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技術 レジスト膜付きマスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、レジスト膜付きマスクブランク、マスクブランクの製造方法、およびマスクブランク

出願人 HOYA株式会社ホーヤエレクトロニクスシンガポールプライベートリミテッド
発明者 橋本雅広白鳥浩本間裕介近藤満
出願日 2014年5月8日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2014-096718
公開日 2015年12月3日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2015-215404
状態 特許登録済
技術分野 写真製版における原稿準備・マスク 半導体の露光(電子、イオン線露光を除く)
主要キーワード 薄膜付基板 遷移金属単体 分光干渉 二次元グラフ 組成傾斜膜 三次元グラフ 感度マップ クロム系薄膜
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

パターンの面内均一性を向上させる技術を提供する。

解決手段

レジスト膜付きマスクブランク1の製造方法であり、薄膜11を有する基板10を準備する基板準備工程と、薄膜11の表面にレジスト膜12を形成するレジスト膜形成工程と、レジスト膜12における周縁部分を除去する除去工程と、が含まれており、除去工程において、薄膜11とレジスト膜12との間の平面視での位置関係によって、基板10を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、レジスト膜12における周縁部分を除去する。

概要

背景

近年、半導体素子に要求されるパターン寸法は微細化の一途をたどっている。これに伴って、半導体素子製造にかかる転写用マスクのパターン寸法も微細化がすすめられている。

転写用マスクのパターン形成にはリソグラフィー技術が用いられるので、マスクブランク上に形成されたレジストパターンの寸法精度が転写用マスクのパターン形状の寸法精度に直結する。リソグラフィー技術におけるレジスト露光には、微細なパターンの形成を実現できる電子線露光装置が用いられている。電子ビームによる描画では、設計通り転写パターンを得るために、種々の要因による寸法変動予測した補正が行われる。たとえば、特許文献1には、レジスト膜膜厚に応じた電子線照射量補正処理を行う技術が開示されている。

概要

パターンの面内均一性を向上させる技術を提供する。レジスト膜付きマスクブランク1の製造方法であり、薄膜11を有する基板10を準備する基板準備工程と、薄膜11の表面にレジスト膜12を形成するレジスト膜形成工程と、レジスト膜12における周縁部分を除去する除去工程と、が含まれており、除去工程において、薄膜11とレジスト膜12との間の平面視での位置関係によって、基板10を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、レジスト膜12における周縁部分を除去する。

目的

本発明の目的は、パターンの面内均一性を向上させる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

レジスト膜付きマスクブランクの製造方法であり、薄膜を有する基板を準備する基板準備工程と、前記薄膜の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記レジスト膜における周縁部分を除去する除去工程と、が含まれており、前記除去工程において、前記薄膜と前記レジスト膜との間の平面視での位置関係によって、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、前記レジスト膜における周縁部分を除去することを特徴とする、レジスト膜付きマスクブランクの製造方法。

請求項2

前記基板は平面視で対称性を有する形状であることを特徴とする、請求項1に記載のレジスト膜付きマスクブランクの製造方法。

請求項3

前記除去工程において、前記レジスト膜における全ての周縁部分を除去する一方、所定の周縁部分での除去しろの幅を他の周縁部分よりも大きくまたは小さくすることにより前記方向性を付与することを特徴とする、請求項1または2に記載のレジスト膜付きマスクブランクの製造方法。

請求項4

前記基板は平面視で四角形であり、前記所定の周縁部分は当該四角形の一辺である、請求項3に記載のレジスト膜付きマスクブランクの製造方法。

請求項5

転写用マスクの製造方法であり、薄膜を有する基板を準備する基板準備工程と、レジスト膜における面内感度分布情報を取得する情報取得工程と、前記薄膜の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記レジスト膜における周縁部分を除去する除去工程と、前記除去工程後、前記面内感度分布情報に基づいて前記レジスト膜に対する露光を行う露光工程と、前記露光工程後、現像を行い、前記レジスト膜に対して転写パターンを形成するパターン形成工程と、が含まれており、前記除去工程において、前記薄膜と前記レジスト膜との間の平面視での位置関係によって、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、前記レジスト膜における周縁部分を除去し、前記露光工程の際に、前記除去工程によって付与された方向性と、前記面内感度分布情報における方向性とを一致させた上で前記露光工程を行うことを特徴とする、転写用マスクの製造方法。

請求項6

薄膜を有する基板と、前記薄膜の表面に形成されたレジスト膜とを備えるレジスト膜付きマスクブランクであり、前記薄膜と前記レジスト膜との間の平面視での位置関係によって、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、前記レジスト膜が前記薄膜の表面に形成されていることを特徴とするレジスト膜付きマスクブランク。

請求項7

薄膜を有する基板を備えるマスクブランクの製造方法であり、前記基板または前記薄膜に対し、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するマーキングを行うことを特徴とする、マスクブランクの製造方法。

請求項8

転写用マスクの製造方法であり、薄膜を有する基板を準備する基板準備工程と、レジスト膜における面内感度分布情報を取得する情報取得工程と、前記薄膜の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記面内感度分布情報に基づいて前記レジスト膜に対する露光を行う露光工程と、前記露光工程後、現像を行い、前記レジスト膜に対して転写パターンを形成するパターン形成工程と、が含まれており、前記基板準備工程において、前記基板または前記薄膜に対し、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するマーキングを行い、前記露光工程の際に、前記基板準備工程において前記基板に付与された方向性と、前記面内感度分布情報における方向性とを一致させた上で前記露光工程を行うことを特徴とする、転写用マスクの製造方法。

請求項9

薄膜を有する基板を備えるマスクブランクであり、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するための指標が前記基板または前記薄膜にマーキングされていることを特徴とするマスクブランク。

技術分野

0001

本発明は、レジスト膜付きマスクブランクの製造方法、転写用マスクの製造方法、レジスト膜付きマスクブランク、マスクブランクの製造方法、およびマスクブランクに関する。

背景技術

0002

近年、半導体素子に要求されるパターン寸法は微細化の一途をたどっている。これに伴って、半導体素子製造にかかる転写用マスクのパターン寸法も微細化がすすめられている。

0003

転写用マスクのパターン形成にはリソグラフィー技術が用いられるので、マスクブランク上に形成されたレジストパターンの寸法精度が転写用マスクのパターン形状の寸法精度に直結する。リソグラフィー技術におけるレジスト露光には、微細なパターンの形成を実現できる電子線露光装置が用いられている。電子ビームによる描画では、設計通り転写パターンを得るために、種々の要因による寸法変動予測した補正が行われる。たとえば、特許文献1には、レジスト膜の膜厚に応じた電子線照射量補正処理を行う技術が開示されている。

先行技術

0004

特開2011−198922号公報

発明が解決しようとする課題

0005

マスクブランク上のレジストパターンの寸法精度に対する要求は、半導体デバイス微細構造化に伴ってますます厳しくなってきている。具体的には、パターンの面内均一性指標であるCDユニフォミティー(Critical Dimension Uniformity:CDU)が5nm以下、さらに厳しく言うと3nm以下という厳しい数値が要求されている。

0006

この要求事項を満たすための一つの手法としては、レジスト膜厚を面内で一定とすることが挙げられるが、それだけでは上記の要求を満たすことが難しくなってきている。そのような状況を解決するための手法としては、特許文献1に記載のように、レジスト膜の膜厚に応じた電子線照射量(露光量)の補正処理を行うことが考えられる。この手法を用いると、レジスト膜の膜厚が面内で不均一であっても、面内の各部分における膜厚に応じて各部分の露光量を設定することが可能となる。その結果、レジスト膜の面内において均一なパターン精度となるように露光を行うことが可能となる。

0007

特許文献1においては、レジスト膜においてパターン形成可能となるのに必要な露光量がどのくらいなのかを示すパラメータ(以降、「レジスト感度」とも言う。)を、レジスト膜の膜厚と関連付けた上で、当該レジスト感度に応じて露光量を補正している。

0008

ここで、本発明者により、以下の課題が見出された。
特許文献1のように、レジスト膜の面内における膜厚分布マッピングし、それをレジスト感度分布図とする場合を考える。レジスト感度分布図(以降、「面内感度分布情報」とも言う。)が得られれば、マスクブランクを露光装置に装着し、その面内感度分布情報に応じて露光量を補正すれば、レジスト膜の面内において均一なパターン精度となるように露光を行うことが可能となるはずである。

0009

しかしながら、マスクブランクは場合によっては平面視で正方形のものも多数存在する。その場合、マスクブランクにおいて平面視における上下左右方向が特定できなくなる。そうなると、面内感度分布情報を得たときのマスクブランクの方向性と、露光装置に装着する際のマスクブランクの方向性とが一致しなくなるおそれがあることに、本発明者は気づいた。

0010

従来だと、上記の方向性が一致せずとも、レジストパターンを形成することに問題は生じなかった。また、レジスト液の塗布の際にスピン塗布を用いる場合、回転中心基板中心合致していれば、膜厚分布に関しては基本的に対称構造に近い分布となる。そうなると、上記の方向性が一致せずとも、さほど大きな影響は生じなかった。

0011

しかしながら、先ほどから述べているように、近年、半導体素子に要求されるパターン寸法は微細化の一途をたどっている。そして、CDUが5nm以下、さらに厳しく言うと3nm以下という厳しい数値が要求されている。このような厳しいパターン精度が要求されると、上記のような方向性の不一致がCDUに大きく影響を与えてしまうことになる。

0012

本発明の目的は、パターンの面内均一性を向上させる技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明者は、上記の課題を解決する手法について検討を加えた。その結果、面内感度分布情報を得る際および露光装置に装着する際に、平面視の際の上下左右方向を特定するものをマスクブランクが有していればよいという知見を得た。
この知見に基づいて成された本発明の構成は、以下の通りである。

0014

<構成1>
本発明の第1の構成は、レジスト膜付きマスクブランクの製造方法である。
本製造方法は、薄膜を有する基板を準備する基板準備工程と、前記薄膜の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記レジスト膜における周縁部分を除去する除去工程と、が含まれている。
そして、除去工程において、前記薄膜と前記レジスト膜との間の平面視での位置関係によって、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、前記レジスト膜における周縁部分を除去することを特徴とする。
本構成によれば、面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランクの方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランクの方向性とを確実に一致させることが可能となる。その結果、CDUが5nm以下、さらに厳しく言うと3nm以下という厳しい数値が要求されている状況であっても、パターンの面内均一性を向上させられる。

0015

<構成2>
本発明の第2の構成は、第1に記載の構成において、前記基板は平面視で対称性を有する形状であることを特徴とすることを特徴とする。
基板が、平面視で対称性を有する形状である場合、平面視の際の基板の外観に対して非対称性が新たに付与される。そうなると構成1で述べた効果を更に増幅させることになる。

0016

<構成3>
本発明の第3の構成は、第1または第2に記載の構成であって、除去工程において、前記レジスト膜における全ての周縁部分を除去する一方、所定の周縁部分での除去しろの幅を他の周縁部分よりも大きくまたは小さくすることにより前記方向性を付与することを特徴とする。
レジスト膜付きマスクブランクの周縁部分においてレジスト膜が除去されると、平面視において額縁のようなメタルフレームが形成される。通常、レジスト膜と薄膜とは色が全く異なる。そのため、上辺のレジスト膜の周縁部分が大きく除去されていると、作業者は容易に方向性を認識することが可能となる。つまり、レジスト膜における全ての周縁部分を除去する一方、所定の周縁部分での除去しろの幅を他の周縁部分よりも大きくまたは小さくすることにより方向性が付与され、しかも作業者は容易に方向性を認識することが可能となる。

0017

<構成4>
本発明の第4の構成は、第3に記載の構成であって、前記基板は平面視で四角形であり、前記所定の周縁部分は当該四角形の一辺であることを特徴とする。
上記の場合だと、薬液を用いたレジスト膜の除去を容易に行うことが可能となり、除去しろの幅を容易に調節可能となる。

0018

<構成5>
本発明の第5の構成は、転写用マスクの製造方法である。
本製造方法は、薄膜を有する基板を準備する基板準備工程と、レジスト膜における面内感度分布情報を取得する情報取得工程と、前記薄膜の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記レジスト膜における周縁部分を除去する除去工程と、前記除去工程後、前記面内感度分布情報に基づいて前記レジスト膜に対する露光を行う露光工程と、前記露光工程後、現像を行い、前記レジスト膜に対して転写パターンを形成するパターン形成工程と、が含まれている。
そして、前記除去工程において、前記薄膜と前記レジスト膜との間の平面視での位置関係によって、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、前記レジスト膜における周縁部分を除去する。その上で、前記露光工程の際に、前記除去工程によって付与された方向性と、前記面内感度分布情報における方向性とを一致させた上で前記露光工程を行うことを特徴とする。
本構成によれば、構成1で述べたのと同様に、面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランクの方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランクの方向性とを確実に一致させることが可能となる。その結果、パターンの面内均一性を向上させられる。

0019

<構成6>
本発明の第6の構成は、レジスト膜付きマスクブランクである。
本構成は、薄膜と前記レジスト膜との間の平面視での位置関係によって、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するように、前記レジスト膜が前記薄膜の表面に形成されていることを特徴とする。
本構成によれば、構成1で述べたのと同様に、面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランクの方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランクの方向性とを確実に一致させることが可能となる。その結果、パターンの面内均一性を向上させられる。

0020

<構成7>
本発明の第7の構成は、薄膜を有する基板を備えるマスクブランクの製造方法である。
本製造方法は、基板または前記薄膜に対し、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するマーキングを行うことを特徴とする。
本構成によれば、構成1で述べたのと同様の効果が得られる。

0021

<構成8>
本発明の第8の構成は、転写用マスクの製造方法である。
本製造方法は、薄膜を有する基板を準備する基板準備工程と、レジスト膜における面内感度分布情報を取得する情報取得工程と、前記薄膜の表面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記面内感度分布情報に基づいて前記レジスト膜に対する露光を行う露光工程と、前記露光工程後、現像を行い、前記レジスト膜に対して転写パターンを形成するパターン形成工程と、が含まれている。
そして、前記基板準備工程において、前記基板または前記薄膜に対し、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するマーキングを行う。その上で、前記露光工程の際に、前記基板準備工程において前記基板に付与された方向性と、前記面内感度分布情報における方向性とを一致させた上で前記露光工程を行うことを特徴とする。
本構成によれば、構成1で述べたのと同様の効果が得られる。

0022

<構成9>
本発明の第9の構成は、薄膜を有する基板を備えるマスクブランクである。
本構成は、前記基板を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するための指標が前記基板または前記薄膜にマーキングされていることを特徴とする。
本構成によれば、構成1で述べたのと同様の効果が得られる。

発明の効果

0023

本発明によれば、パターンの面内均一性を向上させる技術を提供できる。

図面の簡単な説明

0024

本実施形態におけるマスクブランク、レジスト膜付きマスクブランクおよび転写用マスクの製造方法の断面視の工程図である。
本実施形態における除去工程における、平面視でのレジスト膜付きマスクブランクおよび除去用薬剤供給ノズルの配置を示す概略図である。
実施例におけるレジスト膜付きマスクブランクに対する光学顕微鏡観察を行った結果を示す写真である。
実施例および比較例において用いられるレジスト膜付きマスクブランクにおける面内感度分布情報を示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
実施例および比較例において用いられるレジスト膜付きマスクブランクを所定の条件で保管した後の面内感度分布情報を示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
実施例の結果を示す図であって、レジスト膜付きマスクブランクを所定の条件で保管した後の面内感度分布情報を得た際の方向性と、レジスト膜付きマスクブランクを露光装置に装着する際の方向性とを一致させた場合の、露光量の補正の度合いを示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
比較例の結果を示す図であって、レジスト膜付きマスクブランクにおける面内感度分布情報を得た際の方向性と、レジスト膜付きマスクブランクを露光装置に装着する際の方向性とを不一致とした(上下を逆にした)場合の、露光量の補正の度合いを示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
比較例の結果を示す図であって、レジスト膜付きマスクブランクを所定の条件で保管した後の面内感度分布情報を得た際の方向性と、レジスト膜付きマスクブランクを露光装置に装着する際の方向性とを不一致とした(上下を逆にした)場合の、露光量の補正の度合いを示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。

0025

[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.転写用マスクの製造方法
1−A)薄膜付基板(マスクブランク)準備工程
1−A−a)基板準備工程
1−A−b)薄膜形成工程
1−B)レジスト膜形成工程
1−C)除去工程
1−D)情報取得工程
1−E)露光工程
1−F)現像工程
1−G)エッチング工程
1−H)その他
2.レジスト膜付きマスクブランク
なお、以下に記載が無い構成については、公知の構成(例えば本出願人による特開2013−210576号公報)を適宜採用しても構わない。本明細書には、例えば薄膜の構成等特記のない事項に関し、特開2013−210576号公報の内容が記載されているものとする。
また、[実施の形態1]においては、方向性の付与のために、レジスト膜の平面視での位置に工夫を設ける例について述べる。
[実施の形態2]においては、マスクブランクを構成する薄膜または基板そのものに対し、方向性を付与するための指標をマーキングする例について述べる。
[実施の形態3]においては、その他の例について述べる。

0026

<1.転写用マスクの製造方法>
本実施形態における転写用マスク50の製造方法について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるマスクブランク5、レジスト膜付きマスクブランク1および転写用マスク50の製造方法の断面視の工程図である。なお、本実施形態では、以下の1−A)薄膜付基板準備工程において、基板10を用意しその基板10の上に薄膜11を成膜する例を示すが、あらかじめ薄膜11が形成されているマスクブランク5を用意して、その上にレジスト膜を形成する形態も、本発明の形態に含まれる。

0027

1−A)薄膜付基板(マスクブランク)準備工程
1−A−a)基板準備工程
まず、図1(a)に示すように、転写用マスク50に用いられる基板10を準備する。転写用マスク50の基板10としては、ガラス基板を用いることができる。透過型マスクの場合、基板10は、ウェハ上にパターンを形成するときの露光光に対して高い透過率を有するガラス材のものが選択される。反射型マスクの場合、露光光のエネルギーに伴う基板10の熱膨張が最小限にできる低熱膨張ガラスが選択される。
具体的には、透過型マスク(例えば、バイナリマスク位相シフトマスク及びグレートーンマスク)の場合、基板10の材質としては、合成石英ガラスソーダライムガラスアルミノシリケートガラスボロシリケートガラス無アルカリガラスなどが挙げられる。詳しい例として、波長193nmのArFエキシマレーザーや波長254nmのKrFエキシマレーザーを露光光として用いる転写型マスクの基板10には、波長300nm以下の光に対して高い透過率を有する合成石英ガラスを好ましく用いることができる。
また、反射型マスクであるEUVマスクの場合、基板10には、露光時の熱による被転写パターンの歪みを抑えるために、約0±1.0×10−7/℃の範囲内、より好ましくは約0±0.3×10−7/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するガラス材料であるSiO2−TiO2系ガラスを好ましく用いることができる。

0028

なお、本実施形態においては、基板10は平面視で対称性を有する形状であるのが好ましい。本発明は、「半導体素子に要求されるパターン寸法は微細化の一途をたどっている」状況で、「平面視における上下左右方向が特定できなくなる。そうなると、面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランク1の方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランク1の方向性とが一致しなくなる」という課題に関する知見から創出されたものである。詳細は後述するが、本実施形態においては、薄膜11とレジスト膜12との間の平面視での位置関係によって、基板10を水平に載置する際の平面視における方向性を付与している。つまり、平面視で対称性を有する形状の基板10にレジスト膜12が設けられたものに対し、レジスト膜12の配置によって非対称性をもたらすのである。
そのため、基板10が、平面視で対称性を有する形状である場合、平面視の際の外観が「対称性→非対称性」となり、特に本実施形態の効果を奏することになる。ただ、だからといって基板10は平面視で対称性を有していなくとも、平面視の際の上下左右方向を特定しやすくなることに変わりはない。その場合であっても、面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランク1の方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランク1の方向性とを不一致としてしまうおそれを低減することが可能となる。その結果、パターンの面内均一性を向上させるという本実施形態の効果を発揮することが可能となる。

0029

なお、基板10は平面視で四角形であり、所定の周縁部分は当該四角形の一辺であるのが好ましい。もちろん、基板10は平面視で多角形形状であっても構わないし、円形、一部が直線となった円形やその他の対称形状または非対称形状であっても構わないが、上記の場合だと、1−C)除去工程で後述するように薬液を用いたレジスト膜12の除去を容易に行うことが可能となり、除去しろの幅を容易に調節可能となる。特に平面視で正方形の場合、上下左右方向が全く特定できない状況である。そのような中で1−C)除去工程を行うことにより、上下左右方向を特定することが可能となる。

0030

1−A−b)薄膜形成工程
次に、図1(b)に示すように、基板10の主表面に対し、薄膜11を形成する。基板10の表面であってレジスト膜12の下に形成される薄膜11は、製造する転写用マスク50の用途に応じて選択された薄膜11である。列挙するならば、以下の(1)〜(5)が挙げられる。

0031

(1)バイナリマスクの薄膜
バイナリマスクブランクを作製する場合、露光波長の光に対して透光性を有する基板10上に、遮光膜を有する薄膜11が形成される。
この遮光膜は、クロムタンタルルテニウムタングステンチタンハフニウムモリブデンニッケルバナジウムジルコニウムニオブパラジウムロジウム等の遷移金属単体あるいはその化合物を含む材料からなる。例えば、クロムや、クロムに酸素窒素炭素などの元素から選ばれる1種以上の元素を添加したクロム化合物で構成した遮光膜が挙げられる。また、例えば、タンタルに、酸素、窒素、ホウ素などの元素から選ばれる1種以上の元素を添加したタンタル化合物で構成した遮光膜が挙げられる。
また、薄膜11は、遮光膜の構造が、遮光層表面反射防止層の2層構造や、さらに遮光層と基板10との間に裏面反射防止層を加えた3層構造としたものなどがある。また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。
また、遮光膜上にエッチングマスク膜を有する薄膜11の構成としてもよい。このエッチングマスク膜は、遷移金属シリサイドを含む遮光膜のエッチングに対してエッチング選択性を有する(エッチング耐性を有する)特にクロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物からなる材料で構成することが好ましい。このとき、エッチングマスク膜に反射防止機能を持たせることにより、遮光膜上にエッチングマスク膜を残した状態で転写用マスク50を作製してもよい。

0032

(2)他の構成を有するバイナリマスクの薄膜
また、バイナリマスクの薄膜11の他の例としては、遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイドを含む)の化合物を含む材料からなる遮光膜を有する構成も挙げることができる。
この遮光膜は、遷移金属及びケイ素の化合物を含む材料からなり、これらの遷移金属及びケイ素と、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。また、遮光膜は、遷移金属と、酸素、窒素及び/又はホウ素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、クロム等が適用可能である。
特に、遮光膜をモリブデンシリサイドの化合物で形成する場合であって、遮光層(MoSi等)と表面反射防止層(MoSiON等)の2層構造や、さらに遮光層と基板10との間に裏面反射防止層(MoSiON等)を加えた3層構造がある。
また、遮光膜の膜厚方向における組成が連続的又は段階的に異なる組成傾斜膜としてもよい。

0033

(3)ハーフトーン型位相シフトマスクの薄膜
ハーフトーン型位相シフトマスクを作製する場合、転写時に使用する露光光の波長に対して透光性を有する基板10上に遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイド、特にモリブデンシリサイドを含む)の化合物を含む材料からなる光半透過膜を有する薄膜11が形成される。
薄膜11に含まれる光半透過膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%〜30%)を透過させるものであって、所定の位相差(例えば180度)を有するものである。なお、ハーフトーン型位相シフトマスクは、この光半透過膜をパターニングした光半透過部と、光半透過膜が形成されていない実質的に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部とによって、光半透過部を透過して光の位相が光透過部を透過した光の位相に対して実質的に反転した関係になるようにすることによって、光半透過部と光透過部との境界部近傍を通過し回折現象によって互いに相手の領域に回り込んだ光が互いに打ち消しあうようにし、境界部における光強度をほぼゼロとし境界部のコントラスト即ち解像度を向上させるものである。
この光半透過膜は、例えば遷移金属及びケイ素(遷移金属シリサイドを含む)の化合物を含む材料からなり、これらの遷移金属及びケイ素と、酸素及び/又は窒素を主たる構成要素とする材料が挙げられる。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、クロム等が適用可能である。
また、光半透過膜上に遮光膜を有する形態の場合、上記光半透過膜の材料が遷移金属及びケイ素を含むので、遮光膜の材料としては、光半透過膜に対してエッチング選択性を有する(エッチング耐性を有する)特にクロムや、クロムに酸素、窒素、炭素などの元素を添加したクロム化合物で構成することが好ましい。

0034

(4)多階調マスクの薄膜
多階調マスクの薄膜11は、1以上の半透過膜と遮光膜との積層構造である。
半透過膜の材料については、ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの光半透過膜と同様の元素のほか、クロム、タンタル、チタン、アルミニウムなどの金属単体合金あるいはそれらの化合物を含む材料も含まれる。
各元素の組成比や膜厚は、露光光に対して所定の透過率となるように調整される。遮光膜の材料についても、のバイナリマスクブランクの遮光膜が適用可能であるが、半透過膜との積層構造で、所定の遮光性能光学濃度)となるように、遮光膜材料の組成や膜厚は調整される。

0035

(5)反射型マスクの薄膜
反射型マスクの薄膜11は、基板10上に露光光を反射する多層反射膜が形成され、多層反射膜上に露光光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成された構造を有する。露光機パターン転写装置)に搭載された反射型マスクに入射した光(EUV光)は、吸収体膜のある部分では吸収され、吸収体膜のない部分では多層反射膜により反射された光像反射光学系を通して半導体基板10上に転写される。
多層反射膜は、高屈折率層低屈折率層とを交互に積層して形成される。多層反射膜の例としては、Mo膜Si膜を交互に40周期程度積層したMo/Si周期積層膜、Ru/Si周期多層膜、Mo/Be周期多層膜、Mo化合物Si化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ru周期多層膜などがある。露光波長により、材質を適宜選択することができる。
また、吸収体膜は、露光光である例えばEUV光を吸収する機能を有するもので、例えばタンタル(Ta)単体又はTaを主成分とする材料を好ましく用いることができる。このような吸収体膜の結晶状態は、平滑性平坦性の点から、アモルファス状又は微結晶の構造を有しているものが好ましい。

0036

1−B)レジスト膜形成工程
次に、図1(c)に示すように、マスクブランク5の薄膜11の上に、レジスト膜12を形成する。当該レジスト膜12は、レジスト液により形成される。レジスト液としては、公知のものを用いても構わない。なお、レジスト膜12の具体的な形成方法は、公知の手法を用いても構わない。例えば、マスクブランク5の表面に対してレジスト液をスピンコートし、その後ベークを行っても構わない。

0037

以上により、転写用マスク50の製造に用いられるレジスト膜付きマスクブランク1が作製される。

0038

1−C)除去工程
本工程においては、図1(d)に示すように、レジスト膜12における周縁部分を除去する。詳しく言うと、薄膜11とレジスト膜12との間の平面視での位置関係によって、基板10を水平に載置した際の方向性を付与するように、レジスト膜12における周縁部分を除去する。
以下、本工程の具体的な一例について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態における除去工程における、平面視でのレジスト膜付きマスクブランク1および除去用薬剤供給ノズル20の配置を示す概略図である。なお、ここでは基板10の平面視の形状を正方形としている。また、レジスト膜付きマスクブランク1から見て天の方向に設けられた除去用薬液供給ノズル20(以降、単にノズル20と言う。)を点線で表している。

0039

まず、レジスト膜付きマスクブランク1を、レジスト膜12を天の方向、基板10が地の方向に位置するように載置する。つまり、レジスト膜12の主表面が天の方向を向いており、基板10の裏面(薄膜11が形成されている面とは反対側の面)が地の方向を向くように載置する。そして、レジスト膜12における周縁部分から見て天の方向に、レジスト膜12を除去するための薬液を供給するノズル20を複数配置する。ノズル20の吐出口は、レジスト膜12における周縁部分へと向いている。

0040

ここで、薄膜11とレジスト膜12との間の平面視での位置関係によって、基板10を水平に載置する際の平面視における方向性を付与するために、ノズル20の配置に工夫を加える。具体的に言うと、平面視において基準となる方向(制限はないが、例えば上方向)における一辺(上辺とも言う。)に対応するノズル20を、基板10のさらに周縁寄り(外側)に配置しておく。この状態で、レジスト膜12を除去するための薬液をノズル20から吐出する。こうすることにより、図2に示すように、本実施形態においては、平面視において基準となる方向(上方向)における一辺(上辺とも言う。)におけるレジスト膜12の周縁部分を、他の辺における周縁部分に比べ、小さく除去できる。

0041

レジスト膜12の周縁部分が除去され、薄膜11が露出する。本実施形態における薄膜11は金属製のものである。そのため、レジスト膜付きマスクブランク1の周縁部分には平面視において額縁のようなメタルフレームが形成される。通常、レジスト膜12と薄膜11とは色が異なる。そのため、上辺のレジスト膜12の周縁部分が大きく除去されていると、作業者は容易に方向性を認識することが可能となる。つまり、レジスト膜12における全ての周縁部分を除去する一方、所定の周縁部分での除去しろの幅を他の周縁部分よりも小さくすることにより方向性が付与され、しかも作業者は容易に方向性を認識することが可能となる。
また、本実施形態のように基板10の平面視の形状を四角形(特に正方形)とする場合、一列に配置した複数のノズルを列ごと基板中央方向または外側方向へと移動させることにより、レジスト膜の除去しろの幅を容易に変更することが可能となり、作業性が著しく向上する。

0042

なお、ここでは除去しろの幅を小さくすることにより方向性を付与したが、逆に、他の周縁部分よりも除去しろの幅を大きくしても方向性を付与可能である。その場合、上辺に対応するノズル20を、基板10の中央寄りに配置しておく。ただ、結局のところ、レジスト膜付きマスクブランク1に方向性を付与することができるのならば、レジスト膜12の除去しろの大きさに制限はないし、除去しろの形状に制限はない。また、上辺以外のレジスト膜12の除去しろの幅は同じでも構わないし、互いに相違していても構わない。結局、作業者が上辺を特定可能ならば、除去しろに関する制限はない。

0043

ちなみに、薄膜11上にレジスト液を塗布してレジスト膜12を形成すると、薄膜11における周縁部分において盛り上がるようにレジスト膜12が形成されてしまう。レジスト膜付きマスクブランク1を運搬する際に、この盛り上がりの部分に他部材(装置内の部材等)が接触してしまうと、レジスト膜12からパーティクルが発生してしまう。先ほど述べたように、CDUが5nm以下、さらに厳しく言うと3nm以下という厳しい数値が要求されている。そのような状況において、パーティクルの発生は、面内均一性を著しく低下させてしまう。ところが、本実施形態のようにレジスト膜12における全ての周縁部分を除去することにより、レジスト膜12からパーティクルが生じるのを抑制可能となる。もちろん、全ての周縁部分を除去しなくとも所定の周縁部分を除去することにより方向性を付与することは可能である。ただ、上記のパーティクルの事由を考慮に入れると、レジスト膜12における全ての周縁部分を除去するのが好ましい。その上で、所定の周縁部分での除去しろの幅を他の周縁部分よりも大きくまたは小さくするのが好ましい。

0044

本工程までがレジスト膜付きマスクブランク1の製造方法である。本工程においてレジスト膜付きマスクブランク1に方向性を付与することが可能となり、ひいてはパターンの面内均一性を向上させることが可能となる。
本工程までの工程に対して以下の工程を加えたものが転写用マスク50の製造方法である。以下、説明する。

0045

1−D)情報取得工程&1−E)露光工程
図1(e)に示すように、形成されたレジスト膜12に対し、所定の形状の露光を行う。その際、面内感度分布情報に基づいてレジスト膜12に対する露光を行う。面内感度分布情報は、レジスト膜12を平面視した際の露光における感度分布を示す情報である。この情報としては数値情報でもよいし、レジスト感度分布図のような視覚的情報でもよい。この面内感度分布情報の取得手法としては、公知のものを用いても構わない。例えば、特許文献1に記載のように、レジスト膜12の面内における膜厚分布をマッピングし、それをレジスト感度分布図としても構わない。レジスト膜12の膜厚が大きければ、所定の露光量となるようにレジスト膜12に露光したとしても、レジスト膜12が十分に反応しない可能性がある。その一方、レジスト膜12の膜厚が小さければ、レジスト膜12が十分に反応する。この情報に基づいてレジスト感度分布図を作成する。そして、マスクブランク5を露光装置に装着し、その面内感度分布情報に応じて露光量を補正し、レジスト膜12の面内において均一なパターン精度となるように露光を行う。なお、1−D)情報取得工程は、1−E)露光工程において露光を実際に行う前に実施していればよい。

0046

本発明の課題でも挙げたように、マスクブランク5は場合によっては平面視で正方形のものも多数存在する。その場合、マスクブランク5において平面視における上下左右方向が特定できなくなる。そうなると、面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランク1の方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランク1の方向性とが一致しなくなるおそれがあった。しかしながら本実施形態においてはレジスト膜付きマスクブランク1に対して方向性が付与されており、除去工程によって付与された方向性と、面内感度分布情報における方向性とを一致させた上で露光工程を行うことが可能となる。

0047

なお、具体的な露光の手法および露光量の補正の手法については、公知の手法を用いても構わない。例えば、電子線描画を用いても構わないし、1−A−b)薄膜形成工程で挙げた各マスクに用いられる露光方法を採用しても構わない。

0048

1−F)現像工程
現像工程により、図1(f)に示すように、レジストパターンを形成する。現像工程の具体的な操作や現像剤としては、公知の方法を用いても構わない。

0049

1−G)エッチング工程
以上の工程を経て、レジストパターンを形成することが可能となる。レジストパターンを利用して、レジストパターン下の薄膜11に対して所定のパターンを形成する。図1(g)に示すように、所定のレジストパターンが形成されたレジスト膜12をマスクとして薄膜11をエッチングする。エッチングにより、薄膜11に所定の転写パターンを形成する。

0050

なお、エッチングの手法は、公知の手法を用いて構わない。好ましい例としては、薄膜11をエッチングする工程においては反応性ガスエッチャントとしたドライエッチングである。本形態のレジストパターンを利用すれば、反応性ガスに等方性エッチングガスが含まれていても、精度のよい転写パターンを形成することができる。

0051

また、薄膜11の表層の組成にクロムが含まれ、その一方で反応性ガスは少なくとも酸素と塩素を含む混合ガスとするエッチング方法のものにも好ましく適用することができる。

0052

1−H)その他
そして、図1(h)に示すように、レジストパターンを除去し、洗浄などのその他の処理を適宜行うことにより、本実施形態における転写用マスク50は製造される。これらの手法は、公知のものを用いればよい。
また、上記の構成以外にも、適宜、別の膜を設けても構わない。例えば、薄膜11とレジスト膜12との間にレジスト下地膜を設けても構わない。

0053

<2.レジスト膜付きマスクブランク1>
上記の手法のうち1−C)除去工程までで製造されたレジスト膜付きマスクブランク1自体にも大きな特徴がある。本実施形態におけるレジスト膜付きマスクブランク1は、まず、薄膜11を有する基板10と、薄膜11の表面に形成されたレジスト膜12とを備えている。その上で、薄膜11とレジスト膜12との間の平面視での位置関係によって、基板10を水平に載置した際の方向性を付与するように、レジスト膜12が薄膜11の表面に形成されている。

0054

レジスト膜付きマスクブランク1の周縁部分においてレジスト膜12が除去されると、平面視において額縁のようなメタルフレームが形成される。通常、レジスト膜12と薄膜11とは色が全く異なる。そのため、上辺のレジスト膜12の周縁部分が大きく除去されていると、作業者は容易に方向性を認識することが可能となる。つまり、レジスト膜12における全ての周縁部分を除去する一方、所定の周縁部分での除去しろの幅を他の周縁部分よりも大きくまたは小さくすることにより方向性が付与され、しかも作業者は容易に方向性を認識することが可能となる。

0055

これにより、レジスト感度の分布状況固定化した感度マップを作製することができる。この感度マップに基づいて、描画時の寸法補正にかかる露光条件(例えば電子線描画条件)マップを作製することにより、両者のマップの経緯が一致し、描画時における上下左右の取り違い(別の言い方をすると東西南北の取り違い)を防止することができる。これにより、寸法精度(CDU)にすぐれたレジストパターンを形成することができるので、結果、寸法精度にすぐれた転写用マスク50を製造することができる。

0056

[実施の形態2]
本実施形態においては、マスクブランク5を構成する薄膜11または基板10そのものに対し、方向性を付与するための指標をマーキングする例について述べる。なお、以下に特記のない内容については[実施の形態1]と同様とする。

0057

まず、1−A−a)基板準備工程において、基板10または薄膜11に対し、マスクブランク5を水平に載置した際の方向性をマスクブランク5に対して付与するマーキングを行う。ここでのマーキングは、マスクブランク5に対して視標を付与することを指す。この指標は、マスクブランク5を水平に載置した際の方向性を付与可能なものなら特に制限はない。例えば、基板10を平面視した際の上辺となる辺と他の辺との交差部分の角を落とす処理を行っても構わないし、基板10または薄膜11に対して矢印など方向を示す視標をマーキングしても構わない。このマーキングの位置は任意で構わず、例えば、基板10の端面に視標をマーキングしても構わないし、基板10の端面と主表面との交差部分のうち天の側の部分を面取りし、この面取り面に視標をマーキングしても構わない。基板10の主表面に視標をマーキングする場合は、レジスト液を塗布した後でも視認可能な位置に視標をマーキングしておく。例えば、1−C)除去工程によりレジスト膜12の周縁部分を全て除去することにより、薄膜11の周縁部分にマーキングされていた視標が露わになるという構成を採用しても構わない。
また、1−D)情報取得工程&1−E)露光工程以降については[実施の形態1]と同様の手法を用いても構わない。
なお、本実施形態においては、マスクブランク5自体にも特徴がある。まず、当該マスクブランク5は薄膜11を有する基板10を備えている。その上で、マスクブランク5を水平に載置した際の方向性を付与するための指標が基板10または薄膜11にマーキングされている。これにより、寸法精度(CDU)にすぐれたレジストパターンを形成することができるので、結果、寸法精度にすぐれた転写用マスク50を製造することができる。

0058

[実施の形態3]
本実施形態においては、その他の例について述べる。
上記の実施形態では各工程を設けたが、本発明の技術思想シンプルに記載すると、以下の通りである。
基体と当該基体上に形成されるレジスト膜との間の平面視での位置関係によって、当該基体を水平に載置した際の方向性を決定するように、当該基体上に当該レジスト膜を形成する、レジスト膜付きマスクブランクの製造方法。」
「基体に対し、基体を水平に載置した際の方向性を付与するマーキングを行うことを特徴とする、レジスト膜付きマスクブランクの製造方法。」
もちろん上記の内容を転写用マスク50の製造方法またはレジスト膜付きマスクブランク1自体に適用しても構わない。

0059

ここで言う「基体」とは、レジスト液が塗布される対象となるものであり、上記の実施形態においては薄膜11を有する基板10のことを指す。もちろん、基体を基板10そのものと解し、基板10に対してレジスト膜12を塗布する場合であっても、上記の実施形態で述べた手法を適用することは可能である。この場合としては、例えば、マスクブランク5からインプリントモールドを作製する場合が挙げられる。インプリントモールドは転写対象物上に塗布されたレジスト膜12に直接押し付けてパターンを転写する方式のため、インプリント用モールドの表面に形成した微細パターンの形状に大きく影響する。

0060

特に、インプリントモールドを作製する際の原盤となるマスターモールドは、多くの場合、合成石英ガラス等の基板10の表面にクロム系薄膜11やタンタル系薄膜11等を形成し、その表面にレジスト膜12を形成するという手法により製造される。この場合、レジスト膜12をリソグラフィー法によってパターニングし、レジストパターンをマスクとして下方の薄膜11や基板10をエッチングしてインプリント用モールドの凹凸パターンを形成する。
つまり、インプリントモールドを作製する場合であっても、パターンの面内均一性は大きな課題である。面内均一性を向上させるためには、面内感度分布情報を得て、その情報に応じて露光量を補正することが重要となる。そうなると、転写用マスク50の製造方法と同様に、面内感度分布情報を得たときの方向性と露光装置に装着する際の方向性とを一致させることが重要となる。
その結果、インプリントモールドを作製する場合であっても、上記の各工程を行うことになるため、本発明の思想を十分に適用可能である。

0061

以上の通り、上記の各実施形態によれば、パターンの面内均一性を向上させる技術を提供できる。

0062

次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

0063

<実施例>
本実施例においては、対称性が付与された場合に期待される「面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランク1の方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランク1の方向性とを確実に一致」がもたらす効果について検証した。そのために、1−E)露光工程において実際に露光を行う直前までを行った。つまり、面内感度分布情報に基づいた露光量の補正結果を調べた。この補正結果において面内均一性を良好なものに維持できているならば、最終的に得られるパターンの均一性も良好なものに維持できる。この考えに基づき、面内感度分布情報を得たときの方向性と露光装置に装着する際の方向性とを一致させた場合(実施例)と一致させない場合(比較例)とで、露光量の補正結果における面内均一性がどのように相違するかについて調査した。

0064

1−A)薄膜付基板(マスクブランク)準備工程
1−A−a)基板準備工程
主表面の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.25mmの合成石英ガラスからなる透光性を有する基板10(以下、透光性基板10ともいう)を準備した。

0065

1−A−b)薄膜形成工程
まず、透光性基板10上に光半透過膜(下層)を成膜した。
合成石英ガラスからなる基板10上に、枚葉スパッタ装置を用いて、スパッタターゲットにモリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット原子%比 Mo:Si=13:87)を用い、アルゴンと窒素との混合ガス雰囲気で、反応性スパッタリングDCスパッタリング)により、MoSiN膜(下層)を膜厚69nmで成膜した。なお、透過率は6.04%(λ=193nm)とし、位相差は179.5°とした。

0066

次に、光半透過膜上に3層構造の遮光膜(上層)を成膜した。
枚葉式DCスパッタ装置で、クロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)およびヘリウム(He)の混合ガス(流量比Ar:CO2:N2:He=22:39:6:33,圧力=0.2Pa)をスパッタリングガスとして反応性スパッタリング(DCスパッタリング:DC電力1.9kW)により、をクロムリーンなCrOCN膜を膜厚30nmで成膜した。
その上に、同じクロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)および窒素(N2)の混合ガス(流量比 Ar:N2=83:17,圧力=0.1Pa)をスパッタリングガスとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング:DC電力1.4kW)により、CrN膜を4nmの厚さで成膜した。
その上に、同じクロム(Cr)ターゲットを用い、アルゴン(Ar)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)およびヘリウム(He)の混合ガス(流量比 Ar:CO2:N2:He=21:37:11:31,圧力=0.2Pa)をスパッタリングガスとして反応性スパッタリング(DCスパッタリング:DC電力1.9kW)により、をクロムリッチなCrOCN膜を膜厚14nmで成膜した。
以上の手順により、位相シフト膜側からCrOCNからなる最下層、CrNからなる下層、CrOCNからなる上層の3層構造からなるクロム系材料の遮光膜3を合計膜厚48nmで形成した。
以上の手順により、薄膜11付き基板10を得た。なお、光半透過膜と遮光膜とを合わせたときの光学濃度を3.0(λ=193nm)とした。

0067

1−B)レジスト膜形成工程
まず前処理として、薄膜11の上層である遮光膜に対し、レジスト膜12との密着性を向上させるためにHMDS処理を行った。その後、薄膜11の表面に、電子線描画用の化学増幅型ポジ型レジストPRL009:富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコート法により塗布した。その後、130℃で600秒間加熱することで、レジスト膜12(厚さ120nm)を形成した。

0068

1−C)除去工程
レジスト膜付きマスクブランク1を、図2に示す装置内に設置した。そして、平面視で正方形の基板10の一辺(上辺)においてレジスト膜12の除去しろの幅が小さくなるように、レジスト膜12を除去するための薬液を吐出するノズル20を配置した。そして、薬液を吐出し、レジスト膜12の全ての周縁部分を除去し、かつ、上辺におけるレジスト膜12の除去しろの幅を他の辺の除去しろの幅に比べて小さくした。なお、その様子を図3に示す。図3は、レジスト膜付きマスクブランク1に対する光学顕微鏡観察を行った結果を示す写真である。図3に示すように、上辺においてはレジスト膜12の除去しろの幅が1.1mmとなり、その他の辺(例えば左辺)においては除去しろの幅が1.5mmとすることに成功していた。

0069

1−D)情報取得工程
まず、レジスト膜12における面内感度分布情報は、分光干渉膜厚測定装置(Nanometrics社製)を用い、レジスト膜12の膜厚を測定(基板中央4.2インチ角領域内の441点(21点×21点))することにより視覚化した。この視覚化の結果を示すのが図4である。
図4は、実施例および比較例において用いられるレジスト膜付きマスクブランク1における面内感度分布情報を示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
ちなみに、図5は、実施例および比較例において用いられるレジスト膜付きマスクブランク1を所定の条件で保管した後の面内感度分布情報を示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。

0070

1−E)露光工程
次に、エリオクス社製の電子線描画装置を用い、レジスト膜12に形成されるパターンが均一となるように、面内感度分布情報に基づいて露光量を補正した。その結果を図6に示す。図6は、実施例の結果を示す図であって、レジスト膜付きマスクブランク1を上部に開閉可能な開口を有するケーシング収納し、所定の条件(23℃、30h)で保管した後の面内感度分布情報を得た際の方向性と、レジスト膜付きマスクブランク1を露光装置に装着する際の方向性とを一致させた場合の、露光量の補正の度合いを示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
図6を見ると、露光量の補正が正常に行われていることがわかった。このまま露光を行うことにより、レジスト膜12に形成されるパターンの面内均一性を良好なものとすることができる。ひいては転写用マスク50やインプリントモールドに形成されるパターンの面内均一性を良好なものとすることができることがわかった。

0071

<比較例>
比較例においては、面内感度分布情報を得たときのレジスト膜付きマスクブランク1の方向性と、露光装置に装着する際のレジスト膜付きマスクブランク1の方向性とを不一致(上下逆)とした。それ以外は、実施例と同様とした。その結果を図7に示す。図7は、比較例の結果を示す図であって、レジスト膜付きマスクブランク1における面内感度分布情報を得た際の方向性と、レジスト膜付きマスクブランク1を露光装置に装着する際の方向性とを不一致とした(上下を逆にした)場合の、露光量の補正の度合いを示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
図7を見ると、露光量の補正が正常に行われていないことがわかった。このまま露光を行うと、レジスト膜12に形成されるパターンの面内均一性が保てない。ひいては転写用マスク50やインプリントモールドに形成されるパターンの面内均一性も保つことができないことがわかった。

0072

なお、比較例においては、所定の条件で保管した後のレジスト膜付きマスクブランク1に対しても同様の試験を行った。その結果を図8に示す。図8は、比較例の結果を示す図であって、レジスト膜付きマスクブランク1を所定の条件で保管した後の面内感度分布情報を得た際の方向性と、レジスト膜付きマスクブランク1を露光装置に装着する際の方向性とを不一致とした(上下を逆にした)場合の、露光量の補正の度合いを示す図であり、(a)が二次元グラフであり、(b)が三次元グラフである。
図8を見ると、露光量の補正が正常に行われていないことがわかった。このまま露光を行うと、レジスト膜12に形成されるパターンの面内均一性が保てない。ひいては転写用マスク50やインプリントモールドに形成されるパターンの面内均一性も保つことができないことがわかった。

実施例

0073

以上の結果、本実施例ならば、パターンの面内均一性を向上させることができた。

0074

1………レジスト膜付きマスクブランク
5………マスクブランク
10……基板
11……薄膜
12……レジスト膜
20……ノズル
50……転写用マスク

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    【課題】 光硬化性ナノインプリント用組成物の不具合の発生を抑制し、該組成物の保存安定性が改善した光硬化性ナノインプリント用組成物を安定して製造することが可能な製造方法を提供する。【解決手段】 (I... 詳細

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