図面 (/)

技術 非水電解液及びこれを用いたリチウムイオン二次電池

出願人 DIC株式会社
発明者 濱野弘行高野啓
出願日 2014年4月11日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2014-081860
公開日 2015年11月16日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-204152
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(その他の蓄電池)
主要キーワード 溶解混合液 PF5 特定位 PF3 挿入効率 無機塩化物塩 全質量基準 正極導電体
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月16日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

充放電を繰り返しても、電池容量の維持性能に優れる(充放電サイクルに優れる)リチウムイオン二次電池が得られる非水電解液を提供する。

解決手段

リチウムイオン二次電池の非水電解液は、非水溶媒と、電解質と下記一般式(1)で表されるリン酸エステル金属塩を含有する(式中Rfはパーフルオロアルキル基、Aは直接結合又はアルキレン基、Rは水素原子または炭素原子数1〜4アルキル基、Mは1価の金属である。)

概要

背景

近年の電気電子技術の発展によるIT技術の進歩により、移動体通信機器モバイルコンピュータが広く普及してきている。これら機器電源として、高エネルギー密度二次電池が必要とされ、特に、非水電解質を用いた二次電池であるリチウムイオン二次電池は、従来のニッケル水素電池よりも軽い上に、動作電圧が高く、なおかつエネルギー密度も高いことからこれらの機器の電源として採用され、上記機器の小型化、軽量化に大きく寄与してきた。

前記リチウムイオン二次電池は、リチウム吸蔵、放出可能な活物質主体として構成された正極と負極とがセパレータを介して配されている。 そして、正極、負極、セパレータは非水系の有機溶媒である非プロトン溶媒電解質を混合させた電解液含浸されている。そして、リチウムイオン二次電池としては、有機ポリマーを含有させ、ゲル状の構造体にした形態や、電池の特性を向上させるための化合物を添加する場合もある。

リチウムイオン二次電池は、上記の様に軽量、動作電圧が高い、エネルギー密度が高い等の優れた特性がある。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、充放電サイクルを繰り返すと電池容量が低下するといった問題がある。この問題は、充放電サイクルの経過により、電解液や電解質が電極表面で酸化または還元を受けて分解すること、電解液の電極活物質への浸透性の低下、リチウムイオン電極層への挿入効率の低下などが要因と考えられている。

充放電サイクルの経過に伴う電池の容量の低下を抑制する方法として、電解液に各種添加剤を加える方法が検討されている。添加剤は、電解液と共に主に最初の充放電時に分解され、電極表面上に固体電解質界面(SEI)と呼ばれる被膜を形成する。SEIは、充放電サイクルの最初のサイクルにおいて形成されるため、その後の充放電サイクルでは、電解液中の溶媒等の分解に電気が消費されることはなく、リチウムイオンはSEIを介して電極を行き来することができる。すなわち、SEIの形成は充放電サイクルを繰り返した場合のリチウムイオン二次電池の劣化を防ぎ、電池特性保存特性又は負荷特性等を向上させることに大きな役割を果たすと考えられている。

充放電サイクルの経過に伴う電池の容量の低下を抑制する電解液を得るための添加剤として、例えば、リン酸ジエチルリチウム等のリン酸エステル金属塩が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、近年の目覚ましい高機能化を考慮すると、従来の技術では、サイクル特性容量維持)については充分ではなく、さらにサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られる電解液が望まれている。

概要

充放電を繰り返しても、電池容量の維持性能に優れる(充放電サイクルに優れる)リチウムイオン二次電池が得られる非水電解液を提供する。リチウムイオン二次電池の非水電解液は、非水溶媒と、電解質と下記一般式(1)で表されるリン酸エステルの金属塩を含有する(式中Rfはパーフルオロアルキル基、Aは直接結合又はアルキレン基、Rは水素原子または炭素原子数1〜4アルキル基、Mは1価の金属である。)なし

目的

しかしながら、近年の目覚ましい高機能化を考慮すると、従来の技術では、サイクル特性(容量維持)については充分ではなく、さらにサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られる電解液が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

下記一般式(1)(式中Rfはフッ素原子直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは直接結合又はアルキレン基である。Rはそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。)で表されるリン酸エステルまたは下記一般式(2)(式中Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは直接結合又はアルキレン基である。Rはそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。Mは1価の金属である。)で表されるリン酸エステルの金属塩と、非水溶媒と、電解質とを含有することを特徴とする非水電解液

請求項2

前記Aが炭素原子数1〜3のアルキレン基である請求項1記載の非水電解液。

請求項3

前記一般式(1)で表されるリン酸エステル及び一般式(2)で表されるリン酸エステルの金属塩が、それぞれ下記一般式(1−1)及び一般式(2−1)(式中Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Rはそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。Mは1価の金属である。)で表されるものである請求項1記載の非水電解液。

請求項4

前記一般式(1)及び(2)中のRfが、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が3〜6のパーフルオロアルキル基である請求項1〜3のいずれか1項記載の非水電解液。

請求項5

前記一般式(2)及び一般式(2−1)で表されるリン酸エステルの金属塩中のMが、リチウムナトリウムカリウムルビジウムからなる群から選ばれる1種以上のものである請求項1〜3のいずれか1項記載の非水電解液。

請求項6

前記Mがリチウムである請求項1〜5のいずれか1項記載の非水電解液。

請求項7

前記非水溶媒が非プロトン性溶媒である請求項1〜6のいずれか1項記載の非水電解液。

請求項8

前記非プロトン性溶媒がカーボネート系溶媒である請求項7記載の非水電解液。

請求項9

前記電解質がリチウム塩を含有するものである請求項1〜8のいずれか1項記載の非水電解液。

請求項10

前記リチウム塩が、LiAlCl4、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiAsF6およびLiSbF6からなる群から選ばれる1種以上のものである請求項9記載の非水電解液。

請求項11

請求項1〜10のいずれか1項記載の非水電解液、正極および負極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池

技術分野

0001

本発明は、二次電池であるリチウムイオン二次電池に好適に用いることができる非水電解液に関する。具体的には、充放電を繰り返しても、電池容量の維持性能に優れる(充放電サイクルに優れる)リチウムイオン二次電池が得られる非水電解液に関する

背景技術

0002

近年の電気電子技術の発展によるIT技術の進歩により、移動体通信機器モバイルコンピュータが広く普及してきている。これら機器電源として、高エネルギー密度の二次電池が必要とされ、特に、非水電解質を用いた二次電池であるリチウムイオン二次電池は、従来のニッケル水素電池よりも軽い上に、動作電圧が高く、なおかつエネルギー密度も高いことからこれらの機器の電源として採用され、上記機器の小型化、軽量化に大きく寄与してきた。

0003

前記リチウムイオン二次電池は、リチウム吸蔵、放出可能な活物質主体として構成された正極と負極とがセパレータを介して配されている。 そして、正極、負極、セパレータは非水系の有機溶媒である非プロトン溶媒電解質を混合させた電解液含浸されている。そして、リチウムイオン二次電池としては、有機ポリマーを含有させ、ゲル状の構造体にした形態や、電池の特性を向上させるための化合物を添加する場合もある。

0004

リチウムイオン二次電池は、上記の様に軽量、動作電圧が高い、エネルギー密度が高い等の優れた特性がある。しかしながら、リチウムイオン二次電池は、充放電サイクルを繰り返すと電池容量が低下するといった問題がある。この問題は、充放電サイクルの経過により、電解液や電解質が電極表面で酸化または還元を受けて分解すること、電解液の電極活物質への浸透性の低下、リチウムイオン電極層への挿入効率の低下などが要因と考えられている。

0005

充放電サイクルの経過に伴う電池の容量の低下を抑制する方法として、電解液に各種添加剤を加える方法が検討されている。添加剤は、電解液と共に主に最初の充放電時に分解され、電極表面上に固体電解質界面(SEI)と呼ばれる被膜を形成する。SEIは、充放電サイクルの最初のサイクルにおいて形成されるため、その後の充放電サイクルでは、電解液中の溶媒等の分解に電気が消費されることはなく、リチウムイオンはSEIを介して電極を行き来することができる。すなわち、SEIの形成は充放電サイクルを繰り返した場合のリチウムイオン二次電池の劣化を防ぎ、電池特性保存特性又は負荷特性等を向上させることに大きな役割を果たすと考えられている。

0006

充放電サイクルの経過に伴う電池の容量の低下を抑制する電解液を得るための添加剤として、例えば、リン酸ジエチルリチウム等のリン酸エステル金属塩が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、近年の目覚ましい高機能化を考慮すると、従来の技術では、サイクル特性容量維持)については充分ではなく、さらにサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られる電解液が望まれている。

先行技術

0007

特開平8−138733号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の課題は、充放電を繰り返しても、電池容量の維持性能に優れる(充放電サイクルに優れる)リチウムイオン二次電池が得られる非水電解液及び、この非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池を提供する事にある。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、鋭意検討した結果、フッ素原子直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基を有するリン酸エステル(リン酸ジエステル)やその金属塩であり、しかも、該リン酸エステル(リン酸ジエステル)やその金属塩の構造中の特定位置に水酸基を有するものを添加剤として用いる事により、充放電サイクルに優れるリチウムイオン二次電池が得られる非水電解液となること等を見出し、本発明を解決するに至った。

0010

即ち、本発明は、下記一般式(1)

0011

(式中Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは直接結合又はアルキレン基である。Rはそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。)
で表されるリン酸エステルまたは下記一般式(2)

0012

(式中Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは直接結合又はアルキレン基である。Rはそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。Mは1価の金属である。)
で表されるリン酸エステルの金属塩と、非水溶媒と、電解質とを含有することを特徴とする非水電解液を提供するものである。

0013

また、本発明は、前記非水電解液、正極および負極を備えることを特徴とするリチウムイオン二次電池を提供するものである。

発明の効果

0014

本発明の非水電解液は、充放電を繰り返しても、電池容量の維持性能に優れる(充放電サイクルに優れる)リチウムイオン二次電池が得られる。

0015

本発明の非水電解液は、前記一般式(1)で表されるリン酸エステルまたは前記一般式(2)リン酸エステルの金属塩と、非水溶媒と、電解質とを含有することを特徴とする。前記一般式(1)で表されるリン酸エステルや前記一般式(2)リン酸エステルの金属塩はフッ素化アルキル基が結合している線状構造(Rf−A−0−CH2CH2CH2−O−。ここで、Aは直接結合又はアルキレン基である)を有し、この構造上に更に水酸基を有する。この水酸基が存在する事により、充放電サイクルを繰り返した場合にリチウムイオン二次電池の劣化を防ぐと言われているSEI(固体電解質界面)が効率良く、しかも、良好な状態で電極表面上に形成され、その結果、充放電サイクルに優れるリチウムイオン二次電池が得られるという優れた効果を奏すると本発明の発明者らは考えている。また、前記水酸基があることにより、本発明の非水電解液は電極への浸透性が向上し、より効率良く、迅速にSEIを形成することが出来ると発明者らは考えている。更に、前記フッ素化アルキル基は、SEIの形成時にSEIの表面の被膜に取り込まれ、これにより、リチウムイオンの拡散が容易となる。その為、電極への負荷が軽減し、その結果、電池容量の維持率が向上すると発明者らは考えている。

0016

前記Aは直接結合又はアルキレン基である。アルキレン基の中でも、炭素原子数1〜3のアルキレン基が好ましく、原料入手が容易なことからエチレン基がより好ましい。即ち、下記一般式(1−1)及び一般式(2−1)で表されるものがより好ましい。

0017

(式中Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Rはそれぞれ水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。Mは1価の金属である。)

0018

前記Rは、中でも水素原子またはメチル基が、より簡便に本発明で用いるリン酸エステルやリン酸エステルの金属塩が得られることから好ましい。

0019

本発明で用いる前記一般式(1)で表されるリン酸エステルや前記一般式(2)で表されるリン酸エステルの金属塩が有するパーフルオロアルキル基としては、例えば、下記に示すアルキル基を例示できる。

0020

(式中nは1〜6である。)

0021

前記一般式(Rf−1)で表されるパーフルオロアルキル基としては、例えば、下記に示されるパーフルオロアルキル基等が挙げられる。

0022

0023

Rfの中でも、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が3〜6のパーフルオロアルキル基がリチウムイオンの拡散性に優れることから好ましく、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が4のパーフルオロアルキル基及びフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が6のパーフルオロアルキル基がより好ましい。

0024

本発明で用いる一般式(2)や一般式(2−1)で表されるリン酸エステルの金属塩が有するM(金属種)としては、例えば、リチウム、ナトリウムカリウムルビジウム等を好ましく例示できる。中でも、電解質と同じイオン種であることからリチウムが好ましい。即ち、一般式(2)や一般式(2−1)で表されるリン酸エステルの金属塩の中でも、一般式(2)や一般式(2−1)で表されるリン酸エステルのリチウム塩が好ましい。

0025

本発明で用いる一般式(1)で表されるリン酸エステルは、例えば、下記の工程を含む方法により得ることができる。

0026

工程1:フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物と、エピクロルヒドリン又はβ−メチルエピクロルヒドリンとを反応させ、エポキシ基を有する化合物を得る工程。

0027

工程2:工程1で得られたエポキシ基を有する化合物と、リン酸とを反応させる工程。

0028

本発明で用いる一般式(2)で表されるリン酸エステルの金属塩は、例えば、前記工程1及び工程2を含む工程で得られる一般式(1)で表されるリン酸エステルと金属の水酸化物又は金属の炭酸塩とを反応させることにより得ることができる。

0029

前記工程1は、例えば、フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物と、エピクロルヒドリン又はβ−メチルエピクロルヒドリン、β−エチルエピクロルヒドリン、β−プロピルエピクロルヒドリン等のβ−アルキルエピクロルヒドリンとを溶媒の存在下、又は無溶媒で溶液とし、必要に応じて触媒を添加し、塩基滴下してエポキシ化反応させることによって、エポキシ基を有する化合物を得る方法が挙げられる。このエポキシ化反応を行う際の反応温度としては、0〜80℃の範囲が好ましい。また、反応時間は通常1〜10時間である。

0030

前記フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物等が挙げられる。

0031

(式中Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基であり、Aは直接結合又はアルキレン基である。)

0032

前記一般式(3)で表される化合物の具体例としては、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。

0033

0034

0035

0036

ここで、前記フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物と、前記エピクロルヒドリン又はβ−メチルエピクロルヒドリンとの仕込み比率(フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物/エピクロルヒドリン又はβ−メチルエピクロルヒドリン)は、副生物の生成を抑制しやすいことからモル比で1/1〜1/15の範囲が好ましく、1/1.05〜1/10の範囲がより好ましい。

0037

前記工程1において使用できる溶媒は、例えば、極性溶媒有機相水相2相系の溶媒等が挙げられる。前記極性溶媒としては、例えば、ベンゼントルエンジエチルエーテルテトラヒドロフランイソプロピルエーテルジメチルスルホキシド、1,4−ビストリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。前記2相系の溶媒において有機相に使用する溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、シクロヘキサン、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。

0038

上記の工程1の製造において使用する塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物水素化ナトリウム水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属トリエチルアミン等のアミン等が挙げられる。これら塩基は水溶液として用いることもできる。また、塩基の使用量は、前記フッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物と、エピクロルヒドリン又はβ−メチルエピクロルヒドリンとの合計量に対して、1.05〜20モル%の範囲で用いることが好ましく、1.1〜10モル%の範囲で用いることがより好ましい。

0039

また、上記の工程1の製造において必要に応じて使用する触媒としては、4級アンモニウム塩が好ましい。4級アンモニウム塩としては、例えば、4級アンモニウムクロライド、4級アンモニウムブロマイド等の相間移動触媒を好ましく例示できる。この相間移動触媒の具体例としては、例えば、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロライド硫酸水素テトラn−ブチルアンモニウムテトラメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。触媒の使用量は、前記炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物と、エピクロルヒドリン又はβ−メチルエピクロルヒドリンとの合計量に対して、1〜200質量%の範囲が好ましく、3〜100質量%の範囲がより好ましい。

0040

前記工程1の反応により下記一般式(4)で表されるエポキシ基を有する化合物が得られる。

0041

(式中Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは直接結合又はアルキレン基である。Rは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。)

0042

上記の工程1の反応後、反応系内には、上記一般式(4)で表されるエポキシ基を有する化合物と共に、他の化合物も混在している。混在している他の化合物としては、例えば、原料であるフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基及び水酸基を有する化合物、過剰のエピクロルヒドリン又はβ-アルキルエピクロルヒドリン及びこれらの未閉環物、その他の副生成物等が挙げられる。これらの混在している他の化合物は、例えば、減圧蒸留等の単離操作を行うことによって上記一般式(4)で表されるエポキシ基を有する化合物から除去することが好ましい。

0043

次に、上記の工程2において、工程1で得られたエポキシ基を有する化合物とリン酸とを反応させる。具体的には、例えば、リン酸溶液にエポキシ基を有する化合物を滴下して開環付加反応させる。この開環付加反応を行う際の反応温度としては、0〜100℃の範囲が好ましい。また、反応時間は通常2〜10時間である。尚、この工程で用いる前記リン酸溶液には、必要に応じて溶媒を加えても良い。

0044

エポキシ基を有する化合物とリン酸の仕込み比率は、副生物の生成を抑制しやすいことから、モル比で1.5/1〜2.8/1が好ましく、1.8/1〜2.5/1がより好ましい。

0045

前記工程2において使用できる溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジメチルスルホキシド、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。

0046

本発明で用いる一般式(2)で表されるリン酸エステルの金属塩は、例えば、前記製造方法で得られるリン酸エステルと金属の水酸化物または金属の炭酸塩とを反応する方法等により得ることができる。具体的には、例えば、リン酸エステルを水と水溶性溶媒の存在下、金属の水酸化物もしくは、金属の炭酸塩を反応させる。この反応を行う際の反応温度としては、0〜100℃の範囲が好ましい。また、反応時間は通常2〜10時間である。

0047

前記金属の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム等が挙げられる。また、金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸ルビジウム等が挙げられる。中でも電解質と同じイオン種となることから水酸化リチウム、炭酸リチウムが好ましい。

0048

前記リン酸エステルと金属の水酸化物又は金属の炭酸塩との仕込み比率は、不純物の生成を抑制し、収率良く一般式(2)で表されるリン酸エステルの金属塩が得られることからから、モル比で(リン酸エステル/金属の水酸化物又は金属の炭酸塩)=1/1〜1/1.8が好ましく、1/1.1〜1/1.5がより好ましい。

0049

前記水溶性溶媒は、例えば、アセトンメタノールエタノールイソプロパノール、テトラヒドフランアセトニトリルなどがあげられる。

0050

本発明で用いるリン酸エステルやリン酸エステルの金属塩としては、例えば、下記に示すもの等を好ましい化合物として例示することができる。

0051

0052

0053

0054

0055

本発明の非水電解液中の前記リン酸エステル又はリン酸エステルの含有量は、電解液への溶解性の理由から、後述する非水溶媒100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜2質量部がより好ましい。

0056

本発明で用いるリン酸エステルやリン酸エステルの金属塩を前記の製造方法で製造する場合、温度や原料の仕込み比率等の条件により、例えば、下記のような副産物が、得られるリン酸エステルやリン酸エステルの金属塩の全質量基準として1〜20質量%程度生成することがある。このような副産物が含まれるリン酸エステルやリン酸エステルの金属塩を使用しても、本発明の効果を奏する非水電解液を提供する事ができる。

0057

0058

0059

0060

0061

0062

0063

前記(1´−1)〜(1´−16)及び(2´−1)〜(2´−1)で表される化合物において、Rfはフッ素原子が直接結合した炭素原子の数が1〜6のパーフルオロアルキル基である。Aは直接結合又はアルキレン基である。Mは1価の金属である。

0064

本発明で用いる非水溶媒としては、例えば、非プロトン性溶媒を好ましく例示できる。非プロトン性溶媒としては、例えば、環状の非プロトン性溶媒や鎖状の非プロトン性溶媒等が挙げられる。環状の非プロトン性溶媒としては、例えば、エチレンカーボネートプロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネートなどの環状カーボネートや、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル等が挙げられる。

0065

鎖状の非プロトン性溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネートメチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートメチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネート、エチルブチルカーボネートなどの鎖状カーボネートや、酢酸メチル酢酸エチルプロピオン酸メチルプロピオン酸エチル等が挙げられる。

0066

非水溶媒としては、カーボネート系溶媒電気化学的な安定性に優れる非水電解液となることから好ましい。更に、環状カーボネートと鎖状カーボネートを混合した溶媒が、粘度と電気伝導度バランスに優れる非水電解液となることから好ましい。

0067

前記環状カーボネートの中でも、誘電率の高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適である。負極活物質黒鉛を使用する場合には、特にエチレンカーボネートが好ましい。これら環状カーボネートは、2種以上を混合使用してもよい。

0068

前記鎖状カーボネートの中でも粘度の低いジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好適である。これら鎖状カーボネートは、2種以上を混合使用してもよい。

0069

前記環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合割合(環状カーボネート:鎖状カーボネート)は重量比で表して1:99〜99:1が好ましい。このような混合割合の範囲内にあることで、電解液の粘度が低く抑えられ、且つ、電解質の解離度を高めることができるので電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を増加させることができる。この結果、常温から低温の範囲で良好な電気伝導性を示す電解液になることから、常温から低温における電池の負荷特性を良好にすることができる。混合割合は5:95〜70:30であることがより好ましく、10:90〜60:40であることが更に好ましい。

0070

本発明で用いる電解質としては、例えば、金属イオンもしくはその塩等が挙げられ、周期律表第一族又は第二族に属する金属イオンもしくはその塩が好ましい。電解質は電解液の使用目的により適宜選択される。電解質としては、例えば、リチウム塩、カリウム塩ナトリウム塩カルシウム塩マグネシウム塩などが挙げられ、出力が大きいリチウムイオン二次電池が得られることからリチウム塩が好ましい。本発明の非水電解液をリチウム二次電池用非水系電解液の電解質として用いる場合には、金属イオンの塩としてリチウム塩を選択すればよい。リチウム塩としては、リチウム二次電池用非水系電解液の電解質に通常用いられるリチウム塩であれば特に制限はないが、例えば、以下に述べるものが好ましい。

0071

(L−1)無機リチウム塩:LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6等の無機フッ化物塩;LiClO4、LiBrO4、LiIO4等の過ハロゲン酸塩;LiAlCl4等の無機塩化物塩等。

0072

(L−2)含フッ素有機リチウム塩:LiCF3SO3等のパーフルオロアルカンスルホン酸塩;LiN(CF3SO2)2、LiN(CF3CF2SO2)2、LiN(FSO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)等のパーフルオロアルカンスルホニルイミド塩;LiC(CF3SO2)3等のパーフルオロアルカンスルホニルメチド塩;Li[PF5(CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF3)2]、Li[PF3(CF2CF2CF3)3]、Li[PF5(CF2CF2CF2CF3)]、Li[PF4(CF2CF2CF2CF3)2]、Li[PF3(CF2CF2CF2CF3)3]等のフルオロアルキルフッ化リン酸塩等。

0073

(L−3)オキサラトボレート塩リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート等。

0074

これらのなかで、LiAlCl4、LiBF4、LiPF6、LiClO4、LiAsF6およびLiSbF6からなる群から選ばれる1種以上のものが電気伝導率に優れることから好ましい。電解質は1種を単独で使用しても、2種以上を任意に組み合わせてもよい。

0075

本発明の非水電解液における前記電解質の濃度は特に限定されないが、好ましい下限は0.1mol/L、好ましい上限は2.0mol/Lである。前記電解質の濃度が0.1mol/L未満であると、非水電解液の導電性等を充分に確保することができず、リチウムイオン二次電池に用いた場合に充放電特性等に支障をきたすおそれがある。前記電解質の濃度が2.0mol/Lを超えると、粘度が上昇し、イオン移動度を充分に確保できなくなるため、非水電解液の導電性等を充分に確保することができず、リチウムイオン二次電池に用いた場合に放電特性及び充電特性等に支障をきたすおそれがある。前記電解質の濃度のより好ましい下限は0.5mol/L、より好ましい上限は1.5mol/Lである。

0076

本発明のリチウムイオン二次電池は、本発明の非水電解液、正極および負極を備えることを特徴とする。具体的には、本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、正極集電体の一方面側正極活物質層が設けられてなる正極板、及び、負極集電体の一方面側に負極活物質層が設けられてなる負極板を有するものを例示できる。正極板と負極板とは、本発明の非水電解液と非水電解液中に設けたセパレータを介して対向配置されている。

0077

前記正極集電体及び負極集電体としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルステンレス等の金属からなる金属箔を用いることができる。

0078

前記正極活物質層に用いる正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物が好ましく用いられ、例えば、LiMnO2、LiFeO2、LiCoO2、LiMn2O4、Li2FeSiO4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2、LiFePO4等のリチウム含有複合酸化物等が挙げられる。

0079

前記負極活物質層に用いる負極活物質としては、例えば、リチウムを吸蔵、放出することができる材料が挙げられる。このような材料としては、黒鉛、非晶質炭素等の炭素材料や、酸化インジウム酸化シリコン酸化スズ酸化亜鉛、及び酸化リチウム等の酸化物材料等が挙げられる。

0080

また、負極活物質として、リチウム金属、及び、リチウムと合金を形成することができる金属材料を用いることもできる。前記リチウムと合金を形成することができる金属としては、例えば、Cu、Sn、Si、Co、Mn、Fe、Sb、Ag等が挙げられ、これらの金属とリチウムを含む2元又は3元からなる合金を用いることもできる。これらの負極活物質は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

0081

本発明にかかる非水電解液二次電池において、セパレータとしては、例えば、ポリエチレンポリプロピレンフッ素樹脂等からなる多孔質フィルムを用いることができる。

0082

以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。例中、断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。

0083

合成例1〔前記一般式(1)で表されるリン酸エステルの合成〕
撹拌装置温度計冷却管滴下装置を備えたガラスフラスコ内に2−(パーフルオロヘキシル)エタノール350g、エピクロルヒドリン534g及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライドの50%水溶液176gを仕込み攪拌した。次いで、空気気流下にて攪拌を開始し、フラスコ内温度を40℃に昇温させ、水酸化ナトリウムの49%水溶液23.6gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、1時間攪拌させた。その後、水酸化ナトリウムの49%水溶液94gを4時間かけて滴下し、滴下後5時間反応させた。反応終了後、生成した塩をろ別してろ液静置させ、上層に分離した水層を除去した。残った反応溶液に500gの水を加えて水洗を行った。この水洗を合計3回行った。水洗後、120℃にセットしたオイルバスロータリーエバポレーターを用いてアスピレーター濃縮しながらエピクロルヒドリンを留去した。次いで、温度120〜130℃、圧力1.3kPaの条件下で留出する成分を取り出すことにより、パーフルオロヘキシル基とエポキシ基とを有する化合物を得た。

0084

撹拌装置、温度計、冷却管、滴下装置を備えたガラスフラスコ内に89%リン酸15gを入れ、攪拌しながら、フラスコ内温度85℃まで昇温した。次いで、前記パーフルオロヘキシル基とエポキシ基とを有する化合物114gを3時間かけて滴下した。さらに2時間攪拌した後、フラスコ内温度30℃まで冷却し、取り出して、本発明で用いるリン酸エステル(1−1−1)を得た。

0085

合成例2〔前記一般式(2)で表されるリン酸エステルの金属塩の合成〕
撹拌装置、温度計、冷却管を備えたガラスフラスコ内に、リン酸エステル(1−1−1)100g、水酸化リチウム1水和物4.6g、メタノール400g及び水200gを仕込み、攪拌した。次いで、フラスコ内温度を70℃に昇温し、5時間攪拌した。その後、不溶物をろ過し、得られたろ液(反応溶液)に対して107℃にて3時間の送風乾燥を実施し、本発明で用いるリン酸エステルのリチウム塩(2−1−1)を得た

0086

合成例3(比較対照リン酸化合物の金属塩の合成)
撹拌装置、温度計、冷却管を備えたガラスフラスコ内に2−(パーフルオロヘキシル)エチルホスホン酸100g、水酸化リチウム1水和物19.7g、エタノール600g及び水370gを仕込み、攪拌した。次いで、フラスコ内温度を70℃に昇温し、5時間攪拌した。その後、不溶物をろ過し、得られたろ液(反応溶液)に対して107℃にて3時間の送風乾燥を実施し、比較対照用ホスホン酸系添加剤(2´)を得た。

0087

実施例1(本発明の非水電解液及びリチウムイオン二次電池の調製)
プロピレンカーボネート(以下、PCと略記する。)とエチレンカーボネート(以下、ECと略記する。)とジエチルカーボネート(以下、DECと略記する)を体積比で1:2:2となるように混合して混合液を得た。この混合液に電解質としてLiPF6を濃度が0.8モル/リットルとなるように溶解させ溶解混合液を得た。更に、リン酸エステル(1−1−1)を、溶解混合液の質量基準で0.25%となるように添加し混合して、本発明の非水電解液(1)を作成した。

0088

得られた非水電解液(1)を用いてリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)を製造した。製造に必要な負極、正極、リチウムイオン電池の調製方法は下記のとおりである。

0089

<負極の調製方法>
活物質である天然球黒鉛91部と導電剤としてアセチレンブラック6.5部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩1部及びバインダとしてのスチレンブタジエンゴムSBR)1.5部を水に分散させて負極スラリーを作成した。負極スラリーを電極重量が、5.5mg/cm2となるように厚さ10μmの銅箔集電体)に片面に均一塗布した。その後、電極密度が1.1〜1.2g/cm3となるようにプレスして電極シートを作成した。この電極シートを直径14mmの円盤状に打ち抜いて負極とした。

0090

<正極の調製方法>
金属リチウムを直径15mmの円盤状に打ち抜いて、正極とした。

0091

<セパレータの調製方法>
多孔ポリエチレン製膜(厚さ:16−25μm、空隙率:36−44%)を直径16mmの円盤状に打ち抜いてセパレータとした。

0092

<リチウムイオン電池(コインセルハーフセル)の作成方法
正極導電体を兼ねるステンレス製缶体の上に正極、電解液に浸したセパレータ、負極の順に重ねてポリフェニレンスルフィド製のガスケットを介して負極導電体を兼ねる封口板をかしめて密封し、本発明のリチウムイオン電池(1)を作成した。得られたリチウムイオン電池(1)に対して充電放電を行うサイクル試験を行い、電池容量の維持性能を評価した。評価方法を下記に示す。

0093

<電池容量の維持性能を評価方法(1)>
25℃において、定電流時の電流1.2mA、放電終了時の電流20μAの0.5定電流放電と、定電流時の電流1.2mA、充電終了時の電圧1.2Vの0.5C定電流充電を1サイクルとして、100サイクルの充放電を実施した。

0094

サイクル目の放電容量(mAh)と100サイクル目の放電容量(mAh)から、次式により放電容量維持率を測定した。数値が大きいほど、繰り返し充放電を行っても初期の容量を維持しており、電池の劣化が小さく良好なことを示す。
放電容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/5サイクル目の放電容量)X 100

0095

上記評価方法によると、本発明のリチウムイオン電池(1)の放電容量維持率は(145.3/303.5)×100=48%であった。

0096

比較例1(比較対照用非水電解液及びリチウムイオン二次電池の調製)
実施例1において、リン酸エステル(1−1−1)を用いない以外は実施例1と同様にして比較対照用リチウムイオン電池(1´)を作成した。実施例1と同様の評価を行った処、放電容量維持率は(72.3/315.9)×100=23%であった。

0097

比較例2(同上)
リン酸エステル(1−1−1)の代わりに、「CHEMINOX FHP−2−OH」〔ユニマテック株式会社製のホスホン酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル。以下、比較対照用リン酸系添加剤(1´)と略記する。〕を用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用リチウムイオン電池(2´)を作成した。実施例1と同様の評価を行った処、放電容量維持率は(70.6/320.9)×100=22%であった。

0098

実施例2(同上)
ECとDECを体積比で2:3となるように混合して混合液を得た。この混合液に電解質としてLiPF6を濃度が0.8モル/リットルとなるように溶解させ溶解混合液を得た。更に、リン酸エステルのリチウム塩(2−1−1)を、溶解混合液の質量基準で0.25%となるように添加し混合して、本発明の非水電解液(2)を作成した。

0099

得られた非水電解液(2)を用いてリチウムイオン電池(リチウムイオン二次電池)を製造した。製造に必要な負極、正極、リチウムイオン電池の調製方法は下記のとおりである。

0100

<負極の調製方法>
活物質である天然球黒鉛91部と導電剤としてアセチレンブラック6.5部、分散剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩1部及びバインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)1.5部を水に分散させて負極スラリーを作成した。負極スラリーを電極重量が、10.6mg/cm2となるように厚さ10μmの銅箔(集電体)に片面に均一塗布した。その後、電極密度が1.1〜1.2g/cm3となるようにプレスして電極シートを作成した。この電極シートを直径14mmの円盤状に打ち抜いて負極とした。

0101

<正極の調製方法>
実施例1と同様の方法で作成した。

0102

<セパレータの調製方法>
実施例1と同様の方法で作成した。

0103

<リチウムイオン電池(コインセル:ハーフセル)の作成方法>
上記の負極を用いた以外は実施例1と同様の方法で本発明のリチウムイオン電池(2)を作成した。得られたリチウムイオン電池(2)に対して充電−放電を行うサイクル試験を行い、電池容量の維持性能を評価した。評価方法を下記に示す。

0104

<電池容量の維持性能を評価方法(2)>
25℃において、定電流時の電流1.2mA、放電終了時の電流80μAの0.2定電流放電と、定電流時の電流1.2mA、充電終了時の電圧1.2Vの0.2C定電流充電を1サイクルとして、100サイクルの充放電を実施した。

0105

5サイクル目の放電容量(mAh)と100サイクル目の放電容量(mAh)から、次式により放電容量維持率を測定した。数値が大きいほど、繰り返し充放電を行っても初期の容量を維持しており、電池の劣化が小さく良好なことを示す。
放電容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/5サイクル目の放電容量)X 100

0106

上記評価方法によると、本発明のリチウムイオン電池(1)の放電容量維持率は(38.5/341.4)×100=11%であった。

0107

比較例3(比較対照用非水電解液及びリチウムイオン二次電池の調製)
実施例2において、リン酸エステルのリチウム塩(2−1−1)を用いない以外は実施例2と同様にして比較対照用リチウムイオン電池(3´)を作成した。実施例1と同様の評価を行った処、放電容量維持率は(26.9/335.9)×100=8%であった。

実施例

0108

比較例2(同上)
リン酸エステルのリチウム塩(2−1−1)の代わりに、比較対照用リン酸系添加剤(2´)を用いた以外は実施例2と同様にして比較対照用リチウムイオン電池(4´)を作成した。実施例2と同様の評価を行ったが、50サイクルの時点で電極の劣化が激しくて以後のサイクル試験を続けることが出来なかった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ