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技術 医用画像診断装置

出願人 日立アロカメディカル株式会社
発明者 長野智章
出願日 2012年8月10日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2012-178570
公開日 2015年11月12日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-198672
状態 未査定
技術分野 超音波診断装置 磁気共鳴イメージング装置 放射線診断機器
主要キーワード 閾値線 空間的移動 追跡演算 基礎形状 ループ形 信頼性評価値 四角型 図形的特徴
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月12日)のものです。
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図面 (16)

課題

生体組織(例えば、心臓)の挙動を評価する指標として基準点を算出することにより、基準点の移動値に基づいて生体組織全体の挙動を分析することができ、基準点の移動値を2D又は3D画像上でリアルタイムに算出して表示することにより、リアルタイムに生体組織の状態をモニタすることができる医用画像診断装置を提供する。

解決手段

本発明の医用画像診断装置は、生体組織の医用画像を生成する医用画像生成部と、前記医用画像における前記生体組織の動作領域の位置を設定する動作位置設定部と、複数の前記動作領域の位置から前記生体組織の基準点の移動値を算出する基準点算出部と、前記基準点の移動値に基づいて、前記生体組織の挙動を分析する分析部とを備える。

概要

背景

従来の生体組織挙動分析する医用画像診断装置として、心臓壁運動計測を行い、その心臓壁運動パラメータの大きさとタイミングから、心臓局所的な心臓壁運動の非同期性の程度に関する指標を算出する超音波診断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

概要

生体組織(例えば、心臓)の挙動を評価する指標として基準点を算出することにより、基準点の移動値に基づいて生体組織全体の挙動を分析することができ、基準点の移動値を2D又は3D画像上でリアルタイムに算出して表示することにより、リアルタイムに生体組織の状態をモニタすることができる医用画像診断装置を提供する。 本発明の医用画像診断装置は、生体組織の医用画像を生成する医用画像生成部と、前記医用画像における前記生体組織の動作領域の位置を設定する動作位置設定部と、複数の前記動作領域の位置から前記生体組織の基準点の移動値を算出する基準点算出部と、前記基準点の移動値に基づいて、前記生体組織の挙動を分析する分析部とを備える。

目的

本発明の目的は、生体組織全体の挙動を分析可能とする医用画像診断装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

生体組織医用画像を生成する医用画像生成部と、前記医用画像における前記生体組織の動作領域の位置を設定する動作位置設定部と、複数の前記動作領域の位置から前記生体組織の基準点移動値を算出する基準点算出部と、前記基準点の移動値に基づいて、前記生体組織の挙動分析する分析部とを備えることを特徴とする医用画像診断装置

請求項2

前記分析部における前記基準点の移動値は、前記基準点の位置、方向、軌跡変位、速度、加速度速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項3

前記分析部における前記基準点の移動値は、前記基準点に対する相対的な前記動作領域の位置、方向、軌跡、変位、速度、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項4

前記動作位置設定部は、前記医用画像における前記生体組織の断面画像判別する画像判別部と、前記断面画像に基づいて前記生体組織の輪郭を抽出する輪郭抽出部と、前記輪郭に設定された前記動作領域の位置を追跡する追跡部と、前記画像判別部の判別結果、前記輪郭抽出部の抽出結果、及び前記追跡部の追跡結果の少なくとも1つを評価する評価部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項5

前記動作位置設定部は、前記生体組織の断面画像における前記生体組織の輪郭を抽出して、前記輪郭に前記動作領域の位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項6

前記動作位置設定部は、前記生体組織の三次元画像における前記生体組織の輪郭を抽出して、前記輪郭に前記動作領域の位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項7

前記生体組織の生体信号を生成する生体信号生成部を備え、前記動作位置設定部は、前記生体信号に同期して前記動作領域の位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項8

前記医用画像生成部は、前記生体組織である心臓の医用画像を生成し、前記動作位置設定部は、前記医用画像における前記心臓の輪郭に動作領域の位置を設定し、前記基準点算出部は、複数の前記動作領域の位置から前記心臓の基準点の移動値を算出し、前記分析部は、前記基準点の移動値に基づいて、前記心臓の全体の挙動を分析することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項9

前記医用画像生成部は、前記生体組織である血管の医用画像を生成し、前記動作位置設定部は、前記医用画像における前記血管の輪郭に動作領域の位置を設定し、前記基準点算出部は、複数の前記動作領域の位置から前記血管の基準点の移動値を算出し、前記分析部は、前記基準点の移動値に基づいて、前記血管の全体の挙動を分析することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項10

前記動作位置設定部は、前記生体組織の短軸方向断面に前記動作領域の位置を設定し、前記基準点算出部は、複数の前記動作領域の位置から前記生体組織の基準点の移動値を算出することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項11

前記分析部の分析結果を表示する表示部を備え、前記動作位置設定部は、前記生体組織の複数の短軸方向断面に前記動作領域の位置をそれぞれ設定し、前記基準点算出部は、前記複数の短軸方向断面のそれぞれにおいて前記基準点の移動値を算出し、前記分析部は、前記基準点の移動値に基づいて、前記複数の短軸方向断面のそれぞれにおいて前記生体組織全体の挙動を分析し、前記表示部は、前記短軸方向断面の長軸方向位置を第1の軸とし、時間を第2の軸として、前記分析結果を表示することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項12

前記基準点算出部は、複数の前記動作領域の重心を前記基準点として算出することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項13

前記動作位置設定部は、前記生体組織の長軸に略垂直な断面において、前記長軸に対向する位置に2つの前記動作領域の位置を設定し、前記基準点算出部は、前記2つの動作領域の中点を前記基準点として算出することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項14

前記生体組織の異常時に生じる前記基準点の異常移動値を入力する入力部を備え、前記分析部は、前記基準点の移動値を前記異常移動値と比較することにより、前記生体組織全体の挙動を分析することを特徴とする請求項1に記載の医用画像診断装置。

請求項15

生体組織の医用画像を生成し、前記医用画像における前記生体組織の動作領域の位置を設定し、複数の前記動作領域の位置から前記生体組織の基準点の移動値を算出し、前記基準点の移動値に基づいて、前記生体組織の挙動を分析することを特徴とする医用画像分析方法

技術分野

0001

本発明は、医用診断装置に関し、特に、生体組織挙動分析する医用画像診断装置に関する。

背景技術

0002

従来の生体組織の挙動を分析する医用画像診断装置として、心臓壁運動計測を行い、その心臓壁運動パラメータの大きさとタイミングから、心臓局所的な心臓壁運動の非同期性の程度に関する指標を算出する超音波診断装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2012−5708号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1の超音波診断装置は、心臓(生体組織)の局所的な動き解析に止まり、心臓全体の動きを考慮したパラメータではなかった。

0005

本発明の目的は、生体組織全体の挙動を分析可能とする医用画像診断装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明の医用画像診断装置は、生体組織の医用画像を生成する医用画像生成部と、前記医用画像における前記生体組織の動作領域の位置を設定する動作位置設定部と、複数の前記動作領域の位置から前記生体組織の基準点移動値を算出する基準点算出部と、前記基準点の移動値に基づいて、前記生体組織の挙動を分析する分析部とを備える。

発明の効果

0007

本発明は、生体組織全体の挙動を分析可能とする医用画像診断装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0008

第1の実施の形態における超音波診断装置の概略を示すブロック図である。
第1の実施の形態の超音波診断装置(医用画像診断装置)の動作を例示的に示したフローチャートである。
第1の実施の形態の表示部に表示された超音波画像(医用画像)、情報、及び信号などを例示的に示した図である。
指標算出部が重心(基準点)の移動値に基づいて指標を算出することを示した図である。
指標算出部が重心(基準点)の移動値に基づいてループ状軌跡分類することを示した図である。
分析部が基準点に対する相対的な動作領域の指標に基づいて生体組織の挙動を分析することを示した図である。
基準点に対する相対的な動作領域の指標に基づいて生体組織の挙動を分析することを示したフローチャートである。
生体組織の複数の短軸方向断面に動作領域がそれぞれ設定されることを示した図である。
3D(三次元レンダリングにより立体的に生成された超音波画像(医用画像)を示す図である。
生体組織の三次元画像において生体組織の挙動を分析することを示した図である。
シミュレーションを行う特定の疾患を入力するための疾患入力ウィンドウを示した図である。
第2の実施の形態の表示部に表示された超音波画像(医用画像)、情報、及び信号などを例示的に示した図である。
短軸方向断面(短軸像)の長軸方向位置を第1の軸とし、時間を第2の軸として、分析部の分析結果を表示することを示したフローチャートである。
基準点が2つの追跡点(動作領域)の中点である場合を示した図である。
生体組織が血管である場合を示した図である。

実施例

0009

(第1の実施の形態)
以下、本発明の医用画像診断装置の一実施形態について図面を用いて説明する。医用画像診断装置は、被検体診断部位断層画像が得られればよく、MRI装置X線CT装置、超音波診断装置の何れであってもよい。MRI装置は、被検体に外部から静磁場を作用させた後、被検体内での各組織ごとの緩和現象傾斜磁場により特定した二次元ないし三次元の位置情報により断層画像を生成するものである。X線CT装置は、被検体の周囲を線源検出器が回転し、被検体はX線を全方位から受け、照射されたX線は検査対象を通過し、対象に一部吸収されて減衰した後、線源の反対側に位置するX線検出装置に到達し記憶される。それぞれの方向でどの程度吸収されたかを記憶した後、コンピュータで断層画像をフーリエ変換再構成するものである。本実施形態では、医用画像装置の代表例を超音波診断装置によって得られる被検体の診断部位の断層画像を得て、得られた断層画像を用いた三次元画像を構成する例で説明するが、上記MRI装置及びX線CT装置によって得られる断層画像にも採用可能である。

0010

図1は、本実施の形態における超音波診断装置の概略を示すブロック図である。矢印は、各構成要素間のデータ(又は、信号)の入出力(又は、送受信)を表す。図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波信号生成部3と、超音波画像生成部(医用画像生成部)4と、生体信号生成部5と、画像認識部(動作位置設定部)6と、重心算出部(基準点算出部)11と、分析部12と、入力部14と、出力画像生成部16と、表示部17と、記憶部18と、制御部19とを備える。画像認識部6は、画像判別部7と、輪郭抽出部8と、追跡部9と、評価部10とを備える。分析部12は、指標算出部21と、判定部22と、指標設定部23とを備える。

0011

超音波信号生成部3は、探触子(図示せず)及び超音波信号送受信部(図示せず)を通して被検体2の生体組織に照射される超音波信号を生成する。探触子は、振動子から生体組織に対して超音波信号を送受信する。探触子には、リニア型コンベックス型セクタ型などのタイプ(又は、走査方法)がある。超音波信号送受信部は、探触子との間で、電気化された超音波信号を送受信する。超音波信号送受信部は、超音波の送受信のパワーやタイミングの情報を制御部19から受け取り、所望の超音波信号が得られるように、超音波の送受信を制御する。超音波信号送受信部により受信された超音波信号は、整相回路増幅回路に通されて、超音波診断装置1の撮像設定に従って信号処理が施される。

0012

超音波画像生成部4は、超音波診断装置1の撮像設定(例えば、超音波ビーム走査範囲ゲイン設定など)に基づいて、被検体2の生体組織の超音波画像(医用画像)を超音波信号から生成する。超音波画像は、撮像設定によって決定されるフレームレートに従って常時更新される。そして、超音波画像生成部4が生成する超音波画像は、出力画像生成部16を通して、表示部17によって映像として超音波診断装置1の画面に表示される。また、超音波画像生成部4によって生成される超音波画像は、記憶部18によって記憶媒体に記憶される。

0013

生体信号生成部5は、被検体2の生体信号(例えば、心電図や心音図など)を受信し、生体信号データに変換する。生体信号データは、画像認識部6の処理のタイミング(同期タイミング)を決定するために用いられる。また、生体信号データは、出力画像生成部16を通して表示部17及び記憶部18に出力される。生体信号には、生体組織の脈動を示す信号が含まれる。

0014

画像認識部(動作位置設定部)6は、医用画像における生体組織の動作領域の位置を設定する。本実施の形態では、画像認識部(動作位置設定部)6は、生体組織の断面画像(心臓の短軸像)における生体組織の輪郭を抽出して、輪郭に動作領域の位置を設定する。動作領域は、生体組織が動いている部分であり、生体組織の輪郭(例えば、心臓の心臓壁や血管の血管壁など)が含まれる。心臓や血管などの輪郭が、動作領域として自動的に設定されてもよい。また、画像認識部(動作位置設定部)6は、生体信号生成部5により生成された生体信号データのタイミングに基づいて、超音波画像生成部4で生成された超音波画像(医用画像)を入力して、超音波画像の種類判別(例えば、断面画像の種類判別)を行い、生体組織の輪郭を抽出し、輪郭に動作領域の位置を設定し、動作領域の位置を追跡し、画像認識の正確性を評価する(例えば、画像判別部7の種類判別結果の正確性の評価、輪郭抽出部8の抽出結果の正確性の評価、及び追跡部9の追跡結果の正確性の評価を行う)。画像認識部(動作位置設定部)6は、追跡部9の追跡結果を重心算出部(基準点算出部)11に出力し、画像認識の正確性評価の結果を出力画像生成部16にそれぞれ出力する。

0015

画像判別部7は、超音波画像(医用画像)における生体組織の断面画像を判別する。本実施の形態では、画像判別部7は、超音波画像生成部4から入力された超音波画像の断面の種類を判別する。例えば、生体信号が心電図である場合、R波に同期させて、心臓左室超音波画像が、超音波画像生成部4から画像判別部7に入力される。この場合、断面の種類は、基本5断面(傍胸骨短軸像、傍胸骨長軸像、心尖部二腔像、心尖部長軸像、及び心尖部四腔像)や3D画像などである。断面を種類判別する方法としては、主成分分析ブースティングなどのパターン認識を利用した方法が適用される。判別された断面の種類情報は、輪郭抽出部8で利用される。

0016

輪郭抽出部8は、医用画像における生体組織の断面画像に基づいて、生体組織の輪郭を抽出する。本実施の形態では、輪郭抽出部8は、心臓左室の輪郭を抽出する。画像判別部7で判別された断面の種類に応じて、適切な輪郭抽出方法が選択される。例えば、短軸像であれば円形状の輪郭となるように、長軸像であれば半楕円状の輪郭となるように、3D画像であれば釣鐘状の輪郭となるように、心臓左室の輪郭が抽出される。輪郭を抽出する方法としては、心臓壁エッジ検出心腔領域分割、動的輪郭モデルなどの方法が適用される。輪郭に設定された動作領域の位置の座標情報は、追跡部9で利用される。

0017

追跡部9は、生体組織に設定された動作領域の位置を追跡する。本実施の形態では、追跡部9は、生体組織の輪郭に設定された動作領域の位置を追跡する。例えば、追跡部9は、輪郭抽出部8により左室輪郭に設定された左室輪郭の位置を座標情報に基づいて追跡し、左室輪郭の位置の時間変化を算出する。本実施の形態では、輪郭抽出部8により抽出された輪郭上に追跡点(動作領域)の位置が設定されて、追跡部9が追跡点の追跡演算を行う。追跡点は、断面画像の輪郭上に等間隔に設定してもよい。また、心臓を局所で評価するために通常用いられる17分画法(又は、16分画法)に基づき、心臓の各分画に同数の追跡点が設定されてもよい。さらに、心臓運動の計測に求められる正確性に応じて、追跡点の数を調整するようにしてもよい。

0018

追跡部9は、超音波画像生成部4から順次画像を入力して、画像フレーム間の追跡点(動作領域)の移動量(移動値)を順次算出して追跡演算を行う。すなわち、追跡部9は、各々のフレームにおける輪郭(動作領域)の位置を座標情報として算出する。これにより、追跡部9は、追跡点の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度速度ベクトル、及び加速度ベクトルを算出することができる。

0019

本実施の形態では、追跡部9は、生体信号生成部5により生成される生体信号に同期して追跡点(動作領域)の位置を設定する。例えば、追跡部9は、心電図のR波に同期して、R波から次のR波までの1心拍分のフレームについて、心臓の輪郭に追跡点を設定し、追跡演算を行ってもよい。すなわち、R波から次のR波までのフレームにおける追跡点(動作点)の追跡を1単位として、画像判別部7、輪郭抽出部8、及び追跡部9の少なくとも1つは、R波に同期して動作してもよい。この場合、画像判別部7、輪郭抽出部8、及び追跡部9の少なくとも1つは、R波が入力されるごとに、超音波画像の種類判別、生体組織の輪郭の抽出、追跡点(動作領域)の位置の設定、又は追跡点(動作領域)の位置の追跡を繰り返す。追跡部9の追跡演算には、ブロックマッチング法光学勾配法などの追跡点(動作領域)の移動量算出方法が用いられる。追跡部9の追跡結果は、重心算出部(基準点算出部)11で利用される。

0020

評価部10は、画像判別部7の判別結果、輪郭抽出部8の抽出結果、及び追跡部9の追跡結果の少なくとも1つを評価する。つまり、評価部10は、画像判別部7、輪郭抽出部8、及び追跡部9の処理について、正確に画像認識しているか否かを評価する。画像判別部7の判別結果の評価では、評価部10は、探触子が被検体2に適切に接触しているか否か、又は標準的な断面画像と比べて正確に断面画像が描出されているか否かを評価する。例えば、評価部10は、主成分分析やブースティング演算信頼性評価値によって、断面画像が正確に描出されているか否かを評価する。輪郭抽出部8の抽出結果の評価では、評価部10は、輪郭の抽出が正確に実行されたか否かを評価する。例えば、評価部10は、心臓壁エッジ検出、心腔領域分割、及び動的輪郭モデルなどの信頼性評価値によって、輪郭が正確に抽出されているか否かを評価する。追跡部9の追跡結果の評価では、評価部10は、追跡点(動作領域)の位置を正確に追跡できたか否かを評価する。例えば、評価部10は、ブロックマッチング法や光学勾配の信頼性評価値によって、追跡点が正確に追跡されているか否かを評価する。評価部10の評価結果は、出力画像生成部16を通して、表示部17と記憶部18に出力される。検者は、評価部10の評価結果を見ながら、画像認識の正確性を評価することで、正確に種類判別及び輪郭抽出が行われ、結果として正確に追跡点(動作領域)の位置の追跡が行われるように、探触子を操作したり、超音波画像(医用画像)の画質の調整を行ったりすることができる。

0021

重心算出部(基準点算出部)11は、複数の動作領域(追跡点)の位置から生体組織の基準点の移動値を算出する。本実施の形態では、重心算出部(基準点算出部)11は、複数の動作領域(追跡点)の重心を基準点として算出する。重心算出部(基準点算出部)11は、追跡部9により算出された各々のフレームにおける追跡点の位置情報(座標情報)を利用して、重心の位置を座標情報として算出する。

0022

本実施の形態では、生体組織は心臓である。心臓壁(生体組織の動作領域)が、心腔内の所定の点に向かって同期して移動すれば、心臓は効率良く血液を駆出できる。つまり、その所定の点を基準点とすれば、心臓(生体組織)の挙動が正常である場合、基準点の移動量は少なくなる。つまり、基準点(重心)の移動量が少なければ、心臓は効率良く血液を駆出している。このように、基準点(重心)の位置が所定の範囲内で安定していることが、生体組織全体の挙動の正常性を表している。本実施の形態では、基準点(重心)の移動値が、心臓の収縮拡張同期性を示す指標になる。

0023

心臓の動きの同期性は、局所心筋の動きのタイミングで評価できる。正常な心臓であれば、心筋が同期して収縮拡張し、心臓は安定して効率良く血液を駆出できる。逆に、正常でない心臓であれば、心筋の収縮拡張に異常が生じるので、心筋が非同期して収縮拡張し、心臓は効率の悪い駆出となる。心筋の非同期性が進行すると、治療が必要となる。
本実施の形態における超音波診断装置(医用画像診断装置)1では、基準点の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析することで、例えば、心臓の収縮拡張の同期性を評価して、生体組織の挙動の正常性が分析されたり、心筋の非同期性の治療を行った場合の治療効果が分析されたりする。治療効果を得るために、心臓壁の局所的な動きの異常を定量的に計測し、心臓動態が分析されてもよい。心筋の非同期性の治療の一例として、例えば、心臓再同期療法(CRT、Cardiac Resynchronization Therapy)が採用される。心臓再同期療法では、ペースメーカ本体を体内に埋め込み、リードを心臓に埋め込む手術が行われる。本実施の形態の医用画像診断装置及び医用画像分析方法によれば、手術中に生体組織の挙動の正常性(心臓の収縮拡張の同期性)を分析しながら、X線透視によって器具を調整(電極配置調整、電極の出力調整、及び電極の出力タイミング調整など)することができる。また、超音波診断装置1によって心臓の画像を表示して、心臓の状態を観察することができる。

0024

本実施の形態では、分析部12が、基準点(重心)の移動値に基づいて、生体組織の挙動(例えば、心臓の収縮拡張の同期性)を分析する。心腔の形状変形に関し、主に心臓壁部に略垂直な断面(短軸方向断面)における心筋運動が心臓の収縮拡張に寄与するので、画像認識部(動作位置設定部)6は、心臓(生体組織)の短軸方向断面(短軸像)において動作領域の位置を設定し、重心算出部(基準点算出部)11は、生体組織の短軸方向断面において重心(基準点)を算出することが好ましい。

0025

生体組織が心臓である場合、心臓の左室長軸に対して略垂直な断面である短軸像が用いられてもよいし、心尖アプローチ画像における長軸に略垂直な断面像が用いられてもよい。短軸像である場合、基準点算出部11は、短軸像の心臓壁面(輪郭)に設定された追跡点(動作領域)の重心を基準点として算出してもよい。重心は、追跡点(動作領域)の幾何平均又は質量中心を演算することにより算出される。心尖アプローチ画像である場合、画像認識部6は、長軸に対向する位置に2つの追跡点(動作領域)の位置を設定し、基準点算出部11は、2つの動作領域の中点を基準点として算出してもよい。

0026

分析部12は、基準点の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する。指標算出部21は、重心(基準点)の位置を利用して、重心(基準点)の安定性を示す指標(位置、方向、軌跡、変位、速度、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルなど)を算出する。生体組織(心臓)が正常に機能している場合は、基準点(重心)の位置は所定の範囲内で安定している。生体組織(心臓)が正常に機能していない場合(例えば、心臓収縮が非同期である場合)は、基準点(重心)の位置は所定の範囲内を超えて不安定な挙動を行う。心臓収縮の非同期は、心筋収縮における各心筋部位のタイミングのずれに起因する。タイミングがずれる個所(心筋部位)によって、重心(基準点)の移動値に特徴が現れる。例えば、重心(基準点)の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つの指標が変化する。従って、指標算出部21は、重心(基準点)の移動に伴うこれらの指標を算出する。また、指標算出部21は、重心(基準点)の指標の偏りを観察するために、指標の頻度分布を算出してもよい。

0027

心臓は心拍毎に周期的な運動を行っているので、重心(基準点)は、ループ状の軌跡を描くことになる。指標算出部21は、重心(基準点)の軌跡を指標としてもよい。

0028

超音波診断装置(医用画像診断装置)1は、重心(基準点)の指標の過去データに基づいて、特定の疾患(例えば、刺激伝導異常や冠動脈異常などの心臓疾患)に応じた指標を推定するシミュレーション機能を備えてもよい。この場合、指標算出部21は、過去データから特定の疾患に応じた指標を算出する。算出された指標は、生体組織の異常時に生じる基準点の異常移動値として、判定部22による判定の閾値として用いられる。

0029

判定部22は、指標設定部23により設定された閾値などに基づいて、重心(基準点)が所定の範囲内で安定しているか否かを判定する。例えば、重心(基準点)の移動の位置、方向、速度(スピード)、及び軌跡などに基づいて、判定部22は、重心(基準点)の移動値を基準点の異常移動値(判定基準)と比較することにより、生体組織の挙動を分析し、重心(基準点)が所定の範囲内で安定しているか否かを判定する。これにより、判定部22は、生体組織の異常時に生じる重心(基準点)の異常移動値を判定し、生体組織の挙動の正常/異常を判断することができる。例えば、検者は、重心(基準点)の指標が所定の座標領域内、所定の閾値内、又は所定の軌跡の形状である場合は、心臓が同期収縮を行っていると判断でき、指標が閾値を超える場合は、心臓が非同期収縮を行っていると判断できる。

0030

指標設定部23は、判定部22が判定する際に用いられる指標の閾値などの判定基準の設定を行う。指標設定部23は、設定された判定基準を判定部22へ出力する。判定基準は、重心(基準点)の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つの指標の判定基準であり、ループ状の軌跡の種類、指標の頻度分布、及び指標算出部21のシミュレーションにより算出された閾値を含む。

0031

入力部14は、超音波診断装置1の各種操作を行うインターフェイスである。本実施の形態では、入力部14は、指標設定部23に判定基準を入力するインターフェイスとなる。入力部14は、生体組織の異常時に生じる基準点の異常移動値を判定するための判定基準(閾値など)を指標設定部23に入力する。入力部14は、キーボードトラックボール、スイッチ、及びダイヤルなどの入力機器である。また、入力部14は、音声入力機能を備えてもよい。

0032

出力画像生成部16は、超音波画像生成部4により生成された超音波画像(医用画像)、生体信号生成部5により生成された生体信号、指標算出部21により算出された基準点の指標、判定部22から出力された判定結果、及び指標設定部23から出力された判定基準をデータとして受け取る。また、出力画像生成部16は、画像判別部7から出力される判別結果、輪郭抽出部8により抽出された輪郭(輪郭抽出部8により設定された動作点)、追跡部9により追跡された動作点の座標情報、及び評価部10から出力された評価結果をデータとして受け取る。出力画像生成部16は、表示部17や記憶部18へ出力するための生体信号、医用画像、評価結果、指標、判定結果、及び判定基準などの情報を生成する。例えば、出力画像生成部16は、超音波画像生成部4により生成された超音波画像、生体信号生成部5により生成された生体信号、画像認識部6により算出された動作領域(追跡点)の位置の座標情報や画像認識の評価結果、指標算出部21で算出された基準点(重心)の指標、判定部22により判定された基準点(重心)の安定性の判定結果、及び指標設定部23により設定された判定基準の各情報を、表示部17の画面上に配置して合成する。

0033

表示部17は、超音波診断装置1の画面上に超音波画像(医用画像)や各情報を表示する。表示される画像は、出力画像生成部16で生成された画像である。表示部17は、CRTやLCDなどの表示機器であり、有線又は無線により出力画像生成部16などに接続されている。

0034

記憶部18は、出力画像生成部16が受け取る画像やデータを記憶する。また、記憶部18は、超音波診断装置1に備えられるシステムを動作させるためのプログラムを格納する。例えば、記憶部18は、半導体メモリ光ディスク、及び磁気ディスクなどの記憶媒体である。さらには、記憶部18は、ネットワークを通した外部記憶媒体であってもよい。

0035

制御部19は、超音波診断装置1のシステム全体を制御する。また、制御部19は、生体信号生成部5により生成された生体信号(例えば、R波)に同期して、超音波画像生成部4で生成される超音波画像の処理を制御する。制御部19は、画像認識部6、重心算出部(基準点算出部)11、分析部12、及び出力画像生成部16の動作を制御して、超音波画像生成部4からの超音波画像入力が続く場合は、生体信号に同期させて、超音波画像の種類判別、生体組織の輪郭の抽出、追跡点(動作領域)の位置の設定、追跡点(動作領域)の位置の追跡、基準点の算出、生体組織の挙動分析、又は画像・データ処理を連続させて繰り返すために、一連の処理の同期制御を行う。例えば、制御部19は、CPUなどの制御装置を用いたものである。

0036

以下、本実施の形態の動作について、フローチャートを用いて説明する。本実施の形態では、主に心臓左室の収縮拡張の同期性をリアルタイムモニタして評価する超音波診断装置(医用画像診断装置)1について説明する。本実施の形態では、図1に示すように、超音波診断装置(医用画像診断装置)1は、生体組織の超音波画像(医用画像)を生成する超音波画像生成部(医用画像生成部)4と、医用画像における生体組織の動作領域の位置を設定する画像認識部(動作位置設定部)6と、複数の動作領域の位置から生体組織の基準点の移動値を算出する重心算出部(基準点算出部)11と、基準点の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する分析部12とを備える。また、本実施の形態では、生体信号が心電図であり、時間情報に基づいてR波から次のR波までの処理を1単位として、1単位ごとに連続した処理を行う超音波診断装置1について説明する。さらに、本実施の形態では、2D(2次元)の短軸像上で左室内膜の輪郭に追跡点(動作領域)の位置を設定し、追跡点(動作領域)の重心を基準点として算出し、基準点(重心)の安定性を判定する場合について説明する。

0037

図2は、本実施の形態の超音波診断装置(医用画像診断装置)1の動作を例示的に示したフローチャートである。図2に示すように、探触子が被検体2に接触して、超音波画像生成部4が、観察対象である生体組織の画像を描出する(ステップS101)。超音波信号生成部3が超音波信号を生成し、超音波画像生成部4が超音波画像(医用画像)を生成する。描出された超音波画像は、出力画像生成部16により他のデータと合成されて、表示部17及び記憶部18に出力される。

0038

図3は、表示部17に表示された超音波画像(医用画像)、情報、及び信号などを例示的に示した図である。図3に示すように、描出された超音波画像(医用画像)502は、他のデータと合成されて、表示部17により超音波診断装置1の画面501上に表示される。

0039

画像認識部6の画像判別部7が、超音波画像(医用画像)を入力して、描出された超音波画像(例えば、断面画像)の種類を判別する(ステップS102)。超音波画像(医用画像)が超音波画像生成部4から画像認識部6(又は、画像判別部7)へ入力され始めるタイミングは、生体信号生成部5により生成される生体信号に同期している。例えば、心電図のR波に同期して(同期タイミングに従って)、超音波画像(医用画像)が超音波画像生成部4から画像認識部6(又は、画像判別部7)へ入力され始める。

0040

生体信号との同期タイミングにより、画像判別部7は、超音波画像(医用画像)における生体組織の断面画像を判別する。断面の種類は、基本5断面(傍胸骨短軸像、傍胸骨長軸像、心尖部二腔像、心尖部長軸像、及び心尖部四腔像)や3D像などである。画像判別部7は、主成分分析やブースティングパターンマッチング法などのパターン認識を利用した方法を用いて、断面画像を判別する。

0041

本実施の形態では、心臓左室の短軸像が超音波画像として描出されるので、画像判別部7は、図3の超音波画像(医用画像)502は傍胸骨短軸像(又は、短軸像)であると判別する。図3に示すように、判別された結果は、超音波診断装置1の画面501上の判別結果ウィンドウ503に表示される。本実施の形態では、画像判別部7は、超音波画像(医用画像)502を「PSA(Parasternal Short Axis、傍胸骨短軸像)」と判別する。そして、表示部17は、判別結果ウィンドウ503に「PSA」を表示する。

0042

評価部10が、画像判別部7の判別結果を評価する(ステップS105)。この場合、超音波画像生成部4から入力された超音波画像(断面画像)が種々の計測に適した断面として描出されているか否かを、評価部10が、画像判別部7の判別結果を考慮して評価する。例えば、探触子が被検体2に適切に接触しているか否か又は描出された断面画像が標準的な断面からずれて描出されているか否かを、評価部10が自動的に評価し、評価結果に応じて探触子の位置を修正するよう検者に促す警告情報を生成し、表示部17に評価結果や警告情報を表示させる。画像判別部7の判別結果を評価するために、主成分分析やブースティング演算の信頼性評価値などが用いられる。画像認識部6が正確に画像認識しているか否かに関する評価結果や警告情報は、出力画像生成部16を通して表示部17に出力される(ステップS110)。

0043

超音波画像生成部4から入力された超音波画像(断面画像)が種々の計測(例えば、輪郭の抽出又は動作領域の位置の設定)に適していると評価された場合には、画像認識部6は、次の画像認識処理を実行する。一方、超音波画像生成部4から入力された超音波画像(断面画像)が種々の計測に適していないと評価された場合には、画像認識部6は、次のR波に相当する超音波画像が入力されるまで画像認識処理を停止し、超音波画像(断面画像)の描出を正確に行うように表示部17に警告情報を表示して、検者に修正を促してもよい。この場合、画像認識部6(又は、画像判別部7)は、次の生体信号(R波)に同期して、超音波画像生成部4から入力される超音波画像の処理を再開する。

0044

画像認識部6の輪郭抽出部8は、生体信号(R波)に同期して超音波画像生成部4から入力され始めた断面画像に基づいて生体組織の輪郭を抽出する(ステップS103)。本実施の形態では、図3の超音波画像(医用画像)502に基づいて、輪郭抽出部8は、左室内膜の輪郭を抽出する。

0045

輪郭抽出部8は、画像判別部7の判別結果に基づいて、輪郭抽出アルゴリズムを選択する。本実施の形態では、ステップS102において画像判別部7が超音波画像を短軸像と判別したので、輪郭抽出部8は、短軸像に適した輪郭抽出アルゴリズムを選択する。短軸像では心臓の輪郭が円形となる特徴があることから、輪郭抽出部8は、円形を基礎形状とする輪郭抽出アルゴリズムを適用することで、短軸像に適した輪郭抽出アルゴリズムを選択する。生体組織の輪郭抽出には、心臓壁エッジ検出、心腔領域分割、動的輪郭モデルなどの輪郭抽出方法が適用される。

0046

輪郭抽出部8(又は、画像認識部6)は、超音波画像(医用画像)における生体組織の動作領域の位置を設定する(ステップS103)。動作領域は、生体組織が動いている部分であり、生体組織の輪郭であってもよいし、輪郭上の点(追跡点)であってもよい。本実施の形態では、動作領域は、輪郭上の点(追跡点)である。輪郭上の点(追跡点)は、17分画法(又は、16分画法)に基づき、心臓の各分画に同数の追跡点が設定されてもよい。図3に示すように、輪郭抽出部8の抽出結果は、輪郭上の追跡点303として、超音波診断装置1の画面501上に表示される。

0047

評価部10が、輪郭抽出部8の抽出結果を評価する(ステップS105)。この場合、評価部10は、輪郭の抽出が正確に実行されたか否かを評価する。心臓壁面がアーチファクトなどにより明瞭に描出されていない場合、輪郭抽出法信頼性が低下するので、輪郭抽出法の信頼性評価値を利用して、評価部10が輪郭抽出部8の抽出結果を評価し、評価結果に応じて心臓壁面(輪郭)を明瞭に描出するように検者に促す警告情報を生成し、表示部17に評価結果や警告情報を表示させる。例えば、評価部10は、心臓壁エッジ検出、心腔領域分割、及び動的輪郭モデルなどの信頼性評価値によって、輪郭が正確に抽出されているか否かを評価する。画像認識部6が正確に画像認識しているか否かに関する評価結果や警告情報は、出力画像生成部16を通して表示部17に出力される(ステップS110)。

0048

輪郭の抽出結果が種々の計測(例えば、動作領域の位置の設定)に適している場合には、画像認識部6は、次の画像認識処理を実行する。一方、輪郭の抽出結果が種々の計測に適していない場合には、画像認識部6は、次のR波に相当する超音波画像が入力されるまで画像認識処理を停止し、心臓壁面(輪郭)が明瞭に描出されるように、出力画像生成部16を通して表示部17に警告情報を表示して、検者に修正を促してもよい。この場合、画像認識部6(又は、輪郭抽出部8)は、次の生体信号(R波)に同期して、超音波画像(断面画像)の輪郭抽出処理を再開する。

0049

画像認識部6の追跡部9は、輪郭に設定された動作領域(追跡点)の位置を追跡する(ステップS104)。追跡部9は、生体信号(R波)に同期して、連続する複数のフレーム(超音波画像)を入力し始め、各フレームに含まれる左室内膜の追跡点303を追跡する。追跡部9による追跡演算は、各フレームにおける追跡点(動作領域)の位置を連続的に算出し、追跡点の移動量(移動値)を算出することにより行われる。追跡演算には、ブロックマッチング法や光学勾配法などの移動量算出方法が用いられる。

0050

追跡部9は、R波から次のR波までを1単位として追跡演算を行ってもよい。一般に、追跡演算を連続して行うと、フレームが進むに従って位置の誤差蓄積し、追跡点(動作領域)の正確な位置を把握できなくなるおそれがある。このため、画像認識部6は、R波が入力されるごとに、超音波画像の種類判別(ステップS102)、生体組織の輪郭の抽出(ステップS103)、追跡点(動作領域)の位置の設定(ステップS103)、及び追跡点(動作領域)の位置の追跡(ステップS104)を繰り返してもよい。つまり、次のR波まで追跡点を追跡したら、再度、追跡点(動作領域)の位置を抽出して、輪郭追跡(ステップS104)を行う。

0051

評価部10が、追跡部9の追跡結果を評価する(ステップS105)。正確に追跡点を追跡できたか評価する(S105)。この場合、評価部10は、追跡点(動作領域)の位置を正確に追跡できたか否かを評価する。心臓壁面がアーチファクトなどにより明瞭に描出されていない場合、追跡演算の信頼性が低下するので、ブロックマッチング法や光学勾配法などの信頼性評価値を利用して、評価部10が追跡部9の追跡結果を評価し、評価結果に応じて心臓壁面(輪郭)を明瞭に描出するように検者に促す警告情報を生成し、表示部17に評価結果や警告情報を表示させる。画像認識部6が正確に画像認識しているか否かに関する評価結果や警告情報は、出力画像生成部16を通して表示部17に出力される(ステップS110)。

0052

追跡点(動作領域)の追跡結果が種々の計測(例えば、基準点の算出)に適している場合には、画像認識部6は、次の画像認識処理を実行する。一方、追跡点(動作領域)の追跡結果が種々の計測に適していない場合には、画像認識部6は、次のR波に相当する超音波画像が入力されるまで画像認識処理を停止し、心臓壁面(輪郭)が明瞭に描出されるように、出力画像生成部16を通して表示部17に警告情報を表示して、検者に修正を促してもよい。この場合、画像認識部6(又は、追跡部9)は、次の生体信号(R波)に同期して、追跡点(動作領域)の追跡処理を再開する。

0053

重心算出部(基準点算出部)11は、複数の追跡点(動作領域)の位置から生体組織の基準点の移動値を算出する(ステップS106)。本実施の形態では、図3に示すように、重心算出部(基準点算出部)11は、各フレーム(超音波画像)における追跡点303の重心304を算出することにより、複数の追跡点(動作領域)303の重心304を基準点として算出する。重心算出部(基準点算出部)11は、追跡点(動作領域)の幾何平均又は質量中心を演算することにより、重心を算出する。ここでは、追跡点の座標平均を用いる幾何平均の例を説明する。図3に示すように、重心算出部(基準点算出部)11は、超音波画像(医用画像)における複数の追跡点303の座標群から座標平均を算出し、座標平均の位置を重心304として算出する。

0054

分析部12は、重心(基準点)304の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する。具体的には、指標算出部21が、重心(基準点)304の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つを、生体組織の挙動を評価する指標として算出する(ステップS107)。

0055

図4は、指標算出部21が重心(基準点)304の移動に基づいて指標を算出することを示した図である。図4(a)に示すように、左室が拡張状態拡張末期)から収縮状態収縮末期)に変化する場合を例に説明する。短軸像の左室内膜の輪郭に設定された追跡点(動作領域)303は、拡張状態の追跡点303−1から収縮状態の追跡点303−2へ移動する。追跡部9は、拡張状態から収縮状態までの各フレーム(超音波画像)における追跡点(動作領域)303を追跡し、重心算出部(基準点算出部)11は、各フレーム(超音波画像)における重心(基準点)304の位置を算出する。指標算出部21は、拡張状態の重心304−1から収縮状態の重心304−2を経て拡張状態の重心304−1に戻るまで(又は、収縮状態の重心304−2から拡張状態の重心304−1を経て収縮状態の重心304−2に戻るまで)の重心位置(基準点位置)を各フレームにプロットすることにより、重心(基準点)の軌跡306を算出し、表示部17に軌跡306を表示させる。また、図4(b)に示すように、指標算出部21は、軌跡306を二次元座標で表示部17に表示させてもよい。この場合、指標算出部21は、拡張状態の重心304−1の位置が原点(0,0)となるように二次元座標を生成し、二次元座標上に重心(基準点)304の軌跡314が表示される。

0056

指標算出部21(又は、分析部12)は、重心(基準点)304の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つを算出する。例えば、図4(c)に示すように、指標算出部21は、重心304の速度(スピード)及び角度(方向)を各フレームで連続的に算出し、各フレームでの速度(スピード)311と角度(方向)312の時間変化のグラフを、心電図315の波形と同期させて表示部17に表示させる。図4(c)に示すように、各指標のグラフにおいて、同時刻(例えば、現在の時刻)に対応する時間バー307により表される。この場合、重心(基準点)304の角度は、任意の方向(例えば、図3の超音波画像502における水平方向)に対する角度であればよい。

0057

図4(d)に示すように、指標算出部21は、重心304の速度(スピード)及び角度(方向)を二次元極座標で表してもよい。この場合、重心(基準点)304の速度(スピード)は、原点(0,0)からの距離で表され、重心(基準点)304の角度とともに、二次元座標上にプロットされる。そして、重心304の速度(スピード)及び角度(方向)の時間変化が、速度−角度308として表される。

0058

図4(e)に示すように、指標算出部21は、重心(基準点)304の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つの指標の頻度分布を表示部17に表示させてもよい。例えば、重心(基準点)304の角度の頻度分布309は、重心(基準点)304の移動方向の偏りを示すので、分析部12により角度の頻度分布309を分析することで、生体組織の挙動を分析することができる。この場合、指標算出部21は、1心拍間(例えば、R波から次のR波までの間)の各フレームにおける重心(基準点)304の角度を用いて、1心拍ごとに(R波から次のR波までの1単位ごとに)指標の頻度分布309を生成してもよい。

0059

また、指標算出部21は、重心(基準点)304の変位、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つの指標を用いて、指標の時間変化のグラフを生成してもよい。例えば、図3に示すように、指標508の時間変化のグラフが画面501上に追加されてもよい。

0060

図3に示すように、指標算出部21(又は、分析部12)により算出された重心(基準点)304の指標は、出力画像生成部16を通して、表示部17の画面501上に合成される(ステップ110)。この場合、同時刻に対応する時間バー307が表示される。また、各指標の最大値及び平均値が、画面501上の指標ウィンドウ504に表示される。

0061

図5は、指標算出部21が重心(基準点)の移動に基づいてループ状の軌跡を分類することを示した図である。心臓や血管は周期的に運動(脈動)する生体組織であるので、心臓や血管の動きは1心拍ごと(R波から次のR波までの1単位ごと)に繰り返され、重心(基準点)はループ状の軌跡を描くことになる。

0062

図5に示すように、指標算出部21は、1心拍ごと(R波から次のR波までの1単位ごと)に、重心(基準点)の軌跡401を算出する。このループ状の軌跡401は重心の動きの特徴を示す。したがって、分析部12は、重心(基準点)の軌跡401を分類することにより、生体組織の挙動を分析する。

0063

軌跡401の分類は、複数の特徴的なループ形状402を用意し、指標算出部21(又は、分析部12)で算出された軌跡401を特徴的なループ形状402の何れかに分類することにより行われる。分類は、判定部22により、軌跡401と特徴的なループ形状402とをマッチングすることで実現される。

0064

指標設定部23は、判定部22が判定する際に用いられる指標の閾値などの判定基準の設定を行う(ステップS108)。つまり、指標設定部23は、入力部14を介して、重心安定性(基準点安定性)の判定に用いられる判定基準を設定する。

0065

重心安定性(基準点安定性)の判定は、指標算出部21で算出された指標に対して閾値処理又は分類処理を行うことによって実現される。図3及び図4に示すように、指標設定部23は、各指標に判定基準を設定する。本実施の形態では、指標設定部23は、角度(方向)と速度(スピード)などの指標に閾値線313を設定及び表示する。また、指標設定部23は、頻度分布309のグラフにおいて、特定の角度範囲Sに閾値線310を設定及び表示する。

0066

指標設定部23は、判定部22が軌跡401を分類する際に用いられる複数の特徴的なループ形状402を設定する。図5に示すように、指標設定部23が、特徴的なループ形状402として、丸型402−1、楕円型402−2、8字型402−3、ひょうたん型(“panduriform”又は“fiddle−shaped”)402−4、鎖型402−5、三角型402−6、及び四角型402−7などを設定する。指標設定部23は、複数の特徴的なループ形状402を、生体組織が正常である場合のループ形状402と生体組織が異常である場合のループ形状402とに分類して設定する。このように、正常又は異常である場合のループ形状402を分類することで、判定部22(又は、分析部12)が、軌跡401とループ形状402とをマッチングし、生体組織の挙動が正常か異常かを判別できるようになる。

0067

図3に示すように、画面501に指標ウィンドウ504が表示される。指標ウィンドウ504は、指標の判定基準(閾値など)を調整するための判定基準調整部(閾値調整スピンボタン)506を備える。判定基準調整部506は、判定基準を上下させて、図3及び図4の閾値線を調整することで、指標設定部23は、判定部22が判定する際に用いられる指標の閾値などの判定基準を調整する。また、図3に示すように、指標設定部23は、判定部22が指標の組み合わせにより総合的に重心安定性(基準点安定性)を判定できるように、複数の指標の判定基準を設定してもよい。また、指標設定部23は、複数の指標から選択することにより、重心安定性(基準点安定性)の判定の優先順位重み付けを決定してもよい。また、指標設定部23は、同じ指標に複数の判定基準を設定することにより、段階的な判定基準を設定してもよい。

0068

また、特定の疾患(例えば、刺激伝導異常や冠動脈異常などの心臓疾患)に応じた指標を推定するシミュレーション機能により、指標算出部21は、過去データから特定の疾患に応じた指標を算出し、指標設定部23は、特定の疾患に応じた指標を閾値(特徴的なループ形状を含む)として設定してもよい。特定の疾患のシミュレーション結果は、生体組織の異常時に生じる基準点の異常移動値として、入力部14から入力されてもよい。

0069

次に、判定部22(又は、分析部12)は、重心安定性(基準点安定性)を判定することにより、重心(基準点)の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する(ステップS109)。判定部22が、指標算出部21で算出された指標に対して閾値処理又は分類処理を行うことによって、重心安定性(基準点安定性)を判定する。判定部22の判定結果(又は、分析部12の分析結果)は、出力画像生成部16を通して表示部17の画面501に表示される(ステップS110)。

0070

また、判定部22(又は、分析部12)は、重心(基準点)の軌跡401をループ形状402に分類することにより、生体組織の挙動を分析する。判定部22は、マッチング法を用いて、軌跡401を特徴的なループ形状402の何れかに分類することにより、軌跡401の分類を行う。特徴的なループ形状402のパターンが超音波診断装置1に保持され、判定部22(又は、分析部12)は、軌跡401のパターンと特徴的なループ形状402のパターンとの間でマッチング演算を行い、軌跡401を特徴的なループ形状402の何れかに分類する。判定部22が、正常又は異常である場合のループ形状402の分類に従って、軌跡401とループ形状402とをマッチングすることにより、生体組織の挙動が正常か異常かを判別できる。

0071

出力画像生成部16が出力画像の生成処理を行い、各情報を表示部17の画面上に配置して合成する(ステップS110)。例えば、図3に示すように、各指標の最大値及び平均値が、画面501上の指標ウィンドウ504に表示される。また、判定基準としての閾値が指標ウィンドウ504に表示される。この場合、各指標の最大値が閾値を越えると、最大値の表示の色が変化してもよい。また、同じ指標に複数の閾値(判定基準)が設定されている場合は、指標の最大値が複数の閾値(判定基準)を越えるごとに、最大値の表示の色が変化してもよい。また、判定部22の判定結果に応じて、重心(基準点)304の表示の色が変化してもよい。このように、判定部22の判定結果に応じて、表示の色を変化させることで、視覚的に情報を伝達することができる。

0072

また、判定部22(又は、分析部12)による分類結果(判定結果)は、出力画像生成部16で他の画像と合成されて、画面501上のループタイプウィンドウ505に表示される(ステップS110)。図3のループタイプウィンドウ505には、三角型402−6の分類結果が表示されている。

0073

また、判定部22による重心安定性(基準点安定性)の判定結果が、判定結果ウィンドウ507に表示される。所定の時間以上にわたって指標が閾値線313を超えた場合、特定の角度範囲Sの閾値線310を超えた場合、及び軌跡401が生体組織異常のループ形状402に分類された場合は、判定結果ウィンドウ507に、生体組織の異常を示す“X”が表示される。重心安定性(基準点安定性)の指標には、軌跡401の分類も含まれる。重心安定性(基準点安定性)の判定の優先順位や重み付けに従って、判定部22が複数の判定基準による総合的な判定結果を出力し、表示部17が総合的な重心安定性(基準点安定性)の評価結果を判定結果ウィンドウ507に表示してもよい。また、指標ごとに判定結果ウィンドウ507がそれぞれ設けられ、判定部22の判定結果が指標(判定基準)ごとに判定結果ウィンドウ507に表示されてもよい。

0074

また、ステップS101において超音波画像生成部4が生成する超音波画像502、ステップS102において画像判別部7が判別した断面画像の種類(判別結果ウィンドウ503)、生体信号データ(心電図)315、及び各指標の時間変化(角度−速度308、頻度分布309、速度311、角度312、軌跡314など)が、出力画像生成部16を通して、表示部17に表示される。また、評価部10の評価結果や警告情報が、出力画像生成部16を通して、表示部17に表示される。さらに、各指標の最大値及び平均値を示す指標ウィンドウ504、判定部22による分類結果(判定結果)を示すループタイプウィンドウ505、判定部22による重心安定性(基準点安定性)の判定結果を示す判定結果ウィンドウ507が、出力画像生成部16を通して、表示部17に表示される。このように、超音波画像(医用画像)、情報、及び信号が、映像として超音波診断装置1の画面501に配置される。これらの超音波画像(医用画像)、情報、及び信号は、超音波画像生成部4がリアルタイムに超音波画像(医用画像)を生成している場合は、リアルタイムで更新されて、表示部17に表示される。指定された時刻の超音波画像(医用画像)が継続して表示されているフリーズ状態の場合は、指定された時刻の超音波画像(医用画像)、情報、及び信号が、記憶部18から読み出されて、表示部17に表示される。

0075

生成された超音波画像(医用画像)、情報、及び信号は、表示部17に表示され、記憶部18に記憶(記録)される(ステップS111)。また、指定された時刻の超音波画像(医用画像)、情報、及び信号が、記憶部18から読み出されて、表示部17に表示される。画面501の画像は、超音波診断装置1の表示部17の画面に表示されてもよいし、画像データとして記憶部18に記録されてもよい。

0076

ステップS101からステップS111までの超音波診断装置1の動作を終了するか否かが判断される(ステップS112)。超音波診断装置1の動作を継続する場合には、超音波診断装置1の動作はステップS101に戻る。超音波画像生成部4からの超音波画像入力が続く場合は、自動的にステップS101に戻り、超音波診断装置1は、生体信号に同期させて、超音波画像の種類判別、生体組織の輪郭の抽出、追跡点(動作領域)の位置の設定、追跡点(動作領域)の位置の追跡、基準点の算出、生体組織の挙動分析、又は画像・データ処理をリアルタイムに連続して繰り返してもよい。

0077

超音波診断装置1の動作を継続しない場合には、超音波診断装置1の動作は終了する。

0078

本実施の形態にかかる超音波診断装置1によれば、生体組織(例えば、心臓)の挙動を評価する指標として基準点を算出し、基準点の移動値に基づいて生体組織の挙動を評価することができる。また、本実施の形態にかかる超音波診断装置1によれば、基準点の移動値を2D又は3D画像上でリアルタイムに算出して表示し、リアルタイムに生体組織の状態をモニタすることができる。

0079

本実施の形態では、2Dの短軸像(超音波画像)を描出することにより、心臓の重心(基準点)の安定性をリアルタイムに連続的に評価することができる。重心(基準点)の位置は、左室輪郭の追跡点(動作領域)を追跡した座標情報を利用して算出される。画像判別部7の判別結果、輪郭抽出部8の抽出結果、及び追跡部9の追跡結果の少なくとも1つは、評価部10によって評価され、評価結果や警告情報として検者にフィードバックされるので、超音波画像(医用画像)の描出状態を修正することで、画像認識部6で画像認識が正確に行われ、基準点の算出や生体組織の挙動分析が正確に行われる。

0080

また、基準点の移動値に関する速度(スピード)や角度である物理的特徴とその軌跡である図形的特徴とを、基準点安定性の指標として組み合わせて評価することにより、分析部12は、生体組織の挙動分析を正確に行うことができる。また、分析部12は、判定部22を含み、予め設定された複数の判定基準(閾値など)に基づき、重心(基準点)の安定性を判定することにより、生体組織の挙動分析を正確に行うことができる。生体組織の挙動分析処理は、超音波画像生成部4からの超音波画像入力が続く場合は、リアルタイムに連続的して繰り返されるので、例えば、手術中に生体組織の挙動の正常性(心臓の収縮拡張の同期性)を分析しながら、X線透視によってペースメーカのリードを調整(電極の配置調整、電極の出力調整、及び電極の出力タイミング調整など)することができる。

0081

また、特定の疾患に応じた指標を推定するシミュレーション機能を用いることで、判定部22(又は、分析部12)は、重心(基準点)の移動値をシミュレーション結果と比較することにより、生体組織の挙動を分析することができる。

0082

また、本実施の形態にかかる超音波診断装置1は、図2の動作を行うことにより、生体組織の医用画像を生成し、医用画像における生体組織の動作領域の位置を設定し、複数の動作領域の位置から生体組織の基準点の移動値を算出し、基準点の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する医用画像分析方法を実施することができる。

0083

以上、本発明にかかる実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。

0084

本実施の形態では、分析部12は、基準点の指標に基づいて生体組織の挙動を分析するが、分析部12は、基準点(重心)に対する相対的な動作領域(追跡点)の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つに基づいて、生体組織の挙動を分析してもよい。

0085

図6は、分析部12が基準点に対する相対的な動作領域の指標に基づいて生体組織の挙動を分析することを示した図である。図7は、基準点に対する相対的な動作領域の指標に基づいて生体組織の挙動を分析することを示したフローチャートである。本実施の形態と同様の構成については、同様の符号が付されている。

0086

図1図6、及び図7に示すように、画像認識部6は、2D(2次元)の短軸像上で左室内膜の輪郭601に追跡点(動作領域)303の位置を設定し(ステップS103)、2Dの短軸像上で左室内膜の輪郭601に設定された動作領域(追跡点)303の位置を追跡し(ステップS104)、重心算出部(基準点算出部)11は、追跡点(動作領域)の重心304を基準点として算出する(ステップS106)。

0087

分析部12は、追跡点(動作領域)303の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する。具体的には、指標算出部21が、重心(基準点)304に対する相対的な追跡点(動作領域)303の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つを、生体組織の挙動を評価する指標として算出する(ステップS207)。

0088

指標設定部23は、判定部22が判定する際に用いられる指標の閾値などの判定基準の設定を行う(ステップS208)。つまり、指標設定部23は、入力部14を介して、追跡点(動作領域)303の移動値の正常/異常に関する判定に用いられる判定基準を設定する。

0089

図6に示すように、分析部12は、追跡点(動作領域)303と重心(基準点)304とを結ぶ直線602方向における追跡点303の物理量(位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つ)を指標として、指標設定部23により予め設定された複数の判定基準(閾値など)に基づき、追跡点(動作領域)の移動値の正常/異常を判定することにより、生体組織の挙動を分析する。図6は、重心(基準点)304に対する追跡点(動作領域)303の相対的な方向に基づいて生体組織の挙動を分析する例を示している。つまり、追跡点303から重心304に向かう直線602を相対的な方向として定義し、指標算出部21(又は、分析部12)は、直線602方向での追跡点(動作領域)303の動き(移動値)を算出する。心臓の収縮拡張によって追跡点(動作領域)303及び重心(基準点)304の絶対的位置関係はそれぞれ移動するが、絶対的位置関係の代わりに、追跡点(動作領域)303及び重心(基準点)304の相対的位置関係に基づいて、指標算出部21(又は、分析部12)が指標を算出する。追跡点(動作領域)303の動き(移動)は、直線602方向での追跡点(動作領域)303の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの少なくとも1つを指標として算出する。

0090

図6に示すように、指標算出部21(又は、分析部12)により算出された追跡点(動作領域)303の指標は、出力画像生成部16を通して、表示部17の画面501上に合成される(ステップ210)。この場合、追跡点(動作領域)303の指標は、重心(基準点)304の指標とともに、心電図315の波形と同期させて、時間変化のグラフとして表示されてもよい。例えば、出力画像生成部16は、直線602方向での複数の追跡点(動作領域)303の速度(スピード)604−1,604−2を、重心(基準点)304の速度(スピード)311に合成して、時間変化のグラフとして表示部17に表示させる。また、複数の追跡点(動作領域)303の指標の平均を算出して、指標の平均605が時間変化のグラフとして表示部17に表示されてもよい。

0091

図6に示すように、追跡点(動作領域)303の各指標の最大値及び平均値が、画面501上の指標ウィンドウ504に表示される。

0092

判定部22(又は、分析部12)は、追跡点(動作領域)303の移動値の正常/異常を判定することにより、追跡点(動作領域)303の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する(ステップS209)。判定部22が、指標算出部21で算出された指標に対して閾値処理又は分類処理を行うことによって、追跡点(動作領域)303の移動値の正常/異常を判定する。判定部22の判定結果(又は、分析部12の分析結果)は、出力画像生成部16を通して表示部17の画面501に表示される(ステップS210)。また、判定部22による追跡点(動作領域)303の移動値の正常/異常の判定結果が、判定結果ウィンドウ507に表示される。所定の時間以上にわたって指標が閾値線313を超えた場合、特定の角度範囲の閾値線を超えた場合、及び軌跡が生体組織異常のループ形状に分類された場合などは、判定結果ウィンドウ507に、生体組織の異常を示す“X”が表示される。

0093

追跡点(動作領域)303の移動値の正常/異常の指標には、重心(基準点)304に対する相対的な追跡点(動作領域)303の位置、方向、軌跡、変位、速度(スピード)、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルの他、軌跡の分類も含まれる。追跡点(動作領域)303の移動値の正常/異常の判定の優先順位や重み付けに従って、判定部22が複数の判定基準による総合的な判定結果を出力し、表示部17が総合的な追跡点(動作領域)303の移動値の正常/異常の評価結果を判定結果ウィンドウ507に表示してもよい。また、指標ごとに判定結果ウィンドウ507がそれぞれ設けられ、判定部22の判定結果が指標(判定基準)ごとに判定結果ウィンドウ507に表示されてもよい。

0094

また、17分画法(又は、16分画法)により分画された心臓の各領域で、追跡点(動作領域)303の指標が算出されて表示されてもよい。この場合、判定部22の判定結果に応じて、心臓の領域(分画)ごとに輪郭601(又は、領域、追跡点など)の表示の色が変化してもよい。判定部22の判定結果に応じて、表示の色を変化させることで、視覚的に情報を伝達することができる。

0095

重心(基準点)304に対する相対的な追跡点(動作領域)303の指標を用いることで、重心(基準点)304を基準とした各追跡点(動作領域)の動きを分析することができ、心臓の局所と重心安定性(基準点安定性)との挙動関係を分析することができる。つまり、分画ごとの挙動と病態(特定の疾患)との関連を分析することができる情報を提供することが可能になる。

0096

本実施の形態では、生体組織の断面画像(心臓の短軸像)における動作領域の位置の設定、基準点の算出、及び生体組織の挙動分析について説明したが、画像認識部6は、生体組織の三次元画像における生体組織の輪郭を抽出して、輪郭に動作領域の位置を設定してもよい。また、画像認識部6は、生体組織の複数の短軸方向断面(短軸像)に動作領域の位置をそれぞれ設定し、基準点算出部11は、複数の短軸方向断面(短軸像)のそれぞれにおいて基準点の移動値を算出し、分析部12は、基準点の移動値に基づいて、複数の短軸方向断面のそれぞれにおいて生体組織の挙動を分析してもよい。

0097

図8は、生体組織の複数の短軸方向断面に動作領域の位置がそれぞれ設定されることを示した図である。図8に示すように、3D探触子を用いて、超音波画像生成部4が、観察対象である生体組織の画像を描出する(ステップS101)。この場合、超音波画像生成部4は、生体組織(心臓)の複数の短軸方向断面(心尖部断面703、乳頭筋断面704、及び心基部断面705)を描出する。心臓の短軸像としては、心臓の心尖部、乳頭筋、及び心基部の3つのレベル断層像が一般に定義されている。心臓全体が正常に収縮する場合には、各レベルの心筋が同期して収縮する必要がある。したがって、各レベルの複数の断面画像において基準点(重心)の安定性を判定することにより、心臓全体(生体組織全体)の挙動をより正確に分析することができる。

0098

複数の断面画像(心尖部断面703、乳頭筋断面704、及び心基部断面705)を取得する場合、超音波画像生成部4は、別々のタイミングで複数の断面画像を生成してもよいし、3D(三次元)画像から同じタイミングで複数の断面画像を生成してもよい。リアルタイム性重視する場合は、3D(三次元)画像から同じタイミングで複数の断面画像を生成する。

0099

画像判別部7が、複数の断面画像(医用画像)を入力して、描出された断面画像の種類を判別する(ステップS102)。

0100

画像認識部6の輪郭抽出部8は、各断面画像において、生体組織の輪郭を抽出し、輪郭に動作領域の位置を設定する(ステップS103)。図8に示すように、輪郭抽出部8が、3D(三次元)画像上で左室内膜に追跡点(動作領域)303の位置を設定する。追跡部9は、生体組織に設定された動作領域の位置を追跡する(ステップS104)。追跡部9は、3つのレベル(心尖部レベル707、乳頭筋レベル708、及び心基部レベル709)の短軸像(心尖部断面703、乳頭筋断面704、及び心基部断面705)上で、左室内膜(生体組織)の輪郭に設定された追跡点(動作領域)303の位置を追跡する(ステップS104)。表示部17は、断面画像のレベル(心尖部レベル707、乳頭筋レベル708、及び心基部レベル709)の位置を示すために、心尖四腔像(Apical 4 Chamber、A4C)702を短軸像703,704,705と並べて画面501の超音波画像表示領域701に表示し、心尖四腔像702上に各レベル(心尖部レベル707、乳頭筋レベル708、及び心基部レベル709)を表示する。

0101

重心算出部(基準点算出部)11は、各レベル(心尖部レベル707、乳頭筋レベル708、及び心基部レベル709)における基準点の移動値を算出する(ステップS106)。図8に示すように、重心算出部(基準点算出部)11は、各レベルにおける追跡点303の重心304を算出することにより、複数の重心304を基準点として算出する。

0102

指標算出部21が、各レベルにおける重心(基準点)304の物理量(位置、方向、軌跡、変位、速度、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトル)を、生体組織の挙動を評価する指標として算出する(ステップS107)。この場合、各レベルにおける3つの重心(基準点)304の指標が、出力画像生成部16を通して、表示部17の画面501上に合成される(ステップ110)。図8に示すように、3つのレベルの重心(基準点)304の指標が、心電図315の波形と同期させて、時間変化のグラフとして表示される。例えば、出力画像生成部16は、3つのレベルの重心(基準点)304の速度(スピード)311−1,311−2,311−3及び角度(方向)312−1,312−2,312−3を、それぞれ合成して、速度(スピード)及び角度の時間変化のグラフとして表示部17に表示させる。この他、図8では、速度−角度308、頻度分布309、及び軌跡314の指標についても、3つのレベルの重心(基準点)304の指標が表示される。また、ループタイプウィンドウ505には、3つのレベルの重心(基準点)304の軌跡の分類結果(判定結果)がそれぞれ表示される。

0103

判定部22(又は、分析部12)は、3つのレベルの重心安定性(基準点安定性)を判定することにより、3つの重心(基準点)304の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する(ステップS109)。判定部22(又は、分析部12)は、3つの重心(基準点)304の指標(例えば、速度)で、最も高い値を示す1つの重心(基準点)304の指標(例えば、心尖部レベル707の重心304の速度)に基づいて、重心安定性(基準点安定性)を判定してもよい。

0104

また、長軸像(心尖四腔像702)が生成されるので、超音波診断装置1は、1心拍ごとに心腔容積から駆出率(EF)を算出して、表示部17は、算出された駆出率706を、生体信号に同期させて、心電図315や他の指標のグラフとともに、画面501に表示してもよい。図8に示すように、駆出率は、指標ウィンドウ504にも表示される。

0105

心筋収縮の同期性は、刺激伝導系冠動脈支配領域と関連しているので、心臓の収縮拡張に伴う重心安定性(基準点安定性)の判定は、刺激伝導異常や冠動脈異常の推定に役立つ。これらの異常部位(異常生体組織)は、空間的(三次元)に広がっており、異常部位の挙動も空間的(三次元)に生じるため、特に、生体組織の3D(三次元)画像における追跡点(動作領域)303や重心(基準点)304の移動値の異常を判定することにより、異常部位の空間的な挙動を分析することができ、心臓(生体組織)の挙動を正確に分析することができる。分析部12は、重心安定性(基準点安定性)に関する複数の指標を組み合わせることにより、刺激伝導異常や冠動脈異常の種類を推定し、生体組織の正常/異常を判断してもよい。

0106

3D(三次元)画像を生成し、複数の断面画像(医用画像)において、追跡点(動作領域)及び重心(基準点)の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析することにより、心臓全体(生体組織全体)の挙動をより正確に分析することができる。生体組織が心臓である場合には、自動的に3つのレベルの短軸像上で心臓の全体の挙動を分析して、心臓の心尖部から心基部の全体にわたる同期性について評価することで、心臓の治療効果を確認することができ、ペースメーカのリード調整を適切に行うことができる。また、駆出率が算出されるので、心臓収縮の同期性と駆出率の関係を評価でき、心筋が同期して収縮拡張し、心臓は安定して効率良く血液を駆出しているか否かを評価することができる。

0107

図8では、超音波画像表示領域701に、心尖四腔像702、各レベル(心尖部レベル707、乳頭筋レベル708、及び心基部レベル709)の短軸像(断面画像)が表示されるが、図9に示すように、超音波画像生成部4は、3D(三次元)レンダリングにより立体的に超音波画像(医用画像)を生成し、心臓左室が立体的に表示されてもよい。この場合、各レベルの短軸断面上に追跡点(動作領域)303の位置が設定され、各レベルの短軸断面での重心(基準点)304が算出される。表示部17は、生体組織の立体的な超音波画像(医用画像)に、追跡点(動作領域)303及び重心(基準点)304を表示し、これらの軌跡や判定部22の判定結果に応じた色の変化を表示する。また、図9に示すように、各レベル(例えば、乳頭筋レベル708)が平面で表され、レベルを選択することにより、選択されたレベルの超音波画像502が図3に示すように表示されてもよい。

0108

また、超音波画像生成部4は、3D(三次元)レンダリングにより立体的に超音波画像(医用画像)を生成し、画像認識部6は、生体組織の三次元画像における生体組織の輪郭を抽出して、輪郭に動作領域を設定してもよい。この場合、生体組織の断面画像に動作領域が設定される代わりに、画像認識部6が、立体的な三次元画像における生体組織の輪郭に動作領域を設定し、基準点算出部11が、複数の動作領域の位置から生体組織の基準点の移動値を算出し、分析部12が、基準点の移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析する。

0109

図10は、生体組織の三次元画像において生体組織の挙動を分析することを示した図である。図10に示すように、超音波画像生成部4が、生体組織(心臓左室)の超音波画像502を描出し(ステップS101)、画像判別部7が、描出された超音波画像(医用画像)502の種類を3D画像と判別し(ステップS102)、輪郭抽出部8が、3D画像において、生体組織の輪郭を抽出し、輪郭に動作領域を設定し(ステップS103)、追跡部9は、3D画像上において、追跡点(動作領域)303の空間的移動を追跡する(ステップS104)。重心算出部(基準点算出部)11は、3D画像における追跡点(動作領域)303の空間的移動に基づいて、生体組織の重心(基準点)305の3D画像における空間的位置を算出する(ステップS106)。

0110

この場合、図8及び図9と同様に、追跡点(動作領域)303は、複数の短軸断面上(心尖部レベル707、乳頭筋レベル708、及び心基部レベル709)に設定されてもよい。また、追跡点(動作領域)303は、心臓の左室内膜のランダムな位置に設定されてもよい。さらに、17分画法(又は、16分画法)に基づき、心臓の各分画に同数の追跡点(動作領域)が設定されてもよい。

0111

重心(基準点)305は、3D画像に設定された追跡点(動作領域)303から算出され、心臓の動きに伴って三次元空間を移動する。判定部22(又は、分析部12)は、重心(基準点)305の三次元空間の移動(拡張状態の重心305−1から収縮状態の重心305−2を経て拡張状態の重心305−1に戻るまで、又は収縮状態の重心305−2から拡張状態の重心305−1を経て収縮状態の重心305−2に戻るまで)に関する指標に基づいて、重心安定性(基準点安定性)を判定する(ステップS109)。

0112

図10に示すように、重心(基準点)305の指標(位置、方向、軌跡、変位、速度、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルなど)のうちベクトル量であるもの(例えば、軌跡314)は、三次元座標で表される。また、スカラー量の指標とベクトル量の指標を複数組み合わせた指標(例えば、速度−角度308)も三次元座標で表される。球座標を用いて、角度は、2つの偏角方位角仰角)で表されてもよい。重心(基準点)305の角度は、任意の方向に対する角度であればよい。例えば、方位角は、心尖二腔像A2C又は心尖四腔像A4Cを通る断面を0度とすればよい。また、仰角は、短軸面を0度とすればよい。角度が2つの偏角で表されることにより、角度の時間変化のグラフは、方位角の時間変化312−4と仰角の時間変化312−5の2つの角度(方向)で表される。

0113

分析部12が、生体組織の三次元画像における基準点の立体的な移動値に基づいて、生体組織の挙動を分析することにより、心臓全体(生体組織全体)の挙動をより正確に分析することができる。生体組織が心臓である場合には、心臓の全体の挙動を立体的に分析して、心臓の心尖部から心基部の全体にわたる同期性について評価することで、心臓の治療効果を確認することができ、ペースメーカのリード調整を適切に行うことができる。

0114

また、上記のように、超音波診断装置1は、特定の疾患(例えば、刺激伝導異常や冠動脈異常などの心臓疾患)に応じた指標をシミュレートしてもよい。

0115

図11は、シミュレーションを行う特定の疾患を入力するための疾患入力ウィンドウ510を示した図である。図11に示すように、画面501の疾患入力ウィンドウ510で疾患名が入力(選択)される。例えば、刺激伝導異常の種類が入力される。図11では、LBBB(左脚ブロック)が入力される。他の種類の刺激伝導異常や冠動脈異常の種類が疾患入力ウィンドウ510に入力されてもよい。画像認識部6、重心算出部(基準点算出部)11、及び分析部12は、2D画像又は3D画像における、特定の疾患(例えば、刺激伝導異常)に伴う生体組織(心臓)の動き及び重心安定性(基準点安定性)の指標をシミュレートする。シミュレーションの結果(特徴的なループ形状を含む)は、指標ウィンドウ504及びループタイプウィンドウ505に表示される。また、シミュレーションの結果は、指標の閾値線310,313として、各グラフ上に表示される。

0116

特定の疾患(心臓病態)を入力して、重心安定性(基準点安定性)をシミュレートして、閾値線310,313として表示することにより、生体の挙動分析の結果に基づいて治療の方針手技を検討することが可能になる。特定の疾患(心臓病態)の種類は入力を変更して随時シミュレートすることにより、被検体2の複数の特定の疾患(心臓病態)をリアルタイムに推定することができ、病態改善を評価するための生体組織の挙動分析に利用することができる。

0117

(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態にかかる医用画像診断装置について、図面を用いて説明する。特に言及しない場合は、他の構成は、第1の実施の形態にかかる医用画像診断装置と同様である。

0118

表示部17は、分析部12の分析結果を表示し、短軸方向断面(短軸像)の長軸方向位置を第1の軸とし、時間を第2の軸として、分析部12の分析結果を表示してもよい。

0119

図12は、表示部17に表示された超音波画像(医用画像)、情報、及び信号などを例示的に示した図である。図13は、短軸方向断面(短軸像)の長軸方向位置を第1の軸とし、時間を第2の軸として、分析部12の分析結果を表示することを示したフローチャートである。

0120

図12に示すように、3D探触子を用いて、超音波画像生成部4が、観察対象である生体組織の画像を描出する(ステップS101)。この場合、超音波画像生成部4は、生体組織(心臓)の複数の短軸方向断面(短軸像)を描出する。短軸像(断面画像)のレベル805の数は3つより多く、図8の心尖部レベル707、乳頭筋レベル708、及び心基部レベル709以外のレベル805で、複数の短軸方向断面(短軸像)が描出される。重心(基準点)の安定性が判定される。複数の短軸像(断面画像)のレベル805は、生体組織(例えば、心臓左室)の長軸806方向に沿って、それぞれが平行に配置されてもよい。また、複数の短軸像(断面画像)のレベル805は、長軸806方向に連続的に配置されてもよい。複数の短軸像(断面画像)のレベル805が連続的に配置されることで、生体組織の3D(三次元)画像における追跡点(動作領域)303や重心(基準点)304の移動値の異常を判定することにより、異常部位の空間的な挙動を分析することができ、心臓(生体組織)の挙動を正確に分析することができる。本実施の形態では、図12に示すような心尖アプローチ画像(四腔像又は二腔像)807及び図8に示すような心尖部から心基部までの連続した多くのレベルの短軸像が生成される。

0121

画像認識部6は、各レベル805の短軸像(断面画像)において、生体組織の輪郭を抽出し、輪郭に動作領域の位置を設定し(ステップS103)、各レベル805の短軸像(断面画像)で左室内膜に設定された追跡点(動作領域)303の追跡を行う(ステップS104)。重心算出部(基準点算出部)11は、各レベル805における基準点の移動値を算出する(ステップS106)。分析部12は、各レベル805における重心(基準点)の安定性を二次元の短軸像(断面画像)上で判定して生体組織の挙動を分析する(ステップS109)。この場合、各レベル805における二次元の短軸像(断面画像)上の判定結果を、長軸806方向に連続的に表示させることにより、生体組織の3D(三次元)画像における追跡点(動作領域)303や重心(基準点)304の移動値の異常を判定することができる。表示部17は、短軸方向断面(短軸像)の長軸方向位置を第1の軸とし、時間を第2の軸として、分析部12の分析結果を表示する(ステップS310及びステップS311)。

0122

図12に示すように、表示部17は、心尖四腔像807、心尖四腔像807の長軸806と交差する複数のレベル805、及び各レベル805に設定される追跡点(動作領域)303と重心(基準点)304を表示する。また、表示部17は、重心(基準点)の安定性を示す指標(位置、方向、軌跡、変位、速度、加速度、速度ベクトル、及び加速度ベクトルなど)の時間変化をグラフ801に表示する。表示部17は、複数の指標の時間変化を表示することができるが、図12では、1つの指標(例えば、速度)の時間変化を表示する。指標のグラフ801は、各レベル805の短軸方向断面(短軸像)の長軸806方向位置を縦軸(第1の軸)とし、時間を横軸(第2の軸)とする。各レベル805の短軸方向断面(短軸像)が長軸806方向に連続的に配置されている場合、縦軸(第1の軸)は、短軸方向断面が連続的に配置されている位置を表す。指標の時間変化は、色、色相彩度明度、及び輝度などで表される。

0123

図12に示すように、指標(例えば、速度)のグラフ801は、判定部22による重心安定性(基準点安定性)の判定結果に応じて、指標の時間変化を表す輝度が変化する。グラフ801中の正常領域802は、長軸806に沿った短軸方向断面(短軸像)の位置及び時間において、重心(基準点)304の移動値に基づく生体組織の挙動の正常性を、輝度で表す。また、グラフ801中の異常領域803は、長軸806に沿った短軸方向断面(短軸像)の位置及び時間において、重心(基準点)304の移動値に基づく生体組織の挙動の異常性を、輝度で表す。正常領域802と異常領域803との境界は、指標設定部23により予め設定された閾値により、境界線で表されてもよいし、指標の値に応じてグラデーションで表されてもよい。指標の値と輝度(又は、色、色相、彩度、明度など)との関連性は、インジケーターカラーバー)804により表示される。

0124

長軸像(心尖四腔像807)が生成されるので、超音波診断装置1は、1心拍ごとに心腔容積から駆出率(EF、Ejection Fraction)を算出して、表示部17は、算出された駆出率706を、生体信号に同期させて、心電図315や他の指標のグラフとともに、画面501に表示してもよい。図8に示すように、駆出率は、指標ウィンドウ504にも表示される。

0125

本実施の形態にかかる超音波診断装置1によれば、長軸方向に連続的に配置される短軸方向断面(短軸像)において、それぞれの基準点(重心)の移動値に基づいて、3D(三次元)画像における生体組織の挙動を分析することができ、空間的(三次元)に生じる異常部位の挙動を分析することができる。特に、生体組織の3D(三次元)画像における追跡点(動作領域)303や重心(基準点)304の移動値の異常を判定することにより、異常部位の空間的な挙動を分析することができ、心臓(生体組織)の挙動を正確に分析することができる。分析部12は、重心安定性(基準点安定性)に関する複数の指標を組み合わせることにより、刺激伝導異常や冠動脈異常の種類を推定し、生体組織の正常/異常を判断してもよい。この場合は、複数の指標ごとにグラフ801が画面501に表示される。

0126

生体組織が心臓である場合には、長軸方向に沿って連続的に配置される短軸像上で心臓の全体の挙動を分析して、心臓の心尖部から心基部の全体にわたる同期性について評価することで、心臓の治療効果を確認することができ、ペースメーカのリード調整を適切に行うことができる。また、駆出率が算出されるので、心臓収縮の同期性と駆出率の関係を評価でき、心筋が同期して収縮拡張し、心臓は安定して効率良く血液を駆出しているか否かを評価することができる。

0127

以上、本発明にかかる実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。

0128

第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、基準点は重心であったが、基準点は2つの動作領域(追跡点)の中点であってもよい。画像認識部6は、生体組織の長軸に略垂直な断面において、長軸に対向する位置に2つの動作領域を設定し、基準点算出部11は、2つの動作領域の中点を基準点として算出してもよい。この場合は、断面画像は、短軸像ではなく、長軸に略垂直な断面画像である。生体組織が心臓である場合、長軸は、心臓左室の弁輪部を結ぶ直線の中点と心臓左室の心尖部とを結ぶ直線であってもよい。

0129

図14は、基準点901が2つの追跡点(動作領域)303の中点である場合を示した図である。図14に示すように、画像判別部7が、2D(二次元)の心尖アプローチ画像(心尖四腔像)907の種類を判別する(ステップS102)。判別された結果は、超音波診断装置1の画面501上の判別結果ウィンドウ503に表示される。

0130

2D(二次元)の心尖アプローチ画像(心尖四腔像)907における長軸806に略垂直なレベル902の断面画像において、長軸806に対向する位置に2つの追跡点(動作領域)303−3,303−4が設定される(ステップS103)。

0131

長軸806に対向する2つの追跡点(動作領域)303−3,303−4は、レベル902ごとに左室内膜(輪郭)に設定される。

0132

Modified Simpsonにおけるディスク設定のように、弁輪部の中点と心尖部とを通る長軸806を設定し、長軸806に略垂直に交差するレベル902と左室内膜の輪郭とが交差する点を追跡点(動作領域)303としてもよい。基準点算出部11は、長軸806に対向する2つの追跡点(動作領域)303−3,303−4の中点901を、基準点として算出する。

0133

分析部12は、各レベル902における基準点901の安定性を長軸806に直交する二次元断面画像上で判定して生体組織の挙動を分析する(ステップS109)。この場合、各レベル902における二次元の断面画像上の判定結果を、グラフ801として、長軸806方向に連続的に表示させることにより、生体組織の3D(三次元)画像における追跡点(動作領域)303や基準点901の移動値の異常を判定することができる。

0134

短軸像の代わりに長軸像(心尖アプローチによる2D画像)を用いて、各レベル902に基準点を算出することにより、心臓左室の心尖部から心基部まで連続的に基準点を設定することができる。したがって、2D(二次元)画像であっても、長軸方向に沿って連続的に配置される短軸像上で心臓の全体の挙動を分析して、心臓の心尖部から心基部の全体にわたる同期性について評価することで、心臓の治療効果を確認することができ、ペースメーカのリード調整を適切に行うことができる。また、3D画像用の3D探触子を用いなくても、2D画像用の探触子を用いることで、各レベルの複数の断面画像において基準点安定性を判定することにより、心臓全体(生体組織全体)の挙動をより正確に分析することができる。

0135

(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態にかかる医用画像診断装置について、図面を用いて説明する。特に言及しない場合は、他の構成は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態にかかる医用画像診断装置と同様である。

0136

第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、主に生体組織は心臓であり、超音波画像生成部(医用画像生成部)4は、生体組織である心臓の医用画像を生成し、画像認識部(動作位置設定部)6は、医用画像における心臓の輪郭に動作領域の位置を設定し、基準点算出部11は、複数の動作領域の位置から心臓の基準点の移動値を算出し、分析部12は、基準点の移動値に基づいて、心臓の全体の挙動を分析する。しかし、超音波画像生成部(医用画像生成部)4は、生体組織である血管の医用画像を生成し、画像認識部6は、医用画像における血管の輪郭に動作領域を設定し、基準点算出部11は、複数の動作領域の位置から血管の基準点の移動値を算出し、分析部12は、基準点の移動値に基づいて、血管の全体の挙動を分析してもよい。

0137

また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、画像認識部(動作位置設定部)6は、心臓の短軸方向断面に動作領域の位置を設定し、基準点算出部11は、複数の動作領域の位置から心臓の基準点の移動値を算出する。しかし、画像認識部6は、血管の短軸方向断面(又は、血管壁の輪郭)に動作領域を設定し、基準点算出部11は、複数の動作領域の位置から血管の基準点の移動値を算出してもよい。

0138

図15は、生体組織が血管である場合を示した図である。図15に示すように、超音波画像(医用画像)502は、血管(頸動脈)の短軸像(短軸方向断面)である。血管(頸動脈)の短軸像は、動脈硬化血流状態を計測するために用いられる。動脈硬化により血管壁が硬化したり、プラーク(局所的な隆起性病変)により血流状態が悪化したりすると、血管壁の動きに影響を与える。したがって、血管壁(頸動脈壁)の輪郭に設定された追跡点(動作領域)303の移動値に基づいて、重心(基準点)304の移動値の正常/異常を判定することにより、生体組織(血管)の挙動を分析することができる。重心(基準点)304は、血管の脈動に応じて、拡張状態の重心(基準点)304−1から収縮状態の重心(基準点)304−2を経て拡張状態の重心(基準点)304−1に戻る(又は、収縮状態の基準点304−2から拡張状態の基準点304−1を経て収縮状態の基準点304−2に戻る)。また、超音波診断装置(医用画像診断装置)1は、特定の疾患に応じた指標を推定するシミュレーション機能を備え、指標算出部21は、過去データから特定の疾患に応じた指標を算出し、判定部22は、特定の疾患に応じた指標を、生体組織の異常時に生じる基準点の異常移動値として、生体組織の挙動分析に用いてもよい。このように、心臓と同様、画像認識部6が、血管に追跡点(動作領域)303を設定し、基準点算出部11が、複数の追跡点(動作領域)303の位置から血管の重心(基準点)306の位置を算出し、分析部12が、重心(基準点)304の移動値に基づいて、血管の全体の挙動を分析することで、血管の正常/異常が判断される。

0139

以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る医用画像診断装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明は、超音波画像に限定されず、X線画像、CT、MRI、超音波画像(US)、及び血管造影(血管撮影)などの医用画像にも適用可能である。

0140

本発明にかかる医用画像診断装置は、生体組織(例えば、心臓)の挙動を評価する指標として基準点を算出することにより、基準点の移動値に基づいて生体組織全体の挙動を分析することができ、基準点の移動値を2D又は3D画像上でリアルタイムに算出して表示することにより、リアルタイムに生体組織の状態をモニタすることができる、生体組織全体の挙動を分析する医用画像診断装置として有用である。

0141

1超音波診断装置(医用画像診断装置)
2 被検体
3 超音波信号生成部
4超音波画像生成部
5生体信号生成部
6画像認識部(動作位置設定部)
7画像判別部
8輪郭抽出部
9 追跡部
10 評価部
11基準点算出部
12分析部
14 入力部
16出力画像生成部
17 表示部
18 記憶部
21指標算出部

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