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技術 車両用ブレーキ制御装置

出願人 ヴィオニア日信ブレーキシステムジャパン株式会社
発明者 脇阪啓介加藤申義
出願日 2014年3月31日 (5年4ヶ月経過) 出願番号 2014-074783
公開日 2015年11月9日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2015-196439
状態 特許登録済
技術分野 ブレーキシステム(制動力調整)
主要キーワード 差圧算出 線形補完 高摩擦係数 左側車輪 右側車輪 比例電磁弁 制御サイクル 出口弁
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月9日)のものです。
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図面 (10)

課題

目標ヨーレートの変化を小さく抑えることで、運転者ステアリング操作をスムーズにすることを目的とする。

解決手段

車両用ブレーキ制御装置は、ヨーレートセンサ94で検出した実ヨーレートYを取得する実ヨーレート取得手段113と、目標ヨーレートYTを設定する目標ヨーレート設定手段121と、車輪接地路面の摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路において、高摩擦係数側の車輪ブレーキ液圧低摩擦係数側の車輪ブレーキの液圧との差を、実ヨーレートが目標ヨーレートに追従するように設定する差圧設定手段150と、を備える。目標ヨーレート設定手段121は、操舵角θが大きくなるにつれて目標ヨーレートYTを小さく設定するとともに、操舵角θの変化量に対する目標ヨーレートYTの変化量を車両速度Vに応じて変更する。

概要

背景

従来、スプリット路に対応したブレーキ制御を実行可能な車両用ブレーキ制御装置として、ヨーレートセンサで検出される実ヨーレートが、操舵角および車両速度に基づいて設定される目標ヨーレートに近づくように、左右の車輪ブレーキにかかるブレーキ液圧の差を設定するものが知られている(特許文献1参照)。

概要

目標ヨーレートの変化を小さく抑えることで、運転者ステアリング操作をスムーズにすることを目的とする。車両用ブレーキ制御装置は、ヨーレートセンサ94で検出した実ヨーレートYを取得する実ヨーレート取得手段113と、目標ヨーレートYTを設定する目標ヨーレート設定手段121と、車輪接地路面の摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路において、高摩擦係数側の車輪ブレーキの液圧低摩擦係数側の車輪ブレーキの液圧との差を、実ヨーレートが目標ヨーレートに追従するように設定する差圧設定手段150と、を備える。目標ヨーレート設定手段121は、操舵角θが大きくなるにつれて目標ヨーレートYTを小さく設定するとともに、操舵角θの変化量に対する目標ヨーレートYTの変化量を車両速度Vに応じて変更する。

目的

本発明は、目標ヨーレートの変化を小さく抑えることで、運転者のステアリング操作をスムーズにすることができる車両用ブレーキ制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ヨーレートセンサで検出した実ヨーレートを取得する実ヨーレート取得手段と、車両が高摩擦係数側の路面に回頭するように目標ヨーレートを設定する目標ヨーレート設定手段と、車輪接地路面の摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路において、高摩擦係数側の車輪ブレーキブレーキ液圧低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差を、前記実ヨーレートが前記目標ヨーレートに追従するように設定する差圧設定手段と、を備え、前記目標ヨーレート設定手段は、操舵角が大きくなるにつれて目標ヨーレートを小さく設定するとともに、前記操舵角の変化量に対する前記目標ヨーレートの変化量を車両速度に応じて変更することを特徴とする車両用ブレーキ制御装置

請求項2

前記目標ヨーレート設定手段は、操舵角と車両速度に関連付けて目標ヨーレートの値を予め設定したマップまたは関数に基づいて目標ヨーレートを設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。

請求項3

前記目標ヨーレート設定手段は、車両速度が大きいほど前記操舵角の変化量に対する前記目標ヨーレートの変化量を小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ制御装置。

技術分野

0001

本発明は、車両用ブレーキ制御装置に関し、より詳しくは、接地路面の摩擦係数が左右で大きく異なるスプリット路に対応したブレーキ制御に関する。

背景技術

0002

従来、スプリット路に対応したブレーキ制御を実行可能な車両用ブレーキ制御装置として、ヨーレートセンサで検出される実ヨーレートが、操舵角および車両速度に基づいて設定される目標ヨーレートに近づくように、左右の車輪ブレーキにかかるブレーキ液圧の差を設定するものが知られている(特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2013−193479号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、目標ヨーレートの設定方法として、操舵角に関連付けて目標ヨーレートの値を予め設定した操舵角用のマップと、車両速度に関連付けて目標ヨーレートの値を予め設定した車両速度用のマップとを用いる方法がある。具体的に、この方法では、操舵角用のマップを用いて算出した目標ヨーレートと、車両速度用のマップを用いて算出した目標ヨーレートとのうち小さい値の方を目標ヨーレートに設定している。

0005

しかしながら、この方法では、例えば、車両速度が所定の速度(車両速度用のマップが選択されないような速度)の場合において操舵角用のマップを用いて目標ヨーレートを算出している最中に、車両速度が変化して車両速度用のマップが選択されると、目標ヨーレートが大きく変化し、これにより、運転者ステアリング操作をスムーズに行うことが難しくなるおそれがあった。

0006

そこで、本発明は、目標ヨーレートの変化を小さく抑えることで、運転者のステアリング操作をスムーズにすることができる車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するため、本発明に係る車両用ブレーキ制御装置は、ヨーレートセンサで検出した実ヨーレートを取得する実ヨーレート取得手段と、車両が高摩擦係数側の路面に回頭するように目標ヨーレートを設定する目標ヨーレート設定手段と、車輪の接地路面の摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路において、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差を、前記実ヨーレートが前記目標ヨーレートに追従するように設定する差圧設定手段と、を備え、前記目標ヨーレート設定手段は、操舵角が大きくなるにつれて目標ヨーレートを小さく設定するとともに、前記操舵角の変化量に対する前記目標ヨーレートの変化量を車両速度に応じて変更することを特徴とする。

0008

この構成によれば、操舵角に基づいて目標ヨーレートを算出している最中に、車両速度が変化しても、目標ヨーレートを算出するためのマップが急に切り替わることがないので、目標ヨーレートの変化を小さく抑えることができ、運転者のステアリング操作をスムーズにすることができる。

0009

また、前記した構成において、前記目標ヨーレート設定手段は、操舵角と車両速度に関連付けて目標ヨーレートの値を予め設定したマップまたは関数に基づいて目標ヨーレートを設定するように構成されていてもよい。

0010

これによれば、マップまたは関数により目標ヨーレートを好適に設定することができる。

0011

また、前記した構成において、前記目標ヨーレート設定手段は、車両速度が大きいほど前記操舵角の変化量に対する前記目標ヨーレートの変化量を小さくするように構成されていてもよい。

0012

これによれば、車両速度が大きい場合には、目標ヨーレートが小さな変化量で変化するので、例えば高速走行時において、目標ヨーレートの変化をより小さく抑えることができ、運転者のステアリング操作をよりスムーズにすることができる。

発明の効果

0013

本発明によれば、目標ヨーレートの変化を小さく抑えることができるので、運転者のステアリング操作をスムーズにすることができる。

図面の簡単な説明

0014

実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置を備えた車両の構成図である。
液圧ユニットの構成を示す構成図である。
制御部の構成を示すブロック図である。
操舵角と車両速度に関連付けて目標ヨーレートの値を予め設定したマップである。
差圧設定手段の構成を示すブロック図である。
フィードフォワード差圧を設定するための、操舵角と、操舵角に基づく差圧との関係を示すマップである。
フィードフォワード差圧を設定するための、車両速度と目標ヨーレートの比と、車両速度と目標ヨーレートの比に基づく差圧との関係を示すマップである。
差圧を設定するための、車両速度と差圧との関係を示すマップである。
制御部によるアンチロックブレーキ制御時の処理を示すフローチャートである。

実施例

0015

次に、実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置Aは、車両CRの各車輪Wに付与する制動力を適宜制御する装置である。車両用ブレーキ制御装置Aは、油路や各種部品が設けられる液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御部100とを主に備えている。

0016

各車輪Wには、それぞれ車輪ブレーキFLRR,RL,FRが備えられ、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRには、液圧源としてのマスタシリンダMCから供給される液圧により制動力を発生するホイールシリンダHが備えられている。マスタシリンダMCとホイールシリンダHとは、それぞれ液圧ユニット10に接続されている。そして、通常時には、ブレーキペダルBPの踏力(運転者の制動操作)に応じてマスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧が、制御部100および液圧ユニット10で制御された上でホイールシリンダHに供給される。

0017

制御部100には、マスタシリンダMCの圧力を検出する圧力センサ91と、各車輪Wの車輪速度を検出する車輪速センサ92と、ステアリングSTの操舵角θを検出する操舵角センサ93と、車両CRの実際のヨーレートである実ヨーレートYを検出するヨーレートセンサ94が接続されている。そして、この制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力回路を備えており、各センサ91〜94からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。なお、制御部100の詳細は、後述することとする。

0018

図2に示すように、液圧ユニット10は、マスタシリンダMCと車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に配置されている。マスタシリンダMCの二つの出力ポートM1,M2は、液圧ユニット10の入口ポート10aに接続され、出口ポート10bが、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時は液圧ユニット10内の入口ポート10aから出口ポート10bまでが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルBPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。

0019

液圧ユニット10には、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに対応して四つの入口弁1、四つの出口弁2、および四つのチェック弁1aが設けられている。また、液圧ユニット10には、マスタシリンダMCの出力ポートM1,M2に対応した各液圧路11,12のそれぞれに、リザーバ3、ポンプ4、オリフィス5aが設けられている。また、液圧ユニット10には、各ポンプ4を駆動するための共通のモータ6が設けられている。

0020

入口弁1は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとマスタシリンダMCとの間に設けられた常開型比例電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMCから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪Wがロックしそうになったときに制御部100により閉塞されることで、ブレーキペダルBPから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達する液圧を遮断する。

0021

出口弁2は、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとリザーバ3との間に設けられた常閉型電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪Wがロックしそうになったときに制御部100により開放されることで、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに加わる液圧をリザーバ3に逃がす。

0022

チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダMC側へのブレーキ液の流れを許容する。

0023

リザーバ3は、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液を一時的に貯溜する機能を有している。
ポンプ4は、リザーバ3とマスタシリンダMCとの間に設けられており、リザーバ3で貯溜されているブレーキ液を吸入し、そのブレーキ液をオリフィス5aを介してマスタシリンダMCに戻す機能を有している。

0024

入口弁1および出口弁2は、制御部100により開閉状態が制御されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのホイールシリンダHのブレーキ液圧を制御する。例えば、入口弁1が開、出口弁2が閉となる通常状態では、ブレーキペダルBPを踏んでいれば、マスタシリンダMCからの液圧がそのままホイールシリンダHへ伝達して増圧状態となり、入口弁1が閉、出口弁2が開となれば、ホイールシリンダHからリザーバ3側へブレーキ液が流出して減圧状態となり、入口弁1と出口弁2が共に閉となれば、ブレーキ液圧が保持される保持状態となる。

0025

次に、制御部100の詳細について説明する。
制御部100は、液圧ユニット10を制御して各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに設定した制動力を与えることにより車両を安定化させる制御を実行する装置である。このため、制御部100は、図3に示すように、車両速度取得手段111と、操舵角取得手段112と、実ヨーレート取得手段113と、目標ヨーレート設定手段121と、アンチロックブレーキ制御手段130と、スプリット路判定手段140と、差圧設定手段150と、制御実行手段160と、記憶手段190とを主に備えて構成されている。

0026

車両速度取得手段111は、車輪速センサ92から、車輪速度WSの情報(車輪速センサ92のパルス信号)を取得し、公知の手法により車両速度Vを算出して取得する手段である。算出した車両速度Vは、目標ヨーレート設定手段121、アンチロックブレーキ制御手段130および差圧設定手段150に出力される。

0027

操舵角取得手段112は、操舵角センサ93から、操舵角θの情報を取得する手段である。取得した操舵角θは、目標ヨーレート設定手段121および差圧設定手段150に出力される。なお、本明細書において、操舵角θは、スプリット路において車両CRが低摩擦係数側に回頭する方向にステアリングSTが操作されたときの値を正とする。

0028

実ヨーレート取得手段113は、ヨーレートセンサ94から、車両CRの実際のヨーレートである実ヨーレートYの情報を取得する手段である。取得した実ヨーレートYは、差圧設定手段150に出力される。なお、本明細書において、実ヨーレートYおよび後述する目標ヨーレートYTは、スプリット路において車両CRが高摩擦係数側に回頭する方向の値を正とする。

0029

目標ヨーレート設定手段121は、車両速度Vと操舵角θに基づいて、車両CRが高摩擦係数側の路面に回頭するような目標ヨーレートYTを設定する手段である。具体的には、目標ヨーレート設定手段121は、操舵角θが大きくなるにつれて目標ヨーレートYTを小さく設定するとともに、操舵角θの変化量に対する目標ヨーレートYTの変化量を車両速度Vに応じて変更している。つまり、目標ヨーレート設定手段121は、操舵角θが大きくなるにつれて目標ヨーレートYTが車両速度Vに応じた勾配で徐々に小さくなるように目標ヨーレートを設定している。より具体的には、目標ヨーレート設定手段121は、図4に示すような、操舵角θと車両速度Vに関連付けて目標ヨーレートYTの値を予め設定したマップに基づいて目標ヨーレートを設定する。

0030

図4のマップでは、車両速度Vが第1速度V1、第2速度V2、第3速度V3、第4速度V4、第5速度V5、第6速度V6である場合における操舵角θに応じた目標ヨーレートYTがそれぞれ設定されている。ここで、車両速度Vの大小関係は、V1<V2<V3<V4<V5<V6となっている。詳しくは、車両速度Vが第1速度V1である場合には、操舵角θが0以下の範囲において、目標ヨーレートYTが一定値YT6に決められている。操舵角θが0から所定値θ1までの間では、目標ヨーレートYTは、一定値YT6から比較的大きな初期減少率G61で徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ1から所定値θ2までの間では、目標ヨーレートYTは、初期減少率G61よりも小さな中期減少率G62で徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ2よりも大きい範囲では、目標ヨーレートYTは、中期減少率G62よりも小さな後期減少率G63で徐々に小さくなるように決められている。

0031

車両速度Vが第2速度V2である場合には、操舵角θが0以下の範囲において、目標ヨーレートYTは、第1速度V1のときの一定値YT6よりも小さな一定値YT5に決められている。操舵角θが0から所定値θ1までの間では、目標ヨーレートYTは、第1速度V1のときの初期減少率G61よりも小さな初期減少率G51で、一定値YT5から徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ1から所定値θ2までの間では、目標ヨーレートYTは、初期減少率G51よりも小さく、かつ、第1速度V1のときの中期減少率G62よりも小さな中期減少率G52で徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ2よりも大きい範囲では、目標ヨーレートYTは、中期減少率G52よりも小さく、かつ、第1速度V1のときの後期減少率G63と略同じ減少率の後期減少率G53で徐々に小さくなるように決められている。

0032

車両速度Vが第3速度V3である場合には、操舵角θが0以下の範囲において、目標ヨーレートYTは、第2速度V2のときの一定値YT5よりも小さな一定値YT4に決められている。操舵角θが0から所定値θ1までの間では、目標ヨーレートYTは、第2速度V2のときの初期減少率G51よりも小さな初期減少率G41で、一定値YT4から徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ1から所定値θ2までの間では、目標ヨーレートYTは、初期減少率G41よりも小さく、かつ、第2速度V2のときの中期減少率G52よりも小さな中期減少率G42で徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ2よりも大きい範囲では、目標ヨーレートYTは、中期減少率G42よりも小さく、かつ、第2速度V2のときの後期減少率G53と略同じ減少率の後期減少率G43で徐々に小さくなるように決められている。詳しくは、後期減少率G43は、操舵角θが所定値θ2から所定値θ3までの範囲では後期減少率G53と同じ減少率で、操舵角θが所定値θ3よりも大きい範囲では後期減少率G53よりも小さな減少率となっている。

0033

車両速度Vが第4速度V4である場合には、操舵角θが0以下の範囲において、目標ヨーレートYTは、第3速度V3のときの一定値YT4よりも小さな一定値YT3に決められている。操舵角θが0から所定値θ1までの間では、目標ヨーレートYTは、第3速度V3のときの初期減少率G41よりも小さな初期減少率G31で、一定値YT3から徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ1よりも大きい範囲では、目標ヨーレートYTは、初期減少率G31よりも小さく、かつ、第3速度V3のときの中期減少率G42よりも小さな中期減少率G32で徐々に小さくなり、0になった後(θ3以降)は、操舵角θが大きくなっても0に維持されるように決められている。

0034

車両速度Vが第5速度V5である場合には、操舵角θが0以下の範囲において、目標ヨーレートYTは、第4速度V4のときの一定値YT3よりも小さな一定値YT2に決められている。操舵角θが0から所定値θ1までの間では、目標ヨーレートYTは、第4速度V4のときの初期減少率G31よりも小さな初期減少率G21で、一定値YT2から徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ1から所定値θ2までの間では、目標ヨーレートYTは、初期減少率G21よりも小さく、かつ、第4速度V4のときの中期減少率G32よりも小さな中期減少率G22で徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ2よりも大きい範囲では、目標ヨーレートYTは、0になるように決められている。

0035

車両速度Vが第6速度V6である場合には、操舵角θが0以下の範囲において、目標ヨーレートYTは、第5速度V5のときの一定値YT2よりも小さな一定値YT1に決められている。操舵角θが0から所定値θ1までの間では、目標ヨーレートYTは、第5速度V5のときの初期減少率G21よりも小さな初期減少率G11で、一定値YT1から徐々に小さくなるように決められている。操舵角θが所定値θ1よりも大きい範囲では、目標ヨーレートYTは、0になるように決められている。

0036

つまり、目標ヨーレート設定手段121は、車両速度Vが第1速度(例えば第1速度V1)である場合には、操舵角θが大きくなるにつれて目標ヨーレートYTを第1勾配(例えば初期減少率G61)で徐々に小さくし、車両速度Vが第1速度よりも大きな第2速度(例えば第2速度V2)である場合には、操舵角θが大きくなるにつれて目標ヨーレートYTを第1勾配よりも小さな第2勾配(例えば初期減少率G51)で徐々に小さくするように設定している。詳しくは、操舵角θが0からθ2までの範囲の間においては、減少率は、車両速度Vが大きくなるほど小さくなるように設定されている。また、操舵角θがθ2よりも大きい範囲では、減少率は、車両速度Vが大きくなるほど小さくなる、もしくは、車両速度Vに関わらず同じ値となるように設定されている。

0037

また、目標ヨーレート設定手段121は、車両速度Vが上述した速度以外である場合には、線形補完により目標ヨーレートYTを算出している。例えば、目標ヨーレート設定手段121は、車両速度Vが時速30kmである場合には、操舵角θと第2速度V2のグラフと第3速度V3のグラフとに基づいて線形補完を行うことで目標ヨーレートYTを算出する。

0038

そして、目標ヨーレート設定手段121は、目標ヨーレートYTを設定すると、設定した目標ヨーレートYTを差圧設定手段150に出力する。

0039

アンチロックブレーキ制御手段130は、車輪速度WSと車両速度Vに基づいて、公知の手法により、アンチロックブレーキ制御を実行するか否かを車輪Wごとに判定するとともに、アンチロックブレーキ制御時の液圧制御の指示(ホイールシリンダH内の液圧を増圧状態、保持状態および減圧状態のいずれかにするかの指示)を車輪Wごとに決定する手段である。アンチロックブレーキ制御を実行する旨の情報は、スプリット路判定手段140に出力され、決定した液圧制御の指示は、制御実行手段160に出力される。

0040

スプリット路判定手段140は、アンチロックブレーキ制御を実行するときに、車輪Wの接地路面の摩擦係数が左右で所定以上異なるスプリット路であるか否かを判定する手段である。スプリット路の判定方法は、特に限定されないが、一例として、アンチロックブレーキ制御を実行するときに、各車輪Wの減速度のうち、最大値(最も減速度が出ていない値)を示す車輪Wの減速度が第1の閾値以上であって、左右の車輪Wの減速度の差が第2の閾値以上であるときにスプリット路であると判定することができる。また、スプリット路判定手段140は、スプリット路であると判定した場合、左右の車輪Wのうち、どちらが高摩擦係数側で、どちらが低摩擦係数側かを判定する。一例として、左右の車輪Wのうち、減速度の大きさが小さい方の車輪Wを高摩擦係数側と判定し、減速度の大きさが大きい方の車輪Wを低摩擦係数側と判定する。スプリット路であると判定した旨の情報は、差圧設定手段150に出力される。

0041

差圧設定手段150は、スプリット路において、高摩擦係数側の車輪ブレーキの制動力と低摩擦係数側の車輪ブレーキの制動力との差である制動力差を設定する手段である。本実施形態においては、差圧設定手段150は、制動力差に相当する値として、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差である差圧DPを、実ヨーレートYが目標ヨーレートYTに追従するように設定する。ここで、右側車輪の制御で使う実ヨーレートは、車両CRを上から見て時計回りの方向を正とし、左側車輪の制御で使う実ヨーレートは、車両CRを上から見て反時計回りの方向を正としている。そして、目標ヨーレートYTと比較する実ヨーレートYは、高摩擦側にある車輪の制御で使う実ヨーレートとなっている。前述した制御のため、差圧設定手段150は、図5に示すように、フィードフォワード差圧算出部151と、偏差算出部152と、フィードバック差圧算出部153と、差圧算出部156とを主に有している。

0042

フィードフォワード差圧算出部151は、操舵角θと車両速度Vと目標ヨーレートYTに基づいて、フィードフォワード差圧DPFFを算出する手段である。具体的に、フィードフォワード差圧DPFFは、操舵角θに基づく差圧に、車両速度Vと目標ヨーレートYTに基づく差圧を加算することで算出される。図6は、操舵角θに基づく差圧を設定するためのマップであり、操舵角θが大きくなるほど、差圧が大きくなるように決められている。また、図7は、車両速度Vと目標ヨーレートYTに基づく差圧を設定するためのマップであり、車両速度Vと目標ヨーレートYTとの比(YT/V)が大きくなるほど、差圧が大きくなるように決められている。算出したフィードフォワード差圧DPFFは、差圧算出部156に出力される。

0043

偏差算出部152は、実ヨーレート取得手段113から出力されてくる実ヨーレートYと、目標ヨーレート設定手段121から出力されてくる目標ヨーレートYTとの偏差ΔY(=Y−YT)を算出する手段である。算出した偏差ΔYは、フィードバック差圧算出部153に出力される。

0044

フィードバック差圧算出部153は、実ヨーレートYが目標ヨーレートYTに追従するようにPID(Proportional Integral Derivative)制御によって、差圧DPを設定するためのフィードバック差圧DPFBを算出する手段である。具体的に、フィードバック差圧DPFBは、P項比例ゲイン×今回の偏差ΔY)と、I項(前回のI項+(積分ゲイン×今回の偏差ΔY))と、D項(微分ゲイン×(前回の偏差ΔY−今回の偏差ΔY))とを加算することで算出される。算出したフィードバック差圧DPFBは、差圧算出部156に出力される。

0045

差圧算出部156は、差圧DPを算出する手段である。具体的に、スプリット路であると判定されてから、予め設定された所定時間T1が経過するまでの間は、車両速度Vと予め設定されたマップに基づいて、差圧DPを算出する。図8は、スプリット路であると判定されてから所定時間T1が経過するまでの間の差圧DPを設定するためのマップであり、車両速度Vが大きくなるほど、差圧DPが小さくなるように決められている。一方、スプリット路であると判定されてから所定時間T1が経過した後は、フィードフォワード差圧DPFFおよびフィードバック差圧DPFBに基づいて差圧DPを算出する。詳しくは、フィードフォワード差圧DPFFとフィードバック差圧DPFBとを加算して差圧DPを算出する。算出した差圧DPは、制御実行手段160に出力される。

0046

制御実行手段160は、アンチロックブレーキ制御手段130が決定した液圧制御の指示や、差圧設定手段150が設定した差圧DPに基づいて、公知の手法により、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのブレーキ液圧を制御する手段である。詳しくは、アンチロックブレーキ制御を実行する車輪ブレーキについては、アンチロックブレーキ制御手段130が決定した液圧制御の指示に基づいて、液圧ユニット10を制御する。また、スプリット路であると判定されているときに、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差が差圧DPを超えそうな場合は、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧が、低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧に、差圧DPを加算した値となるように、液圧ユニット10を制御する。液圧ユニット10の具体的な制御は公知であるので詳細な説明は省略するが、簡単に説明すると、入口弁1および出口弁2に出力する電流を調整するとともに、必要に応じてモータ6を作動させてポンプ4を駆動するように制御する。

0047

記憶手段190は、制御部100の動作に必要なプログラムや定数、マップ、計算結果などを適宜記憶する手段である。

0048

次に、車両用ブレーキ制御装置Aの制御部100による、アンチロックブレーキ制御時の処理について図9を参照して説明する。なお、図9の処理は、制御サイクルごとに繰り返し行われる。

0049

まず、制御部100は、車輪速センサ92から車輪速度WSを取得するとともに、操舵角センサ93から操舵角θを取得し、ヨーレートセンサ94から実ヨーレートYを取得する(S101)。次に、制御部100は、車輪速度WSから車両速度Vを算出するとともに、車両速度Vと操舵角θに基づいて目標ヨーレートYTを算出する(S102)。そして、アンチロックブレーキ制御手段130は、アンチロックブレーキ制御の液圧制御の指示を決定する(S111)。

0050

次に、スプリット路判定手段140は、車輪Wの接地路面がスプリット路であるか否かを判定する(S112)。
スプリット路でないと判定された場合(S112,NO)、制御実行手段160は、アンチロックブレーキ制御の液圧制御の指示に基づいて、液圧ユニット10を制御し、車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する(S131)。

0051

テップS112において、スプリット路であると判定された場合(YES)、差圧設定手段150は、スプリット路であると判定されてから所定時間T1が経過したか否かを判定する(S121)。所定時間T1が経過していない場合(S121,NO)、差圧設定手段150は、車両速度Vに基づき、図8のマップから差圧DPを設定する(S122)。

0052

一方、ステップS121において、所定時間T1が経過した場合(YES)、差圧設定手段150は、車両速度V、操舵角θおよび目標ヨーレートYTに基づいてフィードフォワード差圧DPFFを算出する(S124)。また、差圧設定手段150は、実ヨーレートYと目標ヨーレートYTとの偏差ΔYを算出し(S125)、偏差ΔYに基づいてPID制御によりフィードバック差圧DPFBを算出する(S126)。

0053

そして、差圧設定手段150は、フィードフォワード差圧DPFFとフィードバック差圧DPFBの和を差圧DPとして算出する(S127)。

0054

差圧DPが算出されると、制御実行手段160は、差圧DPとアンチロックブレーキ制御の液圧制御の指示に基づいて、液圧ユニット10を制御し、車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する(S131)。具体的には、アンチロックブレーキ制御の液圧制御の指示に基づいて、低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御するとともに、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧と低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧との差が差圧DPを超えそうな場合は、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧が、低摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧に、差圧DPを加算した値となるように、高摩擦係数側の車輪ブレーキのブレーキ液圧を制御する。

0055

次に、スプリット路において運転者が正方向にステアリング操作していくときの目標ヨーレートYTの変化について説明する。

0056

例えば第3速度V3で走行している車両CRを制動させたときに制御部100によりスプリット路であると判定された場合において、運転者がステアリングを正の方向に操舵していくと、図4破線で示すように、目標ヨーレートYTは、最初、第3速度V3に対応した初期減少率G41に沿って徐々に小さくなるように小さくなっていく。その後、車両速度Vが第3速度V3よりも小さくなると、目標ヨーレートYTは、線形補完により緩やかな減少率で滑らかに変化していく。

0057

車両速度Vが第2速度V2になると、目標ヨーレートYTは、第2速度V2に対応した減少率に沿って徐々に小さくなっていく。その後は、同様にして、目標ヨーレートYTは、線形補完や、第1速度V1に対応した減少率に沿って減少することで、緩やかな減少率にて滑らかに変化していく。

0058

このようにスプリット路において目標ヨーレートYTが滑らかに変化することで、目標ヨーレートYTに追従するように発生する実ヨーレートの変化も滑らかになるので、運転者は実ヨーレートを打ち消すようなステアリング操作をスムーズに行うことができる。

0059

以上、本実施形態では、前述した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
車両速度Vが大きな速度(例えば第6速度V6)である場合には、操舵角θを大きくすると小さな勾配(例えば初期減少率G11)によって目標ヨーレートYTが変化するので、例えば高速走行時において、目標ヨーレートYTの変化をより小さく抑えることができ、運転者のステアリング操作をよりスムーズにすることができる。

0060

なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。

0061

前記実施形態では、目標ヨーレートYTをマップに基づいて設定したが、本発明はこれに限定されず、例えばマップに相当する関数(数式)に基づいて目標ヨーレートYTを算出するようにしてもよい。

0062

前記実施形態においては、ブレーキ液を利用した車両用ブレーキ制御装置Aを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ブレーキ液を利用せずに電動モータによりブレーキ力を発生させる電動ブレーキ装置を制御するための車両用ブレーキ制御装置であってもよい。

0063

94ヨーレートセンサ
113実ヨーレート取得手段
121目標ヨーレート設定手段
150差圧設定手段
A車両用ブレーキ制御装置
FL,RR,RL,FR車輪ブレーキ
W車輪
Y 実ヨーレート
YT 目標ヨーレート
θ 操舵角

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