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技術 点火装置および点火システム

出願人 株式会社デンソー
発明者 竹田俊一丹羽三信森田尚治
出願日 2015年2月2日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-018696
公開日 2015年11月19日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-206355
状態 特許登録済
技術分野 変成器又はリアクトル一般 内燃機関の点火装置
主要キーワード 略三角波形 タイマパルス エネルギ投入 投入期間 理解補助 放電環 投入回路 点火用スイッチ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月19日)のものです。
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図面 (15)

課題

継続火花放電を行う内燃機関用点火装置1において、エネルギー投入回路9から点火コイル3へ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制する。

解決手段

点火装置1は、2次電流指令信号IGaの入力をECU4から受ける2次電流指令回路30を備え、フィードバック回路10は、2次電流指令回路30から出力された2次電流の指令値と2次電流の検出値とを比較した結果に応じて、1次コイル5の通電制御を行うための制御信号をエネルギー投入回路9に出力する。また、ECU4は、エンジンパラメータに応じた2次電流指令信号IGaを出力する。これにより、エネルギー投入回路9から点火コイル3に投入されたエネルギー量を実質的に表す2次電流を、エンジン運転状態に応じて制御することができる。このため、エネルギー投入回路9から点火コイル3へ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制することができる。

概要

背景

点火プラグの負担を軽減し、無駄な電力消費を抑えて、火花放電を継続させる技術として、次のエネルギー投入回路考案した(詳細は特願2013−082958参照。この技術は非公知である。)。エネルギー投入回路は、いわゆるフルトラ型の点火回路によって開始した火花放電(以下、主点火と呼ぶ。)が消える前に1次コイルマイナス側から電気エネルギー投入し、主点火と同一方向の2次電流を継続して流すことで、主点火として生じた火花放電を任意の期間に亘って継続させるものである。
なお、以下では、エネルギー投入回路により継続させる火花放電、つまり、主点火に続く火花放電を継続火花放電と呼ぶ。また、継続火花放電が続く期間を放電継続期間と呼ぶ。

エネルギー投入回路は、放電継続期間中の1次電流を制御することで、2次電流を調節して火花放電の維持を行う。また、継続火花放電中の2次電流を調節することで、点火プラグの負担を軽減し、且つ無駄な電力消費を抑えて、火花放電を継続することができる。
さらに、装置個体差経年劣化および放電環境の多様性等に影響されず火花放電を安定して継続させるため、2次電流を検出してエネルギー投入回路にフィードバックするフィードバック回路を追加した構成を考案した(特願2013−246091参照。この技術は非公知である。)。

次に、本発明の理解補助の目的で、本発明を適用していないエネルギー投入回路の代表例を図14に基づき説明する。
図14に示す点火装置100は、フルトラに基づく主点火を点火プラグ101に生じさせる主点火回路102と、主点火に同じ極性を継続させて継続火花放電を生じさせるエネルギー投入回路103とを備える。

主点火回路102は、スイッチング素子104のオンによって車載バッテリ105から1次コイル106にプラスの1次電流を通電させて磁気エネルギーを蓄えさせ、その後、スイッチング素子104のオフにより、電磁誘導によって磁気エネルギーを電気エネルギーに変換して2次コイル107に高電圧を発生させ、主点火を生じさせる。また、エネルギー投入回路103は、昇圧回路108において車載バッテリ105の電圧を昇圧してコンデンサ109に蓄えるとともに、スイッチング素子110のオンオフにより、コンデンサ109に蓄えた電気エネルギーを1次コイル106のマイナス側に投入する。

また、図14に示す点火装置100は、2次電流を検出してエネルギー投入回路103にフィードバックするフィードバック回路111を備え、フィードバック回路111は、検出した2次電流をエネルギー投入回路103のドライバ回路にフィードバックする。
ここで、フィードバック回路111では、例えば、2次電流に対する上限下限の閾値が設定されており、検出値と上限、下限の閾値との比較に応じたフィードバック信号が合成されてエネルギー投入回路103に出力される。

(問題点)
ところで、エネルギー投入回路により継続火花放電を継続させる場合、エンジン運転状態に応じてエネルギーの投入量を制御可能とするのが好ましい。つまり、高流速側(高回転側)では、放電継続のため、短期間で高いエネルギーを投入する必要があり、低流速側(低回転側)では、着火機会増加のため、長期間にわたり低いエネルギーを投入するのが好ましい。このため、エネルギー投入量を制御することができない場合、例えば、高いエネルギーを短期間で投入する必要があるときにエネルギー量が不足したり、低いエネルギーを長期間にわたり投入するのが好ましいときに無用消費電力が大きくなったりする可能性がある。

なお、エネルギー投入回路を備えない従来の点火装置では、火花放電を継続させる技術として、主点火回路相当の回路によりフルトラに基づく主点火を繰り返し生じさせる多重放電が公知である。そして、多重放電を行う従来の点火装置は、エンジン制御中枢を成すECU(エンジン・コントロールユニットの略)から与えられる指令信号点火信号IGtおよび放電継続信号IGw)に基づいて1次コイルを通電制御する。ここで、点火信号IGtは、多重放電の開始時期指令する信号であり、放電継続信号IGwは多重放電の期間を指令する信号である(例えば、特許文献1、2参照)。

しかし、上記のようにエネルギー投入回路によりエネルギーを投入する場合、従来と同様の点火信号IGtおよび放電継続信号IGwを用いると、放電継続信号IGwによりエネルギーの投入期間を指令することができるものの、エネルギー投入量を指令することはできない。このため、短期間で高いエネルギーを投入する必要があるときにエネルギー量が不足したり、長期間にわたり低いエネルギーを投入するときに無用に消費電力が大きくなったりする可能性がある。

概要

継続火花放電を行う内燃機関用の点火装置1において、エネルギー投入回路9から点火コイル3へ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制する。点火装置1は、2次電流指令信号IGaの入力をECU4から受ける2次電流指令回路30を備え、フィードバック回路10は、2次電流指令回路30から出力された2次電流の指令値と2次電流の検出値とを比較した結果に応じて、1次コイル5の通電制御を行うための制御信号をエネルギー投入回路9に出力する。また、ECU4は、エンジンパラメータに応じた2次電流指令信号IGaを出力する。これにより、エネルギー投入回路9から点火コイル3に投入されたエネルギー量を実質的に表す2次電流を、エンジンの運転状態に応じて制御することができる。このため、エネルギー投入回路9から点火コイル3へ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制することができる。

目的

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、継続火花放電を行う内燃機関用の点火装置において、エネルギー投入回路から点火コイルへ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

内燃機関用点火装置(1)であって、点火コイル(3)の1次コイル(5)の通電制御を行って点火プラグ(2)に火花放電を生じさせる主点回路(8)と、この主点火回路(8)の動作によって開始した火花放電中に、前記1次コイル(5)の通電制御を行って、前記点火コイル(3)の2次コイル(6)に同一方向の2次電流を継続して流し、前記主点火回路(8)の動作によって開始した火花放電を継続させるエネルギー投入回路(9)と、2次電流を検出して前記エネルギー投入回路(9)にフィードバックするフィードバック回路(10)と、2次電流の指令値を示す2次電流指令信号(IGa)の入力を別の制御装置(4)から受ける2次電流指令回路(30)とを備え、2次電流の指令値は、前記内燃機関運転状態を示すエンジンパラメータに応じて求められ、前記フィードバック回路(10)は、前記2次電流指令回路(30)から出力された2次電流の指令値と2次電流の検出値とを比較した結果に応じて、前記1次コイル(5)の通電制御を行うための制御信号を前記エネルギー投入回路(9)に出力することを特徴とする点火装置(1)。

請求項2

請求項1に記載の点火装置(1)において、前記制御装置(4)から、前記エネルギー投入回路(9)を動作させるための放電継続信号(IGw)が前記点火装置(1)に出力され、前記エネルギー投入回路(9)は、前記放電継続信号(IGw)が入力されている間、前記1次コイル(5)の通電制御を行い、前記2次電流指令信号(IGa)と前記放電継続信号(IGw)とは、互いに別の信号線により前記制御装置(4)から前記点火装置(1)に出力されることを特徴とする点火装置(1)。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の点火装置(1)において、前記2次電流指令信号(IGa)は、信号線を用いて前記制御装置(4)から前記点火装置(1)に出力され、前記2次電流指令回路(30)は、信号線の電位に応じて前記2次電流の指令値を把握することを特徴とする点火装置(1)。

請求項4

請求項1に記載の点火装置(1)において、前記2次電流指令信号(IGa)は、アナログ電圧信号として指示されることを特徴とする点火装置(1)。

請求項5

請求項1に記載の点火装置(1)と、前記点火装置を制御する前記制御装置(4)とを備える点火システムであって、前記制御装置(4)は、前記主点火回路(8)を動作させるための点火信号(IGt)をパルス信号として前記点火装置(1)に送信する点火信号送信部(4a)と、前記エネルギー投入回路(9)を動作させるための放電継続信号(IGw)と前記2次電流指令信号(IGa)とを含む合成信号(IGwa)を生成して前記点火装置(1)に送信する合成信号送信部(4b)とを備え、前記合成信号(IGwa)は、前記点火信号(IGt)の立ち上がりタイミングP1と同時もしくは前記タイミングP1から遅れ立ち上がるパルス信号であって、前記合成信号(IGwa)は、前記合成信号(IGwa)の立ち上がりタイミングPaと前記点火信号(IGt)の立ち上がりタイミングP1との時間差により、前記2次電流の指令値を指示し、前記点火信号(IGt)の立ち下がりタイミングP2から所定時間後のタイミングP3を始期として、前記合成信号(IGwa)の立下りタイミングP4を終期とする期間を継続火花放電を継続する期間として指示することを特徴とする点火システム。

請求項6

請求項5に記載の点火システムであって、前記合成信号送信部(4b)は、気筒毎の前記合成信号(IGwa)の少なくとも2気筒分多重化して前記点火装置(1)に送信することを特徴とする点火システム。

技術分野

0001

本発明は、内燃機関エンジン)に用いられる点火装置および点火システムに関する。

背景技術

0002

点火プラグの負担を軽減し、無駄な電力消費を抑えて、火花放電を継続させる技術として、次のエネルギー投入回路考案した(詳細は特願2013−082958参照。この技術は非公知である。)。エネルギー投入回路は、いわゆるフルトラ型の点火回路によって開始した火花放電(以下、主点火と呼ぶ。)が消える前に1次コイルマイナス側から電気エネルギー投入し、主点火と同一方向の2次電流を継続して流すことで、主点火として生じた火花放電を任意の期間に亘って継続させるものである。
なお、以下では、エネルギー投入回路により継続させる火花放電、つまり、主点火に続く火花放電を継続火花放電と呼ぶ。また、継続火花放電が続く期間を放電継続期間と呼ぶ。

0003

エネルギー投入回路は、放電継続期間中の1次電流を制御することで、2次電流を調節して火花放電の維持を行う。また、継続火花放電中の2次電流を調節することで、点火プラグの負担を軽減し、且つ無駄な電力消費を抑えて、火花放電を継続することができる。
さらに、装置個体差経年劣化および放電環境の多様性等に影響されず火花放電を安定して継続させるため、2次電流を検出してエネルギー投入回路にフィードバックするフィードバック回路を追加した構成を考案した(特願2013−246091参照。この技術は非公知である。)。

0004

次に、本発明の理解補助の目的で、本発明を適用していないエネルギー投入回路の代表例を図14に基づき説明する。
図14に示す点火装置100は、フルトラに基づく主点火を点火プラグ101に生じさせる主点火回路102と、主点火に同じ極性を継続させて継続火花放電を生じさせるエネルギー投入回路103とを備える。

0005

主点火回路102は、スイッチング素子104のオンによって車載バッテリ105から1次コイル106にプラスの1次電流を通電させて磁気エネルギーを蓄えさせ、その後、スイッチング素子104のオフにより、電磁誘導によって磁気エネルギーを電気エネルギーに変換して2次コイル107に高電圧を発生させ、主点火を生じさせる。また、エネルギー投入回路103は、昇圧回路108において車載バッテリ105の電圧を昇圧してコンデンサ109に蓄えるとともに、スイッチング素子110のオンオフにより、コンデンサ109に蓄えた電気エネルギーを1次コイル106のマイナス側に投入する。

0006

また、図14に示す点火装置100は、2次電流を検出してエネルギー投入回路103にフィードバックするフィードバック回路111を備え、フィードバック回路111は、検出した2次電流をエネルギー投入回路103のドライバ回路にフィードバックする。
ここで、フィードバック回路111では、例えば、2次電流に対する上限下限の閾値が設定されており、検出値と上限、下限の閾値との比較に応じたフィードバック信号が合成されてエネルギー投入回路103に出力される。

0007

(問題点)
ところで、エネルギー投入回路により継続火花放電を継続させる場合、エンジンの運転状態に応じてエネルギーの投入量を制御可能とするのが好ましい。つまり、高流速側(高回転側)では、放電継続のため、短期間で高いエネルギーを投入する必要があり、低流速側(低回転側)では、着火機会増加のため、長期間にわたり低いエネルギーを投入するのが好ましい。このため、エネルギー投入量を制御することができない場合、例えば、高いエネルギーを短期間で投入する必要があるときにエネルギー量が不足したり、低いエネルギーを長期間にわたり投入するのが好ましいときに無用消費電力が大きくなったりする可能性がある。

0008

なお、エネルギー投入回路を備えない従来の点火装置では、火花放電を継続させる技術として、主点火回路相当の回路によりフルトラに基づく主点火を繰り返し生じさせる多重放電が公知である。そして、多重放電を行う従来の点火装置は、エンジン制御中枢を成すECU(エンジン・コントロールユニットの略)から与えられる指令信号点火信号IGtおよび放電継続信号IGw)に基づいて1次コイルを通電制御する。ここで、点火信号IGtは、多重放電の開始時期指令する信号であり、放電継続信号IGwは多重放電の期間を指令する信号である(例えば、特許文献1、2参照)。

0009

しかし、上記のようにエネルギー投入回路によりエネルギーを投入する場合、従来と同様の点火信号IGtおよび放電継続信号IGwを用いると、放電継続信号IGwによりエネルギーの投入期間を指令することができるものの、エネルギー投入量を指令することはできない。このため、短期間で高いエネルギーを投入する必要があるときにエネルギー量が不足したり、長期間にわたり低いエネルギーを投入するときに無用に消費電力が大きくなったりする可能性がある。

先行技術

0010

特開2008−138639号公報
特開2009−052435号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、継続火花放電を行う内燃機関用の点火装置において、エネルギー投入回路から点火コイルへ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制することにある。

課題を解決するための手段

0012

本願の第1発明の点火装置は内燃機関用であり、次の主点火回路、エネルギー投入回路、フィードバック回路および2次電流指令回路を備える。
主点火回路は、点火コイルの1次コイルの通電制御を行って点火プラグに火花放電を生じさせる。また、エネルギー投入回路は、主点火回路の動作によって開始した火花放電中に、1次コイルの通電制御を行って、点火コイルの2次コイルに同一方向の2次電流を継続して流し、主点火回路の動作によって開始した火花放電を継続させる。また、フィードバック回路は、2次電流を検出してエネルギー投入回路にフィードバックする。さらに、2次電流指令回路は、2次電流の指令値を示す2次電流指令信号の入力を別の制御装置から受ける。

0013

また、2次電流の指令値は、内燃機関の運転状態を示すエンジンパラメータに応じて求められる。そして、フィードバック回路は、2次電流指令回路から出力された2次電流の指令値と2次電流の検出値とを比較した結果に応じて、1次コイルの通電制御を行うための制御信号をエネルギー投入回路に出力する。

0014

これにより、投入されたエネルギー量を実質的に表す2次電流を、内燃機関の運転状態に応じて制御することができる。このため、継続火花放電を行う内燃機関用の点火装置において、エネルギー投入回路から点火コイルへ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制することができる。

0015

本願の第1発明に従属する第2発明によれば、制御装置から、エネルギー投入回路を動作させるための放電継続信号が点火装置に出力され、エネルギー投入回路は、放電継続信号が入力されている間、1次コイルの通電制御を行う。そして、2次電流指令信号と放電継続信号とは、互いに別の信号線により制御装置から点火装置に出力される。
これにより、2次電流の指令値を別の制御装置から点火装置に与える場合に、回路構成を簡単にすることができる。

0016

本願の第1、第2発明に従属する第3発明によれば、2次電流指令信号は、信号線を用いて制御装置から点火装置に出力される。そして、2次電流指令回路は、信号線の電位に応じて2次電流の指令値を把握する。
これにより、複数の信号線を用いる場合、2次電流の指令値として、信号線のハイ/ローの組合せごとに異なる数値を設定することができる。このため、2次電流の指令値の選択の自由度を高めることができる。

0017

また、信号線を1本のみ使用する場合、1本の信号線のハイ/ローにより、2次電流の指令値として2つの数値から一方の数値を選択することができる。このため、2次電流の指令値として2つの数値を準備しておけば継続火花放電におけるエネルギー量の過不足を充分に抑制することができる場合、点火装置は1本のみの信号線により2次電流の指令値を把握することができる。

0018

本願の第1発明に従属する第4発明によれば、2次電流指令信号は、アナログ電圧信号として指示される。
これにより、点火装置は、2次電流の指令値を連続的な数値として与えられる。このため、より一層、内燃機関の運転状態に応じた制御が可能になる。

0019

本願の第1発明の点火装置とこの点火装置を制御する制御装置とを備える第5発明の点火システムによれば、制御装置は、主点火回路を動作させるための点火信号をパルス信号として点火装置に送信する点火信号送信部と、エネルギー投入回路を動作させるための放電継続信号と2次電流指令信号とを含む合成信号を生成して点火装置に送信する合成信号送信部とを備える。

0020

合成信号IGwaは、点火信号の立ち上がりタイミングP1と同時もしくはタイミングP1から遅れ立ち上がるパルス信号であって、合成信号は、合成信号の立ち上がりタイミングPaと点火信号の立ち上がりタイミングP1との時間差により、2次電流の指令値を指示し、点火信号の立ち下がりタイミングP2から所定時間後のタイミングP3を始期として、合成信号の立下りタイミングP4を終期とする期間を継続火花放電を継続する期間として指示する。
これにより、制御装置と点火装置との間の信号線を少なくすることができる。

0021

本願の第5発明に従属する第6発明によれば、合成信号送信部は、気筒毎の合成信号の少なくとも2気筒分多重化して点火装置に送信する。
これにより、制御装置と点火装置との間の信号線をさらに少なくすることができる。

図面の簡単な説明

0022

点火装置の構成図である(実施例1)。
(a)は2次電流指令回路の構成図であり、(b)は2次電流指令信号の態様を示す表である(実施例1)。
点火装置の動作を示すタイムチャートである(実施例1)。
(a)は短期間で高いエネルギーを投入する必要があるときの2次電流の推移を示すタイムチャートであり、(b)は長期間にわたり低いエネルギーを投入するときの2次電流の推移を示すタイムチャートである(実施例1)。
点火装置の構成図である(実施例2)。
(a)は2次電流指令回路の構成図であり、(b)は2次電流指令信号の態様を示す表である(実施例2)。
点火システムの構成図である(実施例3)。
点火信号IGt、合成信号IGwa、放電継続信号IGwを示すタイムチャートである(実施例3)。
点火信号IGt、合成信号IGwa、信号E1、信号E2を示すタイムチャートである(実施例3)。
(a)は2次電流指令回路の構成図であり、(b)は2次電流指令回路の動作と2次電流指令値との対応を示す表である(実施例3)。
点火システムの概略図である(実施例4)。
点火システムの構成図である(実施例4)。
点火信号IGtおよび合成信号IGwaを示すタイムチャートである(実施例4)。
点火装置の構成図である(参考例)。

0023

以下において、発明を実施するための形態を、実施例を用いて説明する。なお、実施例は具体的な一例を開示するものであり、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。

0024

〔実施例1の構成〕
図1および図2を参照して実施例1の点火装置1を説明する。
点火装置1は、車両走行用火花点火エンジンに搭載されるものであり、所定の点火時期燃焼室内の混合気点火するものである。なお、エンジンの一例は、ガソリン燃料とする希薄燃焼リーンバーン)が可能な直噴式エンジンであり、気筒内にタンブル流スワール流等の混合気の旋回流を生じさせる旋回流コントロール手段を備える。そして、リーンバーンのように気筒内のガス流速が高く火花放電の吹き消え発生の可能性がある運転状態において、点火装置1は、主点火に続けて継続火花放電を行うように制御される。

0025

また、点火装置1は、各気筒の点火プラグ2ごとに対応した点火コイル3を用いるDI(ダイレクトイグニッション)タイプである。
さらに、点火装置1は、エンジン制御の中枢を成す電子制御ユニット(以下、ECU4と呼ぶ。)から与えられる点火信号IGtや放電継続信号IGw等の信号に基づいて点火コイル3の1次コイル5を通電制御するものであり、1次コイル5を通電制御することで点火コイル3の2次コイル6に生じる電気エネルギーを操作して、点火プラグ2の火花放電を制御する。

0026

ここで、ECU4は、車両に搭載されてエンジンの運転状態や制御状態を示すパラメータ暖機状態エンジン回転速度、エンジン負荷、希薄燃焼の有無、旋回流の程度等)を検出する各種センサから信号が入力される。また、ECU4は、入力された信号を処理する入力回路、入力された信号に基づき、エンジン制御に関する制御処理演算処理を行うCPU、エンジン制御に必要なデータやプログラム等を記憶して保持する各種のメモリ、CPUの処理結果に基づき、エンジン制御に必要な信号を出力する出力回路等を備えて構成される。そして、ECU4は、各種センサから取得したエンジンパラメータに応じた点火信号IGtおよび放電継続信号IGwを生成して出力する。

0027

実施例1の点火装置1は、フルトラに基づき主点火を発生させる主点火回路8と、主点火として生じた火花放電を電気エネルギーの追加投入により継続火花放電として継続させるエネルギー投入回路9と、2次電流を検出してエネルギー投入回路9にフィードバックするフィードバック回路10とを備えて構成される。

0028

なお、主点火回路8、エネルギー投入回路9およびフィードバック回路10は、点火回路ユニットUとして1つのケース内収容配置され、点火プラグ2、点火コイル3および点火回路ユニットUは、気筒数同数設けられて気筒毎に設置される。

0029

点火プラグ2は、周知構造を有するものであり、2次コイル6の一端に接続される中心電極と、エンジンのシリンダヘッド等を介してアース接地される接地電極とを備え、2次コイル6に生じる電気エネルギーにより中心電極と接地電極との間で火花放電を生じさせる。
点火コイル3は、1次コイル5と2次コイル6とを有し、1次コイル5を流れる電流(1次電流)の増減に応じて電磁誘導により2次コイル6に電流(2次電流)を発生させる周知構造である。

0030

1次コイル5の一端はイグニッションスイッチ等を介して車載バッテリ12のプラス電極に接続され、1次コイル5の他端は主点火回路8の点火用スイッチング手段13を介してアース接地される。さらに、1次コイル5の他端には、点火用スイッチング手段13を介してアース接地されるライン並列に、エネルギー投入回路9が接続されている。

0031

2次コイル6の一端は上述したように点火プラグ2の中心電極に接続され、2次コイル6の他端はフィードバック回路10に接続されている。なお、2次コイル6の他端は、2次電流の方向を一方向に限定する第1ダイオード14を介してフィードバック回路10に接続されている。

0032

主点火回路8は、点火用スイッチング手段13のオンオフにより、1次コイル5にエネルギーを蓄えさせるとともに、1次コイル5に蓄えたエネルギーを利用して2次コイル6に高電圧を発生させ、点火プラグ2に主点火を生じさせる。

0033

より具体的に、主点火回路8は、1次コイル5の通電状態断続する点火用スイッチング手段13を備える。そして、主点火回路8は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間に点火用スイッチング手段13をオンすることで、1次コイル5に車載バッテリ12の電圧を印加してプラスの1次電流を通電し、1次コイル5に磁気エネルギーを蓄えさせる。その後、主点火回路8は、点火用スイッチング手段13のオフにより、電磁誘導によって磁気エネルギーを電気エネルギーに変換して2次コイル6に高電圧を発生させ、主点火を生じさせる。

0034

なお、点火用スイッチング手段13は、パワートランジスタ(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタMOS型トランジスタ)、サイリスタ等である。また、点火信号IGtは、主点火回路8において1次コイル5に磁気エネルギーを蓄えさせる期間および点火開始時期を指令する信号である。

0035

エネルギー投入回路9は、以下の昇圧回路15と、投入エネルギー制御手段16とを備えて構成される。
まず、昇圧回路15は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間において車載バッテリ12の電圧を昇圧してコンデンサ18に蓄えさせる。
次に、投入エネルギー制御手段16は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーを1次コイル5のマイナス側(接地側)に投入する。

0036

昇圧回路15は、コンデンサ18以外に、チョークコイル19、昇圧用スイッチング手段20、昇圧用ドライバ回路21および第2ダイオード22を備えて構成される。なお、昇圧用スイッチング手段20は、例えば、MOS型トランジスタである。
ここで、チョークコイル19は一端が車載バッテリ12のプラス電極に接続され、昇圧用スイッチング手段20によりチョークコイル19の通電状態が断続される。また、昇圧用ドライバ回路21は、昇圧用スイッチング手段20に制御信号を与えて昇圧用スイッチング手段20をオンオフさせるものであり、昇圧用スイッチング手段20のオンオフ動作により、チョークコイル19で蓄えた磁気エネルギーはコンデンサ18で電気エネルギーとして充電される。

0037

なお、昇圧用ドライバ回路21は、ECU4から点火信号IGtが与えられる期間において昇圧用スイッチング手段20を所定周期で繰り返してオンオフするように設けられている。
また、第2ダイオード22は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーがチョークコイル19側へ逆流するのを防ぐものである。

0038

投入エネルギー制御手段16は、次の投入用スイッチング手段24、投入用ドライバ回路25および第3ダイオード26を備えて構成される。なお、投入用スイッチング手段24は、例えば、MOS型トランジスタである。
ここで、投入用スイッチング手段24は、コンデンサ18に蓄えた電気エネルギーを1次コイル5にマイナス側から投入するのをオンオフし、投入用ドライバ回路25は、投入用スイッチング手段24に制御信号を与えてオンオフさせる。

0039

そして、投入用ドライバ回路25は、投入用スイッチング手段24をオンオフさせてコンデンサ18から1次コイル5に投入する電気エネルギーを制御することで、放電継続信号IGwが与えられる期間において2次電流を指令値に維持させる。ここで、放電継続信号IGwは、継続火花放電を継続する期間を指令する信号であり、より具体的には、投入用スイッチング手段24にオンオフを繰り返させて昇圧回路15から1次コイル5に電気エネルギーを投入する期間を指令する信号である。
なお、第3ダイオード26は、1次コイル5からコンデンサ18への電流の逆流を阻止するものである。

0040

フィードバック回路10は、2次電流を検出してエネルギー投入回路9の投入エネルギー制御手段16にフィードバックする。
ここで、フィードバック回路10には、2次電流を検出する2次電流検出抵抗28が設けられており、2次電流の検出値は、2次電流検出抵抗28により電圧に変換されて出力される。

0041

次に、実施例1の特徴的な構成について説明する。
点火装置1は、2次電流の指令値を示す2次電流指令信号IGaの入力をECU4から受ける2次電流指令回路30を備える。なお、実施例1の2次電流指令回路30は、気筒ごとに設けられて点火回路ユニットUに含まれているが、全気筒共通で点火回路ユニットUとは別に1つだけ設けてもよい。

0042

ここで、2次電流指令信号IGaは、図1に示すように、点火信号IGtおよび放電継続信号IGwを出力する信号線とは別の3本の信号線L1〜L3によりECU4から点火装置1に出力される。また、ECU4は、内燃機関の運転状態を示すエンジンパラメータを各種センサから取得するとともにエンジンパラメータに応じて2次電流の指令値を求め、2次電流指令信号IGaを合成して出力する。

0043

このとき、ECU4は、エンジンパラメータに応じて、予め設定された複数の数値から1つの数値を2次電流の指令値として選択する。また、ECU4は、それぞれの数値に対応した2次電流指令信号IGaの態様を信号線L1〜L3の電位(ハイ/ロー)の組合せにより設定している。

0044

例えば、ECU4が2次電流の指令値として200mA、150mA、100mAの3つの数値を設定しているものとする(図2(b)参照。)。この場合、2次電流の指令値として200mAを選択した場合、2次電流指令信号IGaの態様は、例えば、信号線L1:ロー、信号線L2:ロー、信号線L3:ローに設定され、150mAを選択した場合、信号線L1:ハイ、信号線L2:ロー、信号線L3:ローに設定され、100mAを選択した場合、信号線L1:ハイ、信号線L2:ハイ、信号線L3:ローに設定されるものとする。

0045

また、2次電流指令回路30は、信号線L1〜L3のそれぞれの論理信号からノイズを除去する3つの波形成形部32と、2次電流指令信号IGaの態様に応じた電位を出力する指令値出力部33とを有する(図2(a)参照。)。ここで、指令値出力部33は、1つの抵抗R0と、4つの抵抗R1〜R4が互いに並列をなす並列部34とが直列をなし、抵抗R0と並列部34との接続部35における電位を指令値として出力する。

0046

すなわち、並列部34において並列に設けられた4つの枝路の内、抵抗R1〜R3が組み入れられた枝路には、それぞれスイッチング素子Tr1〜Tr3が組み入れられている。また、スイッチング素子Tr1〜Tr3は、それぞれ抵抗R1〜R3と直列に組み入れられている。また、スイッチング素子Tr1〜Tr3は、例えば、バイポーラランスタである。そして、スイッチング素子Tr1〜Tr3のそれぞれのベースには信号線L1〜L3のハイ/ローが論理変換されずに入力され、スイッチング素子Tr1〜Tr3は、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じてオンオフする。

0047

これにより、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じて並列部34の合成抵抗が3つの数値の間で変わるので、接続部35における電位も、信号線L1〜L3のハイ/ローに応じて3つの数値の間で変化する。このため、2次電流指令回路30は、2次電流指令信号IGaの態様に応じて、2次電流の指令値を200mA、150mA、100mAの内から選択して出力することができる。

0048

また、フィードバック回路10には比較器36が設けられており(図1参照。)、比較器36には、接続部35の電位として示される2次電流の指令値と、2次電流検出抵抗により電圧に変換された2次電流の検出値とが入力される。そして、比較器36は、指令値と検出値との比較結果に応じた信号を投入用ドライバ回路25に出力し、投入用ドライバ回路25は、比較器36から出力された信号に基づき、投入用スイッチング手段24をオンオフさせる。

0049

次に、図3を参照して点火装置1の動作を説明する。
なお、図3において、「IGt」は点火信号IGtの入力状態をハイ/ローで表すものであり、「IGw」は放電継続信号IGwの入力状態をハイ/ローで表すものである。また、「点火用スイッチ」、「投入用スイッチ」は、それぞれ、点火用スイッチング手段13、投入用スイッチング手段24のオンオフを表し、「I1」は1次電流(1次コイル5に流れる電流値)、「I2」は2次電流(2次コイル6に流れる電流値)を表す。

0050

点火信号IGtがローからハイへ切り替わると(時間t01参照。)、点火信号IGtがハイの期間において、点火用スイッチング手段13がオン状態を維持してプラスの1次電流が流れ、1次コイル5に磁気エネルギーが蓄えられる。また、昇圧用スイッチング手段20がオンオフを繰り返して昇圧動作を行い、昇圧された電気エネルギーがコンデンサ18に蓄えられる。

0051

やがて、点火信号IGtがハイからローへ切り替わると(時間t02参照。)、点火用スイッチング手段13がオフされ、1次コイル5の通電状態が突然遮断される。これにより、1次コイル5に蓄えられた磁気エネルギーが電気エネルギーに変換されて2次コイル6に高電圧が発生し、点火プラグ2において主点火が開始される。
点火プラグ2において主点火が開始された後、2次電流は略三角波形状で減衰する(I2の点線を参照。)。そして、2次電流が下限の閾値に到達する前に、放電継続信号IGwがローからハイへ切り替わる(時間t03参照。)。

0052

放電継続信号IGwがローからハイへ切り替わると、投入用スイッチング手段24がオンオフ制御されて、コンデンサ18に蓄えられていた電気エネルギーが、1次コイル5のマイナス側に順次投入され、1次電流は、1次コイル5から車載バッテリ12のプラス電極に向かって流れる。より具体的には、投入用スイッチング手段24がオンされる毎に1次コイル5から車載バッテリ12のプラス電極に向かう1次電流が追加され、1次電流がマイナス側に増加していく(時間t03〜t04参照。)。

0053

そして、1次電流が追加される毎に、主点火による2次電流と同方向の2次電流が2次コイル6に順次追加され、2次電流は指令値に略一致するように推移する。
以上により、投入用スイッチング手段24をオンオフ制御することで、2次電流が火花放電を維持可能な程度に継続して流れる。その結果、放電継続信号IGwのオン状態が続くと、継続火花放電が点火プラグ1において維持される。

0054

ここで、エネルギー投入回路9による1次コイル5の通電制御は、実質的にエネルギー投入量を示す2次電流、および、エネルギー投入期間に基づき行われる。そして、ECU4は、放電継続信号IGwおよび2次電流指令信号IGaを点火装置1に出力することで、エネルギー投入回路9によるエネルギー投入量およびエネルギー投入期間を制御する。

0055

また、ECU4は、エンジンパラメータに応じて(つまり、エンジンの運転状態に応じて、)、エネルギー投入量に相当する2次電流の指令値、および、エネルギー投入期間の指令値を設定する。ここで、高流速側(高回転側)では、放電継続のため、短期間で高いエネルギーを投入する必要があり、低流速側(低回転側)では、着火機会増加のため、長期間にわたり低いエネルギーを投入するのが好ましい。

0056

このため、図4に示すように、高回転側では(図4(a)参照)、2次電流の指令値は200mAに設定され、エネルギー投入期間は0.3msに設定され、低回転側では(図4(b)参照)、2次電流の指令値は100mAに設定され、エネルギー投入期間は0.5〜0.8msに設定される。

0057

〔実施例1の効果〕
実施例1の点火装置1は、2次電流指令信号IGaの入力をECU4から受ける2次電流指令回路30を備え、フィードバック回路10は、2次電流指令回路30から出力された2次電流の指令値と2次電流の検出値とを比較した結果に応じて、1次コイル5の通電制御を行うための制御信号をエネルギー投入回路9に出力する。また、ECU4は、エンジンパラメータに応じて2次電流の指令値を求め、2次電流指令信号IGaを合成して出力する。

0058

これにより、エネルギー投入回路9から点火コイル3に投入されたエネルギー量を実質的に表す2次電流を、エンジンの運転状態に応じて制御することができる。このため、継続火花放電を行う点火装置1において、エネルギー投入回路9から点火コイル3へ投入するエネルギー量に過不足が生じるのを抑制することができる。

0059

また、2次電流指令信号IGaの信号線L1〜L3は、放電継続信号IGwの信号線とは別に設けられている。
これにより、回路構成を簡単にすることができるとともに、2次電流指令信号IGaと放電継続信号IGwとを独立に設定することができる。

0060

また、2次電流指令信号IGaは、3本の信号線L1〜L3を用いてECU4から点火装置1に出力される。そして、2次電流指令回路30は、信号線L1〜L3の電位の組合せに応じて2次電流の指令値を把握する。
これにより、2次電流の指令値として、信号線L1〜L3のハイ/ローの組合せごとに異なる数値を設定することができる。このため、2次電流の指令値の選択の自由度を高めることができる。

0061

〔実施例2〕
実施例2の点火装置1によれば、2次電流指令信号IGaは、図5に示すように、2本の信号線L1、L2によりECU4から点火装置1に出力される。また、ECU4は、実施例1と同様に、2次電流指令信号IGaの態様を信号線L1、L2の電位(ハイ/ロー)の組合せにより設定している。

0062

例えば、ECU4が2次電流の指令値として200mA、150mA、100mA、50mAの4つの数値を設定しているものとする(図6(b)参照。)。この場合、2次電流の指令値として200mAを選択した場合、2次電流指令信号IGaの態様は、例えば、信号線L1:ハイ、信号線L2:ハイに設定され、150mAを選択した場合、信号線L1:ハイ、信号線L2:ローに設定され、100mAを選択した場合、信号線L1:ロー、信号線L2:ハイに設定され、50mAを選択した場合、信号線L1:ロー、信号線L2:ローに設定されるものとする。

0063

また、2次電流指令回路30において、波形成形部32の数は、信号線の本数が実施例1の3本から2本に減っているので2つである(図6(a)参照。)。
さらに、指令値出力部33の回路構成は実施例1と同様であるが、スイッチング素子Tr1〜Tr3に入力される制御信号は、実施例1と異なり、信号線L1、L2のハイ/ローを論理変換したものである。

0064

すなわち、実施例2の2次電流指令回路30は、2次電流指令信号IGaの態様を論理変換する論理変換部38を有する。
論理変換部38は、例えば、図6(a)に示すように、3つのAND回路39A〜39C、3つのOR回路40A〜40C、4つのNOT回路41A〜41Dを含んで構成されている。

0065

まず、AND回路39Aは、信号線L1の信号と、信号線L2の信号をNOT回路41Aにより反転させた信号との論理積を出力する。また、AND回路39Bは、信号線L1の信号をNOT回路41Bにより反転させた信号と、信号線L2の信号との論理積を出力する。さらに、AND回路39Cは、信号線L1の信号をNOT回路41Cにより反転させた信号と、信号線L2の信号をNOT回路41Dにより反転させた信号との論理積を出力する。

0066

次に、OR回路40Aは、AND回路39Aの出力信号と、AND回路39Bの出力信号との論理和を出力する。また、OR回路40Bは、OR回路40Aの出力信号と、AND回路39Cの出力信号との論理和を出力する。さらに、OR回路40Cは、AND回路39Bの出力信号と、AND回路39Cの出力信号との論理和を出力する。そして、スイッチング素子Tr1のベースにはOR回路40Bの出力信号が入力され、スイッチング素子Tr2のベースにはOR回路40Cの出力信号が入力され、スイッチング素子Tr3のベースにはAND回路39Cの出力信号が入力される。

0067

これにより、信号線L1、L2のハイ/ローに応じて並列部34の合成抵抗が4つの数値の間で変わるので、接続部35における電位も、信号線L1、L2のハイ/ローに応じて4つの数値の間で変化する。このため、2次電流指令回路30は、2次電流指令信号IGaの態様に応じて、2次電流の指令値を200mA、150mA、100mA、50mAの内から選択して出力することができる。

0068

〔実施例1および2の変形例〕
上記の実施例の2次電流指令回路30は、2本または3本の信号線により2次電流指令信号IGaの入力を受けて、3つまたは4つの異なる数値の中から1つの数値を選択することで2次電流の指令値を把握するものであったが、4本以上の信号線により2次電流指令信号IGaの入力を受けてもよく、5つ以上の異なる数値の中から1つの数値を選択することで2次電流の指令値を把握してもよい。

0069

また、信号線を1本のみ使用してもよく、この場合、1本の信号線のハイ/ローにより、2次電流の指令値として2つの数値から一方の数値を選択することができる。このため、2次電流の指令値として2つの数値を準備しておけば継続火花放電におけるエネルギー量の過不足を充分に抑制することができる場合、点火装置1は1本のみの信号線により2次電流の指令値を把握することができる。

0070

また、上記の実施例の2次電流指令回路30は、2次電流指令信号IGaの入力をハイ/ローの論理信号の組合せとして受けていたが、2次電流指令信号IGaをアナログの電圧信号とし、2次電流指令信号IGaの入力を1本の信号線により受けてもよい。
これにより、点火装置1は、2次電流の指令値を連続的な数値として与えられるので、より一層、エンジンの運転状態に応じた制御が可能になる。

0071

〔実施例3〕
図7〜10を参照して実施例3を実施例1と異なる点を中心に説明する。なお、実施例3において上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
本実施例では、点火装置1とECU4(点火装置1の制御装置)とを合わせて点火システムと呼ぶ。

0072

本実施例の点火システムでは、ECU4が以下に説明する点火信号送信部4aと合成信号送信部4bとを備える。
点火信号送信部4aは、点火信号IGtをパルス信号として点火装置1に送信する。
図8に示すように、点火信号IGtは、主点火回路8において1次コイル5に磁気エネルギーを蓄えさせる期間の始期t01をパルスの立ち上がりタイミングP1で指示し、点火開始時期t02(磁気エネルギーを蓄えさせる期間の終期でもある)をパルスの立下りタイミングP2で指示している。つまり、点火信号IGtがハイの期間ΔQ1が磁気エネルギーを蓄えさせる期間となっている。

0073

合成信号送信部4bは、放電継続信号IGwと2次電流指令信号IGaとを含む合成信号IGwaを生成して点火装置1に送信する。
すなわち、合成信号IGwaは、エネルギー投入回路9を駆動するのに必要な情報(放電継続信号IGwと2次電流指令信号IGaとが有する情報)を含む信号としてECU4内で生成される。

0074

合成信号IGwaは、点火信号IGtの立ち上がりタイミングP1から遅れて立ち上がるパルス信号である。
合成信号IGwaは、合成信号IGwaの立ち上がりタイミングPaと点火信号IGtの立ち上がりタイミングP1との時間差ΔQ3により、2次電流の指令値を指示する。つまり、点火信号IGtと合成信号IGwaとの位相差により2次電流の指令値を指示する。

0075

また、合成信号IGwaは点火信IGtの立ち下がりタイミングP2から所定時間後のタイミングP3を始期として、合成信号IGwaの立下りタイミングP4を終期とする期間ΔQ2を継続火花放電を継続する期間(時間t03〜t04)として指示する。
なお、タイミングP3はタイミングP2を基に点火回路ユニットU内部(例えば、後述するIGw信号抽出回路60)で生成する。

0076

そして、点火回路ユニットU内部には、ECU4からの信号を処理する回路として、2次電流指令回路30の他に、IGw信号抽出回路60が設けられている。

0077

IGw信号抽出回路60は、合成信号IGwaを受信して、放電継続信号IGw(タイミングP3で立上り、タイミングP4で立ち下がる信号)を抽出し、投入用ドライバ回路25に送信する。

0078

2次電流指令回路30は、合成信号IGwaを受信して、2次電流指令信号IGaを抽出し、比較器36に2次電流指令値を出力する。

0079

合成信号IGwaから2次電流指令信号IGaを抽出し、比較器36に2次電流指令値を出力する方法の一例を以下に説明する。
本実施例では、例えば、3つの電流値(100mA,150mA,200mA)の内の1つの値を運転状態等に応じて2次電流指令値として選択する態様である。
例えば、図9に示すように合成信号IGwaはΔQ3が0ms、1ms、2msの3つのパターン(パターン1〜3)のいずれかが選択される。それぞれのパターンによって電流指令値が異なっており、いずれのパターンが選択されたのかの情報を2次電流指令信号IGAとして抽出する。

0080

本実施例では、パターン1の場合の2次電流指令値が200mA、パターン2の場合の2次電流指令値が150mA、パターン3の場合の2次電流指令値が100mAである。
そこで、合成信号送信部4bは所望の2次電流指令値に応じて、パターン1〜3の内の1つを選択して2次電流指令回路30に出力する。
そして、2次電流指令回路30はいずれのパターンが選択されたかの情報を2次電流指令信号IGAとして抽出する。

0081

本実施例の2次電流指令回路30は、例えば、図10に示すように、遅延回路63、64、D型フリップフロップ65、66、アナログ出力回路67等を含んで構成されている。
遅延回路63、64は並列に接続され、それぞれが点火信号IGtの入力を受ける。
遅延回路63は、点火信号IGtを0.5ms遅延させた信号E1を得る回路である。
遅延回路64は、点火信号IGtを1.5ms遅延させた信号E2を得る回路である。

0082

信号E1はD型フリップフロップ65のD端子に入る。
信号E2はD型フリップフロップ66のD端子に入る。
D型フリップフロップ65、66のCK端子(クロック)には、それぞれ、合成信号IGwaが入る。

0083

このため、合成信号IGwaがパターン1の場合には、0msのときの信号E1及び信号E2のレベルがD型フリップフロップ65、66のそれぞれのQ端子から出力される。
すなわち、D型フリップフロップ65のQ端子から出力される信号F1はローであり、D型フリップフロップ66のQ端子から出力される信号F2はローである。

0084

また、合成信号IGwaがパターン2の場合には、1msのときの信号E1及び信号E2のレベルがD型フリップフロップ65、66のそれぞれのQ端子から出力される。
すなわち、D型フリップフロップ65のQ端子から出力される信号F1はハイであり、D型フリップフロップ66のQ端子から出力される信号F2はローである。

0085

また、合成信号IGwaがパターン2の場合には、2msのときの信号E1及び信号E2のレベルがD型フリップフロップ65、66のそれぞれのQ端子から出力される。
すなわち、D型フリップフロップ65のQ端子から出力される信号F1はハイであり、D型フリップフロップ66のQ端子から出力される信号F2はハイである。

0086

アナログ出力回路67は、並列に接続された抵抗70〜72、および抵抗70、71にそれぞれ直列に接続されたスイッチング素子Tra、Trb等により構成されている。

0087

スイッチング素子Traは、D型フリップフロップ65からの信号F1がハイ出力であるときにONとなり、信号F1がロー出力である場合にはOFFとなる。
スイッチング素子Trbは、D型フリップフロップ66からの信号F2がハイ出力であるときにONとなり、信号F2がロー出力である場合にはOFFとなる。

0088

抵抗70〜72は、スイッチング素子Tra及びスイッチング素子TrbがともにOFFの場合に200mA、スイッチング素子TraのみONとなる場合に150mA、スイッチング素子Tra及びスイッチング素子TrbがともにONとなる場合に100mAがアナログ出力されるように、抵抗値が設定されている。
従って、3つの電流値から1つの電流値を選択しエネルギ投入回路11に出力するための指示信号である2次電流指令信号IGaは、信号F1〜F2として抽出され、実際の2次電流指令値は信号F1〜F2からアナログ出力回路67を介して出力される。

0089

なお、上記したD型フリップフロップ65、66を用いた回路構成は、合成信号IGwaから2次電流指令信号IGaを抽出する回路の一例であって、この回路構成に限られるものではない。

0090

〔実施例3の作用効果
実施例1、2では、ECU4と点火装置1との間の信号線として、1気筒当たり、点火信号IGtを送信するための信号線と、放電継続信号IGwを送信するための信号線と、2次電流指令信号IGaを送信するための信号線とが必要であった。
しかし、本実施例によれば、放電継続信号IGwと2次電流指令信号IGaとを1つの信号線で送信できる。つまり、ECU4と点火装置1との間の信号線を少なくすることができる。

0091

また、本実施例では、合成信号IGwaの立ち上がりタイミングPaと点火信号IGtの立ち上がりタイミングP1との時間差ΔQ3により、2次電流の指令値を指示する。つまり、磁気エネルギーを蓄えさせる期間の開始時期付近で2次電流指令値を指示している。これによれば、磁気エネルギーを蓄えさせる期間の開始時期付近は放電による点火ノイズの影響を受けないため、2次電流指令値を読み取りやすくなる。

0092

〔実施例4〕
図11図13を参照して実施例4を実施例3とは異なる点を中心に説明する。なお、実施例3において上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
本実施例では、合成信号送信部4bが、気筒毎の合成信号IGwaの全気筒分を多重化して点火装置1に送信する。

0093

本実施例のエンジンは4気筒エンジンである。ここで、第1気筒の信号については♯1、第2気筒の信号については♯2、第3気筒の信号については♯3、第4気筒の信号については♯4を付す。
ECU4は、気筒毎の合成信号IGwa♯1〜4を、全気筒分を多重化した多重化信号IGWcを点火装置1に送信する。

0094

すなわち、図13に示すように、多重化信号IGWcは、気筒別の合成信号IGwa♯1〜4のパルスを時分割で多重化し、1本の信号線で全気筒分のすなわち、点火信号IGt♯1〜4の出力順に合わせて、気筒別の合成信号IGwa♯1〜4に対応するパルスP♯1〜4を順次出力させる信号である。そして、この多重化信号IGWcを一本の信号線によって送信する。

0095

なお、点火信号送信部4aは、気筒毎に点火信号IGtを生成して、点火信号IGt#1〜4をそれぞれ別の信号線で点火装置1に送信する(図11参照)。

0096

多重化信号IGWcは点火装置1に設けられた多重信号処理部75によって処理され、気筒別の合成信号IGwa♯1〜4に分けられる。
多重信号処理部75は、各気筒の点火回路ユニットUに設けられていてもよいし、全気筒の点火回路ユニットUを含むコントローラ内において、各気筒の点火ユニット回路Uに対する共通回路として、その上流側に設けられているのでもよい。

0097

多重信号処理部75は、多重化信号IGWcからの気筒別の合成信号IGwa♯1〜4を抽出して、気筒別の合成信号IGwa♯1〜4を2次電流指令回路30およびIGw信号抽出回路60に送信する。

0098

多重化信号IGWcからの気筒別の合成信号IGwa♯1〜4の抽出方法の一例を合成信号IGwa♯1の抽出を例に簡単に説明する。
例えば、点火信号IGt#1の立ち上がりから所定時間ハイ出力するタイマパルスを生成し、このタイマパルスと多重化信号IGWcとの論理積で合成信号IGwa♯1に対応するパルスP♯1を抽出する。

0099

なお、2次電流指令回路30およびIGw信号抽出回路60での信号処理については、実施例3と同様である。

0100

〔実施例4の作用効果〕
実施例3では、合成信号IGwaを気筒毎にECU4内で生成して点火装置1に送信していたため、合成信号IGwaを送信するために気筒数と同じ数の信号線が必要であった。しかし、本実施例では、全気筒分を1つの信号線で送信できるため、ECU4と点火装置1との間の信号線を実施例3の場合よりもさらに少なくすることができる。

0101

なお、本実施例では、全気筒分の信号を多重化したが、少なくとも2気筒分以上の信号を多重化するものであればよい。なお、多重化する信号の組み合わせは、点火間隔が広く確保できる点火位相での組み合わせがよい(例えば第1気筒と第4気筒等)。

0102

〔変形例〕
上記の実施例では、ガソリンエンジンに本発明の点火装置1を用いる例を示したが、継続火花放電によって燃料(具体的には混合気)の着火性の向上を図ることができるため、エタノール燃料混合燃料を用いるエンジンに適用してもよい。また、粗悪燃料が用いられる可能性のあるエンジンに用いても継続火花放電により着火性の向上を図ることができる。

0103

上記の実施例では、希薄燃焼(リーンバーン)運転が可能なエンジンに本発明の点火装置1を用いる例を示したが、希薄燃焼とは異なる燃焼状態であっても継続火花放電によって着火性の向上を図ることができるため、希薄燃焼可能なエンジンへの適用に限定するものではなく、希薄燃焼を行わないエンジンに用いてもよい。

0104

上記の実施例では、燃焼室に直接燃料噴射する直噴式エンジンに本発明の点火装置1を用いる例を示したが、吸気バルブ吸気上流側吸気ポート内)に燃料を噴射するポート噴射式のエンジンに用いてもよい。

実施例

0105

上記の実施例では、混合気の旋回流(タンブル流やスワール流等)を気筒内にて積極的に生じさせるエンジンに本発明の点火装置1を用いる例を開示したが、旋回流コントロール手段(タンブル流コントロールバルブやスワール流コントロールバルブ等)を有しないエンジンに用いてもよい。

0106

1点火装置2点火プラグ3点火コイル4 ECU(制御装置) 5 1次コイル6 2次コイル 8主点火回路9エネルギー投入回路10フィードバック回路30 2次電流指令回路IGa 2次電流指令信号

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