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技術 電力系統における周波数制御方法及び周波数制御システム

出願人 富士電機株式会社
発明者 林巨己
出願日 2014年4月2日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2014-075858
公開日 2015年11月9日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2015-198526
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電
主要キーワード 周波数制御システム 周波数偏 系統容量 定周波数制御 利用発電 系統制御装置 周波数制御装置 電力貯蔵設備
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図面 (9)

課題

蓄電設備の容量増大を招くことなく系統周波数を安定的に制御する。

解決手段

再生可能エネルギー利用発電設備及び蓄電設備が少なくとも接続されて負荷設備電力を供給する電力系統周波数制御方法であって、電力系統10の上位に位置する需給制御システム40が、系統周波数と前記各設備から送信された情報とに基づいて再生可能エネルギー利用発電設備Gb1〜Gbn及び蓄電設備Ba1〜Banの出力を制御して系統周波数を制御する負荷周波数制御と、蓄電設備Ba1〜Banが、系統周波数に基づいて自己の出力を制御して系統周波数を制御するローカル制御と、を実行可能である周波数制御方法において、系統周波数が規定範囲内にあるときは負荷周波数制御のみによって系統周波数を制御し、系統周波数が前記規定範囲を逸脱したときは負荷周波数制御及びローカル制御によって系統周波数を制御する。

概要

背景

近年、太陽光発電設備風力発電設備など、出力の安定的な制御が困難な再生可能エネルギー利用発電設備が積極的に導入されており、わが国においては、2020年で2800万[kW]の太陽光発電設備、490万[kW]の風力発電設備が導入される計画となっている。しかし、これらの再生可能エネルギーを利用した発電量天候に支配されるので、出力が不安定(不確定)であるという課題がある。
電力系統においては、発電電力負荷電力との需給バランス釣り合っていなければならないが、上述した再生可能エネルギー利用発電設備を電力系統に連系すると、発電電力と負荷電力との需給バランスが崩れてしまい、系統周波数の変動により、最悪の場合は電力系統の運用が停止される事態を招く。

通常、系統周波数の制御は、短い周期周波数変動に対しては、発電機単独で行われるガバナフリー運転が担い、これよりも周期の長い周波数変動に対しては、中央給電指令所からの出力制御が担っている。中央給電指令所からの出力制御としては、定周波数制御周波数偏連系線電力制御等によるLFC(負荷周波数制御)が行われており、このLFCは、一つの電力会社管内の大規模系統であって、再生可能エネルギー利用発電設備がほとんど導入されていない場合に有効な制御方法として知られている。

ここで、特許文献1では、LFC容量を確保するために、電力系統の周波数制御蓄電設備活用することが試みられている。
図6は、特許文献1に記載された周波数制御装置を示している。図6において、周波数制御装置200内の周波数検出手段203は、電力系統100の周波数fを検出する。電力系統100には蓄電設備として複数の二次電池301が接続されており、それぞれの充電深度が充電深度検出手段201により検出されて充電深度補正手段202に入力されている。
周波数偏差演算手段204は、基準周波数と系統周波数fとの偏差Δfを演算して充電深度補正手段202及び充放電制御手段205に送出する。充放電制御手段205は、二次電池301の充電深度が例えば50[%]になるように、充電深度補正手段202にて生成された充電深度補正信号と周波数偏差Δfとに基づいて二次電池301の充放電を制御し、周波数偏差Δfをなくすように系統周波数を制御している。

この従来技術によれば、電力需給不均衡が発生して系統周波数が変動した場合でも、二次電池の充電深度を所定値に維持しながらその充放電を制御することにより、発電機Gの出力の自動制御に代えてLFCを実現し、系統周波数の変動を抑制している。

また、特許文献2には、マイクログリッドを対象として周波数の安定性を向上させるようにしたLFC及び経済負荷配分制御(EDC)に関する従来技術が開示されている。
図7は、この従来技術を示すものであり、400はマイクログリッド内系統制御装置、500はマイクログリッド、501は他の電力系統、601は内燃力発電設備、602は二次電池等の電力貯蔵設備、G1は太陽光発電設備、G2は風力発電設備、700は負荷である。また、マイクログリッド内系統制御装置400は、電力の需給予測を行う予測機能401、実績データベース402、需給計画403、経済負荷配分制御装置404、及び負荷周波数制御装置405を備えている。

この従来技術では、負荷周波数制御装置405において、図8に示すように基準周波数f0と系統周波数fとの偏差に定数Kを乗じ、更に連系線潮流変化量ΔPTとの加減算により地域要求量(AR)を算出する。そして、この地域要求量を、複数の配分手段410により、複数の電力貯蔵設備602と出力応答速度(低速,高速)に応じた複数の内燃力発電設備601とに配分してLFC指令を生成している。

この従来技術では、地域要求量の周波数変動を各種フィルタにより除去した後に、図7の経済負荷配分制御装置404が演算した比率や内燃力発電設備601と電力貯蔵設備602との容量比などに従って複数設備に配分することにより、マイクログリッドにおける周波数安定性を向上させている。

概要

蓄電設備の容量増大を招くことなく系統周波数を安定的に制御する。再生可能エネルギー利用発電設備及び蓄電設備が少なくとも接続されて負荷設備に電力を供給する電力系統の周波数制御方法であって、電力系統10の上位に位置する需給制御システム40が、系統周波数と前記各設備から送信された情報とに基づいて再生可能エネルギー利用発電設備Gb1〜Gbn及び蓄電設備Ba1〜Banの出力を制御して系統周波数を制御する負荷周波数制御と、蓄電設備Ba1〜Banが、系統周波数に基づいて自己の出力を制御して系統周波数を制御するローカル制御と、を実行可能である周波数制御方法において、系統周波数が規定範囲内にあるときは負荷周波数制御のみによって系統周波数を制御し、系統周波数が前記規定範囲を逸脱したときは負荷周波数制御及びローカル制御によって系統周波数を制御する。

目的

本発明の解決課題は、再生可能エネルギー利用発電設備が中小規模の電力系統に大量に導入された状態においても、LFCとローカル制御とを協調させて蓄電設備の容量を低減し、しかも系統周波数を安定的に制御可能とした周波数制御方法及び周波数制御装置を提供する

効果

実績

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請求項1

再生可能エネルギー利用発電設備及び蓄電設備が少なくとも接続されて負荷設備電力を供給する電力系統周波数制御方法であって、前記電力系統の上位に位置する需給制御システムが、系統周波数と前記各設備から送信された情報とに基づいて前記再生可能エネルギー利用発電設備及び前記蓄電設備の出力を制御することにより系統周波数を制御する負荷周波数制御と、前記蓄電設備が、系統周波数に基づいて自己の出力を制御することにより系統周波数を制御するローカル制御と、を実行可能である周波数制御方法において、前記系統周波数が規定範囲内にあるときは前記負荷周波数制御のみによって前記系統周波数を制御し、前記系統周波数が前記規定範囲を逸脱したときは前記負荷周波数制御及び前記ローカル制御によって前記系統周波数を制御することを特徴とする、電力系統における周波数制御方法。

請求項2

再生可能エネルギー利用発電設備及び蓄電設備が少なくとも接続されて負荷設備に電力を供給する電力系統の周波数制御システムであって、前記電力系統の上位に位置する需給制御システムが、系統周波数と前記各設備から送信された情報とに基づいて前記再生可能エネルギー利用発電設備及び前記蓄電設備の出力を制御することにより系統周波数を制御する負荷周波数制御と、前記蓄電設備が、系統周波数に基づいて自己の出力を制御することにより系統周波数を制御するローカル制御と、を実行可能である周波数制御システムにおいて、前記系統周波数の変動に関わらず前記負荷周波数制御を常に有効とする手段と、前記系統周波数が規定範囲内にあることを検出して前記ローカル制御を無効とし、前記系統周波数が前記規定範囲を逸脱したことを検出して前記ローカル制御を有効とする手段と、を備えたことを特徴とする、電力系統における周波数制御システム。

請求項3

請求項2に記載した周波数制御システムにおいて、前記系統周波数を検出する周波数検出手段と、前記系統周波数から得た検出周波数基準周波数との偏差を算出する手段と、前記偏差がゼロになるように前記蓄電設備に対する出力指令を生成する手段と、を備え、前記周波数検出手段は、前記系統周波数が規定範囲内にあることを検出したときに前記検出周波数として前記基準周波数を出力することにより前記偏差をゼロにし、前記系統周波数が前記規定範囲を逸脱したことを検出したときに前記検出周波数として前記系統周波数をそのまま出力して前記偏差を有限の値にすることを特徴とする、電力系統における周波数制御システム。

技術分野

0001

本発明は、電力系統周波数を安定的に制御する周波数制御方法及び周波数制御システムに関し、詳しくは、各種の再生可能エネルギー利用発電設備蓄電設備負荷設備等を備え、特に、特定の狭い地域に適用されるマイクログリッドスマートグリッド等の中小規模の電力系統に適用して好適な制御方法及び制御システムに関するものである。

背景技術

0002

近年、太陽光発電設備風力発電設備など、出力の安定的な制御が困難な再生可能エネルギー利用発電設備が積極的に導入されており、わが国においては、2020年で2800万[kW]の太陽光発電設備、490万[kW]の風力発電設備が導入される計画となっている。しかし、これらの再生可能エネルギーを利用した発電量天候に支配されるので、出力が不安定(不確定)であるという課題がある。
電力系統においては、発電電力負荷電力との需給バランス釣り合っていなければならないが、上述した再生可能エネルギー利用発電設備を電力系統に連系すると、発電電力と負荷電力との需給バランスが崩れてしまい、系統周波数の変動により、最悪の場合は電力系統の運用が停止される事態を招く。

0003

通常、系統周波数の制御は、短い周期周波数変動に対しては、発電機単独で行われるガバナフリー運転が担い、これよりも周期の長い周波数変動に対しては、中央給電指令所からの出力制御が担っている。中央給電指令所からの出力制御としては、定周波数制御周波数偏連系線電力制御等によるLFC(負荷周波数制御)が行われており、このLFCは、一つの電力会社管内の大規模系統であって、再生可能エネルギー利用発電設備がほとんど導入されていない場合に有効な制御方法として知られている。

0004

ここで、特許文献1では、LFC容量を確保するために、電力系統の周波数制御に蓄電設備を活用することが試みられている。
図6は、特許文献1に記載された周波数制御装置を示している。図6において、周波数制御装置200内の周波数検出手段203は、電力系統100の周波数fを検出する。電力系統100には蓄電設備として複数の二次電池301が接続されており、それぞれの充電深度が充電深度検出手段201により検出されて充電深度補正手段202に入力されている。
周波数偏差演算手段204は、基準周波数と系統周波数fとの偏差Δfを演算して充電深度補正手段202及び充放電制御手段205に送出する。充放電制御手段205は、二次電池301の充電深度が例えば50[%]になるように、充電深度補正手段202にて生成された充電深度補正信号と周波数偏差Δfとに基づいて二次電池301の充放電を制御し、周波数偏差Δfをなくすように系統周波数を制御している。

0005

この従来技術によれば、電力需給不均衡が発生して系統周波数が変動した場合でも、二次電池の充電深度を所定値に維持しながらその充放電を制御することにより、発電機Gの出力の自動制御に代えてLFCを実現し、系統周波数の変動を抑制している。

0006

また、特許文献2には、マイクログリッドを対象として周波数の安定性を向上させるようにしたLFC及び経済負荷配分制御(EDC)に関する従来技術が開示されている。
図7は、この従来技術を示すものであり、400はマイクログリッド内系統制御装置、500はマイクログリッド、501は他の電力系統、601は内燃力発電設備、602は二次電池等の電力貯蔵設備、G1は太陽光発電設備、G2は風力発電設備、700は負荷である。また、マイクログリッド内系統制御装置400は、電力の需給予測を行う予測機能401、実績データベース402、需給計画403、経済負荷配分制御装置404、及び負荷周波数制御装置405を備えている。

0007

この従来技術では、負荷周波数制御装置405において、図8に示すように基準周波数f0と系統周波数fとの偏差に定数Kを乗じ、更に連系線潮流変化量ΔPTとの加減算により地域要求量(AR)を算出する。そして、この地域要求量を、複数の配分手段410により、複数の電力貯蔵設備602と出力応答速度(低速,高速)に応じた複数の内燃力発電設備601とに配分してLFC指令を生成している。

0008

この従来技術では、地域要求量の周波数変動を各種フィルタにより除去した後に、図7の経済負荷配分制御装置404が演算した比率や内燃力発電設備601と電力貯蔵設備602との容量比などに従って複数設備に配分することにより、マイクログリッドにおける周波数安定性を向上させている。

先行技術

0009

特開2012−16077号公報(段落[0024]〜[0027]、図1等)
特開2011−114899号公報(段落[0015]〜[0025]、図1図4等)

発明が解決しようとする課題

0010

しかしながら、特定の狭い地域にて電力の発生、消費を行うマイクログリッドやスマートグリッド等の中小規模の電力系統であって、再生可能エネルギー利用発電設備が大量に導入されている系統では、これらの発電設備出力変動が相対的に大きくなること、その変動周期は従来の変動周期に比べて相対的に短くなること、及び、発電設備の慣性モーメントが大規模系統に比べて小さいこと、などの理由から、対象系統内の周波数を的確に制御することは困難である。

0011

中小規模の電力系統において周波数を的確に制御する方法としては、例えば特許文献2における電力貯蔵設備602等の蓄電設備を高速に制御することが考えられる。つまり、蓄電設備自身が対象系統内の周波数fを検出し、基準周波数f0との偏差をゼロにするように蓄電設備の出力を高速に制御するものである(以下、このような周波数制御をローカル制御という)。
しかし、ローカル制御を行うと、その高速性によってローカル制御のみで周波数変動を抑制してしまうことになり、既設のLFCとの協調を図ることができない。すなわち、ローカル制御のみで周波数制御を行う場合には、蓄電設備として非常に大きな容量が要求されるようになり、設備が大型かつ高価なものになるという問題があった。

0012

そこで、本発明の解決課題は、再生可能エネルギー利用発電設備が中小規模の電力系統に大量に導入された状態においても、LFCとローカル制御とを協調させて蓄電設備の容量を低減し、しかも系統周波数を安定的に制御可能とした周波数制御方法及び周波数制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

上記課題を解決するために、請求項1に係る周波数制御方法は、再生可能エネルギー利用発電設備及び蓄電設備が少なくとも接続されて負荷設備に電力を供給する電力系統の周波数制御方法であって、
前記電力系統の上位に位置する需給制御システムが、系統周波数と前記各設備から送信された情報とに基づいて前記再生可能エネルギー利用発電設備及び前記蓄電設備の出力を制御することにより系統周波数を制御する負荷周波数制御と、
前記蓄電設備が、系統周波数に基づいて自己の出力を制御することにより系統周波数を制御するローカル制御と、
を実行可能である周波数制御方法において、
前記系統周波数が規定範囲内にあるときは前記負荷周波数制御のみによって前記系統周波数を制御し、前記系統周波数が前記規定範囲を逸脱したときは前記負荷周波数制御及び前記ローカル制御によって前記系統周波数を制御するものである。

0014

請求項2に係る周波数制御システムは、再生可能エネルギー利用発電設備及び蓄電設備が少なくとも接続されて負荷設備に電力を供給する電力系統の周波数制御システムであって、
前記電力系統の上位に位置する需給制御システムが、系統周波数と前記各設備から送信された情報とに基づいて前記再生可能エネルギー利用発電設備及び前記蓄電設備の出力を制御することにより系統周波数を制御する負荷周波数制御と、
前記蓄電設備が、系統周波数に基づいて自己の出力を制御することにより系統周波数を制御するローカル制御と、
を実行可能である周波数制御システムにおいて、
前記系統周波数の変動に関わらず前記負荷周波数制御を常に有効とする手段と、
前記系統周波数が規定範囲内にあることを検出して前記ローカル制御を無効とし、前記系統周波数が前記規定範囲を逸脱したことを検出して前記ローカル制御を有効とする手段と、を備えたものである。

0015

請求項3に係る周波数制御システムは、請求項2において、
前記系統周波数を検出する周波数検出手段と、
前記系統周波数から得た検出周波数と基準周波数との偏差を算出する手段と、
前記偏差がゼロになるように前記蓄電設備に対する出力指令を生成する手段と、を備え、
前記周波数検出手段は、
前記系統周波数が規定範囲内にあることを検出したときに前記検出周波数として前記基準周波数を出力することにより前記偏差をゼロにし、前記系統周波数が前記規定範囲を逸脱したことを検出したときに前記検出周波数として前記系統周波数をそのまま出力して前記偏差を有限の値にするものである。

発明の効果

0016

本発明によれば、再生可能エネルギー利用発電設備が大量に導入されたマイクログリッドやスマートグリッド等、中小規模の電力系統において、ローカル制御の高速応答性を活用することにより、LFCとローカル制御との協調によって蓄電設備の容量を低減しつつ系統周波数を安定的に制御することができる。

図面の簡単な説明

0017

本発明の実施形態が適用される電力系統の構成図である。
図1の電力系統における周波数制御の概念図である。
ローカル制御の処理を示すフローチャートである。
ローカル制御のブロック図である。
LFCの処理を示すフローチャートである。
特許文献1に記載された従来技術の構成図である。
特許文献2に記載された従来技術の構成図である。
図7の負荷周波数制御装置における主要部のブロック図である。

実施例

0018

以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は、この実施形態が適用される系統構成を示しており、10はマイクログリッドやスマートグリッド等の中小規模の電力系統である。この電力系統10には、出力電力を調整可能な内燃力発電設備Ga1,Ga2,・・・,Gan、二次電池等の蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Ban、太陽光発電設備や風力発電設備等の再生可能エネルギー利用発電設備Gb1,Gb2,・・・,Gbn、及び、電力を消費する負荷設備L1,L2,・・・,Lnが接続されている。

0019

ここで、再生可能エネルギー利用発電設備Gb1,Gb2,・・・,Gbnはその出力が天候に左右されるため不安定であり、系統周波数を変動させる原因となる。この実施形態では、系統周波数を安定させるために、内燃力発電設備Ga1,Ga2,・・・,Gan及び蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banを対象として周波数制御を行う。
なお、本発明が適用される電力系統としては、少なくとも再生可能エネルギー利用発電設備、蓄電設備、及び負荷設備が接続されていれば良く、内燃力発電設備は必ずしも必須の構成要件ではない。

0020

図1における内燃力発電設備Ga1,Ga2,・・・,Gan、蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Ban、再生可能エネルギー利用発電設備Gb1,Gb2,・・・,Gbn、及び、負荷設備L1,L2,・・・,Lnは、電力ケーブル21を介して電力系統10に接続されていると共に、通信ケーブル22により通信ネットワーク30に接続されている。
また、通信ネットワーク30には、通信ケーブル22を介して上位システムとしての需給制御システム40が接続されている。この需給制御システム40は、LFCを行うために、電力系統10の周波数fを検出すると共に、内燃力発電設備Ga1,Ga2,・・・,Ganから送信される現時点の出力電力や蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banから送信される現時点の蓄電量などを通信ネットワーク30を介して受信し、これらの受信情報を用いて各設備の出力を制御するべく各種指令を送信する。同時に、需給制御システム40は、再生可能エネルギー利用発電設備Gb1,Gb2,・・・,Gbnの出力電力や負荷設備L1,L2,・・・,Lnの消費電力等の情報を受信し、系統全体の需給バランスを制御している。

0021

需給制御システム40は、LFCを1〜3秒程度の周期によって実行することにより系統周波数を制御する。このLFCでは、需給制御システム40が電力系統10の周波数fを検出し、基準周波数(50[Hz]または60[Hz])f0と検出周波数との偏差Δfに基づいて地域要求量(AR)を算出すると共に、この地域要求量を所定の配分比に従って配分することにより内燃力発電設備Ga1,Ga2,・・・,Ganや蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banの出力を決定し、指令として出力するものである。

0022

また、蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banは、需給制御システム40からの出力指令の他に、蓄電設備自身が系統周波数fを検出して蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banの出力を制御するローカル制御機能を備えている。すなわち、蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banの出力をインバータにより制御すれば高速に出力電力の制御が可能であることを利用し、需給制御システム40によるLFCの制御周期(1〜3秒)よりも短時間、例えば数十〜数百[ms]程度の制御周期により、蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banの出力を高速にローカル制御する。

0023

図2は、図1の電力系統10における周波数制御の概念図であり、系統周波数の時間推移と周波数制御の内容とを対応させて示したものである。ここでは、基準周波数f0を60.0[Hz]とし、周波数規定範囲を59.8[Hz](不感帯下限値)〜60.2[Hz](不感帯下限値)として系統周波数fを制御する。なお、これらの基準周波数及び周波数規定範囲はあくまで一例であり、本発明がこの例に限定されないことは言うまでもない。

0024

図2に示すように、この実施形態において、LFCは系統周波数fの大きさに関わらず常に動作させる(有効とする)一方で、ローカル制御は、系統周波数fが周波数規定範囲内にあるときは停止し(無効とし)、規定範囲を逸脱した場合に動作させる(有効とする)。すなわち、図2において、時間帯Ta,Tc,Teでは系統周波数fが規定範囲の59.8[Hz]〜60.2[Hz]に入っているので、ローカル制御を停止し、LFCのみで系統周波数を制御する。また、時間帯Tbでは系統周波数fが規定範囲の下限値である59.8[Hz]を下回っているので、ローカル制御を動作させ、時間帯Tdでは系統周波数fが規定範囲の上限値である60.2[Hz]を上回っているので、ローカル制御を動作させる。

0025

上記のように、周波数偏差Δfを是正するための周波数制御に際し、系統周波数fの大きさに応じて蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banによるローカル制御を動作/停止させれば、常に蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banのみで系統周波数fを制御するような事態を避けることができる。
従って、LFCとローカル制御とを協調させながら系統周波数fの変動を抑制することが可能になり、系統周波数fの変動を吸収するために蓄電設備の容量のみを増大させる必要がないので、設備の大型化や高価格化を招くおそれもない。

0026

次に、図3はローカル制御の処理を示すフローチャートである。
ローカル制御においては、最初に系統周波数fを検出し(ステップS1)、次に系統周波数fが周波数規定範囲内に収まっているか否かを判断する(ステップS2)。系統周波数fが規定範囲内に収まっている場合は、ローカル制御を停止して終了する(ステップS2 Yes,S3)。系統周波数fが規定範囲を逸脱している場合は、ローカル制御を動作させて終了する(ステップS2 No,S4)。

0027

ローカル制御の具体的な動作としては、例えば、図4に示すごとく、周波数偏差ΔfをゼロとするようにPI制御を行えば良い。
図4は、ローカル制御のブロック図である。図4において、51は系統周波数fに応じた検出周波数を出力する周波数検出器、52は基準周波数f0と検出周波数との偏差Δfを求める減算手段、53は周波数偏差Δfが入力される比例演算要素、54は周波数偏差Δfが入力される積分演算要素、55は比例演算要素53と積分演算要素54との出力を加算して蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banに対する出力指令を生成する加算手段である。

0028

周波数検出器51は、系統周波数fとその規定範囲との大小関係を判断して以下のように動作する。
・系統周波数f>不感帯上限値のとき、検出周波数として系統周波数fを出力する。
・不感帯下限値≦系統周波数f≦不感帯上限値のとき、検出周波数として基準周波数f0を出力する。
・系統周波数f<不感帯下限値のとき、検出周波数として系統周波数fを出力する。

0029

すなわち、系統周波数fが規定範囲を逸脱している場合は、検出周波数として系統周波数fをそのまま出力することにより、基準周波数f0と系統周波数fとの偏差Δfが有限な値になり、図4に示したPI制御により偏差Δfがゼロになるように蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banに対する出力指令が生成される。
また、系統周波数fが規定範囲内に収まっている場合は、検出周波数として基準周波数f0を出力することによって偏差Δfはゼロとなり、蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banへの出力指令はゼロになる。これは、ローカル制御機能が停止していることを意味する。

0030

次いで、図5はLFCの処理を示すフローチャートである。
LFCにおいては、ローカル制御と同様に最初に系統周波数fを検出し(ステップS11)、次に、周波数偏差Δfを求めて地域要求量(AR)を算出する(ステップS12)。ここでは、ARを以下のように定義する。
AR[kW]=−系統定数[%kW/Hz]×系統容量[kW]×周波数偏差Δf[Hz]
最後に、求めた地域要求量に基づき、各設備の容量比などの所定のロジックに従って内燃力発電設備Ga1,Ga2,・・・,Gan及び蓄電設備Ba1,Ba2,・・・,Banの出力配分を計算して指令を生成し(ステップS13)、処理を終了する。

0031

本発明は、大量の再生可能エネルギー利用発電設備が連系されることにより系統周波数が変動する恐れのある各種の電力系統において、系統周波数を安定的に制御するために利用可能である。

0032

10:電力系統
21:電力ケーブル
22:通信ケーブル
30:通信ネットワーク
40:需給制御システム
51:周波数検出器
52:減算手段
53:比例演算要素
54:積分演算要素
55:加算手段
Ga1〜Gan:内燃力発電設備
Ba1〜Ban:蓄電設備
Gb1〜Gbn:再生可能エネルギー利用発電設備
L1〜Ln:負荷設備

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