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課題

クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、アトピー性皮膚炎適合した、一過性刺激を呈することなく、パラベンを実質的に配合しなくても十分な防腐力を有し、物理的安定性に優れる外用医薬組成物の提供。

解決手段

実質的にパラベンを含有せず、1,3−ブチレングリコールを含有する水中油乳化型外用医薬組成物であって、ポリオキシエチレンセチルエーテルポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ソルビタンステアリン酸エステル及びグリセリンステアリン酸エステルから選択される1種又は2種のノニオン界面活性剤のみによって乳化される水中油乳化型外用医薬組成物。

概要

背景

ステロイド系抗炎症薬は、抗炎症剤免疫抑制作用などを期待して皮膚外用剤に配合され、湿疹皮膚炎等の皮膚疾患治療汎用され優れた治療効果が認められている。ステロイド系抗炎症薬は、その薬効によりクラスI〜Vに分類され、発生部位、症状の程度、年齢などにより使い分けられている。酪酸クロベタゾンは、薬効による分類によればIV類(Medium(普通))に分類され、その薬理作用は決して強いものとは言えないが、安全域の広い外用副腎皮質ホルモン剤として認識されている。また、ステロイド骨格を有する酪酸クロベタゾンは、他のステロイド系抗炎症薬と同様に水難溶解性薬剤である。一般に、水難溶解性の薬剤を含有する外用医薬組成物においては、経皮吸収性を高めることが課題となることが多く、この様な課題に対しては、薬剤を溶媒に溶解し、その溶液乳化させ経皮吸収性に優れる外用医薬組成物を製造すること(例えば、特許文献1を参照)が主流となってきている。

一方、水難溶解性の薬剤を含有する外用医薬組成物においては、溶剤、油脂、増粘剤保湿剤及び界面活性剤等の製剤成分を含有する乳化物が使用され、水分含有量が高い製品も多いため、微生物繁殖に適した条件が整っているとも言える。微生物による製品の汚染は、異臭、変色等の品質劣化のほか、製剤成分の変質による皮膚障害病原菌による感染症菌体成分代謝物による有害感染等が引き起こされる可能性がある。このため、各種の抗菌剤防腐剤を配合することにより外用医薬組成物の微生物感染を防ぐ方法が一般的に実施されている。特に、防腐効果に優れるパラベンは、化粧品医薬品、食品等の保存料として幅広く使用されてきた。しかしながら、パラベンは、薬事法アレルギー等の皮膚障害を起こす恐れのある物質として表示が義務付けられている成分であり、皮膚に付着すると肌あれやかぶれ等の肌トラブルをもたらす場合があることが指摘されている(例えば、非特許文献1を参照)。このため、化粧品、医薬品等においてはパラベンフリー(パラベン不使用)で防腐を図ることが有利である。また、パラベンは一過性刺激を呈することが知られており(例えば、特許文献2を参照)、該一過性の刺激は、アトピー性皮膚炎においては重要な増悪因子となっており(例えば、非特許文献2を参照)、化粧料、医薬品において、一過性の刺激を抑制することは非常に好ましいことである。

概要

クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、アトピー性皮膚炎に適合した、一過性の刺激を呈することなく、パラベンを実質的に配合しなくても十分な防腐力を有し、物理的安定性に優れる外用医薬組成物の提供。実質的にパラベンを含有せず、1,3−ブチレングリコールを含有する水中油乳化型外用医薬組成物であって、ポリオキシエチレンセチルエーテルポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ソルビタンステアリン酸エステル及びグリセリンステアリン酸エステルから選択される1種又は2種のノニオン界面活性剤のみによって乳化される水中油乳化型外用医薬組成物。

目的

本発明は、この様な状況下為されたものであり、クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、アトピー性皮膚炎に適用されるのに適合した、一過性の刺激を呈することなく、パラベンを実質的に配合しなくても十分な防腐力を有し、物理的安定性に優れる外用医薬組成物を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

1)クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、2)アトピー性皮膚炎に適用されるべき外用医薬組成物であって、3)実質的にパラベンを含有せず、4)1,3−ブチレングリコールを含有することを特徴とする、外用医薬組成物。

請求項2

水中油乳化剤形であることを特徴とする、請求項1に記載の外用医薬組成物。

請求項3

外用医薬組成物全量に対し8〜18質量%の1,3−ブチレングリコールを含有し、ノニオン性界面活性剤のみにより乳化されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の外用医薬組成物。

請求項4

前記ノニオン性界面活性剤は、不飽和結合を実質的に有しないもののみで構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の外用医薬組成物。

請求項5

前記ノニオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンセチルエーテルポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ソルビタンステアリン酸エステル及びグリセリンステアリン酸エステルから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の外用医薬組成物。

請求項6

実質的に脂肪酸を含有しないことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載の外用医薬組成物。

請求項7

軟膏又はクリームであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の外用医薬組成物。

請求項8

更に、好ましい任意成分を含有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の水中油乳化剤形の外用医薬組成物。

技術分野

0001

本発明は、クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分として含有するアトピー性皮膚炎に適用されるべき、外用医薬組成物に関し、更に詳細には、パラベンフリーである、クロベタゾン及び/又はそのエステルと、外用医薬組成物全量に対し8〜18質量%の1,3−ブチレングリコールを含有する水中油乳化剤形の外用医薬組成物に関する。

背景技術

0002

ステロイド系抗炎症薬は、抗炎症剤免疫抑制作用などを期待して皮膚外用剤に配合され、湿疹皮膚炎等の皮膚疾患治療汎用され優れた治療効果が認められている。ステロイド系抗炎症薬は、その薬効によりクラスI〜Vに分類され、発生部位、症状の程度、年齢などにより使い分けられている。酪酸クロベタゾンは、薬効による分類によればIV類(Medium(普通))に分類され、その薬理作用は決して強いものとは言えないが、安全域の広い外用副腎皮質ホルモン剤として認識されている。また、ステロイド骨格を有する酪酸クロベタゾンは、他のステロイド系抗炎症薬と同様に水難溶解性薬剤である。一般に、水難溶解性の薬剤を含有する外用医薬組成物においては、経皮吸収性を高めることが課題となることが多く、この様な課題に対しては、薬剤を溶媒に溶解し、その溶液乳化させ経皮吸収性に優れる外用医薬組成物を製造すること(例えば、特許文献1を参照)が主流となってきている。

0003

一方、水難溶解性の薬剤を含有する外用医薬組成物においては、溶剤、油脂、増粘剤保湿剤及び界面活性剤等の製剤成分を含有する乳化物が使用され、水分含有量が高い製品も多いため、微生物繁殖に適した条件が整っているとも言える。微生物による製品の汚染は、異臭、変色等の品質劣化のほか、製剤成分の変質による皮膚障害病原菌による感染症菌体成分代謝物による有害感染等が引き起こされる可能性がある。このため、各種の抗菌剤防腐剤を配合することにより外用医薬組成物の微生物感染を防ぐ方法が一般的に実施されている。特に、防腐効果に優れるパラベンは、化粧品医薬品、食品等の保存料として幅広く使用されてきた。しかしながら、パラベンは、薬事法アレルギー等の皮膚障害を起こす恐れのある物質として表示が義務付けられている成分であり、皮膚に付着すると肌あれやかぶれ等の肌トラブルをもたらす場合があることが指摘されている(例えば、非特許文献1を参照)。このため、化粧品、医薬品等においてはパラベンフリー(パラベン不使用)で防腐を図ることが有利である。また、パラベンは一過性刺激を呈することが知られており(例えば、特許文献2を参照)、該一過性の刺激は、アトピー性皮膚炎においては重要な増悪因子となっており(例えば、非特許文献2を参照)、化粧料、医薬品において、一過性の刺激を抑制することは非常に好ましいことである。

0004

北米接触皮膚炎団体(North American Contact Dermatitis Group)Archives of Dermatology 108,p573(1973)
Simpson E. et.al. J. Drugs Dermatol. 2011 10(7) 744−9

先行技術

0005

特開2001−122767号公報
特開2010−037272号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、この様な状況下為されたものであり、クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、アトピー性皮膚炎に適用されるのに適合した、一過性の刺激を呈することなく、パラベンを実質的に配合しなくても十分な防腐力を有し、物理的安定性に優れる外用医薬組成物を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

この様な状況に鑑みて、本発明者等は、クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、アトピー性皮膚炎に適用されるのに適した外用医薬組成物において、一過性の刺激を呈することなく、パラベンを実質的に配合しなくても十分な防腐力を有し、物理的安定性に優れる外用医薬組成物を提供する課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、クロベタゾン及び/又はそのエステルと共に、外用医薬組成物全量に対し8〜18質量%の1,3−ブチレングリコールを含有させた外用医薬組成物が、かかる特性を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、2)アトピー性皮膚炎に適用されるべき外用医薬組成物であって、3)実質的にパラベンを含有せず、4)1,3−ブチレングリコールを含有することを特徴とする、外用医薬組成物。
<2>水中油乳化剤形であることを特徴とする、<1>に記載の外用医薬組成物。
<3> 外用医薬組成物全量に対し8〜18質量%の1,3−ブチレングリコールを含有し、ノニオン性界面活性剤のみにより乳化されることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の外用医薬組成物。
<4> 前記ノニオン性界面活性剤は、不飽和結合を実質的に有しないもののみで構成されていることを特徴とする、<3>に記載の外用医薬組成物。
<5> 前記ノニオン性界面活性剤がが、ポリオキシエチレンセチルエーテルポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ソルビタンステアリン酸エステル及びグリセリンステアリン酸エステルから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、<3>又は<4>に記載の外用医薬組成物。
<6> 実質的に脂肪酸を含有しないことを特徴とする、<1>〜<5>の何れかに記載の外用医薬組成物。
<7>軟膏又はクリームであることを特徴とする、<1>〜<6>の何れかに記載の外用医薬組成物。
<8> 更に、好ましい任意成分を含有することを特徴とする、<1>〜<7>の何れかに記載の水中油乳化剤形の外用医薬組成物。

発明の効果

0008

本発明の外用医薬組成物は、一過性の刺激を呈することなく、パラベンを実質的に配合しなくても十分な防腐力を有し、物理的安定性に優れる。

図面の簡単な説明

0009

外用医薬組成物1の製造直後の乳化状態(左上)、外用医薬組成物1の80℃6時間保存後の乳化状態(左下)、比較例1の製造直後の乳化状態(右上)、比較例1の80℃6時間保存後の乳化状態(右下)を示す図(図面代用写真)である。

0010

<1>本発明の外用医薬組成物の必須成分であるクロベタゾン及び/又はそのエステル
本発明の外用医薬組成物は、クロベタゾン及び/又はそのエステルを含有することを特徴とする。クロベタゾンは、IUPAC名では21−クロロ−9−フルオロ−17−ヒドロキシ−16β−メチル−1,4−プレグナジエン−3,11,20−トリオン(21−Chloro−9−fluoro−17−hydroxy−16β−methyl−1,4−pregnadiene−3,11,20−trione)であり、そのエステルとしては炭素数1〜6のアルキルエステルが好ましく例示でき、中でも、炭素数4の酪酸エステル(酪酸クロベタゾン)が特に好適に例示できる。

0011

酪酸クロベタゾンは、クロベタゾン酪酸エステルとも称し、IUPAC名は、21−クロロ−9−フルオロ−17−ヒドロキシ−16β−メチル−1,4−プレグナジエン−3,11,20−トリオン−17−ブチレート(21−Chloro−9−fluoro−17−hydroxy−16β−methyl−1,4−pregnadiene−3,11,20−trione 17−butyrate)であり、適度な局所抗炎症作用を持ちながら全身的作用の少ない、いわゆる安全域の広い外用副腎皮質ホルモン剤として開発されたステロイド骨格を有する薬物であり、その構造式は式(1)に示す通りである。

0012

式(1)

0013

酪酸クロベタゾン等のクロベタゾン及び/又はそのエステルの本発明の外用医薬組成物における好ましい含有量は、現在市場で使用されている製剤に準じていれば良く、具体的には、0.01質量%〜0.1質量%が好ましく、より好ましくは、0.02〜0.08質量%である。この量比の範囲であれば、免疫抑制による、感染症の拡大を伴うことなく、抗炎症作用を発現することができる。かかる酪酸クロベタゾンの有効性が発揮できる疾患としては、例えば、アトピー性皮膚炎、顔面頸部腋窩、陰部における湿疹、皮膚炎等が好適に例示できる。特に、皮膚バリア機能が低下し一過性の刺激感感じやすい人、言い換えれば、粘着テープ採取した角層細胞面積計測した場合(特開2000−116623号公報、特開2003−344390号公報を参照)、平均値として、600〜800μm2、より的確には650〜700μm2の大きさの人に適用する場合、一過性の刺激感の発現が抑制されるので好ましい。このような人の代表例の一つとして、乳幼児が好適に例示できる。

0014

<2>本発明の外用医薬組成物の必須成分である1,3−ブチレングリコール
本発明の外用医薬組成物は、1,3−ブチレングリコールを含有することを特徴とする。1,3−ブチレングリコールの含有量は、外用医薬組成物全量に対し8〜18質量%とすることが好ましい。本発明の外用医薬組成物は、外用医薬組成物全量に対し8〜18質量%の1,3−ブチレングリコールを含有させることにより、通常、防腐剤として外用医薬組成物全量に対し0.01〜0.5質量%含有されるパラベン類、0.05〜0.5質量%含有されるフェノキシエタノール等の防腐剤を含有させることなく十分な抗菌性を有する外用医薬組成物とすることができる。すなわち、本発明の外用医薬組成物は、パラベンを実質的に含有しない。ここで、パラベンを実質的に含有しないとは、本発明の外用医薬組成物におけるパラベンの含有量が、好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.05質量%以下であり、特に好ましくは含有しないことをいう。本発明の外用医薬組成物に含有する1,3−ブチレングリコールの含有量としては、8〜18質量%、より好ましくは、10〜15質量%であることが好ましい。これは、1,3−ブチレングリコールの含有量が、少なすぎると外用医薬組成物における十分な抗菌効果が得られず、多すぎるとべたついた使用感等の使用感の悪化が認められるためである。また、本発明の外用医薬組成物において、該含有量の1,3−ブチレングリコールを含有させることにより乳化粒子微細化することにより安定な製剤とすることができる。かかる製剤は、クロベタゾン及び/又はそのエステルに対する溶解性及び溶解安定性に優れ、有効成分を安定に配合した製剤である。

0015

<本発明の外用医薬組成物に含有するノニオン性界面活性剤>
本発明の外用医薬組成物は、前記必須成分を含有する水中油乳化剤形の外用医薬組成物であることを特徴とする。また、本発明の水中油乳化剤形の外用医薬組成物に使用する界面活性剤としては、水中油乳化剤形の外用医薬組成物の製造に使用することが可能な界面活性剤であれば特段の限定なく適用することができるが、特に、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。中でも、界面活性剤としてノニオン性界面活性剤のみを使用する形態が好ましい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、親油性界面活性剤としては、脂肪酸モノグリセリドソルビタン脂肪酸エステル、平均のフリー水酸基が3以下であり、重合度4以下であるポリグリセリン脂肪酸エステル等が好適に例示でき、親水性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルソルビタンポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンアルケニルエーテル、フリーの水酸基が4以上で重合度5以上のポリグリセリン脂肪酸エステルなどが好適に例示でき、これらの内では、分子内に不飽和結合を有しないものが好ましい。更に好ましいものは、飽和脂肪酸モノグリセリドソルビタン飽和脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオチエレンアルキルエーテルから選択される1種乃至は2種以上であり、親油性界面活性剤と親水性界面活性剤とを1種以上ずつ含有する形態がより好ましい。脂肪酸モノグリセリドとしては、ステアリン酸モノグリセリドラウリン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリドなどが好適に例示でき、ソルビタン飽和脂肪酸エステルとしては、例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキラウレート、ソルビタントリラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキステアレートソルビタントリステアレートなどが好適に例示でき、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油としては、ポリオキシエチレン付加モル数が30〜90のものが好適に例示でき、ポリオキチエチレンアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルポリオキシエチレンベヘニルエーテルが好適に例示でき、その好ましいポリオキシエチレンの平均モル数は2〜50である。かかるノニオン界面活性剤の好ましい含有量は、外用医薬組成物全量に対して、総量で3〜7質量%、好ましくは3〜5質量%である。そのうち、1.5〜3.5質量%が親水性ノニオン性界面活性剤(HLBが10以上)であることが好ましい。かかるノニオン性界面活性剤は、クロベタゾン及び/又はそのエステルと、外用医薬組成物全量に対し8〜18質量%の1,3−ブチレングリコールを安定に乳化することができる。さらに、本発明の外用医薬組成物は、ノニオン性界面活性剤の使用により安定で皮膚刺激性の低い外用医薬組成物となる。

0016

本発明の外用医薬組成物は、カルボキシビニルポリマーを含有することが好ましい。該カルボキシビニルポリマーは、中和されて増粘剤として働き、乳化系を安定化するとともに、外用医薬組成物が塗布された後に形成する皮膜強化する作用を有する。このような効果を奏するためには、カルボキシビニルポリマーは好ましくは0.3〜1.2質量%、更に好ましくは0.5〜1.0質量%含有される。

0017

前記カルボキシビニルポリマーを増粘させるために、前記外用医薬組成物においては、カルボキシビニルポリマーを中和すべきアルカリ剤が含有される。前記アルカリ剤としては有機アミンが好ましく、例えば、トリエタノールアミントリエチルアミンモノエタノールアミンジイソプロパノールアミンなどが好適に例示できる。中でも、ジイソプロパノールアミンが特に好ましい。かかる有機アミンは、前記外用医薬組成物中に、好ましくは0.05〜1.0質量%、更に好ましくは0.05〜0.8質量%、より好ましくは0.05〜0.5質量%、特に好ましくは0.08〜0.5質量%含有される。

0018

<本発明の外用医薬組成物>
本発明の外用医薬組成物は、1)クロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする、2)アトピー性皮膚炎に適用されるべき外用医薬組成物であって、3)実質的にパラベンを含有せず、4)1,3−ブチレングリコールを含有することを特徴とする、外用医薬組成物である。また、本発明の外用医薬組成物は、前記必須成分のほか、外用医薬で使用される任意成分を含有することができる。このような任意成分としては、例えば、スクワランワセリンなどの炭化水素類ホホバ油セチルイソオクタネート、ミリスチルイソプロピルなどのようなエステル油剤オリーブ油中鎖脂肪酸トリグリセリドの様なトリグリセリドプロピレングリコールグリセリンポリエチレングリコールの様な多価アルコールアルキル変性されていても良い、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムなどの増粘剤、ステアリン酸、ミリスチル酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の脂肪酸乃至はそれらの塩、セトステアリルアルコールベヘニルアルコールイソステアリルアルコールオレイルアルコールなどの高級アルコールラウリル硫酸ナトリウムラウリルリン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤、ステアリン酸モノグリセリド、オレイン酸モノグリセリドなどのモノグリセリド類、ソルビタンステアリン酸エステル、ソルビタンオレイン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル、POEステアリン酸エステル、POEオレイン酸エステル、POE硬化されていても良いヒマシ油POEソルビタンオレイン酸エステル、POEソルビタンステアリン酸エステルなどのソルビタン脂肪酸エステル、POEオレイルエーテル、POEセチルエーテルなどのエーテル系ノニオン界面活性剤、EDTAのようなキレート剤、BHT、BAT等のような抗酸化剤ヒアルロン酸ナトリウムコンドロイチン硫酸ナトリウムコンドロイチン硫酸ナトリウムなどの保湿性高分子が好適に例示できる。

0019

本発明の外用医薬組成物は、実質的に脂肪酸及び/又はその塩を含有しない形態とすることが好ましい。このような形態を構成する場合には、ノニオン界面活性剤のみで乳化する形態が好ましく、特に、ノニオン界面活性剤を構成する親水性ノニオン界面活性剤をPOE硬化されていても良いヒマシ油とエーテル系界面活性剤の組み合わせとし、これらの総量を2.5〜5質量%とすることが好ましく例示できる。また、かかる系でカルボキシビニルポリマー等の水素結合架橋型ポリマーを用いた場合、脂肪酸やその塩のように、架橋構造介入することがないので、界面活性剤の曇点現象などの影響を受けにくいゲルを形成する。

0020

本発明の外用医薬組成物は、クロベタゾン及び/又はそのエステルの溶解性に優れる極性溶剤を含有することが好ましい。かかる極性溶剤は、前記油溶性有効成分の溶解性に優れ、油溶性有効成分を可溶化し、水中油乳化剤形の油滴中に溶液として含有せしめることが出来る。本発明の極性溶剤としては、二塩基酸ジエステル、N−アルキル2−ピロリドンヒドロキシアルキルベンゼン短鎖アルキル基でエーテルを形成していても、短鎖アシル基でエステルを形成しても良い2乃至は3価アルコールクロタミトン多塩基酸単価乃至は多価エステル等が好適に例示でき、かかる極性溶剤の1種又は2種以上を選択し外用医薬組成物に含有させることが出来る。本発明における二塩基酸のジエステルとしては、炭酸プロピレン、炭素数2〜8のアジピン酸ジエステル、炭素数2〜8のセバシン酸ジエステル等が好適に例示でき、具体例を挙げれば、炭酸プロピレン、アジピン酸ジエチルアジピン酸ジイソプロピルセバシン酸ジエチルセバシン酸ジプロピル等が好適に例示でき、特に、アジピン酸ジイソプロピルが好ましい。N−アルキル−2−ピロリドンとしては、炭素数1〜4のアルキル鎖を有するN−アルキル−2−ピロリドンが好適に例示でき、特に、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンが好ましい。N−メチル−2−ピロリドンは、優れた特性を有する極性溶媒であり、ほとんどの有機溶媒、水と混合することができ、医薬品添加物として使用されている実績がある。本発明のヒドロキシアルキルベンゼンとしては、炭素数1〜4のアルキル鎖を有するヒドロキシアルキルベンゼンが好適に例示でき、例えば、ベンジルアルコールフェネチルアルコールフェニルプロパノールフェニルブタノールが好適に例示でき、特に、ベンジルアルコールが好ましい。ベンジルアルコールは、既に医薬組成物における添加物として使用される成分であり、市販品も存在し、その入手には困難性は存しない。さらに、本発明の短鎖アルキル基でエーテルを形成していても、短鎖アシル基でエステルを形成しても良い2乃至は3価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコルールが好適に例示できる。本発明の外用医薬組成物のうち、酪酸クロベタゾンを含有する医薬組成物における極性溶剤として、特に好ましいものは、アジピン酸ジイソプロピル、N−メチル−2−ピロリドン、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、クロタミトンが好適に例示できる。これは、アジピン酸ジイソプロピル、N−メチル−2−ピロリドン、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、クロタミトンが、酪酸クロベタゾンの溶解性に優れ、酪酸クロベタゾンを可溶化することにより水中油乳化剤形の油滴中に溶液として包含せしめることができるためである。この様な可溶化作用を発現するためには、酪酸クロベタゾンに対して1種又は2種以上の極性溶剤を、20〜250質量倍、より好ましくは、30〜200質量倍使用することが好ましい。また、のびなどの塗工時の塗布作業を刺激感なく行うためには、外用医薬組成物全量に対して、極性溶剤より選択される1種又は2種以上が、0.1〜15質量%、より好ましくは、1.5〜10質量%となるように含有されることが好ましい。

0021

<本発明の外用医薬組成物の製造方法>
本発明のクロベタゾン及び/又はそのエステルを有効成分とする外用医薬組成物の製造方法としては、例えば、増粘剤としてカルボキシビニルポリマーを用いる場合には、ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度で、水中油乳化物を調製し、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度まで冷却した後、カルボキシビニルポリマーを加え、しかる後に該カルボキシビニルポリマーをアルカリ剤で中和する製造方法が好ましく挙げられる。ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度としては、複数のノニオン性界面活性剤が存在する場合は、もっとも高い方の曇点温度を採用することが好ましく、大凡75〜90℃の温度が適用される。また、ノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度としては、複数のノニオン性界面活性剤が存在する場合は、もっとも低い方の曇点温度を採用することが好ましく、大凡25〜35℃であることが好ましい。カルボキシビニルポリマーは流動性を示す、最低限度に近い水分添加量で溶解し加えることが好ましく、具体的には5〜65質量%の水に溶解せしめて加えるのが好ましい。かかる水の量は、医薬組成物全体に対しては、30〜50質量%であることが望ましい。又、その後加えるアルカリ剤も分散を阻害しない程度に水で希釈して加えるのが好ましく、具体的には、1〜5質量%の水で希釈して加えることが好ましい。残余の水は、水中油乳化物を調製する水相として加えることが好ましい。以下、調製の手順を工程に分けて説明する。

0022

<工程1>
あらかじめ、カルボキシビニルポリマーを少量の水で溶解させ、カルボキシビニルポリマー液を調製する。同様にアルカリ剤水溶液を調製する。この2種の液をそれぞれ添加すべきノニオン性界面活性剤の曇点以下の温度に温度調整しておく。

0023

<工程2>
残余の水と、水性成分、例えば、多価アルコール(1,3−ブチレングリコール)や水溶性の添加物を合わせ、乳化温度である曇点より高い温度に調整しておく。同時に、ノニオン性界面活性剤を含む油性成分を合わせ、乳化温度である曇点より高い温度に調整しておく。

0024

<工程3>
ノニオン性界面活性剤の曇点より高い温度に調整した水相に、同様に曇点より高い温度に調整した油相攪拌下徐々に加え、水中油乳化物を調製し、これを攪拌、冷却し、曇点以下まで冷却する。曇点以下の温度になったら、攪拌下徐々にカルボキシビニルポリマー液を添加する。添加後、一様になるまで攪拌し、しかる後に、アルカリ剤水溶液を徐々に加え、外用医薬組成物を得る。

0025

かくして得られた外用医薬組成物は、カルボキシビニルポリマーの増粘架橋構造が、ノニオン性界面活性剤の曇点による界面活性作用の低下の影響を受けにくいため、乳化粒子を微細化することが可能となり物理的安定性に優れる外用医薬組成物となる。また、塗布して皮膜を形成させた場合、抗菌作用、TEWLを抑制する作用に優れる皮膜となる。

0026

以下、実施例を挙げて更に詳細に本発明について説明を加えるが、本発明は、実施例に限定されないことは言うまでもない。

0027

以下に示す処方(外用医薬組成物全量に対する質量%で表示)に従って、乳化ローション剤形の外用医薬組成物1〜6を調製した。即ち、水の一部にカルボキシビニルポリマーを溶解した水相(ハ)と水相(ロ)とそれら以外の成分(イ)に分け、これらの内、(ハ)は室温で撹拌混合溶解し、(イ)と(ロ)は75℃で撹拌混合溶解し、各々の溶解温度で保持した。撹拌下、水以外の部分(イ)を徐々に水相(ロ)へ添加して乳化し、30℃まで冷却したところで、カルボキシビニルポリマー水溶液(ハ)を加え、一様に混合したところで、pH調整液(ニ)を加え増粘させ、外用医薬組成物1〜6を得た。また、同様の方法により、1,3−ブチレングリコールをプロピレングリコールに置換した比較例1を作製した。さらに、外用医薬組成物1及び比較例1の製造直後及び80℃6時間保存後の外用医薬組成物の乳化状態を光学顕微鏡にて観察することにより製剤の物理的安定性を比較した。

0028

0029

結果を図1に示す。図1の各写真は、左上(外用医薬組成物1の製造直後の乳化状態)、左下(外用医薬組成物1の80℃6時間保存後の乳化状態)、右上(比較例1の製造直後の乳化状態)、右下(比較例1の80℃6時間保存後の乳化状態)を示す。外用医薬組成物1及び比較例1の80℃6時間保存後の乳化状態を比較したところ、外用医薬組成物1の乳化状態は製造直後とほとんど変化が認められなかった。一方、比較例1は、製造直後に微粒子化された粒子凝集し乳化状態の顕著な悪化が認められた。なお、本発明の外用医薬組成物1は、室温3年間の長期保存を行ってもカビが生えるなどの、防腐、防黴上の問題は存しなかったため、充分な防腐力を有していると推認された。また、外用医薬組成物1は、アトピー性皮膚炎の患者に対しても一過性の刺激を発現しないものであった。

0030

本発明の外用医薬組成物1、及び、前記の外用医薬組成物1にメチルパラベン0.1質量%を加えた比較例2(水の0.1質量%をメチルパラベンに置換)について、日局準拠保存効力試験を実施した。結果を表2に示す。本発明の外用医薬組成物1は、優れた保存効力を有することがわかった。

実施例

0031

0032

本発明は、医薬に応用することができる。

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