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技術 醤油含有調味料及びその製造方法

出願人 キッコーマン株式会社
発明者 水谷朋子岡部弘美高田優子佐藤美恵子
出願日 2015年1月8日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-002674
公開日 2015年11月12日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-198642
状態 特許登録済
技術分野 醤油及び醤油関連製品 調味料
主要キーワード 吸湿試験 食用澱粉 フリーズドライ製法 調理試験 再仕込醤油 醤油由来 酢酸澱粉 フリーズドライ法
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

フリーズドライ製法により製造され、加熱調理時のダマの形成を抑制した醤油含有調味料及びその製造方法の提供。

解決手段

酸化澱粉及び液状醤油を含む原料調味料と、さらに該原料調味料にデキストリンを配合し、温度が20〜70℃、圧力が1〜107Paで凍結乾燥して得られる醤油含有調味料及びその製造方法。前記醤油含有調味料において、酸化澱粉が38〜52質量%であり、酸化澱粉の割合が15質量%以上で、デキストリンの割合が37質量%以下である醤油含有調味料。

概要

背景

近年、食生活の多様化に伴い、食品香味ベースとして多く用いられる醤油粉末化顆粒化した粉末醤油顆粒醤油の消費が増加している。このような粉末醤油等は、醤油に賦形剤を溶解させ、スプレードライ法フリーズドライ法などで乾燥させて製造される(特許文献1及び2参照)。粉末醤油等は、水産又は畜肉加工食品スープ類ソースやたれなどの調味料インスタントラーメン粉末スープなどのインスタント食品粉末調味料などとして広く利用されている。特に、スプレードライ法による粉末醤油は、即席スープなど加工用原料として用いられている。

粉末醤油を製造する際には、粉末醤油の加工適性を上げるために、一般的に賦形剤を使用する。例えば、スプレードライ法では、デキストリン等が使用される。しかしながら、スプレードライの粉末醤油は、粒度が小さく粉立ちしやすく、また、非常に吸湿固結しやすいため、調理に使用するのは困難であった。また、デキストリンも吸湿しやすいという欠点がある。

一方、フリーズドライ法による粉末醤油は、スプレードライ法による粉末醤油に比べて粒度を大きくすることができ、粉立ちが起こりにくいため、調理用として使用しやすい形状にできる。フリーズドライ法では、賦形剤として澱粉が用いられる。澱粉は賦形作用とともに、凍結乾燥時の膨張を抑制する作用も有するため、粉末醤油を良好に製造することができる。

しかしながら、賦形剤として澱粉を用いると加熱調理時に澱粉の再糊化が起こり、ダマを形成してしまうため、調理に使用するのは困難であった。賦形剤としてデキストリンを使用することもできるが、この場合は、出来上がった粉末醤油の吸湿性が高く、大気中の水分等により固結しやすいという欠点があり、これにより調理に使用するのは困難であった。

概要

フリーズドライ製法により製造され、加熱調理時のダマの形成を抑制した醤油含有調味料及びその製造方法の提供。酸化澱粉及び液状醤油を含む原料調味料と、さらに該原料調味料にデキストリンを配合し、温度が20〜70℃、圧力が1〜107Paで凍結乾燥して得られる醤油含有調味料及びその製造方法。前記醤油含有調味料において、酸化澱粉が38〜52質量%であり、酸化澱粉の割合が15質量%以上で、デキストリンの割合が37質量%以下である醤油含有調味料。なし

目的

本発明は、このような事情に鑑み、フリーズドライ法により製造され、加熱調理時のダマの形成を抑制した醤油含有調味料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

酸化澱粉及び液状醤油を含む原料調味料凍結乾燥して形成した醤油含有調味料

請求項2

請求項1に記載する醤油含有調味料において、前記酸化澱粉の割合が38質量%以上52質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料。

請求項3

請求項1に記載する醤油含有調味料において、デキストリンを含み、前記酸化澱粉の割合は、15質量%以上であり、前記デキストリンの割合は、37質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料。

請求項4

請求項3に記載する醤油含有調味料において、前記酸化澱粉の割合は、24質量%以上であり、前記デキストリンの割合は、28質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料。

請求項5

請求項3又は請求項4に記載する醤油含有調味料において、塩分の割合は、11質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料。

請求項6

請求項1に記載する醤油含有調味料において、前記酸化澱粉の割合は、38質量%以上69質量%以下であり、塩分の割合は、9質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料。

請求項7

酸化澱粉及び液状醤油を含む原料調味料を凍結乾燥して醤油含有調味料を製造する醤油含有調味料の製造方法であって、醤油含有調味料の固形分に対する塩分の割合が11質量%以下となるように原料調味料を配合し、該原料調味料を温度が20℃以上70℃以下、圧力が1Pa以上107Pa以下で凍結乾燥することを特徴とする醤油含有調味料の製造方法。

請求項8

請求項7に記載する醤油含有調味料の製造方法において、前記原料調味料は、デキストリンを含み、醤油含有調味料の固形分に対する前記酸化澱粉の割合が32質量%以上、前記醤油含有調味料の固形分に対する前記デキストリンの割合が36質量%以下となるように原料調味料を配合することを特徴とする醤油含有調味料の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、醤油成分を含有する醤油含有調味料及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、食生活の多様化に伴い、食品香味ベースとして多く用いられる醤油粉末化顆粒化した粉末醤油顆粒醤油の消費が増加している。このような粉末醤油等は、醤油に賦形剤を溶解させ、スプレードライ法フリーズドライ法などで乾燥させて製造される(特許文献1及び2参照)。粉末醤油等は、水産又は畜肉加工食品スープ類ソースやたれなどの調味料インスタントラーメン粉末スープなどのインスタント食品粉末調味料などとして広く利用されている。特に、スプレードライ法による粉末醤油は、即席スープなど加工用原料として用いられている。

0003

粉末醤油を製造する際には、粉末醤油の加工適性を上げるために、一般的に賦形剤を使用する。例えば、スプレードライ法では、デキストリン等が使用される。しかしながら、スプレードライの粉末醤油は、粒度が小さく粉立ちしやすく、また、非常に吸湿固結しやすいため、調理に使用するのは困難であった。また、デキストリンも吸湿しやすいという欠点がある。

0004

一方、フリーズドライ法による粉末醤油は、スプレードライ法による粉末醤油に比べて粒度を大きくすることができ、粉立ちが起こりにくいため、調理用として使用しやすい形状にできる。フリーズドライ法では、賦形剤として澱粉が用いられる。澱粉は賦形作用とともに、凍結乾燥時の膨張を抑制する作用も有するため、粉末醤油を良好に製造することができる。

0005

しかしながら、賦形剤として澱粉を用いると加熱調理時に澱粉の再糊化が起こり、ダマを形成してしまうため、調理に使用するのは困難であった。賦形剤としてデキストリンを使用することもできるが、この場合は、出来上がった粉末醤油の吸湿性が高く、大気中の水分等により固結しやすいという欠点があり、これにより調理に使用するのは困難であった。

先行技術

0006

特開昭58−005162号公報
特開平07−213250号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、このような事情に鑑み、フリーズドライ法により製造され、加熱調理時のダマの形成を抑制した醤油含有調味料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決する本発明の第1の態様は、酸化澱粉及び液状醤油を含む原料調味料を凍結乾燥して形成した醤油含有調味料にある。

0009

かかる第1の態様では、フリーズドライ法により好適に製造することができるとともに、加熱調理時のダマの形成を抑制した醤油含有調味料が提供される。

0010

本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する醤油含有調味料において、前記酸化澱粉の割合が38質量%以上52質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料にある。

0011

かかる第2の態様では、より確実に加熱調理時のダマの形成を抑制することができる。

0012

本発明の第3の態様は、第1の態様に記載する醤油含有調味料において、デキストリンを含み、前記酸化澱粉の割合は、15質量%以上であり、前記デキストリンの割合は、37質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料にある。

0013

かかる第3の態様では、デキストリンを含んでいても吸湿固結耐性を有する醤油含有調味料を得ることができる。

0014

本発明の第4の態様は、第3の態様に記載する醤油含有調味料において、前記酸化澱粉の割合は、24質量%以上であり、前記デキストリンの割合は、28質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料にある。

0015

かかる第4の態様では、デキストリンを含んでいてもより一層の吸湿固結耐性を有する醤油含有調味料を得ることができる。

0016

本発明の第5の態様は、第3又は第4の態様に記載する醤油含有調味料において、塩分の割合は、11質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料にある。

0017

かかる第5の態様では、凍結乾燥工程の前後において原料調味料の膨らみを抑制することができ、凍結乾燥装置から取り出す作業を行いやすく、製造に適したものとなる。

0018

本発明の第6の態様は、第1の態様に記載する醤油含有調味料において、前記酸化澱粉の割合は、38質量%以上69質量%以下であり、塩分の割合は、9質量%以下であることを特徴とする醤油含有調味料にある。

0019

かかる第6の態様では、凍結乾燥工程の前後において原料調味料の膨らみをより確実に抑制することができ、凍結乾燥装置から取り出す作業を行いやすく、製造に適したものとなる。

0020

本発明の第7の態様は、酸化澱粉及び液状醤油を含む原料調味料を凍結乾燥して醤油含有調味料を製造する醤油含有調味料の製造方法であって、醤油含有調味料の固形分に対する塩分の割合が11質量%以下となるように原料調味料を配合し、該原料調味料を温度が20℃以上70℃以下、圧力が1Pa以上107Pa以下で凍結乾燥することを特徴とする醤油含有調味料の製造方法にある。

0021

かかる第7の態様では、加熱調理時のダマの形成を抑制することができる醤油含有調味料を提供することができるとともに、凍結乾燥工程の前後において原料調味料の膨らみを抑制することができる。これにより、凍結乾燥装置から凍結乾燥した醤油含有調味料を該装置内で引っかかることなく円滑に取り出すことができる。

0022

本発明の第8の態様は、第7の態様に記載する醤油含有調味料の製造方法において、前記原料調味料は、デキストリンを含み、醤油含有調味料の固形分に対する前記酸化澱粉の割合が32質量%以上、前記醤油含有調味料の固形分に対する前記デキストリンの割合が36質量%以下となるように原料調味料を配合することを特徴とする醤油含有調味料の製造方法にある。

0023

かかる第8の態様では、凍結乾燥装置から凍結乾燥した醤油含有調味料をより確実に取り出すことができる。

実施例

0024

本発明の醤油含有調味料は、酸化澱粉及び液状醤油を含む原料調味料を凍結乾燥して形成したものであり、粉末状又は顆粒状に粉砕されている。このように、賦形剤として酸化澱粉を含む原料調味料を凍結乾燥して形成することにより、加熱調理時にダマが生じることを抑制することができる醤油含有調味料が得られる。

0025

従来の粉末醤油や顆粒醤油は、賦形剤として食用澱粉加工澱粉等を含むため、加熱及び加熱により食材から出た水分により糊化してしまい、ダマが形成されてしまうという問題があった。また、賦形剤を含有しない粉末醤油も作製することができるが、これも加熱及び加熱により食材から出た水分により、ダマを形成してしまうという問題があった。本発明では、上述した構成とすることによりダマの形成を抑制することができる。これは、本発明では、賦形剤としての酸化澱粉は加熱時に水分を吸収して糊化することがないためであると考えられる。言い換えれば、本発明の醤油含有調味料は、加熱により糊化しない酸化澱粉を含むことにより、加熱調理時のダマを抑制したものである。本発明の醤油含有調味料は、加熱調理時のダマを抑制したものであるため、加熱調理時の調味料として好適に用いることができる。

0026

また、酸化澱粉は、フリーズドライ法による製造時において、原料調味料の粘度を確保する作用も有する。これにより、原料調味料を攪拌した際に固形分の沈殿を抑制して、固形分を均一に分散させることができ、また、凍結時の膨張や膨張に伴うひび割れを防ぐことができる。これにより、原料調味料から得られる醤油含有調味料の風味を安定させることができる。

0027

液状醤油とは、だし、他の調味料、果汁等の液状醤油以外のものが添加される前の状態のものを指し、市販されている通常の液状醤油であれば特に限定されるものではない。液状醤油としては、例えば、濃口醤油淡口醤油、白醤油、溜醤油、再仕込醤油、又はそれらの減塩タイプ、うす塩タイプ、またさらに生しょうゆなどを用いることができる。

0028

酸化澱粉は、澱粉を次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤で酸化することにより得られるものである。酸化澱粉としては、スタビローズK(化学工業株式会社製)、SSソルブスターチ(東海デキストリン株式会社製)等が挙げられる。

0029

酸化澱粉の含有量としては、38質量%以上52質量%以下であることが好ましい。このような含有量とすることで、醤油由来旨味を有し、かつ、加熱調理時のダマの発生が抑制された醤油含有調味料が得られる。ここでいう酸化澱粉の含有量とは、粉末状又は顆粒状の醤油含有調味料の固形分として含まれる酸化澱粉の含有量であり、原料調味料中の酸化澱粉の含有量ではない。

0030

また、本発明に係る醤油含有調味料は、酸化澱粉以外の賦形剤として食用澱粉、酸化澱粉以外の加工澱粉、デキストリン、ゼラチンアラビアガム等を含んでもよい。

0031

食用澱粉としては、米類の澱粉、麦類の澱粉、雑穀類の澱粉等を挙げることができる。また、加工澱粉としては、各種架橋澱粉酢酸澱粉ヒドロキシプロピル澱粉オクテニルコハク酸澱粉ナトリウムリン酸化澱粉等を挙げることができる。

0032

賦形剤として酸化澱粉以外のものを含める場合、酸化澱粉の割合は15質量%以上であり、酸化澱粉以外の賦形剤は37質量%以下とすることが好ましい。さらに、酸化澱粉の割合は24質量%以上であり、酸化澱粉以外の賦形剤28質量%以下とすることがより一層好ましい。このような賦形剤の配合とすることで、加熱調理時のダマの形成を抑制するとともに、常温保存時における吸湿固結耐性に優れたものとなる。

0033

例えば、コスト低減や増量感を付与するために、賦形剤としてデキストリンを含めてもよい。この場合、上述したような配合でデキストリンを含めることにより、加熱時のダマの抑制と吸湿固結耐性に優れ、さらにコスト面や増量感においても好適な醤油含有調味料を得ることができる。

0034

なお、酸化澱粉の割合が15質量%より少なく、酸化澱粉以外の賦形剤の割合が37質量%より多いと、加熱調理時のダマの形成は抑制されるものの、吸湿固結してしまい、粉末又は顆粒を維持することができない。

0035

原料調味料は、酢、食塩味噌グルタミン酸ソーダイノシン酸ソーダ等の化学調味料、みりん清酒ワインなどの酒類、チキンやビーフ、ポーク等の固形ブイヨン等、胡椒唐辛子ベイリーフカレー粉等の香辛料等の調味料を含んでいてもよい。

0036

本発明に係る醤油含有調味料は、液状醤油、酸化澱粉を含む賦形剤、その他必要に応じて添加される添加物を混合して原料調味料とし、該原料調味料を凍結乾燥(フリーズドライ)させることで形成されたものである。

0037

具体的には、例えば、液状醤油、酸化澱粉を含む賦形剤、及び必要に応じて添加される添加物を容器に入れ、均一に混合することにより、原料調味料を得る。なお、混合手順は、特に限定されるものではなく、例えば、各原材料を順に容器にいれてその都度混和してもよく、全ての原材料を容器に入れてまとめて混合してもよい。また、適宜加熱し、賦形剤を溶解する。さらにこのとき、水分を添加してもよい。水分を添加することで原料調味料の塩分濃度が低下し、原料調味料の凍結を促進することができる。添加する水分は、液状醤油及び賦形剤の総量100質量部に対して50質量部以上300質量部以下とすることが好ましい。このような割合の水分を原料調味料に含ませることで、凍結乾燥処理の全体に掛かる時間をそれほど増大させることなく、原料調味料の凍結を行うことができる。

0038

そして、得られた原料調味料を凍結乾燥させる。凍結乾燥に用いる機材や製造条件は、特に限定されないが、例えば、公知の凍結乾燥装置を用い、原料調味料の温度を20℃以上70℃以下、圧力を1Pa以上107Pa以下として凍結乾燥する。混合物の水分が例えば5質量%以下程度になるまで凍結乾燥させることで本発明に係る醤油含有調味料(フリーズドライ醤油)が製造される。その後は、必要に応じて、所定の大きさに粉砕してもよい。

0039

また、醤油含有調味料に含まれる塩分が固形分に対して11質量%以下となるように、原料調味料の塩分濃度を調整することが好ましい。このような塩分濃度にするためには、例えば、醤油の分量や、凍結乾燥の際に添加する水分量を調整したり、別途塩分を添加することにより行うことができる。

0040

一般に、凍結乾燥装置は、その内部に容器詰めの原料調味料を設置して凍結する。このとき、原料調味料が膨らむと、容器外にまで膨らんだ原料調味料の一部が当該装置内で引っ掛かり、取り出しにくくなる場合がある。

0041

しかしながら、本発明の醤油含有調味料は、上述した塩分量の原料調味料とすることで、凍結乾燥工程の前後において原料調味料の膨らみを抑制することができ、凍結乾燥装置から取り出す作業を行いやすく、製造に適したものとなる。

0042

なお、醤油含有調味料にデキストリンを含めず、酸化澱粉を含める場合、固形分に対して酸化澱粉を38質量%以上69質量%以下であり、塩分が9質量%以下となるように、原料調味料の酸化澱粉及び塩分の含有量を調整することが好ましい。これにより、本発明の醤油含有調味料は、凍結乾燥工程の前後において原料調味料の膨らみをより確実に抑制することができ、凍結乾燥装置から取り出す作業を行いやすく、製造に適したものとなる。

0043

以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0044

(実施例A1)
濃口醤油(キッコーマン食品社製)100質量部に対し、酸化澱粉(スタビローズK;松谷化学工業株式会社製)を40質量部、デキストリン(DE7−9;三和澱粉工業株式会社製)32質量部、食塩21質量部、水200質量部を添加し、混合して原料調味料を得た。

0045

この原料調味料を−30℃〜−40℃、減圧下で凍結乾燥させることにより、フリーズドライ醤油を得た。得られたフリーズドライ醤油を粒径1.6mm(10メッシュパス)程度に粉砕して、実施例A1の醤油含有調味料を得た。

0046

(比較例A1)
原料調味料において、酸化澱粉を0質量部とし、馬鈴薯澱粉を40質量部配合した以外は実施例A1と同様にして、比較例A1の醤油含有調味料を得た。

0047

(比較例A2)
馬鈴薯澱粉40質量部の代わりにヒドロキシプロピル化リン酸架橋でん粉トレコメックスAET−1)を40質量部とした以外は比較例A1と同様にして、比較例A2の醤油含有調味料を得た。

0048

(比較例A3)
比較例A2に係る澱粉40質量部の代わりにヒドロキシプロピル化リン酸架橋でん粉(トレコメックスAET−4)を40質量部とした以外は比較例A2と同様にして、比較例A3の醤油含有調味料を得た。

0049

(比較例A4)
馬鈴薯澱粉40質量部の代わりにアセチルアジピン酸架橋でん粉(Cスターテックス06205)を40質量部とした以外は比較例A1と同様にして、比較例A4の醤油含有調味料を得た。

0050

(比較例A5)
馬鈴薯澱粉40質量部の代わりにヒドロキシプロピルでん粉(テキストラ)を40質量部とした以外は比較例A1と同様にして、比較例A5の醤油含有調味料を得た。

0051

表1に各実施例及び比較例の原料調味料の配合を示し、表2に各実施例及び比較例に係る醤油含有調味料の固形分中における各原料の割合を示す。粉末醤油中の塩分は、30±2質量%となるように配合した。

0052

0053

0054

試験例1)
各実施例及び比較例の醤油含有調味料を5g添加して、キャベツ100gを炒めて、キャベツ炒めを作製した。同様に、もやし100gを炒めてもやし炒めを作製した。得られたキャベツ炒め及びもやし炒めの表面のダマの有無を観察した。試験例1の結果を表3に示す。

0055

0056

表3の○は、ダマが形成されないことを示し、×はダマが形成されたことを示し、××は比較的大きなダマが形成されたことを示し、△は時間の経過とともに溶融するもののダマが形成されたことを示す。

0057

比較例A1〜比較例A5は、醤油が十分に溶解せずにダマが形成されていた。比較例A5については、時間が経過すればダマが溶融したが、ダマは形成された。これに対し、実施例A1の醤油含有調味料はダマが形成されなかった。

0058

このような試験例1によれば、賦形剤として酸化澱粉を含むことで、ダマが形成されない醤油含有調味料が得られることが分かった。

0059

(実施例B1〜実施例B4、比較例B1〜比較例B4)
濃口醤油(キッコーマン食品社製)100質量部に対し、表4に記載の質量部の酸化澱粉(スタビローズK;松谷化学工業株式会社製)、食塩、水を添加し、混合して原料調味料を得た。フリーズドライ醤油の塩分が、実施例B1は42質量%、実施例B2〜B4,比較例B1〜比較例B4は、30±2質量%となるように配合した。

0060

この原料調味料を−30℃〜−40℃、減圧下で凍結乾燥させることにより、フリーズドライ醤油を得た。得られたフリーズドライ醤油を粒径1.6mm(10メッシュパス)程度に粉砕して、実施例B1〜B4、比較例B1〜比較例B4の醤油含有調味料を得た。表4に各実施例及び比較例の原料調味料の配合を示し、表5に各実施例及び比較例に係る醤油含有調味料の固形分中における各原料の割合を示す。

0061

0062

0063

(試験例2)
各実施例及び比較例の醤油含有調味料を5g添加して、キャベツ100gを炒めて、キャベツ炒めを作製した。同様に、もやし100gを炒めてもやし炒めを作製した。得られたキャベツ炒め及びもやし炒めの表面のダマの有無を観察した。そして、実際に食して味の評価を行った。試験例2の結果を表6に示す。

0064

0065

表6の調理試験に関する○は、ダマが形成されないことを示し、×はダマが形成されたことを示す。味の評価に関する○は味が良好であったことを示し、×は良好ではなかったことを示す。総合評価に関する○は、調理試験及び味の評価の双方が良好であったことを示し、×は少なくとも一方が不良であったことを示す。

0066

比較例B1〜比較例B2は、味は良好であったものの、醤油が十分に溶解せずにダマが形成されていた。比較例B3〜比較例B4は、ダマは形成されないものの、醤油成分が少ないため、醤油感がなく、塩辛いものであった。これに対し、実施例B1〜実施例B4は、ダマが形成されず、かつ味も良好であった。

0067

このような試験例2によれば、粉末又は顆粒状の醤油含有調味料の固形分中における酸化澱粉の含有量は、38質量%以上52質量%以下であれば、ダマの形成が抑制され、かつ味も良好なものであることが分かった。

0068

(実施例C1〜実施例C5、比較例C1〜比較例C2)
濃口醤油(キッコーマン食品社製)100質量部に対し、表7に記載の質量部の酸化澱粉、デキストリン、食塩、水を添加し、混合して原料調味料を得た。フリーズドライ醤油の塩分が、30±2質量%となるように配合した。

0069

この原料調味料を−30℃〜−40℃、減圧下で凍結乾燥させることにより、フリーズドライ醤油を得た。得られたフリーズドライ醤油を粒径1.6mm(10メッシュパス)程度に粉砕して、実施例C1〜C5、比較例C1〜比較例C2の醤油含有調味料を得た。表7に各実施例及び比較例の原料調味料の配合を示し、表8に各実施例及び比較例に係る醤油含有調味料の固形分中における各原料の割合を示す。

0070

0071

0072

(試験例3)
各実施例及び比較例の醤油含有調味料を5g添加して、キャベツ100gを炒めて、キャベツ炒めを作製した。同様に、もやし100gを炒めてもやし炒めを作製した。得られたキャベツ炒め及びもやし炒めの表面のダマの有無を観察した。さらに、吸湿試験を実施した。

0073

吸湿試験は、実施例C1〜C5、比較例C1〜C2を28メッシュを通過し、かつ42メッシュを通過しないものを選別して粒子を揃え、秤量瓶に1g採取し、30℃、RH52%の環境で24時間、又は48時間放置した。24時間放置後において粉末状であるか、48時間放置後において粉末状であるかを目視により確認した。試験例3の結果を表9に示す。

0074

0075

表9の調理試験に関する○は、ダマが形成されないことを示す。吸湿試験に関する○は、粉末状の性質を有していたことを示し、△は固まってはいるが、崩せば容易に粉に戻ったことを示し、×は固まったことを示している。

0076

比較例C1〜比較例C2は、48時間放置後は、固く固結し、粉の性状を保っていなかった。実施例C4〜実施例C5は、24時間放置後であれば、固まるがすぐに粉末状に戻った。実施例C1〜C3は、24時間放置後においても48時間放置後においても、粉末状のままであった。

0077

このような試験例3によれば、24時間放置後であれば、醤油含有調味料の固形分中における酸化澱粉が15質量%以上であり、デキストリンが37質量%以下であれば、粉末の性状を保つか、固まったとしてもすぐに粉末状に戻せることが分かった。また、醤油含有調味料の固形分中における酸化澱粉が24質量%以上であり、デキストリンが28質量%以下であれば48時間放置した後でも粉末状を保つことが分かった。

0078

デキストリンは、吸湿耐性がなく、吸湿して固形にする作用を有するが、試験例3に示したように、醤油含有調味料の固形分中におけるデキストリンの上限を定めることで吸湿固結耐性を有する醤油含有調味料が得られることが分かった。すなわち、実施例C1〜C5に示すように、醤油含有調味料の固形分中における酸化澱粉を15質量%以上とし、デキストリンを37質量%以下とすることで、24時間放置後において、粉末状、又は固結するがすぐに粉末状に戻る醤油含有調味料を得ることができることが分かった。

0079

さらに、実施例C1〜C3に示すように、醤油含有調味料の固形分中における酸化澱粉を24質量%以上とし、デキストリンを28質量%以下とすることで、48時間放置後において、粉末状を維持することができる醤油含有調味料を得ることができることが分かった。

0080

(実施例D1〜実施例D8、実施例E1〜E4、実施例F1、比較例F2〜F3)
減塩醤油(キッコーマン食品社製)に、酸化澱粉、デキストリン、油脂、水を添加し、混合して原料調味料を得た。この原料調味料を20℃〜70℃、13.3Paで乾燥させることにより、フリーズドライ醤油を得た。得られたフリーズドライ醤油を粒径1.6mm(10メッシュパス)程度に粉砕して、実施例D1〜D8の醤油含有調味料を得た。

0081

減塩醤油に替えて濃口醤油(キッコーマン食品社製)と、それ以外の材料として実施例D1〜D8と同じ材料を用いて原料調味料を得た。実施例D1〜D8と同様にして、実施例E1〜E4、実施例F1、比較例F2〜F3の醤油含有調味料を得た。

0082

表10に各実施例の原料調味料の配合を示し、表11に各実施例に係る醤油含有調味料の固形分中における各原料の割合を示す。表10の塩については、原料調味料全体に含まれる割合である。本実施例では、減塩醤油及び水の分量を適宜調整することにより、塩の割合を調整してあるが、別途に塩を添加して割合を調整してもよい。

0083

0084

(試験例4)
各実施例の原料調味料を凍結乾燥する前後において膨らみが生じるかを観察した。また、各実施例に係る醤油含有調味料の固形分に対する塩分の割合を計算した。試験例4の結果を表12に示す。

0085

0086

表12の「◎」は凍結乾燥前の原料調味料と比較して、凍結乾燥後の原料調味料、すなわち、粉砕する前の醤油含有調味料は膨らんでいなかったことを表す。「○」は全体的に膨らんでいないが、一部膨らんだ箇所があることを表す。「△」は若干膨らむが、僅かである。「×」は膨らんだ状態である。

0087

実施例D1〜D3、E2〜E3は◎、実施例D4〜D5、F1は○、実施例E1は△であり、凍結乾燥工程において、膨らみがないか、又はほとんど無視できるものであった。実施例D6〜D8、実施例E4、比較例F2〜F3は×であり、凍結乾燥工程において、やや作業性に影響を及ぼす程度に膨らみが生じた。

0088

このような試験例4によれば、醤油含有調味料の固形分中における塩分の含有量は、11質量%以下であれば、凍結乾燥工程において原料調味料の膨らみを抑え、製造に適したものであることが分かった。何れの実施例も、固形分中における酸化澱粉の割合が15質量%以上でありデキストリンの割合が37質量%以下であるか、又は、酸化澱粉の割合が24質量%以上でありデキストリンの割合が28質量%以下であるので、試験例3に示したように粉末状を保つことができる。したがって、試験例4における各実施例は、粉末状を保つことができるとともに、凍結乾燥工程における膨張を抑えた加工適正に優れた醤油含有調味料である。

0089

また、凍結乾燥工程においては、一般的な凍結乾燥工程よりも高温高圧で処理することができるので、短時間で乾燥することができる。

0090

(実施例G1〜実施例G2)
減塩醤油(キッコーマン食品社製)に、酸化澱粉、油脂、水を添加し、混合して原料調味料を得た。この原料調味料を20℃〜70℃、13.3Paで乾燥させることにより、フリーズドライ醤油を得た。得られたフリーズドライ醤油を粒径1.6mm(10メッシュパス)程度に粉砕して、実施例G1〜G2の醤油含有調味料を得た。

0091

表13に各実施例の原料調味料の配合を示し、表14に各実施例に係る醤油含有調味料の固形分中における各原料の割合を示す。表13の塩については、原料調味料全体に含まれる割合である。

0092

0093

0094

(試験例5)
各実施例の原料調味料を凍結乾燥する前後において膨らみが生じるかを観察した。また、各実施例に係る醤油含有調味料の固形分に対する塩分の割合を計算した。試験例5の結果を表15に示す。表15の「◎」「○」「×」は試験例4と同様の意味である。

0095

0096

実施例G1〜G2は◎であり、凍結乾燥工程において膨らみがないか、又はほとんど無視できるものであった。

0097

このような試験例5によれば、醤油含有調味料の固形分中における酸化澱粉の含有量を69質量%以下とし、塩分の含有量を9質量%以下とすれば、凍結乾燥工程において原料調味料の膨らみを抑え、製造に適したものであることが分かった。

0098

試験例4に示すように、固形分中における塩分が少ないほど加工適性が高いという傾向がある。また、試験例1の各実施例は、固形分中における酸化澱粉の含有量は38質量%以上52質量%以下であり、塩分が17質量%である。これらを踏まえれば、固形分中における酸化澱粉の38質量%以上52質量%以下とし、塩分を17質量%よりも少ない9質量%以下とすれば、凍結乾燥工程において原料調味料の膨らみを抑えられるであろうと考えられる。

0099

したがって、試験例1、4、5によれば、醤油含有調味料の固形分中における酸化澱粉の含有量を38質量%以上69質量%以下とし、塩分の含有量を9質量%以下とすれば、凍結乾燥工程において原料調味料の膨らみを抑え、製造に適したものであることが分かった。

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