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技術 木造建築物の耐震補強装置

出願人 岡部株式会社大橋好光
発明者 田口朝康高橋義孝大橋好光
出願日 2014年4月10日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-080913
公開日 2015年11月12日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-200155
状態 特許登録済
技術分野 建築構造一般 既存建築物への作業
主要キーワード 取付用ネジ孔 組立面 雌ネジ軸 管状材 補強用プレート 上下方向両側 連結接合 相殺作用
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月12日)のものです。
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図面 (19)

課題

木造建築物変形性能を活かすように、優れた変形性能を発揮しかつ剛性を向上することが可能であると共に、小断面等の木製構造材に過大な力が伝達されることを抑制することが可能であり、さらに、取り付けられた意匠材脱落しないように適切に保持することが可能で美麗な外観を得ることができる木造建築物の耐震補強装置を提供する。

解決手段

互いに左右方向に間隔を隔てて配設される二つ以上の鋼製縦部材2と、鋼製縦部材を木造建築物5の縦面から隙間を空けて取付固定する取付部材6と、鋼製縦部材間に互いに上下方向に間隔を隔てて配設され、鋼製縦部材と同一の平面内に組み付けられる複数の鋼製横部材3と、鋼製横部材を鋼製縦部材に接続する平板接続部材4とを備え、平板状接続部材には、エネルギ吸収部10が形成されると共に、鋼製横部材から上下方向にオフセットされた位置で鋼製縦部材に接合される接続面部4aが形成される。

概要

背景

近年、既存の木造建築物耐震補強する際、外壁等の縦面をそのまま残した状態で、木造建築物の外側からの作業のみで施工可能な技術が増えてきている。耐震補強が必要となる古い木造建築物は、一般に剛性が低いものの、変形性能に優れているという特長がある。このため、木造建築物の耐震補強では、建築物自体が備えている性能とのバランス、すなわち、建築物の変形性能を活かせるものが好ましい。

この種の耐震補強技術として、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「木造家屋耐震補強構造および木造家屋の耐震補強工法ならびに耐震補強金具」は、木造家屋の耐震補強において、筋交い等の補強部材補強効果の低下を抑えることにより従来よりも補強効果を向上させることが可能な耐震補強金具を用いた耐震補強構造及び耐震補強工法を提供するもので、取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、雌ネジ軸の基端に形成され雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いる。木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部に、耐震補強金具の鍔部に形成された固定用孔を介して固定用アンカーにより耐震補強金具を複数固定し、複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に補強用プレート締結するとともに、そのうちの1つの耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に筋交いを締結するようにしている。

耐震補強要素は壁の角部に端部が固定される筋交いであって、この筋交いは、耐震補強金具により、木造家屋の外側に、当該木造家屋から離して設けられている。地震力が作用すると、筋交いに引張力圧縮力が発生し、筋交いが面外変形するようになっている。

特許文献2の「木造構造物の補強部材、およびこれを用いた補強工法」は、例えば既設新築の木造家屋あるいは木造の社等の柱と柱をつないで耐震性能を向上させる補強部材を提供するもので、円柱と円柱の間をつないで木造構造物の耐震性能を向上させるラダーフレームであって、上下に配設し、前記円柱と円柱の面内方向に長い2以上の弦部材と、前記弦部材の左右を、前記円柱に各々連結する円柱用連結金物と、該弦部材の間に配し、弦部材同士を接続する束部材とを備え、前記弦部材および前記束部材のうちいずれか一方に接続用ほぞ孔を備え、他方に該ほぞ孔に挿入するほぞ部分を設けるとともに、前記ほぞ孔およびほぞ部分のうち、少なくとも一方を木製としている。

ラダーフレームは、柱間の面内に設けられている。連結金物は、ラダーフレームの弦部材を柱に固定するために、当該柱に直接、複数のボルト取付固定されている。地震力が作用すると、柱間の面内において、弦部材と束部材の接続部で変形が生じ、ラダーフレームが柱間の面内で歪むようになっている。

概要

木造建築物の変形性能を活かすように、優れた変形性能を発揮しかつ剛性を向上することが可能であると共に、小断面等の木製構造材に過大な力が伝達されることを抑制することが可能であり、さらに、取り付けられた意匠材脱落しないように適切に保持することが可能で美麗な外観を得ることができる木造建築物の耐震補強装置を提供する。互いに左右方向に間隔を隔てて配設される二つ以上の鋼製縦部材2と、鋼製縦部材を木造建築物5の縦面から隙間を空けて取付固定する取付部材6と、鋼製縦部材間に互いに上下方向に間隔を隔てて配設され、鋼製縦部材と同一の平面内に組み付けられる複数の鋼製横部材3と、鋼製横部材を鋼製縦部材に接続する平板接続部材4とを備え、平板状接続部材には、エネルギ吸収部10が形成されると共に、鋼製横部材から上下方向にオフセットされた位置で鋼製縦部材に接合される接続面部4aが形成される。

目的

特許文献1の「木造家屋の耐震補強構造および木造家屋の耐震補強工法ならびに耐震補強金具」は、木造家屋の耐震補強において、筋交い等の補強部材の補強効果の低下を抑えることにより従来よりも補強効果を向上させることが可能な耐震補強金具を用いた耐震補強構造及び耐震補強工法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

木造建築物の高さ方向に沿って、かつ互いに左右方向に間隔を隔てて配設される二つ以上の鋼製縦部材と、該鋼製縦部材の上下両端部に設けられ、該鋼製縦部材を上記木造建築物の構造材に、当該木造建築物の縦面から隙間を空けて取付固定する取付部材と、隣り合う上記鋼製縦部材間に左右方向に沿って、かつ互いに上下方向に間隔を隔てて配設され、該鋼製縦部材と同一の平面内に組み付けられる複数の鋼製横部材と、該鋼製横部材の左右両端部に設けられ、該鋼製横部材を上記鋼製縦部材に接続する平板接続部材とを備え、該平板状接続部材には、上記鋼製横部材と上記鋼製縦部材との間に位置させて、これら鋼製横部材及び鋼製縦部材の断面寸法よりも断面寸法が小さく、かつこれら鋼製横部材と鋼製縦部材との間に伝達される力で変形されてエネルギ吸収するエネルギ吸収部が形成されると共に、上記木造建築物に対する該鋼製縦部材の取付面に沿う接合面に重ね合わされ、該鋼製横部材から上下方向にオフセットされた位置で該鋼製縦部材に接合される接続面部が形成されることを特徴とする木造建築物の耐震補強装置

請求項2

前記平板状接続部材は、前記エネルギ吸収部の上下方向幅寸法が上記鋼製横部材の上下方向幅寸法に設定されると共に、上記接続面部の上下方向幅寸法が上記鋼製縦部材に沿って該エネルギ吸収部の上下方向幅寸法よりも大きく設定されて、横向きT字状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の木造建築物の耐震補強装置。

請求項3

前記平板状接続部材は、その板面が前記鋼製横部材の端部に重ね合わせて接合され、該鋼製横部材には、少なくとも上記平板状接続部材の上記板面に面する外周囲に隅角部が形成され、該隅角部は、当該隅角部と上記平板状接続部材との間に溶接金属充填するための間隙が形成される弧状に湾曲形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の木造建築物の耐震補強装置。

請求項4

前記平板状接続部材には複数の前記エネルギ吸収部が形成され、これらエネルギ吸収部を介して前記鋼製横部材が上下多段並列に設けられることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の木造建築物の耐震補強装置。

技術分野

0001

本発明は、木造建築物変形性能を活かすように、優れた変形性能を発揮しかつ剛性を向上することが可能であると共に、小断面等の木製構造材に過大な力が伝達されることを抑制することが可能であり、さらに、取り付けられた意匠材脱落しないように適切に保持することが可能で美麗な外観を得ることができる木造建築物の耐震補強装置に関する。

背景技術

0002

近年、既存の木造建築物を耐震補強する際、外壁等の縦面をそのまま残した状態で、木造建築物の外側からの作業のみで施工可能な技術が増えてきている。耐震補強が必要となる古い木造建築物は、一般に剛性が低いものの、変形性能に優れているという特長がある。このため、木造建築物の耐震補強では、建築物自体が備えている性能とのバランス、すなわち、建築物の変形性能を活かせるものが好ましい。

0003

この種の耐震補強技術として、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「木造家屋耐震補強構造および木造家屋の耐震補強工法ならびに耐震補強金具」は、木造家屋の耐震補強において、筋交い等の補強部材補強効果の低下を抑えることにより従来よりも補強効果を向上させることが可能な耐震補強金具を用いた耐震補強構造及び耐震補強工法を提供するもので、取付用ネジ孔を有する雌ネジ軸と、雌ネジ軸の基端に形成され雌ネジ軸の周囲に複数の固定用孔を有する鍔部と、を備えた耐震補強金具を用いる。木造家屋の柱・梁・土台および基礎で囲まれた範囲内の壁における角部に、耐震補強金具の鍔部に形成された固定用孔を介して固定用アンカーにより耐震補強金具を複数固定し、複数の耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に補強用プレート締結するとともに、そのうちの1つの耐震補強金具の雌ネジ軸の先端に筋交いを締結するようにしている。

0004

耐震補強要素は壁の角部に端部が固定される筋交いであって、この筋交いは、耐震補強金具により、木造家屋の外側に、当該木造家屋から離して設けられている。地震力が作用すると、筋交いに引張力圧縮力が発生し、筋交いが面外変形するようになっている。

0005

特許文献2の「木造構造物の補強部材、およびこれを用いた補強工法」は、例えば既設新築の木造家屋あるいは木造の社等の柱と柱をつないで耐震性能を向上させる補強部材を提供するもので、円柱と円柱の間をつないで木造構造物の耐震性能を向上させるラダーフレームであって、上下に配設し、前記円柱と円柱の面内方向に長い2以上の弦部材と、前記弦部材の左右を、前記円柱に各々連結する円柱用連結金物と、該弦部材の間に配し、弦部材同士を接続する束部材とを備え、前記弦部材および前記束部材のうちいずれか一方に接続用ほぞ孔を備え、他方に該ほぞ孔に挿入するほぞ部分を設けるとともに、前記ほぞ孔およびほぞ部分のうち、少なくとも一方を木製としている。

0006

ラダーフレームは、柱間の面内に設けられている。連結金物は、ラダーフレームの弦部材を柱に固定するために、当該柱に直接、複数のボルト取付固定されている。地震力が作用すると、柱間の面内において、弦部材と束部材の接続部で変形が生じ、ラダーフレームが柱間の面内で歪むようになっている。

先行技術

0007

特開2010−007454号公報
特開2007−138612号公報

発明が解決しようとする課題

0008

特許文献1の開示技術は、筋交いにより剛性は高まるものの、木造家屋の変形性能を阻害してしまうものであった。筋交いには、外観を美麗にするための意匠材を取り付けることが難しかった。筋交いは、地震等の外力を受けると面外変形するため、意匠材を取り付けることができたとしても、脱落してしまうおそれがあり、意匠材の取り付けには不適であった。

0009

このため、特許文献1では、筋交いを木造家屋の外側にむき出しで設置するしかなく、建物見栄えが良くなかった。特に、伝統的な木造建築物では、美観を損ねてしまうこととなるため、耐震補強構造として採用することが難しかった。

0010

特許文献2では、ラダーフレームを柱間の面内に設けるものであるため、柱間に壁がある場合には採用することができず、採用する場合には、壁を壊して設置しなければならなかった。連結部材を柱そのものに直接取付固定して、ラダーフレームを柱に設置するようにしていて、連結部材と柱との接合部分には、大きなせん断力が発生する構造であった。

0011

このため、連結部材を柱に強固に取り付けるために多くのボルトが必要であり、一般的に小断面の木製の柱と接合する構造としては不向きであった。柱間の面内でラダーフレームを歪ませる構造であるため、取り付けた意匠材が脱落しやすく、意匠材の取り付けには不適であった。

0012

本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、木造建築物の変形性能を活かすように、優れた変形性能を発揮しかつ剛性を向上することが可能であると共に、小断面等の木製構造材に過大な力が伝達されることを抑制することが可能であり、さらに、取り付けられた意匠材が脱落しないように適切に保持することが可能で美麗な外観を得ることができる木造建築物の耐震補強装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明にかかる木造建築物の耐震補強装置は、木造建築物の高さ方向に沿って、かつ互いに左右方向に間隔を隔てて配設される二つ以上の鋼製縦部材と、該鋼製縦部材の上下両端部に設けられ、該鋼製縦部材を上記木造建築物の構造材に、当該木造建築物の縦面から隙間を空けて取付固定する取付部材と、隣り合う上記鋼製縦部材間に左右方向に沿って、かつ互いに上下方向に間隔を隔てて配設され、該鋼製縦部材と同一の平面内に組み付けられる複数の鋼製横部材と、該鋼製横部材の左右両端部に設けられ、該鋼製横部材を上記鋼製縦部材に接続する平板接続部材とを備え、該平板状接続部材には、上記鋼製横部材と上記鋼製縦部材との間に位置させて、これら鋼製横部材及び鋼製縦部材の断面寸法よりも断面寸法が小さく、かつこれら鋼製横部材と鋼製縦部材との間に伝達される力で変形されてエネルギ吸収するエネルギ吸収部が形成されると共に、上記木造建築物に対する該鋼製縦部材の取付面に沿う接合面に重ね合わされ、該鋼製横部材から上下方向にオフセットされた位置で該鋼製縦部材に接合される接続面部が形成されることを特徴とする。

0014

前記平板状接続部材は、前記エネルギ吸収部の上下方向幅寸法が上記鋼製横部材の上下方向幅寸法に設定されると共に、上記接続面部の上下方向幅寸法が上記鋼製縦部材に沿って該エネルギ吸収部の上下方向幅寸法よりも大きく設定されて、横向きT字状に形成されることを特徴とする。

0015

前記平板状接続部材は、その板面が前記鋼製横部材の端部に重ね合わせて接合され、該鋼製横部材には、少なくとも上記平板状接続部材の上記板面に面する外周囲に隅角部が形成され、該隅角部は、当該隅角部と上記平板状接続部材との間に溶接金属充填するための間隙が形成される弧状に湾曲形成されることを特徴とする。

0016

前記平板状接続部材には複数の前記エネルギ吸収部が形成され、これらエネルギ吸収部を介して前記鋼製横部材が上下多段並列に設けられることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明にかかる木造建築物の耐震補強装置にあっては、木造建築物の変形性能を活かすように、優れた変形性能を発揮しかつ剛性を向上することができると共に、小断面等の木製構造材に過大な力が伝達されることを抑制することができ、さらに、取り付けられた意匠材が脱落しないように適切に保持することができて、美麗な外観を得ることができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明に係る木造建築物の耐震補強装置の好適な一実施形態を説明する説明図である。
図1に示した耐震補強装置に用いられる鋼製縦部材及び取付部材を説明する説明図である。
図1に示した耐震補強装置に用いられる鋼製横部材及び平板状接続部材を説明する説明図である。
図1に示した耐震補強装置に用いられる平板状接続部材を示す正面図である。
図1に示した耐震補強装置の平板状接続部材と鋼製横部材との接合部分を示す要部拡大図である。
図4に示した平板状接続部材による接続箇所周辺に作用するモーメントを説明する要部拡大図である。
図3に示した鋼製横部材に意匠材を取り付けた様子を示す要部拡大断面図である。
平板状接続部材の他の例を示す正面図である。
平板状接続部材のさらに他の例を示す正面図である。
図9に示した平板状接続部材による接続箇所周辺に作用するモーメントを説明する要部拡大図である。
本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置の設置前の木造建築物の縦面を示す正面図である。
本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置を木造建築物の縦面に設置した様子を示す説明図である。
本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置に意匠材を施した様子を示す説明図である。
平板状接続部材のさらに他の例を示す正面図である。
図14に示した平板状接続部材と鋼製横部材及び鋼製縦部材との接合部分を示す要部拡大図である。
平板状接続部材のさらに他の例を示す正面図である。
平板状接続部材のさらに他の例を説明する説明図である。
鋼製縦部材及び鋼製横部材の他の例を示す断面図である。

実施例

0019

以下に、本発明にかかる木造建築物の耐震補強装置の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置を説明する説明図であって、(a)は正面図、(b)はA−A線矢視断面図、(c)は上面図、(d)はB−B線矢視断面図である。図2は、図1の耐震補強装置に用いられる鋼製縦部材及び取付部材を説明する説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図である。図3は、図1の耐震補強装置に用いられる鋼製横部材及び平板状接続部材を説明する説明図であって、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は側面図である。図4は、図1の耐震補強装置に用いられる平板状接続部材を示す正面図である。図5は、図1に示した耐震補強装置の平板状接続部材と鋼製横部材との接合部分を示す要部拡大図である。図6は、図4に示した平板状接続部材による接続箇所周辺に作用するモーメントを説明する要部拡大図である。図7は、図3に示した鋼製横部材に意匠材を取り付けた様子を示す要部拡大断面図である。図8は、平板状接続部材の他の例を示す正面図である。図9は、平板状接続部材のさらに他の例を示す正面図である。図10は、図9に示した平板状接続部材による接続箇所周辺に作用するモーメントを説明する要部拡大図である。図11は、本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置の設置前の木造建築物の縦面を示す正面図である。図12は、本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置を木造建築物に設置した様子の説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。図13は、本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置に意匠材を施した様子の説明図であって、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。

0020

図1に示すように、本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置1は主に、互いに左右方向に間隔を隔てて配設される、少なくとも二つの鋼製縦部材2と、隣り合う鋼製縦部材2の間に、互いに上下方向に間隔を隔てて配設される複数の鋼製横部材3と、鋼製横部材3と鋼製縦部材2を接続する平板状接続部材4と、鋼製縦部材2の上下長さ方向両端部を木造建築物5(図11等参照)に取付固定する取付部材6とを備えて構成される。

0021

鋼製縦部材2は図1及び図2に示すように、軸方向に長い、軽量で剛性の高い管状材、例えば角形鋼管で形成される。鋼製縦部材2は、図11及び図12を参照することで理解されるように、既存の木造建築物5の高さ方向に沿って設けられ、図示例にあっては、管柱間柱等の木質柱材7の上下方向に沿って設けられている。鋼製縦部材2は、木造建築物5の基礎や土台8等から梁材9や屋根に向かう縦面に面して、左右方向に互いに間隔を隔てて二つ以上設けられる。なお、本発明に係る耐震補強装置1は、少なくとも左右方向の最外列側にそれぞれ位置される鋼製縦部材2が、木質柱材7の上下方向に沿って設けられることが好ましい。

0022

鋼製縦部材2の上下長さ方向両端部には、鋼製縦部材2を木造建築物5に取付固定するために、鋼製の取付部材6が設けられる。取付部材6は、鋼製縦部材2と木造建築物5の縦面との間に隙間Sが空くように(図12等参照)、鋼製縦部材2からその外方へ、木造建築物5の縦面に向けて迫り出す大きさの外形形態で形成される。

0023

本実施形態では、取付部材6は、鋼製縦部材2の上下長さ方向両端部における端面2aの断面寸法よりも大きな寸法の取付接合面6aを有し、鋼製縦部材6の端面2aが当該取付接合面6aの端に寄るようにして、鋼製縦部材2に接合されている。

0024

取付部材6は、鋼製縦部材2の端面2aに設けられる塞ぎ板(図示せず)にドリルビス等で接合して、あるいは端面2aに直接溶接接合して、鋼製縦部材2に一体的に設けられる。図示例では、取付部材6は、ほぼ直交する一対の取付接合面6a,6bを有するL字状の板材に、それら取付接合面6a,6bの各側縁三角形状の板材6cを掛け渡して形成されている。

0025

取付部材6は、一方の取付接合面6aで鋼製縦部材2に接合され、他方の取付接合面6bで木造建築物5に接合される。鋼製縦部材2は、一方の取付接合面6aに対し、他方の取付接合面6bから最も離隔している端に寄せて、接合されている。鋼製縦部材2の接合位置が、木造建築物5に接合される他方の取付接合面6bから離隔されることにより、取付部材6は、鋼製縦部材2から木造建築物5の縦面側に向けて迫り出して設けられる。

0026

取付部材6の他方の取付接合面6bは、木造建築物5の構造材、具体的には、木質柱材7、土台8、基礎、梁材9等、もしくはこれらに跨がるように当られて、これらにドリルビス等で接合される。鋼製縦部材2の上下長さ方向両端部に設けた各取付部材6の他方の取付接合面6bが木造建築物5の土台8等の構造材に接合されることにより、取付部材6の一方の取付接合面6aに接合された鋼製縦部材2は、木造建築物5にその縦面から隙間Sを空けて取付固定される。

0027

取付部材6としては、鋼製縦部材2と木造建築物5の縦面との間に隙間Sを形成するスペーサ機能を有して、木造建築物5に鋼製縦部材2を取付固定できるものであれば、図示例に限らず、どのような形態・構造のものであっても良い。

0028

鋼製横部材3は図1及び図3に示すように、軸方向に長い、軽量で剛性の高い管状材、例えば角形鋼管で形成される。鋼製横部材3は、図11及び図12を参照することで理解されるように、木質柱材7の上下方向に沿って配設される二つ以上の鋼製縦部材2のうち、隣り合う鋼製縦部材2同士の間に、左右方向に沿って、かつ上下方向に間隔を隔てて複数配設される。

0029

鋼製横部材3は、鋼製縦部材2と同一の平面内に組み付けられる。同一の平面内に組み付けられるとは、鋼製縦部材2と鋼製横部材3とが単一の組立面上で横並びに並べられて組み付けられ、両者を接続したときに、ほとんどモーメントが生じずに、軸力せん断力主体としてスムーズに力が伝達される状態をいう。

0030

平板状接続部材4は、表裏の板面が平坦な板材で形成され、図1図3及び図4に示すように、鋼製横部材3を鋼製縦部材2に接続するために、鋼製横部材3の左右長さ方向両端部に設けられる。平板状接続部材4は基本的に、鋼製横部材3の左右長さ方向端部と鋼製縦部材2との間に、鋼製横部材3の当該端部及び鋼製縦部材2の間に掛け渡されてこれらと重なり合う左右方向寸法で形成される。

0031

すなわち、平板状接続部材4の左右方向一端部は、鋼製横部材3の端部に重ね合わされ、左右方向他端部は、鋼製縦部材2に重ね合わされる。取付部材6で木造建築物5に取付固定される鋼製縦部材2が、木造建築物5に面する外表面を取付面として、この取付面もしくは当該取付面とは反対側の外表面が、平板状接続部材4の左右方向他端部が重ね合わされる、取付面に沿う接合面2bとされる。

0032

図示例では、平板状接続部材4の左右方向他端部は、鋼製縦部材2に対し、取付部材6が鋼製縦部材2から迫り出す側、すなわち木造建築物5に面する面とは反対側の接合面2bに重ね合わされる。この場合、平板状接続部材4の左右方向一端部は、鋼製横部材3に対し、木造建築物5に面する面とは反対側の接合面3aに接合される。

0033

平板状接続部材4が、鋼製縦部材2の、木造建築物5に面する面を接合面2bとして重ね合わされる場合には、鋼製横部材3に対しても、木造建築物に面する面を接合面3aとして重ね合わされる。

0034

従って、平板状接続部材4は、表裏の板面の一方に対して、鋼製縦部材2及び鋼製横部材3が重ね合わされて接合される。これにより、鋼製縦部材2及び鋼製横部材3は、同一の平面内に組み付けられる。

0035

平板状接続部材4は、その左右方向一端部が鋼製横部材3の左右長さ方向の端部に溶接接合されて、鋼製横部材3に一体的に設けられる。管状材で形成され、平板状接続部材4の左右方向一端部の板面が重ね合わされる鋼製横部材3は図5に示すように、少なくとも当該板面に面する外周囲(接合面3a)に隅角部3bが形成され、隅角部3bは、当該隅角部3bと平板状接続部材4との間に溶接金属Wを充填するための間隙Dが形成される弧状に湾曲形成される。これにより、高い溶接接合強度を確保することができる。

0036

平板状接続部材4は、鋼製横部材3に対し、突き合わせ溶接により設けるようにしても良い。平板状接続部材4は、ドリルビス等による接合によって、鋼製横部材3に一体的に設けるようにしても良い。あるいは、平板状接続部材4は、鋼製横部材3自体を加工成形することにより、鋼製横部材3に一体に設けるようにしても良い。

0037

平板状接続部材4は、左右方向他端部の接続面部4aが鋼製縦部材2の接合面2bに重ね合わされドリルビス等で接合されることにより、鋼製縦部材2に接続される。接続面部4aがドリルビス等で接合面2bに接合される位置Yは、鋼製横部材3から上下方向にオフセットされた位置に設定される。

0038

すなわち、平板状接続部材4の接続面部4aは、鋼製横部材3(図中、鋼製横部材3が鋼製縦部材2と交差する仮想延長部分を領域Xで示す)の配設位置を上下方向両側から挟む配置であって、かつ鋼製横部材3の上下幅よりも広く離間させた鋼製横部材3の横架位置よりも上側及び下側で、鋼製縦部材2にドリルビス等により接合される。

0039

平板状接続部材4には、左右方向他端部の接続面部4aが接続される鋼製縦部材2と、左右方向一端部が接続される鋼製横部材3との間に位置させて、これら鋼製縦部材2や鋼製横部材3の断面寸法よりも断面寸法が小さく設定され、これら鋼製縦部材2と鋼製横部材3との間に伝達される力で変形されてエネルギ吸収するエネルギ吸収部10が形成される。

0040

本実施形態では、平板状接続部材4は、板状であって、管状材である鋼製縦部材2及び鋼製横部材3よりも小さな断面寸法で形成されている。エネルギ吸収部10は、鋼製縦部材2及び鋼製横部材3に対して断面寸法が小さいことにより、これら鋼製縦部材2及び鋼製横部材3に先行して、弾塑性変形が進行し、塑性変形等によりエネルギ吸収するようになっている。

0041

これにより、図6に示すように、エネルギ吸収部10を備える平板状接続部材4による鋼製縦部材2と鋼製横部材3との接続箇所周辺では、鋼製横部材3からの軸力によって鋼製縦部材2に作用するせん断力、あるいは、鋼製縦部材2からの軸力によって鋼製横部材3に作用するせん断力によって、回転モーメントMが発生し、この回転モーメントMに対してエネルギ吸収部10が弾塑性変形(図中、変形態様をZで示す)して、エネルギ吸収作用が発揮される。

0042

本実施形態では、図1図3図4図6に示すように、横向きT字状の平板状接続部材4が示されている。この平板状接続部材4は、エネルギ吸収部10の上下方向幅寸法が鋼製横部材3の上下方向幅寸法にほぼ一致させて設定されると共に、接続面部4aの上下方向幅寸法が鋼製縦部材2に沿ってエネルギ吸収部10の上下方向幅寸法よりも大きく設定される。

0043

平板状接続部材4をこのように形成すれば、モーメントMの向きにかかわらず、鋼製横部材3から平板状接続部材4を介して、鋼製縦部材2にスムーズに応力伝達することができ、エネルギ吸収部10を適切に変形させてエネルギ吸収させることができる。また、ドリルビス等を少ない本数で、平板状接続部材4と鋼製縦部材2とを接続することができる。

0044

接続面部4aは、エネルギ吸収部10に対して上下に等しい、すなわち鋼製横部材3の左右長さ方向の軸線を中心として、上下方向に等距離となる外形形態で形成することが好ましい。

0045

鋼製横部材3には、木造建築物5に面する側と反対側の面、本実施形態では、平板状接続部材4の接続面部4aが重ね合わされる外向きに面する面(接合面3a)に、図7に示すように、管状材で形成される鋼製横部材3を板厚方向に貫通するドリルビス等で意匠材11が取り付けられる。図13に示されている取付例では、意匠材11は、上下に並べられた複数の鋼製横部材3間に一連に架け渡して、多数の細長い木材を縦縞状に配設して構成されている。

0046

図8には、平板状接続部材の他の例が示されている。図示されている平板状接続部材12は、横向きT字状を組み合わせた十字状に形成されている。すなわち、十字状の平板接続部材12は、中央の接続面部12aの左右両側それぞれにエネルギ吸収部10を備えて、これらエネルギ吸収部10を介して、左右両側の鋼製横部材3に接続される。

0047

横向きT字状の平板状接続部材4は、左右方向に間隔を隔てて二つ以上配設される鋼製縦部材2のうち、右端及び左端に配置される鋼製縦部材2に用いるのに適している。十字状の平板状接続部材12は、鋼製縦部材2を三つで一組とした場合に、中央に配置される鋼製縦部材2と、その右側及び左側に配設される鋼製横部材2とを一括して接続するのに適していて、中央の鋼製縦部材2に左右の鋼製横部材3を接合することで、ドリルビス等による接合工数を半分に低減することができる。

0048

図9には、平板状接続部材のさらに他の例が示されている。この平板状接続部材13には、接続面部13aの片側に複数のエネルギ吸収部10が一体に形成され、これらエネルギ吸収部10を介して鋼製横部材3が上下多段に並列に設けられる。すなわち、上下に配設される鋼製横部材3と鋼製縦部材2とを、個別の平板状接続部材4で個々に連結するのとは異なり、複数の鋼製横部材3を単一の平板状接続部材13で鋼製縦部材2に接続する場合に用いられる。

0049

図示例では、平板状接続部材13は、二つのエネルギ吸収部10を有していて、これらエネルギ吸収部10を介して、上下二つの鋼製横部材3が一つの平板状接続部材13に接続される。エネルギ吸収部10は、二つに限らず、三つ以上を単一の平板状接続部材13に設けるようにしても良い。

0050

この変形例による平板状接続部材13では、二つのエネルギ吸収部10を上下に一体に備えているので、鋼製縦部材2と鋼製横部材3との接続箇所周辺では、図10に示すように、上段の鋼製横部材3からのせん断力で生じる回転モーメントMと、下段の鋼製横部材3からのせん断力で生じる回転モーメントMが同じ方向に生じるので、平板状接続部材13の接続面部13aの上下方向中央位置では、これら回転モーメントMが相殺されることとなり、2つの鋼製横部材3の鋼製縦部材2への接続を一挙に確保しながら、平板状接続部材13に加わる回転モーメントMが過大になることが防止され、効率よく接続することができて、ドリルビス等による接合工数を半減しつつ、十分な接合強度を確保することができる。

0051

次に、本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置1の作用について、図11図13を参照して説明する。本実施形態に係る耐震補強装置1は、工場等で予め組み立てて施工現場搬入しても、施工現場で地組みしても、いずれであっても良い。

0052

本耐震補強装置1は、左右方向に適宜間隔を隔てて複数の鋼製縦部材2を並べ、隣接する鋼製縦部材2同士の間に、上下方向に適宜間隔を隔てて複数の鋼製横部材3を並べ、鋼製横部材3の左右長さ方向両端部と鋼製縦部材2とを平板状接続部材4,12,13で接続することで組み立てられる。その後、各鋼製縦部材2の上下長さ方向両端部に、取付部材6を取り付ける。取付部材6は、予め鋼製縦部材2に取り付けておいても良い。

0053

次いで、本耐震補強装置1を、取付部材6を木造建築物5の土台8等の構造材に取り付けることで、木造建築物5に対し、その縦面から隙間Sを隔てて取付固定する。図示例にあっては、木造建築物5の左側の大きなサッシ面に対しては、三つの鋼製縦部材2を左右方向に並べて、耐震補強装置1が構成されていて、取付部材6は木造建築物5の土台8と梁材9に取付固定され、右端及び左端の鋼製縦部材2と鋼製横部材3との接続には、図4に示した横向きT字状の平板状接続部材4が用いられていると共に、中央の鋼製縦部材2と鋼製横部材3との接続には、図8に示した十字状の平板状接続部材12が用いられている。

0054

木造建築物5の右側の小さなサッシ面に対しては、二つの鋼製縦部材2を左右に並べて、耐震補強装置1が構成されていて、取付部材6は木質柱材7の上下端部に取付固定され、鋼製横部材3との接続には、図9に示した上下二段のエネルギ吸収部10を備える平板状接続部材13が用いられている。

0055

本耐震補強装置1には、これを木造建築物5に設置した後、鋼製横部材3(の接合面3a)に取り付けて、耐震補強装置1を覆い隠すように意匠材11が設けられる。これにより、木造建築物5に取り付けられた耐震補強装置1を意匠材11で隠蔽することができ、木造建築物5の外観を美麗に維持することができる。

0056

地震力が作用すると、木造建築物5から耐震補強装置1に当該地震力が入力される。地震力は、取付部材6を介して、鋼製縦部材2に伝達され、鋼製縦部材2から平板状接続部材4,12,13を介して鋼製横部材3に力が伝達され、耐震補強装置1は、伝達された地震力に対して抵抗する。

0057

この際、平板状接続部材4,12,13の接続面部4a,12a,13aが、鋼製横部材3から上下方向にオフセットされた位置Yで鋼製縦部材2に接合されるので、鋼製横部材3から平板状接続部材4,12,13にわたる左右方向部材と鋼製縦部材2との接合部は、縦横交差箇所剛接合されたり、あるいはピン接合されるのとは異なり、これら剛接合とピン接合との間の中間的な接合形態で接合されることとなって、木造建築物5の変形性能を活かすことができる変形能と剛性を兼ね備えて、これら鋼製横部材3と鋼製縦部材2とを連結接合することができ、木造建築物5の耐震性能を向上することができる。

0058

取付部材6により、鋼製縦部材2の上下長さ方向両端部を木造建築物5の土台8等の構造材に取付固定し、当該木造建築物5の縦面から隙間Sを空けて鋼製縦部材2を設置するようにしたので、鋼製縦部材2と鋼製横部材3の接合箇所(平板状接続部材4,12,13周辺)に作用する力が直接木造建築物5に伝達されることはなく、これにより、本耐震補強装置1が取付固定される、小断面の木質柱材7等の構造材に過大な力が伝達されることを抑制できて、木造建築物5に対し、本耐震補強装置1を適切に設置することができる。

0059

平板状接続部材4,12,13にエネルギ吸収部10を形成したので、鋼製横部材3と鋼製縦部材2との間に伝達される力をエネルギ吸収して、接続面部4a,12a,13a周辺に発生する回転モーメントMを効率良くかつ十分に低減できて、鋼製縦部材2及び鋼製横部材3の変形を抑えることができる。鋼製縦部材2及び鋼製横部材3の変形を抑えることができるので、本耐震補強装置1に取り付けられた意匠材11が脱落しないように適切に保持することができ、伝統的な木造建築物を含めどのような木造建築物5であっても、美麗な外観を維持することができる。

0060

本耐震補強装置1は、鋼製縦部材2を取付部材6で、木造建築物5の土台8等の構造材に、当該木造建築物5の外側から取付固定して、容易に施工することができる。

0061

平板状接続部材4,12,13を、エネルギ吸収部10の上下方向幅寸法を鋼製横部材3の上下方向幅寸法に設定すると共に、接続面部4a,12a,13aの上下方向幅寸法を鋼製縦部材2に沿ってエネルギ吸収部10の上下方向幅寸法よりも大きく設定して形成したので、回転モーメントMの向きを問わず、また、鋼製横部材3から平板状接続部材4,12,13を介して鋼製縦部材2へスムーズに応力伝達させることができ、エネルギ吸収部10を十分に変形させることができる。従って、ドリルビス等の施工工数を低減しても、確実に鋼製縦部材2と鋼製横部材3を接続することができる。

0062

鋼製横部材3に、少なくとも平板状接続部材4,12,13の板面に面する外周囲に対して隅角部3bを形成し、隅角部3bを、これと平板状接続部材4,12,13との間に溶接金属Wを充填するための間隙Dが形成される弧状に湾曲形成したので、平板状接続部材4,12,13と鋼製横部材3とを溶接接合する場合に、これらを高い接合強度で接合することができる。

0063

平板状接続部材13に複数のエネルギ吸収部10を形成し、これらエネルギ吸収部10を介して鋼製横部材3を上下多段に並列に設けるようにしたので、回転モーメントMの相殺作用により、複数の鋼製横部材3の鋼製縦部材2への接続を一挙に確保しながら、平板状接続部材13に加わる回転モーメントMが過大になることを防止でき、効率よく接続することができて、ドリルビス等による接合工数を低減しつつ、十分な接合強度を確保することができる。

0064

図14及び図15には、平板状接続部材のさらに他の変形例が示されている。図14は変形例の正面図、図15は、当該変形例に係る平板状接続部材と鋼製横部材及び鋼製縦部材との接続部分を示す要部拡大図である。平板状接続部材14はL字状に形成してもよい。

0065

折曲形態のL字状の一方の板面14aが鋼製横部材3に接合され、他方の板面が接続面部14bとして、鋼製縦部材2の接合面2bに重ね合わされ、上記実施形態と同様に鋼製横部材3からオフセットして接合される。エネルギ吸収部10は、接続面部14bと鋼製横部材3との間に形成される。

0066

図16及び図17には、平板状接続部材のさらに他の変形例が示されている。図16は正面図であって、平板状接続部材15は、長方形状の板材の左右長さ方向中間部に、エネルギ吸収部10を設定するために切り欠き15aが形成されて、ドッグボーン状に形成される。図17(a)は正面図、図17(b)は側面図であって、平板状接続部材16は、長方形状の板材の長さ方向中間部が、エネルギ吸収部10を設定するために薄肉に形成される。

0067

これらいずれの平板状接続部材15,16にあっても、鋼製縦部材2との接続箇所は、鋼製横部材3の配設位置を避けるように、オフセットされる。

0068

図18には、鋼製縦部材2及び鋼製横部材3の変形例が示されている。上記実施形態では、これら鋼製縦部材2及び鋼製横部材3は管状材であったが、図18(a)に示すように、溝形鋼であっても、図18(b)に示すように、リップ溝形鋼であっても良い。

0069

以上説明した本実施形態に係る木造建築物の耐震補強装置は、既存の木造建築物はもちろんのこと、新設の木造建築物にも採用することができる。

0070

1木造建築物の耐震補強装置
2鋼製縦部材
2b接合面
3 鋼製横部材
3a 接合面
3b隅角部
4,12〜16平板状接続部材
4a,12a〜16a 接続面部
5 木造建築物
6取付部材
7木質柱材
8土台
9梁材
10エネルギ吸収部
D間隙
W溶接金属
S 隙間

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