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技術 畜肉改良剤

出願人 奥野製薬工業株式会社
発明者 黒瀧秀樹葛谷直也市岡法隆田中克幸
出願日 2014年5月2日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-095445
公開日 2015年11月26日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-211654
状態 特許登録済
技術分野 肉類、卵、魚製品 酵素・酵素の調製
主要キーワード タンブリング処理 改良液 歩留り率 牛もも肉 パサつき感 シャトー 肩ロース サーロイン
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月26日)のものです。
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課題

硬くて美味しく喫食し難い部位の畜肉であっても、肉本来の食感を維持してスジ残存感を改善し、適度な軟らかさを付与し、かつ高い保水性歩留り率とを保持し得る、畜肉改良剤を提供すること。

解決手段

本発明の畜肉改良剤は、炭酸塩プロテアーゼ、およびペプチダーゼを含有する。本発明によれば、多くのスジや硬さにより喫食が敬遠されがちな畜肉を、肉本来の食感を損なうことなく、適度に軟化することができ、さらに加熱後の処理畜肉の歩留まりパサつき感を改善することができる。本発明の畜肉改良剤は、畜肉を用いた食品加工産業全般、スーパーマーケットおよび百貨店惣菜店舗、ならびに飲食店等において広範に有用である。

概要

背景

などの畜肉には、多くのスジや硬さにより喫食し難い部位が存在する。このような部位を有する畜肉は、廃棄されるか、または他の加工食品材料として流用せざるを得ず、余り商品価値が優れるものではなかった。

このような畜肉の物性を改善するために、例えば、畜肉を炭酸塩(炭酸塩製剤)で処理する方法が知られている。

しかし、この方法では、炭酸塩によって肉質部分に対する一定の軟化に改善が見られるものの、依然としてスジの多い畜肉に対しては、スジの残存感感じられるままであり、畜肉全体として満足すべき食感を提供するには至っていない。

一方で、畜肉を種々の酵素で処理する方法も検討されている。

例えば、畜肉を、エラスターゼプロテアーゼ等との組み合わせに作用させることにより、畜肉に軟らかさを付与するとともにその食感を維持する方法が提案されている(特許文献1)。また、1種類以上のプロテアーゼおよびトランスグルタミナーゼ鳥獣肉に作用させることにより、軟らかく食感の優れた鳥獣肉を提供することができる旨が記載されている(特許文献2)。さらに、プロテアーゼなどの酵素と種々の塩類とを組み合わせて畜肉や魚介類軟化処理を行う技術も提案されている(特許文献3および4)。あるいは、プロテアーゼおよびペプチダーゼで処理した畜肉等を、所定の塩類でさらに処理する畜肉類等のすり身の製造方法も提案されている(特許文献5)。

しかし、このような酵素を用いた方法では、畜肉に対して一定の軟化効果を期待することができるものの、酵素の活性コントロールすることが難しい点が指摘されている。すなわち、処理後も酵素反応持続するため、時間経過により畜肉表面が溶けたような粘着性を呈し、畜肉本来の食感をも喪失するおそれがあった。このように、酵素処理を用いた方法では、加工肉製品長期保管が難しくなる場合があることが指摘されている。

概要

硬くて美味しく喫食し難い部位の畜肉であっても、肉本来の食感を維持してスジの残存感を改善し、適度な軟らかさを付与し、かつ高い保水性歩留り率とを保持し得る、畜肉改良剤を提供すること。 本発明の畜肉改良剤は、炭酸塩、プロテアーゼ、およびペプチダーゼを含有する。本発明によれば、多くのスジや硬さにより喫食が敬遠されがちな畜肉を、肉本来の食感を損なうことなく、適度に軟化することができ、さらに加熱後の処理畜肉の歩留まりパサつき感を改善することができる。本発明の畜肉改良剤は、畜肉を用いた食品加工産業全般、スーパーマーケットおよび百貨店惣菜店舗、ならびに飲食店等において広範に有用である。 なし

目的

しかし、この方法では、炭酸塩によって肉質部分に対する一定の軟化に改善が見られるものの、依然としてスジの多い畜肉に対しては、スジの残存感は感じられるままであり、畜肉全体として満足すべき食感を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

請求項2

前記炭酸塩が炭酸ナトリウムである、請求項1に記載の畜肉改良剤。

請求項3

前記プロテアーゼがアスペルギルス・メレウス由来のプロテアーゼである、請求項1または2に記載の畜肉改良剤。

請求項4

前記ペプチダーゼがアスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼである、請求項1から3のいずれかに記載の畜肉改良剤。

請求項5

前記プロテアーゼおよび前記ペプチダーゼの少なくとも1つがアルカリ条件下酵素活性を有する、請求項1から4のいずれかに記載の畜肉改良剤。

請求項6

請求項1から5のいずれかに記載の畜肉改良剤で畜肉を処理する工程を包含する、加工肉製品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、畜肉改良剤に関し、より詳細には、多くのスジや硬さにより喫食が敬遠されがちな畜肉を肉本来の食感を損なうことなく、適度に軟化することのできる畜肉改良剤に関する。

背景技術

0002

などの畜肉には、多くのスジや硬さにより喫食し難い部位が存在する。このような部位を有する畜肉は、廃棄されるか、または他の加工食品材料として流用せざるを得ず、余り商品価値が優れるものではなかった。

0003

このような畜肉の物性を改善するために、例えば、畜肉を炭酸塩(炭酸塩製剤)で処理する方法が知られている。

0004

しかし、この方法では、炭酸塩によって肉質部分に対する一定の軟化に改善が見られるものの、依然としてスジの多い畜肉に対しては、スジの残存感感じられるままであり、畜肉全体として満足すべき食感を提供するには至っていない。

0005

一方で、畜肉を種々の酵素で処理する方法も検討されている。

0006

例えば、畜肉を、エラスターゼプロテアーゼ等との組み合わせに作用させることにより、畜肉に軟らかさを付与するとともにその食感を維持する方法が提案されている(特許文献1)。また、1種類以上のプロテアーゼおよびトランスグルタミナーゼ鳥獣肉に作用させることにより、軟らかく食感の優れた鳥獣肉を提供することができる旨が記載されている(特許文献2)。さらに、プロテアーゼなどの酵素と種々の塩類とを組み合わせて畜肉や魚介類軟化処理を行う技術も提案されている(特許文献3および4)。あるいは、プロテアーゼおよびペプチダーゼで処理した畜肉等を、所定の塩類でさらに処理する畜肉類等のすり身の製造方法も提案されている(特許文献5)。

0007

しかし、このような酵素を用いた方法では、畜肉に対して一定の軟化効果を期待することができるものの、酵素の活性コントロールすることが難しい点が指摘されている。すなわち、処理後も酵素反応持続するため、時間経過により畜肉表面が溶けたような粘着性を呈し、畜肉本来の食感をも喪失するおそれがあった。このように、酵素処理を用いた方法では、加工肉製品長期保管が難しくなる場合があることが指摘されている。

先行技術

0008

特開平5−276899号公報
特開平7−23740号公報
特開2007−319166号公報
国際公開2011/099354号明細書
特許第3831850号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、硬くて美味しく喫食し難い部位の畜肉であっても、肉本来の食感を維持してスジの残存感を改善し、適度な軟らかさを付与し、かつ高い保水性歩留り率とを保持し得る、畜肉改良剤を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、炭酸塩、プロテアーゼ、およびペプチダーゼを含有する、畜肉改良剤である。

0011

1つの実施形態では、上記炭酸塩は炭酸ナトリウムである。

0012

1つの実施形態では、上記プロテアーゼはアスペルギルス・メレウス由来のプロテアーゼである。

0013

1つの実施形態では、上記ペプチダーゼはアスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼである。

0014

1つの実施形態では、上記プロテアーゼおよび上記ペプチダーゼの少なくとも1つがアルカリ条件下酵素活性を有する。

0015

本発明はまた、上記畜肉改良剤で畜肉を処理する工程を包含する、加工肉製品の製造方法である。

発明の効果

0016

本発明によれば、硬くて美味しく喫食し難い部位の畜肉であっても、肉本来の食感を維持してスジの残存感を改善し、かつ適度な軟らかさを付与することができる。さらに、本発明の畜肉改良剤を用いて畜肉を処理することにより、得られた加工肉製品の加熱後の歩留まりおよびパサつき感を改善することができる。

0017

以下、本発明について詳述する。

0018

本発明の畜肉改良剤は、炭酸塩、プロテアーゼ、およびペプチダーゼを含有する。

0019

本発明の畜肉改良剤を構成する炭酸塩の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウム、ならびにこれらの組合せが挙げられる。畜肉改良剤のような食品添加剤への利用を考慮すると、特に汎用性に優れているとの理由から、炭酸ナトリウムを用いることが好ましい。

0020

上記炭酸塩の量は、必ずしも限定されないが、例えば、畜肉を処理するためのピックル液のような液体でなる畜肉改良液に調製される場合、好ましくは0.1重量%〜10重量%であり、より好ましくは0.4重量%〜5重量%である。

0021

本発明の畜肉改良剤を構成するプロテアーゼは、特に限定されず、任意のプロテアーゼが使用され得、汎用性および安全性に優れるという点から、好ましくは食品加工分野において使用され得るプロテアーゼが使用され得る。

0022

本発明の畜肉改良剤に含まれるプロテアーゼは、アルカリ条件下で酵素活性を有し、好ましくは、pH7〜11、より好ましくはpH7〜9の範囲で至適pHを有するものである。

0023

このようなプロテアーゼの例としては、微生物由来のもの、植物由来のもの、動物由来のもの、ならびにそれらの組合せが挙げられる。食品加工分野において汎用性が高いとの理由から、微生物由来のプロテアーゼを用いることが好ましい。微生物由来のプロテアーゼは、必ずしも限定されないが、例えば、アスペルギルス属由来のもの、バチルス由来のもの、およびこれらの組合せが挙げられる。本発明においては、アスペルギルス・メレウス由来のプロテアーゼがより好ましい。

0024

本発明の畜肉改良剤におけるプロテアーゼの量は、必ずしも限定されないが、例えば、畜肉を処理するためのピックル液のような液体でなる畜肉改良液に調製される場合、好ましくは70ユニット〜13000ユニット、より好ましくは250ユニット〜3500ユニットの範囲内に設定され得る。ここで、本発明を構成するプロテアーゼのユニット数は、至適条件下で1分間当たり1.0μmolの基質の反応に関与する酵素量が1ユニットとしてカウントされる。

0025

本発明の畜肉改良剤を構成するペプチダーゼは、特に限定されず、任意のペプチダーゼが使用され得、汎用性および安全性に優れるという点から、好ましくは食品加工分野において使用され得るペプチダーゼが使用され得る。

0026

さらに、本発明の畜肉改良剤に含まれるペプチダーゼは、アルカリ条件下で酵素活性を有するものである。

0027

このようなペプチダーゼの例としては、微生物由来のもの、植物由来のもの、動物由来のもの、ならびにそれらの組合せが挙げられる。食品加工分野において汎用性が高いとの理由から、微生物由来のペプチダーゼを用いることが好ましい。微生物由来のペプチダーゼは、必ずしも限定されないが、例えば、アスペルギルス属由来のもの、バチルス由来のもの、およびこれらの組合せが挙げられる。本発明においては、アスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼがより好ましい。

0028

本発明の畜肉改良剤におけるペプチダーゼの量は、必ずしも限定されないが、例えば、畜肉を処理するためのピックル液のような液体でなる畜肉改良液に調製される場合、好ましくは0.1ユニット〜30ユニット、より好ましくは0.5ユニット〜10ユニットの範囲内に設定され得る。ここで、本発明を構成するペプチダーゼのユニット数は、至適条件下で1分間当たり1.0μmolの基質の反応に関与する酵素量が1ユニットとしてカウントされる。

0029

本発明の畜肉改良剤はまた、上記炭酸塩、プロテアーゼおよびペプチダーゼ以外に、必要に応じて他の成分を含有していてもよい。他の成分の例としては、発色剤(例えば、亜硝酸ナトリウム硝酸ナトリウム硝酸カリウムなど)、着色剤(例えば、カラメル色素クチナシ色素アントシアニン色素など)、香料(例えば、天然香料合成香料調合香料など)、甘味料(例えば、砂糖ブドウ糖果糖ショ糖オリゴ糖エリスリトールトレハロースキシリトールソルビトールなど)、苦味量(例えば、カフェイン香辛料抽出物ナリンジンなど)、酸味料(例えば、酢酸クエン酸コハク酸乳酸リンゴ酸など)、うま味調味料(例えば、グルタミン酸ナトリウムグルタミン酸カリウムイノシン酸ナトリウムイノシン酸カリウムなど)、乳化剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステルソルビタン脂肪酸エステルプロピレングリコール脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルなど)、pH調整剤(例えば、クエン酸、グルコン酸、コハク酸など)、結着剤(例えば、ピロリン酸ナトリウムポリリン酸ナトリウムメタリン酸ナトリウムカゼインナトリウムなど)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸トコフェロールエリソルビン酸ナトリウムなど)、食塩、および水(例えば、水道水蒸留水など)、ならびにこれらの組合せが挙げられる。

0030

本発明の畜肉改良剤において、上記他の成分の含有量は限定されず、当業者によって任意の量が選択され得る。

0031

本発明の畜肉改良剤は、上記炭酸塩、プロテアーゼおよびペプチダーゼを単に混合した粉末状のもの、混合して顆粒状やペレット状に加工したもの、あるいは他の成分の1つである水と混合した処理液(畜肉改良液、あるいはピックル液ともいう)の形態のもののいずれであってもよい。さらに、上記炭酸塩、プロテアーゼ、およびペプチダーゼと、必要に応じて他の成分とは、それぞれ別々の容器または包装にて小分けされ、使用時に混合するキットの形態を有していてもよい。

0032

本発明の畜肉改良剤は、例えば、牛、豚、、猪、および鹿、ならびに鶏および鴨などの畜肉に対して使用することができる。また、使用可能な畜肉の部位としては、肩、肩ロースロースリブロースヒレサーロインシャトーブリアン、外モモ、モモ、ランプバラテールマル、マエバラ、ナカバラ、カイノミトロカルビ、中落ちカルビ、ウデ手羽先手羽中手羽元、ズリ、ムネ肉、モモ肉、ささみ、せせりココロボンジリなどが挙げられる。なお、本発明の畜肉改良剤は、上記のような畜肉の他、魚介類(例えば、食用海水魚および淡水魚、および軟体動物)および貝類の軟化処理に対しても使用可能である。

0033

以下、本発明の畜肉改良剤を用いた加工肉製品の製造方法について説明する。

0034

本発明の方法においては、上記畜肉改良剤で畜肉が処理される。

0035

当該処理には、本発明の畜肉改良剤を上記畜肉に付与(例えば、浸漬、スプレー、塗布等)することが挙げられる。従来の畜肉加工において使用される本発明の畜肉改良剤で構成されるピックル液を調製した後、これに畜肉を浸漬またはタンブリングまたはインジェクションしてもよい。あるいは、本発明の畜肉改良剤を粉末の形態のまま上記畜肉に付与してもよい。

0036

例えば、本発明の畜肉改良剤(畜肉改良液)に畜肉を浸漬する場合、種々の条件が設定され得る。例えば、5℃〜50℃の処理温度が設定され得る。浸漬時間は、浸漬する畜肉の容量等に影響するため必ずしも限定されないが、例えば、5分間〜24時間である。浸漬する場合の浴比は畜肉の大きさ・形状に応じて当業者が任意に設定することができる。

0037

一方、タンブリング処理を行う場合には、前述の畜肉と畜肉改良剤溶液とを混合したものを、畜肉加工用として一般的に使用されている回転ドラム(タンブリングマッサージ機を使用して処理する。使用条件としては種々の条件が設定され得る。例えば、5℃〜50℃の処理温度が設定され得る。

0038

その後、処理された畜肉は、さらに当業者に周知の方法を用いて他の加工(例えば、他の食材との混合、焼成揚げ、炒め、煮る等)が施されてもよい。

0039

このようにして加工肉製品が製造され得る。

0040

本発明の畜肉改良剤は、例えば、食品加工分野で使用され得る食肉加工のための製剤の他、工業用または家庭用調理料としても使用することができる。本発明の畜肉改良剤として得られる加工肉製品の例としては、ステーキハンバーグハムソーセージミートボールなどの種々の加工肉製品が挙げられる。

0041

以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。

0042

(実施例1:オーストラリア牛もも肉改良効果
オーストラリア産牛もも肉の改良効果を検討した。蒸留水に対して炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)1w/v%、プロテアーゼ(スミチームMP:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・メレウス由のプロテアーゼ)1300ユニット、およびペプチダーゼ(スミチームACP−G:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼ)1ユニットを添加し、混合して溶解させた(以下、これを畜肉改良液という)。

0043

次いで、厚さ1.5cmとなるように牛もも肉をカットし、この畜肉改良液と牛もも肉を混合して(牛もも肉100重量部に対し畜肉改良液40重量部)、真空タンブラーを用いてタンブリング処理(回転速度:42rpm、処理温度:10℃、回転時間:120分間)を行い、処理肉を得た。その後、処理肉を処理装置から取り出して余分な畜肉改良液を取り除き、90℃にて12分間、水蒸気加熱して評価サンプルを得た。

0044

得られた評価サンプルについて、食品加工分野を専門とするパネラー10人による食感評価を実施した。

0045

食感評価は、「軟らかさ」および「肉質感」について、それぞれ以下のように評価した。

0046

(軟らかさ)
評価サンプルの軟らかさについては、パネラー1人あたり、約20gの評価サンプルを実際に食し、以下の基準にしたがって、10点から0点の採点を各パネラーが行い、合計値に対する平均値小数点以下第1位を四捨五入した)を算出した:
10点:で潰すことができるほどに非常に軟らかい;
9点:容易に歯が入り、力を入れずに噛み切ることができるほどに非常に軟らかい;
8点:余り力を入れずに噛み切ることができるほどにかなり軟らかい;
7点:少し力を必要とするが噛み切り易いほどに軟らかい;
6点:力を必要とするが噛み切り易いほどにやや軟らかい;
5点:軟らかいとも硬いともいずれも判断できない;
4点:噛み切り難いほどにやや硬い;
3点:噛み切るのに力が必要とするほどに硬い;
2点:噛み切るのに相当な力を必要とするほどにかなり硬い;
1点:噛み切るのが困難であるほどに非常に硬い;
0点:歯が入らないほどに非常に硬い。

0047

得られた結果を表1に示す。

0048

(肉質感)
評価サンプルの肉質感について、パネラー1人あたり、約20gの評価サンプルを実際に食し、食した際に肉の弾力感が感じられた場合を「有り」、食した際に肉の弾力感を感じられなかった場合を「無し」とする基準で各パネラーが判断し、得られた判断のうち、過半数を得たものを評価結果とした(同数の場合は「無し」と判断した)。得られた結果を表1に示す。

0049

さらに、上記食感評価の他、得られた評価サンプルについて、赤外線水分計水分計FD−600:株式会社ケット科学研究所製)を用いて、加熱後の処理肉の水分量を測定した。得られた結果を表1に示す。

0050

(比較例1)
蒸留水に対し、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、プロテアーゼ(スミチームMP:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・メレウス由来のプロテアーゼ)1300ユニットのみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表1に示す。

0051

(比較例2)
蒸留水に対し、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、ペプチダーゼ(スミチームACP−G:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼ)1ユニットのみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表1に示す。

0052

(比較例3)
蒸留水に対し、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)1w/v%のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表1に示す。

0053

(比較例4)
蒸留水に対し、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)1w/v%およびプロテアーゼ(スミチームMP:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・メレウス由来のプロテアーゼ)1300ユニットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表1に示す。

0054

(比較例5)
蒸留水に対し、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)1w/v%およびペプチダーゼ(スミチームACP−G:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼ)1ユニットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表1に示す。

0055

(比較例6:コントロール)
炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼを添加することなく、蒸留水のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表1に示す。

0056

0057

表1に示すように、実施例1で得られた評価サンプルは、比較例1〜6で得られた各評価サンプルと比較して軟らかさの点で格段に良好であったことがわかる。さらに、肉質感も比較例1の結果を除き、他の比較例2〜6と同等またはそれ以上に優れていたことがわかる。さらに、実施例1で得られた評価サンプルは、比較例1〜6のものと比較して水分量も最も高く、実際の食感評価を行った各パネラーの感想でも最も良好なジューシーさを有していたものであった。

0058

(実施例2および比較例7〜12:歩留まり率評価)
オーストラリア産牛モモ肉の歩留まり率を検討した。

0059

まず、当該牛モモ肉(各実施例または比較例につき15個のスライス片)の重量(最初の肉重量)を測定した。次いで、実施例1および比較例1〜6とそれぞれ同様にして評価サンプルを得た。得られた評価サンプルは、表2に示すようにそれぞれ実施例2および比較例7〜12とした。なお、各評価サンプルを得るにあたり、タンブリングした直後の肉の重量、および水蒸気加熱した直後の肉の重量をそれぞれ測定した。

0060

得られた各評価サンプルのタンブリング後および水蒸気加熱後の肉重量を、最初の肉重量の各スライス片を100とした場合の相対値として、タンブリング後および加熱後の歩留まり率(%)をその平均値と標準偏差の値で表した。得られた結果を表2に示す。

0061

0062

表2に示すように、実施例2の評価サンプルは、水蒸気加熱後の歩留まり率が最も高かった。一方、比較例10の評価サンプルは、タンブリング直後の結果は、実施例2のものとほぼ同等であるものの、水蒸気加熱を通じてその割合を低下させていることがわかる。

0063

(実施例3:粉末調味料による軟化効果)
粉末調味料によるオーストラリア産牛モモ肉の改良効果を検討した。

0064

まず、表3に示す粉末調味料ベースを調製した。

0065

0066

次いで、この粉末調味料ベースに、全体量を基準として炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)0.2重量%、プロテアーゼ(スミチームMP:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・メレウス由来のプロテアーゼ)2600ユニット、およびペプチダーゼ(スミチームACP−G:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼ)2ユニットを添加し、混合して粉末調味料とした。

0067

その後、上記牛モモ肉を厚さ1.5cmとなるようにカットし、牛モモ肉100gに対して2gの上記粉末調味料(牛モモ肉100gに対して炭酸ナトリウム0.2g、プロテアーゼ2600ユニット、およびペプチダーゼ2ユニットの各量に相当)をふりかけ、そのまま1時間室温にて静置した。次いで、この牛モモ肉を90℃にて12分間、水蒸気加熱して評価サンプルを得た。

0068

得られた評価サンプルについて、実施例1と同様にしてパネラー10人による食感評価(軟らかさおよび肉質感)を行った。得られた結果を表4に示す。

0069

(比較例13)
実施例3で得られた粉末調味料ベースに、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、プロテアーゼ(スミチームMP:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・メレウス由のプロテアーゼ)2600ユニットのみを添加して粉末調味料を得、当該粉末調味料(牛モモ肉100gに対してプロテアーゼ2600ユニットの量に相当)を牛モモ肉にふりかけたこと以外は、実施例3と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表4に示す。

0070

(比較例14)
実施例3で得られた粉末調味料ベースに、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、ペプチダーゼ(スミチームACP−G:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼ)2ユニットのみを添加して粉末調味料を得、当該粉末調味料(牛モモ肉100gに対してペプチダーゼ2ユニットの量に相当)を牛モモ肉にふりかけたこと以外は、実施例3と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表4に示す。

0071

(比較例15)
実施例3で得られた粉末調味料ベースに、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)0.2重量%のみを添加して粉末調味料を得、当該粉末調味料(牛モモ肉100gに対して炭酸ナトリウム0.2gの量に相当)を牛モモ肉にふりかけたこと以外は、実施例3と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表4に示す。

0072

(比較例16)
実施例3で得られた粉末調味料ベースに、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)0.2重量%およびプロテアーゼ(スミチームMP:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・メレウス由のプロテアーゼ)2600ユニットを添加して粉末調味料を得、当該粉末調味料(牛モモ肉100gに対して炭酸ナトリウム0.2gおよびプロテアーゼ2600ユニットの各量に相当)を牛モモ肉にふりかけたこと以外は、実施例3と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表4に示す。

0073

(比較例17)
実施例3で得られた粉末調味料ベースに、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼの代わりに、炭酸ナトリウム(精製無水炭酸ナトリウム:大東化学株式会社製)0.2重量%およびペプチダーゼ(スミチームACP−G:新日本化学工業株式会社製アスペルギルス・オリゼ由来のペプチダーゼ)2ユニットを添加して粉末調味料を得、当該粉末調味料(牛モモ肉100gに対して炭酸ナトリウム0.2gおよびペプチダーゼ2ユニットの各量に相当)を牛モモ肉にふりかけたこと以外は、実施例3と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表4に示す。

0074

(比較例18:コントロール)
実施例3で得られた粉末調味料ベースに、炭酸ナトリウム、プロテアーゼおよびペプチダーゼを添加することなく、これを粉末調味料としたこと以外は、実施例3と同様にして評価サンプルを得、食感評価および水分量測定を行った。得られた結果を表4に示す。

0075

実施例

0076

表4に示すように、実施例3で得られた評価サンプルは、比較例13〜18で得られた各評価サンプルに対して軟らかさの点で格段に良好であったことがわかる。さらに、肉質感も比較例13の結果を除き、他の比較例14〜18と同等またはそれ以上に優れていたことがわかる。また、実施例3のような粉末調味料の形態で使用しても、評価サンプルに対し、実施例1の畜肉改良液と同等の軟らかさおよび肉質感を提供し得ることがわかる。

0077

本発明によれば、多くのスジや硬さにより喫食が敬遠されがちな畜肉を、肉本来の食感を損なうことなく、適度に軟化することができ、さらに加熱後の処理畜肉の歩留まりやパサつき感を改善することができる。本発明の畜肉改良剤は、畜肉を用いた食品加工産業全般、スーパーマーケットおよび百貨店惣菜店舗、ならびに飲食店等において広範に有用である。

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