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技術 C重油の製造方法

出願人 鹿島石油株式会社
発明者 佐々木俊彰城谷要渡辺俊夫名雪文夫本田秀俊高木佳織
出願日 2014年3月28日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2014-069224
公開日 2015年11月2日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2015-189891
状態 特許登録済
技術分野 石油精製,液体炭化水素混合物の製造 液体炭素質燃料
主要キーワード 直立円筒 カタール ウェート 減圧蒸留残渣 低硫黄重油 ヘビー ミディアム 常圧蒸留塔
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

低硫黄C重油を効率的に製造できるC重油の製造方法を提供する。

解決手段

C重油の製造方法では、第1の原油よりも硫黄含有量が少なく且つ塩素濃度が高い特性を有する第2の原油を第2蒸留塔11で処理する工程と、第1の原油と第2蒸留塔11で処理して得られた第2軽質留分とを常圧蒸留塔7で処理する工程と、第2蒸留塔11で処理して得られた第2重質留分脱硫装置13で脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下のC重油を得る工程と、を含む。

概要

背景

近年、火力発電燃料となるC重油、特に低硫黄のC重油の需要が高まりつつある。従来、低硫黄のC重油は、輸入に頼るか、軽油重油化する処理により製造されていたが、コストが割高であるという問題があった。そこで、原油処理により低硫黄のC重油を製造することによってコストの低減を図ることが求められている。原油処理による低硫黄のC重油の製造方法としては、硫黄含有量の少ない原油を常圧蒸留塔で処理してナフサ、軽油及び灯油等といった軽質炭化水素軽質留分)を除去して常圧蒸留残渣物重質留分)を生成し、その常圧蒸留残渣物を更に減圧蒸留装置で処理した低硫黄減圧蒸留残渣物を脱硫することにより低硫黄重油を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

概要

低硫黄のC重油を効率的に製造できるC重油の製造方法を提供する。C重油の製造方法では、第1の原油よりも硫黄含有量が少なく且つ塩素濃度が高い特性を有する第2の原油を第2蒸留塔11で処理する工程と、第1の原油と第2蒸留塔11で処理して得られた第2軽質留分とを常圧蒸留塔7で処理する工程と、第2蒸留塔11で処理して得られた第2重質留分を脱硫装置13で脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下のC重油を得る工程と、を含む。

目的

本発明は、低硫黄のC重油を効率的に製造できるC重油の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

低硫黄C重油を第1の原油及び第2の原油により製造するC重油の製造方法であって、前記第1の原油よりも硫黄含有量が少なく且つ塩素濃度が高い特性を有する前記第2の原油を第1蒸留装置で処理する工程と、前記第1の原油と前記第1蒸留装置で処理して得られた前記第2の原油の第2軽質留分とを第2蒸留装置で処理する工程と、前記第1蒸留装置で処理して得られた前記第2の原油の第2重質留分脱硫装置脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下のC重油を得る工程と、を含むことを特徴とするC重油の製造方法。

請求項2

前記第1の原油を第3蒸留装置で処理する工程を含み、前記第2蒸留装置では、前記第3蒸留装置で処理して得られた前記第1の原油の第1重質留分と前記第1蒸留装置で処理して得られた前記第2の原油の前記第2軽質留分とを処理し、前記第3蒸留装置で処理して得られた塩素を含む前記第1の原油の第1軽質留分と、前記第2蒸留装置で処理して得られた塩素を含む軽質留分とを混合させることを特徴とする請求項1記載のC重油の製造方法。

請求項3

前記第1の原油は、硫黄の含有量が1.0〜4.0wt%、塩素濃度が2.0〜15.0wtppmであり、前記第2の原油は、硫黄の含有量が0.5〜0.8wt%、塩素濃度が20wtppm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のC重油の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、C重油の製造方法に関する。

背景技術

0002

近年、火力発電燃料となるC重油、特に低硫黄のC重油の需要が高まりつつある。従来、低硫黄のC重油は、輸入に頼るか、軽油重油化する処理により製造されていたが、コストが割高であるという問題があった。そこで、原油処理により低硫黄のC重油を製造することによってコストの低減を図ることが求められている。原油処理による低硫黄のC重油の製造方法としては、硫黄含有量の少ない原油を常圧蒸留塔で処理してナフサ、軽油及び灯油等といった軽質炭化水素軽質留分)を除去して常圧蒸留残渣物重質留分)を生成し、その常圧蒸留残渣物を更に減圧蒸留装置で処理した低硫黄減圧蒸留残渣物を脱硫することにより低硫黄重油を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。

先行技術

0003

特開2002−177796号公報

発明が解決しようとする課題

0004

低硫黄のC重油の製造に使用される原油は、脱硫処理の観点から、硫黄含有量が少ないことが好ましい。しかしながら、硫黄の含有量の少ない原油(LS(Low Sulfur)原油)は単価が高いため、コスト低減を図ることが難しい。そこで、LS原油よりも単価の安い原油を用いることにより、コストの低減が図れる。しかし、単価の安い原油の中には、硫黄の含有量がLS原油よりも多く、特に塩素濃度が高いという特性を有するものが存在する。そのため、このような性状を有する原油を常圧蒸留装置にて処理すると、軽質留分に高濃度塩素が多く含まれるため、常圧蒸留塔の塔頂部に設置される機器配管腐食するといった不具合が発生するおそれがあり、製造効率の低下を招来する。

0005

そこで、このような塩素濃度の高い原油を処理する場合には、塩素濃度が低く且つ単価の安い原油(例えば、中東の原油)を加えて、塩素濃度を低くすることが考えられる。しかしながら、中東の原油は、硫黄濃度が高いという特性を有している。そのため、中東の原油を混合すると、処理する原油全体としての硫黄の含有量が増加する。低硫黄のC重油を製造しようとする場合には、脱硫装置にて処理する炭化水素油の硫黄分が高くなるほど、脱硫装置の運転条件としては反応温度を上げて調整することになる。しかし、脱硫装置における反応温度を高くすると、脱硫触媒失活し易くなるという新たな問題が生じ得る。一方で、触媒失活を抑え触媒寿命の長期化を図ろうとすると、脱硫装置における炭化水素油自体の処理量を低下させることとなり、効率的にC重油の製造ができないという結果となる。

0006

本発明は、低硫黄のC重油を効率的に製造できるC重油の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の係るC重油の製造方法は、低硫黄のC重油を第1の原油及び第2の原油により製造するC重油の製造方法であって、第1の原油よりも硫黄の含有量が少なく且つ塩素濃度が高い特性を有する第2の原油を第1蒸留装置で処理する工程と、第1の原油と第1蒸留装置で処理して得られた第2の原油の第2軽質留分とを第2蒸留装置で処理する工程と、第1蒸留装置で処理して得られた第2の原油の第2重質留分を脱硫装置で脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下のC重油を得る工程と、を含むことを特徴とする。

0008

このC重油の製造方法では、第2の原油を第1蒸留装置で処理して、第1蒸留装置で処理して得られた第2重質留分を脱硫装置で脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下のC重油を生成している。第2の原油は、第1の原油よりも硫黄の含有量が少ない。そのため、第1の原油と第2の原油とを混合した原油を脱硫する場合に比べて、脱硫装置の反応温度を上げなくとも処理速度を維持できるため、脱硫触媒の寿命の長期化を図りつつ低硫黄のC重油の処理量を維持できる。したがって、硫黄の含有量の少ないLS原油を用いなくとも、低硫黄のC重油を低コストで効率的に製造できる。また、このC重油の製造方法では、第2蒸留装置において、第1の原油と第1蒸留装置で処理して得られた第2軽質留分とが混合される。これにより、第2の原油の塩素濃度が高い場合であっても、第1蒸留装置で処理して得られた塩素を含む第2軽質留分と塩素濃度が低い第1の原油とを混合させることにより、全体としての塩素濃度を低下させることができる。したがって、熱交換器等の装置が腐食するといった不具合の発生を抑制でき、生産効率の低下を抑制できる。以上のように、このC重油の製造方法では、低硫黄のC重油を効率的に製造できる。

0009

一実施形態においては、第1の原油を第3蒸留装置で処理する工程を含み、第2蒸留装置では、第3蒸留装置で処理して得られた第1の原油の第1重質留分と第1蒸留装置で処理して得られた第2の原油の第2軽質留分とを処理し、第3蒸留装置で処理して得られた塩素を含む第1の原油の第1軽質留分と、第2蒸留装置で処理して得られた塩素を含む軽質留分とを混合させてもよい。これにより、第2の原油の塩素濃度が高い場合であっても、第3蒸留装置で処理して得られた塩素を含む第1軽質留分と第2蒸留装置で処理して得られた塩素を含む軽質留分(第1蒸留装置で処理して得られた第2軽質留分)とを混合させることにより、全体としての塩素濃度を低下させることができる。したがって、熱交換器等の装置が腐食するといった不具合の発生を抑制でき、生産効率の低下を抑制できる。

0010

一実施形態においては、第1の原油は、硫黄の含有量が1.0〜4.0wt%、塩素濃度が2.0〜15.0wtppmであり、第2の原油は、硫黄の含有量が0.5〜0.8wt%、塩素濃度が20wtppm以上であってもよい。このような原油を用いる場合には、上記のC重油の製造方法が特に有効である。

発明の効果

0011

本発明によれば、低硫黄のC重油を効率的に製造できる。

図面の簡単な説明

0012

第1実施形態に係るC重油の製造方法に用いられる製造装置の構成を示す図である。
第2実施形態に係るC重油の製造方法に用いられる製造装置の構成を示す図である。

実施例

0013

以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。

0014

(第1実施形態)
[製造装置の構成]
図1は、第1実施形態に係るC重油の製造方法に用いられる製造装置の構成を示す図である。図1に示す製造装置1では、第1の原油と、第2の原油と、を用いてC重油、特に、低硫黄のC重油を製造する。低硫黄のC重油とは、硫黄の含有量(硫黄分)が0.5wt%以下の重油である。

0015

第1の原油は、硫黄の含有量が1.0〜4.0wt%程度であり、塩素濃度が2.0〜15.0wtppm程度の原油である。第2の原油は、硫黄の含有量が0.5〜0.8wt%程度であり、塩素濃度が20wtppm以上の原油である。すなわち、第1の原油は、第2の原油に比べて、硫黄の含有量が多く且つ塩素濃度が低い。言い換えれば、第2の原油は、第1の原油に比べて、硫黄の含有量が少なく且つ塩素濃度が高い。第1の原油及び第2の原油は、上記の性状を有していれば原油種は限定されない。

0016

処理原油としては、下記に限定されるものではないが、例えば、アルライヤン原油、アルシャヒーン原油、アラスカノーススロープ原油、アラビアヘビー原油、アラビアンライト原油、アラビアンミディアムブレンド原油バスライト原油、ドバイ原油、イラニアンヘビー原油、クウェート原油、オマーン原油、フォロザン原油、アッパーザクム原油、カフジ原油、カタール・マリーン原油、エスポ原油等が挙げられる。また、上記処理原油の中でも、フォロザン原油、アラビアンミディアム原油、カタール・マリーン原油、エスポ原油等は比較的塩素含有量が高い。

0017

低硫黄重油の製造装置1は、第1蒸留塔(第3蒸留装置)3と、加熱炉5と、常圧蒸留塔(第2蒸留装置)7と、減圧蒸留塔9と、第2蒸留塔(第1蒸留装置)11と、脱硫装置13と、を備えている。なお、図1には図示していないが、常圧蒸留塔7と減圧蒸留塔9との間、及び、第2蒸留塔11と脱硫装置13との間のそれぞれに、加熱炉が設けられている。

0018

第1蒸留塔3は、常圧蒸留塔7の前段に設けられ、ナフサ等の軽質留分を予め抜出すプレフラッシュカラムである。第1蒸留塔3には、流路L1を介して第1の原油がタンク(図示しない)から供給される。第1蒸留塔3は、第1の原油を加熱処理して、第1軽質留分と第1重質留分とに分留する。第1蒸留塔3は、第1軽質留分を流路L2により常圧蒸留塔7の塔頂部へ送出し、その後熱交換器等を介して系外に送出する。第1蒸留塔3は、第1重質留分を流路L3を介して加熱炉5に送出する。

0019

加熱炉5は、第1蒸留塔3から流路L4を介して供給される第1重質留分、及び、後述する第2蒸留塔11から流路L10を介して供給される第2軽質留分が混合された混合油を加熱する。加熱炉5としては、例えば、ボックス型セル型直立円筒型等を用いることができる。加熱炉5は、加熱した混合油を流路L4を介して常圧蒸留塔7に送出する。

0020

常圧蒸留塔7は、加熱炉5から流路L4を介して供給される混合油を常圧下で処理する。常圧蒸留塔7は、混合油を加熱処理して、後述する各留分に分留する。常圧蒸留塔7では、常圧蒸留残油を流路L6を介して減圧蒸留塔9に送出する。常圧蒸留塔7には、軽質ガス及びナフサ留分を系外に送出する流路L5、灯油留分を系外に送出する流路L7、軽油留分を系外に送出する流路L8が、塔頂側から塔底側に向かってこの順で接続されている。流路L5は、流路L2と合流する。すなわち、製造装置1では、第1蒸留塔3から送出された塩素を含む軽質分留と常圧蒸留塔7から送出された塩素を含む軽質ガス及びナフサ留分とが混合され、常圧蒸留塔7の塔頂系に設置された熱交換器等に送出される。

0021

減圧蒸留塔9は、常圧蒸留塔7から流路L6を介して供給される常圧蒸留残油を常圧よりも圧力の低い減圧下で処理する。減圧蒸留塔9は、常圧蒸留残油を加熱処理して分留する。減圧蒸留塔9は、減圧蒸留残油を流路L9を介して系外(例えば、直接脱硫装置水素化分解装置等)に送出する。

0022

第2蒸留塔11は、第1蒸留塔3と同様に、常圧蒸留塔7(加熱炉5)の前段に設けられ、ナフサ等の軽質留分を予め抜出するプレフラッシュカラムである。第2蒸留塔11は、流路L11を介して第2の原油がタンク(図示しない)から供給される。第2蒸留塔11は、第2の原油を加熱処理して、第2軽質留分と第2重質留分とに分留する。第2蒸留塔11は、第2軽質留分を流路L10を介して加熱炉5に送出する。第2蒸留塔11は、第2重質留分を流路L12を介して脱硫装置13に送出する。

0023

脱硫装置13は、第2蒸留塔11から流路L12を介して供給される第2重質留分を脱硫する。脱硫装置13では、例えば水素化脱硫法により脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下、好ましくは0.2wt%〜0.3wt%の低硫黄重油を生成する。脱硫装置13は、生成した低硫黄重油を流路L13を介して系外に送出する。

0024

[C重油の製造方法]
続いて、製造装置1によるC重油の製造方法について説明する。まず、第1の原油を第1蒸留塔3に供給して第1蒸留塔3で処理し、第1の原油を第1軽質留分と第1重質留分とに分留する。また、第2の原油を第2蒸留塔11に供給して第2蒸留塔11で処理し、第2の原油を第2軽質留分と第2重質留分とに分留する。

0025

第1蒸留塔3から送出された第1重質留分と、第2蒸留塔11から送出された第2軽質留留分とは、加熱炉5により加熱され、その後に常圧蒸留塔7において処理される。常圧蒸留塔7により処理されて得られた常圧蒸留残油は、減圧蒸留塔9に送出され、その後、減圧蒸留塔9により処理されて得られた減圧分留残油は、分解装置等に送出される。常圧蒸留塔7により処理されて得られた軽質ガス及びナフサ留分(ナフサ、灯油、軽油等)と、第1蒸留塔3により処理されて得られた第1軽質留分とは混合され、常圧蒸留塔7の塔頂系に設置された熱交換器等を経て系外に送出される。

0026

一方、第2蒸留塔11により処理されて得られた第2の原油の第2重質留分は、脱硫装置13に送出される。そして、第2重質留分は、脱硫装置13により脱硫されて、低硫黄のC重油とされる。以上の工程を経ることにより、低硫黄のC重油が製造される。

0027

以上説明したように、本実施形態のC重油の製造方法では、第1の原油と第2の原油を用いて低硫黄のC重油を製造する。第1の原油及び第2の原油は、LS原油に比べていずれも単価が安い。その一方で、第1の原油及び第2の原油は、LS原油に比べて硫黄の含有量が多く、特に、第1の原油は、硫黄の含有量が多い。

0028

本実施形態のC重油の製造方法では、上記の第1の原油及び第2の原油を用い、第1の原油を第1蒸留塔3で処理し、第2の原油を第2蒸留塔11で処理して、第2蒸留塔11で処理して得られた第2重質留分を脱硫装置13で脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下のC重油を生成している。第2の原油は、第1の原油よりも硫黄の含有量が少ない。そのため、第1の原油と第2の原油とを混合した原油を脱硫する場合に比べて、脱硫装置の反応温度を上げなくとも処理速度を維持できるため、脱硫触媒の寿命の長期化を図りつつ低硫黄のC重油の処理量を維持できる。したがって、硫黄の含有量の少ないLS原油を用いなくとも、低硫黄のC重油を低コストで効率的に製造できる。

0029

また、第2の原油は、塩素濃度が高いという特性を有している。原油の塩素濃度が高いと、常圧蒸留塔7の塔頂部において、軽質ガス及びナフサ留分を熱交換器等で冷却する際に塩化物腐食が発生し、機器を損傷させるといった問題が生じる。そこで、本実施形態のC重油の製造方法では、第1蒸留塔3で処理して得られた塩素を含む第1軽質留分と常圧蒸留塔7で処理して得られた塩素を含む軽質留分とを混合させている。これにより、第2の原油の塩素濃度が高い場合であっても、第1蒸留塔3で処理して得られた軽質留分と常圧蒸留塔7で処理して得られた軽質留分(第2蒸留塔11で処理して得られた軽質留分)とを混合させることにより、全体としての塩素濃度を低下させることができる。したがって、熱交換器等の装置が腐食するといった不具合の発生を抑制でき、生産効率の低下を抑制できる。

0030

本実施形態では、第1の原油として、硫黄の含有量が1.0〜4.0wt%、塩素濃度が2.0〜15.0wtppmの原油を用い、第2の原油として、硫黄の含有量が0.5〜0.8wt%、塩素濃度が20wtppmの原油を用いた。このような原油を用いる場合には、本実施形態のC重油の製造方法が特に有効である。

0031

(第2実施形態)
[製造装置の構成]
続いて、第2実施形態について説明する。図2は、第2実施形態に係るC重油の製造方法に用いられる製造装置の構成を示す図である。図2に示すように、製造装置1Aは、加熱炉5と、常圧蒸留塔(第2蒸留装置)7と、減圧蒸留塔9と、第2蒸留塔(第1蒸留装置)11と、脱硫装置13と、を備えている。すなわち、第2実施形態に係る製造装置1Aは、図1に示す第1蒸留塔3を備えない点で、第1実施形態の製造装置1の構成と異なる。なお、図2には図示していないが、常圧蒸留塔7と減圧蒸留塔9との間、及び、第2蒸留塔11と脱硫装置13との間のそれぞれに、加熱炉が設けられている。

0032

加熱炉5は、流路L1を介してタンク(図示しない)から供給される第1の原油、及び、第2蒸留塔11から流路L10を介して供給される第2軽質留分が混合された混合油を加熱する。加熱炉5としては、例えば、ボックス型、セル型、直立円筒型等を用いることができる。加熱炉5は、加熱した混合油を流路L4を介して常圧蒸留塔7に送出する。

0033

常圧蒸留塔7は、加熱炉5から流路L4を介して供給される混合油を常圧下で処理する。常圧蒸留塔7は、混合油を加熱処理して、後述する各留分に分留する。常圧蒸留塔7では、常圧蒸留残油を流路L6を介して減圧蒸留塔9に送出する。常圧蒸留塔7には、軽質ガス及びナフサ留分を系外に送出する流路L5、灯油留分を系外に送出する流路L7、軽油留分を系外に送出する流路L8が、塔頂側から塔底側に向かってこの順で接続されている。

0034

減圧蒸留塔9は、常圧蒸留塔7から流路L6を介して供給される常圧蒸留残油を常圧よりも圧力の低い減圧下で処理する。減圧蒸留塔9は、常圧蒸留残油を加熱処理して分留する。減圧蒸留塔9は、減圧蒸留残油を流路L9を介して系外(例えば、直接脱硫装置や水素化分解装置等)に送出する。

0035

第2蒸留塔11は、常圧蒸留塔7(加熱炉5)の前段に設けられ、ナフサ等の軽質留分を予め抜出するプレフラッシュカラムである。第2蒸留塔11は、流路L11を介して第2の原油がタンク(図示しない)から供給される。第2蒸留塔11は、第2の原油を加熱処理して、第2軽質留分と第2重質留分とに分留する。第2蒸留塔11は、第2軽質留分を流路L10を介して加熱炉5に送出する。第2蒸留塔11は、第2重質留分を流路L12を介して脱硫装置13に送出する。

0036

脱硫装置13は、第2蒸留塔11から流路L12を介して供給される第2重質留分を脱硫する。脱硫装置13では、例えば水素化脱硫法により脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下、好ましくは0.2wt%〜0.3wt%の低硫黄重油を生成する。脱硫装置13は、生成した低硫黄重油を流路L13を介して系外に送出する。

0037

[C重油の製造方法]
続いて、製造装置1AによるC重油の製造方法について説明する。まず、第2の原油を第2蒸留塔11に供給して第2蒸留塔11で処理し、第2の原油を第2軽質留分と第2重質留分とに分留する。第1の原油は、加熱炉5に供給される。

0038

第1の原油と、第2蒸留塔11から送出された第2軽質留留分とは、加熱炉5により加熱され、その後に常圧蒸留塔7において処理される。常圧蒸留塔7により処理されて得られた常圧蒸留残油は、減圧蒸留塔9に送出され、その後、減圧蒸留塔9により処理されて得られた減圧分留残油は、分解装置等に送出される。常圧蒸留塔7により処理されて得られた軽質ガス及びナフサ留分(ナフサ、灯油、軽油等)は、常圧蒸留塔7の塔頂系に設置された熱交換器等を経て系外に送出される。

0039

一方、第2蒸留塔11により処理されて得られた第2の原油の第2重質留分は、脱硫装置13に送出される。そして、第2重質留分は、脱硫装置13により脱硫されて、低硫黄のC重油とされる。以上の工程を経ることにより、低硫黄のC重油が製造される。

0040

以上説明したように、本実施形態のC重油の製造方法では、第2の原油を第2蒸留塔11で処理して、第2蒸留塔11で処理して得られた第2重質留分を脱硫装置13で脱硫して、硫黄の含有量が0.5wt%以下のC重油を生成している。第2の原油は、第1の原油よりも硫黄の含有量が少ない。そのため、第1の原油と第2の原油とを混合した原油を脱硫する場合に比べて、脱硫装置13の反応温度を上げなくとも処理速度を維持できるため、脱硫触媒の寿命の長期化を図りつつ低硫黄のC重油の処理量を維持できる。したがって、硫黄の含有量の少ないLS原油を用いなくとも、低硫黄のC重油を低コストで効率的に製造できる。

0041

また、このC重油の製造方法では、常圧蒸留塔7において、第1の原油と第2蒸留塔11で処理して得られた第2軽質留分とが混合される。これにより、第2の原油の塩素濃度が高い場合であっても、第2蒸留塔11で処理して得られた塩素を含む第2軽質留分と塩素濃度が低い第1の原油とを混合させることにより、全体としての塩素濃度を低下させることができる。したがって、熱交換器等の装置が腐食するといった不具合の発生を抑制でき、生産効率の低下を抑制できる。

0042

本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態の製造装置1は、一例を示すものであり、その他の装置を備えていてもよい。

0043

上記実施形態では、第2蒸留塔11が第2軽質留分を流路L10を介して加熱炉5に送出しているが、第2蒸留塔11は、第2軽質留分を常圧蒸留塔7に直接送出してもよい。

0044

3…第1蒸留塔(第3蒸留装置)、7…常圧蒸留塔(第2蒸留装置)、11…第2蒸留塔(第1蒸留装置)、13…脱硫装置。

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