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技術 免震建物、及び、免震装置の交換方法

出願人 株式会社大林組
発明者 長屋圭一今井孝片岡大
出願日 2014年5月2日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2014-094993
公開日 2015年11月26日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2015-212470
状態 特許登録済
技術分野 異常な外部の影響に耐えるための建築物 防振装置 ばね
主要キーワード 設置用部材 ダクト孔 円形ゴム 基礎部材 円形鋼板 下部構造体 頭付きスタッド 水平方向成分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

施工コストを低減し、免震装置交換作業を容易にすること。

解決手段

建物の柱が上面に連結された上部基礎部材と、下部基礎部材との間に、免震装置が設置された免震建物であって、前記上部基礎部材の下面には水平部材が設けられ、前記水平部材は、前記免震装置の交換時に、前記免震装置の周囲に設置されて前記柱からの荷重を仮支持する複数のジャッキに当接可能なように、前記免震装置の周囲まで延びており、前記水平部材の上面のうち前記免震装置の周囲に対応する部位に、当該上面から突出し、前記上部基礎部材に埋設された突出部材が設けられていること、を特徴とする免震建物である。

概要

背景

建物における上部構造体と下部構造体との間に免震装置を設置し、上部構造体の振動長周期化し、上部構造体の揺れ緩和する免震建物が知られている。一般に、免震装置は、建物の柱からの荷重を、鉄筋コンクリート等で構築された上部基礎部材を介して支持する。そのため、免震装置の交換時には、免震装置の周囲に複数のジャッキが設置され、柱からの荷重は複数のジャッキで仮支持される。そうすると、免震装置が柱からの荷重を支持していたときと、上部基礎部材に作用する応力分布が異なり、上部基礎部材にひび割れ等の破損が生じる虞がある。そこで、上部基礎部材に、PC鋼材を水平に挿通可能なダクトを設けておき、免震装置の交換時には、そのダクトにPC鋼材を挿通し、PC鋼材に緊張力を導入することで、上部基礎部材のコンクリートプレストレスを付与して補強する方法が提案されている(特許文献1参照)。

概要

施工コストを低減し、免震装置の交換作業を容易にすること。建物の柱が上面に連結された上部基礎部材と、下部基礎部材との間に、免震装置が設置された免震建物であって、前記上部基礎部材の下面には水平部材が設けられ、前記水平部材は、前記免震装置の交換時に、前記免震装置の周囲に設置されて前記柱からの荷重を仮支持する複数のジャッキに当接可能なように、前記免震装置の周囲まで延びており、前記水平部材の上面のうち前記免震装置の周囲に対応する部位に、当該上面から突出し、前記上部基礎部材に埋設された突出部材が設けられていること、を特徴とする免震建物である。

目的

本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたもので、その主な目的は、施工コストを低減し、免震装置の交換作業を容易にする免震建物、及び、免震装置の交換方法を提供する

効果

実績

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請求項1

建物の柱が上面に連結された上部基礎部材と、下部基礎部材との間に、免震装置が設置された免震建物であって、前記上部基礎部材の下面には水平部材が設けられ、前記水平部材は、前記免震装置の交換時に、前記免震装置の周囲に設置されて前記柱からの荷重を仮支持する複数のジャッキに当接可能なように、前記免震装置の周囲まで延びており、前記水平部材の上面のうち前記免震装置の周囲に対応する部位に、当該上面から突出し、前記上部基礎部材に埋設された突出部材が設けられていること、を特徴とする免震建物。

請求項2

請求項1に記載の免震建物であって、前記柱から前記ジャッキに向かって伝達される荷重の水平方向成分は、前記突出部材、及び、前記上部基礎部材と前記水平部材との摩擦面を介して、前記水平部材に伝達されること、を特徴とする免震建物。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の免震建物であって、前記水平部材は、前記上部基礎部材に対する前記免震装置の設置用部材であることを特徴とする免震建物。

請求項4

請求項1から請求項3の何れか1項に記載の免震建物であって、前記下部基礎部材の上面に、前記下部基礎部材に対する前記免震装置の設置用部材が設けられ、当該設置用部材は、前記水平部材に比べて、水平面が小さいことを特徴とする免震建物。

請求項5

建物の柱が上面に連結された上部基礎部材と、下部基礎部材との間に、設置された免震装置の交換方法であって、前記免震装置の周囲に複数のジャッキを設置することと、前記上部基礎部材の下面に設けられた水平部材であり、前記免震装置の周囲に対応する上面の部位に、当該上面から突出し、前記上部基礎部材に埋設された突出部材が設けられた水平部材に、前記複数のジャッキを当接させ、前記柱からの荷重を前記複数のジャッキに仮支持させた状態で、前記免震装置を交換することと、前記柱からの荷重を新しい前記免震装置に支持させた後に、前記複数のジャッキを撤去することと、を有することを特徴とする免震装置の交換方法。

技術分野

0001

本発明は、免震建物、及び、免震装置交換方法に関する。

背景技術

0002

建物における上部構造体と下部構造体との間に免震装置を設置し、上部構造体の振動長周期化し、上部構造体の揺れ緩和する免震建物が知られている。一般に、免震装置は、建物の柱からの荷重を、鉄筋コンクリート等で構築された上部基礎部材を介して支持する。そのため、免震装置の交換時には、免震装置の周囲に複数のジャッキが設置され、柱からの荷重は複数のジャッキで仮支持される。そうすると、免震装置が柱からの荷重を支持していたときと、上部基礎部材に作用する応力分布が異なり、上部基礎部材にひび割れ等の破損が生じる虞がある。そこで、上部基礎部材に、PC鋼材を水平に挿通可能なダクトを設けておき、免震装置の交換時には、そのダクトにPC鋼材を挿通し、PC鋼材に緊張力を導入することで、上部基礎部材のコンクリートプレストレスを付与して補強する方法が提案されている(特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開平9−3921号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、上記方法では、上部基礎部材の鉄筋を避けた位置にダクトを形成するために、上部基礎部材の幅を大きくしたり、上部基礎部材にダクト孔が形成されて断面欠損が生じるため、上部基礎部材を補強したりしなければならない。そうすると、材料費作業量が増加し、施工コストがかかってしまう。また、上記方法では、免震装置の交換時に、PC鋼材をダクトに挿通する等の作業が必要となり、免震装置の交換作業が煩雑である。

0005

本発明はかかる従来の課題に鑑みてなされたもので、その主な目的は、施工コストを低減し、免震装置の交換作業を容易にする免震建物、及び、免震装置の交換方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明に係る免震建物は、建物の柱が上面に連結された上部基礎部材と、下部基礎部材との間に、免震装置が設置された免震建物であって、前記上部基礎部材の下面には水平部材が設けられ、前記水平部材は、前記免震装置の交換時に、前記免震装置の周囲に設置されて前記柱からの荷重を仮支持する複数のジャッキに当接可能なように、前記免震装置の周囲まで延びており、前記水平部材の上面のうち前記免震装置の周囲に対応する部位に、当該上面から突出し、前記上部基礎部材に埋設された突出部材が設けられていること、を特徴とする免震建物である。
このような免震建物によれば、柱からジャッキに向かって伝達される荷重の水平方向成分に対して、突出部材と水平部材とで抵抗でき、上部基礎部材の破損を抑制できる。したがって、前述のように、上部基礎部材にPC鋼材を挿通するダクトを設ける必要がなくなり、施工コストを低減でき、また、免震装置の交換時にPC鋼材をダクトに挿通する等の作業が必要なくなり、免震装置の交換作業を容易にできる。

0007

係る免震建物であって、前記柱から前記ジャッキに向かって伝達される荷重の水平方向成分は、前記突出部材、及び、前記上部基礎部材と前記水平部材との摩擦面を介して、前記水平部材に伝達されること、を特徴とする免震建物である。
このような免震建物によれば、上部基礎部材の破損を抑制しつつ、施工コストを低減し、免震装置の交換作業を容易にできる。

0008

係る免震建物であって、前記水平部材は、前記上部基礎部材に対する前記免震装置の設置用部材であることを特徴とする免震建物である。
このような免震建物によれば、免震装置の設置用部材とは別に、柱からジャッキに向かって伝達される荷重の水平方向成分に抵抗する部材を新たに設ける場合に比べて、施工コストを低減できる。

0009

係る免震建物であって、前記下部基礎部材の上面に、前記下部基礎部材に対する前記免震装置の設置用部材が設けられ、当該設置用部材は、前記水平部材に比べて、水平面が小さいことを特徴とする免震建物である。
このような免震建物によれば、下部基礎部材に対する免震装置の設置用部材は上部基礎部材の破損に影響しないため、上部基礎部材の破損を抑制しつつ、施工コストを一層低減できる。

0010

また、建物の柱が上面に連結された上部基礎部材と、下部基礎部材との間に、設置された免震装置の交換方法であって、前記免震装置の周囲に複数のジャッキを設置することと、前記上部基礎部材の下面に設けられた水平部材であり、前記免震装置の周囲に対応する上面の部位に、当該上面から突出し、前記上部基礎部材に埋設された突出部材が設けられた水平部材に、前記複数のジャッキを当接させ、前記柱からの荷重を前記複数のジャッキに仮支持させた状態で、前記免震装置を交換することと、前記柱からの荷重を新しい前記免震装置に支持させた後に、前記複数のジャッキを撤去することと、を有することを特徴とする免震装置の交換方法である。
このような免震装置の交換方法によれば、複数のジャッキを水平部材に当接させて設置するだけで、上部基礎部材の破損を抑制でき、免震装置の交換作業を容易にできる。

発明の効果

0011

本発明によれば、施工コストを低減し、免震装置の交換作業を容易にする免震建物、及び、免震装置の交換方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

図1Aは本実施形態の免震建物の鉛直断面図であり、図1Bは図1Aの位置AAにおける免震建物の水平断面図である。
本実施形態の免震建物における免震装置の交換時の状態を示す図である。
免震装置の交換時に本実施形態の免震建物に作用する力を説明する図である。
図4Aは比較例の免震建物の免震装置交換時の鉛直断面図であり、図4Bは図4Aの位置AAにおける免震建物の水平断面図である。

実施例

0013

以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1Aは、本実施形態の免震建物1の鉛直断面図であり、図1Bは、図1Aの位置AAにおける免震建物1の水平断面図である。なお、図1Bには、免震装置10の本体部11の位置等も仮想的に描いている。図2は、本実施形態の免震建物1における免震装置10の交換時の状態を示す図である。図3は、免震装置10の交換時に本実施形態の免震建物1に作用する力を説明する図である。

0014

本実施形態の免震建物1は、建物の柱4が上面3aに連結された上部基礎部材3と、地盤掘削して形成された免震ピット(不図示)内に設けられた下部基礎部材2との間に、免震装置10が設置された建物とする。なお、柱4の配置に応じてX方向及びY方向に間隔を空けて複数配置される上部基礎部材3は基礎梁5にて連結されている。また、建物の基礎部分に免震装置10を設置するに限らず、例えば、中間階の柱の途中に免震装置10を設置した免震建物でもよい。

0015

免震装置10は、円形鋼板円形ゴム板とが交互に積層された本体部11と、本体部11の上下端面にそれぞれ設けられた上部フランジプレート12及び下部フランジプレート13と、を有する積層ゴム支承とする。上部フランジプレート12及び下部フランジプレート13は、免震装置10を上部基礎部材3及び下部基礎部材2に設置するための部材であり、ボルト孔が形成されている。なお、免震装置10を積層ゴム支承とするに限らず、例えば、すべり支承又は転がり支承にしてもよい。

0016

上部基礎部材3は、鉄筋コンクリートで構築されたものとし、コンクリート内に、X方向に延びる鉄筋30と鉛直方向に延びる鉄筋31とY方向に延びる鉄筋32とが埋設されている。同様に、下部基礎部材2も鉄筋コンクリートで構築されたものとする。上部基礎部材3の下面3bには、上部ベースプレート33(例えば鋼板)が設けられ、下部基礎部材2の上面2aには、下部ベースプレート21(例えば鋼板)が設けられている。上部ベースプレート33は、上部基礎部材3に対する免震装置10の設置用部材であり、下部ベースプレート21は、下部基礎部材2に対する免震装置10の設置用部材である。そのため、上部ベースプレート33及び下部ベースプレート21には、ボルト孔が形成されており、更に、コンクリート側の面には、前記ボルト孔に連通するナットn等が溶接等で取り付けられている。

0017

また、上部ベースプレート33の上面33aには、その上面33aから上方に突出する複数の突出部材34(例えば頭付きスタッド)が溶接等で取り付けられ、それら突出部材34は上部基礎部材3のコンクリートに埋設されている。同様に、下部ベースプレート21の下面21aにも複数の突出部材22が取り付けられ、それら突出部材22は下部基礎部材2のコンクリートに埋設されている。それにより、上部基礎部材3のコンクリートに対する上部ベースプレート33の定着力が高められ、下部基礎部材2のコンクリートに対する下部ベースプレート21の定着力が高められている。なお、図1Aでは、上部ベースプレート33の一部、及び、下部ベースプレート21の一部が、それぞれ、上部基礎部材3のコンクリート、及び、下部基礎部材2のコンクリートに埋設されているが、埋設されていなくてもよい。つまり、上部基礎部材3の下面3bに上部ベースプレート33を添設し、下部基礎部材2の上面2aに下部ベースプレート21を添設してもよい。

0018

そして、免震装置10の上部フランジプレート12と上部ベースプレート33の各ボルト孔に通されたボルトbが、上部ベースプレート33のナットn等に締結されると共に、免震装置10の下部フランジプレート13と下部ベースプレート21の各ボルト孔に通されたボルトbが、下部ベースプレート21のナットn等に締結されている。そうして、免震装置10は上部基礎部材3と下部基礎部材2とに固定されている。

0019

免震装置10は、建物の荷重を、上部基礎部材3を介して柱4から受けると共に、その荷重を下部基礎部材2に伝達する。そのため、経年劣化等により免震装置10を交換する場合には、免震装置10の周囲に複数のジャッキ40を設置し、柱4からの荷重をジャッキ40に仮支持させる。

0020

本実施形態では、図2に示すように、免震装置10のX方向の両外側にジャッキ40を設置する場合を例に挙げる。具体的には、上部基礎部材2と下部基礎部材3との間のうち、図1Bに示すように、免震装置10よりもX方向右側でありY方向の奥側の領域A1及びY方向の手前側の領域A2と、免震装置10よりもX方向左側でありY方向の奥側の領域A3及びY方向の手前側の領域A4に、それぞれジャッキ40が設置されるとする。そのため、本実施形態の上部基礎部材3のX方向の幅は、免震装置10のX方向の幅よりも大きくなっている。なお、ジャッキ40の設置数は4個に限らない。また、免震装置10のY方向の両外側にジャッキ40を設置してもよい。

0021

そして、本実施形態の免震建物1では、下部ベースプレート21は、免震装置10の下部フランジプレートと13と同等の大きさであるのに対して、上部ベースプレート33は、図1Bに示すように、免震装置10の上部フランジプレート12よりも大きく、ジャッキ40の設置位置A1〜A4よりもX方向の両外側に延びている。また、上部ベースプレート33の上面33aのうち、免震装置10の本体部11に対応する部位だけでなく、ジャッキ40の設置位置A1〜A4に対応する部位にも、突出部材34が設けられている。図1Bでは、上部ベースプレート33の上面33aのうちジャッキ40の設置位置A1〜A4に対応する部位において、突出部材34がX方向及びY方向に間隔を空けてそれぞれ複数本ずつ配置されている。

0022

また、免震装置10は、図1Aに示すように、柱4の軸方向(鉛直方向)の延長線上に位置するのに対して、免震装置10の交換時に設置されるジャッキ40は、免震装置10の周囲に位置する、つまり、図2に示すように、柱4の軸方向の延長線上から外れて位置する。そのため、柱4からの荷重F(柱軸力)を、免震装置10で支持しているときと、ジャッキ40で支持しているときとで、上部基礎部材3に作用する応力分布が異なってしまう。ジャッキ40で支持しているときは、図2に示すように、柱4から柱4よりもX方向の両外側に位置するジャッキ40に向かって荷重が伝達される。よって、上部基礎部材3には、下方に向かうほど鉛直方向に対してX方向の外側に傾斜した方向に沿う力fが生じる。

0023

図4Aは、比較例の免震建物1’の免震装置交換時の鉛直断面図であり、図4Bは、図4Aの位置AAにおける免震建物1’の水平断面図である。比較例の免震建物1’は、本実施形態の免震建物1とは異なり、上部ベースプレート50が免震装置10の上部フランジプレート12と同等の大きさである。そのため、図4Bに示すように、ジャッキ40は上部ベースプレート50に当接せず、ジャッキ40の設置位置A1〜A4に対応する上部基礎部材3内には突出部材34が存在しない。

0024

そのため、比較例の免震建物1’では、免震装置10の交換時に、柱4からジャッキ40に向かって伝達される荷重fの水平方向成分(例えばX方向成分)fxが、上部基礎部材3内の鉄筋30の引張力として伝達され、荷重の水平方向成分fxに対して鉄筋30で抵抗することになる。よって、上部基礎部材3内の鉄筋30が細かったり、鉄筋30の数が少なかったりすると、荷重の水平方向成分fxに抵抗し切れずに、上部基礎部材3にひび割れ等の破損が生じてしまう。ゆえに、上部基礎部材3の破損を抑制するためには、上部基礎部材3内の鉄筋30を太くしたり、鉄筋30の数を増やしたりしなければならない。

0025

これに対して、本実施形態の免震建物1では、前述のように、免震装置10の交換時に、免震装置10の周囲に設置されて柱4からの荷重を仮支持する複数のジャッキ40に上部ベースプレート33(水平部材)が当接可能なように、上部ベースプレート33が免震装置10の周囲まで延びている。また、上部ベースプレート33の上面33aのうち、免震装置10の周囲に対応する部位、すなわち、ジャッキ40が設置される部位又はその近傍の部位に対応する部位に、突出部材34が設けられ、その突出部材34が上部基礎部材3に埋設されている。

0026

そして、免震装置10の交換時には、先ず、免震装置10の周囲に複数のジャッキ40が設置される。その後、上部ベースプレート33の下面33bに複数のジャッキ40が当接され、柱4からの荷重が複数のジャッキ40で仮支持された状態で、免震装置10が交換される。つまり、上部基礎部材3とジャッキ40とで上部ベースプレート33を挟み込み、上部基礎部材3の下面3bに上部ベースプレート33の上面33aが圧接した状態で、免震装置10が交換される。そして、柱4からの荷重が新しい免震装置10に支持された後に、複数のジャッキ40が撤去される。

0027

そのため、本実施形態の免震建物1では、免震装置10の交換時に、柱4からジャッキ40に向かって伝達される荷重fの水平方向成分、例えばX方向成分fxが、ジャッキ40の設置位置A1〜A4やその近傍に位置する突出部材34、及び、上部基礎部材3と上部ベースプレート33との摩擦面、すなわち、上部基礎部材3の下面3bと上部ベースプレート33の上面33aの接触面を介して、上部ベースプレート33の引張力として伝達される。

0028

詳しくは、本実施形態の免震建物1では、図3に示すように、突出部材34のせん断抵抗力(−fxa)や、上部基礎部材3と上部ベースプレート33の接触面3b,33aの摩擦力(−fxb)によって、荷重の水平方向成分fxに抵抗することになる。よって、突出部材34のせん断抵抗力、及び、上部基礎部材3と上部ベースプレート33の摩擦力の合力を、荷重の水平方向成分fx以上にするとよい。また、本実施形態の免震建物1のように(図1B)、上部ベースプレート33の上面33aのうち、免震装置10の周囲に対応する部位であり、ジャッキ40の設置位置A1〜A4に対応する部位に、突出部材34を設けることが好ましい。そうすることで、荷重の水平方向成分fxを突出部材34に効率よく伝達できる。

0029

なお、荷重fの水平方向成分fxに応じて、突出部材34の数や、上部ベースプレート33の厚さや材質(強度)を決定するとよい。また、荷重fの鉛直方向成分fzに対しては、ジャッキ40の支持力(−fz)で抵抗する。また、図示しないが、柱4からジャッキ40に向かって伝達される荷重のY方向成分に対しても、突出部材34や上部ベースプレート33で抵抗する。

0030

以上のように、本実施形態の免震建物1では、突出部材34や上部ベースプレート33により上部基礎部材3の補強が成されるため、比較例の免震建物1’のように、上部基礎部材3内の鉄筋30を太くしたり、鉄筋30の数を増やしたりすることなく、上部基礎部材3の破損を抑制できる。よって、材料費を抑え、鉄筋の運搬性を向上し、扱い易い細径の鉄筋を使用できるため、免震建物1の施工コストを低減できる。

0031

また、本実施形態の免震建物1によれば、例えば、免震装置10の交換時に、上部基礎部材3に設けられた水平なダクトにPC鋼材を挿通し、そのPC鋼材に緊張力を導入することで上部基礎部材3を補強しなくとも、上部基礎部材3の破損を抑制できる。そのため、本実施形態の免震建物1では、上部基礎部材3の鉄筋を避けた位置にダクトを形成したり、上部基礎部材3にダクト孔が形成されたことによる断面欠損を補強したりするために、上部基礎部材3の幅を大きくする必要がない。この点からも、本実施形態の免震建物1では、施工コストを低減できるといえる。更に、本実施形態の免震装置10の交換方法では、PC鋼材をダクトに挿通する等の作業が必要なく、ジャッキ40を上部ベースプレート33に当接させて設置するだけで、上部基礎部材3の破損を抑制できるため、免震装置10の交換作業を容易にできる。

0032

また、柱4からの荷重の水平方向成分fに対して、比較例の免震建物1’(図4)では、上部基礎部材3内の鉄筋30で抵抗するのに対して、本実施形態の免震建物1では、上部基礎部材3の下面3bの上部ベースプレート33で抵抗する。したがって、図3に示すように、本実施形態では、比較例に比べて、柱4の下端から荷重の水平方向成分の抵抗位置までの距離が長くなり(L1>L2)、柱4の中心及びX方向におけるジャッキ40の設置位置を繋ぐ方向と鉛直方向とで成す角度が小さくなる(θ1<θ2)。よって、比較例において鉄筋30に作用する引張力よりも、本実施形態において上部ベースプレート33に作用する引張力を小さくできる。ゆえに、比較例の鉄筋30の補強度合に比べ、本実施形態の上部ベースプレート33の補強度合を小さくでき、施工コストを低減できる。

0033

また、本実施形態の免震建物1では、上部基礎部材3に対する免震装置10の設置用部材、つまり、上部ベースプレート33により、柱4からの荷重の水平方向成分に抵抗する。そのため、従来から免震装置10の設置に利用していた部材を有効に活用でき、柱4からの荷重の水平方向成分に抵抗する部材を新たに設ける場合に比べて、部品点数を減らすことができ、施工コストを低減できる。但し、これに限らず、荷重の水平方向成分に抵抗する部材(水平部材)と、免震装置10の設置用部材とを、別部材にしてもよい。

0034

また、下部基礎部材2に対する免震装置10の設置用部材、つまり、下部ベースプレート21は、柱4からの荷重の水平方向成分による上部基礎部材3の破損に影響しない。そのため、本実施形態では、上部ベースプレート33に比べて、下部ベースプレート21の水平面(上面や下面21a)を小さくしている。この実施形態では、X方向の長さを短くしている。その他、上部ベースプレート33に対して、下部ベースプレート21の厚さを薄くしたり、材質(強度)を異ならせたりしてもよい。そうすることで、上部基礎部材3の破損を抑制しつつ、施工コストを一層低減できる。但し、これに限らず、下部ベースプレート21と上部ベースプレート33を同じものにしてもよい。

0035

以上、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。

0036

1 (本実施形態の)免震建物、1’ (比較例の)免震建物、2 下部基礎部材、3 上部基礎部材、3b 上部基礎部材の下面(摩擦面)、4 柱、5基礎梁、
10免震装置、11 本体部、12上部フランジプレート(設置用部材)、
13下部フランジプレート(設置用部材)、21 下部ベースプレート、
22突出部材、30〜32鉄筋、33 上部ベースプレート(水平部材)、
33a 上部ベースプレートの上面(摩擦面)、34 突出部材、40ジャッキ、
50 (比較例の)上部ベースプレート

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