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技術 金属組織画像の画像処理方法及び装置、並びに画像処理プログラム

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 奥村宗一郎
出願日 2014年4月25日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-091565
公開日 2015年11月24日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-210648
状態 特許登録済
技術分野 イメージ分析 特有な方法による材料の調査、分析 光学的手段による材料の調査、分析 画像処理
主要キーワード ポータブル製品 結晶粒部分 素材板 横割れ 圧延加工後 移動平均法 評価対象画像 画像解析プログラム
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題

コンピュータを用いて金属組織顕微鏡画像から結晶粒の状態を評価することを可能にする、画像処理方法を提供する。

解決手段

本発明の画像処理方法は、金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する工程と、第1の処理画像に平滑化処理を施して第2の処理画像を生成する工程と、第2の処理画像に対してノイズ除去処理を施して評価対象画像を生成する工程と、を含む。

概要

背景

マグネシウムに種々の添加元素を添加したマグネシウム合金は、軽量で、比強度比剛性が高く、衝撃吸収性に優れている。そのため、マグネシウム合金は、携帯電話ノート型コンピュータ等のポータブル製品筐体や、自動車用部品等の各種部材の構成材料として利用されつつある。
このようなマグネシウム合金は、鋳造等によって当該合金素材板を形成し、この素材板に溶体化処理を施し、その後、圧延加工を行うことによって圧延板として成形される(例えば、特許文献1参照)。そして、この圧延板をプレス加工等の加工装置連続供給することで、筐体等の各種部品を製造することができる。

概要

コンピュータを用いて金属組織顕微鏡画像から結晶粒の状態を評価することを可能にする、画像処理方法を提供する。本発明の画像処理方法は、金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する工程と、第1の処理画像に平滑化処理を施して第2の処理画像を生成する工程と、第2の処理画像に対してノイズ除去処理を施して評価対象画像を生成する工程と、を含む。

目的

本発明は、コンピュータを用いて金属組織の画像から結晶粒の状態を評価することを可能にする画像処理方法及び装置、並びに画像処理プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する工程と、前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する工程と、前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する工程と、を含む、金属組織画像画像処理方法

請求項2

前記平滑化処理を複数回実行する、請求項1に記載の金属組織画像の画像処理方法。

請求項3

前記ノイズ除去処理は、前記第2の処理画像中で独立した「黒」の画素を除去し、連続した「黒」の画素を残す処理である、請求項1又は請求項2に記載の金属組織画像の画像処理方法。

請求項4

金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する第1の処理部と、前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する第2の処理部と、前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する第3の処理部と、を備えている金属組織画像の画像処理装置

請求項5

金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する第1の処理部、前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する第2の処理部、及び前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する第3の処理部としてコンピュータを機能させる、金属組織画像の画像処理プログラム

技術分野

0001

本発明は、マグネシウム合金等の金属の組織撮像した画像に対して処理を施し、その結晶粒の評価を可能にする金属組織画像処理方法及び装置、並びに画像解析プログラムに関する。

背景技術

0002

マグネシウムに種々の添加元素を添加したマグネシウム合金は、軽量で、比強度比剛性が高く、衝撃吸収性に優れている。そのため、マグネシウム合金は、携帯電話ノート型コンピュータ等のポータブル製品筐体や、自動車用部品等の各種部材の構成材料として利用されつつある。
このようなマグネシウム合金は、鋳造等によって当該合金素材板を形成し、この素材板に溶体化処理を施し、その後、圧延加工を行うことによって圧延板として成形される(例えば、特許文献1参照)。そして、この圧延板をプレス加工等の加工装置連続供給することで、筐体等の各種部品を製造することができる。

先行技術

0003

特開2007−98470号公報

発明が解決しようとする課題

0004

マグネシウム合金の素材板に圧延加工を施す場合、当該素材板の結晶粒が大きいと圧延後に横割れ等の欠陥が生じ易くなることが知られている。したがって、圧延加工を行う前に、予め素材板の結晶粒の状態を評価することで、圧延後の品質推定することができ、生産効率の向上に役立てることが可能となる。結晶粒の状態を評価するには、素材板の断面組織顕微鏡画像撮影し、この顕微鏡画像から作業者目視によって結晶粒の大きさ等を測定する方法が採られることが多い。

0005

しかしながら、作業者の目視による評価では人によるバラツキが生じ、正確な測定にはある程度の熟練が要求される。また、測定のための手間が多大であるため作業者の負担が極めて大きくなるという問題もある。そのため、コンピュータを用いて顕微鏡画像を解析し、自動で結晶粒の状態を評価する試みもなされている。ところが、結晶粒の状態を自動で評価するには結晶粒の境界を鮮明に得るための画像処理が必要となり、現状では正確な評価を行えるだけの画像処理方法は確立されていない。

0006

したがって、本発明は、コンピュータを用いて金属組織の画像から結晶粒の状態を評価することを可能にする画像処理方法及び装置、並びに画像処理プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明に係る金属組織画像の画像処理方法は、
金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する工程と、
前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する工程と、
前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する工程と、を含むものである。

0008

本発明に係る金属組織画像の画像処理装置は、
金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する第1の処理部と、
前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する第2の処理部と、
前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する第3の処理部と、を含むものである。

0009

本発明に係る金属組織画像の画像処理プログラムは、
金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する第1の処理部、
前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する第2の処理部、及び
前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する第3の処理部としてコンピュータを機能させるものである。
なお、画像処理プログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記憶させた形態とすることもできる。

発明の効果

0010

本発明によれば、コンピュータを用いて金属組織の画像から結晶粒の状態を評価することが可能になる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成図である。
画像処理手順を示すフローチャートである。
金属組織の元画像、評価対象画像、及び評価対象画像に所定の評価を実行している画像を順番に示す図である。
金属組織の顕微鏡画像をグレースケール変換した画像である。
グレースケール画像に二値化処理を施した画像である。
二値化処理後の画像にノイズ除去処理を施した評価対象画像である。
平滑化処理及び二値化処理を説明するグラフである。
第1の評価法により評価対象画像から所得されるグラフである。
第1の評価法による結晶粒の評価に適用することができるグラフである。
第2の評価法による評価対象画像の変換過程を示す画像である。
第2の評価法による結晶粒の評価に適用することができるグラフである。
従来の二値化処理を説明するグラフである。
従来の二値化処理によって取得される画像である。

実施例

0012

[本発明の実施形態の要旨]
最初に本発明の実施形態の要旨を列記して説明する。なお、以下に記載する各実施形態は、その一部を任意に組み合わせることも可能である。
(1)本発明の実施形態に係る金属組織の画像処理方法は、
金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する工程と、
前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度(階調)の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する工程と、
前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する工程と、を含むものである。

0013

上記の画像処理方法によれば、グレースケール変換された第1の処理画像に対して平滑化処理を施し、さらに平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施している。平滑化処理を行うことによって、例えば結晶粒の境界(以下、「粒界」ともいう)のように周辺よりも濃度の高い画素は濃度が下がり、粒界に接している結晶粒の内部のように、周辺よりも濃度の低い画素は濃度が上がることになる。このような画素の濃度の変化に基づいて二値化処理を行うことによって、粒界と結晶粒の内部とを明確に区別することができるようになる。そのため、その後にノイズ除去された評価対象画像を用いて結晶粒の大きさ等を正確に測定し、評価することが可能となり、生産効率向上に役立てることができる。

0014

(2)前記平滑化処理は、複数回実行することが好ましい。
平滑化処理を複数回行うことによって画素濃度の変化がより明確となり、二値化処理によって結晶粒の境界をより明確にすることができる。

0015

(3)前記ノイズ除去処理は、前記第2の処理画像中で独立した「黒」の画素を除去し、連続した「黒」の画素を残す処理であることが好ましい。
このような処理を行うことによって結晶粒の境界と結晶粒の内部とを明確に識別可能な評価対象画像を生成することができる。

0016

(4)本発明の実施形態に係る金属組織の画像処理装置は、
金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する第1の処理部と、
前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する第2の処理部と、
前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する第3の処理部と、を備えているものである。
このような構成によって、上記方法と同様の作用効果を奏する。

0017

(5)本発明の実施形態に係る金属組織の画像処理プログラムは、
金属組織の画像をグレースケール変換することによって第1の処理画像を生成する第1の処理部、
前記第1の処理画像に平滑化処理を施し、さらにこの平滑化処理による濃度の変化に基づいて二値化処理を施すことによって第2の処理画像を生成する第2の処理部、及び
前記第2の処理画像にノイズ除去処理を施すことによって評価対象画像を生成する第3の処理部としてコンピュータを機能させるものである。
このような構成によって、上記方法と同様の作用効果を奏する。

0018

[本発明の実施形態の詳細]
次に、本発明の実施形態に係る金属組織画像の画像処理方法及び画像処理装置について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像処理装置の構成図である。
本実施形態の画像処理装置10は、顕微鏡画像を撮像する撮像装置20から画像データを取得する画像取得部11と、この顕微鏡画像を処理して評価対象画像を生成する画像処理部12と、評価対象画像の評価を実行する画像評価部13とを備えて主構成されている。

0019

また、画像処理部12は、撮像された顕微鏡画像に対してグレースケール変換処理を行う第1の処理部12Aと、二値化処理を行う第2の処理部12Bと、ノイズ除去処理を行う第3の処理部12Cとを備えている。

0020

画像処理装置10は、CPU等の演算部、RAM、ROM及びHDD等の記憶部、及び各種インターフェース等を備えたパーソナルコンピュータにより構成されている。そして、このパーソナルコンピュータにインストールされた画像処理プログラムを実行することによって、前述の画像取得部11、画像処理部12、及び画像評価部13としての機能が実現されるようになっている。

0021

本実施形態の画像処理装置10は、マグネシウム合金等の金属組織の結晶粒の状態を評価するために利用される。本実施形態のマグネシウム合金は、鋳造等によって素材板を形成し、この素材板を溶体化処理した後に圧延加工されることによって圧延板として成形されるものとする。そして、金属組織の評価は、溶体化処理を行った後、圧延加工を施す前の素材板を対象とする。

0022

溶体化処理を行った後の金属組織は、結晶粒が大きいと圧延後に横割れ等の欠陥が生じ易くなることが知られている。そのため、本実施形態では、圧延加工を行う前に予め素材板の結晶粒を評価することによって、圧延加工後のマグネシウム合金の品質(欠陥の有無等)を推定することができ、これを生産効率の向上のために役立てることができる。

0023

素材板の金属組織を撮像するには、素材板から試料切り出し、その試料の断面に研磨処理鏡面仕上げを行い、さらにエッチングを施すことによって金属組織に応じた凹凸を形成する。そして、このような表面処理を行った後の試料の断面の顕微鏡画像を撮像装置20により撮像する。

0024

図2は、画像処理装置10における画像処理手順を示すフローチャートである。また、図3は、この画像処理手順を経ることによって取得される画像を示している。図3(a)は、金属組織の元画像、図3(b)は、画像処理を行った後の評価対象画像、図3(c)は、評価対象画像に所定の評価を実行している画像である。

0025

画像処理装置10は、画像取得部11の機能によって撮像装置20で撮像された顕微鏡画像のデータを取得する(図2のステップS1、図3(a)参照)。この顕微鏡画像は、エッチング処理後の金属組織を撮像したカラー画像とすることができる。そして、画像処理装置10は、このカラー画像に対して、グレースケール変換、二値化処理、ノイズ除去処理を行った後、結晶粒の評価を実行する。

0026

(グレースケール変換)
画像処理装置10は、まず、第1の処理部12Aの機能により顕微鏡画像をグレースケール変換する処理を行う(ステップS2)。これにより、顕微鏡画像を、例えば8ビット256階調の白黒画像に変換する。グレースケール変換後の画像(第1の処理画像)を図4に示す。

0027

(平滑化処理及び二値化処理)
次に、画像処理装置10は、第2の処理部12Bの機能により第1の処理画像に対して二値化処理を実行し、金属組織の結晶粒の境界(粒界)を明確にする処理を行う(ステップS3)。具体的には、第1の処理画像に対して複数回平滑化処理を行ったあとに所定の二値化処理を実行する。

0028

一般的な二値化処理は、例えば図12に示すように、グレースケール画像の中間の濃度(例えば、256階調中の150階調)の画素値閾値とし、これよりも濃度の高い画素を「黒」、低い画素を「白」に変換する処理を行う。しかしながら、このような二値化処理では、顕微鏡画像内に濃淡ムラがある場合に、図13に示すように濃度の高い領域は全体が黒っぽくなって部分的に粒界が潰れ、濃度の低い領域は全体が白っぽくなって部分的に粒界が消えてしまい、粒界を明確にすることができない。また、エッチング等の表面処理の仕上がりによっては設定すべき閾値が画像ごとに変化することがあるので、適切な閾値の設定が困難となる。

0029

本実施形態の画像処理装置10は、従来のような閾値を用いた二値化処理ではなく、以下の方法により二値化処理を実行する。まず、画像処理装置10は、グレースケール画像に対して「平滑化処理」を行う。この平滑化処理は、周辺画素よりも濃度の高い画素はその濃度を下げ、逆に、周辺画素よりも濃度の低い画素はその濃度を上げる処理である。そして、画像処理装置10は、平滑化処理による濃度に変化に基づいて適切な二値化処理を実行する。

0030

図7は、平滑化処理及び二値化処理を説明するグラフである。このグラフによれば、平滑化処理を行う前と後とで画素の濃度に変化が生じていることが解る。具体的には、平滑化処理によって濃度の高い画素はその濃度が下がり、濃度の低い画素はその濃度が上がっている。
金属組織のグレースケール画像においては、結晶粒の境界(粒界)に相当する画素は濃度が高く、結晶粒の内部に相当する画素は相対的に濃度が低い。したがって、このグレースケール画像に平滑化処理を施すと、粒界に相当する画素は濃度が下がり、結晶粒の内部に相当する画素は濃度が上がることになる。そのため、平滑化処理によって濃度の下がった画素を含む領域Bは、粒界に相当すると判定することができ、逆に、平滑化処理によって濃度の上がった画素を含む領域Aは、結晶粒の内部に相当すると判定することができる。したがって、画像処理装置10は、領域Aに含まれる画素を「白」に変換し、領域Bに含まれる画素を「黒」に変換する、「二値化処理」を実行する。以上のような平滑化処理と二値化処理とを実行することにより、グレースケール画像内の濃淡のムラに影響されることもなく、結晶粒の境界と内部とをそれぞれ明確に区別することができる。

0031

図4のグレースケール画像に上記の平滑化処理及び二値化処理を施すことによって取得された画像(第2の処理画像)を図5に示す。図5によれば、画像の全体に濃淡の偏りが生じておらず、粒子の境界も潰れることなく残されているのが解る。ただし、この画像には、結晶粒の内部に濃度の高いノイズ残留しているため、後述するノイズ除去処理が必要となる。

0032

以上に説明した平滑化処理としては、平均値フィルタ移動平均法)やメディアンフィルタ等を採用することができる。
この平均値フィルタは、処理対象画素の濃度と、その周囲の画素の濃度との平均値を求め、この平均値を処理対象画素の新しい濃度とする処理である。また、メディアンフィルタは、処理対象画素の濃度と、その周囲の画素との中央値を求め、この中央値を処理対象画像の新しい濃度とする処理である。これらの方法以外にも、ガウシアンフィルタを用いた平滑化処理等を採用することも可能である。

0033

また、本実施形態の画像処理装置10は、以上のような平滑化処理を複数回(例えば、5回〜15回程度)実行する。平滑化処理の回数は、金属組織の結晶粒の大きさとグレースケール画像の1画素の大きさとの比率に基づいて設定することができる。例えば、結晶粒の一般的な大きさが30μmであり、1画素の大きさが2μmである場合には、30/2=15回を上限として平滑化処理の回数を設定することができる。それよりも回数が多くなると、本来「白」とされるべき結晶粒の内部が黒く塗りつぶされてしまい、粒界との区別がつかなくなる可能性があるからである。上記の例の場合、平滑化処理の回数は、好ましくは5回〜10回程度に設定される。

0034

(ノイズ除去処理)
図2において、画像処理装置10は、二値化処理の後にノイズ除去処理を実行する(ステップS4)。このノイズ除去処理は、二値化処理後の画像に対して次のように行う。すなわち、二値化後の画像のうち、「黒」の画素が連続して繋がっている部分は、粒界に相当すると判定してそのまま残し、「黒」の画素が単独で存在している部分は、結晶粒の内部に相当すると判定して、これを消去する処理を行う。これによって、粒子と粒界とを明確に識別可能な評価対象画像を取得することができる。このノイズ除去処理を行った後の評価対象画像を図6に示す。

0035

(結晶粒の評価)
図2において、画像処理装置10は、ノイズ除去後の評価対象画像に対して結晶粒の評価、例えば結晶粒の径の測定を実行する(ステップS5)。
本実施形態では、結晶粒の評価法としてライン法(第1の評価法)や、塗り潰し解析(第2の評価法)を採用することができる。
このライン法は、図3(c)に示すように、ノイズ除去処理を終えた画像に対して所定のラインL1,L2,L3を引き、このラインL1,L2,L3上の画素を解析することによって粒子径を測定する方法である。

0036

図8は、ライン法(第1の評価法)により評価対象画像から所得されるグラフである。図3(c)に示すライン上に位置する画素が黒である場合は「1」を付与し、白である場合は「0」を付与することによって、図8に示すグラフを得ることができる。そして、「0」が連続する領域a〜dの幅(画素数)を、ライン上における結晶粒のサイズに相当する値として測定することが可能となる。

0037

また、図9は、ライン法(第1の評価法)による結晶粒の評価に適用することができるグラフである。このグラフは、図3(c)の各ラインL1〜L3における結晶粒のサイズを大きい順に並べて示したものである。このグラフから粒子サイズの傾向やバラツキ等を評価することができる。

0038

図10は、塗りつぶし解析(第2の評価法)による評価対象画像の変換過程を示す画像である。この方法は、ノイズ除去処理を行った後の評価対象画像(図10最上位の画像)の「黒」の画素の周囲にある「白」の画素を順次塗り潰していき、評価対象画像を完全に塗り潰すまでに要する処理回数や、所定の処理回数を経た後に残る結晶粒部分(「白」の画素)の数等を評価するものである。

0039

図11は、塗り潰し解析(第2の評価法)による結晶粒の評価に用いるグラフである。このグラフは、塗り潰し回数と「白」の画素の面積比率との関係を示すグラフである。このグラフでは、塗り潰しの処理を40回程度行ったところで完全に画像が塗りつぶされている。また、結晶粒の径が大きいとグラフの下り勾配が緩やかになり、完全に塗り潰されるまでの処理回数が多くなり、結晶粒の径が小さいとグラフの下り勾配が急となり、完全に塗りつぶされるまでの処理回数が少なくなる。したがって、グラフの傾斜や完全に塗り潰されるまでの処理回数を求めることによって結晶粒の径を評価することができる。

0040

本発明に関して、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、画像処理装置10の画像処理部12において実行される平滑化処理の手法は、上記に説明したものに限定されず、他の手法を採用することができる。
また、本発明の画像処理を適用できる金属についてもマグネシウム合金に限定されず、あらゆる金属(合金)の結晶粒を評価するために本発明を用いることができる。また、金属の生産工程や加工方法等についても特に限定されるものではない。

0041

10 :画像処理装置
11 :画像取得部
12 :画像処理部
12A:第1の処理部
12B:第2の処理部
12C:第3の処理部
13 :画像評価部
20 :撮像装置

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