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技術 ハザード表示用回転盤付き避難用地図装置

出願人 三瓶由貴
発明者 三瓶正三
出願日 2014年5月2日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2014-094921
公開日 2015年11月26日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2015-212743
状態 特許登録済
技術分野 教示用装置 表札、パネル等 可動手段を用いた可変情報用表示装置
主要キーワード 原子力事故 指掛け部分 拡散区域 拡散状況 優先状態 心構え ヨウ素剤 放射線量率
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

必要最低限で、大まかな避難ルート提示可能であり、構造が簡単で、コスト的にみても、国、県、市町村、学校等の団体から、一般個人の人々も含めて、誰もが容易に入手し保持でき、容易に使用できる避難用地図装置を実現する。

解決手段

表面に地図8を設けた地図板2とハザード表示回転盤3とを備え、ハザード表示用回転盤3は、距離表示線10とハザード情報17が表示された透明な円板から成り、円板の中心が地図8上の原子力施設の位置になるように、該位置を中心として回転可能に設けられており、距離圏表示線10は、原子力施設を中心とした複数の距離圏を、地図8の縮尺に対応して円板の中心を中心として円として描かれた線であり、ハザード情報17は、原子力施設で発生した原子力事故によって放出された放射性物質飛散及び拡散から避難するための情報である。

概要

背景

近年、地震洪水火山爆発等の災害が多発しており、災害に際して緊急避難するためのハザードマップ等の各種の有効な手段の開発が社会的に重要な要請となっている。

自然災害に備えた万全の準備をすることができると共に、不幸にも自然災害に遭遇した時に、迅速に対応することができる回転盤が知られている(特許文献1参照)。

この回転盤は、表面を複数の区画に等分し、区画毎項目別の見出しと概要が表示されている固定版と、区画に対応した大きさの欠切部が形成されている移動版とが中心部で回転自在に一体的に保持され、移動版を回転させ欠切部を区画に合わせ項目別の見出しと概要を見ることのでき、区画毎に表示されている項目別の見出しと概要の内容は、地震等の自然災害に備えて平常時に準備すべき事項及び発生時に対応すべき事項であり、固定版の裏面に災害時のハザードマップが表示されている。

ところで、東日本大震災の際に生じた福島第一原子発電所事故の際に、原子力発電所から放出した放射性物質が、風によって流されて飛散する方向に、人々は避難したという、きわめて皮肉な状況があったことが問題となった。

このような問題を解決するために、原子力施設から放出した放射性物質の飛散する方向、量を、放出の時間、状況、風向き等の気象条件地理的条件(山、谷、海等の地理上の条件)、放射性物質の種類・放出量等をパラメータとして、放射性物質の拡散等の予測計算を行うSPEEDI(緊登録商標、「急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」)が知られている。

概要

必要最低限で、大まかな避難ルート提示可能であり、構造が簡単で、コスト的にみても、国、県、市町村、学校等の団体から、一般個人の人々も含めて、誰もが容易に入手し保持でき、容易に使用できる避難用地装置を実現する。表面に地を設けた地板2とハザード表示用回転盤3とを備え、ハザード表示用回転盤3は、距離表示線10とハザード情報17が表示された透明な円板から成り、円板の中心が地上の原子力施設の位置になるように、該位置を中心として回転可能に設けられており、距離圏表示線10は、原子力施設を中心とした複数の距離圏を、地の縮尺に対応して円板の中心を中心として円として描かれた線であり、ハザード情報17は、原子力施設で発生した原子力事故によって放出された放射性物質の飛散及び拡散から避難するための情報である。

目的

本発明は、原子力事故による放射性物質からの避難において、上記従来の問題点を解決することを目的とし、市町村、学校等の団体から、一般個人の人々が、容易に保持し、誰でもが容易に使用することができ、SPEEDI等の拡散予測情報ステム程の正確なデータは得られなくても、必要最低限で、大まかな避難ルートを提示してくれる簡易な手段を実現することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

表面に地図を設けた地図板ハザード表示回転盤とを備えたハザード表示用回転盤付き避難用地図装置であって、ハザード表示用回転盤は、距離表示線ハザード情報が表示された透明な円板から成り、円板の中心が地図上の原子力施設の位置になるように、該位置を中心として地図板上に回転可能に設けられており、距離圏表示線は、原子力施設を中心とした複数の距離圏を、地図の縮尺に対応して円板の中心を中心として円として描かれた線であり、ハザード情報は、原子力施設で発生した原子力事故によって放出された放射性物質飛散及び拡散から避難するための情報であることを特徴とするハザード表示用回転盤付き避難用地図装置。

請求項2

ハザード情報は、風向き、風向きに対応して原子力事故によって放出された放射性物質の飛散方向、飛散方向を中心とし中心から所定角度の地域における飛散による拡散の度合、避難の方向を含むことを特徴とする請求項1に記載のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置。

請求項3

地図板は、その表面に縮尺の異なる複数の地図を備えており、複数の地図のそれぞれに対応して、それぞれの縮尺に応じて形成されたハザード表示用回転盤が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置。

請求項4

地図板は複数設けられており、複数の地図板には、それぞれその表面に互いに縮尺の異なる地図を備えており、複数の地図板の地図のそれぞれに対応して、それぞれの縮尺に応じて形成されたハザード表示用回転盤が設けられており、複数の地図板は、互いに接続されて使用される構成であることを特徴とする請求項1又は2に記載のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置。

請求項5

複数の地図板は、互いに着脱可能に接続される構成であることを特徴とする請求項4に記載のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置。

請求項6

複数の地図板は、互いに開閉可能に接続される構成であることを特徴とする請求項4に記載のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置。

請求項7

地図板の裏面には、ハザード表示用回転盤の簡単な使用方法、原子力事故災害が発生したときの緊急避難、屋内待避の必要最低限の対処仕方、緊急連絡先などが記載されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置。

技術分野

0001

本発明は、ハザード表示回転盤付き避難用地図装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、地震洪水火山爆発等の災害が多発しており、災害に際して緊急避難するためのハザードマップ等の各種の有効な手段の開発が社会的に重要な要請となっている。

0003

自然災害に備えた万全の準備をすることができると共に、不幸にも自然災害に遭遇した時に、迅速に対応することができる回転盤が知られている(特許文献1参照)。

0004

この回転盤は、表面を複数の区画に等分し、区画毎項目別の見出しと概要が表示されている固定版と、区画に対応した大きさの欠切部が形成されている移動版とが中心部で回転自在に一体的に保持され、移動版を回転させ欠切部を区画に合わせ項目別の見出しと概要を見ることのでき、区画毎に表示されている項目別の見出しと概要の内容は、地震等の自然災害に備えて平常時に準備すべき事項及び発生時に対応すべき事項であり、固定版の裏面に災害時のハザードマップが表示されている。

0005

ところで、東日本大震災の際に生じた福島第一原子発電所事故の際に、原子力発電所から放出した放射性物質が、風によって流されて飛散する方向に、人々は避難したという、きわめて皮肉な状況があったことが問題となった。

0006

このような問題を解決するために、原子力施設から放出した放射性物質の飛散する方向、量を、放出の時間、状況、風向き等の気象条件地理的条件(山、谷、海等の地理上の条件)、放射性物質の種類・放出量等をパラメータとして、放射性物質の拡散等の予測計算を行うSPEEDI(緊登録商標、「急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」)が知られている。

先行技術

0007

実用新案登録第3171256号公報

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献1記載の回転盤は、自然災害に対する平常時の心構えを確認したり、地震等生じた場合に予め定められた避難ルートを確認することはできる。しかしながら、原子力施設の事故によって放出された放射性物質が拡散するルートから避難するような時には、参考にはならない。

0009

SPEEDIを用いて放射性物質の拡散等の予測計算を行い、その結果、放射性物質の拡散について、拡散の地理的方向、濃度等の分布を作成し、ハザードマップを作成することはできる。

0010

しかしながら、放射性物質の拡散の向きは、状態は、風向き等によって変化するので、SPEEDIを利用して得た拡散予測情報に基づいて避難していても、時間が経過すると、その情報は古くなってしまい、必ずしも現在の避難方向への避難で安全が担保できるものではない。

0011

従って、放射性物質の拡散から避難して、安全を担保するためには、避難する人々は、常時、最新の拡散予測情報を入手し、その最新の避難情報に基づいて、避難する方向、ルートを決める必要がある。

0012

そのためには、SPEEDI等の拡散予測情報システムを保有し、運用する者は、緊急時は、常時最新の拡散予測情報を更新する作業を続ける必要がある。

0013

ところで、SPEEDI等の拡散予測情報システムは、国等で運用し、利用するには適しているが、市町村、学校、個人等で運用して利用できるものではない。

0014

仮に、SPEEDIの情報を、運用する者がインターネットで流し、それを一般の者が入手できるとしても、緊急時には、インターネット回線も停止したり、パソコン携帯使用不可となる危険性もある。また、インターネットは、老若男女のあらゆる層に簡単に利用できるものではない。

0015

また、一般の者がSPEEDI等の拡散予測情報システムによって、放射性物質の拡散状況示す分布データを入手したとしても、それでは具体的にどのような方向にどのようなルートで避難するか解析するようなことは、必ずしも簡単ではない。

0016

本発明は、原子力事故による放射性物質からの避難において、上記従来の問題点を解決することを目的とし、市町村、学校等の団体から、一般個人の人々が、容易に保持し、誰でもが容易に使用することができ、SPEEDI等の拡散予測情報システム程の正確なデータは得られなくても、必要最低限で、大まかな避難ルートを提示してくれる簡易な手段を実現することを課題とする。

課題を解決するための手段

0017

本発明は上記課題を解決するために、表面に地図を設けた地図板とハザード表示用回転盤とを備えたハザード表示用回転盤付き避難用地図装置であって、ハザード表示用回転盤は、距離表示線ハザード情報が表示された透明な円板から成り、円板の中心が地図上の原子力施設の位置になるように、該位置を中心として地図板上に回転可能に設けられており、距離圏表示線は、原子力施設を中心とした複数の距離圏を、地図の縮尺に対応して円板の中心を中心として円として描かれた線であり、ハザード情報は、原子力施設で発生した原子力事故によって放出された放射性物質の飛散及び拡散から避難するための情報であることを特徴とするハザード表示用回転盤付き避難用地図装置を提供する。

0018

ハザード情報は、風向き、風向きに対応して原子力事故によって放出された放射性物質の飛散方向、飛散方向を中心とし中心から所定角度の地域における飛散による拡散の度合、避難の方向を含むことが好ましい。

0019

地図板は、その表面に縮尺の異なる複数の地図を備えており、複数の地図のそれぞれに対応して、それぞれの縮尺に応じて形成されたハザード表示用回転盤が設けられていることが好ましい。

0020

地図板は複数設けられており、複数の地図板には、それぞれその表面に互いに縮尺の異なる地図を備えており、複数の地図板の地図のそれぞれに対応して、それぞれの縮尺に応じて形成されたハザード表示用回転盤が設けられており、複数の地図板は、互いに接続されて使用される構成であることが好ましい。

0021

複数の地図板は、互いに着脱可能に接続される構成であることが好ましい。

0022

複数の地図板は、互いに開閉可能に接続される構成であることが好ましい。

0023

地図板の裏面には、ハザード表示用回転盤の簡単な使用方法、原子力事故災害が発生したときの緊急避難、屋内待避の必要最低限の対処仕方、緊急連絡先などが記載されていることが好ましい。

発明の効果

0024

本発明に係るハザード表示用回転盤付き避難用地図装置は、SPEEDI等の拡散予測情報システム程の精密なデータは得られなくても、必要最低限で、大まかな避難ルートを提示可能であり、SPEEDI等の拡散予測情報システム等に比較すると、構造が簡単で、コスト的にみても、市町村、学校等の団体から、一般個人の人々も含めて、誰もが容易に入手し保持でき、誰でもが簡便に使用することができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明に係るハザード表示用回転盤付き避難用地図装置の実施例を説明する図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
本発明の実施例のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置のハザード表示用回転盤を説明する図であり、(a)は10km圏用ハザード表示用回転盤の平面図であり、(b)は30km圏用ハザード表示用回転盤の平面図である。
本発明の実施例の変形例のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置を説明する図である。
上記変形例のハザード表示用回転盤付き避難用地図装置の接続具の構成例を示す図であり、(a)〜(d)は1つの構成例であり、(a)は正面図であり、(b)は(a)のB−B断面図であり、(c)は(a)の使用状態を示す図であり、(d)は(c)のD−D断面図であり、(e)〜(f)は、別の構成例を示す図であり、(e)は正面から見た断面図であり、(f)は側面から見た断面図であり、(g)は使用状態を示す断面図である。

0026

本発明に係るハザード表示用回転盤付き避難用地図装置(以下の説明では、「避難用地図装置」と省略する)を実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。

0027

本発明に係る避難用地図装置の実施例を図1〜2において説明する。この実施例の避難用地図装置1は、図1(a)、(b)に示すように、地図板2と、ハザード表示用回転盤3と、方位磁石4と、を備えている。

0028

地図板2は、曲がることのないある程度の剛性を有し板状に形成されており、その表面に地図8が設けられている。地図板2は、例えば、合成樹脂板アルミ等の金属板、厚紙、木製板等に、地図8を直接、印刷して成る構成としてもよいし、或いは、地図8を印刷した紙や合成樹脂フィルムを、合成樹脂板、アルミ等の金属板、厚紙、木製板等に貼り付けて成る構成としてもよい。

0029

地図板2は、避難する者が見やすくて避難の参考となり易い地図8であれば、道路地図等、どのような地図でもよい。地図8の縮尺は、後記するが使用状態(原子力施設からどの程度距離圏での使用、原子力事故の進行状態、使用目的等)によりいろいろなものがあるが、原子力施設を含み、その原子力施設から少なくとも10km圏が記載されていることが好ましい。

0030

なお、原子力施設としては、例えば、原子力発電所、核燃料工場再処理施設濃縮施設原子力研究開発施設等である。また、地図板の裏面には、ハザード表示用回転盤の簡単な使用方法、原子力事故災害が発生したときの緊急避難、屋内待避の必要最低限の対処の仕方、緊急連絡先などが記載されている構成としてもよい。

0031

使用目的によっては、地図8は、縮尺は200km圏程度、或いはそれ以上の広域圏が記載されているものでもよい。後記する変形例において説明するが、複数の縮尺の地図8を組み合わせた構成としてもよい。例えば、原子力施設から原子力施設から10km圏の地図と30km圏の地図を組み合わせるように、異なる縮尺の地図を組み合わせる構成とすることも好ましい。

0032

ハザード表示用回転盤3は、図1(b)にも示されているが、さらに詳細に説明するために、図2(a)、(b)にも2つの構成例を示す。ハザード表示用回転盤3は、透明な合成樹脂の円形板で形成されており、その中心を地図8における対象とする原子力施設の上に位置させて、その位置を中心に地図板2に、回転可能にピン9によって取り付けられている。

0033

ハザード表示用回転盤3には、取り付けられた地図8の縮尺に対応して、例えば、1km、5km、10km、20km、30km、40km、50km、………のように、原子力施設を中心とした放射状に離れた距離圏(以下、「距離圏」或いは単に「圏」とも言う)を表示する円形の距離圏表示線10が印刷等によって表示されている。

0034

例えば、図2(a)は、10km兼用ハザード表示用回転盤13を示し、1km、5km、10kmの距離圏表示線10が印刷されており、少なくとも距離圏が15km程度まで表示される縮尺の地図に回転可能に取り付けられる。

0035

また、図2(b)は、30km兼用ハザード表示用回転盤14を示し、10km、20km、30kmの距離圏表示線10が印刷されており、少なくとも距離圏が35km程度まで表示される縮尺の地図の地図板上に回転可能に取り付けられる。

0036

ハザード表示用回転盤3には、ハザード情報17が表示されている。このハザード情報17は、特に重要な事項は、風向きと、事故によって原子力施設から放出された放射性物質(放射性セシウム放射性ヨウ素等)の飛散方向と、放射性物質が大気中を飛散して拡散する地域と、その区域危険状態と、避難に関する情報(緊急避難、最優先避難、優先避難、屋内避難、避難方向等)の事項であり、これらの事項から、適宜、選択して印刷等によって表示される。

0037

さらに、必要に応じて、各種の表示をしてもよい。例えば、放射性ヨウ素による甲状腺被爆を防止するための対策として、ヨウ素剤服用するが、服用しておいた方が良い圏内及び区域に対応して、ハザード表示用回転盤3にヨウ素剤の服用の表示をする。

0038

放射性物質が大気中で飛散し拡散する地域に対応して、ハザード表示用回転盤3の中心(原子力施設に対応する地点)からの角度範囲と距離圏との組み合わせから表示される。

0039

危険や避難を示す表示として、一刻も早く避難すべき緊急避難状態、最優先避難状態、優先避難状態、屋内に退避して様子待ちすべき屋内避難(退避)状態等が、ハザード表示用回転盤3に表示される。これらの危険や避難の程度は、放射性物質の人に悪影響を及ぼす放射線量率等を考慮した危険度合い応じて決められる。

0040

これらの危険や避難の程度を示すハザード情報は、それぞれハザード表示用回転盤3に異なる色で着色されて表示されることが好ましい。この着色は、着色された部分を通して、さらに下方の地図8が見える程度(半透明状態)に薄く施される。

0041

以上のようなハザード情報17を、図2(a)、(b)に示す10km兼用ハザード表示用回転盤13と30km兼用ハザード表示用回転盤14において、さらに具体的に説明する。

0042

10km兼用ハザード表示用回転盤13は、原子力施設に比較的近接した区域、特に10km圏内に居住又は活動する者が保持し使用するのに適している。また、この10km兼用ハザード表示用回転盤3は、原子力施設から放射性物質が放出された直後数時間の避難活動における使用に、特に適したものである。

0043

10km兼用ハザード表示用回転盤3は、原子力施設を中心として、12km程度離れた距離に対応した直径を有し、全体が15km圏程度が表示された縮尺の地図42(「10km圏用地図」という)を有する地図板39上に、その中心を、地図42上の原子力施設に位置決めされ回転可能に設けられている。

0044

10km兼用ハザード表示用回転盤3の中心から1km圏内(1km圏表示線内)に相当する部分18は、全方位とも緊急避難状態であることを示す区域として赤色で表示されている。

0045

10km兼用ハザード表示用回転盤3に、その中心に向けて風向きを示す風向き矢印19が表示されている。この風向き矢印19がハザード表示用回転盤3の中心を通過した延長線22の上に、放射線物質の飛散方向を示す放射線物質飛散方向矢印23が表示されている。

0046

上記延長線22を中心にして、ハザード表示用回転盤3の中心から、例えば16方位(360度)の内、3方位(67.5度)の角度範囲内であって5km圏内(5km圏表示線内)の区域に相当する部分24には、避難最優先状態であること文字で示すとともに、この部分全体は黄色で表示されている。この3方位(67.5度)の角度範囲を示す線の両外側に向けて、避難方向を示す避難方向矢印27が表示されている。なお、本明細書では、360度を16の方位に分割して、1方位に対応する角度を22.5度とする。

0047

また、例えば3方位(67.5度)の角度範囲内であって10km圏内(10km圏表示線内)の区域25に相当する部分は、避難優先状態である文字を示すとともに、ヨウ素服用の必要を示すヨウ素服用の文字が表示されている。ハザード表示用回転盤3の外周から一部突出している部分は、ハザード表示用回転盤3を回転する際に指を掛けることのできる指掛け部28として使用できる。

0048

延長線22を中心に、ハザード表示用回転盤3の中心から、例えば1方位(22.5度)の角度範囲内であって中心から13km程度圏内の区域に相当する指掛け部28辺りの部分までは、放射性物質がまとまって飛散する区域29として、橙色で表示されている。

0049

30km圏用ハザード表示用回転盤14は、10km圏用ハザード表示用回転盤13と同様に、原子力施設に近接する区域の居住又は活動する者にも必要であるが、特に30km圏内に居住又は活動する者が保持し使用するのに適している。

0050

この30km圏用ハザード表示用回転盤14は、原子力施設を中心として、32km程度離れた距離に対応した直径を有し、35km圏程度が表示された縮尺の地図44を有する地図板40上に、その中心を、地図44上の原子力施設に位置決めされ回転可能に設けられている。

0051

30km圏用ハザード表示用回転盤14は、放射線放出からすでに数時間経過以降で、10km圏でもかなり危険となっている状態等で使用され、中心から10km圏内(10km圏表示線内)の区域に相当する部分18は全方位について最危険状態として、例えば赤色に表示されている。

0052

30km圏用ハザード表示用回転盤14に、その中心に向けて風向きを示す風向き矢印19が表示されている。この風向き矢印19が30km圏用ハザード表示用回転盤14の中心を通過した延長線22の上に、放射線物質飛散方向矢印23が表示されている。

0053

この延長線22を中心に、ハザード表示用回転盤3の中心から、例えば3方位(67.5度)の角度範囲内であって20km圏内(20km圏表示線内)の区域に相当する部分24には、避難最優先状態であること文字で示すとともに、この部分全体は黄色で表示されている。この3方位(67.5度)の角度範囲を示す線の両外側に向けて、避難方向矢印27が表示されている。

0054

また、例えば3方位(67.5度)の角度範囲内であって30km圏内(20km〜30km圏)の区域に相当する部分32は、屋内避難状態の区域であることで示す文字が表示され、この部分全体は黄色で表示されている。

0055

特に、延長線22を中心に、30km圏用ハザード表示用回転盤14の中心から、例えば1方位(22.5度)の角度範囲内であって中心から32km圏内の区域に相当する指掛け部分28辺りまでの部分29は、放射性物質がまとまって飛散する区域として、橙色で表示されている。

0056

また、甲状腺被爆の対策として、所定の圏内(例えば、30km圏内)の居住者又は活動する者は、事故後、比較的に早いタイミングで、ヨウ素剤を服用しておくことが望ましい。30km圏用ハザード表示用回転盤3には、30km圏表示線内に対応して、適宜、ヨウ素剤服用必要等の表示を印刷しておくことも好ましい。

0057

以上のハザード表示用回転盤13、14は、10km圏、30km圏を表示する地図に適用した一例であって、例えば、100km、200km等、縮尺の異なる複数の地図にそれぞれ対応して、適宜ハザード情報17は設けられている。

0058

方位磁石4は、図1(b)に示すように、地図板2の例えば隅部等に設けられている。方位磁石4を備えていると、地図板2の地図8を、方位に合わせて見ることが可能となる。

0059

(変形例)
本発明に係る避難用地図装置の実施例の変形例を説明する。この変形例の避難用地図装置は、地図板の表面に、縮尺の異なる複数の地図が設けられており、複数の地図に、それぞれの地図の縮尺に対応するハザード情報が印刷等で表示されたハザード表示用回転盤が設けられて成る。

0060

その一例として図3に示す変形例の避難用地図装置41は、10km圏用地図板39の表面に10km圏用地図42が設けられており、30km圏用地図板40表面に30km圏用地図43が設けられており、2つの地図板39、40は、互いに着脱可能に一体化することができるようにした構成である。

0061

なお、図3では明確ではないかもしれないが、2つの地図42、43は、実際は、10km圏、30km圏が十分表示されるように、若干広域の地図(例えば、15km、35km程度)である。

0062

そして、10km圏用地図板39には、10km圏用ハザード表示用回転盤13が、10km圏用地図42上の原子力施設の位置を中心に、回転可能に設けられている。30km圏用地図板40には、30km圏用ハザード表示用回転盤14が、30km圏用地図43上の原子力施設の位置を中心に、回転可能に設けられている。

0063

異なる2つの地図板39、40を互いに着脱可能に一体化する接続具46の構成としては、図4(a)〜(d)に示すように、一方の地図板40(又は39)の接続端部に弾力性を有する突起47を設け、他方の地図板39(又は40)の接続端部に突起47を弾力的に嵌合する孔48を設けた構成としてもよいし、図示はしないが、永久磁石で互いに着脱可能とする構成としてもよいし、ハトメパンチリングファイルに異なる2つの地図板39、40を互いに着脱可能に一体化する構成としてもよい。使用するファイルは、透明な材質の物を使えば、一目でハザード表示用回転盤付き避難用地図装置と分かる。

0064

或いは、図4(e)〜(g)に示すように、接続具46は、ヒンジ51で2つの地図板39、40を回転可能に接続し、互いに開閉可能な構成としてもよい。その場合は、ヒンジ51の一対の開閉板52にそれぞれ突設された突起53を、地図板39、40の接続端にそれぞれ形成された孔54に嵌合する構成とすればよい。

0065

なお、図示はしないが、変形例の避難用地図装置は、縮尺の異なる複数の地図板の表面に複数の地図が設けられている構成ではなく、1枚の地図板の表面に、縮尺の異なる複数の地図が設けられている構成としてもよい。

0066

(作用)
本発明に係る上記避難用地図装置の作用をその使用態様を通して、以下に説明する。避難用地図装置は、原子力施設から例えば10km、20km、30km、40、km、50km等の圏内の市町村、学校、企業、家庭、個人等に広く配布しておく。

0067

なお、配布される避難用地図装置は、図1(b)の20km圏、図3に示すように10km圏と30km圏が一体とされたもの、或いは図3の上下に示す10km圏と30km圏単独のもの等、それぞれの距離圏に応じて適宜配布すればよい。

0068

即ち、原子力施設から使用者の居住、活動域がどの程度離れているかに応じて、使用者は、1ないし複数種の異なる距離圏の地図を備えた避難用地図装置を保持することが好ましい。

0069

配布された使用者は、避難用地図装置、例えば避難用地図装置1、41自体は、コンパクトなものであるから、事務所内、家庭内、車内、鞄内等に保持しておくことが可能となる。

0070

地震、津波等が要因で、原子力施設に事故が発生し、ベント等によって放射性物質が放出された場合、原子力施設から放射性物質が放出された事実は、ラジオテレビ等で、逐次公表される。

0071

放出された放射性物質の飛散の状態は、気象条件(風、雨、湿度等)、地形平野、山等)、放射性物質の種類、放出のタイミング等のパラメータによるが、放射性物質の飛散方向は、気象条件、特に風向きに大きく左右される。このことは、東日本大震災における放射性物質の飛散、拡散区域からも一般に広く知られた周知の経験となっている。

0072

このような経験を基に、今後、同様の事故が生じた場合には、ラジオ、テレビ等で、原子力施設を中心とした広域の風向き等の気象条件は、逐次、一般に伝達されるものと考えられる。広域の風向き等の気象条件が、ラジオ、テレビ等で一般に伝達されることは、本発明の避難用地図装置の利用に際しては、前提となることである。

0073

放射性物質が放出された直後、例えば、5km圏内に居住又は活動する者は、風向きに関する気象情報をラジオ、TV、スマートフォン等で入手し、その風向きに、10km圏用地図42を有する避難用地図装置の10km圏用ハザード表示用回転盤13を回転操作して、風向き表示を合わせる。

0074

すると、10km圏用ハザード表示用回転盤13のハザード情報17によって、放射性物質の飛散方向、避難優先区域及び避難方向等が10km圏用地図42上で明示される。5km圏内に居住又は活動する者は、このハザード情報17を参考に、避難優先区域であることを確認するとともに、避難方向矢印27で確認して、10km圏用地図42を見ながら避難することができる。

0075

また、例えば、30km圏内(例えば25〜30km圏)に居住又は活動する者は、風向きに関する気象情報をラジオ、TV、スマートフォン等で入手し、その風向きに、30km圏用地図43を有する避難用地図装置の30km圏用ハザード表示用回転盤14を回転操作して風向き表示を合わせる。

0076

すると、30km圏用ハザード表示用回転盤14のハザード情報17によって、放射性物質の飛散方向、避難優先区域及び避難方向等が30km圏用地図43上で明示される。30km圏内に居住又は活動する者は、このハザード情報17を参考に、屋内避難区域であることを確認し、屋内に避難することができる。

0077

以上のとおり、5km圏内に居住又は活動する者は、少なくとも10km圏用地図板39を有する10km圏用の避難用地図装置のハザード情報17に従って避難する。一方、30km圏内に居住又は活動する者は、少なくとも30km圏用地図板40を有する30km圏用の避難用地図装置を備え、そのハザード情報17に従って屋内退避する。

0078

このようにすると、避難の優先度合いプライオリティ)が明確となり、5km圏内に居住又は活動する者と30km圏内に居住又は活動する者が同時に避難するような事態が避けられ、その結果、異なる距離圏に居住又は活動する者は、一斉避難をすることなく、段階的に避難することが自然に可能となり、避難ルート(避難に使用する道路)における、渋滞混乱等が事前に防止可能となる。これも、本発明の避難用地図装置1により生じる重要な効果である。

0079

より有効的に避難用地図装置1を使用するためには、風向きに関する気象情報をラジオ、TV、スマートフォン等で、可能な限り短い時間間隔で入手し、そのような気象情報をこまめに参考して、ハザード表示用回転盤3、13、14を操作して、最新の気象情報に即したハザード情報17に沿って避難することが好ましい。

0080

なお、風向き、雨等の気象条件は、概要はともかくとして細かくは刻々と変化するので、ラジオ、TV、スマートフォン等で入手した気象情報を基に避難用地図装置による避難情報は、あくまでも大まかな情報であり、精密な情報ではない。

0081

従って、避難用地図装置は、あくまでも、緊急避難時の大まかな避難情報を提供する簡易な避難補助手段としては有用であるが、精密な避難情報を提供するものではないことを留意して使用する必要がある。

0082

前記変形例で説明したとおり、いくつかの異なる縮尺の複数の地図を組み合わせた避難用地図装置を使用すると、次のように、さらに一層の効果が期待できる。例えば、図3に示すように、10km圏用地図42と30km圏用地図43を備えた避難用地図装置41を使用する場合は、次のとおりである。

0083

原子力施設から放射性物質が放出された直後数時間は、例えば5km圏内に居住又は活動する者は、主に10km圏用地図42を使用し緊急避難行動等をとるが、その際も、30km圏用地図43を使用してハザード情報17も逐次参照していれば、数時間先の将来の予測もしながら行うことができる。

0084

また、例えば30km圏内に居住又は活動する者は、仮に屋内避難をする可能性があるとしても、10km圏用地図42を使用し、原子力施設により近接した圏内のハザード情報17も逐次参照していれば、より効果的な対応が可能となる。

実施例

0085

以上、本発明に係るハザード表示用回転盤付き避難用地図装置を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。

0086

本発明に係るハザード表示用回転盤付き避難用地図装置は上記のような構成であるから、国、県、市町村、学校、企業、家庭、個人等が利用可能な、原子力事故からの緊急対応を手助けしてくれる簡易な避難補助手段として適用可能である。

0087

さらに、福島第一原子力発電所の事故の教訓から改定された原子力災害対策指針で、放射性ヨウ素による甲状腺がんを予防する安定ヨウ素剤が原発から半径5km圏内に居住する家庭などに事前に各戸配布することが決まったことから、安定ヨウ素剤をハザード表示用回転盤付き避難用地図装置と一緒保管すると、よりいっそう原子力災害対策の実効性が高まる。

0088

1ハザード表示用回転盤付き避難用地図装置
2 地図板
3 ハザード表示用回転盤
4方位磁石
8 地図
9ピン
10 距離圏表示線
13 10km圏用ハザード表示用回転盤
14 30km圏用ハザード表示用回転盤
17ハザード情報
18 緊急避難区域を示す部分
19風向き矢印
22 風向き矢印がハザード表示用回転盤を通過する延長線
23放射性物質飛散方向矢印
24避難最優先状態の区域を示す部分
25 避難優先状態の区域を示す部分
27避難方向矢印
28指掛け部
29放射線物質が特にまとまって飛散する区域を示す部分
32屋内避難状態の区域を示す部分
39 10km圏用地図板
40 30km圏用地図板
41 ハザード表示用回転盤付き避難用地図装置
42 10km圏用地図
43 30km圏用地図
46接続具
47 地図板の端部の突起
48 地図板の端部の孔
51ヒンジ
52 ヒンジの一対の開閉板
53 開閉板に突設された突起
54 地図板の端部に形成された孔

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