材との境界に沿った部位に、凹所を形成したことを特徴とする請求項1に記載の成膜用マスクホルダユニット。

技術分野

0001

本発明は、成膜処理対象物としての基板上にマスク磁力で保持する成膜用マスクホルダユニットに関する。

背景技術

0002

パワーデバイスをはじめとする半導体素子水晶振動子等の各種デバイスの製造工程には薄膜による電極形成プロセスがあり、この電極形成プロセスとしては、フォトリソグラフィ法と、マスク成膜法とがある。フォトリソグラフィ法は、蒸着スパッタリング等により半導体基板等の基板の全面に薄膜を成膜し、その後フォトレジストにより所望のパターン開口を形成し、不要部分をエッチング処理で除去するものである。またマスク成膜法は、多数の磁石具備した成膜処理用マスクホルダ上に、基板と所定の開口が形成された磁性材料から成るマスクとを順次重ねて配置し、マスクを基板の表面に磁力で吸着つつ、この状態でスパッタリング等の成膜処理を行い、成膜が終了した後、マスクを離脱することでパターンを形成するものである。
マスク成膜法は簡便でありプロセスコストが安いという利点があるが、マスクが基板から離間して密着性が低下し易い。このようにマスクが基板から浮いた状態でスパッタリング等による成膜を行うと、形成されたパターンに欠陥が発生し易くなり、このマスクの浮きという問題が解決されない限り微細パターン形成には適さない。このため、微細なパターンを形成するため、マスクが基板から浮かないよう、マスクを成膜処理用マスクホルダに強力な磁力で吸着する必要がある。

0003

本出願人により提案された未公知の特許文献1(特願2013−147753)には、一面に磁力により吸引されるマスクを配置した基板の他面を一面で支持する第1プレートと、第1プレートの他面側に配置され、外面に係止部材を取り付けた磁石を夫々収容する複数の穴部を備えた第2プレートと、を備え、磁石の磁力により第1プレートを吸引することにより第2プレート上にマスクを保持するようにした成膜処理用マスクホルダが提案されている。

0004

ところで、スパッタリング等を用いたマスク成膜法では、例えば100℃程度の低温での成膜が理想的であるが、プラズマ内自由電子は基板の成膜面に流入してジュール熱となって成膜面の温度を例えば200℃程度まで上昇させる要因となる。成膜温度が高いほど膜の内部応力が高くなるが、半導体素子を形成する上で膜の内部応力の増大は好ましくない特性要因となるため、成膜温度は極力下げることが理想である。

0005

図6(a)乃至(d)は未公知のマスクホルダユニットの平面図、正面図、分解斜視図、及び(a)のA−A断面図である。
このマスクホルダユニット100は、一面101aに半導体ウェハ等の成膜対象物110を配置するホルダ本体101と、ホルダ本体内収納される複数の磁石115と、成膜対象物110を間に挟んでホルダ本体101上に配置される磁性体から成るマスク105と、を備えている。
ホルダ本体101は、磁石115を収容する複数の凹所102aを上面に有した下層プレート102と、凹所102a内から突出した磁石115の上部を収容する凹所104aを下面に有した上層プレート104と、を有する金属製である。
ホルダ本体101側に固定配置された磁石115の磁力によってマスク105を吸引することにより、マスク105を下層プレート102の上面に位置決め保持することができる。

0006

従来のホルダ本体101はその一面101a上に成膜対象物110、及びマスク105を配置できるように、成膜対象物及びマスクよりも面積が大きく構成されている。一方、従来のマスク105は、成膜対象部110と同面積(外形状が同じ)か、若しくは成膜対象物よりも面積が狭くなるように構成されている。このため、スパッタリング工程中においてマスク面で発生した熱は成膜対象物110を経由しホルダ本体101に伝熱して行くこととなり、これ以外の伝熱経路は存在しない。
成膜工程では、ホルダ本体101を水冷式冷却装置上に搭載することにより、マスク105→成膜対象物110→ホルダ本体101→冷却装置といった伝熱ルートで放熱を行うことになる。
しかし、このように従来のマスクホルダユニット100を用いた成膜工程では、マスクの昇温に起因して成膜対象物の成膜面の温度が過大に上昇したとしても、放熱のための伝熱経路が成膜対象物の面積の範囲内に極限されていたため、成膜温度を充分に低下させることが難しかった。

先行技術

0007

特願2013−147753

発明が解決しようとする課題

0008

以上のように従来の成膜処理用マスクホルダにあっては、成膜時にマスクに発生した熱を半導体ウェハ等の成膜対象物を経由してホルダ本体へ放熱していたに過ぎなかったため、放熱ルートが極限されており、成膜対象物の膜が過熱状態となり、膜の内部応力が過大となる虞があった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、成膜時にマスクに発生した熱をホルダ本体側へ放熱させる伝熱経路を成膜対象物の面積を超えた範囲に拡大することにより、成膜対象物の膜が過熱状態となって膜の内部応力が過大となることを効果的に防止することができる成膜用マスクホルダユニットを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決するため、請求項1に記載の成膜用マスクホルダユニットは、全部、又は一部に永久磁石を備え、且つ一面に成膜対象物を配置するホルダ本体と、該ホルダ本体の一面上に配置した前記成膜対象物を間に挟んで前記ホルダ本体の一面上に配置されることにより前記永久磁石により吸引保持されるマスクと、を備え、前記マスクの外周縁部の少なくとも一部は、前記成膜対象物の対応する外周縁部から庇状に突出した部となっており、前記ホルダ本体には、前記庇部との間に空所を形成する張出し部が形成されており、前記空所内に、前記庇部からの熱を前記ホルダ本体に伝導する熱伝導部材を配置したことを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明に係る成膜用マスクホルダユニットによれば、成膜時にマスクに発生した熱をホルダ本体側へ放熱させる伝熱経路を成膜対象物の面積を超えた範囲に拡大することにより、成膜対象物の膜が過熱状態となって膜の内部応力が過大となることを効果的に防止することができる。

図面の簡単な説明

0011

(a)(b)(c)及び(d)は本発明の第1の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニットの構成を示す平面図、正面図、分解斜視図、及びB−B断面図である。
(a)(b)及び(c)は本発明の第2の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100の平面図、C−C断面図、及びD部拡大図であり、(d)は比較例に係る成膜用マスクホルダユニットの平面図である。
(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニットの斜視断面図、及びその要部拡大図である。
(a)及び(b)は比較例に係る成膜用マスクホルダユニットの斜視断面図、及びその要部拡大図である。
本発明の第4の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100の要部断面図である。
(a)乃至(d)は従来の成膜用マスクホルダユニット(未公知)の平面図、正面図、分解斜視図、及び(a)のA−A断面図である。

実施例

0012

[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニットについて説明する。
まず成膜用マスクホルダユニットの全体の構造について説明する。
図1(a)(b)(c)及び(d)は本発明の第1の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニットの構成を示す平面図、正面図、分解斜視図、及びB−B断面図である。

0013

成膜用マスクホルダユニット(成膜処理用マスクホルダユニット)100は、半導体基板、水晶基板セラミック基板等々の成膜対象物としての基板(ウェハ)10を一面上に配置可能であり、且つ少なくとも一部に(全体、又は一部に)永久磁石を備えたホルダ本体110と、ホルダ本体110内に収容された複数の磁石130と、ホルダ本体110の一面上に配置した基板10を間に挟んでホルダ本体110の一面上に配置されることにより永久磁石により吸引保持される磁性体から成るマスク20と、を備え、マスク20の外周縁部の少なくとも一部は、基板10の対応する外周縁部から庇状に突出した庇部23となっており、ホルダ本体110には、庇部23との間に空所Sを形成する張出し部111が形成されており、空所S内に、庇部23からの熱をホルダ本体110に伝導する熱伝導部材140の少なくとも一部を配置したものである。

0014

ホルダ本体110は、第1プレートである上層プレート115と、第2プレートである下層プレート120と、を備える。下層プレート120は、基板10を配置する上層プレートの上面とは反対の下面側に配置される。複数個の磁石130は、両プレート間に配置されている。
成膜用マスクホルダユニット100は、円盤状の基板10に磁力で吸着されるマスク20を配置して成膜処理を行うものである。
即ち、ホルダ本体110は、一面に磁力により吸引されるマスク20を配置した基板10の他面を一面(上面)で支持する上層プレート(第1プレート)115と、上層プレートの他面側に配置され、筒状の磁石130を収容する複数の穴部125を備えた下層プレート(第2プレート)120と、を備える。
上層プレート115及び下層プレート120は、基板10より大きな円盤状をなしており、ネジその他の固定手段により着脱自在に組み付けられる。
下層プレート120の穴部125内に磁石130を取り付けて上層プレート115を被せた状態で、上層プレート115上に基板10とマスク20を配置して、磁石130の磁力で基板10上にマスク20を密着させる。磁石130は、例えば、ネオジウムサマリウムコバルト等の焼結マグネットであり、柱体状である円柱として構成されている。
マスク20には、基板10の成膜パターンに対応する開口21が形成されている。マスクとしては、磁石に吸着される材料、例えば、鉄、鉄−ニッケル合金を用いる。
なお、基板の形状は、円盤状に限らないが、本例では円盤状の基板を一例として説明する。

0015

次に成膜用マスクホルダユニット100の具体例について説明する。下層プレート120は、加工性熱伝導性を考慮し純銅材で製作することが望ましい。下層プレート120の厚さは、例えば7mmとし、穴部125は、直径4.3mmとし、直径4mmの磁石130を配置する。
磁石130は、円柱中実形状で直径4mm、高さ6mmの希土類マグネットを使用する。
尚、本実施形態において上層プレート、下層プレートの材料は純銅に限定されるものではなく、アルミ等、他の金属素材で製作することができる。
なお、本実施形態では、ホルダ本体の少なくとも一部に別体構造の磁石を配置した構成(複数個の磁石を上下プレート間に配置した構成)としたがこれは一例に過ぎず、ホルダ全体、又はその一部が磁石から構成されていてもよい。

0016

図示した実施形態では、熱伝導部材140として、金属等の熱伝導性の高い材料から成る環状熱伝導部材(環状体)142を用いている。環状熱伝導部材142は、マスク20、及びホルダ本体110の外周縁部の全周に亘って延在している空所S内に配置される。環状熱伝導部材142を空所Sの全周に亘って延在するように配置することにより、マスク20の外周縁部からの熱を効果的にホルダ本体110側へ放熱することが可能となる。環状熱伝導部材142は、庇部23の下面と張出し部111の上面に密着するようにその厚み、及び上下両面の形状が設定される。即ち、環状熱伝導部材142は基板10とほぼ同等の厚みを有すると共に、その上下両面は平坦に構成されている。また、環状熱伝導部材142は、磁性体から構成することにより、磁石130からの吸引力によって庇部23の下面と張出し部111の上面に密着するように構成する。

0017

このようにマスク20の外周縁とホルダ本体110の外周縁を基板10の外周縁よりも外径方向へ突出させて空所Sを形成し、この空所S内を満たすように環状熱伝導部材142を配置し、更に環状熱伝導部材を磁石により吸引して庇部23、及び張出し部111と密着させた(接触圧を高めた)。このため、従来のように基板の面積の範囲内でのみマスク及びホルダ本体と接触させていた従来例とは異なって、基板の外径方向に熱伝導経路を増大させることができ、ホルダ本体に放熱される熱量を増大させることが可能となる。つまり、スパッタリング等による成膜工程で発生する基板への自由電子の流入による発熱を効率的にホルダ本体側に伝導し、成膜時の温度上昇を防ぐことが可能となり、成膜材料の内部応力を緩和することができた。
なお、環状熱伝導部材の外周縁が庇部23よりも外径方向へ(空所の外周縁を越えて)突出するように環状熱伝導部材を大径に構成することにより、環状熱伝導部材の熱容量を増大させてホルダ本体側への熱伝導量を増大させるようにしてもよい。
また、マスクの外周縁を基板の外周縁よりも外径方向に突出させた上で、ホルダ本体側の磁石により吸着するようにしたので、マスクの吸着力(接触圧)を増大させることにより基板からの浮きを更に確実に防止することが可能となり、マスクの浮きによる成膜パターンの欠陥を解消することができた。

0018

[第2の実施形態]
次に、図2(a)(b)及び(c)は本発明の第2の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100の平面図、C−C断面図、及びD部拡大図である。また、図2(d)は比較例に係る成膜用マスクホルダユニットの平面図である。
ホルダ本体側に配置する磁石130の位置は、図2(d)の比較例に示したように基板10の外周縁の内側に配置された磁石からの磁力により庇部23を張出し部111側に吸引することができる場合には、ホルダ本体の張出し部111に相当する位置に磁石を設けなくても良い。

0019

しかし、庇部23、及び環状熱伝導部材142をより確実に張出し部111側に吸引するためには、図2(a)(b)(c)に示すように空所Sの直下に相当するホルダ本体内にも磁石を配置することが好ましい。
基板10の外周縁を外径方向へ越えた空所Sの直下位置に磁石130を配置することにより、マスクの庇部23、及び環状熱伝導部材142をホルダ本体側に吸引し、各部材相互密着力を高めることができる。これにより、マスクからの熱をより効果的にホルダ本体へ入熱させて放熱効果伝熱効率)を高めることができる。

0020

[第3の実施形態]
次に、図3(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100の斜視断面図、及びその要部拡大図であり、図4(a)及び(b)は比較例に係る成膜用マスクホルダユニット100の斜視断面図、及びその要部拡大図である。
なお、上記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
本実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100は、ホルダ本体110の上面であって、基板10の外周縁と環状熱伝導部材142の内周縁との境界BLに沿った部位に、環状の凹所(保護フィルム退避部)126を形成したことを特徴とする。
図3(a)(b)に示した例では、環状の凹所126は、基板10の外周縁と環状熱伝導部材142の内周縁にまたがる幅寸法Wと、境界部BLの全長に亘る周方向長を有する。
なお、境界部BLでは、基板の外周縁と環状熱伝導部材の内周縁とが図示のように離間していてもよいし、密着していてもよい。

0021

図4は第1の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100を組み付けた状態を示しており、実際の製膜作業時には基板10の裏面とホルダ本体110の表面との間には、両者の接触による傷発生を防止する目的でポリイミド系の樹脂材料から成る保護フィルム150(膜厚50μm程度)を介在させるのが一般である。保護フィルム150のホルダ本体表面と接する下面には粘着剤層が設けられており、この粘着剤層がホルダ表面と接着した状態となっている。
このため、保護フィルム150の外形状(外周輪郭)を基板10の外形状と同じにすると、保護フィルムの外周縁から粘着剤の一部が基板側に付着し易くなる。基板側に付着した粘着剤はその後の基板の加工工程や、最終的に得られるデバイスの性能に悪影響を与える原因となる。
このような不具合を回避するために、図4(b)の拡大図に示すように保護フィルムの外周縁を、境界部BLを越えて充分に外径方向へ延長し、環状熱伝導部材142(熱伝導部材140)の内周縁を越えた位置まで延在させている。保護フィルム150の外周縁が基板10の外周縁を越えた位置にあることにより、保護フィルムの外周縁から粘着剤が漏れ出したとしても基板に付着する虞を皆無にすることができるからである。

0022

しかし、このように構成すると、庇部23と張出し部111との間(空所S)に保護フィルム150が介在することとなり、環状熱伝導部材142により形成されている補助的な熱伝導経路による放熱を阻害する要因となり、基板への蓄熱による熱的な影響が発生する。
本実施形態ではこのような不具合を解決するために、図3に示したように、ホルダ本体110の上面であって、基板10の外周縁と環状熱伝導部材142の内周縁との境界部BLに沿った部位に環状の凹所(保護フィルム退避部)126を形成した。

0023

図3(b)の実施形態では、凹所126は基板10の外周縁と環状熱伝導部材142の内周縁との境界部BLを跨いで基板10と環状熱伝導部材142側に延在している。保護フィルム150の外周縁、即ち境界部BLが凹所126の幅Wの範囲内に位置している。また、保護フィルムの外周縁は基板の外周縁を越えて凹所126内に入り込んでいるため、保護フィルムの外周縁から基板側へ粘着剤が移行するおそれは皆無となる。また、保護フィルムの外周縁は凹所内で終端しており、張出し部111上にまで延在していないため、環状熱伝導部材142は庇部23及び張出し部111と同時に密着した状態で組付けを行うことが可能となり、環状熱伝導部材を放熱経路として最大限に有効活用することが可能となる。このように構成した結果、成膜中における基板温度最適温度にまで低下し、基板面上に成膜された膜の内部応力を充分に緩和することができた。
なお、この場合には、環状熱伝導部材142の厚さT1を、保護フィルムの厚さ分だけ基板10の厚さT2より厚く構成することにより、基板上面と環状熱伝導部材の上面との間に段差(高さ位置のずれ)が形成されて、マスク下面との密着性が低下することを防止できる。
なお、保護フィルムを使用する必要がない場合には、凹所126を形成する必要がないことは言うまでも無い。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様にマスクの発熱を効果的にホルダ本体側に伝導することが可能となる。また、マスクを吸着する面積(接触圧)を増大させることにより、基板からの浮きを更に確実に防止することが可能となり、マスクの浮きによる成膜パターンの欠陥を解消することができた。

0024

[第4の実施形態]
次に、図5は本発明の第4の実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100の要部断面図である。なお、図1を併せて参照し、同一部分には同一符号を付して説明する。
本実施形態に係る成膜用マスクホルダユニット100は、熱伝導部材140を、ホルダ本体110と一体化した構成が特徴的である。言い換えれば、ホルダ本体110の張出し部111に相当する外周縁部の厚みW1を、基板を載置する内側部分の厚みW2よりも大きくして、基板上面と熱伝導部材140との段差を解消してマスク20との密着性を高めつつ、熱伝導部材140による高い熱伝導性を確保している。
つまり、熱伝導部材140をホルダ本体110と別部材とせずに、ホルダ本体の一部(張出し部111に相当する部位)を厚肉にしてマスク20と直接接触させたものである。
これを言い換えれば、ホルダ本体の張出し部111に相当する上面に環状の凸部を設け、この凸部により空所Sを満たすように構成する。この凸部を熱伝導部材140として利用することにより、マスク、及び成膜対象物の冷却効率を高めることが可能となる。
保護フィルム150を基板下面に配置する場合には、基板外周縁と熱伝導部材140の内周縁との間に空間Gを設け、保護フィルムの外周縁を基板外周縁よりも外径方向へ突出させればよい。

0025

この実施形態では、基板10の下面に配置された保護フィルム150の外周縁を空間G内に収納させることにより、保護フィルムの端面から粘着剤が基板側に付着するという不具合を解消しつつ、ホルダ本体の張出し部111(環状熱伝導部材142)をマスク20と直接接触させることにより、高い熱伝導性を確保することが可能となる。つまり、スパッタリング等による成膜工程で発生する基板への自由電子の流入による発熱を効率的にホルダ本体側に伝導し、成膜時の温度上昇を防ぐことが可能となり、成膜材料の内部応力を緩和することができた。
また、マスクの外周縁を基板の外周縁よりも外径方向に突出させた上で、ホルダ本体側の磁石により吸着するようにしたので、マスクの吸着面積(接触圧)を増大させることにより基板からの浮きを更に確実に防止することが可能となり、マスクの浮きによる成膜パターンの欠陥を解消することができた。

0026

[発明の構成、作用、効果のまとめ]
第1の本発明に係る成膜用マスクホルダユニットは、全部、又は一部に永久磁石を備え、且つ一面に成膜対象物20を配置するホルダ本体100と、ホルダ本体の一面上に配置した成膜対象物を間に挟んでホルダ本体の一面上に配置されることにより永久磁石により吸引保持される磁性体から成るマスク20と、を備え、マスクの外周縁部の少なくとも一部は成膜対象物の対応する外周縁部から庇状に突出した庇部23となっており、ホルダ本体には、庇部との間に空所Sを形成する張出し部111が形成されており、空所内に、庇部からの熱をホルダ本体に伝導する熱伝導部材140の少なくとも一部を配置したことを特徴とする。
ホルダ本体110の一面に基板10を位置決め固定するために、基板上に配置したマスク20をホルダ本体側に設けた磁石により吸引する場合に、マスク20の外周縁とホルダ本体110の外周縁を基板10の外周縁よりも外径方向へ突出させて空所Sを形成し、この空所S内に熱伝導部材140(環状熱伝導部材142)を配置した。この結果、熱伝導部材を介して庇部23、及び張出し部111とが密着状態となる。このため、従来のように基板の面積の範囲内でのみマスク及びホルダ本体と接触させていた従来例とは異なって、基板の外径方向に熱伝導経路を増大させることができ、ホルダ本体に放熱される熱量を増大させることが可能となる。つまり、スパッタリング等による成膜工程で発生する基板への自由電子の流入による発熱を効率的にホルダ本体側に伝導し、成膜時の温度上昇を防ぐことが可能となり、成膜材料の内部応力を緩和することができた。ホルダ本体の他面側に冷却装置を配置することにより、冷却効果を高めることができる。
熱伝導部材の外周縁が空所を越えて外径方向へ突出するようにしてもよい。この場合にはマスクからホルダ本体側への放熱量を増大させることが可能となる。

0027

また、マスクの外周縁を基板の外周縁よりも外径方向に突出させた上で、ホルダ本体側の磁石により吸着するようにしたので、マスクの吸着面積、接触圧を増大させることにより基板からの浮きを更に確実に防止することが可能となり、マスクの浮きによる成膜パターンの欠陥を解消することができた。
なお、磁石はホルダ本体の全体、或いは一部に設けられていれば足り、実施形態のように複数個の磁石を規則的に分散配置する場合に限らない。
空所Sは、必ずしもマスク10、及びホルダ本体110の外周縁部の全周に亘って延在している環状の空所である必要はなく、部分的に配置された空所であってもよい。成膜対象物である基板の形状等々の条件に応じて、基板の任意の外径方向に空所を設け、当該空所内に熱伝導部材を配置するようにすればよい。
熱伝導部材140は、ホルダ本体と別体構造の別部品であってもよいし、ホルダ本体の一部を熱伝導部材としてもよい。

0028

第2の本発明では、空所Sは、マスク10、及びホルダ本体110の外周縁部の全周に亘って延在しており、熱伝導部材140は、空所の全周に亘って延在するように配置された環状体(成膜対象物と同等の厚み)である。
実施形態では、成膜対象物の外周縁の外径方向全周に亘って空所Sを設け、この空所内を満たすように熱伝導部材140を配置したので、熱伝導部材の面積を大きくすることができ、放熱効率を大幅に高めることが可能となる。

0029

第3の本発明では、熱伝導部材140は、ホルダ本体110と一体化されていることを特徴とする。
ホルダ本体の張出し部111に相当する上面に環状の凸部を設け、この凸部により空所Sを満たすように構成する。この凸部を熱伝導部材140として利用することにより、マスク、及び成膜対象物の冷却効率を高めることが可能となる。

0030

第4の本発明では、永久磁石130を空所Sの直下に配置したことを特徴とする。
マスク20の外周縁に庇部23を設け、庇部23とホルダ本体の張出し部111との間に熱伝導部材140を配置した場合に、張出し部111に相当するホルダ本体部分に磁石を配置することにより、成膜対象物20に対する庇部23と張出し部との密着性を高めることが可能となる。その結果、熱伝導効率を高めるばかりで無く、マスクの浮きを防止して精度の高い成膜が可能となる。

0031

第5の本発明では、ホルダ本体上面であって、成膜対象物と前記熱伝導部材との境界に沿った部位に、凹所126を形成したことを特徴とする。
ホルダ本体の一面と成膜対象部との間に保護フィルムを介在させる場合には、保護フィルムをホルダ本体と接着するための粘着剤が保護フィルムの外周縁から基板側に漏出することを防止する必要がある。一方、保護フィルムが熱伝導部材とホルダ本体との間に介在すると熱伝導性からするとマイナス要因になる。
本発明では、ホルダ本体上に保護フィルムの外周縁を収容する凹所126を設けることにより保護フィルム外周縁を基板から充分に離間させるようにした。一方、保護フィルムは熱伝導部材とホルダ本体との間に介在させないことが熱伝導効率からいえば重要であるため、凹所を成膜対象物と熱伝導部材との境界に配置し、且つ保護フィルムの外周縁を凹所内(熱伝導部材の内周縁の手前)にて終端させた。

0032

10基板(成膜対象物)、20マスク、21 開口、23庇部、S空所、100成膜用マスクホルダユニット(成膜処理用マスクホルダユニット)、110ホルダ本体、111張出し部、115上層プレート(第1プレート)、120下層プレート(第2プレート)、125穴部、126凹所(保護フィルム退避部)130磁石、140熱伝導部材、142 環状熱伝導部材、150 保護フィルム、G 空間

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

新着 最近 公開された関連が強い 技術

  • 株式会社アルバックの「 真空処理装置」が 公開されました。( 2018/11/01)

    【課題・解決手段】設置面積が小さい真空処理装置を提供する。真空槽12の内部に昇降板15を配置し、基板保持装置27を昇降板15に配置して昇降移動可能にする。昇降板15が昇降移動する昇降領域12bの側方に... 詳細

  • 日本イットリウム株式会社の「 成膜用材料及び皮膜」が 公開されました。( 2018/11/01)

    【課題・解決手段】本発明の成膜用材料は、イットリウムのオキシフッ化物を含み、フィッシャー径が1.0μm以上10μm以下であり、タップ法見掛け嵩密度TDと静置法見掛け嵩密度ADとの比率であるTD/ADが... 詳細

  • 株式会社ソディックの「 静電チャック」が 公開されました。( 2018/10/18)

    【課題】円筒形状の側面を吸着面とするよう構成することで、利用範囲を拡大した静電チャックの提供。【解決手段】円筒形状を有し少なくとも側面表層が絶縁性を有する基体2と、基体2の側面表層に設けられる電極層3... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する挑戦したい社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ