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技術 内燃機関用潤滑油組成物

出願人 シェルルブリカンツジャパン株式会社
発明者 村上洸史大原健司羽生田清志久保浩一
出願日 2014年5月21日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2014-105528
公開日 2015年12月7日 (5年5ヶ月経過) 公開番号 2015-218330
状態 特許登録済
技術分野 潤滑剤
主要キーワード 化学混合 シリンダーライナ 中性リン酸エステル 放射線励起 石油資源枯渇 摩擦ロス 蒸発減量 アルファオレフィンオリゴマー
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課題

改良された内燃機関用潤滑油組成物を得ようとする。

解決手段

100℃の動粘度が4.5〜8.2mm2/sで、150℃,106s−1における高温高せん断粘度が1.5〜2.2mPa・sの内燃機関用潤滑油組成物とする。この組成物基油は、鉱油合成油で、100℃動粘度が2〜5mm2/s,粘度指数が90以上,硫黄分が0.01質量%以下,環分析による%CAが5以下,%CPが80以上のものを単独又は混合使用し、基油全体ガスクロマト蒸留における380℃以下の留分が10質量%以下のものとする。この基油には、ZnDTPリン含有量として全量基準で0.05〜0.09質量%含有させる。このZnDTPのアルキル基は、C3〜C8の1級アルキル基と2級アルキル基で、それらのリン含有量において1級アルキル基ZnDTP≧2級アルキル基ZnDTPである混合物とする。更に、MoDTCをMo含有量として全量基準で0.02〜0.15質量%含有させる。

概要

背景

一般に、摺動部位を有する自動変速機緩衝器パワーステアリング内燃機関などの原動機などにはその作動を円滑にするために潤滑油が必要である。特に内燃機関用潤滑油は、主としてピストンリングシリンダーライナクランクシャフトコネクティングロッド軸受動弁機構など、各部の潤滑のほか、エンジン内の冷却や燃焼生成物清浄分散、更には錆や腐食を防止するなど多くの機能を果たしている。

また、環境保全に対する規制強化は、現在、地球規模で行われている。特に自動車に関連しては、燃費規制、排出ガス規制等が益々厳しくなっているが、これは地球温暖化等の環境問題と、石油資源枯渇の懸念、資源保護対策に基づいている。
自動車の省燃費化に関する要求に対しては、自動車の軽量化、エネルギー効率を向上させるエンジンの改良、駆動力伝達効率の向上等、自動車の各種構成要素の改良と共に、エンジンでの摩擦ロスを防ぐためのエンジン油の改善も重要となっている。

内燃機関における摩擦損失は、使用する潤滑油による流体潤滑条件下での粘性抵抗と、混合潤滑あるいは境界潤滑条件下での摺動部における金属間摩擦が主なものであり、より高度な省エネルギーを得るためには、従来より潤滑油の粘度を下げて低粘度化し、粘性抵抗を下げなければならない。
潤滑油の粘度を下げるには、より低粘度の基油を使用しなければならないが、低粘度の基油を使用すると、基油中低分子成分の割合が増大して、高温における蒸発特性が大きくなり、長期使用における低分子成分の蒸発による粘度の増加や、高速運転高負荷運転時における潤滑油消費の増加を引き起こす。また排出ガス中炭化水素の量を増加させ、排ガス触媒後処理装置等へ負担を与えるため、余り好ましくない。
また基油の低粘度化によって、高温時における油膜破断による摩耗や、金属間の摩擦の増大を生じることになる。

概要

改良された内燃機関用潤滑油組成物を得ようとする。100℃の動粘度が4.5〜8.2mm2/sで、150℃,106s−1における高温高せん断粘度が1.5〜2.2mPa・sの内燃機関用潤滑油組成物とする。この組成物の基油は、鉱油合成油で、100℃動粘度が2〜5mm2/s,粘度指数が90以上,硫黄分が0.01質量%以下,環分析による%CAが5以下,%CPが80以上のものを単独又は混合使用し、基油全体ガスクロマト蒸留における380℃以下の留分が10質量%以下のものとする。この基油には、ZnDTPリン含有量として全量基準で0.05〜0.09質量%含有させる。このZnDTPのアルキル基は、C3〜C8の1級アルキル基と2級アルキル基で、それらのリン含有量において1級アルキル基ZnDTP≧2級アルキル基ZnDTPである混合物とする。更に、MoDTCをMo含有量として全量基準で0.02〜0.15質量%含有させる。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

100℃の動粘度が4.5〜8.2mm2/sで、150℃,106s−1における高温高せん断粘度(ASTMD4683又はASTM D5481)が1.5〜2.2mPa・sの内燃機関用潤滑油組成物であって、鉱油及び/または炭化水素系合成油基油とし、該基油の100℃の動粘度が2〜5mm2/s,粘度指数が90以上,硫黄分が0.01質量%以下,ASTM D3238による%CAが5以下,%CPが80以上のものを単独若しくは複数混合して使用し、かつ基油全体のASTM D2887によるガスクロマト蒸留における380℃以下の留分が10質量%以下のものであり、ジアルキルジチオリン酸亜鉛リン含有量として全量基準で0.05〜0.09質量%含有し、そのアルキル基炭素数が3〜8の1級アルキル基と2級アルキル基で、1級アルキル基のジアルキルジチオリン酸亜鉛由来のリン含有量≧2級アルキル基のジアルキルジチオリン酸亜鉛由来のリン含有量とする混合物であり、硫化モリブデンジアルキルジチオカーバメイトMo含有量として全量基準で0.02〜0.15質量%含有し、かつジアルキルジチオカルバミン酸金属塩、及び有機サルファイド硫黄化合物チアジアゾール化合物硫化オレフィン硫化魚油及び硫化鯨油よりなる硫黄化合物を含まない内燃機関用潤滑油組成物。

請求項2

上記基油が、API(米国石油協会)の基油分類グループ3基油、またはグループ2基油とグループ3基油の混合油である請求項1に記載の内燃機関用潤滑油組成物。

請求項3

上記ジアルキルジチオリン酸亜鉛の1級アルキル基が2-エチルヘキシル基である請求項1または2に記載の内燃機関用潤滑油組成物。

請求項4

更に過塩基性アルカリ土類金属塩清浄剤アルカリ土類金属の濃度として0.1〜0.3質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関用潤滑油組成物。

請求項5

更に無灰系のホウ酸変性コハク酸イミドホウ酸を含まないコハク酸イミド窒素含有量として0.01〜0.3質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関用潤滑油組成物。

請求項6

更にアミン系酸化防止剤を窒素含有量として0.05〜1.0質量%含む請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機潤滑油組成物

技術分野

0001

本発明は、潤滑油組成物に関し、特には低摩擦性に優れ、ガソリンエンジンディーゼルエンジンなどの内燃機関用の潤滑油組成物に関する。

背景技術

0002

一般に、摺動部位を有する自動変速機緩衝器パワーステアリング内燃機関などの原動機などにはその作動を円滑にするために潤滑油が必要である。特に内燃機関用潤滑油は、主としてピストンリングシリンダーライナクランクシャフトコネクティングロッド軸受動弁機構など、各部の潤滑のほか、エンジン内の冷却や燃焼生成物清浄分散、更には錆や腐食を防止するなど多くの機能を果たしている。

0003

また、環境保全に対する規制強化は、現在、地球規模で行われている。特に自動車に関連しては、燃費規制、排出ガス規制等が益々厳しくなっているが、これは地球温暖化等の環境問題と、石油資源枯渇の懸念、資源保護対策に基づいている。
自動車の省燃費化に関する要求に対しては、自動車の軽量化、エネルギー効率を向上させるエンジンの改良、駆動力伝達効率の向上等、自動車の各種構成要素の改良と共に、エンジンでの摩擦ロスを防ぐためのエンジン油の改善も重要となっている。

0004

内燃機関における摩擦損失は、使用する潤滑油による流体潤滑条件下での粘性抵抗と、混合潤滑あるいは境界潤滑条件下での摺動部における金属間摩擦が主なものであり、より高度な省エネルギーを得るためには、従来より潤滑油の粘度を下げて低粘度化し、粘性抵抗を下げなければならない。
潤滑油の粘度を下げるには、より低粘度の基油を使用しなければならないが、低粘度の基油を使用すると、基油中低分子成分の割合が増大して、高温における蒸発特性が大きくなり、長期使用における低分子成分の蒸発による粘度の増加や、高速運転高負荷運転時における潤滑油消費の増加を引き起こす。また排出ガス中炭化水素の量を増加させ、排ガス触媒後処理装置等へ負担を与えるため、余り好ましくない。
また基油の低粘度化によって、高温時における油膜破断による摩耗や、金属間の摩擦の増大を生じることになる。

0005

特開昭59−122597号公報
特開平9−104888号公報

先行技術

0006

トライボロジスト 第41巻 第3号(1996年)P215−218

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、潤滑油組成物の低粘度化を図ると共に、低粘度の潤滑油組成物であっても、高温における蒸発性及びオイルの消費が低く、かつ金属間の摩擦が低減されて、排出ガス触媒や後処理装置に対しても負荷が少なく、長期間にわたって安定的に使用が可能な内燃機関用の潤滑油組成物を得ようとするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、100℃の動粘度が4.5〜8.2mm2/sで、150℃,106s−1における高温高せん断粘度(ASTMD4683又はASTM D5481)が1.5〜2.2mPa・sの内燃機関用潤滑油組成物とする。
この内燃機関用潤滑油組成物は、鉱油及び/または炭化水素系合成油を基油とし、この基油は100℃の動粘度が2〜5mm2/s,粘度指数が90以上,硫黄分が0.01質量%以下,ASTM D3238による%CAが5以下,%CPが80以上のものを単独若しくは複数混合して使用し、かつ基油全体のASTM D2887によるガスクロマト蒸留における380℃以下の留分が10質量%以下のものとする。

0009

上記基油には、ジアルキルジチオリン酸亜鉛リン含有量として全量基準で0.05〜0.09質量%含有させ、このジアルキルジチオリン酸亜鉛のアルキル基は、炭素数が3〜8の1級アルキル基と2級アルキル基であって、1級アルキル基のジアルキルジチオリン酸亜鉛由来のリン含有量を2級アルキル基のジアルキルジチオリン酸亜鉛由来のリン含有量よりも多い割合に、または2級アルキル基のジアルキルジチオリン酸亜鉛由来のリン含有量と同じ割合とする混合物とする。
更に、硫化モリブデンジアルキルジチオカーバメイトMo含有量で全量基準として0.02〜0.15質量%含有させるが、ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩有機サルファイド硫黄化合物チアジアゾール化合物硫化オレフィン硫化魚油及び硫化鯨油よりなる硫黄化合物を含まないものとする。

発明の効果

0010

本発明によれば、低粘度かつ低摩擦性能に優れた、省エネルギー性が高い潤滑油組成物であり、また、低粘度でありながら、エンジンの燃焼による高温に十分耐え得る低蒸発特性を持ち熱酸化定性が良く、かつオイル消費が少なく、排出ガス触媒や後処理装置への負担が少ない内燃機関用潤滑油組成物を得ることができる。

0011

本発明の潤滑油組成物に用いられる基油には、原油常圧蒸留して得られる常圧残渣を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出水素化分解水素異性化、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したものがある。また、溶剤脱ろう工程で得られたスラックワックス、当該スラックワックスを更に脱油・精製したノルマルパラフィンを主成分とするワックス等のワックス含有成分を水素化分解または水素化異性化する手法で製造されるワックス分解/異性化油フィッシャートロップシュワックス等の合成ワックスを水素化分解または水素化異性化する手法で製造される合成ワックス分解/異性化基油、炭化水素系合成油等がある。
使用する基油の動粘度は、100℃で2〜5mm2/sがよく、好ましくは2.5〜5mm2/s、さらに好ましくは2.5〜4.5mm2/sにするとよい。

0012

上記基油として、ガルフ社法などの水素化精製法により精製されたAPI(米国石油協会)グループ2の基油を好適に用いることができ、これの全硫黄分は300ppm(0.03質量%)未満であり、100ppm(0.01質量%)未満であることが好ましく、10ppm(0.001質量%)未満であることが更に好ましい。また、芳香族分(%CA)が5%以下であり、粘度指数が90以上で120未満であることが好ましい。

0013

グループ3の基油としては、例えば、原油を減圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、高度水素化精製手段を適用することにより得られたパラフィン系鉱油天然ガス液体燃料化技術であるフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストリキッド)ワックス,又は,更に脱ろうプロセスを経由して生成されるワックスが,溶剤脱ろう後に更にイソパラフィンに変換して脱ろうするプロセスであるイソデワックス(ISODEWAX)プロセスにより精製された基油、モービルワックス(WAX)異性化プロセスにより精製された基油、等を挙げることができる。グループ3の基油の全硫黄分は、100ppm(0.01質量%)未満であり、10ppm(0.001質量%)未満であることが好ましい。粘度指数は120以上であり、120〜150であることが好ましい。

0014

合成油としては、具体的にはポリブデンまたはその水素化物1-オクテンオリゴマー、1-デセンオリゴマー、1-ドデセンオリゴマー等の炭素数6〜18、好ましくは炭素数8〜12のアルファオレフィンオリゴマー等のポリ-α-オレフィン、またはその水素化物、エチレンとα—オレフィンとのコオリゴマー等が使用できる。
また、アルキルナフタレンアルキルベンゼン等の芳香族炭化水素系合成油も使用することは可能であるが、一般的に粘度指数が低く、アニリン点も下げるため、全量基準で10質量%以下の使用が好ましい。同様に脂肪酸エステル合成基油も使用することは可能であるが、有機モリブデン化合物摩擦低減効果阻害する可能性があるため、全量基準で10質量%以下の使用が好ましい。

0015

また、ポリアルファオレフィンは、複数種アルファオレフィンモノマー)の重合物を混合した混合物であってもよい。また、アルファオレフィンオリゴマーは、各種アルファオレフィン(モノマー)のオリゴマーであり、水素化されたアルファオレフィン(モノマー)のオリゴマーも含まれる。
このアルファオレフィン(モノマー)としては、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレンブテン、炭素数5以上のアルファオレフィンなどが挙げられる。

0016

上記した基油は単独あるいは組み合わせて使用するが、こうした基油は100℃の動粘度が2〜5mm2/sであり、粘度指数が90以上であって、硫黄分が0.01質量%以下であり,ASTMD3238による環分析値の%CAが5以下,%CPが80以上のものとする。
また、同時にASTM D2887によるガスクロマト蒸留における380℃以下の留分が10質量%以下のものとし、好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下のものとする。
これはエンジンが高速、高負荷で稼働すると、シリンダー壁ピストンアンダークラウンへエンジン油が噴きつけられ、潤滑、冷却する際に、壁面の温度が300℃、もしくはそれ以上まで温度が上昇するため、低温基油成分が多いと蒸発し、高負荷運転におけるオイル消費が多くなってしまうためである。

0017

上記組成物のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)は、下記一般式1に記載するように、炭素数3〜8から選ばれる1級アルキル基を有するZnDTPと、炭素数3〜8から選ばれる2級アルキル基を有するZnDTPとの混合物であり、リン含有量基準で1級アルキル基ZnDTP≧2級アルキル基ZnDTPとしている。すなわち、1級アルキル基のZnDTP由来のリン含有量が、全リン含有量に占める割合で50%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは75%以上である。

0018

0019

上記式1において、R1からR8は同一でも、異なっていてもよく、1級アルキル基ZnDTPでは、R1、R3、R5、R7が水素原子(H)であり、R2、R4、R6、R8は炭素数が2〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。2級アルキル基ZnDTPでは、R1〜R8の炭素数が1〜7までで、R1とR2、R3とR4、R5とR6、R7とR8の各炭素数の合計が2〜7までの直鎖状若しくは分岐状のアルキル基である。
1級アルキル基としては、n−ブチル基、n−ペンチル基n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基としたものが、有効に使用することができる。

0020

上記1級アルキル基ZnDTPと2級アルキル基ZnDTPの混合物からなるZnDTPは、リン含有量を全量基準として0.05〜0.09質量%含有され、好ましくは0.05〜0.08質量%、更に好ましくは0.05〜0.07質量%である。また1級アルキル基ZnDTPと2級アルキル基ZnDTPの混合割合は、1級アルキル基ZnDTPのリン含有量≧2級アルキル基ZnDTPのリン含有量が好ましい。

0021

上記硫化モリブデンジアルキルジチオカーバメート(MoDTC)は、下記の一般式2で表すものである。

0022

上記式2において、R13、R14、R15、R16はそれぞれ同一でも異なってもよく、炭素数2〜24、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜13のアルキル基を示し、X5、X6、X7、X8はそれぞれ個別に、硫黄原子もしくは酸素原子を示す。

0023

こうしたMoDTCとして好ましいものは、例えば、硫化モリブデンジエチルカーバメート、硫化モリブデンジプロピルカーバメート、硫化モリブデンジブチルカーバメート、硫化モリブデンジペンチルカーバメート、硫化モリブデンジヘキシルカーバメート、硫化モリブデンジオクチルカーバメート、硫化モリブデンジデシルカーバメート、硫化モリブデンジドデシルカーバメート、硫化モリブデンジ2-エチルヘキシルカーバメート等がある。
Mo含有量は、組成物全量基準で0.02〜0.15質量%となるように使用するようにするとよい。

0024

また、この組成物は、ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩、及び有機ジサルファイド系硫黄化合物、チアジアゾール化合物、硫化オレフィン、硫化魚油及び硫化鯨油よりなる硫黄化合物を含まないことが好ましい。特にジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛は、硫化モリブデンジアルキルカーバメート、ジアルキルジチオリン酸亜鉛と相互作用し、それぞれの化合物配位子同士の交換反応が発生することが知られ、場合によっては沈殿を起こすことがある。このため、上記ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩等は使用しないことが好ましい。
そして、S-S結合を持つ活性な硫黄化合物である有機ジサルファイドやチアジアゾール化合物、硫化オレフィン、硫化魚油及び硫化鯨油よりなる硫黄化合物は、金属との反応性が高く、NOx還元触媒(De-NOx触媒)や、排気ガス後処理装置に対して悪い影響を与える可能性が有り、本発明への使用は好ましくない。

0025

本発明の潤滑油組成物には、必要に応じて、その他の添加剤として金属系清浄剤無灰清浄剤無灰分散剤防錆剤金属不活性化剤酸化防止剤粘度指数向上剤流動点降下剤消泡剤などから選択される少なくとも1種を含有することができる。
更に、その他の添加剤として、ゴム膨潤剤無灰系摩擦調整剤から選択される少なくとも1種を含有させることができる。これらの添加剤は、単独で配合されていてもよいし、複数種類が混合されて配合されていてもよい。

0026

上記金属系清浄剤としては、アルカリ土類金属スルホネートアルカリ土類金属フェネート及びアルカリ土類金属サリシレートから選択される少なくとも1種のアルカリ土類金属清浄剤がある。
これらの金属系清浄剤は、通常、軽質潤滑油基油等で希釈された状態で市販されており、また入手可能であるが、その金属含有量が1〜20質量%のものを用いることが好ましく、2〜16質量%のものを用いることが更に好ましい。
上記アルカリ土類金属清浄剤の塩基価は特に限定されないが、500mgKOH/g以下が好ましく、150〜450mgKOH/gが更に好ましい。ここで、塩基価は、JIS K2501の「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」の「9.」(過塩素酸法)に準拠して測定される塩基価である。

0027

潤滑油組成物中の金属系清浄剤の含有量は特に限定されるものではないが、潤滑油組成物全量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜8質量%であることが更に好ましく、0.7〜5質量%であることが特に好ましい。
10質量%を超えると、排気ガスの後処理装置、特にDPF(Diesel Particulate Filter)の目詰まりを早期に起こす原因になり易い。
無灰清浄剤としては、有機基置換サリチル酸スルホン酸、及び有機基置換硫黄酸を、チアジアゾールまたは有機基置換チアジアゾール、若しくはアルキル1級または2級アミンと反応させて得られるものがある。これら無灰清浄剤を使用して、金属系清浄剤の換わりに用いることもできる。

0028

上記無灰分散剤としては、一般に内燃機関用の潤滑油組成物に用いられる適宜の無灰分散剤を使用することができる。こうした無灰分散剤としては、例えば、ポリオレフィンから誘導されるアルケニル基若しくはアルキル基を有するコハク酸イミドベンジルアミンポリアミンマンニッヒ塩基等の含窒素化合物がある。また、これらの含窒素化合物にホウ酸ホウ酸塩等のホウ素化合物、(チオリン酸,(チオ)リン酸塩などのリン化合物有機酸ヒドロキシ(ポリ)オキシアルキレンカーボネート等を作用させた誘導体等が挙げられる。

0029

本発明においてはこれらの中から任意に選ばれる1種類、あるいは2種類以上を配合することができる。ここで上記アルケニル基若しくはアルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、具体的にはプロピレン,1−ブテン,イソブチレン等のオレフィンのオリゴマーや、エチレンとプロピレンのコオリゴマーから誘導される分岐状アルキル基分岐状アルケニル基等が挙げられる。この中で数平均分子量が700〜5000、特に900〜5000のポリブデンやポリイソブテンから誘導される分岐状アルキル基や分岐状アルケニル基であることが好ましい。

0030

この無灰分散剤の重量平均分子量は3000〜20000であり、好ましくは4000〜15000である。重量平均分子量が3000未満では、非極性基ポリブテニル基の分子量が小さくスラッジ分散性が劣り、20000を超えると低温粘度特性の悪化が考えられる。
この無灰分散剤は、上記したものの中から任意に選ばれる1種類又は2種類以上を配合して用いることができる。好ましい無灰分散剤としては、ビスタイプポリブテニルコハク酸イミド、ビスタイプのポリブテニルコハク酸イミドの誘導体、ホウ酸で処理したビスタイプのポリブテニルコハク酸イミド、又はこれらの混合物がある。

0031

上記無灰分散剤の含有量は組成物の全量に対して、窒素元素換算で0.005質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、更に好ましく0.05質量%以上であり、また、2.0質量%以下、好ましくは1.5質量%以下、更に好ましは1.0質量%以下である。
無灰分散剤の含有量が窒素元素換算で0.005質量%未満の場合は、スーツ(Soot)やスラッジに対して十分な清浄性効果が発揮できないことがある。また、2.0質量%を超える場合は、低温粘度特性が悪化する場合がある。

0033

金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリンピリミジン誘導体ベンゾチアゾールベンゾトリアゾール又はその誘導体、2−メチル−2−イミダゾリン、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(アルキルジチオベンゾイミダゾール、β−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル、1,2,3ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。これら金属不活性剤は銅や鉛、もしくはそれらの合金が内燃機関の部品に使用される場合、腐食をおさえるために使用される。使用量は全量に対して好ましくは0.01質量%から0.3質量%と少なく、0.01質量%未満では腐食防止の効果が見られず、また0.3質量%を超えて使用すると熱安定性を低下させて好ましくない。

0034

無灰系酸化防止剤としては、例えば、芳香族アミン化合物であるアルキルジフェニルアミン、アルキルナフチルアミンフェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン等の潤滑油用として一般に使用される公知のアミン系酸化防止剤がある。また、4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)等の公知のフェノール系酸化防止剤を単独で若しくは複数組み合わせたものがある。そして、上記アミン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤を組み合わせたものも挙げられる。

0035

上記粘度指数向上剤としては、非分散型粘度指数向上剤等を挙げることができる。この非分散型粘度指数向上剤には、例えば、ポリメタクリレートエチレン−プロピレン共重合体スチレンジエン共重合体ポリイソブチレンポリスチレン等のオレフィンポリマー類を挙げることができる。
また下記の化学式(3)で表わされるマクロモノマーと下記の式(4)で表わされる(メタアクリル系のモノマーとの共重合で得られる櫛型ポリマー等を単独で、あるいは組み合わせ使用することもできる。

0036

[化3]

R1—[-A-]n—[-A’-]m−CH2CH2-O—CO−C(R’)=CH2(3)

上記式3において、R1は炭素数が1から6のアルキル基またはアリール基,R’は水素またはメチル基、Aは炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいブタジエンの1,4−付加によって形成されたものであるか、または炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいスチレンのビニル付加によって形成されたものであり、A’は炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいブタジエンの1,2付加によって形成されたものであるか、または炭素数1〜6のアルキル基で置換されていてもよいスチレンのビニル付加によって形成されたものであり、nおよびmは、0以上の整数であり、n+mは7〜3000の整数、好ましくは10〜3000の整数である。
[化4]
H2C=C(R’)—CO—OR2 (4)

上記式4において、R2は炭素数が1〜26のアルキル基、R’は水素またはメチル基を示す。
この粘度指数向上剤は、潤滑油組成物全体に対して、0.05〜20質量%で使用すると良い。

0037

流動点降下剤は、潤滑油基油性状に応じて、公知の流動点降下剤を任意に選択することができるが、ポリメタクリレートを用いることが好ましい。この流動点降下剤は潤滑油組成物の低温流動性を向上させることができて好ましく、上記ポリメタクリレートの重量平均分子量は1万〜30万程度、好ましくは5万〜25万程度である。この流動点降下剤は、潤滑油組成物全量に対して、0.05〜20質量%となるように使用するとよい。

0038

上記消泡剤としては、潤滑油組成物用の消泡剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能である。例えば、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系消泡剤フッ素変性シリコーンであるフルオロシリコーン等のフッ素系消泡剤ポリアクリレート系を挙げることができる。また、これらの中から任意に選ばれた1種類又は2種類以上の化合物を任意の量で配合して、消泡剤として使用することができる。

0039

上記ゴム膨潤剤としては、各種アミン化合物エステル類等を挙げることができる。
また、無灰系摩擦調整剤(Friction Modifier:FM)としては、例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン脂肪酸アミド中性リン酸エステルリン酸エステルのアミン塩、チオリン酸エステルなどを挙げることができる。この無灰系摩擦調整剤は、主に摩擦を下げるために、潤滑油組成物全量に対して0.1〜1質量%の少量を添加して使用することができる。

0040

本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
表1に示す組成を有する実施例及び比較例の潤滑油組成物を調製した。なお、潤滑油組成物の調製に用いた各成分は次のとおりである。

0041

(1)基油1:高度水素化分解、異性化型水素化脱ろう基油、動粘度2.7mm2/s(100℃)、10.3mm2/s(40℃)、粘度指数92、硫黄分0.01質量%未満(JIS K2265-4放射線励起法)、NOACK蒸発減量44.8質量%(250℃、20mmH2O減圧下、1時間、ASTMD5800)、ガスクロ蒸留380℃以下の合計留分46.4質量%(ASTM D2887)、n-d-M環分析による%CAは0、%CNは9.2、%CPは90.8(ASTM D3238)、API基油分類でグループ2
(2)基油2:高度水素化精製鉱油、動粘度4.2mm2/s(100℃)、20.4mm2/s(40℃)、粘度指数109、硫黄分0.01質量%未満(同上法)、NOACK蒸発減量26.4質量%(同上法)、ガスクロ蒸留380℃以下の合計留分21.0質量%(同上法)、n-d-M環分析 %CAは0、%CNは32.3、%CPは67.7(同上法)、API基油分類でグループ2
(3)基油3:高度水素化分解、異性化型水素化脱ろう基油、動粘度4.1mm2/s(100℃)、17.9mm2/s(40℃)、粘度指数128、硫黄分0.01質量%未満(同上法)、NOACK蒸発減量14.2質量%(同上法)、ガスクロ蒸留380℃以下の合計留分2.4質量%(同上法)、n-d-M環分析 %CAは0、%CNは7.9、%CPは92.1(同上法)、API基油分類でグループ3

0042

(4)ZnDTP−1:アルキル基が1級の2-エチルヘキシル基であるもの。溶媒として流動パラフィン10質量%含む。各元素量は、亜鉛:7.7質量%、リン:7.1質量%、硫黄:15.5質量%である。
(5)ZnDTP−2:アルキル基が、2級の4-メチル-2-ペンチル基と4-メチル-2ブチル基の化学混合体。溶媒として流動パラフィンを33質量%含む。各元素量は、亜鉛:7.6質量%、リン:7.2質量%、硫黄:14.8質量%である。
(6)MoDTC:アルキル基がC8とC13の混合である硫化モリブデンジアルキルジチオカーバメートをナフテン系鉱油に溶解したもの。Moの含有量は4.5質量%である。

0043

(7)粘度指数向上剤:非分散型のポリメタアクリレート系粘度指数向上剤であり、数平均分子量28万,重量平均分子量29万、及びZ平均分子量30万のもの。
分子量については、昭和電工株式会社製、高速液体クロマトグラフィーのShodex GPC−101を使用し、測定条件は、温度は40℃、検出器示差屈折率検出器RI)、キャリア流量はTHF−1.0ml/min(Ref 0.3ml/min)、試料注入量は100μl、カラムは{KF−G(Shodex)×1、KF−805L(Shodex×2)}、とし、ピークの分子量2,600〜690,000に相当する範囲を使用して、平均分子量(ポリスチレン換算における重量平均分子量、数平均分子量及びZ平均分子量)を解析(算出)した。
(8)添加剤パッケージ:API−SN/CF用のパッケージからZnDTPを除いたものであり、このパッケージにはZnDTP及びMoDTCを含有しない。またパッケージには無灰系のホウ酸変性コハク酸イミドとホウ酸を含まないコハク酸イミドを含有し、窒素含有量として0.7質量%含む。また過塩基性の2種類のカルシウムサリシレートカルシウム濃度として2.6質量%含む。さらに無灰系のアミン系及びフェノール系の酸化防止剤を含有し、アミン系の酸化防止剤はパッケージ添加剤中に窒素量として0.45質量%含有する。
(9)消泡剤:ジメチルポリシロキサン(DCF)を3質量%含有する灯油溶液

0044

上記実施例及び比較例の性状、性能を調べるために、以下に示す動粘度、粘度指数、Mo含有量、リン含有量、窒素含有量、ガスクロ蒸留、シェル四球試験、SRV試験、NOACK試験、ISOT試験を行った。行った試験の結果は、表1に記載した。

0045

〔動粘度〕
JIS K2283に基づいて、上記実施例1〜2及び比較例1〜6の各潤滑油組成物について、40℃動粘度(mm2/s)、100℃動粘度(mm2/s)を求めた。
〔粘度指数〕
JIS K2283に基づいて、上記実施例1〜2及び比較例1〜6の各潤滑油組成物について、粘度指数を求めた。
HTHS粘度〕
ASTMD5481に基づいて、上記実施例1〜2及び比較例1〜6の各潤滑油組成物について、150℃における値(mPa・s)を求めた。
〔CCS粘度〕
ASTM D5293に基づいて、上記実施例1〜2及び比較例1〜6の各潤滑油組成物について、−35℃における値(mPa・s)を求めた。

0046

〔ガスクロ蒸留〕
ASTMD2887に準拠して、使用した基油についてガスクロ蒸留を行い、380℃以下の留分の合計量(質量%)を求めた。
評価基準: 10質量%未満・・・・○
10質量%以上・・・・×

0047

〔シェル四球試験〕
(40℃):40℃×1800rpm×40kg×30minの条件下において、摩耗痕径(mm)を求めた。
評価基準: 0.6mm未満・・・・○
0.6mm以上・・・・×
(80℃):80℃×1800rpm×40kg×30minの条件下において、摩耗痕径(mm)を求めた。
評価基準: 0.6mm未満・・・・○
0.6mm以上・・・・×

0048

〔SRV試験〕
(室温):ASTMD6425に基づいて、荷重400N、振動数50Hz、振幅1.5mm、油温室温条件として、SRV摩擦試験機を用いてシリンダーディスク同士摺動摩擦試験を行った。摩擦係数が低いものほどエンジンの摩擦低減効果に優れ、省燃費性能に優れることを示す。ここでは、試験開始後30分後の摩擦係数を計測した。
評価基準: 0.08未満・・・・○
0.08以上・・・・×
(80℃):ASTM D6425に基づいて、荷重400N、振動数50Hz、振幅1.5mm、油温を80℃として、SRV摩擦試験機を用いてシリンダー/ディスク同士の摺動摩擦試験を行った。摩擦係数が低いものほどエンジンの摩擦低減効果に優れ、省燃費性能に優れることを示す。ここでは、試験開始後30分後の摩擦係数を計測した。
評価基準: 0.08未満・・・・○
0.08以上・・・・×

0049

〔NOACK試験〕
ASTMD5800に基づき、250℃、20mmH2Oの減圧下において1時間後の重量の減少率(質量%)を測定する。
評価基準: 15質量%未満・・・・○
15質量%以上・・・・×
〔ISOT試験〕
(粘度増加)試験機器及び試験方法はJIS K2514に準拠し、試料中に触媒を浸し、165℃で96時間、かき混ぜ棒で試料をかき混ぜて酸化させた後、新油の性状と比較し、40℃粘度増加率(%)を以下の式により求める。
40℃粘度増加率%=
100×(試験後の劣化油の40℃動粘度−試験前の新油の40℃動粘度)/(試験前の新油の40℃動粘度)
評価基準: 10%未満・・・・○
10%以上・・・・×
酸価増加
JIS K2501の中和価試験方法のうちの、電位差滴定法により、ISOT後の酸価から新油時の酸価を引いて、新油時に対する変化量を求めた。
酸価増加量(mgKOH/g)=(ISOT後の酸価)−(新油時の酸価)
評価基準: 2mgKOH/g未満・・・・○
2mgKOH/g以上・・・・×
ラッカー,スラッジの有無)
ISOT後の潤滑油組成物について、ラッカー,スラッジの有無を目視で確認した。

0050

(考察・評価)
実施例1は、基油として基油1と基油3の混合物を使用し、ZnDTP-1のみと、MoDTCを使用したもので、基油のガスクロ蒸留の380℃以下の留分が5.1質量%以下で蒸発性が低いし、潤滑剤組成物の高温高せん断粘度(HTHS粘度)は2.0mPa・sであった。シェル四球試験の摩耗痕径も40℃で0.48mm、80℃で0.55mmと小さいし、SRV試験の摩擦係数も0.060と低い。また、NOACK蒸発損失が14.6質量%と低いし、ISOTにおける高温酸化安定性試験後の40℃における粘度変化が4.3%と低い値を示している。このようにいずれも評価基準を上回っており、オイルの消費も少なく、熱にも耐えて、長期間安定的に使用することができる好ましい潤滑剤組成物である。
実施例2のものは、ZnDTPについてZnDTP-1のリン含有量とZnDTP-2のリン含有量を0.75:0.25の割合で併用し、他の組成物は実施例1と同様にしたもので、基油のガスクロ蒸留の380℃以下の留分が5.1質量%以下、潤滑剤組成物の高温高せん断粘度(HTHS粘度)も2.0mPa・sと実施例1と同様に低い。シェル四球試験の摩耗痕径も40℃で0.46mm、80℃で0.59mmと小さいし、SRV試験の摩擦係数も0.064と低い。また、NOACK蒸発損失が14.5質量%と低いし、ISOTにおける高温酸化安定性試験後の40℃における粘度変化が4.6%と低い値を示している。このものにおいてもいずれも評価基準を上回っており、オイルの消費も少なく、熱にも耐えて、長期間安定的に使用することができる好ましいものである。

0051

これに対して、比較例1、2及び3のものは、使用する基油のガスクロ蒸留の380℃以下の留分が10質量%以上を示すため、基油の蒸発性が高く、NOACK蒸発損失が15質量%以上と高いことからオイル消費が高くなってしまう傾向となる。またISOTにおける高温酸化安定性試験の試験後の40℃における粘度変化が10%以上と高く長期の使用に耐えることができない。
比較例4及び6はモリブデン系摩擦調整剤のMoDTCを含まないため、SRV試験の40℃、80℃のいずれにおいても摩擦係数は0.08以上を示していて有効な省燃費性を得ることができない。
また、比較例5は基油の380℃以下のガスクロ蒸留の留分が10質量%以下であり、MoDTCも上記実施例と同様にモリブデン含有量として0.090質量%配合されている。しかし使用されるZnDTPの1級のリン含有量と2級のリン含有量の配合割合が、0.25:0.75と、2級のリン含有量の割合が多いため、シェル四球試験の高温条件(80℃)における摩耗痕径が0.86mmと悪化しており、またSRV試験の摩擦係数も温度条件が高い80℃の場合には、MoDTCが活性化されて良好な摩擦低減効果が得られているが、低温(室温)時における摩擦係数は0.080と高く有効な省燃費性が得られていない。

実施例

0052

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