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技術 皮膚外用剤の使用性の評価法及び該評価法で使用性に優れると判別される皮膚外用剤

出願人 株式会社ポーラファルマ
発明者 増田孝明小林浩一
出願日 2015年4月1日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-075466
公開日 2015年11月12日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-199731
状態 特許登録済
技術分野 特有な方法による材料の調査、分析 医薬品製剤 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 恒温保存 物理的負荷 荷重板 アルカリ剤水溶液 広がり面 曇点温度 装置機種 水分添加量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月12日)のものです。
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図面 (2)

課題

皮膚外用剤使用性、特に炎症の存する肌における使用性を的確に評価、判別する手段の提供。

解決手段

外相水相を有する乳化剤形の皮膚外用剤であって、該皮膚外用剤の粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの皮膚外用剤を、該皮膚外用剤の少なくとも2種の温度における広がり面積を、スプレッドメーターを用いて広がり直径として測定し、該測定値温度変化による分散を求め、前記分散が1〜4の値をとった場合に、前記皮膚外用剤は使用性に優れると判別する皮膚外用薬評価法。少なくとも2種の温度は、室温付近の温度、室温より高い温度及び室温より低い温度であることが好ましい皮膚外用薬の評価法。

概要

背景

皮膚外用剤は、皮膚に塗布する形態で使用される医薬化粧品の総称であり、その目的は皮膚を患部とする疾患の治療であったり、皮膚の機能を整えるものであったりする。皮膚の疾患としては、炎症、外傷感染症などが存するが、炎症の占める割合は大きく、また、炎症の種類そのものも多様である。現状としては、炎症の種類に合わせて、有効成分をステロイド系抗炎症剤抗ヒスタミン剤非ステロイド系抗炎症剤使い分けているのが現状である。このような炎症の処置においては、使用する皮膚外用剤の物理的特性も考慮されなければならない。即ち、硬度の高いクリームなどを皮膚に塗布することは、この塗布という動作により刺激惹起され、この刺激により炎症の昂進が誘起され症状の悪化を招くことがあるといわれている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。その意味で炎症を起こした皮膚に特化した製剤設計が望まれているが、まだこのような製剤設計は実質的になされていない。

一方、スプレッドメーターは塗布時の展延性を測定する機器であり、これにより、製剤の固さを測定することに用いられている(例えば、特許文献5、特許文献6を参照)。また、この測定値をのびの代替値とすることも行われている(例えば、特許文献7を参照)。しかしながら、この値の温度変化に対する分散値を用いて製剤の使用性指標にする試みはなされていない。また、このような分散値が使用性、特に、炎症の存する肌での使用性と関係があることも全く知られていなかった。

概要

皮膚外用剤の使用性、特に炎症の存する肌における使用性を的確に評価、判別する手段の提供。最外相水相を有する乳化剤形の皮膚外用剤であって、該皮膚外用剤の粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの皮膚外用剤を、該皮膚外用剤の少なくとも2種の温度における広がり面積を、スプレッドメーターを用いて広がり直径として測定し、該測定値の温度変化による分散を求め、前記分散が1〜4の値をとった場合に、前記皮膚外用剤は使用性に優れると判別する皮膚外用薬評価法。少なくとも2種の温度は、室温付近の温度、室温より高い温度及び室温より低い温度であることが好ましい皮膚外用薬の評価法。なし

目的

本発明は、このような状況下なされたものであり、皮膚外用剤の使用性、特に炎症の存する肌における使用性を的確に評価、判別する手段を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

外相水相を有する乳化剤形皮膚外用剤であって、該皮膚外用剤の粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの皮膚外用剤の評価方法において、該皮膚外用剤の少なくとも2種の温度における広がり面積を、スプレッドメーターを用いて広がり直径として測定し、該測定値温度変化による分散を求め、前記分散が1〜4の値をとった場合に、前記皮膚外用剤は使用性に優れると判別する、皮膚外用剤の評価法

請求項2

少なくとも2種の温度は、室温付近の温度、室温より高い温度及び室温より低い温度であることを特徴とする、請求項1に記載の評価法。

請求項3

室温付近の温度は25℃、室温より高い温度は32℃、室温より低い温度は5℃であることを特徴とする、請求項2に記載の評価法。

請求項4

前記皮膚外用剤は、炎症を有する皮膚に適用されるべきものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤の評価法。

請求項5

前記炎症を有する皮膚は、アトピー性皮膚炎患者の皮膚であることを特徴とする、請求項4に記載の評価法。

請求項6

請求項1〜5何れか1項に記載の評価法において、使用性に優れると判別された皮膚外用剤。

請求項7

最外相に水相を有する乳化剤形を有し、粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの皮膚外用剤であって、スプレッドメーターを用いて測定した広がり直径の測定値の温度変化による分散が1〜4の値であることを特徴とする、皮膚外用剤。

請求項8

1)アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/またはその塩及びノニオン性界面活性剤を含有する、水中油乳化剤形外用組成物であって、界面活性剤としてノニオン性界面活性剤のみを含有する形態であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の皮膚外用剤。

請求項9

界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤のみを含有することを特徴とする、請求項6〜8何れか1項に記載の皮膚外用剤。

請求項10

実質的に脂肪酸を含有しない形態であることを特徴とする、請求項6〜9何れか1項に記載の皮膚外用剤。

技術分野

0001

本発明は皮膚外用剤評価法及び該評価法により使用性に優れると判別される皮膚外用剤に関し、更に詳細には、スプレッドメーターを用いて測定した広がり直径の温度による分散の多少を指標とする皮膚外用剤の評価法に関する。

背景技術

0002

皮膚外用剤は、皮膚に塗布する形態で使用される医薬化粧品の総称であり、その目的は皮膚を患部とする疾患の治療であったり、皮膚の機能を整えるものであったりする。皮膚の疾患としては、炎症、外傷感染症などが存するが、炎症の占める割合は大きく、また、炎症の種類そのものも多様である。現状としては、炎症の種類に合わせて、有効成分をステロイド系抗炎症剤抗ヒスタミン剤非ステロイド系抗炎症剤使い分けているのが現状である。このような炎症の処置においては、使用する皮膚外用剤の物理的特性も考慮されなければならない。即ち、硬度の高いクリームなどを皮膚に塗布することは、この塗布という動作により刺激惹起され、この刺激により炎症の昂進が誘起され症状の悪化を招くことがあるといわれている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4を参照)。その意味で炎症を起こした皮膚に特化した製剤設計が望まれているが、まだこのような製剤設計は実質的になされていない。

0003

一方、スプレッドメーターは塗布時の展延性を測定する機器であり、これにより、製剤の固さを測定することに用いられている(例えば、特許文献5、特許文献6を参照)。また、この測定値をのびの代替値とすることも行われている(例えば、特許文献7を参照)。しかしながら、この値の温度変化に対する分散値を用いて製剤の使用性の指標にする試みはなされていない。また、このような分散値が使用性、特に、炎症の存する肌での使用性と関係があることも全く知られていなかった。

先行技術

0004

特開2009−114081号公報
特開2003−342146号公報
特開2004−196717号公報
特開2004−210730号公報
特開2006−8710号公報
特開2006−8709号公報
特開2005−15407号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、このような状況下なされたものであり、皮膚外用剤の使用性、特に炎症の存する肌における使用性を的確に評価、判別する手段を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0006

このような状況に鑑みて、本発明者らは、皮膚外用剤の使用性、特に炎症の存する肌における使用性を的確に評価、判別する手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、最外相水相を有する乳化剤形の皮膚外用剤であって、該皮膚外用剤の粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの皮膚外用剤の評価方法において、該皮膚外用剤の少なくとも2種の温度における広がり面積を、スプレッドメーターを用いて広がり直径として測定し、該測定値の温度変化による分散を求め、前記分散が1〜4の値をとった場合に、前記皮膚外用剤は使用性に優れると判別することにより、的確な皮膚外用剤の使用性の評価、判別がなし得ることを見いだし、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示す通りである。
<1>最外相に水相を有する乳化剤形の皮膚外用剤であって、該皮膚外用剤の粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの皮膚外用剤の評価方法において、該皮膚外用剤の少なくとも2種の温度における広がり面積を、スプレッドメーターを用いて広がり直径として測定し、該測定値の温度変化による分散を求め、前記分散が1〜4の値をとった場合に、前記皮膚外用剤は使用性に優れると判別する、皮膚外用剤の評価法。
<2>少なくとも2種の温度は、室温付近の温度、室温より高い温度及び室温より低い温度であることを特徴とする、<1>に記載の評価法。
<3>室温付近の温度は25℃、室温より高い温度は32℃、室温より低い温度は5℃であることを特徴とする、<2>に記載の評価法。
<4>前記皮膚外用剤は、炎症を有する皮膚に適用されるべきものであることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の皮膚外用剤の評価法。
<5>前記炎症を有する皮膚は、アトピー性皮膚炎患者の皮膚であることを特徴とする、<4>に記載の評価法。
<6><1>〜<5>何れか1項に記載の評価法において、使用性に優れると判別された皮膚外用剤。
<7>最外相に水相を有する乳化剤形を有し、粘度が25℃で1000〜3000mPa・sの皮膚外用剤であって、
スプレッドメーターを用いて測定した広がり直径の測定値の温度変化による分散が1〜4の値であることを特徴とする、皮膚外用剤。
<8>1)アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/またはその塩及びノニオン性界面活性剤を含有する、水中油乳化剤形外用組成物であって、界面活性剤としてノニオン性界面活性剤のみを含有する形態であることを特徴とする、<6>または<7>に記載の皮膚外用剤。
<9>界面活性剤として、ノニオン性界面活性剤のみを含有することを特徴とする、<6>〜<8>何れか1項に記載の皮膚外用剤。
<10>実質的に脂肪酸を含有しない形態であることを特徴とする、<6>〜<9>何れか1項に記載の皮膚外用剤。

発明の効果

0007

本発明によれば、皮膚外用剤の使用性、特に炎症の存する肌における使用性を的確に評価、判別する手段を提供することができる。また、使用性、特に炎症の存する肌における使用性の良い皮膚外用剤を提供できる。

図面の簡単な説明

0008

実施例1の本発明の医薬組成物1と比較例1の医薬組成物の顕微鏡写真である(図面代用写真)。
恒温保存試験後の顕微鏡写真である(図面代用写真)。

0009

本発明の判別・評価法の対象となる皮膚外用剤は、最外相に水相を有する乳化剤形の皮膚外用剤であって、該皮膚外用剤の25℃における粘度が1000〜3000mPa・s、より好ましくは、1500〜2500mPa・sの皮膚外用剤である。本発明の評価法は、該皮膚外用剤の少なくとも2種の温度における広がり面積を、スプレッドメーターを用いて広がり直径として測定し(以下、測定値を「スプレッドメーター直径」という場合がある。)、該測定値の温度変化による分散を求め、前記分散が1〜4の値をとった場合に、前記皮膚外用剤は使用性に優れると判別することを特徴とする。通常乳化剤形の皮膚外用剤の場合、安定性を持たせるためには、乳化粒子が容易に合一しないように粘度を25℃で3000mPa・s程度に保っておく必要が存する。25℃で3000mPa・s程度の粘度を呈する乳化物は、5℃では5000mPa・s程度、40℃では1000mPa・s程度の粘度を示すのが通常である。これは、粘性構造が、分子親和力や、ワックス類乳化構造に起因するためであると思われる。このため、32℃程度で適切な展延性を示すものであっても、5℃、あるいは40℃では全く異なった展延性を示し、使用感が著しく異なってくる。本発明の評価法では、この使用感の温度依存性鑑別し、温度により使用性の変化が少ないものを良い製剤と評価することを特徴とする。このような評価を行うことにより、温度に関係なく一定の使用性を呈する皮膚外用剤を選択することができ、低温下で塗布による刺激感発現する製剤を避けることができる。このことは、抗炎症のための皮膚外用剤においては、皮膚外用剤の投与症状改善直結するので有利である。言い換えれば、使用条件を考慮せずに、抗炎症用の皮膚外用剤を投与することができる。なお、最外相に水相を配する乳化剤形とは、水相中に油滴乃至は油中水乳化滴が分散した状態の乳化物を意味する。

0010

従って、本発明の評価法では、少なくとも2種の温度としては、最低通常の使用温度である25℃付近と、低温で展延性が阻害される5℃付近の温度を用いることが好ましく、加えて塗布面の温度に近い32℃付近の温度も用いることが好ましい。これらの温度におけるスプレッドメーター直径を計測し、各温度の平均スプレッドメーター直径を算出し、各温度の平均スプレッドメーター直径間の分散値を求め、この分散値を用いて皮膚外用剤の評価・判別を行うことが好ましい。分散値に代えて、分散値の平方根である標準偏差を用いることもできる。これらの値が、分散値に換算して、1〜4である場合に、更に好ましくは1.2〜3.6である場合に、当該皮膚外用剤の使用性は良いと判別、評価する。

0011

本発明の評価法は、例えば、1)アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/またはその塩、2)ノニオン性界面活性剤、3)該カルボキシビニルポリマーを中和すべきアルカリ剤を必須成分として含有する皮膚外用剤の評価に好適である。

0012

本発明の皮膚外用剤は、最外相に水相を配する乳化物であって、上記物理的特性、即ち、該皮膚外用剤の25℃における粘度が1000〜3000mPa・s、より好ましくは、1500〜2500mPa・sの皮膚外用剤の評価方法において、該皮膚外用剤の少なくとも2種の温度における広がり面積を、スプレッドメーターを用いて広がり直径として測定し、該測定値の温度変化による分散を求め、前記分散が1〜4の値をとるものであることを特徴とする。前記粘度は、例えば、コーンプレート粘度計装置機種名:RE−80R、製造会社名:東機産業、条件:ローター:3°×R14、測定温度:25℃、回転数:50rpm、測定時間:3分)で測定したものが好ましく例示できる。

0013

本発明の皮膚外用剤は、最外相に水相を有する乳化剤形を有し、25℃における粘度が1000〜3000mPa・s、好ましくは、1500〜2500mPa・sの皮膚外用剤であって、スプレッドメーターを用いて測定した広がり直径の測定値の温度変化による分散が1〜4、好ましくは1.2〜3.6の値である。該分散は、上述した方法により求めることができる。
このような皮膚外用剤は、使用性に優れる。

0014

本発明の皮膚外用剤は、例えば、1)アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー及び/またはその塩(本明細書において、同概念を、単に「アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー」又は「カルボキシビニルポリマー」という場合がある。)、2)ノニオン性界面活性剤、3)該カルボキシビニルポリマーを中和すべきアルカリ剤を含有することが好ましい。
また、本発明の皮膚外用剤は、例えば、次の工程で調製することができる。

0015

即ち、ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度で、水中油乳化物を調製し、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度まで冷却した後、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーを加え、しかる後に該アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーをアルカリ剤で中和することを特徴とする。ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度としては、複数のノニオン性界面活性剤が存在する場合は、もっとも高い方の曇点温度を採用することが好ましく、大凡75〜90℃の温度が適用される。また、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度としては、複数のノニオン性界面活性剤が存在する場合は、もっとも低い方の曇点温度を採用することが好ましく、大凡20〜65℃が好ましく、より好ましくは25〜50℃であり、更に好ましくは、25〜35℃である。アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーは流動性を示す、最低限度に近い水分添加量で溶解し加えることが好ましく、具体的には5〜65質量%の水に溶解せしめて加えるのが好ましい。かかる水の量は、皮膚外用剤全体に対しては、35〜60質量%であることが望ましい。又、その後加えるアルカリ剤も分散を阻害しない程度に水で希釈して加えるのが好ましく、具体的には、1〜5質量%の水で希釈して加えることが好ましい。残余の水は、水中油乳化物を調製する水相として加えることが好ましい。以下、調製の手順を工程に分けて説明する。

0016

<工程1>
あらかじめ、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーを少量の水で溶解させ、アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー液を調製する。同様にアルカリ剤水溶液を調製する。この2種の液をそれぞれ添加すべきノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度に温度調整しておく。

0017

<工程2>
残余の水と、水性成分、例えば、多価アルコール水溶性添加物を合わせ、乳化温度である曇点より高い温度に調整しておく。同時に、ノニオン性界面活性剤を含む油性成分を合わせ、乳化温度である曇点より高い温度に調整しておく。

0018

<工程3>
ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度に調整した水相に、同様に曇点より高い温度に調整した油相攪拌下徐々に加え、水中油乳化物を調製し、これを攪拌、冷却し、曇点以下まで冷却する。曇点以下の温度になったら、攪拌下徐々にアルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマー液を添加する。添加後、一様になるまで攪拌し、しかる後に、アルカリ剤水溶液を徐々に加え、本発明の皮膚外用剤を得る。
ここで、アルカリ剤水溶液の添加は、本発明の皮膚外用剤のpHが、好ましくは4〜8となるように行うことができる。また、本発明の皮膚外用剤のpHの下限値は、好ましくは4.5である。また、本発明の皮膚外用剤のpHの上限値は、好ましくは6.5、さらに好ましくは5.5、さらに好ましくは5.0、さらに好ましくは4.8、特に好ましくは4.7である。

0019

前記アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリーとしては、通常のカルボキシビニルポリマーに加え、「ペムレンTR−1」、「ペムレンTR−2」或いは「カーボポール1382」(何れも、ルーブリゾール・アドバンスドマテリアルズ社製)等の長鎖アルキル基を導入したアルキル変性カルボキシビニルポリマーも使用できる。前記長鎖アルキル基としては、炭素数10〜30のものが好ましい。該アルキル変性されていても良いカルボキシビニルポリマーは、後記アルカリ剤によって、中和されて増粘剤として働き、乳化系を安定化するとともに、皮膚外用剤が塗布された後に形成する皮膜強化する作用を有する。このような効果を奏するためには、該アルキル変性されていても良い、カルボキシビニルポリマー及び/またはその塩は、好ましくは0.3〜1.2質量%、更に好ましくは0.5〜1.0質量%含有される。これは、この量範囲において、好ましい安定性を呈するためである。

0020

前記カルボキシビニルポリマーを増粘させるために、前記皮膚外用剤においては、カルボキシビニルポリマーを中和すべきアルカリ剤が含有される。前記アルカリ剤としては有機アミンが好ましく、例えば、トリエタノールアミントリエチルアミンモノエタノールアミンジイソプロパノールアミンなどが好適に例示できる。中でも、ジイソプロパノールアミンが特に好ましい。
かかる有機アミンは、前記組成物中に0.01〜1.0質量%、好ましくは、0.03〜0.8質量%、更に好ましくは、0.04〜0.5質量%、特に好ましくは、0.08〜0.5質量%含有されることが好ましい。この量範囲において、好ましい粘度を呈するためである。
ここで、アルカリ剤水溶液の添加は、本発明の組成物のpHが、好ましくは4〜8となるように行うことができる。また、本発明の組成物のpHの下限値は、好ましくは4、さらに好ましくは、4.5である。また、本発明の組成物のpHの上限値は、好ましくは、6、さらに好ましくは5.5である。

0021

前記皮膚外用剤は、ノニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする。該ノニオン性界面活性剤としては、ステアリン酸モノグリセリドオレイン酸モノグリセリドなどのモノグリセリド類ソルビタンステアリン酸エステルソルビタンオレイン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル類、POEステアリン酸エステル、POEオレイン酸エステル等のエステル系ノニオン性界面活性剤類、POE硬化されていても良いヒマシ油類、POEソルビタンオレイン酸エステル、POEソルビタンステアリン酸エステルなどのPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEオレイルエーテル、POEセチルエーテルなどのエーテル系ノニオン性界面活性剤類等が好適に例示でき、親水性ノニオン性界面活性剤としては、POE硬化ヒマシ油類及び/又はエーテル系ノニオン性界面活性剤類が好ましく例示でき、これらを両方含有する形態が特に好ましい。また、親油性界面活性剤としては、脂肪酸モノグリセリドが好ましく例示できる。前記皮膚外用剤においては、界面活性剤は実質的にノニオン性界面活性剤のみを用いることが好ましい。これは、曇点が明確に推定できるためである。前記界面活性剤の含有量は、好ましくは総量で3〜7質量%、さらに好ましくは3〜5質量%である。

0022

前記成分以外に、前記皮膚外用剤では、通常皮膚外用剤、化粧料に用いられる任意の成分を含有することが出来る。かかる任意の成分としては、例えば、スクワランワセリンなどの炭化水素類ホホバ油セチルイソオクタネート、ミリスチルイソプロピルなどのようなエステル油剤オリーブ油中鎖脂肪酸トリグリセリドの様なトリグリセリド、1,3−ブタンジオールプロピレングリコールグリセリンポリエチレングリコールの様な多価アルコール、アルキル変性されていても良い、キサンタンガムなどの増粘剤、ステアリン酸、ミリスチル酸、ミリスチン酸ラウリン酸等の脂肪酸乃至はそれらの塩、セトステアリルアルコールベヘニルアルコールイソステアリルアルコールオレイルアルコールなどの高級アルコール等が好適に例示できる。これらの内、脂肪酸はカルボキシビニルの架橋構造を損なう場合があるので、実質的に含有しない形態が好ましい。又、剤形としては、外相が水相である乳化形態が好ましく、かかる剤形を総称して水中油乳化剤形という。分散滴は油滴であっても、乳化物であってもかまわない。

0023

前記皮膚外用剤においては、医薬品としての有効成分を含有する。該有効成分としては、例えば、保湿剤、抗ヒスタミン剤、非ステロイド性抗炎症剤ステロイド(但し、クロベタゾン及びそのエステルを除く)、殺菌剤抗真菌剤抗生剤免疫抑制剤及びビタミン類から選択されるものが好ましく例示できる。保湿剤としては、ヘパリン類似物質或いは尿素などが好ましく例示でき、抗ヒスタミン剤としては、例えば、オロパタジンジフェンヒドラミンなどが好適に例示でき、非ステロイド性抗炎症剤としては、例えば、インドメタシンスプロフェンケトプロフェンケトチフェンなどが好適に例示でき、ステロイドとしては、ハイドロコルチゾンデキサメタゾンプレドニゾロンプロピオン酸クロベタゾール酪酸プロピオン酸ベタメタゾンプロピオン酸ベクロメタゾンフランカルボン酸モメタゾンなどが好適に例示でき、殺菌剤としては、ポピドンヨード塩化ベンザルコニウムグルコン酸クロルヘキシジン等が好ましく例示でき、抗真菌剤としては、テルビナフィンブテナフィンビフォナゾールルリコナゾール等が好適に例示でき、抗生物質としては、アクロマイシンゲンタマイシンペニシリン等が好適に例示でき、抗ウイルス剤としては、アシクロビルアデニンアラビノシド等が好適に例示でき、免疫抑制剤としては、例えば、シクロホスファミドシクロスポリンタクロリムスなどが好適に例示でき、ビタミン類としては、レチノールレチノイン酸アダパレントレチノイントコフェリル等のビタミンA類カルシフェロール、マキサカルトール等のビタミンD類トコフェロール等のビタミンE類ビタミンB12或いはビタミンB6のようなビタミンB類アスコルビン酸アスコルビン酸グルコシドのようなビタミンC類などが好適に例示できる。これらの内、特に好ましいものは難溶性の有効成分である。これは、このような系に含有させることにより、患部への配向性が高まるからである。これらの含有量は、それぞれの薬効、作用用量により異なるが、概ね0.01〜10質量%である。

0024

本発明の皮膚外用剤は、皮膚に塗布する使用態様に近い状況、例えば、温度32℃において、レオロジーを検討した場合、残留粘度も低く、それでいて、キャッソン降伏値が高い製剤であることが好ましい。このような皮膚外用剤は、使用開始時から、使用終了時までのレオロジー特性の変化が少なく、また、保管時の安定性に優れる製剤であることを特徴とする。このような特徴を有することにより、その使用において過敏な肌においても、延展時にかかる物理的負荷を少なくすることができる。そのため、過敏な肌にたいして、一過性の刺激の発現を抑制することが可能となる。従って、本発明の皮膚外用剤は、アトピー性皮膚炎などの治療に外用医薬組成物として投与することができる。このような物性を具体的に表せば、以下のようになる。
(1)32℃の恒温条件下、コーンプレート型粘度計で計測した、残留粘度は200mPa・s以下、より好ましくは190mPa・s以下であり、更に好ましくは、加えて、100mPa・s以上であり、120mPa・s以上であって、且つ、キャッソン(Casson)降伏値は40000mPa以上であり、より好ましくは、42000mPa以上であり、加えて、60000mPa以下であり、より好ましくは50000mPa以下である。
(2)また、本発明の皮膚外用剤は、剪断速度の平方根が、1〜15の変域において、良好な直線性を示すことが好ましい。すなわち、キャッソン(Casson)プロットにおいて、剪断速度の平方根が1〜15の変域での相関係数二乗の値が0.98以上であることが好ましい。通常の皮膚外用剤においては、構造を作っている増粘剤の親水性バランスと、架橋構造に影響を及ぼす界面活性剤の曇点効果などにより、構造変化が起こりやすい。本発明の皮膚外用剤の好ましい形態では、前記変域においても粘弾性の変化について優れた直線性を示すので、上述の構造変化は起こりにくい。
(3)このため、本発明の皮膚外用剤は、使用時においては、使用開始時から、使用終了時までの、延展性などの使用感の変化は極めて少ないという特徴を有する。これにより、敏感な皮膚に対しても与える物理刺激が低い組成物となると推察される。
(4)また、本発明の皮膚外用剤のコーンプレート型粘度計で測定した場合の25℃における粘度は、好ましくは1300mPa・s以上、より好ましくは1400mPa・s以上であり、更に好ましくは1500Pa・s以上、特に好ましくは1600mPa・s以上であり、加えて、好ましくは3000mPa・s以下であり、より好ましくは2000mPa・s以下であり、更に好ましくは1900mPa・s以下である。

0025

本発明の皮膚外用剤のpHの下限値は、好ましくは4、さらに好ましくは、4.5である。また、本発明の組成物のpHの上限値は、好ましくは、6、さらに好ましくは5.5である。

0026

以下に、実施例を示して本発明について更に詳細に説明を加える。

0027

以下に示す処方に従って、皮膚外用剤1を作成した。即ち、(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)の成分を量し、これらの内、(ハ)と(ニ)は室温で撹拌混合溶解し、(イ)と(ロ)は75℃で撹拌混合溶解し、各々の溶解温度で保持した。攪拌下(ロ)に(イ)を徐々に加え乳化し、攪拌冷却し、30℃まで冷却したところで、攪拌下(ハ)を徐々に加えて、一様に混合したところで、更に、(ニ)を徐々に加えて中和し、本発明の皮膚外用剤1を得た。皮膚外用剤1のpHは、4.5であった。

0028

0029

皮膚外用剤1について、コーンプレート型粘度計(装置機種名:RE−80R、製造会社名:東機産業、条件:ローター:3°×R14、測定温度:25℃、回転数:50rpm、測定時間:3分)で測定した。結果は、1733mPa・sであった。

0030

皮膚外用剤1について、スプレッドメーター(装置機種名:IMC−15E2型、製造会社名:井元製作所、条件:試料穴内径:10mm、試料穴深さ:6.37mm、荷重板質量:115g、測定時間:60秒)を用いて、5℃、25℃及び32℃におけるスプレッドメーター直径を計測した。計測は3回行い、その平均と標準偏差を求めたところ、5℃が35.59±0.38mm、25℃が36.60±0.36mm、32℃が38.32±0.44mmであり、この3つの平均の標準偏差は1.38であり、分散は1.9であった。

0031

皮膚外用剤1について、使用性を確認したところ、きわめて良好であり、敏感肌でも一過性の刺激を感じないものであった。

0032

また、本発明の皮膚外用剤1をコーンプレート型粘度計(装置機種名:RE−80R、製造会社名:東機産業、条件:ローター:3°×R14、測定温度:32℃、回転数:1、2.5、5、10、20、50及び100rpm、測定時間:3分)を用いて、剪断速度(D)2〜200(1/s)に対する剪断応力(S)を求め、関係式;√S=a√D+b(a、bは係数)における傾きaの二乗から残留粘度を、切片bの二乗からCasson降伏値を算出した。Cassonプロットは、回帰式√S=0.4276√D+6.81にR2(相関係数の二乗)=0.9887で、直線回帰していることが判明した。また、残留粘度は183mPa・sであり、Casson降伏値は46376mPaであることが判明した。

0033

<比較例1>
処方成分は、本発明の皮膚外用剤1と変わらず、製造方法のみを変えて比較例1の皮膚外用剤を製造した。即ち、表2に示す(イ)、(ロ)、(ハ)を秤量し、これらの内、(イ)と(ロ)は75℃で撹拌混合溶解し、(ハ)は室温で撹拌混合溶解し、各々の溶解温度で保持した。攪拌下(ロ)に(イ)を徐々に加え乳化し、一様になったところで、撹拌冷却し、30℃まで冷却したところで、更に、(ハ)を徐々に加えて中和し、比較例1の皮膚外用剤を得た。比較例1の皮膚外用剤のpHは4.5であった。

0034

0035

比較例1の皮膚外用剤について、コーンプレート型粘度計(装置機種名:RE−80R、製造会社名:東機産業、条件:ローター:3°×R14、測定温度:25℃、回転数:50rpm、測定時間:3分)で測定した。結果は、1133mPa・sであった。

0036

比較例1の皮膚外用剤について、使用性を確認したところ、敏感肌において一過性の刺激を生ずるものであった。

0037

また、この皮膚外用剤のCassonプロットを行い、回帰式を求め、残留粘度と、Casson降伏値を求めたところ、残留粘度は236mPa・sであり、Casson降伏値は24661mPaであることが判明した。また、R2=0.991で、直線回帰していることが判明した。

0038

以下に、皮膚外用剤1と比較例1の皮膚外用剤の物性を示す。
(1)乳化粒子
本発明の皮膚外用剤1と、比較例1の皮膚外用剤の乳化粒子の顕微鏡写真を図1に示す。これより、本発明の皮膚外用剤1は微細で均一な乳化粒子であるのに対し、比較例1の皮膚外用剤は不均一で、且つ、大きな乳化粒子になっていることが判る。

0039

(2)粘度
本発明の皮膚外用剤1と、比較例1の皮膚外用剤について、コーンプレート型粘度計(装置機種名:RE−80R、製造会社名:東機産業、条件:ローター:3°×R14、測定温度:25℃、回転数:50rpm、測定時間:3分)で粘度を測定した。結果は、本発明の皮膚外用剤1が1733mPa・sであり、比較例1の皮膚外用剤は1133mPa・sであった。

0040

(3)80℃での安定性
本発明の皮膚外用剤1と比較例1の皮膚外用剤を80℃で6時間保存し、乳化状態を顕微鏡、及び、肉眼で観察した。80℃で6時間保存した皮膚外用剤の顕微鏡写真を図2に示す。これより、本発明の皮膚外用剤1はこの保存条件でも乳化粒子に変化は見られなかった。一方、比較例1の皮膚外用剤は合一がおこり、粒子荒れていることが判る。又、肉眼所見では、本発明の皮膚外用剤1は変化が見られなかったのに対し、比較例1の皮膚外用剤は二相に分離していることが認められた。

0041

表3、4の処方に基づいて、実施例及び比較例の皮膚外用剤を製造した。実施例の皮膚外用剤については、皮膚外用剤1と同様の方法で調製した。一方、比較例2〜4については、以下の方法で調製した。
即ち、表4に示す(イ)、(ロ)、(ハ)を秤量し、これらの内、(イ)と(ロ)は75℃で撹拌混合溶解し、(ハ)は室温で撹拌混合溶解し、各々の溶解温度で保持した。攪拌下(ロ)に(イ)を徐々に加え乳化し、一様になったところで、撹拌冷却し、30℃まで冷却したところで、更に、(ハ)を徐々に加えて中和し、比較例2〜4の皮膚外用剤を得た。いずれの皮膚外用剤も25℃における粘度は1000〜3000mPa・sであった。

0042

0043

0044

上述した方法により5℃、25℃及び32℃におけるスプレッドメーター直径を3回計測し、その平均と標準偏差を求めた。結果を表5に示す。

0045

0046

表5に示されるとおり、実施例の皮膚外用剤は、何れも分散が1〜4の範囲であったのに対し、比較例の皮膚外用剤は、何れも分散が4より大きかった。

0047

得られた実施例及び比較例の皮膚外用剤について、敏感肌のパネラーにより使用性を評価したところ、実施例の皮膚外用剤については、一過性の刺激を感じることなく塗布することができ、使用感に優れるものであった。一方、比較例の皮膚外用剤については、一過性の刺激を生ずるものであった。

0048

さらに、皮膚外用剤3と比較例3の皮膚外用剤について、敏感肌のパネラー3名により、使用感について評価した。表6に結果を示す。

実施例

0049

0050

本発明は医薬に応用できる。

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