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課題
解決手段
概要
背景
概要
発送元に受入先の細胞IDを強要することなく、発送元が異なったルールで付与した細胞IDを用いて、発送元から搬入された複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞を確実に保管することが可能な細胞保管システム等を提供すること。細胞保管システムSは、複数の容器が入れられた箱等に設けられた記録媒体から発送元IDを読み取る記録媒体読取装置と、容器に設けられた記録媒体から複数の容器に入れられた各種細胞に発送元が付与した発送元細胞IDを読み取る記録媒体読取装置と、これらの装置から読み取った情報を送信する管理者端末装置と、管理者端末装置から受信した情報に基づいて、複数の容器に入れられた各種細胞に付与された発送元細胞IDが重複しているか否かを判定し、重複していないと判定した場合に、発送元IDと発送元細胞IDに基づいて受入先固有の受入先細胞IDを設定するサーバ装置と、を備える構成を有している。
目的
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、発送元に受入先の細胞IDを強要することなく、発送元が異なったルールで付与した細胞IDを用いて、発送元から搬入された複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞を確実に保管することが可能な細胞保管システム等を提供する
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請求項1
細胞が入れられた複数の容器を細胞保管装置に保管するための細胞保管システムであって、前記複数の容器を発送した発送元に付与された固有の発送元識別情報を取得する発送元識別情報取得手段と、前記発送元が前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した固有の発送元細胞識別情報を取得する発送元細胞識別情報取得手段と、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された前記発送元細胞識別情報が重複しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が重複していないと判定した場合に、前記発送元識別情報と前記発送元細胞識別情報に基づいて、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に受入先固有の受入先細胞識別情報を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする細胞保管システム。
請求項2
請求項1に記載の細胞保管システムにおいて、前記判定手段が重複していると判定した場合に、前記判定手段は、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に前記受入先細胞識別情報を設定しないで、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した前記発送元細胞識別情報が重複する旨を通知する、細胞保管システム。
請求項3
請求項1に記載の細胞保管システムにおいて、前記判定手段が重複していると判定した場合に、前記判定手段は、前記発送元細胞識別情報が重複している2以上の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に前記受入先細胞識別情報を設定しないで、前記2以上の容器にそれぞれ入れた各種細胞に付与された前記発送元細胞識別情報が重複する旨を通知する、細胞保管システム。
請求項4
請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞保管システムにおいて、前記設定手段は、前記複数の容器を受け入れたロット毎にロット識別情報を付与し、前記判定手段が重複していないと判定した場合に、前記発送元識別情報と前記発送元細胞識別情報と前記ロット識別情報に基づいて、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に受入先細胞識別情報を設定する、細胞保管システム。
請求項5
請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞保管システムにおいて、所与の情報を記録する記録手段を更に備え、ユーザの操作によって、細胞に設定した受入先細胞識別情報と、該細胞が入れられた前記容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報とを検知すると、前記設定手段は、前記細胞の培養物に新たな受入先細胞識別情報を設定し、前記記録手段は、前記所与の情報として、前記設定手段が前記培養物に設定した新たな受入先細胞識別情報と、前記容器から取り出した細胞に設定した前記受入先細胞識別情報と、を関連付けて記録する、細胞保管システム。
請求項6
細胞が入れられた複数の容器を細胞保管装置に保管するための細胞保管システムを、前記複数の容器を発送した発送元に付与された固有の発送元識別情報を取得する発送元識別情報取得手段、前記発送元が前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した固有の発送元細胞識別情報を、前記容器に設けられた記録媒体から取得する発送元細胞識別情報取得手段、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された前記発送元細胞識別情報が重複しているか否かを判定する判定手段、及び前記判定手段が重複していないと判定した場合に、前記発送元識別情報と前記発送元細胞識別情報に基づいて、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に受入先固有の受入先細胞識別情報を設定する設定手段、として機能させることを特徴とするプログラム。
請求項7
細胞が入れられた複数の容器を細胞保管装置に保管するための細胞保管システムであって、発送元が前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した固有の発送元細胞識別情報を、前記容器に設けられた記録媒体から読み取る読取装置と、前記複数の容器を発送した発送元に付与された固有の発送元識別情報と前記発送元細胞識別情報に基づいて前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に受入先固有の受入先細胞識別情報を設定する設定装置と、を備え前記設定装置が、前記複数の容器を発送した発送元に付与された固有の発送元識別情報を取得する発送元識別情報取得手段と、前記読取装置によって読み取られた前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された前記発送元細胞識別情報を取得する発送元細胞識別情報取得手段と、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された前記発送元細胞識別情報が重複しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が重複していないと判定した場合に、前記発送元識別情報と前記発送元細胞識別情報に基づいて、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に受入先固有の受入先細胞識別情報を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする細胞保管システム。
請求項8
請求項7に記載の細胞保管システムにおいて、細胞を入れた前記容器に設けられ、細胞に付与された前記受入先細胞識別情報が記録された記録媒体を発行する発行装置と、前記記録媒体から前記受入先細胞識別情報を読み取る受入先細胞識別情報読取装置と、を更に備え、前記判定手段が重複していないと判定した場合に、前記発行装置は、前記受入先細胞識別情報が記録された記録媒体を発行し、前記受入先細胞識別情報読取装置が、前記記録媒体から前記受入先細胞識別情報を読み取った場合に、当該受入先細胞識別情報を前記容器に入れられた細胞に設定する、細胞保管システム。
請求項9
細胞が入れられた複数の容器を細胞保管装置に保管するための細胞保管システムを用いて、細胞を保管する細胞保管方法であって、前記複数の容器を発送した発送元に付与された固有の発送元識別情報を取得するステップと、前記発送元が前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した固有の発送元細胞識別情報を取得するステップと、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された前記発送元細胞識別情報が重複しているか否かを判定するステップと、前記判定手段が重複していないと判定した場合に、前記発送元識別情報と前記発送元細胞識別情報に基づいて、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に受入先固有の受入先細胞識別情報を設定するステップと、を含むことを特徴とする細胞保管方法。
技術分野
背景技術
0002
再生医療や不妊治療のために、生体から採取した細胞を保管するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、生体から採取した細胞に識別情報を付与して受入、分離、分化誘導、培養、保存、検査、及び、出荷のうち少なくとも2以上のプロセスを含む一連のプロセスを行う際に細胞を管理する細胞管理システムが提案されている。
先行技術
0003
特開2005−332046号公報
発明が解決しようとする課題
0004
しかしながら、特許文献1で提案されたシステムでは、複数の病院や研究施設等の発送元から細胞保管施設等の受入先に搬送された細胞を保管する場合、複数の病院や研究施設がそれぞれ異なったルールで細胞識別情報(細胞ID)を付与するため、付与された細胞IDが発送元で一意であるとは限らず、また、複数の発送元から細胞を受け入れた受入先で細胞IDが必ずしも一意であるとは限らない。そのため、発送元に受入先の細胞IDを強要することがあり、発送元にとって不便を強いる場合も多い。
0005
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、発送元に受入先の細胞IDを強要することなく、発送元が異なったルールで付与した細胞IDを用いて、発送元から搬入された複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞を確実に保管することが可能な細胞保管システム等を提供することにある。
課題を解決するための手段
0006
上述した課題を解決するため、本発明に係る細胞保管システム等は、細胞が入れられた複数の容器を細胞保管装置に保管するための細胞保管システム等であって、前記複数の容器の発送元に付与された固有の発送元識別情報を取得する発送元識別情報取得手段と、前記発送元が前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した固有の発送元細胞識別情報を取得する発送元細胞識別情報取得手段と、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された前記発送元細胞識別情報が重複しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が重複していないと判定した場合に、前記発送元識別情報と前記発送元細胞識別情報に基づいて、前記複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に受入先固有の受入先細胞識別情報を設定する設定手段と、を備える構成を有している。
発明の効果
0007
本発明に係る細胞保管システム等は、発送元に受入先の細胞IDを強要することなく、発送元が異なったルールで付与した細胞IDを用いて、発送元から搬入された複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞を確実に保管することができる。
図面の簡単な説明
0008
本発明に係る細胞保管システムの一実施形態の構成を示す構成図である。
一実施形態の細胞保管システムに用いる管理者端末装置の構成を示すブロック図である。
一実施形態の細胞保管システムに用いるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
一実施形態におけるサーバ装置内の受入細胞データベースに記録される、ロットIDとそのロットIDに関連付けた各種情報の一例を示す図である。
一実施形態におけるサーバ装置内の受入細胞データベースに記録される、容器に入れられた細胞に対する依頼者ID、ロットID、依頼者細胞ID、管理者細胞ID、管理者細胞ID付与時刻、有効化の有無等を関連付けた情報の一例(その1)を示す図である。
一実施形態におけるサーバ装置内の受入細胞データベースに記録される、容器に入れられた細胞に対する依頼者ID、ロットID、依頼者細胞ID、管理者細胞ID、管理者細胞ID付与時刻、有効化の有無等を関連付けた情報の一例(その2)を示す図である。
一実施形態の細胞保管システムにおいて実行されるロットIDを設定するための処理を示すフローチャートである。
一実施形態の細胞保管システムにおいて実行される管理者細胞IDを付与するための処理を示すフローチャートである。
一実施形態の細胞保管システムにおいて実行される依頼者細胞IDの重複を判定するための処理を示すフローチャートである。
一実施形態の細胞保管システムにおいて実行される画像データを出力するための処理を示すフローチャートである。
一実施形態の細胞保管システムにおいて実行される新たな管理者細胞IDを設定するための処理を示すフローチャートである。
一実施形態の細胞保管システムにおいて実行される記録媒体を発行するための処理を示すフローチャートである。
実施例
0009
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、管理者端末装置と、当該管理者端末装置とネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を有する細胞保管システムに対し、本発明に係る細胞保管システム及び細胞保管方法を適用した場合の実施形態である。ただし、本発明は、その技術的思想を含む範囲内で以下の実施形態に限定されない。
0010
[1]細胞保管システムの構成及び概要
まず、図1を用いて本実施形態における細胞保管システムSの構成及び概要について説明する。なお、図1は、本実施形態における細胞保管システムSの構成を示すシステム構成図である。図1においては、2つの管理者端末装置10を示しているが、管理者端末装置10は1つでもあっても、2以上であっても構わない。
0011
本実施形態の細胞保管システムSは、病院や研究施設等の発送元である依頼者から搬入された、各種細胞が入った複数の容器を受け入れて、適した環境、例えば、細胞を培養する培養装置、細胞を冷凍保管する液体窒素タンクやディープフリーザ等の冷凍庫、細胞を冷蔵保管する冷蔵庫等で保存管理するためのシステムである。
0012
特に、本実施形態の細胞保管システムSは、病院や研究施設等の発送元である依頼者から保管を依頼された複数の容器に保持された各種細胞に発送元である依頼者が付与した固有の発送元細胞識別情報(以下、「依頼者細胞ID」という。)が、複数の容器を保存管理する受入先が受け入れた複数の容器のロット内において重複しているか否かを確認し、重複していない場合に受入先である管理者に固有の受入先細胞識別情報(以下、「管理者細胞ID」という。)を設定し、各細胞を細胞保管装置に保管するためのシステムである。
0013
なお、本実施形態においては、ロットとは、発送元である依頼者から保管を依頼された際の複数の容器毎の単位を示す。
0014
具体的には、本実施形態の細胞保管システムSは、図1に示すように、発送元である依頼者が発送した複数の容器に保持された各種細胞の保存及び管理をする管理者が所持する複数の管理者端末装置10と、ネットワーク30と、サーバ装置40と、ネットワーク30に接続された基地局BSと、を有している。なお、容器に入れられる細胞は、例えば、卵細胞、精細胞、線維芽細胞、造血幹細胞、神経幹細胞、培養細胞、ハイブリドーマ等の各種細胞であり、各容器には通常1種の細胞が入れられる。
0015
ネットワーク30は、例えば、携帯電話網を含む公衆電話回線網(以下、「長距離通信ネットワーク」という)、近距離無線ネットワーク等のIP(Internet Protocol)ネットワーク、又は、その双方が相互接続されて構成されている。ただし、当該ネットワーク30の構成は、これに限られない。
0016
管理者端末装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型情報端末装置、スマートフォン、又はワークステーション等の情報通信端末装置である。特に、管理者端末装置10は、記録媒体読取装置11に接続され、発送元である依頼者が発送した複数の容器(細胞入り)が入った箱等に設けられた記録媒体から、病院や研究施設等の発送元に付与された固有の発送元識別情報(以下、「依頼者ID」という。)を読み取る処理を実行し、かつ、細胞入りの各容器に設けられた記録媒体から、該記録媒体に記録された依頼者細胞ID等の情報を読み取る処理等を実行する構成を有している。
0017
そして、管理者端末装置10は、記録媒体発行装置12に接続され、容器に入れられた細胞に付与された管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を発行(印刷)する処理、及び、細胞の培養物に設定された、受入先である管理者に固有の新たな受入先細胞識別情報(以下、「新たな管理者細胞ID」という。)等の情報を記録した記録媒体を発行(印刷)する処理等を実行する構成を有している。
0018
なお、依頼者細胞ID等の情報が記録された記録媒体は、依頼者が容器に貼り付けて容器に設けてもよいし、依頼者の依頼に基づいて管理者が容器に貼り付けて容器に設けてもよい。そして、管理者細胞ID等の情報が記録された記録媒体は、管理者が容器に貼り付けられる。
0019
また、記録媒体は、例えば、バーコード、2次元バーコード、英数文字コード等のコードが記録されたラベルであり、当該記録媒体には、依頼者細胞ID、管理者細胞ID、新たな管理者細胞ID等の情報が記録されている。
0020
さらに、記録媒体読取装置11は、例えば、依頼者細胞ID等の情報を含むバーコード又は2次元バーコードを読取可能なコードリーダーである。その他、
(ア)依頼者細胞ID等の情報を含む英数文字コード等を撮影して画像データを作成する、カメラ等の撮像機と、
(イ)該画像データから英数文字コードを読み取るOCR機と、
を備える装置であってもよい。そして、例えば、記録媒体発行装置12は、バーコード、2次元バーコード、英数文字コード等のコードをラベルに印刷する印刷装置等である。
0021
一方、管理者端末装置10は、サーバ装置40との間で通信を行うために、予め設定された管理者端末装置10毎に固有の識別情報(以下、「管理者端末装置ID」という。)を用いる。また、通信端末装置10は、XML(eXtensible Markup Language)等のマークアップ言語によって構築されたブラウザ機能を有し、当該ブラウザ機能を用いて管理者の操作入力指示及び操作確認を実行するとともに、当該ブラウザ機能を介してサーバ装置40とのデータの授受等を実行する。
0022
そして、管理者端末装置10は、依頼者が発送した各種の細胞が入れられている複数の容器を受け入れる際に、
(A1)記録媒体読取装置11によって当該複数の容器が入った箱等に設けられた記録媒体から読み取られた依頼者ID及び依頼者細胞ID等の情報をサーバ装置40に送信し、
(A2)当該依頼者ID及び依頼者細胞ID等の情報の送信に応じて、依頼者細胞IDが付与された細胞に付与された管理者細胞ID等の情報をサーバ装置40から受信し、
(A3)当該受信した管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を発行(印刷)する、
処理を実行する構成を有している。なお、例えば、発行された記録媒体は、管理者が、依頼者細胞ID等の情報が記録された記録媒体を備える容器に、貼り付けることによって該容器に設けられる。
0023
また、管理者端末装置10は、管理者の入力操作等により、複数の容器の受け入れが終了した際に、すなわち、記録媒体読取装置11によって複数の容器に設けられた各記録媒体から依頼者細胞ID等の情報の読み取りが終了した際に、
(B1)複数の容器の受け入れが終了した旨の情報をサーバ装置40に送信し、
(B2)複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の受け付けが完了した旨の通知、あるいは、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨の通知をサーバ装置40から受信する、
構成を有している。
0024
さらに、管理者端末装置10は、保管中に、記録媒体読取装置11によって容器に設けられた記録媒体から管理者細胞ID等の情報を読み取る操作、及び、該容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報の入力操作等によって、細胞に設定された管理者細胞ID等の情報が読み取られたこと、及び該細胞が入れられた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報が入力されたことを検知した際には、
(C1)細胞に設定された管理者細胞ID及び該細胞が入れられた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報をサーバ装置40に送信し、
(C2)当該情報の送信に応じて、細胞の培養物に対して設定された新たな管理者細胞ID等の情報をサーバ装置40から受信し、
(C3)受信した管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を発行(印刷)する、
処理を実行する構成を有している。
0025
なお、(C3)において発行された記録媒体には、細胞の培養物に対して設定された新たな管理者細胞IDの他、培養前の細胞に設定された管理者細胞IDに関連付けてデータベース400に記録された依頼者ID等の情報が含まれていてもよい。また、当該発行された記録媒体は、例えば、管理者が、細胞の培養物が入れられた容器に貼り付けることによって該容器に設けられる。
0027
特に、サーバ装置40は、
・管理者端末装置ID、管理者端末装置IDに設定されたパスワード、及び管理者端末装置IDを有する管理者端末装置10のアクセス権限等を管理し、
・管理者端末装置10から送信された依頼者IDを受信すると、当該受信した依頼者ID、所定の処理によって設定した、複数の容器のロット毎のロット識別情報(以下、「ロットID」という。)、及び複数の容器の受け入れを開始した時刻等を関連付けてデータベース400に記録し、
・複数の容器に設けられた記録媒体に記録されている情報の読み取り指示を管理者端末装置10に通知する、
構成を有している。
0028
一方、サーバ装置40は、依頼者が発送した各種の細胞が入れられている複数の容器を受け入れる際に、
(a1)管理者端末装置10から送信された依頼者細胞ID等の情報を受信すると、当該受信した依頼者ID、設定したロットID及び依頼者細胞ID等に基づいて、容器に入れられた細胞に任意の管理者細胞IDを付与し、
(a2)依頼者ID、ロットID、依頼者細胞ID、付与した管理者細胞ID、及び管理者細胞IDを付与した時刻等を関連付けてデータベース400に記録し、
(a3)依頼者細胞IDが付与された細胞の管理者細胞ID等の情報を管理者端末装置10に通知する、
構成を有している。なお、管理者細胞ID等の情報には、依頼者細胞IDに関連付けてデータベース400に記録されているロットID等の情報が含まれていてもよい。
0029
また、サーバ装置40は、複数の容器の受け入れが終了した際に、
(b1)ロットID、依頼者ID、及び複数の容器の受け入れ開始時刻等を関連付けてデータベース400に記録した情報に、複数の容器の受け入れが終了した時刻を追記し、
(b2)複数の容器の受け入れを開始した時刻から、複数の容器の受け入れが終了した時刻の間に管理者細胞IDを付与した全ての細胞の依頼者細胞ID、すなわち、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDの全てをデータベース400から読み出し、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の依頼者細胞IDが重複しているか否かを判定し、
(b3)この判定の結果、重複していないと判定した場合には、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した管理者細胞IDの全てを有効化するための設定処理を実行するとともに、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の受け付けが完了した旨を管理者端末装置10に通知し、
(b4)この判定の結果、重複していると判定した場合には、上記有効化するための設定処理を行なわないで、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を管理者端末装置10に通知する、
構成を有している。
0030
さらに、サーバ装置40は、保管中に管理者端末装置10から細胞に設定された管理者細胞ID及び該細胞が入れられた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報等の情報を受信した際には、
(c1)容器から取り出した細胞の培養物に新たな管理者細胞IDを付与し、
(c2)細胞の培養物に付与した新たな管理者細胞ID及び新たな管理者細胞IDを付与した時刻等を関連付けてデータベース400に記録し、
(c3)細胞の培養物に付与した新たな管理者細胞IDと、管理者端末装置10から受信した、該細胞に設定された管理者細胞IDと、を関連付けてデータベース400に記録し、
(c4)新たな管理者細胞IDを有効化するための設定処理を実行し、
(c5)細胞の培養物に設定した新たな管理者細胞ID等の情報を管理者端末装置10に送信する、
構成を有している。
0031
このような構成により、本実施形態の細胞保管システムSにおいては、記録媒体読取装置11によって読み取られた、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に依頼者が付与した全ての依頼者細胞IDにおいて、依頼者細胞IDが重複しているか否かを判定し、重複していないと判定した場合に、取得した依頼者ID、依頼者細胞ID等に基づいて複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した管理者細胞IDを有効化するための設定処理を行なうことができるようになっている。
0032
したがって、本実施形態の細胞保管システムSにおいては、複数の容器を搬送する際に依頼者に管理者側の細胞IDを強要することなく、依頼者側の負荷を軽減することができるとともに、複数の容器のロット内において、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDの重複がないことを確認することによって、ローカルID(依頼者細胞ID)をグローバルID(管理者細胞ID)に変換することができるので、透過的な利用ができるとともに、依頼者から依頼された細胞を確実に保管することができるようになっている。
0033
また、本実施形態の細胞保管システムSにおいては、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に依頼者が付与した全ての依頼者細胞IDにおいて、依頼者細胞IDが重複していると判定した場合には、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を通知するので、複数の容器の受け入れ時に、依頼者から保管を依頼された各細胞の依頼者細胞IDに問題があることを把握することができるとともに、管理者は依頼者にそのことを速やかに連絡することができるようになっている。
0034
さらに、本実施形態の細胞保管システムSにおいては、ユーザの操作によって、細胞に設定した管理者細胞ID等の情報が読み取られたこと、及び該細胞を入れた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報が入力されたことを検知すると、細胞の培養物に新たな管理者細胞IDを付与して、培養物に設定した新たな管理者細胞IDと、容器から取り出した細胞に設定した管理者細胞IDと、を関連付けて記録し、管理者細胞IDを有効化するための設定処理を実行するので、細胞と、その細胞の培養物、例えば、細胞の分化細胞、細胞の継代培養細胞、細胞の組織培養物等と、を紐づけて管理することができるようになっている。
0036
本実施形態の管理者端末装置10は、図2に示すように、サーバ装置40と通信を行う通信制御部110と、記録媒体を発行するための処理を含む種々の処理を実行する記録媒体発行処理部140と、管理者端末装置10の各部を制御する管理者端末管理制御部130と、各部の制御に用いるROM/RAM150と、表示部160と、表示部160を制御する表示制御部161と、管理者の操作を入力するために用いる操作部170と、を有する。なお、上述の各部は、バスBによって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。
0037
通信制御部110は、所定のネットワークインターフェースであり、サーバ装置40と通信回線を構築し、サーバ装置40と種々のデータの授受を行う。
0038
特に、通信制御部110は、記録媒体読取装置11と連動しつつ、複数の容器が入った箱等に設けられた記録媒体から、記録媒体読取装置11によって読み取られた依頼者ID等の情報をサーバ装置40に送信する。
0039
通信制御部110は、サーバ装置40への依頼者ID等の情報の送信に応じて、複数の容器に設けられた記録媒体に記録されている情報の読み取り指示をサーバ装置40から受信する。
0040
また、通信制御部110は、記録媒体読取装置11と連動しつつ、容器に設けられた記録媒体から、記録媒体読取装置11によって読み取られた依頼者細胞ID等の情報をサーバ装置40に送信する。
0041
通信制御部110は、サーバ装置40への依頼者細胞ID等の情報の送信に応じて、依頼者細胞IDが付与された細胞に付与された管理者細胞ID等の情報をサーバ装置40から受信する。
0042
通信制御部110は、操作部170及び管理者端末管理制御部130と連動しつつ、管理者の操作部170を用いた入力操作等によって管理者端末管理制御部130が複数の容器の受け入れが終了した旨の情報が入力されたことを検知すると、複数の容器の受け入れが終了した旨の情報をサーバ装置40に送信する。
0043
通信制御部110は、サーバ装置40への複数の容器の受け入れが終了した旨の情報の送信に応じて、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の受け付けが完了した旨、あるいは、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨の通知をサーバ装置40から受信する。
0044
通信制御部110は、記録媒体読取装置11と連動しつつ、容器に設けられた記録媒体から、記録媒体読取装置11によって細胞に設定された管理者細胞ID等の情報が読み取られたことを検知すると、細胞に設定された管理者細胞ID等の情報をサーバ装置40に送信する。また、通信制御部110は、操作部170及び管理者端末管理制御部130と連動しつつ、管理者の操作部170を用いた入力操作等によって管理者端末管理制御部130が容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報が入力されたことを検知すると、容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報をサーバ装置40に送信する。
0045
通信制御部110は、サーバ装置40への、細胞に設定された管理者細胞ID及び該細胞が入れられた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報等の情報の送信に応じて、細胞の培養物に対して設定された新たな管理者細胞ID等の情報をサーバ装置40から受信する。
0046
記録媒体発行処理部140は、通信制御部110と連動しつつ、ROM/RAM150に記録されているアプリを実行することによって、管理者端末装置10の記録媒体発行処理を実現する。なお、記録媒体発行処理部140は、実装上、管理者端末管理制御部130を構成するCPU(中央処理装置)が、アプリを実行した際の機能として実現されるものであってもよい。
0047
記録媒体発行処理部140は、通信制御部110、サーバ装置40及び記録媒体発行装置12と連動し、通信制御部110を介してサーバ装置40から受信した、依頼者細胞IDが付与された細胞に付与された管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を発行する処理を実行する。
0048
具体的には、記録媒体発行処理部140は、サーバ装置40から受信した、依頼者細胞IDが付与された細胞の管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を、依頼者ID等の情報が記録された記録媒体が設けられた容器に対して発行するように記録媒体発行装置12に指示する。なお、この指示によって記録媒体発行装置12は、管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を、依頼者ID等の情報が記録された記録媒体が設けられた容器に対して発行し、発行された記録媒体は、管理者によって該容器に貼り付けられる。
0049
記録媒体発行処理部140は、通信制御部110、サーバ装置40及び記録媒体発行装置12と連動し、通信制御部110を介してサーバ装置40から受信した、細胞の培養物に設定された新たな管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を発行する処理を実行する。
0050
具体的には、記録媒体発行処理部140は、サーバ装置40から受信した、細胞の培養物に設定された新たな管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を、細胞の培養物が入れられた容器に対して発行するように記録媒体発行装置12に指示する。なお、この指示によって記録媒体発行装置12は、管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を、細胞の培養物が入れられた容器に対して発行し、発行された記録媒体は、管理者によって該容器に貼り付けられる。
0051
管理者端末管理制御部130は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、管理者端末装置10の各部を統合制御する。具体的には、管理者端末管理制御部130は、管理者の操作によるログイン要求に基づいて各管理者のログイン処理、及び、その他の各種の制御を行う。
0052
ROM/RAM150には、管理者端末装置10の駆動に必要な各種のプログラムが記録されている。特に、ROM/RAM150は、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられる。
0053
表示部160は、液晶素子又はEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、表示制御部161において生成された画像データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。
0054
表示制御部161は、記録媒体発行処理部140又は管理者端末管理制御部130の制御の下、表示部160に所定の画像を表示させるために必要な画像データを生成し、生成した画像データを当該表示部160に出力するようになっている。所定の画像としては、例えば、サーバ装置40から受信した、複数の容器に設けられた記録媒体に記録されている情報の読み取り指示、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の受け付けが完了した旨の通知、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨の通知等を示す画像を挙げることができる。
0055
操作部170は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキー等の多数のキー及び表示部160上に設けられたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。
0056
[3]サーバ装置
次に、図3〜図6を用いて本実施形態のサーバ装置40の構成について説明する。なお、図3は、本実施形態のサーバ装置40の構成を示すブロック図であり、図4は、本実施形態のサーバ装置40内の受入細胞データベース403に記録される、ロットIDとそのロットIDに関連付けた各種情報の一例を示す図であり、図5及び図6は、本実施形態のサーバ装置40内の受入細胞データベース403に記録される、容器に入れられた細胞に対する依頼者ID、ロットID、依頼者細胞ID、管理者細胞ID、管理者細胞ID付与時刻、有効化の有無、元細胞の管理者細胞ID等を関連付けた情報の一例を示す図である。
0057
本実施形態のサーバ装置40は、図3に示すように、管理者端末装置10の情報、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の保管を依頼した依頼者の情報、及び受け入れた各細胞に対する情報等の各種情報が記録されるデータベース400と、管理者端末装置10と通信を行う通信制御部410と、各種の処理を実行するデータ処理部420と、サーバ装置40の各部を制御するサーバ管理制御部430と、各部の制御に用いるROM/RAM440と、時刻管理を行うために用いるタイマー450と、を有する。なお、上述の各部は、バスBによって相互に接続され、各構成要素間におけるデータの転送が実行される。本実施形態のサーバ装置40は、例えば、本発明の、複数の容器を発送した発送元である依頼者に付与された依頼者IDと依頼者細胞IDに基づいて複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に管理者細胞IDを設定する設定装置を構成する。
0058
通信制御部410は、所定のネットワークインターフェースであり、管理者端末装置10と通信回線を構築し、管理者端末装置10と種々のデータの授受を行う。
0059
データベース400は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等により構成され、管理者端末装置データベース(以下、「管理者端末装置DB」と略す。)401、依頼者データベース(以下、「依頼者DB」と略す。)402、ロットデータベース(以下、「ロットDB」と略す。)403、及び受入細胞データベース(以下、「受入細胞DB」と略す。)404を有する。
0060
管理者端末装置DB401は、サーバ装置40が各種ネットワークサービスを提供する各管理者端末装置10の情報を管理するための各種情報が記録されるデータベースである。例えば、管理者端末装置DB401には、各管理者端末装置10に対応する管理者端末装置IDと、各管理者端末装置IDに設定されたパスワード、各管理者端末装置IDを有する管理者端末装置10のアクセス権限と、が対応付けて記録される。
0061
依頼者DB402は、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の保管を依頼した依頼者の情報が記録されるデータベースである。例えば、依頼者DB402には、依頼者IDと、依頼者の名称又は名前を示す依頼者名情報と、依頼者の所在地の情報と、依頼者の連絡先情報と、が対応付けて記録される。
0062
ロットDB403は、複数の容器に対するロットIDと、そのロットIDを管理するための各種情報が記録されるデータベースである。例えば、ロットDB403には、図4に示すように、
(1)複数の容器に対するロットIDと、
(2)依頼者IDと、
(3)受け入れ開始時刻と、
(4)受け入れ終了時刻と、
が対応付けて記録される。
0063
受入細胞DB404は、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞を管理するための各種情報が記録されるデータベースである。例えば、受入細胞DB404には、図5及び図6に示すように、
(1)容器に入れられた細胞に対する依頼者IDと、
(2)ロットIDと、
(3)依頼者細胞IDと、
(4)管理者細胞IDと、
(5)管理者細胞IDを付与した時刻(以下、「管理者細胞ID付与時刻」という。)と、
(6)管理者細胞IDの有効化の有無と、
(7)元細胞の管理者細胞IDと、
が対応付けられた情報が記録される。
0064
データ処理部420は、ROM/RAM440に記録されているアプリケーションに応じて各種のデータ処理を実行する。特に、データ処理部420は、設定部421と、記録部422と、判定部423と、を含む。なお、例えば、本実施形態の設定部421、記録部422、及び判定部423は、それぞれ本発明の割当手段、記録手段、及び設定手段を構成する。
0065
設定部421は、通信制御部410が依頼者ID等の情報を管理者端末装置10から受信することにより、依頼者IDを取得するとともに、複数の容器に対するロットIDを設定する。
0066
また、設定部421は、通信制御部410が依頼者細胞ID等の情報を管理者端末装置10から受信すると、設定部421が設定したロットID、設定部421が取得した依頼者ID、及び依頼者細胞ID等に基づいて、容器に入れられた細胞に任意の管理者細胞IDを付与する。なお、管理者細胞IDは、例えば、依頼者IDと、ロットIDと、依頼者細胞IDとの英数文字列を単に組み合わせたものであってもよいし、設定部421によって新たに付与された英数文字列であってもよいし、依頼者IDと、ロットIDと、依頼者細胞IDとの英数文字列を暗号化したものであってもよい。
0067
さらに、設定部421は、通信制御部410が細胞に設定された管理者細胞ID及び該細胞が入れられた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報等の情報を管理者端末装置10から受信すると、容器から取り出した細胞の培養物に新たな管理者細胞IDを付与する。
0068
判定部423は、通信制御部410が管理者端末装置10から複数の容器の受け入れが終了した旨の情報を受信すると、複数の容器の受け入れを開始した時刻から、複数の容器の受け入れが終了した時刻の間に管理者細胞IDを付与した全ての細胞に付与された依頼者細胞ID、すなわち、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDの全てを受入細胞DB404から読み出し、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDが重複しているか否かを判定する。
0069
また、判定部423は、重複していると判定した場合には、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を、通信制御部410を介して管理者端末装置10に通知する。
0070
記録部422は、設定部421が設定したロットID、設定部421が取得した依頼者ID、及び複数の容器の受け入れを開始した時刻等を関連付けてロットDB403に記録する。そして、記録部422は、複数の容器に設けられた記録媒体に記録されている情報の読み取り指示を、通信制御部410を介して依頼者ID等の情報を送信した管理者端末装置10に通知する。
0071
また、記録部422は、設定部421が取得した依頼者ID、設定部421が設定したロットID、管理者端末装置10から受信した依頼者細胞ID、設定部421が付与した管理者細胞ID、及び設定部421が管理者細胞IDを付与した時刻、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報等を関連付けて受入細胞DB404に記録する。そして、記録部422は、通信制御部410を介して、依頼者細胞IDが付与された細胞に付与した管理者細胞ID等の情報を管理者端末装置10に通知する。なお、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報は、受入細胞DB404に記録されている情報の「管理者細胞IDの有効化の有無」の欄に反映される。
0072
さらに、記録部422は、通信制御部410が管理者端末装置10から複数の容器の受け入れが終了した旨の情報を受信すると、ロットID、依頼者ID、及び複数の容器の受け入れ開始時刻等を関連付けてロットDB403に記録した情報に、複数の容器の受け入れが終了した時刻を追記する。
0073
一方、記録部422は、判定部423が重複していないと判定した場合には、それらの依頼者細胞ID、設定部421が取得した依頼者ID、及び設定部421が設定したロットID等に基づいて設定部421が複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した管理者細胞IDの全てを有効化するための設定処理を実行する。
0074
具体的には、記録部422は、受入細胞DB404に記録されている情報の「管理者細胞IDの有効化の有無」の欄を、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報から管理者細胞IDが有効であることを示す情報に更新する。
0075
そして、記録部422は、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の受け付けが完了した旨を、通信制御部410を介して管理者端末装置10に通知する。
0076
他方、記録部422は、設定部421が細胞の培養物に新たな管理者細胞IDを付与すると、新たな管理者細胞ID、設定部421が新たな管理者細胞IDを付与した時刻、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報等を関連付けて受入細胞DB404に記録する。また、記録部422は、細胞の培養物に付与された新たな管理者細胞IDに、元の細胞の管理者細胞ID、すなわち、通信制御部410が管理者端末装置10から、細胞が入れられた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報とともに受信した細胞に設定された管理者細胞IDを関連付けて受入細胞DB404に記録し、新たな管理者細胞IDを有効化するための設定処理を実行する。
0077
具体的には、受入細胞DB404に記録されている情報の「管理者細胞IDの有効化の有無」の欄を、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報から管理者細胞IDが有効であることを示す情報に更新する。
0078
なお、記録部422は、細胞の培養物に付与された新たな管理者細胞IDに、通信制御部410が管理者端末装置10から受信した、細胞に設定された管理者細胞IDを関連付けて受入細胞DB404に記録する際に、細胞に設定された管理者細胞IDに関連付けて受入細胞DB404に記録されている依頼者IDやロットID等を読み出し、細胞の培養物に付与された新たな管理者細胞IDに、読み出した依頼者IDやロットID等を関連付けて受入細胞DB404に記録してもよい。
0079
記録部422は、新たな管理者細胞IDを有効化するための設定処理を実行すると、細胞の培養物に設定した新たな管理者細胞ID等の情報を管理者端末装置10に送信する。
0080
サーバ管理制御部430は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することによって、サーバ装置40の各部を統合制御する。具体的には、サーバ管理制御部430は、管理者の操作による管理者端末装置10からのログイン要求に基づいて各管理者のログイン処理、及び、その他の各種の制御を行う。
0081
ROM/RAM440には、サーバ装置40の駆動に必要な各種のプログラムが記録されている。また、ROM/RAM440には、データ処理部420、及びサーバ管理制御部430によって実行される様々なアプリケーションが記録されている。そして、ROM/RAM440は、各プログラムの実行中にワークエリアとして用いられる。
0082
タイマー450は、記録部422が、複数の容器の受け入れを開始した時刻、設定部421が管理者細胞IDを付与した時刻、複数の容器の受け入れが終了した時刻、設定部421が新たな管理者細胞IDを付与した時刻等を記録する際に、必要な時刻を管理するために用いられる。
0083
[4]細胞保管システムの動作
次に、図7〜図12を用いて本実施形態の細胞保管システムSにおいて実行される具体的な処理について説明する。なお、図7は、細胞保管システムSにおいて実行されるロットIDを設定するための処理を示すフローチャートであり、図8は、細胞保管システムSにおいて実行される管理者細胞IDを付与するための処理を示すフローチャートであり、図9は、細胞保管システムSにおいて実行される依頼者細胞IDの重複を判定するための処理を示すフローチャートである。
0084
また、図10は、細胞保管システムSにおいて実行される画像データを出力するための処理を示すフローチャートであり、図11は、細胞保管システムSにおいて実行される新たな管理者細胞IDを設定するための処理を示すフローチャートであり、図12は、細胞保管システムSにおいて実行される記録媒体を発行するための処理を示すフローチャートである。
0085
[4.1]ロットIDを設定するための処理
まず、図7及び図10を用いて、本実施形態の細胞保管システムSにおいて実行されるロットIDを設定するための処理を説明する。本動作において、管理者端末装置10の通信制御部110は、管理者が、依頼者から保管の依頼を受けた複数の容器が入れられた箱等に設けられた記録媒体の情報を、記録媒体読取装置11で読み取るのを待機しているものとする。なお、この処理は、依頼者から保管を依頼された複数の容器を管理者が受け付けた際に行われる。
0086
この状態において、通信制御部110は、管理者端末管理制御部130が、複数の容器が入れられた箱等に設けられた記録媒体に記録された依頼者ID等の情報を記録媒体読取装置11によって読み取られたことを検知すると(ステップS100)、読み取られた依頼者ID等の情報をサーバ装置40に送信する(ステップS101)。そして、管理者端末管理制御部130は、サーバ装置40からのデータ受信を待機する状態に移行する。
0087
次いで、サーバ装置40において、設定部421は、通信制御部410を介して管理者端末装置10から依頼者ID等の情報を受信すると(ステップS200)、依頼者IDを取得し(ステップS201)、複数の容器に対するロットIDを設定する(ステップ202)。
0088
次いで、記録部422は、設定部421が設定したロットID、設定部421が取得した依頼者ID、及び複数の容器の受け入れを開始した時刻等を関連付けてロットDB403に記録する(ステップS203)。そして、記録部422は、複数の容器に設けられた記録媒体に記録されている情報の読み取り指示を、通信制御部410を介して管理者端末装置10に通知し(ステップS204)、サーバ管理制御部430は、本動作を終了させる。
0089
管理者端末装置10において、通信制御部110が、複数の容器に設けられた記録媒体に記録されている情報の読み取り指示をサーバ装置40から受信すると(ステップS130)、表示制御部161は、その通知の情報を表示させるために必要な画像データを生成する(ステップS121)。そして、表示制御部161は、画像データを表示部160に出力し(ステップS122)、管理者端末管理制御部130は、本動作を終了させる。管理者は、表示部160に出力された画像によって、記録媒体読取装置11を用いて、細胞が入れられた複数の容器にそれぞれ設けられた各記録媒体から依頼者細胞ID等の情報を読み取る操作を実施する。
0090
[4.2]管理者細胞IDを付与するための処理
次に、図8及び図12を用いて、本実施形態の細胞保管システムSにおいて実行される管理者細胞IDを付与するための処理を説明する。本動作において、管理者端末装置10の通信制御部110は、管理者が、細胞が入れられた複数の容器にそれぞれ設けられた各記録媒体から依頼者細胞ID等の情報を、記録媒体読取装置11で読み取るのを待機しているものとする。
0091
この状態において、通信制御部110は、管理者端末管理制御部130が、容器に設けられた記録媒体に記録された依頼者細胞ID等の情報を記録媒体読取装置11によって読み取られたことを検知すると(ステップS110)、読み取られた依頼者細胞ID等の情報をサーバ装置40に送信する(ステップS111)。そして、管理者端末管理制御部130は、サーバ装置40からのデータ受信を待機する状態に移行する。
0092
次いで、サーバ装置40において、設定部421は、通信制御部410を介して管理者端末装置10から依頼者細胞ID等の情報を受信すると(ステップS210)、ロットDB403に記録されたロットID及び依頼者IDを読み出し、ロットID、依頼者ID、及び管理者端末装置10から受信した依頼者細胞ID等に基づいて、容器に入れられた細胞に任意の管理者細胞IDを付与する(ステップS211)。
0093
次いで、記録部422は、依頼者ID、ロットID、依頼者細胞ID、管理者細胞ID、及び設定部421が管理者細胞IDを付与した時刻、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報等を関連付けて受入細胞DB404に記録する(ステップS212)。そして、記録部422は、通信制御部410を介して、依頼者細胞IDが付与された細胞に付与した管理者細胞ID等の情報を管理者端末装置10に送信し(ステップS213)、サーバ管理制御部430は、本動作を終了させる。
0094
次いで、管理者端末装置10において、通信制御部110が、依頼者細胞IDが付与された細胞に付与した管理者細胞ID等の情報をサーバ装置40から受信すると(ステップS150)、記録媒体発行処理部140は、依頼者細胞IDが付与された細胞に付与された管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を発行するように記録媒体発行装置12に指示し(ステップS151)、管理者端末管理制御部130は、本動作を終了させる。
0095
[4.3]依頼者細胞IDの重複を判定するための処理
次に、図9及び図10を用いて、本実施形態の細胞保管システムSにおいて実行される依頼者細胞IDの重複を判定するための処理を説明する。本動作において、管理者端末装置10の通信制御部110は、管理者が、細胞が入れられた複数の容器にそれぞれ設けられた各記録媒体から全ての依頼者細胞ID等の情報を、記録媒体読取装置11で読み取り、操作部170を用いて複数の容器の受け入れが終了した旨の情報を入力するのを待機しているものとする。
0096
この状態において、通信制御部110は、管理者端末管理制御部130が、複数の容器の受け入れが終了した旨の情報の入力を検知すると(ステップS120)、入力された、複数の容器の受け入れが終了した旨の情報をサーバ装置40に送信する(ステップS121)。そして、管理者端末管理制御部130は、サーバ装置40からのデータ受信を待機する状態に移行する。
0097
次いで、サーバ装置40において、記録部422は、通信制御部410を介して管理者端末装置10から複数の容器の受け入れが終了した旨の情報を受信すると(ステップS220)、ロットID、依頼者ID、及び複数の容器の受け入れ開始時刻等を関連付けてロットDB403に記録した情報に、複数の容器の受け入れが終了した時刻を追記する(ステップS221)。
0098
次いで、判定部423は、複数の容器の受け入れを開始した時刻から、複数の容器の受け入れが終了した時刻の間に管理者細胞IDを付与した全ての細胞に付与された依頼者細胞ID、すなわち、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDの全てを受入細胞DB404から読み出し、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDが重複しているか否かを判定する(ステップS222)。
0099
次いで、記録部422は、判定部423が重複していないと判定した場合には(ステップS222;No)、それらの依頼者細胞ID、依頼者ID、及びロットID等に基づいて設定部421が複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した管理者細胞IDの全てを有効化するための設定処理を行う(ステップS223)。具体的には、該管理者細胞IDの全てに関連付けて受入細胞DB404に記録された、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報を、管理者細胞IDが有効であることを示す情報に更新する。
0100
次いで、記録部422は、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の受け付けが完了した旨を、通信制御部410を介して管理者端末装置10に通知し(ステップS224)、サーバ管理制御部430は、本動作を終了させる。
0101
一方、判定部423が重複していると判定した場合には、判定部423は、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を、通信制御部410を介して管理者端末装置10に通知し(ステップS225)、サーバ管理制御部430は、本動作を終了させる。
0102
また、管理者端末装置10において、通信制御部110が、(ステップS224)により記録部422が送信した複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞の受け付けが完了した旨の通知、あるいは、(ステップS225)により判定部423が送信した複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨の通知を、サーバ装置40から受信すると(ステップS130)、表示制御部161は、その情報を表示させるために必要な画像データを生成する(ステップS131)。そして、表示制御部161は、画像データを表示部160に出力し(ステップS132)、管理者端末管理制御部130は、本動作を終了させる。
0103
[4.4]新たな管理者細胞IDを設定するための処理
次に、図11及び図12を用いて、本実施形態の細胞保管システムSにおいて実行される新たな管理者細胞IDを設定するための処理を説明する。本動作において、管理者端末装置10の通信制御部110は、管理者が、操作部170を用いて容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報を入力し、管理者が、細胞を取り出した容器に設けられた記録媒体の情報を、記録媒体読取装置11で読み取るのを待機しているものとする。
0104
この状態において、通信制御部110は、管理者端末管理制御部130が、容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報の入力を検知し(ステップS140)、細胞を取り出した容器に設けられた記録媒体に記録された管理者細胞ID等の情報を記録媒体読取装置11によって読み取られたことを検知すると(ステップS141)、管理者細胞ID及び容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報等の情報をサーバ装置40に送信する(ステップS142)。そして、管理者端末管理制御部130は、サーバ装置40からのデータ受信を待機する状態に移行する。
0105
次いで、サーバ装置40において、設定部421は、通信制御部410を介して管理者細胞ID及び容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報等の情報を管理者端末装置10から受信すると(ステップS230)、容器から取り出した細胞の培養物に新たな管理者細胞IDを付与する(ステップS231)。
0106
次いで、記録部422は、新たな管理者細胞ID、設定部421が新たな管理者細胞IDを付与した時刻、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報、元の細胞の管理者細胞ID、すなわち、通信制御部410を介して管理者端末装置10から受信した管理者細胞ID等を関連付けて受入細胞DB404に記録し(ステップS232)、新たな管理者細胞IDを有効化するための設定処理を行う(ステップS233)。具体的には、該管理者細胞IDに関連付けて受入細胞DB404に記録された、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報を、管理者細胞IDが有効であることを示す情報に更新する。
0107
なお、本実施形態においては、記録部422は、(ステップS232)と(ステップS233)の処理を別々に行うこととしているが、(ステップS232)において、記録部422は、新たな管理者細胞ID、設定部421が新たな管理者細胞IDを付与した時刻、管理者細胞IDが有効であることを示す情報、元の細胞の管理者細胞ID等を関連付けて受入細胞DB404に記録してもよい。
0108
次いで、記録部422は、細胞の培養物に設定した新たな管理者細胞ID等の情報を、通信制御部410を介して管理者端末装置10に送信し(ステップS234)、サーバ管理制御部430は、本動作を終了させる。
0109
次いで、管理者端末装置10において、通信制御部110が、細胞の培養物に対して設定された新たな管理者細胞ID等の情報をサーバ装置40から受信すると(ステップS150)、記録媒体発行処理部140は、細胞の培養物に設定された新たな管理者細胞ID等の情報を記録した記録媒体を発行するように記録媒体発行装置12に指示し(ステップS151)、管理者端末管理制御部130は、本動作を終了させる。
0110
[5]変形例
[5.1]変形例1
上記実施形態において、サーバ装置40内に各DBを設け、管理及び制御する構成としたが、各DBの管理、制御主体となるコンピュータシステムは、各々、別個なコンピュータシステムによって稼働するようにしてもよい。また、各DBの管理、制御主体となるコンピュータシステムは、ネットワーク20を介して外部に設置されていてもよい。
0111
[5.2]変形例2
上記実施形態において、記録媒体がバーコード、2次元バーコード、英数文字コード等のコードが記録されたラベルである場合について説明したが、記録媒体は、バーコード、2次元バーコード、英数文字コード等のコードが書き換え可能なラベル等であってもよい。その他、記録媒体は、例えば、RAM、EEPROM、UV−EPROM等のICチップと、該記録媒体にアクセスする情報処理装置(CPU)を備えるICタグであってもよい。
0112
上述のような記録媒体を用いる場合には、記録媒体読取装置11,21としては、記録媒体に記録されている情報を書き換え可能なコードリーダーライター又はICタグリーダーライターであることが好ましい。これにより、記録媒体発行装置12,23を設置する必要がなくなるとともに、サーバ装置40がダウンしている場合に、記録媒体を個々のデータベースとして一時的に利用することができる。なお、記録媒体に記録される情報としては、容器IDの他、依頼者ID、細胞保管環境条件情報、容器群ID、割り当てられた細胞保管装置ID、該細胞保管装置IDの設置場所の情報、容器保管履歴情報等を挙げることができ、これらの情報がそれぞれ関連付けて記録される。
0113
[5.3]変形例3
上記実施形態において、判定部423が重複していないと判定した場合や、記録部422が新たな管理者細胞IDを付与した場合に、記録部422が管理者細胞ID又は新たな管理者細胞IDを有効化するための設定処理を行うこととしているが、管理者細胞ID又は新たな管理者細胞ID等の情報を含む記録媒体が容器に設けられたことを検知した後に有効化するための設定処理を行ってもよい。具体的には、記録媒体発行装置12によって発行された、管理者細胞ID又は新たな管理者細胞ID等の情報を含む記録媒体が容器に設けられた後、記録媒体読取装置11によって該記録媒体に記録された管理者細胞ID等の情報を読み取ったことを検知した後に、有効化するための設定処理を行ってもよい。
0114
その他、記録媒体が容器に設けられたことを、カメラ、又は、コードリーダー若しくはICタグリーダーを備える容器の重量計測器によって記録媒体が容器に設けられたことを検知した後に有効化するための設定処理を行ってもよい。具体的には、記録媒体とそれを設けた容器とをカメラで撮影することによって生成された画像データを解析し、記録媒体と容器が撮影されていることを画像処理で判定することによって記録媒体が容器に設けられたことを検知し、有効化するための設定処理を行ってもよい。また、コードリーダー等によって記録媒体に記録された情報を読み取るとともに、重量計測器によって記録媒体が設けられた容器の重さを計測し、所定の範囲内であることを判定することによって記録媒体が容器に設けられたことを検知し、有効化するための設定処理を行ってもよい。この場合、有効化の設定処理は、個々の容器に設けられた記録媒体に記録された管理者細胞IDごとに行ってもよいが、複数の容器に設けられた記録媒体の全てに記録された管理者細胞IDに対して行ってもよい。これらの処理を行うことにより、発行された記録媒体を容器に設けたことを条件として管理者細胞IDを有効化することができるので、人為的なミスを軽減することができる。
0115
[5.4]変形例4
上記実施形態において、判定部423は、複数の容器の受け入れを開始した時刻から、複数の容器の受け入れが終了した時刻の間に管理者細胞IDを付与した全ての細胞に付与された依頼者細胞IDの全てを受入細胞DB404から読み出し、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDが重複しているか否かを判定することとしているが、同一のロットIDが設定された複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDの全てが重複しているか否かを判定することとしてもよい。
0116
[5.5]変形例5
上記実施形態において、判定部423が複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDの全てが重複しているか否かを判定することとしているが、記録部422が、依頼者ID、ロットID、依頼者細胞ID、管理者細胞ID、及び設定部421が管理者細胞IDを付与した時刻、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報等を関連付けて受入細胞DB404に記録した情報に基づいて、判定部423が、管理者端末装置10から受信した依頼者細胞IDが既に記録されている否かの判定を行ってもよい。
0117
この判定の結果、未だ記録されていないと判定した場合には、設定部421は、ロットID、依頼者ID及び依頼者細胞ID等に基づいて、容器に入れられた細胞に任意の管理者細胞IDを付与し、依頼者ID、ロットID、依頼者細胞ID、管理者細胞ID、及び管理者細胞IDを付与した時刻、管理者細胞IDが有効でないことを示す情報等を関連付けて受入細胞DB404に記録する。そして、判定部423は、通信制御部410を介して管理者端末装置10から複数の容器の受け入れが終了した旨の情報を受信した場合に、全ての依頼者細胞IDが重複していないと判定し、全ての管理者細胞IDを有効化するための設定処理を行う。
0118
[5.6]変形例6
上記実施形態においては、判定部423は、重複していると判定した場合には、有効化するための設定処理を行なわないで、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を管理者端末装置10に通知することとしているが、判定部423は、重複している依頼者細胞IDが付与された各細胞に付与した管理者細胞IDに対して有効化するための設定処理を行なわないで、重複している依頼者細胞IDを特定して、これらの依頼者細胞IDが重複する旨を管理者端末装置10に通知してもよい。
0119
[5.7]変形例7
上記実施形態において、細胞保管システムSは、管理者端末装置10とサーバ装置40とをそれぞれ備えることとしているが、細胞保管システムSは、依頼者に、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を通知できるように、ネットワーク30を介してサーバ装置40との通信が可能な、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の情報通信端末装置を依頼者端末装置としてさらに備えてもよい。
0120
このように依頼者端末装置を細胞保管システムSに設けることにより、依頼者は、依頼した複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した依頼者細胞IDに重複があることをリアルタイムに知ることができるようになる。なお、サーバ装置40は、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を通知する際に、重複していると判定した時刻も一緒に通知してもよい。
0121
[5.8]変形例8
上記実施形態において、依頼者が発送した複数の容器が入った箱等に設けられた記録媒体に依頼者ID等の情報を記録することとしているが、細胞が入れられた容器に設けられた記録媒体に依頼者ID等の情報を記録してもよい。
0122
[5.9]変形例9
上記実施形態において、設定部421は、管理者端末装置10から依頼者ID等の情報を受信することによって依頼者IDを取得することとしているが、管理者端末管理制御部130が管理者の入力操作等により依頼者の情報の入力を検知して、通信制御部110が依頼者の情報を送信し、通信制御部410を介してその依頼者の情報を設定部421が受信することにより、設定部421が、依頼者DB402から依頼者の情報に関係付けて記録された依頼者IDを読み出すことによって依頼者IDを取得してもよい。依頼者の情報は、例えば、依頼者名、依頼者の所在地等の情報である。なお、依頼者DB402に依頼者の情報が記録されていなければ、記録部422が、依頼者の情報と新たな依頼者IDとを関連付けて依頼者DB402に記録し、設定部421は、依頼者DB402から新たな依頼者IDを取得してもよい。
0123
[5.10]変形例10
上記実施形態において、細胞保管システムSに管理者端末装置10とサーバ装置40とをそれぞれ設けることとしているが、管理者端末装置10にサーバ装置40の機能とデータベース等の一部又は全部を設けて、管理者端末装置10にサーバ装置40で行った処理の一部又は全部を行わせてもよい。
0124
[5.11]変形例11
上記実施形態において、管理者端末管理制御部130が、容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報を検知して、通信制御部110が、その情報をサーバ装置40に送信することとしているが、管理者端末管理制御部130が、容器から一部又は全ての細胞を取り出して培養したことを示す情報を検知し、その情報を通信制御部110がサーバ装置40に送信してもよい。これに伴い、サーバ装置40の記録部422は、通信制御部410を介して容器から全ての細胞を取り出して培養したことを示す情報を受信した場合には、管理者端末装置10から送信された管理者細胞IDに関連付けて受入細胞DB404に細胞が存在しないことを示す情報を記録してもよい。
0125
以上、本実施形態の細胞保管システムSにおいては、複数の容器を搬送する際に依頼者に管理者側の細胞IDを強要することなく、依頼者側の負荷を軽減することができる。また、細胞保管システムSは、複数の容器のロット内において、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与された依頼者細胞IDの重複がないことを確認することによって、ローカルID(依頼者細胞ID)をグローバルID(管理者細胞ID)に変換することができるので、透過的な利用ができるとともに、依頼者から依頼された細胞確実に保管することができるようになる。
0126
また、本実施形態の細胞保管システムSにおいては、判定部423が、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に依頼者が付与した全ての依頼者細胞IDにおいて、依頼者細胞IDが重複していると判定した場合には、複数の容器にそれぞれ入れられた各種細胞に付与した依頼者細胞IDにおいて重複するものが存在する旨を通知するので、複数の容器の受け入れ時に、依頼者から保管を依頼された各細胞の依頼者細胞IDに問題があることを把握することができるとともに、管理者は依頼者にそのことを速やかに連絡することができるようになる。
0127
さらに、本実施形態の細胞保管システムSにおいては、管理者端末管理制御部130が、ユーザの操作によって、細胞に設定した管理者細胞ID等の情報が読み取られたこと、及び該細胞を入れた容器から細胞を取り出して培養したことを示す情報が入力されたことを検知すると、設定部421は、細胞の培養物に新たな管理者細胞IDを付与し、記録部422は、培養物に設定した新たな管理者細胞IDと、容器から取り出した細胞に設定した管理者細胞IDと、を関連付けて記録し、管理者細胞IDを有効化するための設定処理を実行するので、細胞と、その細胞の培養物、例えば、細胞の分化細胞、細胞の継代培養細胞、細胞の組織培養物等と、を紐づけて管理することができるようになる。
0128
S …細胞保管システム
BS…基地局
B …バス
10 …管理者端末装置
11 …記録媒体読取装置
12 …記録媒体発行装置
30 …ネットワーク
40 …サーバ装置
110 …通信制御部
130 …管理者端末管理制御部
140 … 記録媒体発行処理部
150 … ROM/RAM
160 … 表示部
161 …表示制御部
170 … 操作部
400 …データベース
401 … 管理者端末装置DB
402 …依頼者DB
403 …ロットDB
404 …受入細胞DB
410 … 通信制御部
420 …データ処理部
421 … 設定部
422 … 記録部
423 … 判定部
430 …サーバ管理制御部
440 … ROM/RAM
450 … タイマー