図面 (/)

技術 有線操縦無人走行移動体

出願人 学校法人千葉工業大学
発明者 西村健志
出願日 2014年3月27日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2014-066986
公開日 2015年11月2日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2015-192504
状態 特許登録済
技術分野 相対的移動部分間の電線ケ-ブル配列 マニプレータ 自動車の製造ライン・無限軌道車両・トレーラ
主要キーワード 密閉箱体 遮蔽空間内 金属製箱体 回転ケーブル リール回転軸 装着機器 軸空間 導波管部材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年11月2日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

高濃度放射能空間などの人間が立ち入ることが困難な原子力施設内を円滑に操縦できる無人走行動体を提供する。

解決手段

制御機器収納された箱状の本体(A)と該本体の前後にプーリ(B)が装着されており、機体中央長手方向に機器付設用のセンターベースバー(C)が備えられており、前記センターベースバー設置部分を除いた機体の全掛け回された左右の走行用クローラ(D)、機体の前後の左右に回動可能な腕状のサブクローラユニット(G)、有線操縦用通信ケーブル出退機構(L)を備えた無人走行用の移動体(E)において、有線操縦用の通信ケーブル出退装置(L)は、センターベースバーに搭載されており、リーリング機構と駆動機構を備えており、両者間には磁力による駆動伝達機構を有している無人走行移動体。

概要

背景

被災直後の不安定で予測不能な状態の被災地調査や探索を行う装置として、クローラ式走行用移動体が適している。原子力施設事故は、継ぎ手劣化に伴う放射能汚染水漏れのような部分的な内容から、スリーマイル島原発事故、チェノブイリ原発事故、福島原発事故のような原子炉損傷、施設全体破壊が及ぶような事故まで様々である。原子力発電所建屋損壊を伴うような事故においては、既設センサ類も機能せずに建屋内放射能状態や損壊の程度が把握できない状況が発生する。原子力施設の事故損傷に応じて現場点検をする発明がいくつか提案されている。

例えば、特許文献1(特許第2540417号公報)には、損傷を受けた原子力発電所のような現場点検あるいは修理するための遠隔操作方法であって、導波管部材を配置すべく該導波管部材を操縦する操縦器と該配置された導波管部材における隣接する各端部を互いに接続するための少なくとも一つのロボットアームとを備えると共に信号発生器及び信号受信器を含む制御ステーションから導波管ラインを介して遠隔制御される少なくとも一つの運搬車を使用して、導波管部材の端と端とをつないで敷設する段階と、敷設された導波管部材からなる導波管ラインを現場まで延長すべく運搬車が該導波管ラインを介して制御ステーションから制御されつつ前述の敷設する段階を繰り返す段階とを備えている方法が提案されている。この発明によれば、点検修理専用のロボット式車両は、運搬車によって敷設された導波管ラインに沿って現場まで自力走行し、制御ステーションからの導波管ラインを介した遠隔制御によって現場作業を実施し得る。
特許文献2(特開平7−286870号公報)には、建屋内の階間を移動する昇降機と、この昇降機へ乗降可能に搭載され遠隔操作による自走行機能および監視機能を有する移動監視ロボットとを備えた階間移動監視装置であって、昇降機を利用した階間移動機構および無線方式を採用することにより、小型軽量でアクセス可能な範囲が広く、原子力プラント等への導入が有効的に行える階間移動監視装置が開示されている。

特許文献3(特開平6−168017号公報)には、移動ロボットシステム操作盤と、この操作盤から長距離通信中継を行うための中継盤と、この中継盤と通信ケーブルにより接続され通信系統を2系統以上に分割するための切替器と、この切替器により分割される系統ごと通信信号増幅するための増幅器と、この増幅器から出力される各系統の信号をカップリングさせる信号カップリング手段とを備えることを特徴とする遠隔操作型移動ロボットシステムであって、長距離多系統通信時における信号伝送の安定性信頼性を高めた発明が開示されている。
特許文献4(特開2002−254363号公報)には、不整地に対して追従可能なクローラを備え、前記クローラによって不整地上を走行することが可能な走行台車と、走行台車上に配置された多軸構成の胴体部と、前記胴体部に備えられた多関節アームと前記胴体部に備えられた多関節撮影手段とを備えた走行式作業ロボットであって、遠隔制御側から送信される、走行式作業ロボット各部の動作を制御するための制御情報を受信するとともに、前記走行式作業ロボット各部の動作状態情報を前記遠隔制御側に送信する通信手段と、前記走行式作業ロボット各部を動作させるための動力を供給する動力供給手段と、前記通信手段によって受信された制御情報に基づいて、前記クローラ、前記胴体部、前記多関節アーム、および前記多関節撮影手段の動作を制御する制御手段とを備えた走行式作業ロボットが開示されている。
本出願人は、立ち入り困難な箇所で使用するクローラ式走行装置研究開発を継続して行っており、特許文献5(特開2012−236507号公報)、特許文献6(特開2013−112030号公報)等を提案している。原子力施設や化学プラントの事故では、放射能や危険物質の影響が及ばない安全な場所から操作することが求められる。爆発等によって器物散乱した床や、狭く急勾配工場階段や壁や廊下等によって仕切られた施設内を走行することが求められる。

概要

高濃度放射能空間などの人間が立ち入ることが困難な原子力施設内を円滑に操縦できる無人走行動体を提供する。制御機器収納された箱状の本体(A)と該本体の前後にプーリ(B)が装着されており、機体中央長手方向に機器付設用のセンターベースバー(C)が備えられており、前記センターベースバー設置部分を除いた機体の全掛け回された左右の走行用クローラ(D)、機体の前後の左右に回動可能な腕状のサブクローラユニット(G)、有線操縦用の通信ケーブル出退機構(L)を備えた無人走行用の移動体(E)において、有線操縦用の通信ケーブル出退装置(L)は、センターベースバーに搭載されており、リーリング機構と駆動機構を備えており、両者間には磁力による駆動伝達機構を有している無人走行移動体。

目的

本発明は、高濃度放射能空間などの人間が立ち入ることが困難な原子力施設内において円滑に操縦できる無人走行移動体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

制御機器収納された箱状の本体(A)と該本体の前後にプーリ(B)が装着されており、機体中央長手方向に機器付設用のセンターベースバー(C)が備えられており、前記センターベースバー設置部分を除いた機体の全掛け回された左右の走行用クローラ(D)、機体の前後の左右に回動可能な腕状のサブクローラユニット(G)、有線操縦用通信ケーブル出退機構(L)を備えた無人走行用の移動体(E)において、有線操縦用の通信ケーブル出退機構(L)は、センターベースバーに搭載されており、リーリング機構と駆動機構を備えており、両者間には磁力による駆動伝達機構を有していることを特徴とする無人走行移動体。

請求項2

通信ケーブル出退機構(L)は、張力調整装置を備えており、該張力調整装置の位置によって、リーリング機構の回転方向を制御することを特徴とする請求項1記載の無人走行移動体。

請求項3

通信ケーブル出退機構(L)のリーリング装置は、リールと2本の支柱がセンターベースバーに取り付けられており、リールに巻かれた通信ケーブルをセンターベースバーに立設された第1の支柱を経由して第2の支柱から操縦装置側へ延長する案内径路を備えており、張力調整装置は、第1支柱と第2支柱の間に形成されており、通信ケーブルが旋回されている上下動可能なロールと該上下動ロールを下方に付勢する緊張線が配置されており、該緊張線の動きポテンショメーターで検知して、リーリング機構の回転方向を制御することを特徴とする請求項2記載の無人走行移動体。

請求項4

磁力による駆動伝達機構は、リールと駆動機構との間に配置されており、中間に隔壁が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無人走行移動体。

請求項5

外部の通信ケーブルと機体内への情報伝達中継する機器として、リール回転軸内にスリップリングを設けたことを特徴とすする請求項1〜4のいずれかに記載の無人走行移動体。

請求項6

原子力発電所施設用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の無人走行移動体。

請求項7

走行用クローラ、サブクローラ及び通信ケーブル出退機構は、モータ駆動であって、移動体全体が水洗可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無人走行体

請求項8

左右に配置された走行用クローラの対角長階段踊り場の幅よりも小さく、サブクローラは階段の段差長よりも長い腕長を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の無人走行移動体。

請求項9

請求項1〜7のいずれかに記載の無人走行移動体と無線操縦走行移動体とを組み合わせ、いずれか一方を中継して他方の移動体を操作することを特徴とする無人走行移動体運用システム

技術分野

0001

本発明は、原子力発電所などの危険施設において、人間が立ち入ることが困難な環境下で活動することに適したクローラ式走行用移動体に関する。特に、原子力施設において事故が発生した場合、高濃度放射能汚染場所など人間の立ち入り困難箇所の調査活動などに適した移動体の技術に関する。

背景技術

0002

被災直後の不安定で予測不能な状態の被災地の調査や探索を行う装置として、クローラ式走行用移動体が適している。原子力施設の事故は、継ぎ手劣化に伴う放射能汚染水漏れのような部分的な内容から、スリーマイル島原発事故、チェノブイリ原発事故、福島原発事故のような原子炉損傷、施設全体破壊が及ぶような事故まで様々である。原子力発電所建屋損壊を伴うような事故においては、既設センサ類も機能せずに建屋内放射能状態や損壊の程度が把握できない状況が発生する。原子力施設の事故損傷に応じて現場点検をする発明がいくつか提案されている。

0003

例えば、特許文献1(特許第2540417号公報)には、損傷を受けた原子力発電所のような現場点検あるいは修理するための遠隔操作方法であって、導波管部材を配置すべく該導波管部材を操縦する操縦器と該配置された導波管部材における隣接する各端部を互いに接続するための少なくとも一つのロボットアームとを備えると共に信号発生器及び信号受信器を含む制御ステーションから導波管ラインを介して遠隔制御される少なくとも一つの運搬車を使用して、導波管部材の端と端とをつないで敷設する段階と、敷設された導波管部材からなる導波管ラインを現場まで延長すべく運搬車が該導波管ラインを介して制御ステーションから制御されつつ前述の敷設する段階を繰り返す段階とを備えている方法が提案されている。この発明によれば、点検修理専用のロボット式車両は、運搬車によって敷設された導波管ラインに沿って現場まで自力走行し、制御ステーションからの導波管ラインを介した遠隔制御によって現場作業を実施し得る。
特許文献2(特開平7−286870号公報)には、建屋内の階間を移動する昇降機と、この昇降機へ乗降可能に搭載され遠隔操作による自走行機能および監視機能を有する移動監視ロボットとを備えた階間移動監視装置であって、昇降機を利用した階間移動機構および無線方式を採用することにより、小型軽量でアクセス可能な範囲が広く、原子力プラント等への導入が有効的に行える階間移動監視装置が開示されている。

0004

特許文献3(特開平6−168017号公報)には、移動ロボットシステム操作盤と、この操作盤から長距離通信中継を行うための中継盤と、この中継盤と通信ケーブルにより接続され通信系統を2系統以上に分割するための切替器と、この切替器により分割される系統ごと通信信号増幅するための増幅器と、この増幅器から出力される各系統の信号をカップリングさせる信号カップリング手段とを備えることを特徴とする遠隔操作型移動ロボットシステムであって、長距離多系統通信時における信号伝送の安定性信頼性を高めた発明が開示されている。
特許文献4(特開2002−254363号公報)には、不整地に対して追従可能なクローラを備え、前記クローラによって不整地上を走行することが可能な走行台車と、走行台車上に配置された多軸構成の胴体部と、前記胴体部に備えられた多関節アームと前記胴体部に備えられた多関節撮影手段とを備えた走行式作業ロボットであって、遠隔制御側から送信される、走行式作業ロボット各部の動作を制御するための制御情報を受信するとともに、前記走行式作業ロボット各部の動作状態情報を前記遠隔制御側に送信する通信手段と、前記走行式作業ロボット各部を動作させるための動力を供給する動力供給手段と、前記通信手段によって受信された制御情報に基づいて、前記クローラ、前記胴体部、前記多関節アーム、および前記多関節撮影手段の動作を制御する制御手段とを備えた走行式作業ロボットが開示されている。
本出願人は、立ち入り困難な箇所で使用するクローラ式走行装置研究開発を継続して行っており、特許文献5(特開2012−236507号公報)、特許文献6(特開2013−112030号公報)等を提案している。原子力施設や化学プラントの事故では、放射能や危険物質の影響が及ばない安全な場所から操作することが求められる。爆発等によって器物散乱した床や、狭く急勾配工場階段や壁や廊下等によって仕切られた施設内を走行することが求められる。

先行技術

0005

特許第2540417号公報
特開平07−286870号公報
特開平06−168017号公報
特開2002−254363号公報
特開2012−236507号公報
特開2013−112030号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、高濃度放射能空間などの人間が立ち入ることが困難な原子力施設内において円滑に操縦できる無人走行移動体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、有線操縦による高濃度放射能環境下における無人走行移動体である。

0008

本発明は、次の構成を要旨とするものである。
1.制御機器収納された箱状の本体(A)と該本体の前後にプーリ(B)が装着されており、機体中央長手方向に機器付設用のセンターベースバー(C)が備えられており、前記センターベースバー設置部分を除いた機体の全掛け回された左右の走行用クローラ(D)、機体の前後の左右に回動可能な腕状のサブクローラユニット(G)、有線操縦用の通信ケーブル出退機構(L)を備えた無人走行用の移動体(E)において、
有線操縦用の通信ケーブル出退機構(L)は、センターベースバーに搭載されており、リーリング機構と駆動機構を備えており、両者間には磁力による駆動伝達機構を有していることを特徴とする無人走行移動体。
2.通信ケーブル出退機構(L)は、張力調整装置を備えており、該張力調整装置の位置によって、リーリング機構の回転方向を制御することを特徴とする1.記載の無人走行移動体。
3.通信ケーブル出退機構(L)のリーリング装置は、リールと2本の支柱がセンターベースバーに取り付けられており、リールに巻かれた通信ケーブルをセンターベースバーに立設された第1の支柱を経由して第2の支柱から操縦装置側へ延長する案内径路を備えており、
張力調整装置は、第1支柱と第2支柱の間に形成されており、通信ケーブルが旋回されている上下動可能なロールと該上下動ロールを下方に付勢する緊張線が配置されており、該緊張線の動きポテンショメーターで検知して、リーリング機構の回転方向を制御することを特徴とする2.記載の無人走行移動体。
4.磁力による駆動伝達機構は、リールと駆動機構との間に配置されており、中間に隔壁が設けられていることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の無人走行移動体。
5.外部の通信ケーブルと機体内への情報伝達を中継する機器として、リール回転軸内にスリップリングを設けたことを特徴とすする1.〜4.のいずれかに記載の無人走行移動体。
6.原子力発電所施設用であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の無人走行移動体。
7.走行用クローラ、サブクローラ及び通信ケーブル出退機構は、モータ駆動であって、移動体全体が水洗可能であることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の無人走行体
8.左右に配置された走行用クローラの対角長は階段の踊り場の幅よりも小さく、サブクローラは階段の段差長よりも長い腕長を備えていることを特徴とする1.〜7.のいずれかに記載の無人走行移動体。
9.1.〜7.のいずれかに記載の無人走行移動体と無線操縦走行移動体とを組み合わせ、いずれか一方を中継して他方の移動体を操作することを特徴とする無人走行移動体運用システム

発明の効果

0009

1.本発明は有線操縦タイプの移動体であって、機器類を収納した金属製密閉本体クローラベルトで覆われているので、放射能等の活動環境との遮断性に優れ、直接的な衝撃から保護されている安定した障害地走破性を発揮する移動体であり、無線操縦を使うことができない遮断エリアで安全に行動できる移動体である。
2.通信ケーブルを巻いたリールを搭載し、リールからのケーブル出し入れを制御する出退機構を備えており、磁力による駆動系を介在させることにより、リール側と動力源側とを遮断することができる。この手段により、過度引張力負荷した場合には空転することができ、また、駆動軸などが貫通していないので、動力側及び本体側がリール側に対して遮蔽性を向上させることができる。通信ケーブルが急激なショックによって断裂するリスクが軽減し、安全な操縦性が向上する。立ち入り困難エリアにおける操縦不能状態回収不能と同じであり、故障により残存することは、次回の行動の弊害となり、多大な悪影響が出るので、本移動体の回収性能重要な要素である。
3.ケーブルの引き出し量余裕を持たせる張力調整装置を設け、張力調整装置の上下動を検知してリールの回転方向を駆動する制御機構を構成した。
4.高濃度放射能によって、立ち入り困難な原子力施設内を走行できる移動体である。
5.高濃度放射能環境下にて活動した後、水洗して徐染可能な移動体である。密閉箱体内に制御機器等が設置され、通信ケーブルの中継も外部に露出しておらず、通信ケーブルの出退駆動も絶縁されている。
6.移動体の本体クローラの対角の大きさを階段の踊り場の距離よりも小さく設定し、サブクローラの長さを階段の段差長よりも大きく設定することにより、階段昇降可能な小型の移動体である。
7.有線操縦移動体と無線操縦移動体を組み合わせて、いずれか一方を介して他方を操縦することによって、活動領域を拡げることができる。
8.本無人走行用移動体は、事故が発生した原子力施設内部の調査に適している。特に主要機器類が機密性の高い本体内部に収納されているので、シャワー処理などにより活動後に機体を除染することも容易である。また、センサ類は、センターベースバーに装着されるので、取り外しも容易であり、装着機器類の除染や分離処理も容易である。

図面の簡単な説明

0010

無人走行用移動体の遠隔操縦システムの例を示す図。
無人走行用移動体例の概略平面
無人走行用移動体例の平面を示す図
無人走行用移動体例の側面を示す図
操縦用ライン機構
操縦ライン巻き取り平面図
巻き取りリール機構

発明を実施するための最良の形態

0011

本発明に使用される移動体は、クローラベルトに覆われた金属製箱体密閉空間に制御機器等が収納され、保護されていて、低重心である。このため、転倒し難い構造であり、機器が散乱している不安定な床面や階段などの斜面もクローラは接地状態を維持して、移動可能である。本体の全面が左右のクローラベルトで覆われ、さらに、回動するサブクローラによって、凸凹面支持性能が向上し、階段の昇降性能も向上する。階段の踊り場の広さでも十分に旋回できる大きさであって、旋回性能、階段昇降性能に優れた移動体である。
本発明の移動体は、人が立ち入ることが困難であり、エリア外からの無線操縦も困難な高濃度放射能に汚染された遮蔽空間内において有線にて操縦される移動体である。例えば、無線操縦タイプの移動体とこの後方から支援する有線操縦走行移動体とを組み合わせた高濃度放射能環境下における無人走行移動体運用システムである。無線通信環境が悪い状況下にある遮蔽区画内部の場合は、遮蔽区画内に有線操縦タイプの走行移動体を配置し、遮蔽区画の外側から無線操縦タイプの走行移動体を介して操作することにより、遮蔽区画から離れた場所から調査等を行う無人走行移動体運用システムである。
本発明で用いる移動体は、クローラベルトで覆われた本体部分に走行用制御機器等を収納し、機体の上部中央に走行用センサ機器などを装着することにより、走行制御機器類の保護および障害地の走行性および高濃度放射能環境下における良好な操作性を発揮する。 外部に露出する必要がある、集音マイクや、カメラレンズ部、送受信用アンテナ等のセンサ感知部等は機体の巾方向中央部に設けた機器付設用のセンターベースバーに取り付けることができる。機体のセンター部分に付設されるので、衝突などの障害リスクが小さい。駆動源である電動モータ駆動は、低騒音可燃ガス不燃ガスの影響を受けることなく活動することができる。また、本発明の移動体は、主要機器類が機密性の高い箱体内に収納されているので、原子力施設内での活動後の除染に対する適応性が高い。
特に、有線操縦用に用いられる通信ケーブルの出退機構について、磁力を用いて、駆動力を伝達する機構と、通信ケーブルの接続をリール軸内に設けたスリップリングを介して行うので、制御機器などの水密性を高く保つことができ、水洗のなどの徐染作業が支障なく容易に行える。
したがって、本発明は、例えば原子力施設の放射能漏洩事故などにおいて作業員アクセスできないような現場で遠隔操作にしたがって走行し、走行した部分の情報をリアルタイム収集できる無人走行式ロボットを運用するものであって、無線等が遮断される遮蔽区画内部も広範囲に調査できる無人走行移動体である。
災害発生時に信頼性をもって実行するためには、不整地であっても安定した状態で走行可能な機動性、狭隘な場所や階段などの斜面での走行性、遠隔操作が可能でかつ柔軟性に富んだ操作性を実現できる。

0012

本発明は、汚染された遮蔽区画があっても走行および調査が可能な有線操縦タイプの無人走行移動体である。
本発明に用いる無人走行移動体(E)は、箱状の本体(A)、本体の前後に装着されたプーリ(B)、機体中央長手方向に設けた機器付設用のセンターベースバー(C)、機体のほぼ全巾に掛け回された左右の走行用クローラ(D)を、備えている。さらに、サブクローラユニット(G)が備えられている。有線操縦用の通信ケーブル出退機構(L)、周辺環境把握用センサ(F)等がセンターベースバー(C)に装備される。駆動機構は、ホイールインモータを採用し、構内の地図情報やセンサで取得した情報に基づき有線による操縦方式が採用されている。

0013

図面を参照して、本走行用移動体の例を説明する。
<全体構成について>
以下、実施形態に係る無人走行体の遠隔操縦システムにつき、図面を用いて項目ごとに説明する。
無人走行移動体運用システムの概略は、有線操縦タイプの移動体で構成されており、さらに無線操縦タイプの移動体と組み合わせた無人走行移動体運用システムを構築することもできる。図1に示す例は、有線操縦と無線操縦の2つの移動体を組み合わせた運用システムである。無線が通じないような遮断壁が存在する閉鎖空間内の調査を行う場合は、有線による操縦を行うが、通信ケーブルの制約があって、行動範囲が制限される。有線操縦タイプの移動体を介して無線操縦タイプの移動体を走行させることにより、調査範囲を広げることができる。さらに、遮蔽区画から遠く離れた場所からコントロールする必要が有る場合の実施態様として、図1を示している。遮蔽区画が外側と無線通信が可能であっても、遠方から操縦する必要がある場合は、有線操縦タイプの移動体の通信機能中継機を設けて、中継機とコントローラの間は光ファイバーで接続すると、危険な遮蔽区画から離れた場所にてコントロールすることが可能となる。
図示は省略するが、遮蔽区画内部で無線通信が困難な場合の実施態様を紹介する。遮蔽区画内部で無線通信環境が悪い場合は、遮蔽区画内部の走行体を有線操縦タイプとし、遮蔽区画の外側に無線操縦タイプの移動体を待機させて、無線操縦タイプの移動体を介して有線操縦タイプの移動体を操作するように組み合わせることによって、離れた場所からのコントロールが可能となる。

0014

〈遠隔操縦システムのシステム構成
図1に、本発明の無人走行移動体の遠隔操縦システムの一例を示す。この図から明らかなように、本例の遠隔操縦システムは、LANケーブル336を介して接続された第1及び第2の操作卓300、310と、第1操作卓300から出力される制御信号により遠隔操縦される有線操縦無人走行移動体100と、第2操作卓310から出力される制御信号により遠隔操縦される無線操縦無人走行移動体200と、第2操作卓310と有線操縦無人走行移動体100とを接続する通信ケーブル240、250と、通信ケーブル240と通信ケーブル250との間に配置された無線中継装置330と、有線操縦無人走行移動体100と無線操縦無人走行移動体200とを接続する無線通信260と、通信ケーブル240を巻回しケーブルリール210とから主に構成されている。また、無線通信260は、有線操縦無人走行移動体100に搭載された親機と、無線操縦無人走行移動体200に搭載された子機とからなる。有線操縦無人走行移動体100は、通信ケーブル240、無線中継装置330及び通信ケーブル250を介して第1操作卓300から伝送される制御信号により遠隔操縦される。また、無線操縦無人走行移動体200は、通信ケーブル240、無線中継装置330、通信ケーブル250及び無線通信260を介して第2操作卓310から伝送される制御信号により遠隔操縦される。
図1では、有線操縦移動体と無線操縦移動体との組み合わせを説明しているが、有線操縦無人走行移動体のみで十分活用できるシステムであり、有線と無線の2つの移動体を使用することも可能であるので、説明上の重複を避けるために、図1のシステム構成を記載した。

0015

このように、第1操作卓300と有線操縦無人走行移動体100とをつなぐ信号経路の一部、及び第2操作卓310と無線操縦無人走行移動体200とをつなぐ信号経路の一部を有線化すると、有線部分においては信号の伝送を安定に行うことができるので、トータル的に第1操作卓300と有線操縦無人走行移動体100との間、及び第2操作卓310と無線操縦無人走行移動体200との間の遠距離通信を安定なものにすることができる。また、通信ケーブル240と通信ケーブル250との間に無線中継装置330を備えたので、例えば原子力発電プラントに設置されるエアロックALのように、通信ケーブルを直接配線することができない部位を有する現場にも、この無線中継装置330をエアロックの内外に配置して親機と子機からなる無線中継機能とすることにより、本システムの適用が可能になる。

0016

通信ケーブル240、250としては、ツイストペアケーブル光ファイバケーブルを用いることができる。ツイストペアケーブルは、電線を2本ずつ撚り合わせて対にしたものであり、平行型の電線を用いる場合に比べてノイズの影響を抑制することができる。また、光ファイバケーブルを用いると、電線を用いる場合よりも、第1操作卓300と有線操縦無人走行移動体100との間、及び第2操作卓310と無線操縦無人走行移動体200との間の信号伝送速度高速化することができる。なお、通信ケーブル240、250として共通のものを用いる必要はない。通信ケーブル240については、信号伝送方式による制限を受け、後述するVDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)方式を用いる場合、最大伝送距離が500〜800m程度に制限される。一方、通信ケーブル250の長さについては、有線無人走行移動体100に搭載可能なケーブル長による制限を受ける。本実施形態では、500mの通信ケーブル250を搭載した。

0017

第1操作卓300と有線操縦無人走行移動体100との間、及び第2操作卓310と無線操縦無人走行移動体200との間の信号伝送方式としては、VDSL方式が好適である。VDSLは、1対の信号ケーブルを用いて通信を行う非対称速度型の通信方式であり、有線操縦無人走行移動体から第1操作卓への信号の送信及び無線操縦無人走行移動体から第2操作卓への信号の送信を高速で行うことができるからである。このように、ツイストペアケーブルとVDSLの組み合わせを用いて無人走行移動体の遠隔操縦システムを構築することにより、操作卓と無人走行移動体との間の通信を安定かつ高速で行うことができる。

0018

無線通信260の親機及び子機としては、無線LAN(Local Area Network)用の無線通信機器が用いられる。無線LAN用の通信機器は、安価にして汎用性に優れ、かつ電波法令の規制を受けない特定小電力無線局分類されるので、これを用いることにより、有線無人走行移動体と無線無人走行移動体との間の無線通信系簡易に構築できると共に、その使い勝手を良好なものにすることができる。

0019

走行用の無人走行移動体の概略を図2に示す。さらに、図3、4に平面図及び側面図を示す。
図示された無人走行用の移動体(E)は、箱状の本体(A)、本体の前後装着されたプーリ(B)(B)(B)(B)、機体中央長手方向に設けた機器付設用のセンターベースバー(C)、左右前後プーリ(B、B)(B、B)に掛け回された機体のほぼ全巾を覆う左右の走行用クローラ(D)(D)、機体の前後左右4箇所に向けられたサブクローラユニット(G)(G)(G)(G)が備えられる。有線操縦用の通信ケーブル出退機構(L)、周辺環境把握用センサ(F)がセンターベースバー(C)に装備されている。
箱状の本体(A)の前後左右にプーリ(B)を4つ配置する。各プーリは、巾方向中央部にセンターフレームの間隔が空けてあり、機体の略半幅の長さである。この前後に配置された2つのプーリ(B)(B)にプーリと同幅のクローラ(D)が掛け回されている。このクローラ(D)が左右に2本設けられているので、機体のほぼ全巾がクローラベルトによって覆われることとなる。
本体(A)は、中央部に上蓋を備えた密閉可能な空間が設けられる。両サイドは、必要に応じて、側面からアクセスできる収納空間を形成する。中央空間は本移動体の制御機器や調査用の機器などが収納される。サイドには、電池などの交換が必要な部品を収容することができる。
機体中央長手方向にセンターベースバー(C)が配置されていて、有線操縦用の通信ケーブル出退機構(L)、周辺環境把握用センサ(F)等を外付けする部材として用いられる。センターベースバー(C)は、プーリ(B)のセンターフレームに支持させることができる。センターフレームは頑な部材であるので取り付け用部材として適している。センサなどの器具はセンターベースバー(C)に直接装着あるいは、センターベースバーに立設した支柱(H)に装着することもできる。センターベースバーには、さらに幅の広い台座を設けて、大型の機器を装着することもできる。
センターベースバー(C)は、中央長手方向に配置されているので、器具を装着しても片寄ることが少なく安定性を損なうことがない。機体中央部にあるので、装着された器具が周囲のの障害物に接触する危険性が小さく、装着器具の安全性が確保できる。

0020

(1)無人走行移動体
本発明の実施態様に該当する無人走行移動体の平面図を図3に、側面図を図4に示す。
平面視において、中央部に細長くセンターフレームが設けられ、その左右にクローラ5、5が配置され、四方にサブクローラユニット8が設けられている。センターフレームにはその上面にセンターベースバー6が接合されている。クローラ5、5が側面を除くほぼ全周を覆っており、クローラベルト51、51によって、制御機器などを収納した本体部分は保護され、また、低重心によって安定性が確保されている。
側面視において、箱状の本体2とその前後に設けられたクローラ5用のプーリ7、7、7、7を覆うようにクローラベルト51が設けられている。プーリ7、7とその上方に転輪53、53が設けられ、クローラベルトはこれらのプーリ間に掛け回されている。
サブクローラユニット8は、クローラ5のプーリ7の外側に設けられている基端プーリ82と先端プーリ81との間にサブクローラベルト83が掛け回されている。サブクローラユニット8は、基端プーリ82を中心とする傾動が可能であって、それぞれが別個に操作できる。サブクローラユニット8は、階段を昇降するために上下の段差分以上の長さを有しており、90度以上上方に旋回させて待機状態とすることができる。待機状態において、移動体1が踊り場を旋回できる最小の状態を構成する。
センターベースバー6には、支柱130と有線操縦用の通信ケーブル250の張力調整機構150等が設けられている。

0021

本体は、密閉可能な箱状であって、内側に収納空間が形成され、無人走行移動体の制御機器や調査用のセンサ機器などが収納される。収納空間は、閉鎖空間であり、前後にプーリが配置され、更に上下面がクローラベルトによって覆われているので、外部の衝撃から保護される構成である。
密閉された中央収納部に配置された電子機器高温対策として、放熱フィン等の放熱構造を本体(箱体)の外面側に設けている。また、本体(箱体)には、制御やセンサなどの電子機器が収納されており、水や汚染物質侵入しないように密閉構造となっている。移動するクローラベルトおよび前後で回転するプーリの動きによって、放射された熱は滞留すること無く排出されるので、本体(箱体)の高温化を効率的に抑制できる。さらに、サイドにも放熱機能を持たせることにより、より放熱を向上させることができる。
センターベースバー6は、前後に設けられたクローラ用のプーリ7、7のセンターフレームに支持することができる。センターベースバー6は、移動体の幅方向中央部に配置されている。左右にクローラベルト51が配置されているので、障害物に直接接触しにくい。センターベースバー6の上面は、クローラベルト51の表面と同程度の高さ、あるいは高低いずれも設定することができる。また、一部を低く、その他をやや高く設定することも可能である。低くした場合には、クローラベルトによる保護機能が高まる。高く設定した場合、センターベースバーを幅広にすることが可能である。

0022

(2)クローラ用プーリ
クローラベルト51を巻き掛けるプーリ7の内部には電動モータ(図示省略)を内装したホイールインモータを採用する。電動モータは、プーリ7、7、7、7、のそれぞれに内装されている。

0023

(3)操縦
移動体は、有線による遠隔操縦する無人走行である。人が立ち入ることができない密閉空間を走行するので、モニターを見ながら操縦することとなる。また、放射能を遮断する場合は、遮蔽壁を介して有線で操縦することが必要となる。したがって、モニターに表示するための情報を収集するためのセンサ類を移動体に装備する。移動スピードは、人間の歩行スピードである0.5〜1.7m/秒程度である。遠隔操縦によって、人間が目視しあるいはディスプレイを見て、操縦することが多くなる被災現場では、人間の歩行速度である1.2m/秒以内(時速4Km程度)で十分である。
本発明のクローラ式走行装置は、土木建設機械などと比べて低速で使用されることを想定しているので、低速に加えて、幅広のクローラベルトを採用することにより、脱輪などの障害を回避することができる。

0024

(4)センサ類、搭載機器
図示はしないが、移動体内蔵センサとして、3軸ジャイロエンコーダ、3軸加速度センサ速度計慣性計測装置など移動体そのものの情報を収集するセンサ類を内蔵する。
移動体は、カメラ、マイク、アンテナ、三次元距センサ及び照明機器等の移動体の周辺状況の情報を入手する手段も備えている。さらに、調査用のセンサを搭載することができる。原子力発電施設では、放射線線量計、γカメラ、サーモグラフィ湿度センサ水位センサ採水装置、ガスセンサ等である。物を動かすマニピュレータを装着することも可能である。水などのサンプルを採取する器具としても利用することができる。
これらのセンサ類等は、センターベースバーに取り付ける。
搭載機器は、調査目的に応じて選択することができ、最初は基本探査を行い、その後目的に応じた機器を搭載することができる。

0025

(5)通信ケーブル取り扱い機構
本発明の移動体は、有線操縦される。通信ケーブルの取り扱い機能の全体構成が図5に例示されている。
有線操縦用の通信ケーブル250を巻き取るリーリング機構105と張力調整機構150が、移動体1のセンターベースバー6に搭載されている。リーリング機構105には通信ケーブル250を送り出しと巻き戻しをする機能が備えられている。リーリング機構105から通信ケーブル250を機外導出する誘導管の間に通信ケーブルにかかる緊張力を調整する張力調整機構150を設ける。
リーリング機構105は、リール110とリールを駆動する動力源120から構成されている。リール110は張力調整装置150に負荷される張力の方向によって回転方向が制御される。
張力調整装置150には、2本の支柱130、230と張力発生機器と通信ケーブルを蛇行させる径路が設けられている。
通信ケーブル250は、リール110から、張力調整装置で蛇行して、支柱130の上方に設けられている誘導管161の先端から機外へでて、操縦装置の方向に伸びている。

0026

(6)張力調整装置
支柱130とリール110の間に支柱230を設ける。ロール158を支柱230の上部に固定し、支柱230の支柱130側の側面に上下動する可動ロール153を設ける。支柱130の上部に案内用のロール160を備えた誘導管161を左右回動可能に設け、その下方にガイド159を設ける。
リール110から伸びる通信ケーブル250は、ロール158へ上昇し、可動ロール153へ掛け回されて下降反転してガイド159を通過して、案内ロール160から誘導管161へ案内されて、先端から機外へ導出する。誘導管161は、クローラベルト51やサブクローラユニット8と通信ケーブル250が接触しないように配置されている。通信ケーブル250は、可動ロール153によって、「U」字形遊動径路が形成され、可動ロール153が上下することによって、張力変化を吸収する。
可動ロール153の下方側にポテンショロール156を配置し、支柱130の側縁に可動ロール152を設け、支柱130の下端部に固定端155を設ける。可動ロール152の上方に張力体151を取り付ける。テンションライン162を可動ロール153の下に設けた固定端157から、ポテンショロール156、可動ロール152を経由して支柱130の下端の固定端155に掛け回されている。また、可動ロール152は、上方に設けられた張力体151に繋がれている。
テンションライン162は、張力体151に繋がれた可動ロール152が上方に引き上げられて、緊張されている。通信ケーブルが掛け回された可動ロール153がこのテンションライン162によって、下方に付勢されている。
通信ケーブル250が移動体の外部方向へ強く引かれると、可動ロール153が上方に引き上げられ、ポテンショロール156が左回転する。外部側が緩むと可動ロール153が下降し、ポテンショロール156が右回転する。このポテンショロール156の回転を検知して、リール110の回転方向を制御して、張力調整を行う。さらに、張力にかかる力を検知して制御に活用することもできる。例えば、歯付きのポテンショロールと歯付きベルトを組み合わせることによって、スリップが発生せずにポテンショロールの回転量を正確に計測でき、リールの駆動制御を高精度に行うことができる。

0027

(7)リーリング機構
リーリング機構105は図6図7に開示されている。
リール110は、駆動源ユニット126に設けられた支持腕113に取り付けられている。駆動源ユニット126に備えられたモータの軸に取り付けられたプーリ122と駆動源ユニット126から伸ばした支持腕113の先端に設けたプーリ123に駆動ベルト121を掛け回して駆動力を伝える。プーリ123とリール110との間にはマグネットカップリング125を配置する。マグネットカップリング125は、プーリ123側に配置された磁石131とリール110側に設けられた磁石132によって構成される。2つの磁石の間には隔壁133を配置する。2つのマグネット間に働く磁力によって、駆動力が結合されており、その結合力はリールに過負荷が発生した場合に空転して、通信ケーブルが切断されるリスクを軽減することができる。
2つのマグネットは、左右に対向配置した図示としているが、内側とその外周に配置することもできる。
マグネットによって、駆動力を伝える利点は、過負荷対策とさらに、リール110側の密閉性を向上させることができる利点がある。このマグネットカップリング125は、2つの磁石の間に隔壁133を設け、リールの軸空間110aの密閉性を高め、その空間にスリップリング140を設け、本体2側から伸びる接続端子に接続して、通信ケーブルを連結する構成である。独立したリールの構造は密閉性を高めることができ、シャワー徐染などの高い耐水性を実現できる。

0028

図7リール機構の構造の例を断面図で示す。
リール110は、支持腕113に対して、マグネットカップリング125を介して取り付けられている。
支持腕113の先端に外殻体114を固定する。この外殻体117にプーリ123とマグネットカップリングを取り付ける。このマグネットカップリングを介してリール110を回動可能に取り付ける。プーリ123側と磁石131が一体であり、反対側にリール110に磁石132が配置される。磁石132は、リールの中央空間に設けた連結板110bに強固に取り付けてある。
マグネットカップリング125の反対側であって、リール110のリール軸空間110a内にスリップリング140が設けられている。リール110の胴には、通信ケーブル250が巻かれている。スリップリング140の構成は、回転ケーブルリールに設けられる通常の機構を採用することができるので詳細は省略する。スリップリング140に接続した端子から通信ケーブル141を本体(箱体)内に延出する。
駆動源ユニット126から支持腕113を伸ばし、その先端に外殻体114を取付け、この外殻体114にマグネットカップリングを取付けてある。マグネットカップリングを構成する駆動側磁石131にプーリ123を固定する。このプーリ123と駆動ユニット側に設けられているプーリ122にベルト121が掛け回される。
駆動側の磁石131と従動側の磁石132は、外殻体114にベアリング116を介して取り付けられている。磁石131と磁石132の間には、外殻体114と一体化している隔壁133を設けることによって、両者を隔離している。
マグネットカップリング機構としては、ディスクタイプを図示しているが、シリンダータイプも使用することができる。
さらに、プーリ123や外殻体114の駆動系はケース(図示省略)で覆うことによって、密閉性を高めることができる。これらの構造によってリール機構の駆動系と機体内部に取り込む通信系の密閉性を高めることができ、水シャワーなどの徐染処理によっても、浸水することがない。

0029

リールの駆動は、基本的には走行スピードに応じて制動される。移動体のスピードにあわせて自動的に追従することもでき、あるいは、コントローラにより制御することができる。さらにリールの張力調整は、前述のようにポテンショロールによって検知された回転方向やテンションによって、駆動源のモータが制御されて、駆動ベルトを介して磁石131と磁石132の間で伝達されることとなる。前述のように、磁石の結合力を設定することによって通信ケーブルにダメージを与えない過負荷防止装置とすることができる。
過負荷による通信ケーブルの断裂は、高濃度放射能環境下では、移動体が回収できないこととなり、次の調査等の業務の障害物となってしまうので、避けなければならない事故である。通信ケーブルを踏んで障害を起こすことも同様の事故となるので、通信ケーブルを送り出し及び巻き戻すことも重要な機構である。

0030

操縦については、最初に記載したとおりである。有線操縦無人走行移動体100を高濃度放射能環境下などで運用する。さらに、無線操縦移動体200と組み合わせて、行動範囲を拡げることも可能である。

0031

本発明の無人走行移動体は、震災、洪水地滑り火山などで倒壊したした建物内部や原子力施設内などの調査や探査用の走行用移動体の運用システムとしてとして利用できる。

0032

E、1・・・無人走行移動体
A、2・・・本体(箱体)
D、5・・・クローラ
51・・・クローラベルト
53・・・転輪

C、6・・・センターベースバー
B、7・・・プーリ
G、8・・・サブクローラユニット
81・・・先端プーリ
82・・・基端プーリ
83・・・サブクローラベルト

100・・・有線操縦無人走行移動体
105・・・リーリング機構
110・・・リール
110a・・・リール軸空間
110b・・・連結板
113・・・支持腕
114・・・外殻体

120・・・駆動源(モータ)
121・・・駆動ベルト
122、123・・・プーリ
125・・・マグネットカップリング
126・・・駆動源ユニット
130、230・・・支柱
131、132・・・磁石
133・・・隔壁
140・・・スリップリング
141・・・通信ケーブル
150・・・張力調整装置
151・・・張力体
152、153・・・可動ロール
155・・・固定端
156・・・ポテンショロール
157・・・固定端
158・・・ロール
159・・・ガイド
160・・・ロール
161・・・誘導管
162・・・テンションライン

200・・・無線操縦無人走行移動体
210・・・ケーブルリール
240、250・・・通信ケーブル
260・・・無線通信

300、310、330・・・操作卓330・・・無線中継装置
336・・・LANケーブル
340・・・建造物
350・・・遮蔽壁

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 東芝ロジスティクス株式会社の「 牽引台車」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】複数の台車を好適に搬送可能な牽引台車を提供すること。【解決手段】牽引台車1は、内側に台車200を複数配置可能な枠状に形成され、内側に配置した台車200、の荷台211の側面に当接可能でフレーム2... 詳細

  • 日本電産株式会社の「 生産ラインシステム、及びベースユニット」が 公開されました。( 2019/09/19)

    【課題】生産ラインを容易に変更することができる生産ラインシステムを提供する。【解決手段】生産ラインシステム1は、複数のベースユニット2を備える。複数のベースユニット2は、作業対象のワークWを搬送する方... 詳細

  • 株式会社エヌテックの「 物品移載装置及び荷取位置検出装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】物品移載装置の高さ方向の設置スペースを小さくできる物品移載装置及び荷取位置検出装置を提供する。【解決手段】物品移載装置10は、物品が段積みされてなる物品群CGを含む荷役エリアを、水平方向に照射... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ