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技術 段ボール原紙の製造方法

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 内田恭子
出願日 2014年3月31日 (7年3ヶ月経過) 出願番号 2014-074344
公開日 2015年11月9日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2015-196910
状態 特許登録済
技術分野 紙(4)
主要キーワード 蒸気シリンダ 浸透不足 偏心重量 軽量中 ワインダー装置 段山数 BM計 シェーキ
関連する未来課題
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課題

原料パルプとして古紙パルプを使用しながらも、強度と貼合性に優れる段ボール原紙の製造方法を提供すること。

解決手段

古紙パルプを含む原料パルプとポリアクリルアミドとを含む紙料を、ワイヤーパートにおいてシェーキング装置を使用して抄紙することを特徴とする、段ボール原紙の製造方法。

概要

背景

段ボールは、大量生産が可能であること、軽量であること、折り畳みが可能であること、リサイクルが可能であること等の理由から、広範囲産業において、包装資材として利用されている。

段ボールを構成する段ボール原紙は、外装用ライナー・内装ライナー(外装用ライナー・内装用ライナーを総称してライナーという。以下、本明細書において同じ。)と中芯原紙とに分類される。段ボールは、中芯原紙を波形成形した後、この中芯原紙の段頂接着剤を塗布し、これにライナーを貼合することにより製造される。

段ボール原紙には、原料コストの削減を目的に、原料パルプの1つとして古紙パルプが使用されてき。近年では、段ボール原紙メーカーにおける古紙処理技術の向上、抄紙設備の高度化等により、古紙パルプの配合比率は大幅に上昇している。
段ボール原紙は、その用途から、強度を要求されるが、古紙パルプの配合比率が上昇するに伴い、強度が低下してしまう。とりわけ、近年の市場流通する古紙は、度重なるリサイクル処理を経たものが多く、かかる古紙を古紙パルプとして再利用すると、従来の古紙パルプよりも繊維長の短いパルプとなる傾向があり、強度の低下に拍車掛けている。

古紙パルプの配合比率の上昇に伴う、かかる強度低下の問題への対策として、紙力増強剤、特にポリアクリルアミドを原紙に配合する手段が採られることがある。
ポリアクリルアミドを紙料に添加すると、セルロース繊維間の水素結合の数を増加させ、抄紙された段ボール原紙の強度を高めると考えられている。
ポリアクリルアミドは、他の紙力増強剤と比して、紙力増強効果の大きいこと、抄紙機ドライヤーにより熱分解するおそれがないこと等の理由から好んで使用される。

ポリアクリルアミドを段ボール原紙に配合することにより、原紙の強度は向上する反面、段ボール製造時の貼合性が低下するという問題が生じる。この問題は、中芯原紙とライナーとを貼合する接着剤と、ポリアクリルアミドとの親和性が低いことに起因するものと考えられている。貼合性の劣る段ボール原紙を段ボール製造工程に給すると、部分的あるいは全面的な貼合不良が発生してしまうため、貼合用接着剤の塗布量を多くしたり、貼合速度を下げたりといった対策を講じる必要が生じ、製造コストの増大や製造効率の低下をまねく

古紙パルプの配合比率の上昇に伴い、紙力増強剤であるポリアクリルアミドの添加率も増加しており、従前にも増してかかる貼合性の低下という課題が大きなものとなっている。

以上のように、原料パルプとして古紙パルプを使用しながらも、強度と貼合性に優れる段ボール原紙を製造することは、段ボール原紙メーカーにとって解決すべき課題の1つとなっている。

かかる課題を解決する方法としては、例えば、特許文献1には、中芯原紙の表面に特定の酸化度を有する酸化澱粉網目状の水溶性高分子とを塗工する方法が開示されている。
また、特許文献2には、特定の坪量かつ特定の密度となるように抄紙されたライナーの表面に特定の分子量範囲化工澱粉を主成分とする塗工液を塗工する発明が開示されている。

概要

原料パルプとして古紙パルプを使用しながらも、強度と貼合性に優れる段ボール原紙の製造方法を提供すること。 古紙パルプを含む原料パルプとポリアクリルアミドとを含む紙料を、ワイヤーパートにおいてシェーキング装置を使用して抄紙することを特徴とする、段ボール原紙の製造方法。 なし

目的

本発明は、上記事情に鑑み、原料パルプとして古紙パルプを使用しながらも、強度と貼合性に優れる段ボール原紙の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

段ボール原紙の製造方法であって、古紙パルプを含む原料パルプポリアクリルアミドとを含む紙料を、ワイヤーパートにおいてシェーキング装置を使用して抄紙することを特徴とする、段ボール原紙の製造方法。

請求項2

原料パルプの全乾燥質量を基準として古紙パルプを原料パルプ中に80質量%以上含むことを特徴とする、請求項1に記載の段ボール原紙の製造方法。

請求項3

段ボール原紙の坪量が100g/m2以上であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の段ボール原紙の製造方法。

請求項4

シェーキング装置をシェーキングナンバー3,000〜6,500の範囲で使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の段ボール原紙の製造方法。

請求項5

抄き合わせフォーマーによって抄紙される段ボール原紙の製造方法であって、段ボール原紙を構成する層の中で最も坪量の大きい層を請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法で製造することを特徴とする、段ボール原紙の製造方法。

請求項6

段ボール原紙が中芯原紙であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の段ボール原紙の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、段ボール原紙の製造方法に関する。

背景技術

0002

段ボールは、大量生産が可能であること、軽量であること、折り畳みが可能であること、リサイクルが可能であること等の理由から、広範囲産業において、包装資材として利用されている。

0003

段ボールを構成する段ボール原紙は、外装用ライナー・内装ライナー(外装用ライナー・内装用ライナーを総称してライナーという。以下、本明細書において同じ。)と中芯原紙とに分類される。段ボールは、中芯原紙を波形成形した後、この中芯原紙の段頂接着剤を塗布し、これにライナーを貼合することにより製造される。

0004

段ボール原紙には、原料コストの削減を目的に、原料パルプの1つとして古紙パルプが使用されてき。近年では、段ボール原紙メーカーにおける古紙処理技術の向上、抄紙設備の高度化等により、古紙パルプの配合比率は大幅に上昇している。
段ボール原紙は、その用途から、強度を要求されるが、古紙パルプの配合比率が上昇するに伴い、強度が低下してしまう。とりわけ、近年の市場流通する古紙は、度重なるリサイクル処理を経たものが多く、かかる古紙を古紙パルプとして再利用すると、従来の古紙パルプよりも繊維長の短いパルプとなる傾向があり、強度の低下に拍車掛けている。

0005

古紙パルプの配合比率の上昇に伴う、かかる強度低下の問題への対策として、紙力増強剤、特にポリアクリルアミドを原紙に配合する手段が採られることがある。
ポリアクリルアミドを紙料に添加すると、セルロース繊維間の水素結合の数を増加させ、抄紙された段ボール原紙の強度を高めると考えられている。
ポリアクリルアミドは、他の紙力増強剤と比して、紙力増強効果の大きいこと、抄紙機ドライヤーにより熱分解するおそれがないこと等の理由から好んで使用される。

0006

ポリアクリルアミドを段ボール原紙に配合することにより、原紙の強度は向上する反面、段ボール製造時の貼合性が低下するという問題が生じる。この問題は、中芯原紙とライナーとを貼合する接着剤と、ポリアクリルアミドとの親和性が低いことに起因するものと考えられている。貼合性の劣る段ボール原紙を段ボール製造工程に給すると、部分的あるいは全面的な貼合不良が発生してしまうため、貼合用接着剤の塗布量を多くしたり、貼合速度を下げたりといった対策を講じる必要が生じ、製造コストの増大や製造効率の低下をまねく

0007

古紙パルプの配合比率の上昇に伴い、紙力増強剤であるポリアクリルアミドの添加率も増加しており、従前にも増してかかる貼合性の低下という課題が大きなものとなっている。

0008

以上のように、原料パルプとして古紙パルプを使用しながらも、強度と貼合性に優れる段ボール原紙を製造することは、段ボール原紙メーカーにとって解決すべき課題の1つとなっている。

0009

かかる課題を解決する方法としては、例えば、特許文献1には、中芯原紙の表面に特定の酸化度を有する酸化澱粉網目状の水溶性高分子とを塗工する方法が開示されている。
また、特許文献2には、特定の坪量かつ特定の密度となるように抄紙されたライナーの表面に特定の分子量範囲化工澱粉を主成分とする塗工液を塗工する発明が開示されている。

0010

特開2012−219424号公報
特開2009−191412号公報

先行技術

0011

しかしながら、特許文献1に開示される方法について本発明者が確認したところ、坪量が100g/m2を下回る軽量の中芯原紙においては強度と貼合性の向上が認められたものの、中芯原紙の主たる坪量範囲である120g/m2以上にあっては、表面塗工液の原紙内部への浸透不足からか、さしたる強度向上効果は認められなかった。
また、特許文献2に開示される方法についても、ライナーの主たる坪量範囲である160g/m2以上にあっては、同じく表面塗工液の原紙内部への浸透不足からか、さしたる強度向上効果は認められなかった。

発明が解決しようとする課題

0012

本発明は、上記事情に鑑み、原料パルプとして古紙パルプを使用しながらも、強度と貼合性に優れる段ボール原紙の製造方法を提供することをその目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明は、以下の手段によって課題を解決するものである。
[1]段ボール原紙の製造方法であって、古紙パルプを含む原料パルプとポリアクリルアミドとを含む紙料を、ワイヤーパートにおいてシェーキング装置を使用して抄紙することを特徴とする、段ボール原紙の製造方法。
[2]原料パルプの全乾燥質量を基準として古紙パルプを原料パルプ中に80質量%以上含むことを特徴とする、[1]に記載の段ボール原紙の製造方法。
[3]段ボール原紙の坪量が100g/m2以上であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の段ボール原紙の製造方法。
[4]シェーキング装置をシェーキングナンバー3,000〜6,500の範囲で使用することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の段ボール原紙の製造方法。
[5]抄き合わせフォーマーによって抄紙される段ボール原紙の製造方法であって、段ボール原紙を構成する層の中で最も坪量の大きい層を[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法で製造することを特徴とする、段ボール原紙の製造方法。
[6]段ボール原紙が中芯原紙であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の段ボール原紙の製造方法。

発明の効果

0014

本発明の段ボール原紙の製造方法によれば、原料パルプとして古紙パルプを使用しながらも、強度と貼合性に優れる段ボール原紙を製造することができる。特に、古紙パルプの配合率の高い段ボール原紙の製造において、紙力増強剤を紙料に多量添加することなく、所望とする強度を有する段ボール原紙を製造することができる。

0015

以下、本発明の段ボール原紙の製造方法について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「段ボール原紙」という用語は、ライナーと中芯原紙とをともに包含する用語として使用する。強化ライナー塗工ライナー強化中芯原紙、軽量中芯原紙など、種々の呼称・種類のライナーと中芯原紙も、当然の如く「段ボール原紙」という用語に包含される。
また、本明細書において、「〜」を用いて表現される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味するものとする。

0016

<紙料の調製>
段ボール原紙は紙料を抄紙することによって得られる。紙料は、原料パルプのスラリーに、紙力増強剤と、必要に応じてその他の添加剤填料サイズ剤染料等)を添加することによって調製される。

0017

(原料パルプ)
本発明の段ボール原紙の製造方法では、原料パルプとして古紙パルプを使用する。原料パルプの配合例としては、実質的に古紙パルプのみから成る配合としてもよいし、古紙パルプと古紙パルプ以外のパルプとから成る配合としてもよい。

0018

原料パルプにおける古紙パルプの配合量は特に規定しないが、本発明の効果を享受しやすいことから、原料パルプの全乾燥質量を基準として、古紙パルプを原料パルプ中に80質量%以上含むことが好ましく、実質的に100質量%含むことがより好ましい。一般に、古紙パルプの配合率の高い段ボール原紙は強度が低下しやすくなるところ、本発明の製造方法によれば、原料パルプの全乾燥質量を基準として古紙パルプを原料パルプ中に80質量%以上含む段ボール原紙でありながらも、強度の低下を抑制することができる。当然のことながら、リサイクル処理を複数回経た古紙から得られる古紙パルプであっても、本発明の効果を享受することができる。

0019

古紙パルプとしては、段ボール古紙、雑誌古紙チラシ古紙、新聞古紙オフィス古紙情報用紙古紙、紙器古紙等を離解した古紙パルプ、あるいはこれらの古紙を離解後脱墨した古紙パルプ(DIPとも呼ぶ。)等を使用することができる。

0020

古紙パルプ以外のパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ針葉樹晒クラフトパルプ広葉樹未晒クラフトパルプ針葉樹未晒クラフトパルプ等の木材及びその他の繊維原料化学的に処理して得られるバージンクラフトパルプや、木材又はチップ機械的に処理して得られるバージンの機械パルプや、機械的処理化学的処理とを組み合わせて得られるバージンのセミケミカルパルプを使用することができる。

0021

(紙力増強剤)
本発明の段ボール原紙の製造方法では、原料パルプのスラリーに、紙力増強剤を添加する。紙力増強剤としては、紙力増強効果の大きいことから、ポリアクリルアミドを使用する。

0022

ポリアクリルアミドは、段ボール原紙、とりわけ原料パルプとして古紙パルプを含む段ボール原紙の強度を向上させる目的で使用されており、本発明においても、その使用目的は同じである。
しかし、本発明の段ボール原紙の製造方法によれば、ポリアクリルアミドを使用することによる貼合性の低下問題を克服した上で、ポリアクリルアミドの奏する強度向上効果を享受することが可能となる。
すなわち、後述するシェーキング装置の作用により、段ボール原紙の強度が向上し、これにより所望とする強度を達成するために必要なポリアクリルアミドの添加量を減添することが可能となり、結果として得られる段ボール原紙の貼合性が向上するのである。

0023

ポリアクリルアミドとしては、アニオン性ポリアクリルアミドであってもよいし、カチオン性ポリアクリルアミドであってもよいし、両性ポリアクリルアミドであってもよい。

0024

アニオン性ポリアクリルアミドとしては、アニオン基としてカルボキシル基を導入したものが一例として挙げられる。
カチオン性ポリアクリルアミドとしては、カチオン基としてアミンを導入したものが一例として挙げられる。
両性ポリアクリルアミドとしては、カチオン性ポリアクリルアミドにカルボキシル基を導入したもの、アクリルアミドカチオン性ポリマーアニオン性ポリマーとを共重合したものが一例として挙げられる。

0025

ポリアクリルアミドを原料パルプのスラリーに添加する方法としては、原料パルプのスラリーをヘッドボックスに送る前に添加する方法(例えば、ファンポンプの入口側にポリアクリルアミドを添加する方法)であってもよいし、原料パルプのスラリーをヘッドボックスに送った後に添加する方法(例えば、ワイヤー上の原料パルプのスラリーにポリアクリルアミドをスプレー装置噴霧する方法)であってもよい。

0026

本発明の段ボール原紙の製造方法では、原料パルプのスラリーに添加するポリアクリルアミドの量は特に規定しないが、従来の段ボール原紙の製造方法と比べて、10%以上減添した添加量が一つの目安である。

0027

本発明の効果を阻害しない限度において、ポリアクリルアミド以外の紙力増強剤、例えば、澱粉、酸化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、カチオン化澱粉植物ガムポリビニルアルコールカルボキシメチルセルロース等の公知の紙力増強剤をポリアクリルアミドに併用して使用することもできる。

0028

(その他の添加剤)
本発明の段ボール原紙の製造方法では、前述した紙力増強剤の他に、軽質炭酸カルシウム重質炭酸カルシウムカオリンタルクゼオライト珪酸アルミニウム珪酸マグネシウム炭酸マグネシウム水酸化アルミニウム硫酸カルシウム亜硫酸カルシウム二酸化チタン炭酸バリウム酸化珪素非晶質シリカ尿素ホルマリン樹脂ポリスチレン樹脂フェノール樹脂微小中空粒子等の填料、アルケニル無水コハク酸アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、染料、消泡剤防腐剤歩留向上剤、嵩高剤、粘度調整剤等の公知の薬品を単独ないし併用して原料パルプのスラリーに適宜添加することができる。

0029

<抄紙>
調製された紙料は、ヘッドボックスによりワイヤーパートのワイヤー上に供給される。供給された試料はワイヤー上で紙層を形成される。形成された紙層は、続くプレスパートドライヤーパートに送られて乾燥される。

0030

本発明の段ボール原紙の製造方法では、使用するヘッドボックスについて特に規定せず、各種のヘッドボックスを使用することができる。
具体的には、マスタージェット(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、モジュールジェット付マスタージェット(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、BTFヘッドボックスシステム(川之江造機社製)、シムフローヘッドボックス(Metso社製)、オプティフローヘッドボックス(Metso社製)等の公知のヘッドボックスを使用することができる。

0031

ヘッドボックスにおける紙料濃度についても特に規定しないが、紙料濃度の低い方がパルプ繊維分散性が良いとされることから、ライナー、中芯原紙のいずれを抄紙する場合であっても、紙料濃度は0.7〜1.4質量%とすることが好ましい。

0032

本発明の段ボール原紙の製造方法では、使用するワイヤーパートの形式(フォーマーの形式)について特に規定せず、各種のフォーマーを使用することができる。
また、単層抄きフォーマーを使用してもよく、抄き合わせフォーマーを使用してもよい。
具体的には、デュオフォーマD(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、デュオフォーマK(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、デュオフォーマKD(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、デュオフォーマシリーズを組み合わせたマルチフォードリニア(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、ウルトラフォーマシリーズ(小林製作所)、シムフォーマMB(Metso社製)等の公知のフォーマーを使用することができる。

0033

(シェーキング装置)
本発明の段ボール原紙の製造方法では、ワイヤーパートにシェーキング装置(ワイヤーシェーキ装置とも呼ばれる。)を導入し、これを使用して紙料を抄紙する。

0034

シェーキング装置とは、ワイヤーパートのブレストロールを紙料の流れ方向と垂直な方向(マシン幅方向とも呼ぶ。)に摺動させる装置である。
偏心重量を有する重量体を回転させることによって発生する遠心力を、コネクティングロッドを介してブレストロールに作用させることにより、ブレストロールは摺動する。
ブレストロールの摺動に伴い、ワイヤーも摺動することになるが、ワイヤー上の紙料は摺動によるせん断力を受けることになる。

0035

シェーキング装置を利用することにより、所望とする段ボール原紙の強度を得るために必要なポリアクリルアミドの添加量を減添することができ、結果として段ボール原紙の貼合性が向上する。
かかる効果が得られるのは、シェーキング装置の使用により、応力集中点破壊の起点)になりやすい坪量ムラが減少し、段ボール原紙の破裂強さが向上するためと推定される。さらに、シェーキング装置の使用により、繊維が幅方向(マシン幅方向)に配向するようになり、段ボール原紙の横方向の圧縮強さが向上するためと推定される。

0036

本発明の段ボール原紙の製造方法では、使用するシェーキング装置について特に規定せず、各種のシェーキング装置を使用することができる。
具体的には、デュオシェイク(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、フォームマスタ(Metso社製)等の公知のシェーキング装置を使用することができる。

0037

(シェーキングナンバー)
一般に、シェーキング装置の摺動のエネルギーを示す指標として、下記数式(1)により算出されるシェーキングナンバーが利用される。

I = f2 × s / V ・・・数式(1)

ここで、
I : シェーキングナンバー
f :周波数[cm−1]
s :振幅[mm]
V : 抄速(ワイヤー速度) [m/min]

0038

シェーキングナンバーの好ましい範囲は3,000〜6,500であり、より好ましくは4,000〜6,500である。シェーキングナンバーが前記下限値以上であれば、破裂強さと横方向の圧縮強さの向上効果が好適に発現する。シェーキングナンバーが前記上限値以下であれば、シェーキング装置の駆動系に過度負荷を与えることなく本効果を享受できる。

0039

(シェーキングナンバーの設定)
数式(1)から明らかなとおり、シェーキングナンバーは、抄速(ワイヤー速度)、シェーキング装置の周波数、振幅のうち、少なくとも1つを変更することにより、前述の好ましい数値範囲に設定することができる。通常は、抄速(ワイヤー速度)ではなく、シェーキング装置の周波数又は振幅を変更することにより行なわれる。

0040

本発明者によって見出された知見に基づけば、シェーキングナンバーを前述の好ましい数値範囲外から前述の好ましい数値範囲内に設定する場合、シェーキング装置の周波数を変更して設定するよりも、シェーキング装置の振幅を変更して設定するほうが、同一のシェーキングナンバーに設定する場合であっても、破裂強さと横方向の圧縮強さの向上が大きいため、好ましい。

0041

さらに、シェーキング装置の振幅を変更してシェーキングナンバーを設定する場合、振幅を20〜30mmの範囲とすると、破裂強さと横方向の圧縮強さがより大きく向上することがわかった。理由は定かではないが、振幅が前記下限値以上であれば、坪量ムラの改善効果と繊維の横方向への配向が大きくなるものと考えられる。振幅が前記上限値以下であれば、シェーキング装置の駆動系に過度の負荷を与えることなく本効果を享受できる。

0042

(シェーキング装置を使用して抄紙する原紙層
段ボール原紙が抄き合わせフォーマーにより抄紙される場合、原紙を構成する層の中で最も坪量の大きい層を、シェーキング装置を使用して抄紙することが好ましい。勿論、設置スペース導入コストの点に鑑みて許容するのであれば、複数の原紙層を、シェーキング装置を使用して抄紙することが好ましい。

0043

ワイヤーパートにて紙層を形成した後、続くプレスパート、ドライヤーパートにおいて搾水・乾燥が行なわれる。

0044

本発明の段ボール原紙の製造方法では、使用するプレスパートの形式について特に規定しないが、搾水能力に優れ、かつ原紙の嵩の低下を抑制することができることから、シュープレス装置を有するプレスパートを使用することが好ましい。
シュープレス装置としては、具体的には、ニプコフレックスプレス(IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)、シムベルトSプレス(Metso社製)等の公知の装置を使用することができる。

0045

本発明の段ボール原紙の製造方法では、使用するドライヤーパートの形式についても特に規定せず、ダブルデッキドライヤー、シングルデッキドライヤーを単独あるいは組み合わせた形式のドライヤーパートを使用することができる。
高速抄紙を実現するのであれば、シングルデッキドライヤーをドライヤー各群に積極的に使用することが好ましい。

0046

<塗工>
本発明の段ボール原紙の製造方法では、ドライヤーパートを経て乾燥された原紙は、原紙の用途により、所望とする品質に応じてその表面にクリア塗工ピグメント塗工(顔料塗工とも呼ぶ。)が施される。

0047

塗工する原紙面は特に規定せず、両面塗工であってもよいし、片面のみの塗工であってもよい。また、各面で異なる塗工液を塗工する表裏差塗工であってよい。

0048

クリア塗工であれ、ピグメント塗工であれ、使用する塗工装置は特に規定せず、ブレードコーター、2ロールコーターインクラインドコーターとも呼ぶ。)、ゲートロールコーターロッドメタリングサイズプレスコーターブレードメタリングサイズプレスコーターカーテンコータービルブレードコーター、ベルバパコーター等の公知の塗工装置を使用することができる。

0049

かかる塗工装置を用いて、オンマシンで塗工してもよく、オフマシンで塗工してもよいが、製造効率を重視するのであれば、オンマシンで塗工することが好ましい。

0050

クリア塗工を施す場合は、顔料を含有しない塗工液を塗工することができる。
澱粉としては、酸化澱粉、酵素変性澱粉リン酸エステル化澱粉等の各種澱粉を使用することができる。
水溶性高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子を使用することができるが、貼合性を低下させるおそれのあることから、ポリアクリルアミドは使用しないことが好ましい。
クリア塗工の塗工液には、澱粉又は水溶性高分子以外に、染料、耐水化剤撥水剤等の公知の薬品を助剤として単独ないし併用して適宜含有させることができる。

0051

クリア塗工を施す場合の塗工量は特に限定されないが、片面当り0.5〜5.0g/m2塗工することが好ましい。

0052

段ボール原紙が塗工ライナー等の場合であって、ピグメント塗工を施す場合は、顔料と接着剤を含有する塗工液を塗工することができる。
顔料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカサチンホワイトホワイトカーボン、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、プラスチックピグメント等の無機系あるいは有機系顔料を使用することができる。
接着剤としては、酸化澱粉、酵素変性澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉系、カゼイン大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白系、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系、ポリビニルアルコール等の合成物スチレンブタジエン共重合体メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム系酢酸ビニル系共重合体アクリル系共重合体等のビニルポリマー系の接着剤を使用することができる。
ピグメント塗工の塗工液には、顔料と接着剤以外に、分散剤、消泡剤、防腐剤、粘性改良剤着色剤潤滑剤、耐水化剤、pH調製剤等の公知の薬品を助剤として単独ないし併用して適宜含有させることができる。

0053

ピグメント塗工を施す場合の塗工量は特に限定されないが、片面当り2.0〜20g/m2塗工することが好ましい。

0054

クリア塗工やピグメント塗工を施すことによって再湿潤した段ボール原紙は、塗工工程に続く乾燥工程により乾燥される。

0055

乾燥工程で使用する乾燥装置は特に規定せず、赤外線式乾燥装置、熱風式乾燥装置蒸気シリンダー乾燥装置、電気ヒーター式乾燥装置等の公知の乾燥装置を単独ないし組み合わせて使用することができる。

0056

仕上げ処理
本発明の段ボール原紙の製造方法では、クリア塗工やピグメント塗工を施した原紙、あるいはかかる塗工を施さない原紙に、平坦化処理カレンダー処理とも呼ぶ。)を施すことができる。

0057

本発明の段ボール原紙の製造方法では、平坦化処理装置(カレンダーとも呼ぶ。)について特に規定はせず、マシンカレンダーソフトカレンダースーパーカレンダーマルチニップカレンダーグロスカレンダー等の公知の平坦化処理装置を単独あるいは組み合わせて使用することができる。

0058

平坦化処理装置のニップ数、ニップ線圧加熱ロール表面温度等の諸条件についても特に規定せず、所望とする品質に応じて適宜調整することができる。

0059

かくして得られた段ボール原紙は、リール装置にて大巻ロールとして一旦巻き取られる。
その後、ワインダー装置にて、不良部分を取り除きながら、所定の幅と長さに巻き直され、小巻ロールとされる。
小巻ロールは定められた荷姿包装後製品倉庫入り、段ボールメーカーに出荷される。

0060

本発明の段ボール原紙の製造方法では、段ボール原紙の坪量は特に規定せず、いかなる坪量であっても本発明の効果を享受することができるが、効果を顕著に享受しやすいことから、坪量が100g/m2以上であることが好ましく、160g/m2以上であることがより好ましい。一般に、坪量の高い段ボール原紙を抄紙する場合のほうが、応力集中点(破壊の起点)となる坪量ムラが生じやすいところ、本発明の製造方法によれば、坪量の高い段ボール原紙でありながらも、坪量ムラを抑制することができる。
なお、坪量は、JIS−P8124(2007)に準拠して測定される値であり、原紙の表面にクリア塗工やピグメント塗工を施した段ボール原紙にあっては、塗工量を含めた坪量である。

0061

また、本発明の段ボール原紙の製造方法では、段ボール原紙の種類は特に規定せず、ライナーであっても中芯原紙であっても本発明の効果を享受することができるが、圧縮強さを重視されることから、中芯原紙を製造する場合において効果を顕著に享受することができる。

0062

<段ボールの製造>
本発明の製造方法によって得られた段ボール原紙を用いる段ボールの製造工程は、段ボールシートを作る貼合工程と、段ボール箱を作る製函工程とに大別される。

0063

貼合工程では、コルゲータと呼ばれる機械で、中芯原紙とライナーとを貼合し、所定寸法に断裁された段ボールシートを製造する。

0064

段ボールシートは、その構造により、片面段ボールシート両面段ボールシート複両面段ボールシート、複々両面段ボールシートに分類されるが、本発明の製造方法により得られた段ボール原紙は、いずれの段ボールシートにも好適に使用することができる。

0065

また、中芯原紙の波形形状(フルートとも呼ぶ。)は、段の高さと30cm当り段山数により、Aフルート、Bフルート、Cフルート、Eフルートに分類されるが、本発明の製造方法により得られた中芯原紙は、いずれの波形形状にも好適に使用することができる。

0066

製函工程では、この段ボールシートに印刷接合打ち抜きなどを施し、用途に応じた段ボール箱を製造する。

0067

段ボールの具体的な製造工程は、公知の種々の手法を採用できる(例えば、「ペーパーセールスエンジニアリング・シリーズ4 段ボール,紙業タイムス社(1996年発行)」等を参照)。

0068

以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
また、これらの例は、段ボール原紙のうち、中芯原紙の製造例を示すものであるが、本発明により得られる段ボール原紙からライナーを除外することを意図するものではない。

0069

[実施例1]
<中芯原紙の製造>
(紙料の調製)
古紙パルプ100質量%から成る原料パルプスラリーに、紙力増強剤としてポリアクリルアミド(ポリストロン117,荒川化学工業社製)を原料パルプの全乾燥質量に対して0.9質量%の添加率となるように添加した。
また、ヘッドボックスでの紙料濃度が1.0質量%となるように濃度を調整し、紙料を調製した。

0070

(抄紙)
得られた紙料をヘッドボックスによりワイヤーパートのワイヤー上へ供給した。
ワイヤーパートは、単層抄きのオントップ型フォーマーであり、ボトムワイヤーのブレストロールがシェーキング装置(デュオシェイク,IHI−フォイトパーペーテクノロジー社製)により摺動可能な構成となっている。
かかる抄紙機により、抄紙速度(ワイヤー速度)を375m/min、シェーキング装置を周波数270cm−1,振幅15mmの条件で抄紙し、紙層を形成した。
続くプレスパート及びドライヤーパートにて搾水・乾燥し、マシンカレンダーで平坦化処理を行った後、リールにて巻き取り、坪量が200g/m2の中芯原紙を得た。

0071

[実施例2]
実施例1で中芯原紙を得た後、ポリアクリルアミド(ポリストロン117,荒川化学工業社製)の添加率を0.9質量%から0.8質量%に減添し、さらにシェーキング装置の周波数を270cm−1から300cm−1に変更した。他の製造条件は実施例1と同一のままにした。坪量・水分計(以下、BM計と呼ぶ。)で品質変動収束を確認した後、坪量が200g/m2の中芯原紙を得た。

0072

[実施例3]
実施例2で中芯原紙を得た後、シェーキング装置の周波数を300cm−1から390cm−1に変更した。他の製造条件は実施例2と同一のままとした。BM計で品質変動の収束を確認した後、坪量が200g/m2の中芯原紙を得た。

0073

[実施例4]
実施例3で中芯原紙を得た後、一旦、実施例2の製造条件に戻した。その後、シェーキング装置の振幅を15mmから25mmに変更した。他の製造条件は実施例2と同一のままとした。BM計で品質変動の収束を確認した後、坪量が200g/m2の中芯原紙を得た。

0074

[比較例1]
実施例4で中芯原紙を得た後、シェーキング装置を停止した。その後、ポリアクリルアミド(ポリストロン117,荒川化学工業社製)の添加率を0.8質量%から1.0質量%に増添した。他の製造条件は実施例1と同一とした。BM計で品質変動の収束を確認した後、坪量が200g/m2の中芯原紙を得た。

0075

各製造例で得られた中芯原紙を以下の方法で評価し、その結果を表1に示した。
なお、比破裂強さ比圧縮強さの測定は、JIS−P8111(2007)に準拠し、温度23±2℃、湿度50±2%の環境条件で行なった。

0076

[シェーキングナンバー]
前出の数式(1)によりシェーキングナンバーを算出した。

0077

[比破裂強さ]
JIS−P8131(2007)に準拠して比破裂強さ(単位:kPa・m2/g)を測定した。

0078

[比圧縮強さ]
JIS−P8126(2007)に準拠し、抄紙方向に対し平行な試験片を用いて、横方向の比圧縮強さ(単位:N・m2/g)を測定した。

0079

[貼合性]
実施例および比較例で得られた中芯原紙をコルゲータによりライナーと貼合した。コルゲータでの貼合性を以下のとおり3段階で評価した。この評価は、コルゲータ運転オペレーター経験年数21年)が行なった。
○:段ボールシートの全面に亘って貼合状態が良好であった。
△:段ボールシートの一部分に貼合不良が認められることがあったが、
接着剤の塗布量や貼合速度を一時的に調整することにより、
良好な貼合状態が得られた。
×:段ボールシートの一部分に貼合不良が認められることがあり、
接着剤の塗布量や貼合速度を頻繁に調整する必要があった。

0080

実施例

0081

表1から明らかなとおり、本発明の段ボール原紙の製造方法により、強度と貼合性が両立する中芯原紙を得られることがわかる。
また、シェーキングナンバーの好ましい範囲は、3,000〜6,500の範囲にあることがわかる。
さらに、実施例2の条件からシェーキング装置の周波数を変更してシェーキングナンバーを略6,000に設定した実施例3と、実施例2の条件からシェーキング装置の振幅を変更してシェーキングナンバーを6,000に設定した実施例4とを比較すると、後者のほうが、強度の向上が大きいことがわかる。

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