図面 (/)

技術 鍛造クランクシャフトの製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 綿貫裕哉猪口玉樹大野尚仁
出願日 2014年4月10日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2014-081059
公開日 2015年11月12日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2015-199108
状態 特許登録済
技術分野 鍛造
主要キーワード 棒状材料 中間加工品 仕上げ型 トリミング型 仕上げ形状 仕上げ鍛造 実施内容 型打ち

この技術の活用可能性のある市場・分野

関連する未来課題
重要な関連分野

この技術に関連する成長市場

関連メディア astavision

  • ロコモーティブ症候群・関節疾患

    加齢や過負荷のほか、スポーツ損傷や肥満によっても引き起こされる変形性関節症(OA:osteoarth…

  • 太陽光発電・太陽電池・人工光合成

    2015年4月30日、米国の電気自動車ベンチャーTesla Motors社や宇宙開発ベンチャーSpa…

  • 人工筋肉・ソフトアクチュエータ

    人工筋肉とは、ゴムや導電性ポリマー、形状記憶合金、カーボン・ナノチューブなどで作られた伸縮性のアクチ…

後で読みたい技術情報を見つけたら、ブックマークしておきましょう!

ページの右上にあるブックマークボタンからこのページをブックマークできます。
あなたがブックマークした技術情報は、いつでもマイページのリストから閲覧することが出来ます。

この項目の情報は公開日時点(2015年11月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (10)

課題

トリミングの際に鍛造クランクシャフトに生じる重心位置の移動を確実に抑制することが可能な鍛造クランクシャフトの製造方法を提供する。

解決手段

仕上げ型を用いた型鍛造によって仕上げ成形品104を得る仕上げ工程(S14)と、パンチ21とダイ22を備えトリミング型20を用いて仕上げ成形品104をトリミングして、アーム部3とカウンターウェイト部5を有する鍛造クランクシャフト1を得るトリミング工程(S15)と、を備える鍛造クランクシャフト1の製造方法であって、仕上げ工程(S14)の実施回数が所定の回数Aに達したときに、パンチ21を、該パンチ21の型内面21aにおけるカウンターウェイト部5に当接する部位に、鍛造クランクシャフト1の形状からオフセットさせた凸状部たるオフセット部24が形成されたものに交換する。

背景

従来、クランクシャフト製造方法としては、鍛造による方法が広く採用されている。
クランクシャフトの重心位置は、ジャーナル軸心位置に一致することが好ましいが、鍛造により製造されたクランクシャフト(以下、鍛造クランクシャフトと呼ぶ)では、図6に示すように、型打ち回数の増大に伴って鍛造クランクシャフトの重心位置が型打ち方向へ移動するという問題があった。そしてこのような問題は、仕上げ鍛造に用いる型(仕上げ型と呼ぶ)の摩耗起因することが判っていた。

ここで、鍛造クランクシャフトの重心位置が型打ち方向へと移動する理由について、説明をする。
まず、鍛造クランクシャフトの概要について、説明をする。
図7(a)に示すように、鍛造クランクシャフト1は、ジャーナル2に直交する方向に型打ち方向を規定して鍛造され、ジャーナル2に直交し、かつ、型打ち方向に直交する方向に向けて、アーム部3を突出させている。また、一対のアーム部3・3の間にはジャーナル2に平行なピン4を形成し、さらに、アーム部3と位相が180度異なる方向に、カウンターウェイト部5を突出させている。
尚、以下の説明では、図7(a)に示すように、鍛造クランクシャフト1のジャーナル2の軸心位置を原点Oと規定し、ジャーナル2、アーム部3およびカウンターウェイト部5に直交する方向をX軸方向と規定し、ジャーナル2に直交し、アーム部3およびカウンターウェイト部5に平行な方向をY軸方向と規定している。この場合、鍛造クランクシャフト1の型打ち方向は、X軸方向に一致している。

そして、図7(b)に示すように、鍛造クランクシャフト1の重心位置は、型打ち回数の増大に伴ってX軸方向に移動する。

図8(a)(b)には、鍛造クランクシャフト1の製造において、仕上げ型を用いた鍛造により成形される仕上げ成形品104を例示している。
仕上げ成形品104は、トリミング工程において、鍛造クランクシャフト1(図7(a)参照)を切り出す前の態様中間加工品であり、鍛造クランクシャフト1となる部位の周囲にバリ104aが形成されている。

仕上げ成形品104において、カウンターウェイト部5は、図8(b)に示すように、一対のカウンターウェイト部5・5が対面して配置されている。
そして、仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、ピン4で連結された一対のアーム部3・3を成形するための部位に比して、素材に対する仕上げ型の押し込み量(深さ)が大きくなっている。また、仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、一対のカウンターウェイト部5・5で挟まれた狭い部位に対して深く押し込まれる。
このため、仕上げ成形品104を鍛造するための仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、ピン4で連結された一対のアーム部3・3を成形するための部位に比して、早期に摩耗する。

仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位のように摩耗が進行した部位では、型打ち回数の増大に伴って、図9(a)に示すようにバリ104aの境界部に余肉104bが形成される。
余肉が形成されない部位(例えば、アーム部3の周囲)におけるトリミング部位の厚みD1と、カウンターウェイト部5・5の周囲におけるトリミング部位の厚みD2を比較すると、D1<D2となっており、カウンターウェイト部5・5の周囲では、トリミング時におけるせん断長(D2)が、アーム部3の周囲のせん断長(D1)に比して大きくなっている。

アーム部3の周囲とカウンターウェイト部5の周囲でせん断長に差異が生じていると、アーム部3に遅れて(即ち、時間差をもって)カウンターウェイト部5がトリミングされることとなり、トリミング時には、カウンターウェイト部5側が上方に浮き上がるようになる。
そして、トリミング時にカウンターウェイト部5側が上方に浮き上がると、図9(b)に示すように、鍛造クランクシャフト1に肥大変形等の変形が生じ、重心位置Gが移動する。

即ち、従来の鍛造クランクシャフトの製造方法では、仕上げ型による鍛造が終わった時点で(即ち、仕上げ加工品104の状態で)、重心位置の移動が生じていなくても、トリミング工程の段階で、重心位置の移動が生じてしまっていた。
そして、このような重心位置の移動が、鍛造クランクシャフト1に回転アンバランスを生じさせる原因となっていた。

従来、鍛造クランクシャフトにおける回転アンバランスを解消するための技術が種々検討されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示されている。

特許文献1に係る従来の鍛造クランクシャフトの製造方法では、型鍛造荒地加工品を製造する工程において、所定の型打ち回数ごとに、クランクシャフト素地型ずれ量を調整することによって、鍛造クランクシャフトにおける重心位置の移動を抑制する構成としており、これにより、鍛造クランクシャフトにおける回転アンバランスの低減を実現している。

概要

トリミングの際に鍛造クランクシャフトに生じる重心位置の移動を確実に抑制することが可能な鍛造クランクシャフトの製造方法を提供する。仕上げ型を用いた型鍛造によって仕上げ成形品104を得る仕上げ工程(S14)と、パンチ21とダイ22を備えトリミング型20を用いて仕上げ成形品104をトリミングして、アーム部3とカウンターウェイト部5を有する鍛造クランクシャフト1を得るトリミング工程(S15)と、を備える鍛造クランクシャフト1の製造方法であって、仕上げ工程(S14)の実施回数が所定の回数Aに達したときに、パンチ21を、該パンチ21の型内面21aにおけるカウンターウェイト部5に当接する部位に、鍛造クランクシャフト1の形状からオフセットさせた凸状部たるオフセット部24が形成されたものに交換する。

目的

本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、トリミングの際に鍛造クランクシャフトに生じる重心位置の移動を確実に抑制することが可能な鍛造クランクシャフトの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

仕上げ型を用いた型鍛造によって仕上げ成形品を得る仕上げ工程と、パンチとダイ備えトリミング型を用いて前記仕上げ成形品をトリミングして、アーム部とカウンターウェイト部を有する鍛造クランクシャフトを得るトリミング工程と、を備える鍛造クランクシャフトの製造方法であって、前記仕上げ工程の実施回数が所定の回数に達したときに、前記パンチを、該パンチの型内面における前記カウンターウェイト部に当接する部位に、前記鍛造クランクシャフトの形状からオフセットさせた凸状部たるオフセット部が形成されたものに交換する、ことを特徴とする鍛造クランクシャフトの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鍛造クランクシャフト製造方法に関し、より詳しくは、鍛造クランクシャフトの回転アンバランスを低減するためのトリミング方法に関する。

背景技術

0002

従来、クランクシャフトの製造方法としては、鍛造による方法が広く採用されている。
クランクシャフトの重心位置は、ジャーナル軸心位置に一致することが好ましいが、鍛造により製造されたクランクシャフト(以下、鍛造クランクシャフトと呼ぶ)では、図6に示すように、型打ち回数の増大に伴って鍛造クランクシャフトの重心位置が型打ち方向へ移動するという問題があった。そしてこのような問題は、仕上げ鍛造に用いる型(仕上げ型と呼ぶ)の摩耗起因することが判っていた。

0003

ここで、鍛造クランクシャフトの重心位置が型打ち方向へと移動する理由について、説明をする。
まず、鍛造クランクシャフトの概要について、説明をする。
図7(a)に示すように、鍛造クランクシャフト1は、ジャーナル2に直交する方向に型打ち方向を規定して鍛造され、ジャーナル2に直交し、かつ、型打ち方向に直交する方向に向けて、アーム部3を突出させている。また、一対のアーム部3・3の間にはジャーナル2に平行なピン4を形成し、さらに、アーム部3と位相が180度異なる方向に、カウンターウェイト部5を突出させている。
尚、以下の説明では、図7(a)に示すように、鍛造クランクシャフト1のジャーナル2の軸心位置を原点Oと規定し、ジャーナル2、アーム部3およびカウンターウェイト部5に直交する方向をX軸方向と規定し、ジャーナル2に直交し、アーム部3およびカウンターウェイト部5に平行な方向をY軸方向と規定している。この場合、鍛造クランクシャフト1の型打ち方向は、X軸方向に一致している。

0004

そして、図7(b)に示すように、鍛造クランクシャフト1の重心位置は、型打ち回数の増大に伴ってX軸方向に移動する。

0005

図8(a)(b)には、鍛造クランクシャフト1の製造において、仕上げ型を用いた鍛造により成形される仕上げ成形品104を例示している。
仕上げ成形品104は、トリミング工程において、鍛造クランクシャフト1(図7(a)参照)を切り出す前の態様中間加工品であり、鍛造クランクシャフト1となる部位の周囲にバリ104aが形成されている。

0006

仕上げ成形品104において、カウンターウェイト部5は、図8(b)に示すように、一対のカウンターウェイト部5・5が対面して配置されている。
そして、仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、ピン4で連結された一対のアーム部3・3を成形するための部位に比して、素材に対する仕上げ型の押し込み量(深さ)が大きくなっている。また、仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、一対のカウンターウェイト部5・5で挟まれた狭い部位に対して深く押し込まれる。
このため、仕上げ成形品104を鍛造するための仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位は、ピン4で連結された一対のアーム部3・3を成形するための部位に比して、早期に摩耗する。

0007

仕上げ型における一対のカウンターウェイト部5・5を成形するための部位のように摩耗が進行した部位では、型打ち回数の増大に伴って、図9(a)に示すようにバリ104aの境界部に余肉104bが形成される。
余肉が形成されない部位(例えば、アーム部3の周囲)におけるトリミング部位の厚みD1と、カウンターウェイト部5・5の周囲におけるトリミング部位の厚みD2を比較すると、D1<D2となっており、カウンターウェイト部5・5の周囲では、トリミング時におけるせん断長(D2)が、アーム部3の周囲のせん断長(D1)に比して大きくなっている。

0008

アーム部3の周囲とカウンターウェイト部5の周囲でせん断長に差異が生じていると、アーム部3に遅れて(即ち、時間差をもって)カウンターウェイト部5がトリミングされることとなり、トリミング時には、カウンターウェイト部5側が上方に浮き上がるようになる。
そして、トリミング時にカウンターウェイト部5側が上方に浮き上がると、図9(b)に示すように、鍛造クランクシャフト1に肥大変形等の変形が生じ、重心位置Gが移動する。

0009

即ち、従来の鍛造クランクシャフトの製造方法では、仕上げ型による鍛造が終わった時点で(即ち、仕上げ加工品104の状態で)、重心位置の移動が生じていなくても、トリミング工程の段階で、重心位置の移動が生じてしまっていた。
そして、このような重心位置の移動が、鍛造クランクシャフト1に回転アンバランスを生じさせる原因となっていた。

0010

従来、鍛造クランクシャフトにおける回転アンバランスを解消するための技術が種々検討されており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示されている。

0011

特許文献1に係る従来の鍛造クランクシャフトの製造方法では、型鍛造荒地加工品を製造する工程において、所定の型打ち回数ごとに、クランクシャフト素地型ずれ量を調整することによって、鍛造クランクシャフトにおける重心位置の移動を抑制する構成としており、これにより、鍛造クランクシャフトにおける回転アンバランスの低減を実現している。

先行技術

0012

特開2013−121599号公報

発明が解決しようとする課題

0013

上記の通り、鍛造クランクシャフトにおける重心位置の移動は、主にトリミング工程の際に生じてしまうものである。
このため、特許文献1に係る従来のクランクシャフトの鍛造方法のように、トリミング工程の実施内容を変更せずにクランクシャフト素地における型ずれ量を調整するだけの方法では、トリミング工程で生じる重心位置の移動を十分に抑制することができなかった。

0014

本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、トリミングの際に鍛造クランクシャフトに生じる重心位置の移動を確実に抑制することが可能な鍛造クランクシャフトの製造方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0015

本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。

0016

即ち、請求項1においては、仕上げ型を用いた型鍛造によって仕上げ成形品を得る仕上げ工程と、パンチとダイ備えトリミング型を用いて前記仕上げ成形品をトリミングして、アーム部とカウンターウェイト部を有する鍛造クランクシャフトを得るトリミング工程と、を備える鍛造クランクシャフトの製造方法であって、前記仕上げ工程の実施回数が所定の回数に達したときに、前記パンチを、該パンチの型内面における前記カウンターウェイト部に当接する部位に、前記鍛造クランクシャフトの形状からオフセットさせた凸状部たるオフセット部が形成されたものに交換するものである。

発明の効果

0017

本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。

0018

請求項1においては、鍛造クランクシャフトの製造において、トリミング工程で生じる重心移動を抑制することができる。これにより、鍛造クランクシャフトにおける回転アンバランスを確実に抑制することができる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフトの製造方法を示す模式図。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフトの製造方法の流れを示すフロー図。
本発明の一実施形態に係る製造方法により製造される鍛造クランクシャフトを示す模式図、(a)正面視模式図、(b)軸方向視模式図。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフトの製造方法におけるトリミング工程の実施状況を示す模式図。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフトの製造方法を採用した場合における型打ち回数と型打ち方向への重心位置の移動との関係を示す図。
型打ち回数と型打ち方向への重心位置の移動との関係を示す図。
従来の鍛造クランクシャフトにおける重心位置の移動状況を示す図、(a)鍛造クランクシャフトにおける型抜き方向を示す図、(b)型抜き方向と重心位置の移動方向との関係を示す図。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフトの製造方法において生成される仕上げ成形品を示す模式図、(a)軸方向視模式図(b)正面視模式図。
従来の仕上げ成形品を示す図、(a)鍛造型の摩耗が仕上げ成形品に及ぼす影響を示す模式図、(b)仕上げ成形品における重心位置の移動状況を示す模式図。

実施例

0020

次に、発明の実施の形態を説明する。
ここではまず、鍛造クランクシャフトの製造工程の流れについて、図1図3図8を用いて、説明をする。
本実施形態で示す鍛造クランクシャフトの製造工程は、図1に示すように、円柱状の棒状材料101を鍛造することによって、最終的にクランクシャフト1(以下、鍛造クランクシャフト1と呼ぶ)を製造するものである。

0021

図2に示す如く、まず始めに、鍛造クランクシャフト1(図1(f)参照)の最終形状・寸法等に基づく直径を有する円柱状のビレットを所定の長さに切断する切断工程(S10)を実行し、鍛造クランクシャフト1の鍛造に使用する棒状材料101(図1(a)参照)を得る。

0022

次に、棒状材料101を、例えば、約1200℃以上の所定の温度まで加熱する加熱工程(S11)を実行する。
次に、予備成形工程(S12)を実行し、加熱された棒状材料101に対して曲げ加工等を施して、鍛造クランクシャフト1の最終形状に近づけた予備成形品102(図1(b)参照)を得る。

0023

次に、予備成形品102の角部等を単純化した荒地形状に型鍛造する荒地工程(S13)を実行し、荒地成形品103(図1(c)参照)を得る。荒地成形品103の周囲にはバリ103aが形成されている。

0024

次に、荒地成形品103を仕上げ形状に型鍛造する仕上げ工程(S14)を実行し、仕上げ成形品104(図1(d)参照)を得る。
仕上げ成形品104の周囲には、バリ103aが変形してバリ104a(図1(e)参照)が形成されている。

0025

次に、仕上げ成形品104からバリ104aを除去するトリミング工程(S15)を実行する。
図8(a)(b)に示すように、仕上げ成形品104には、ジャーナル2、アーム部3、ピン4、カウンターウェイト部5、となる各部位が既に形成されており、トリミング工程(S15)において、仕上げ成形品104からバリ104aを除去することで、図1(f)に示すような最終成形品である鍛造クランクシャフト1が得られる。

0026

そして、トリミング工程(S15)を経て得られた鍛造クランクシャフト1に対して検査工程(S16)を実行し、傷や変形が無いことを確認した後で、後工程へと送られる。
以上が、鍛造クランクシャフト1の製造工程の一連の流れである。

0027

尚、本実施形態では、切断工程(S10)〜検査工程(S16)を備える鍛造クランクシャフト1の製造方法を例示しているが、鍛造クランクシャフト1の製造方法では、その他にも例えば、鍛造クランクシャフト1に表面処理を施すサンドブラスト工程や鍛造クランクシャフト1を冷却する工程等も備えており、上記工程以外の工程を含む場合もある。

0028

一連の鍛造工程を経て得られた鍛造クランクシャフト1は、図3(a)(b)に示すように、ジャーナル2、アーム部3、ピン4、カウンターウェイト部5等を備えている。
ジャーナル2は、鍛造クランクシャフト1における不連続な軸を構成する部位であり、ジャーナル2の端部には当該ジャーナル2から半径方向外側に突出するアーム部3・3が形成され、一対のアーム部3・3の間に当該アーム部3・3を連結する軸部たるピン4が形成され、さらに、アーム部3・3の突出方向とは反対側に、アーム部3・3とのつり合いをとるための部位であるカウンターウェイト部5・5が形成されている。

0029

ここで、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法におけるトリミング工程(S15)の実施内容について、図4を用いてさらに詳細に説明をする。
トリミング工程(S15)は、トリミング型を用いて、仕上げ成形品104からバリ104aを除去する工程であり、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、図4に示すようなトリミング型20を用いて、トリミング工程(S15)を実施する構成としている。

0030

トリミング型20は、パンチ21、ダイ22、受け部材23からなり、パンチ21の型内面21aの形状は、概ね鍛造クランクシャフト1の外形形状に一致している。
パンチ21は、仕上げ成形品104における鍛造クランクシャフト1となる部位を押圧するための工具であり、型内面21aは、トリミングの際には、鍛造クランクシャフト1として切り取られる部位(ジャーナル2、アーム部3、ピン4、カウンターウェイト部5)に隙間なく沿うように宛がわれる。
ダイ22は、型抜き方向における鍛造クランクシャフト1の外形形状に略一致した孔状のダイ刃22aが形成された工具であり、仕上げ成形品104をパンチ21で押しこんでダイ刃22aに通過させることで、仕上げ成形品104からバリ104aが除去される構成としている。
受け部材23は、ダイ刃22aを通過して切り取られた鍛造クランクシャフト1が落下しないように受けるための部位であり、その内面23aは、鍛造クランクシャフト1の外形形状に略一致している。
そして、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、パンチ21の型内面21aにおいて、部分的に鍛造クランクシャフト1の外形形状に対してオフセットさせた凸状の部位であるオフセット部24を形成する構成としている。

0031

オフセット部24は、パンチ21の型内面21aに形成された鍛造クランクシャフト1に沿う形状から部分的に突出する部位である。
オフセット部24は、トリミング工程(S15)において、パンチ21の型内面21aを鍛造クランクシャフト1として切り取られる部位に沿わせるよりも前に、仕上げ成形品104におけるカウンターウェイト部5に対して当接させることができる部位として構成される。

0032

カウンターウェイト部5に対するトリミングの進展が、アーム部3に対するトリミングの進展に比して遅れた場合、カウンターウェイト部5には、図4において、反時計回り回転される応力が作用し、カウンターウェイト部5が上方に浮き上がるように変位しようとする。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、カウンターウェイト部5に対するトリミングの進展に先行して、カウンターウェイト部5にオフセット部24を当接させる構成としており、これによりカウンターウェイト部5の浮き上がりを防止するとともに、カウンターウェイト部5の変形を抑制する構成としている。

0033

オフセット部24は、トリミングの進展が遅れる部位に当接させるものである。
鍛造クランクシャフト1では、アーム部3・3の周囲における余肉部104bに比して、カウンターウェイト部5の周囲における余肉部104bの厚みが大きいため、カウンターウェイト部5におけるトリミングの進展が遅れる性質がある。
このため、鍛造クランクシャフト1の製造に用いるトリミング型20では、オフセット部24を、型内面21aにおけるカウンターウェイト部5に当接する位置に形成するのが最も好ましい。
尚、オフセット部24の形成位置は、型内面21aの範囲内で適宜調整してもよい。

0034

ここで、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法における、重心位置の移動を抑制する方法について説明をする。
本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、重心位置Gが図4中に示す上側に移動するのを抑制する構成としている。
鍛造クランクシャフト1において、重心位置Gの移動が生じないように、カウンターウェイト部5の図4における上部を押圧することで、カウンターウェイト部5が上方に浮き上がるのを規制する構成としている。

0035

トリミング工程(S15)では、カウンターウェイト部5が上方に浮き上がるのを規制しながら、パンチ21を下降させて、最終的に鍛造クランクシャフト1として切り取られる部位(ジャーナル2、アーム部3、ピン4、カウンターウェイト部5)に隙間なく型内面21aを沿わせつつ宛がった状態で、鍛造クランクシャフト1を切り出している。

0036

そして本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、図5に示す如く、仕上げ型の型打ち回数が回数Aとなったときに、オフセット部24を有するパンチ21に交換する構成としている。
また本実施形態では、仕上げ型の寿命を仕上げ型の型打ち回数で回数2Aと規定しており、型打ち回数が2Aに達したときには仕上げ型を交換する。そして、仕上げ型を交換するときには、パンチ21を、オフセット部24を有していないものに交換する。
即ち、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法では、仕上げ型の型打ち回数を管理し、型打ち回数が所定の回数Aとなったときにトリミング型20(パンチ21)を変更することで、定期的に重心位置Gの移動をキャンセルさせる構成としている。

0037

このような構成により、鍛造クランクシャフト1における重心位置Gの移動範囲を所定の範囲B(図5参照)に収めることが可能になり、従来に比して鍛造クランクシャフト1における回転アンバランスを低減させることができる。
仮にパンチ21を交換しない場合には、仕上げ型の型打ち回数の増大に伴って重心位置の移動量が増大し、型打ち回数が回数2Aとなるときには、重心位置は範囲2Bまでずれる。一方、型打ち回数が回数Aとなるときにパンチ21を交換することで、鍛造クランクシャフト1における重心位置Gの移動範囲を常に範囲Bに収めることが可能になる。
尚、本実施形態では、仕上げ型が寿命に達する前に、パンチ21を1回だけ交換する構成としているが、1つの仕上げ型が寿命に達するまでにパンチ21を2回以上交換する構成としてもよい。これにより、さらに重心位置Gの移動範囲をさらに狭くすることができる。

0038

即ち、本発明の一実施形態に係る鍛造クランクシャフト1の製造方法は、仕上げ型を用いた型鍛造によって仕上げ成形品104を得る仕上げ工程(S14)と、パンチ21とダイ22を備えるトリミング型20を用いて仕上げ成形品104をトリミングして、アーム部3とカウンターウェイト部5を有する鍛造クランクシャフト1を得るトリミング工程(S15)と、を備えるものであって、仕上げ工程(S14)の実施回数が所定の回数Aに達したときに、パンチ21を、該パンチ21の型内面21aにおけるカウンターウェイト部5に当接する部位に、鍛造クランクシャフト1の形状からオフセットさせた凸状部たるオフセット部24が形成されたものに交換する構成としている。
このような構成により、鍛造クランクシャフト1の製造において、トリミング工程(S15)で生じる重心移動を抑制することができる。これにより、鍛造クランクシャフト1における回転アンバランスを確実に抑制することができる。

0039

1鍛造クランクシャフト
3アーム部
5カウンターウェイト部
20トリミング型
21パンチ
22 ダイ
21a型内面
24オフセット部
104 仕上げ成形品

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する未来の課題

関連する公募課題

ページトップへ

おすすめの成長市場

関連メディア astavision

  • 地下大空間・地下構造物

    周口店洞窟の北京原人、ラスコーやアルタミラの壁画洞窟に象徴されるように、人類は太古から地下空間を生活…

  • ワクチンと自然免疫制御

    2009年6月、世界保健機関(WHO)は、新型インフルエンザA(N1H1)のパンデミック(pande…

  • 生体情報デバイス・バイオセンサ

    「音楽を学習した人工知能は、人間を感動させることができるか?」をテーマに、クラブイベント「2045」…

ページトップへ

新着 最近公開された関連が強い技術

  • NTN株式会社の「等速自在継手の外側継手部材の鍛造方法」が公開されました。(2017/08/24)

    【課題】等速自在継手の外側継手部材を、鍛造金型の低コスト化、長寿命化を図ると共に、高精度のトラック溝の成形を可能にする鍛造方法を提供する。【解決手段】外側継手部材の鍛造方法は、軸部と軸部の一端に形成さ ... 詳細

  • 株式会社栗本鐵工所の「直列式複動シリンダ及びそれを備えた鍛造プレス」が公開されました。(2017/08/17)

    【課題】直列式複動シリンダにおいて、第1ピストンと第2ピストンとが直列に配置された場合でも、第1ピストンと第2ピストンの変位を確実に検出できるようにする。【解決手段】第1シリンダチューブ32と、その内 ... 詳細

  • 株式会社ヤマナカゴーキンの「金属塑性加工装置」が公開されました。(2017/08/17)

    【課題】成形ピンの焼き付きを防止して耐久性を向上できると共に、成形ピン交換等の保守点検頻度を軽減でき、しかも、安定して高精度に成形可能な金属塑性加工装置を提供する。【解決手段】放射状に配設され先端にワ ... 詳細

この技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この技術と関連する未来の課題

関連する未来の課題一覧

この技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ