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技術 薄膜トランジスタ素子基板、及び、その製造方法、並びに、薄膜トランジスタ素子基板を用いた有機EL表示装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 鐘ヶ江有宣
出願日 2015年3月13日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2015-050395
公開日 2015年11月5日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-195363
状態 特許登録済
技術分野 エレクトロルミネッセンス光源 絶縁膜の形成 薄膜トランジスタ
主要キーワード 電源信号線 井桁構造 水分バリア層 成長度合い ラインバンク 鉛添加 電極間ショート 水分バリア性
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図面 (9)

課題

酸化物半導体を用いたトップゲート構造TFT基板において、コンタクト領域の低抵抗化を実現するとともに、水分のバリア性をさらに高めたTFT基板を提供する。

解決手段

TFT基板1は、ゲート絶縁層4及びゲート電極5を覆うように設けられるとともに、酸化物半導体層3のコンタクト領域3a1、3a2上でかつ、コンタクト領域3a1とソース電極8との接合部分、及びコンタクト領域3a2とドレイン電極9との接合部分を除いた領域と、基板2上で且つ酸化物半導体層3が存在しない領域とを覆うように設けられた第1の水分バリア層6を備える。第1の水分バリア層6は金属酸化物を含み、原子層堆積法によって形成されている。

概要

背景

近年、チャネル層にIn−Ga−Zn−Oに代表される酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ素子基板研究開発が盛んに行われている。以下、薄膜トランジスタ素子基板は、TFT基板と称される場合がある。酸化物半導体を用いたTFT基板の構造は、従来のアモルファスシリコンを用いたTFT基板と同じボトムゲート構造が一般的である。しかし、ゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極との寄生容量を低減する、より高性能トップゲート構造のTFT基板の研究開発も盛んに行われている(特許文献1及び2)。

特許文献2に記載されたTFT基板について、図8を用いて説明する。特許文献2に記載されたTFT基板901は、トップゲート構造のTFT基板である。TFT基板901は、ガラス基板902上に形成された酸化物半導体層903と、酸化物半導体層903の中央のチャネル領域903b上に形成されたゲート絶縁層904とゲート電極905とを有する。TFT基板901は、さらに、酸化アルミニウム層906と、層間絶縁層907と、ソース電極908と、ドレイン電極909とを有する。ソース電極908は、コンタクトホールCH1で酸化物半導体層903のコンタクト領域903a1と接合されている。ドレイン電極909は、コンタクトホールCH2で酸化物半導体層903のコンタクト領域903a2と接合されている。

酸化物半導体層903の中央のチャネル領域903bを挟むコンタクト領域903a1及び903a2は、チャネル領域903bよりも低抵抗化する必要がある。そこで、まず、酸化物半導体層903と、ゲート絶縁層904と、ゲート電極905の上にアルミニウム層スパッタ法で形成する。そして、アルミニウム層に熱処理を施して、アルミニウム層を酸化アルミニウム層906に変質させる。この際、コンタクト領域903a1及び903a2にアルミニウムがドープされて、コンタクト領域903a1及び903a2は、チャネル領域903bよりも低抵抗化する。このように、TFT基板901は、比較的簡単な構成で低抵抗化されたコンタクト領域を有している。また、この酸化アルミニウム層906は、水分のバリア性も有している。

概要

酸化物半導体を用いたトップゲート構造のTFT基板において、コンタクト領域の低抵抗化を実現するとともに、水分のバリア性をさらに高めたTFT基板を提供する。TFT基板1は、ゲート絶縁層4及びゲート電極5を覆うように設けられるとともに、酸化物半導体層3のコンタクト領域3a1、3a2上でかつ、コンタクト領域3a1とソース電極8との接合部分、及びコンタクト領域3a2とドレイン電極9との接合部分を除いた領域と、基板2上で且つ酸化物半導体層3が存在しない領域とを覆うように設けられた第1の水分バリア層6を備える。第1の水分バリア層6は金属酸化物を含み、原子層堆積法によって形成されている。

目的

特開2009−278115号公報
特開2011−228622号公報






しかしながら、特許文献2に記載されたTFT基板901は、水分バリア性が不十分であり、さらなる水分バリア性の向上が望まれている

効果

実績

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請求項1

基板と、前記基板上の一部に設けられ、前記基板表面に沿って、チャネル領域と前記チャネル領域を挟む一対のコンタクト領域とを有する酸化物半導体層と、前記チャネル領域にゲート絶縁層を介して設けられたゲート電極と、前記一対のコンタクト領域の一方に接合されたソース電極と、前記一対のコンタクト領域の他方に接合されたドレイン電極と、前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極を覆うように設けられるとともに、前記酸化物半導体層の前記一対のコンタクト領域上でかつ、前記コンタクト領域と前記ソース電極との接合部分及び前記コンタクト領域と前記ドレイン電極との接合部分を除いた領域と、前記基板上でかつ前記酸化物半導体層が設けられていない領域とを覆うように設けられた第1の水分バリア層と、を備え、前記第1の水分バリア層は金属酸化物を含みかつ原子層堆積法によって形成され、前記原子層堆積法によって形成された第1の水分バリア層は前記一対のコンタクト領域と接している薄膜トランジスタ素子基板。

請求項2

前記第1の水分バリア層は、原子レベルでの層構造を有している請求項1に記載の薄膜トランジスタ素子基板。

請求項3

前記第1の水分バリア層と接する前記一対のコンタクト領域は、前記第1の水分バリア層と接しない前記チャネル領域より抵抗が低い、請求項2に記載の薄膜トランジスタ素子基板。

請求項4

前記基板は、樹脂材料を主成分とする樹脂基板と、前記樹脂基板上に形成された第2の水分バリア層とを有し、前記第2の水分バリア層は、前記酸化物半導体層及び前記第1の水分バリア層と接している請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ素子基板。

請求項5

前記第2の水分バリア層は、化学気相成長法、または、原子層堆積法によって形成されている請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子基板。

請求項6

前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とは、構成される酸化物が異なる請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子基板。

請求項7

前記第1の水分バリア層は、アルミニウム(Al)の酸化物を有し、前記第2の水分バリア層は、ジルコニウム(Zr)の酸化物を有する請求項4に記載の薄膜トランジスタ素子基板。

請求項8

前記基板の一部の上に酸化物半導体層を形成し、前記基板上に形成された前記酸化物半導体層のチャネル領域上にゲート絶縁層を形成し、前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成し、前記酸化物半導体層が形成されていない前記基板の表面と、前記酸化物半導体層に配置されかつ前記チャネル領域を挟む一対のコンタクト領域と、前記ゲート絶縁層と、前記ゲート電極との各々を覆うように、金属酸化物を含む第1の水分バリア層を原子層堆積法により形成し、前記一対のコンタクト領域上の前記第1の水分バリア層に前記一対のコンタクト領域にまで貫通する一対のコンタクトホールを形成し、前記第1の水分バリア層上に、前記一対のコンタクトホールの一方を介して、前記一対のコンタクト領域の一方と接合するソース電極を形成し、前記第1の水分バリア層上に、前記一対のコンタクトホールの他方を介して、前記一対のコンタクト領域の他方と接合するドレイン電極を形成し、前記第1の水分バリア層と接する前記一対のコンタクト領域は、前記第1の水分バリア層と接しない前記チャネル領域より抵抗が低い薄膜トランジスタ素子基板の製造方法。

請求項9

前記基板は、樹脂材料を主成分とする樹脂基板と、前記樹脂基板上に形成された第2の水分バリア層とを有する請求項8に記載の薄膜トランジスタ素子基板の製造方法。

請求項10

前記第2の水分バリア層は、化学気相成長法、または、原子層堆積法により形成される請求項9に記載の薄膜トランジスタ素子基板の製造方法。

請求項11

前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とは、構成される酸化物が異なる請求項9または10に記載の薄膜トランジスタ素子基板の製造方法。

請求項12

前記第1の水分バリア層は、アルミニウム(Al)の酸化物を有し、前記第2の水分バリア層は、ジルコニウム(Zr)の酸化物を有する請求項9から11のいずれかに記載の薄膜トランジスタ素子基板の製造方法。

請求項13

請求項3から6のいずれかに記載の薄膜トランジスタ素子基板と、前記薄膜トランジスタ素子基板上に形成され、陽極と、発光層と、陰極とを少なくとも有する有機EL表示層と、を備える有機EL表示装置

請求項14

前記陰極は、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とが接する領域の外周よりも内側に位置する請求項13に記載の有機EL表示装置。

請求項15

前記有機EL表示層は、さらに、電子注入層を有し、前記電子注入層は、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とが接する領域の外周よりも内側に位置する請求項13または14に記載の有機EL表示装置。

技術分野

0001

本開示は、酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ素子基板、及び、その製造方法、並びに、酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ素子基板を用いた有機EL表示装置に関する。

背景技術

0002

近年、チャネル層にIn−Ga−Zn−Oに代表される酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ素子基板の研究開発が盛んに行われている。以下、薄膜トランジスタ素子基板は、TFT基板と称される場合がある。酸化物半導体を用いたTFT基板の構造は、従来のアモルファスシリコンを用いたTFT基板と同じボトムゲート構造が一般的である。しかし、ゲート電極と、ソース電極及びドレイン電極との寄生容量を低減する、より高性能トップゲート構造のTFT基板の研究開発も盛んに行われている(特許文献1及び2)。

0003

特許文献2に記載されたTFT基板について、図8を用いて説明する。特許文献2に記載されたTFT基板901は、トップゲート構造のTFT基板である。TFT基板901は、ガラス基板902上に形成された酸化物半導体層903と、酸化物半導体層903の中央のチャネル領域903b上に形成されたゲート絶縁層904とゲート電極905とを有する。TFT基板901は、さらに、酸化アルミニウム層906と、層間絶縁層907と、ソース電極908と、ドレイン電極909とを有する。ソース電極908は、コンタクトホールCH1で酸化物半導体層903のコンタクト領域903a1と接合されている。ドレイン電極909は、コンタクトホールCH2で酸化物半導体層903のコンタクト領域903a2と接合されている。

0004

酸化物半導体層903の中央のチャネル領域903bを挟むコンタクト領域903a1及び903a2は、チャネル領域903bよりも低抵抗化する必要がある。そこで、まず、酸化物半導体層903と、ゲート絶縁層904と、ゲート電極905の上にアルミニウム層スパッタ法で形成する。そして、アルミニウム層に熱処理を施して、アルミニウム層を酸化アルミニウム層906に変質させる。この際、コンタクト領域903a1及び903a2にアルミニウムがドープされて、コンタクト領域903a1及び903a2は、チャネル領域903bよりも低抵抗化する。このように、TFT基板901は、比較的簡単な構成で低抵抗化されたコンタクト領域を有している。また、この酸化アルミニウム層906は、水分のバリア性も有している。

先行技術

0005

特開2009−278115号公報
特開2011−228622号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献2に記載されたTFT基板901は、水分バリア性が不十分であり、さらなる水分バリア性の向上が望まれている。
そこで、本開示は、酸化物半導体を用いたトップゲート構造のTFT基板において、コンタクト領域の低抵抗化を実現するとともに、水分のバリア性をさらに高めたTFT基板を提供する。

課題を解決するための手段

0007

本開示の一態様に係る薄膜トランジスタ素子基板は、基板と、前記基板上の一部に設けられ、前記基板表面に沿って、チャネル領域と前記チャネル領域を挟む一対のコンタクト領域とを有する酸化物半導体層と、前記チャネル領域にゲート絶縁層を介して設けられたゲート電極と、前記一対のコンタクト領域の一方に接合されたソース電極と、前記一対のコンタクト領域の他方に接合されたドレイン電極と、前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極を覆うように設けられるとともに、前記酸化物半導体層の前記一対のコンタクト領域上でかつ前記コンタクト領域と前記ソース電極との接合部分及び前記コンタクト領域と前記ドレイン電極との接合部分を除いた領域と、前記基板上でかつ前記酸化物半導体層が設けられていない領域とを覆うように設けられた第1の水分バリア層と、を備え、前記第1の水分バリア層は金属酸化物を含みかつ原子層堆積法によって形成され、前記原子層堆積法によって形成された第1の水分バリア層は前記一対のコンタクト領域と接している。

発明の効果

0008

本開示の一態様に係る薄膜トランジスタ素子基板では、第1の水分バリア層を形成するだけで、それと接する酸化物半導体層のコンタクト領域を低抵抗化することができる。その上、この第1の水分バリア層は、原子層堆積法で形成しているため、膜質が緻密であり、スパッタ法で形成した層よりも水蒸気透過率が低い。
従って、本開示の一態様に係る薄膜トランジスタ素子基板によれば、コンタクト領域の低抵抗化を実現するとともに、水分のバリア性を高めた薄膜トランジスタ素子基板を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

図1は、実施の形態1に係るTFT基板の断面図及び要部拡大図である。
図2は、実施例と比較例の水蒸気透過率の測定結果を示す図である。
実施の形態1に係るTFT基板1の製造プロセスを示す模式図であり、(a)は、ガラス基板100上に樹脂基板21を形成した時の断面図である。(b)は、樹脂基板21上に第1の水分バリア層22を形成した時の断面図である。(c)は、第1の水分バリア層22上の一部に酸化物半導体層3を形成した時の断面図である。(d)は、酸化物半導体層3の第1領域R1上にゲート絶縁層4とゲート電極5を形成した時の断面図である。(e)は、第1の水分バリア層22のうち酸化物半導体層3が形成されていない領域と、酸化物半導体層3の第2領域R2と、ゲート絶縁層4と、ゲート電極5とに接し、且つ、これらを覆うように、第2の水分バリア層6を原子層堆積法により形成した時の断面図である。(f)は、コンタクト領域3a1及び3a2上の第2の水分バリア層6にコンタクトホールCH1及びCH2を形成した時の断面図である。(g)は、第2の水分バリア層6上に、コンタクトホールCH1を通じてコンタクト領域3a1と接合するソース電極8と、第2の水分バリア層6上に、コンタクトホールCH2を通じてコンタクト領域3a2と接合するドレイン電極9とを形成した時の断面図である。(h)は、TFT基板1をガラス基板100から剥離している時の断面図である。
図4は、実施の形態2に係る有機EL表示装置を示す平面図である。
図5は、実施の形態2に係る有機EL表示装置の表示領域における断面図である。
図6は、実施の形態2に係る有機EL表示装置のサブピクセル回路構成図である。
図7は、実施の形態2に係る有機EL表示装置の表示領域から周辺領域にかけての部分の断面図である。
図8は、従来技術に係るTFT基板の断面図である。

実施例

0010

<本開示の基礎となる知見>
まず、本発明者が本開示に係る各態様の発明を想到するに到った経緯を説明する。上述した特許文献2に記載されたTFT基板901は、酸化アルミニウム層906を有しているため、ある程度の水分バリア性は有している。しかし、酸化アルミニウム層906が酸化される前のアルミニウム層は、スパッタ法で形成された層である。このため、酸化アルミニウム層906は、膜質が緻密ではなく、水蒸気透過率が比較的高い。TFT基板901上に液晶表示層有機EL表示層等を形成して各種ディスプレイを製造した場合、ガラス基板902の内外から侵入してくる水分や、酸化アルミニウム層906を伝って侵入してくる水分が問題となる。上記のようにして侵入してきた水分が、液晶表示層や有機EL表示層等まで達すると、不具合が生じる。例えば、有機EL表示層には、水分によって劣化する陰極電子注入層等が存在する。水分が、陰極や電子注入層等に達すると、有機EL表示層に非発光部(ダークスポット)が発生したり、輝度低下を招くことがある。つまり、酸化アルミニウム層906は、水分バリア性が不十分であり、さらなる水分バリア性の向上が望まれている。そこで、本発明者は、上記知見に基づき、以下に説明する本開示に係る各態様の発明を想到するに到った。

0011

本開示の一態様に係る薄膜トランジスタ素子基板は、基板と、前記基板上の一部に設けられ、前記基板表面に沿って、チャネル領域と前記チャネル領域を挟む一対のコンタクト領域とを有する酸化物半導体層と、前記チャネル領域にゲート絶縁層を介して設けられたゲート電極と、前記一対のコンタクト領域の一方に接合されたソース電極と、前記一対のコンタクト領域の他方に接合されたドレイン電極と、前記ゲート絶縁層及び前記ゲート電極を覆うように設けられるとともに、前記酸化物半導体層の前記一対のコンタクト領域上でかつ、前記コンタクト領域と前記ソース電極との接合部分及び前記コンタクト領域と前記ドレイン電極との接合部分を除いた領域と、前記基板上でかつ前記酸化物半導体層が設けられていない領域とを覆うように設けられた第1の水分バリア層と、を備え、前記第1の水分バリア層は金属酸化物を含みかつ原子層堆積法によって形成され、前記原子層堆積法によって形成された第1の水分バリア層は前記一対のコンタクト領域と接している。

0012

本態様によると、第1の水分バリア層が、ゲート絶縁層及びゲート電極を覆うように設けられるとともに、酸化物半導体層の一対のコンタクト領域上、並びに基板上でかつ酸化物半導体層が存在しない領域とに設けられている。この第1の水分バリア層は、金属酸化物を含むため、酸化物半導体層と接するコンタクト領域を低抵抗化することができる。つまり、第1の水分バリア層を形成するだけで、第1の水分バリア層と接する酸化物半導体層のコンタクト領域を低抵抗化することができる。その上、この第1の水分バリア層は、原子層堆積法で形成しているため、膜質が緻密であり、スパッタ法で形成した場合に比べて水蒸気透過率が低い。

0013

従って、本態様に係る薄膜トランジスタ素子基板によれば、コンタクト領域の低抵抗化を実現するとともに、水分のバリア性を高めた薄膜トランジスタ素子基板を提供することができる。
また、本開示の別の態様では、前記第1の水分バリア層は、原子レベルでの層構造を有していてもよい。これにより、第1の水分バリア層の膜状態が緻密になり、水分バリア性が高くなる。

0014

また、本開示の別の態様では、前記第1の水分バリア層と接する前記一対のコンタクト領域は、前記第1の水分バリア層と接しない前記チャネル領域より抵抗が低くてもよい。
また、本開示の別の態様では、前記基板は、樹脂材料を主成分とする樹脂基板と、前記樹脂基板上に形成された第2の水分バリア層とを有し、前記第2の水分バリア層は、前記酸化物半導体層及び前記第1の水分バリア層と接していてもよい。このように、第1の水分バリア層と第2の水分バリア層とが直接接している領域を設けることで、水分バリア性をさらに高めることが可能となる。

0015

また、本開示の別の態様では、前記第2の水分バリア層は、化学気相成長法、または、原子層堆積法によって形成されていてもよい。これにより、スパッタ法で形成した場合に比べて、第2の水分バリア層を緻密な膜とすることができる。さらに原子層堆積法で形成した方が、より緻密な膜を形成することができ、水分バリア性を高めることができる。
また、本開示の別の態様では、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とは、構成される酸化物が異なっていてもよい。これにより、例えば、樹脂基板と第2の水分バリア層との間に異物混入した場合、第1の水分バリア層は、異物で盛り上がった部分を反映せずに、第2の水分バリア層の盛り上がりキャンセルするように堆積される。その結果、第1の水分バリア層の形成後は、表面が平坦な形状で成膜される。

0016

また、本開示の別の態様では、前記第1の水分バリア層は、アルミニウム(Al)の酸化物を有し、前記第2の水分バリア層は、ジルコニウム(Zr)の酸化物を有していてもよい。
また、本開示の一態様に係る薄膜トランジスタ素子基板の製造方法は、前記基板の一部の上に酸化物半導体層を形成し、前記基板上に形成された前記酸化物半導体層のチャネル領域上にゲート絶縁層を形成し、前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成し、前記酸化物半導体層が形成されていない前記基板の表面と、前記酸化物半導体層に配置されかつ前記チャネル領域を挟む一対のコンタクト領域と、前記ゲート絶縁層と、前記ゲート電極との各々を覆うように、金属酸化物を含む第1の水分バリア層を原子層堆積法により形成し、前記一対のコンタクト領域上の前記第1の水分バリア層に前記一対のコンタクト領域にまで貫通する一対のコンタクトホールを形成し、前記第1の水分バリア層上に、前記一対のコンタクトホールの一方を介して、前記一対のコンタクト領域の一方と接合するソース電極を形成し、前記第1の水分バリア層上に、前記一対のコンタクトホールの他方を介して、前記一対のコンタクト領域の他方と接合するドレイン電極を形成し、前記第1の水分バリア層と接する前記一対のコンタクト領域は、前記第1の水分バリア層と接しない前記チャネル領域より抵抗が低い。

0017

本態様によると、第2の水分バリア層のうち酸化物半導体層が形成されていない領域と、酸化物半導体層の第1領域を挟む一対の第2領域と、ゲート絶縁層と、ゲート電極との各々を覆うように、第1の水分バリア層を原子層堆積法により形成する。これにより、酸化物半導体層のうち、第1領域がチャネル領域と成り、一対の第2領域が一対のコンタクト領域と成る。第1の水分バリア層は、金属酸化物を含んでいる。第1の水分バリア層を原子層堆積法によって形成することによって、金属酸化物内の金属が酸化物半導体層内にドープされる、または酸化物半導体層内の酸素が第1の水分バリア層内に引き抜かれることで、コンタクト領域を低抵抗化することができる。つまり、第1の水分バリア層を形成するだけで、第1の水分バリア層と接する酸化物半導体層のコンタクト領域を低抵抗化することができる。その上、この第1の水分バリア層は、原子層堆積法で形成しているため、膜質が緻密であり、スパッタ法で形成した場合に比べて水蒸気透過率が低い。

0018

従って、本態様に係る薄膜トランジスタ素子基板の製造方法によれば、コンタクト領域の低抵抗化を実現するとともに、水分のバリア性を高めた薄膜トランジスタ素子基板を提供することができる。
また、本開示の別の態様では、前記基板は、樹脂材料を主成分とする樹脂基板と、前記樹脂基板上に形成された第2の水分バリア層とを有してもよい。

0019

また、本開示の別の態様では、前記第2の水分バリア層は、化学気相成長法、または、原子層堆積法により形成されていてもよい。これにより、スパッタ法で形成した場合に比べて、第2の水分バリア層を緻密な膜とすることができる。さらに原子層堆積法で形成した方が、より緻密な膜を形成することができ、水分バリア性を高めることができる。
また、本開示の別の態様では、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とは、構成される酸化物が異なっていてもよい。これにより、例えば、樹脂基板と第2の水分バリア層との間に異物が混入した場合、第1の水分バリア層は、異物で盛り上がった部分を反映せずに、第2の水分バリア層の盛り上がりをキャンセルするように堆積される。その結果、第1の水分バリア層の形成後は、表面が平坦な形状で成膜される。

0020

また、本開示の別の態様では、前記第1の水分バリア層は、アルミニウム(Al)の酸化物を有し、前記第2の水分バリア層は、ジルコニウム(Zr)の酸化物を有していてもよい。
また、本開示の一態様に係る有機EL表示装置は、上記した本開示の一態様に係る薄膜トランジスタ素子基板と、前記薄膜トランジスタ素子基板上に形成され、陽極と、発光層と、陰極とを少なくとも有する有機EL表示層と、を備える。これにより、コンタクト領域の低抵抗化を実現するとともに、水分のバリア性を高めた薄膜トランジスタ素子基板を備えた有機EL表示装置を提供できる。

0021

また、本開示の別の態様では、平面視において、前記陰極は、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とが接する領域の外周よりも内側に位置していてもよい。これにより、水分により劣化しやすい陰極を、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とが接する領域の外周より内側に位置させることができるため、有機EL表示装置の水分バリア性を高めることができる。

0022

また、本開示の別の態様では、前記有機EL表示層は、さらに、電子注入層を有し、平面視において、前記電子注入層は、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とが接する領域の外周よりも内側に位置していてもよい。これにより、水分により劣化しやすい電子注入層を、前記第1の水分バリア層と前記第2の水分バリア層とが接する領域の外周よりも内側に位置させることができるため、有機EL表示装置の水分バリア性を高めることができる。

0023

以下、本開示を実施するための形態を、図面を参照して詳細に説明する。
<実施の形態1>
(TFT基板1の構成)
実施の形態1に係るTFT基板1について、図1を用いて説明する。TFT基板1は、基板2と、基板2上の一部に設けられた酸化物半導体層3と、酸化物半導体層3の中央部分であるチャネル領域3b上に設けられたゲート絶縁層4及びゲート電極5を有する。TFT基板1は、さらに、基板2上であって、酸化物半導体層3が設けられていない領域と、酸化物半導体層3上であってゲート絶縁層4が設けられていないコンタクト領域3a1及び3a2と、ゲート絶縁層4及びゲート電極5とを覆っている第1の水分バリア層6を有する。TFT基板1は、さらに、第1の水分バリア層6上にソース電極8とドレイン電極9を有する。第1の水分バリア層6には、酸化物半導体層3のコンタクト領域3a1及び3a2に至るようにそれぞれコンタクトホールCH1及びCH2が貫通している。コンタクトホールCH1では、ソース電極8とコンタクト領域3a1とが接合している。コンタクトホールCH2では、ドレイン電極9とコンタクト領域3a2とが接合している。TFT1は所謂トップゲート型スタガー構造;staggered structure)のTFTである。

0024

基板2は、樹脂を主成分とする樹脂基板21(以下、樹脂基板21と称す)と、その上に形成された第2の水分バリア層22から構成されている。樹脂基板21の材料としては、例えば、ポリイミドポリアミドアラミドポリエチレンポリプロピレンポリビニレンポリ塩化ビニリデン等を用いることができる。その他、ポリエチレンテレフタレートポリエチレンナフタレートポリカーボネート、ポリエチレンスルホン酸シリコーンアクリルエポキシフェノール等でもよい。これらの内の2種類以上の材料が混合されていてもよく、これらの材料が化学的に修飾(chemical modification)されていてもよい。これらの材料のうち1種または2種以上を組み合わせて、多層構造の樹脂基板21としてもよい。第2の水分バリア層22の材料としては、酸化ジルコニウム(ZrOx)、酸化アルミニウム(AlOx)等を用いることができる。第2の水分バリア層22は、樹脂基板21を透過して、樹脂基板21の上方に水分等が侵入するのを防止する機能を有する。基板2として、樹脂基板21と、その上に形成された第2の水分バリア層22とからなる2層構造とした。しかし、これに限られるものではない。基板2として、ガラス合成石英熱酸化膜付きシリコン、等の単層構造としてもよい。また、その他の多層構造としてもよい。

0025

酸化物半導体層3は、第2の水分バリア層22上に形成されている。酸化物半導体層3は、ゲート電極5及びゲート絶縁層4の下のチャネル領域3bと、チャネル領域3bを挟むコンタクト領域3a1及び3a2とから構成されている。コンタクト領域3a1及び3a2は、チャネル領域3bよりも抵抗が低い。つまり、コンタクト領域3a1及び3a2は、チャネル領域3bよりもキャリア濃度が高い。酸化物半導体層3の材料としては、In−Ga−Zn−O、In−Ti−Zn−O、Zn−O、In−Ga−O、In−Zn−O等を用いることができる。In−Ga−Zn−Oの場合を例に取ると、各元素構成比としては、例えば、InxGayZnzO1.5x+1.5y+z(x、y、zは整数)である。

0026

ゲート絶縁層4は、酸化物半導体層3のチャネル領域3b上に設けられている。ゲート絶縁層4の材料としては、SiOx、SiOxNy、TaOx等を用いることができる。ゲート絶縁層4は、これらの酸化物材料を用いて、単層構造または多層構造にて形成される。
ゲート電極5は、ゲート絶縁層4上に設けられている。ゲート電極5の材料としては、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、MoW、銅(Cu)、チタン(Ti)、クロム(Cr)等を用いることができる。ゲート電極5は、これらの金属材料を用いて、単層構造または多層構造にて形成される。ゲート絶縁層4とゲート電極5の側面は揃っていて、ソース電極8及びドレイン電極9と離間している。よって、ゲート電極5とソース電極8、及びゲート電極5とドレイン電極9との間の寄生容量を低減することができる。

0027

第1の水分バリア層6は、酸化物半導体層3が形成されていない第2の水分バリア層22上に形成されるとともに、酸化物半導体層3のコンタクト領域3a1及び3a2と、ゲート絶縁層4と、ゲート電極5とを覆っている。第1の水分バリア層6の材料としては、金属酸化物を用いることができる。実施の形態1では、酸化アルミニウム(AlOx)を用いている。

0028

ソース電極8は、第1の水分バリア層6上に設けられている。そして、ソース電極8は、コンタクトホールCH1で酸化物半導体層3のコンタクト領域3a1と接合している。ソース電極8の材料としては、Al、Mo、W、MoW、Cu、Ti、Cr等を用いることができる。ソース電極8は、これらの金属材料を用いて、単層構造または多層構造となるように形成される。

0029

ドレイン電極9は、第1の水分バリア層6上に設けられている。ドレイン電極9は、コンタクトホールCH2で酸化物半導体層3のコンタクト領域3a2と接合している。ドレイン電極9の材料は、Al、Mo、W、MoW、Cu、Ti、Cr等を用いることができる。ドレイン電極9は、これらの材料を用いて、単層構造または多層構造にて形成される。
ここで、第1の水分バリア層6は、酸化物半導体層3に至るようにコンタクトホールCH1及びCH2を形成する前は、酸化物半導体層3のコンタクト領域3a1及び3a2上の全面に形成されていた。第1の水分バリア層6は、例えば、AlOxである。第1の水分バリア層6の形成時に、Alが第1の水分バリア層6から当該第1の水分バリア層6と接する酸化物半導体層3のコンタクト領域3a1及び3a2にドープされる、もしくは酸化物半導体層3から酸素が引き抜かれると考えられる。Alがドープされた、もしくは酸素が引き抜かれたコンタクト領域3a1及び3a2は、チャネル領域3bよりも低抵抗化する。この事実は、実験によっても裏付けされている。また、金属がコンタクト領域にドープされる、もしくは酸化物半導体層から酸素が引き抜かれるという現象は、AlOxに限らず、他の金属酸化物でも起こると考えられる。この結果、コンタクト領域3a1及び3a2は、チャネル領域3bよりもキャリア濃度が上昇し、TFTの適切なON/OFF特性が得られる。

0030

また、第1の水分バリア層6は、基板2を透過して、基板2の上方に水分等が侵入してくるのを防止する機能を有する。AlOxは、通常、スパッタ法で形成される。このスパッタ法で形成されたAlOxも、ある程度の水分バリア性を有しているが、実用上、十分とは言えない。そこで、第1の水分バリア層6として用いるAlOxを、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition法。以下、ALD法と称する。)で形成している。図1の1点鎖線で囲った領域Tの拡大図に示すように、原子層堆積法で形成された膜は、原子レベルでの層構造を有している。そのため、膜状態が緻密であり、水分バリア性が高い。ALD法で形成可能な金属酸化物の例としては、AlOxの他に、TiOx、CaOx、HfOx、TaOx、LaOx、YOx等が挙げられる。

0031

図2に、酸化アルミニウム単膜を、ALD法で形成した実施例のサンプルと、スパッタ法で形成した比較例のサンプルとの水蒸気透過率の測定結果を示す。測定方法は、一般的に知られているCa(カルシウムテストというもので行った。このCaテストは、測定する膜を透過してきた水分により、Caが導電から非導電になる傾きから水蒸気透過率を算出する。この図2の測定結果から分かるように、膜厚はほぼ同じにも関わらず、実施例のサンプルは、比較例のサンプルよりも3桁程、水蒸気透過率が低い。このため、実施の形態1のTFT基板1は、非常に優れた水分バリア性を有している。そして、第2の水分バリア層22と、第1の水分バリア層6とが直接、接している領域は、水分バリア性が、さらに高いと考えられる。第2の水分バリア層22は、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法。以下、CVD法と称する。)で形成してもよいが、ALD法で形成した方が、より緻密な膜を形成することができ、水分バリア性を高めることができる。

0032

尚、第2の水分バリア層22と、第1の水分バリア層6とは、構成される酸化物が同じものでもよいが、異なるものとしてもよい。例えば、第2の水分バリア層22として、ZrOxを用い、第1の水分バリア層6として、AlOxを用いてもよい。基板2の樹脂基板21と第2の水分バリア層22との間に異物が混入した場合を想定する。すると、第2の水分バリア層22は、その異物を反映して、その部分だけ局所的に隆起したようにして堆積していく。その第2の水分バリア層22の上に、第2の水分バリア層22を構成する酸化物とは異なる酸化物からなる第1の水分バリア層6を形成する。すると、第1の水分バリア層6は異物で盛り上がった部分を反映せずに、第2の水分バリア層22の盛り上がりをキャンセルするように堆積される。その結果、第1の水分バリア層6の形成後は、第1の水分バリア層6の表面は平坦な形状となる。この理由は、構成される酸化物が異なると、結晶格子成長度合いや、格子定数が異なるためであると推定される。

0033

(TFT基板1の製造プロセス)
実施の形態1に係るTFT基板1の製造プロセスについて、図3(a)〜(h)を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すように、ガラス基板100を用意する。ガラス基板100の材料は、例えば、石英ガラス無アルカリガラス高耐熱性ガラス等である。尚、ガラス基板中に含まれるナトリウムリン等の不純物が、第2の水分バリア層22に混入すると好ましくない。そこで、ガラス基板100の最表面(第2の水分バリア層22と接する側の表面)に、SiNx、SiOy、SiOyNx等からなるアンダーコート層を形成してもよい。アンダーコート層の膜厚は、例えば、100nm〜2000nm程度としてもよい。そして、ガラス基板100上に、ポリイミドをスピンコート法で塗布した。そして、加熱温度400℃にて8時間加熱し、膜厚18μmの樹脂基板21を得た。樹脂基板の膜厚としては、1μm〜1000μm程度の範囲としてもよい。1μmよりも薄いと、機械的な強度が得られない。1000μmよりも厚いと曲げることが困難となり、フレキシブルな基板を得ることができない。樹脂基板21の形成方法は、スピンコート法のように原液を塗布してもよいし、既に樹脂基板として存在するものを圧着してもよい。圧着する場合は、接着層をガラス基板100と樹脂基板21との間に形成してから圧着してもよい。接着層は、シリコーン系、アクリル系等、所望の粘着力が得られるものであれば、特に限定されない。

0034

次に、図3(b)に示すように、第2の水分バリア層22として、ZrOx膜をALD法で形成した。前駆体(precursor)としてテトラキスエチルメチルアミノジルコニウムを用いた。ZrOxの膜厚は、60nm程度になるようにした。
次に、図3(c)に示すように、酸化物半導体層3としてIn−Ga−Zn−Oをスパッタ法により60nm程度、形成した。その後、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行った。酸化物半導体層3の形成法としては、スパッタ法の他に、レーザーアブレーション法やCVD法を用いてもよい。酸化物半導体層3の膜厚は、10nm〜300nm程度の範囲としてもよい。

0035

次に、図3(d)に示すように、酸化物半導体層3上にゲート絶縁膜をCVD法で形成した。ゲート絶縁膜の材料として、SiOxを用いた。SiOxは、例えば、シランガス(SiH4)と亜酸化窒素ガス(N2O)とを所定の濃度比で導入することで成膜することができる。SiOxの膜厚は、100nm程度とした。ゲート絶縁膜としては、SiOx以外に、SiNx、SiOxNy、或いは、それらの層を積層してもよい。ゲート絶縁膜の膜厚は、50nm〜400nm程度としてもよい。続いて、ゲート絶縁膜上にゲート電極膜を形成した。ゲート電極膜として、60nmのMoWを形成した。ゲート電極膜の膜厚は、20nm〜100nm程度といしてもよい。そして、フォトリソグラフィー法により、ゲート電極膜をパターニングした。ゲート電極膜のパターニング方法としては、燐硝酢酸液を用いたウェットエッチングプロセス、或いは、六フッ化硫黄SF6)、塩素(Cl2)等のガスを用いたドライエッチングプロセスを用いてもよい。ゲート絶縁膜のパターニングは、例えば、六フッ化硫黄(SF6)等のガスを用いたドライエッチングプロセス、或いは、フッ酸(HF)を用いたウェットエッチングプロセスを用いてもよい。ウェットエッチングプロセスでゲート電極膜のパターニングを行った後、ドライエッチングプロセスでゲート絶縁膜のパターニングを行った。その結果、図3(d)に示すように、酸化物半導体層3の第1領域R1上にゲート絶縁層4とゲート電極5を形成した。

0036

次に、図3(e)に示すように、第1の水分バリア層6として、AlOx膜をALD法で形成した。前駆体としてトリメチルアルミニウムを用いた。AlOxの膜厚は、30nm程度であった。このAlOx膜の成膜により、酸化物半導体層3のうち、ゲート絶縁層4に覆われていない一対の第2領域R2には、AlOx膜からAlがドープされ、低抵抗化される。この結果、酸化物半導体層3のうち、第1領域R1にチャネル領域3bが、また一対の第2領域R2にコンタクト領域3a1及び3a2が生成される。尚、第1の水分バリア層6の上に無機絶縁膜または有機絶縁膜を形成してもよい。これらの層を形成することで、ゲート電極5とソース電極8、及びゲート電極5とドレイン電極9との寄生容量がさらに低下する。また、異物を介した電極間ショートも防止することができる。例示すると、AlOxである第1の水分バリア層6の上に、CVD法を用いてSiOxを200nm程度、形成してもよい。

0037

次に、図3(f)に示すように、コンタクト領域3a1及び3a2上の第1の水分バリア層6に、フォトリソグラフィー法により、コンタクト領域3a1及び3a2にまで貫通するコンタクトホールCH1及びCH2を形成する。
次に、図3(g)に示すように、MoW、Al、MoWから成る3層を積層して、ソース電極膜及びドレイン電極膜を形成した。ソース電極膜及びドレイン電極膜の膜厚は、500nm程度であった。その後、燐硝酢酸液によるウェットエッチングプロセスにて、ソース電極8とドレイン電極9のパターニングを行った。

0038

最後に、図3(h)に示すように、ガラス基板100からTFT基板1を剥離して、TFT基板1を完成させた。剥離する方法としては、エキシマレーザー固体レーザーをガラス基板側から照射する方法、或いは、TFT基板1を端から手や装置等を用いて機械的に剥離をしてもよい。
<実施の形態2>
(有機EL表示装置101の構成)
図4は、実施の形態1のTFT基板1を用いて作製した有機EL表示装置101の平面図を示す。有機EL表示装置101は、サブピクセル102がマトリクス状に配列された表示領域と、当該表示領域の周囲を囲む周辺領域とからなる。また、周辺領域の外周部には、封止部材103が配置され、外部からの水分やガス等の侵入を防ぐ役割を果たしている。封止部材103は、緻密な樹脂材料(例えばシリコーン系樹脂アクリル系樹脂等)、または、ガラス等からなる。図5は、1つのサブピクセル102の拡大図S1におけるA1−A2線の断面を矢印方向に見た断面図である。サブピクセル102同士の間は、井桁状隔壁107で区画されている。また、周辺領域に隣接する1つのサブピクセル102と当該サブピクセル102に隣接する周辺領域の拡大図S2の断面図を図7に示す。なお、図7は、拡大図S2におけるB1−B2断面を矢印方向に見た断面図である。

0039

図5に示すように、有機EL表示装置101は、下から順に、TFT基板1と、平坦化層104と、有機EL表示層200と、封止層113と、封止樹脂114と、樹脂基板21とを有する。有機EL表示層200は、下から順に、陽極105と、正孔注入層106と、正孔輸送層108と、発光層109と、電子輸送層110と、電子注入層111と、陰極112とを有する。有機EL表示層200は、さらに、各サブピクセル102を区画するための隔壁107も有している。有機EL表示装置101は、トップエミッション型である。図5のTFT基板1には、実施の形態1で説明したTFT基板1の他に、少なくとももう1つのTFT2(図5では不図示)を有している。図6は、サブピクセル102内の回路構成を示す。TFT1は、スイッチング用のトランジスタであり、TFT2は、駆動用のトランジスタである。TFT1は、TFT2、コンデンサCと接続され、さらに、駆動回路(不図示)のいずれかに繋がるソース信号線SL、ゲート信号線GLと接続されている。TFT2は、コンデンサC、TFT1、有機EL表示層200、及び、外部から大電流を供給する電源信号線PLと接続されている。TFT2のドレイン電極10が、平坦化層104に貫通されたコンタクトホールCH3内で、有機EL表示層200の陽極105と接合されている(図5を参照)。

0040

有機EL表示装置101の各層について図5を用いて、形成されている各層を、下から順に、より詳細に説明する。TFT基板1は、実施の形態1で説明済のため、説明を省略する。
平坦化層104は、TFT1、TFT2、及び、各種信号線と陽極105とを絶縁するとともに、TFT等による段差を平坦化するために形成される。平坦化層104は、ポリイミド樹脂アクリル樹脂等からなる。平坦化層104の膜厚は、数μm程度である。

0041

陽極105は、平坦化層104上に設けられる。陽極105の材料としては、例えば、Mo、Al、Au、Ag、Cu等の金属や、それらの合金、PEDOT−PSS等の有機導電性材料、ZnO、鉛添加酸化インジウム等が用いられる。これらの材料からなる膜を真空蒸着法電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法、または、印刷法等により形成する。陽極105は、光反射性を有していてもよい。陽極105は、各サブピクセル毎にマトリクス状に形成されている。

0042

陽極105の上には、所謂、機能層が形成されている。機能層は、図5においては、下から順に、正孔注入層106、正孔輸送層108、発光層109、電子輸送層110、電子注入層111が積層されている。正孔注入層106としては、例えば、銅フタロシアニンを、正孔輸送層108としては、例えば、α−NPD(Bis[N-(1-Naphthyl)-N-Phenyl]benzidine)を用いることができる。発光層109は、有機材料で構成されており、有機材料としては、例えば、オキシノイ化合物ペリレン化合物クマリン化合物等を用いることができる。その他、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物オキサジアゾール化合物ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物アントラセン化合物等でもよい。その他、フルオレン化合物フルオランテン化合物テトラセン化合物ピレン化合物コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体ローダミン化合物クリセン化合物でもよい。その他、フェナントレン化合物シクロペンタジエン化合物スチルベン化合物ジフェニルキノン化合物スチリル化合物ブタジエン化合物ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物でもよい。その他、フルオレセイン化合物ピリリウム化合物チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物チオキサンテン化合物、シアニン化合物でもよい。その他、アクリジン化合物8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩基III族金属との錯体オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質等でもよい。電子輸送層110としては、例えば、オキサゾール誘導体を用いることができる。電子注入層111としては、例えば、Alq3等を用いることができる。ここで、電子注入層111には、電子注入効率を向上させるために、仕事関数の低いアルカリ金属アルカリ土類金属をドープする場合がある。例えば、Li、Ba、Ca、Mg等である。 電子注入層111の上には、陰極112が形成されている。陰極112は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透光性金属酸化物を用いることができる。また、Mg−Ag等の合金を用いてもよい。Mgは、仕事関数が低く、陰極として適している。

0043

陰極112の上には、封止層113が形成されている。封止層113は、有機EL表示層200を被覆して封止し、有機EL表示層が水分や空気等に触れるのを防止するための層である。材料としては、SiNx、SiOxNy等の透光性材料からなる。
封止樹脂114は、有機EL表示層200等が形成されたTFT基板1と、当該TFT基板1と対向する樹脂基板21とを接着するものである。

0044

樹脂基板21については、実施の形態1で説明済のため説明を省略する。
また、隔壁107は、絶縁性の有機材料(例えばアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂ノボラック型フェノール樹脂等)からなる。そして、発光層109が設けられた領域に隣接した位置に形成されている。実施の形態2に係る隔壁107は井桁構造ピクセルバンクであるが、ストライプ状のラインバンクであってもよい。

0045

次に、図7を用いて、有機EL表示装置101の表示領域から周辺領域にかけての部分について説明する。矢印Cの位置が、表示領域と周辺領域との境界である。矢印Dの位置が、電子輸送層110と、電子注入層111と、陰極112とが積層されている領域の端部である。矢印B2の位置が、第2の水分バリア層22と第1の水分バリア層6とが積層されている領域の端部である。矢印Eの位置から矢印B2の位置にかけて、封止部材103が形成されている。

0046

ここで、有機EL表示層200のうち、電子注入層111と、陰極112の少なくとも一方は水分に対して劣化しやすい。先に説明したように、電子注入層111と、陰極112には、仕事関数が低いアルカリ金属やアルカリ土類金属が用いられることがある。これらの金属は、水分に対して活性である。例えば、電子注入層111にBaを含む材料が用いられ、陰極112にITOが用いられている場合には、電子注入層111が水分により劣化しやすい。また、電子注入層111に有機材料が用いられ、陰極112にMg−Ag合金が用いられる場合には、陰極112が水分により劣化しやすい。そのため、電子注入層111と陰極112が設けられる領域は、樹脂基板21を透過した水分に対してバリア性が高い領域上に設けられることが好ましい。第2の水分バリア層22と第1の水分バリア層6とが接する領域は、水分バリア性が特に高い。

0047

よって、電子注入層111と陰極112の両方が水分に対して劣化しやすい場合は、第2の水分バリア層22と第1の水分バリア層6が接している領域の端部B2よりも内側に、電子注入層111と陰極112が設けられることが好ましい。つまり、有機EL表示装置101を平面視した場合に、電子注入層111と陰極112は、第2の水分バリア層22と第1の水分バリア層6が接している領域の外周B2よりも内側(第1の水分バリア層6と第2の水分バリア層22とが接する領域内)に設けられることが好ましい。

0048

また、電子注入層111のみが水分に対して劣化しやすい場合は、有機EL表示装置101を平面視した場合に、電子注入層111は、第2の水分バリア層22と第1の水分バリア層6が接している領域の外周B2よりも内側(第1の水分バリア層6と第2の水分バリア層22とが接する領域内)に設けられることが好ましい。
また、陰極112のみが水分に対して劣化しやすい場合は、有機EL表示装置101を平面視した場合に、陰極112は、第2の水分バリア層22と第1の水分バリア層6が接している領域の外周B2よりも内側(第1の水分バリア層6と第2の水分バリア層22とが接する領域内)に設けられることが好ましい。

0049

以上の構成により、外部から侵入してくる水分に対してバリア性の高い有機EL表示装置を実現できる。また、実施の形態2では、樹脂基板21を用いているので、軽い、薄い、割れない、曲がるといった特長を有するフレキシブルディスプレイを実現することができる。
<その他の事項
(1)実施の形態2では、トップエミッション型の有機EL表示装置について説明したが、これに限られるものではない。ボトムエミッション型の有機EL表示装置についても適用可能である。
(2)実施の形態2における有機EL表示装置の製造方法の一例としては、次の通りである。実施の形態1で説明したように、まず、ガラス基板100上にTFT基板1を形成する。その後、TFT基板1をガラス基板100から剥離せずに、TFT基板1上に一般的な製造プロセスで、平坦化層104、有機EL表示層200、封止層113、封止部材103を形成する。そして、以上の各層や封止部材が形成されたTFT基板1に、封止樹脂114を介して、ガラス基板100とは反対側から樹脂基板21を貼り付ける。そして、最後に、ガラス基板100を剥離して、フレキシブルな有機EL表示装置を完成させる。
(3)本開示に係る薄膜トランジスタ素子基板、及びその製造方法、並びに、薄膜トランジスタ素子基板を用いた有機EL表示装置は、実施の形態の部分的な構成を、適宜組み合わせてなる構成であってもよい。また、実施の形態に記載した材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。さらに、本開示の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることは可能である。本開示は、薄膜トランジスタ素子基板、及びその製造方法、並びに、薄膜トランジスタ素子基板を用いた有機EL表示装置全般に広く利用可能である。

0050

本開示に係る薄膜トランジスタ素子基板は、テレビジョンセットパーソナルコンピュータ携帯電話などの表示装置デジタルカメラなどの固体撮像装置又はその他様々な電子機器に広く利用することができる。

0051

1薄膜トランジスタ素子(TFT)基板
2 基板
21樹脂基板
22 第2の水分バリア層
3酸化物半導体層
3a1、3a2コンタクト領域
3bチャネル領域
4ゲート絶縁層
5ゲート電極
6 第1の水分バリア層
8ソース電極
9、10ドレイン電極
101有機EL表示装置
105陽極
109発光層
111電子注入層
112陰極
200有機EL表示層
R1 第1領域
R2 第2領域
CH1、CH2、CH3 コンタクトホール

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