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技術 放電灯駆動装置、光源装置、プロジェクターおよび放電灯駆動方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 寺島徹生鈴木淳一中込陽一
出願日 2014年7月24日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2014-150863
公開日 2015年10月29日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-187966
状態 特許登録済
技術分野 投影装置 放電ランプ高周波または変換器直流点灯回路
主要キーワード 成長度合 溶融度合い 駆動電流情報 駆動パラメーター 駆動電力波形 電圧推移 消灯命令 高電力モード
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

安定した放電を維持することができる放電灯駆動装置を提供する。

解決手段

本発明の放電灯駆動装置の一つの態様は、電極を有する放電灯駆動電力を供給する放電灯駆動部と、放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、放電灯駆動部を制御する制御部と、を備え、制御部は、放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、放電灯に第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を実行可能であり、制御部は、所定の設定タイミングにおいて、記憶部に記憶された高電力駆動に関する第1情報に基づいて高電力駆動の第1実行情報を設定し、第1実行情報に従って放電灯駆動部を制御することを特徴とする。

概要

背景

近年、プロジェクターには省エネルギー化が求められている。そのため、ランプへの駆動電力を通常よりも低下させる低電力モード映像信号に同期して駆動電力を変化させる調光モード、外部から映像信号が入力されていないときに駆動電力を低下させる待機モードなど、各種の点灯モードを搭載したプロジェクターが提供されている。例えば低電力モードでは、ランプに供給される駆動電力が低いため、電極への負荷が小さくなり、ランプの寿命が長くなる。

しかしながら、駆動電力が定格電力よりも小さい場合、電極先端突起を充分に溶融させることができず、点灯を長時間続けると、突起が損耗縮小する。突起の縮小は電極間距離が広がることとなり、照度の低下を引き起こす。つまり、電極先端の突起の形状を維持できない場合、低電力モードの利点を生かせず、ランプの寿命が短くなるという問題が生じる。そこで、この問題を解決するために、ランプ点灯開始後の所定の期間において、電極の突起の溶融を促進するリフレッシュ点灯モードでランプを駆動する放電灯点灯装置、およびプロジェクターが提案されている(下記の特許文献1参照)。

概要

安定した放電を維持することができる放電灯駆動装置を提供する。本発明の放電灯駆動装置の一つの態様は、電極を有する放電灯に駆動電力を供給する放電灯駆動部と、放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、放電灯駆動部を制御する制御部と、を備え、制御部は、放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、放電灯に第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を実行可能であり、制御部は、所定の設定タイミングにおいて、記憶部に記憶された高電力駆動に関する第1情報に基づいて高電力駆動の第1実行情報を設定し、第1実行情報に従って放電灯駆動部を制御することを特徴とする。

目的

本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、安定した放電を維持することができる放電灯駆動装置、光源装置、プロジェクターおよび放電灯駆動方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

電極を有する放電灯駆動電力を供給する放電灯駆動部と、前記放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、前記放電灯駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を実行可能であり、前記制御部は、所定の設定タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記第1実行情報に従って前記放電灯駆動部を制御することを特徴とする放電灯駆動装置

請求項2

前記第1情報は、前記高電力駆動の終了後から次の前記設定タイミングまでの間における前記放電灯の点灯時間を含む、請求項1に記載の放電灯駆動装置。

請求項3

前記第1情報は、前記高電力駆動時において検出された前記放電灯の電極間電圧を含む、請求項1または2に記載の放電灯駆動装置。

請求項4

前記第1情報は、前記高電力駆動時の前記放電灯に供給される前記第2駆動電力を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項5

前記第1情報は、前記高電力駆動の駆動電流波形を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項6

前記制御部は、前記設定タイミングにおける前記放電灯の点灯状態に関する第2情報に基づいて、前記第1実行情報を設定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項7

前記第2情報は、前記設定タイミングにおいて検出された前記放電灯の電極間電圧を含む、請求項6に記載の放電灯駆動装置。

請求項8

前記放電灯が点灯してから、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が増加する第1立上期間と、前記駆動電力が一定の値に維持される第2立上期間と、を有し、前記設定タイミングは、前記第1立上期間の任意の時点に設定され、前記設定タイミングにおいて検出された前記放電灯の電極間電圧から、前記定常点灯期間における電極間電圧を推定する、請求項7に記載の放電灯駆動装置。

請求項9

前記第2情報は、前記設定タイミングにおける前記放電灯の累積点灯時間を含む、請求項6から8に記載の放電灯駆動装置。

請求項10

前記制御部は、前記高電力駆動の終了後から次の前記設定タイミングまでの間に実行される前記放電灯の駆動に関する第3情報に基づいて、前記第1実行情報を設定する、請求項1から9のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項11

前記第3情報は、前記放電灯に供給される前記駆動電力を含む、請求項10に記載の放電灯駆動装置。

請求項12

前記第3情報は、前回放電灯点灯時の前記放電灯の電極間電圧を含む、請求項10または11に記載の放電灯駆動装置。

請求項13

前記放電灯が点灯してから、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が増加する第1立上期間と、前記駆動電力が一定の値に維持される第2立上期間と、を有し、前記設定タイミングは、前記第1立上期間の任意の時点に設定され、前回の放電灯点灯時の前記放電灯の電極間電圧から、前記定常点灯期間における電極間電圧を推定する、請求項12に記載の放電灯駆動装置。

請求項14

前記第1実行情報は、前記高電力駆動の実行が抑制される抑制時間を含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項15

前記第1実行情報は、前記高電力駆動の実行の有無を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項16

前記第1実行情報は、前記高電力駆動の駆動パラメーターを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項17

前記駆動パラメーターは、前記高電力駆動の前記第2駆動電力を含む、請求項16に記載の放電灯駆動装置。

請求項18

前記駆動パラメーターは、前記高電力駆動において前記放電灯に供給される駆動電流波形を含む、請求項16または17に記載の放電灯駆動装置。

請求項19

前記駆動パラメーターは、前記高電力駆動の実行時間を含む、請求項16から18のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項20

前記制御部は、前記放電灯が点灯してから、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御する、請求項1から19のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項21

前記立上期間は、前記駆動電力が増加する第1立上期間と、前記駆動電力が一定の値に維持される第2立上期間と、を有し、前記第1立上期間において、前記駆動電力は、前記第2駆動電力に向けて増加し、前記第2立上期間において、前記駆動電力は、前記第2駆動電力の値に維持され、前記制御部は、前記第2立上期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御する、請求項20に記載の放電灯駆動装置。

請求項22

前記制御部は、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御する、請求項1から19のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項23

前記第2駆動電力は、前記放電灯の電極間電圧が大きくなるに従って大きく設定される、請求項1から22のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項24

前記制御部は、前記電極の先端に形成される突起成長を促進する突起形成駆動を実行可能であり、前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行する、請求項1から23のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項25

前記突起形成駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含む、請求項24に記載の放電灯駆動装置。

請求項26

前記高電力駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含み、前記突起形成駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合は、前記高電力駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合よりも大きい、請求項25に記載の放電灯駆動装置。

請求項27

前記定常点灯駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含み、前記突起形成駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合は、前記定常点灯駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合よりも大きい、請求項26に記載の放電灯駆動装置。

請求項28

前記制御部は、前記突起形成駆動において、前記第1駆動電力よりも大きく、かつ、前記第2駆動電力よりも小さい第3駆動電力が前記放電灯に供給されるように前記放電灯駆動部を制御する、請求項24から27のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項29

前記制御部は、前記突起形成駆動の少なくとも一部の期間において前記放電灯に供給される駆動電力が、前記第1駆動電力から前記第2駆動電力に向かって連続的に変化するように前記放電灯駆動部を制御する、請求項24から27のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項30

前記制御部は、前記第1情報に基づいて、前記突起形成駆動の第2実行情報を設定する、請求項24から29のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項31

前記制御部は、前記放電灯の劣化情報に基づいて、前記突起形成駆動の第2実行情報を設定する、請求項24から30のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項32

前記劣化情報は、前記放電灯の電極間電圧である、請求項31に記載の放電灯駆動装置。

請求項33

前記第2実行情報は、前記突起形成駆動の実行時間を含む、請求項30から32のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項34

前記突起形成駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含み、前記第2実行情報は、前記突起形成駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合を含む、請求項30から33のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置。

請求項35

光を射出する放電灯と、請求項1から34のいずれか一項に記載の放電灯駆動装置と、を備えることを特徴とする光源装置

請求項36

請求項35に記載の光源装置と、前記光源装置から射出される光を映像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を投射する投射光学系と、を備えることを特徴とするプロジェクター

請求項37

電極を有する放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を含む放電灯駆動方法であって、所定の設定タイミングにおいて、前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定することを特徴とする放電灯駆動方法。

請求項38

前記電極の先端に形成される突起の成長を促進する突起形成駆動を含み、前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行する、請求項37に記載の放電灯駆動方法。

技術分野

0001

本発明は、放電灯駆動装置光源装置プロジェクターおよび放電灯駆動方法に関する。

背景技術

0002

近年、プロジェクターには省エネルギー化が求められている。そのため、ランプへの駆動電力を通常よりも低下させる低電力モード映像信号に同期して駆動電力を変化させる調光モード、外部から映像信号が入力されていないときに駆動電力を低下させる待機モードなど、各種の点灯モードを搭載したプロジェクターが提供されている。例えば低電力モードでは、ランプに供給される駆動電力が低いため、電極への負荷が小さくなり、ランプの寿命が長くなる。

0003

しかしながら、駆動電力が定格電力よりも小さい場合、電極先端突起を充分に溶融させることができず、点灯を長時間続けると、突起が損耗縮小する。突起の縮小は電極間距離が広がることとなり、照度の低下を引き起こす。つまり、電極先端の突起の形状を維持できない場合、低電力モードの利点を生かせず、ランプの寿命が短くなるという問題が生じる。そこで、この問題を解決するために、ランプ点灯開始後の所定の期間において、電極の突起の溶融を促進するリフレッシュ点灯モードでランプを駆動する放電灯点灯装置、およびプロジェクターが提案されている(下記の特許文献1参照)。

先行技術

0004

特開2008−270058号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1のプロジェクターの場合、リフレッシュ点灯モードでは定格電力値を超えるランプ電力が供給される。この場合、通常点灯時に形成された突起が溶融され過ぎ、突起の形状が維持できないことが考えられる。その結果、ランプは、安定した放電を維持できず、フリッカーが発生する。また、発光管への負荷が大きく、石英ガラス結晶現象、いわゆる失透などの不具合が生じる虞がある。

0006

本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、安定した放電を維持することができる放電灯駆動装置、光源装置、プロジェクターおよび放電灯駆動方法を提供することを目的の一つとする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の放電灯駆動装置の一つの態様は、電極を有する放電灯に駆動電力を供給する放電灯駆動部と、前記放電灯に関する情報を記憶する記憶部と、前記放電灯駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を実行可能であり、前記制御部は、所定の設定タイミングにおいて、前記記憶部に記憶された前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定し、前記第1実行情報に従って前記放電灯駆動部を制御することを特徴とする。

0008

本発明の放電灯駆動装置の一つの態様によれば、記憶部に記憶された高電力駆動に関する第1情報に基づいて、高電力駆動の第1実行情報が設定される。そのため、電極先端の突起の状態に応じて、高電力駆動時において突起に加えられる熱負荷の大きさを調整できる。したがって、本発明の放電灯駆動装置の一つの態様によれば、突起が溶融され過ぎることを抑制でき、放電灯の放電を安定して維持することができる。

0009

前記第1情報は、前記高電力駆動の終了後から次の前記設定タイミングまでの間における前記放電灯の点灯時間を含む構成としてもよい。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0010

前記第1情報は、前記高電力駆動時において検出された前記放電灯の電極間電圧を含む構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯の劣化度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0011

前記第1情報は、前記高電力駆動時の前記放電灯に供給される前記第2駆動電力を含む構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動時における電極先端の突起の溶融度合いに応じて、その後の高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0012

前記第1情報は、前記高電力駆動の駆動電流波形を含む構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動時における電極先端の突起の溶融度合いに応じて、その後の高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0013

前記制御部は、前記設定タイミングにおける前記放電灯の点灯状態に関する第2情報に基づいて、前記第1実行情報を設定する構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動に関する第1情報と、設定タイミングにおける放電灯の点灯状態に関する第2情報と、に基づいて高電力駆動の第1実行情報を設定できるため、より適切に高電力駆動を実行できる。

0014

前記第2情報は、前記設定タイミングにおいて検出された前記放電灯の電極間電圧を含む構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯の劣化の度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0015

前記放電灯が点灯してから、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が増加する第1立上期間と、前記駆動電力が一定の値に維持される第2立上期間と、を有し、前記設定タイミングは、前記第1立上期間の任意の時点に設定され、前記設定タイミングにおいて検出された前記放電灯の電極間電圧から、前記定常点灯期間における電極間電圧を推定する構成としてもよい。
この構成によれば、1回の点灯毎に第1立上期間での電極間電圧を参照するため、定常点灯駆動時の電極間電圧を精度良く推定でき、放電灯の劣化の程度を的確に検出することができる。

0016

前記第2情報は、前記設定タイミングにおける前記放電灯の累積点灯時間を含む構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯の劣化の度合いに応じて高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0017

前記制御部は、前記高電力駆動の終了後から次の前記設定タイミングまでの間に実行される前記放電灯の駆動に関する第3情報に基づいて、前記第1実行情報を設定する構成としてもよい。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて、より適切に高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0018

前記第3情報は、前記放電灯に供給される前記駆動電力を含む構成としてもよい。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて、より適切に高電力駆動の第1実行情報を設定できる。

0019

前記第3情報は、前回放電灯点灯時の前記放電灯の電極間電圧を含む構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯の劣化の程度をより的確に検出できる。

0020

前記放電灯が点灯してから、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間は、前記駆動電力が増加する第1立上期間と、前記駆動電力が一定の値に維持される第2立上期間と、を有し、前記設定タイミングは、前記第1立上期間の任意の時点に設定され、前回の放電灯点灯時の前記放電灯の電極間電圧から、前記定常点灯期間における電極間電圧を推定する構成としてもよい。
この構成によれば、前回の点灯時に記憶済みの電極間電圧を次回の点灯時に参照するため、定常点灯駆動時の電極間電圧を容易に推定でき、放電灯の劣化の程度を的確に検出することができる。

0021

前記第1実行情報は、前記高電力駆動の実行が抑制される抑制時間を含む構成としてもよい。
この構成によれば、電極先端の突起の成長度合いに応じて、適切に高電力駆動の実行を抑制できる。

0022

前記第1実行情報は、前記高電力駆動の実行の有無を含む構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動の実行後、電極先端の突起が十分に成長するまで次の高電力駆動が実行されることを抑制できる。

0023

前記第1実行情報は、前記高電力駆動の駆動パラメーターを含む構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動の実行後、電極先端の突起の成長度合いに応じて、次の高電力駆動の駆動パラメーターを適切に設定できる。

0024

前記駆動パラメーターは、前記高電力駆動の前記第2駆動電力を含む構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動の第2駆動電力を制御することで、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制できる。

0025

前記駆動パラメーターは、前記高電力駆動において前記放電灯に供給される駆動電流波形を含む構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動の駆動電流波形を制御することで、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制できる。

0026

前記駆動パラメーターは、前記高電力駆動の実行時間を含む構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動の実行時間を制御することで、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制できる。

0027

前記制御部は、前記放電灯が点灯してから、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間に移行するまでの立上期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動を行った際に、放電灯がちらつくことを抑制できる。

0028

前記立上期間は、前記駆動電力が増加する第1立上期間と、前記駆動電力が一定の値に維持される第2立上期間と、を有し、前記第1立上期間において、前記駆動電力は、前記第2駆動電力に向けて増加し、前記第2立上期間において、前記駆動電力は、前記第2駆動電力の値に維持され、前記制御部は、前記第2立上期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、電極先端の突起を適度に溶融させることができ、突起の形状を維持することができる。

0029

前記制御部は、前記定常点灯駆動が行われる定常点灯期間において、前記高電力駆動を実行するように前記放電灯駆動部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯の点灯状態を把握しやすく、高電力駆動の第1実行情報をより適切に設定できる。

0030

前記第2駆動電力は、前記放電灯の電極間電圧が大きくなるに従って大きく設定される構成としてもよい。
この構成によれば、劣化が進行していない放電灯に対して第2駆動電力を相対的に小さく、劣化が進行している放電灯に対して第2駆動電力を相対的に大きくすることにより、放電灯の電極先端の突起が過度に溶融することを抑制し、突起の形状を維持することができる。

0031

前記制御部は、前記電極の先端に形成される突起の成長を促進する突起形成駆動を実行可能であり、前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行する構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動を実行した後で、かつ、定常点灯駆動を実行する前に、放電灯の電極先端の突起の成長を促進する突起形成駆動が実行される。そのため、高電力駆動で扁平化した突起が、突起形成駆動によって成長し、先鋭化する。これにより、突起の形状が扁平化した状態で定常点灯駆動に移行することが抑制され、その結果、放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。

0032

前記突起形成駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含む構成としてもよい。
この構成によれば、突起形成駆動において電極先端の突起の成長を促進できる。

0033

前記高電力駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含み、前記突起形成駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合は、前記高電力駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合よりも大きい構成としてもよい。
この構成によれば、突起形成駆動において電極先端の突起の成長をより促進できる。

0034

前記定常点灯駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含み、前記突起形成駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合は、前記定常点灯駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合よりも大きい構成としてもよい。
この構成によれば、突起が細くなり、電極間距離が大きくなることが抑制される。

0035

前記制御部は、前記突起形成駆動において、前記第1駆動電力よりも大きく、かつ、前記第2駆動電力よりも小さい第3駆動電力が前記放電灯に供給されるように前記放電灯駆動部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、駆動電力が急激に変化することが抑制され、放電灯にかかる負荷が低減される。

0036

前記制御部は、前記突起形成駆動の少なくとも一部の期間において前記放電灯に供給される駆動電力が、前記第1駆動電力から前記第2駆動電力に向かって連続的に変化するように前記放電灯駆動部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、駆動電力が急激に変化することがより抑制され、放電灯にかかる負荷がより低減される。

0037

前記制御部は、前記第1情報に基づいて、前記突起形成駆動の第2実行情報を設定する構成としてもよい。
この構成によれば、高電力駆動における電極先端の突起の溶融度合いに応じて、突起形成駆動を制御できるため、より放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。

0038

前記制御部は、前記放電灯の劣化情報に基づいて、前記突起形成駆動の第2実行情報を設定する構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯の劣化状態に応じて、適切に突起形成駆動の第2実行情報を設定できる。

0039

前記劣化情報は、前記放電灯の電極間電圧である構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯の劣化状態を把握できる。

0040

前記第2実行情報は、前記突起形成駆動の実行時間を含む構成としてもよい。
この構成によれば、電極先端の突起が扁平化した状態で定常点灯駆動が実行されることを抑制できる。

0041

前記突起形成駆動の駆動電流は、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を含み、前記第2実行情報は、前記突起形成駆動の実行時間に対して前記交流電流が供給される時間の割合を含む構成としてもよい。
この構成によれば、電極先端の突起が扁平化した状態で定常点灯駆動が実行されることを抑制できる。

0042

本発明の光源装置の一つの態様は、光を射出する放電灯と、上記の放電灯駆動装置と、を備えることを特徴とする。

0043

本発明の光源装置の一つの態様によれば、上記の放電灯駆動装置を備えるため、放電灯の放電を安定して維持することができる。

0044

本発明のプロジェクターの一つの態様は、上記の光源装置と、前記光源装置から射出される光を映像信号に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子により変調された光を投射する投射光学系と、を備えることを特徴とする。
本発明のプロジェクターの一つの態様によれば、上記の光源装置を備えるため、放電灯の放電を安定して維持することができる。

0045

本発明の放電灯駆動方法の一つの態様は、電極を有する放電灯に第1駆動電力を供給する定常点灯駆動と、前記放電灯に前記第1駆動電力よりも大きい第2駆動電力を供給する高電力駆動と、を含む放電灯駆動方法であって、所定の設定タイミングにおいて、前記高電力駆動に関する第1情報に基づいて前記高電力駆動の第1実行情報を設定することを特徴とする。

0046

本発明の放電灯駆動方法の一つの態様によれば、上記と同様にして、放電灯の放電を安定して維持することができる。
また、本発明の放電灯駆動方法の一つの態様によれば、上記と同様にして、電極先端の突起が過度に溶融することを抑制し、放電灯の電極間距離が広がることを抑制できる。

0047

前記電極の先端に形成される突起の成長を促進する突起形成駆動を含み、前記高電力駆動を実行した後で、かつ、前記定常点灯駆動を実行する前に、前記突起形成駆動を実行する駆動方法としてもよい。
この駆動方法によれば、上記と同様にして、放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。

図面の簡単な説明

0048

第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
第1実施形態における放電灯の断面図である。
第1実施形態のプロジェクターの各種構成要素を示すブロック図である。
第1実施形態の放電灯点灯装置の回路図である。
第1実施形態の制御部の一構成例を示すブロック図である。
放電灯の電極先端の突起の様子を示す図である。
第1実施形態の駆動電力波形の一例を示す図である。
第1実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。
第2実施形態の駆動電力波形の一例を示す図である。
第2実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。
第3実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。
第4実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。
第5実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。
第5実施形態における高電力モードの駆動電流波形の一例を示す図である。
第5実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の他の一例を示すフローチャートである。
第6実施形態の駆動電力波形の一例を示す図である。
第6実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。
第7実施形態の駆動電力波形の一例を示す図である。
第7実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。
放電灯の電極先端の溶融状態を示す図である。
第7実施形態の駆動電力波形の他の一例を示す図である。
第8実施形態の制御部による放電灯駆動部の制御手順の一例を示すフローチャートである。

実施例

0049

以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。

0050

(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ(光変調素子)330R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投射光学系350と、を備えている。

0051

光源装置200から射出された光は、平行化レンズ305を通過して照明光学系310に入射する。平行化レンズ305は、光源装置200からの光を平行化する機能を有する。

0052

照明光学系310は、光源装置200から射出される光の照度を、液晶ライトバルブ330R,330G,330B上において均一化するように調整する機能を有する。照明光学系310は、光源装置200から射出される光の偏光方向を一方向に揃える機能も有する。その理由は、光源装置200から射出される光を液晶ライトバルブ330R,330G,330Bで有効に利用するためである。

0053

照度分布と偏光方向とが調整された光は、色分離光学系320に入射する。色分離光学系320は、入射光赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の3つの色光に分離する。3つの色光は、各色に対応付けられた液晶ライトバルブ330R,330G,330Bによりそれぞれ変調される。液晶ライトバルブ330R,330G,330Bは、後述する液晶パネル560R,560G,560Bと、偏光板(図示せず)と、を備えている。偏光板は、液晶パネル560R,560G,560Bのそれぞれの光入射側および光射出側に配置される。

0054

変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム340により合成される。合成光は投射光学系350に入射する。投射光学系350は、入射光をスクリーン700(図3参照)に投射する。これにより、スクリーン700上に映像が表示される。なお、平行化レンズ305、照明光学系310、色分離光学系320、クロスダイクロイックプリズム340および投射光学系350の各々の構成としては、周知の種々の構成を採用することができる。

0055

図2は、光源装置200の構成を示す図である。光源装置200は、光源ユニット210と、放電灯点灯装置(放電灯駆動装置)10と、を備えている。図2には、光源ユニット210の断面図が示されている。光源ユニット210は、主反射鏡112と、放電灯90と、副反射鏡50と、を備えている。

0056

放電灯点灯装置10は、放電灯90に駆動電流(駆動電力)を供給して放電灯90を点灯させる。主反射鏡112は、放電灯90から放出された光を照射方向Dに向けて反射する。照射方向Dは、放電灯90の光軸AXと平行である。

0057

放電灯90の形状は、照射方向Dに沿って延びる棒状である。放電灯90の一方の端部(図示左側の端部)を第1端部90e1とし、放電灯90の他方の端部(図示右側の端部)を第2端部90e2とする。放電灯90の材料は、例えば、石英ガラス等の透光性材料である。放電灯90の中央部は球状に膨らんでおり、その内部は放電空間91である。放電空間91には、希ガス金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガス封入されている。

0058

放電空間91には、第1電極(電極)92および第2電極(電極)93の先端が突出している。第1電極92は、放電空間91の第1端部90e1側に配置されている。第2電極93は、放電空間91の第2端部90e2側に配置されている。第1電極92および第2電極93の形状は、光軸AXに沿って延びる棒状である。放電空間91には、第1電極92および第2電極93の電極先端部が、所定距離だけ離れて対向するように配置されている。第1電極92および第2電極93の材料は、例えば、タングステン等の金属である。

0059

放電灯90の第1端部90e1に、第1端子536が設けられている。第1端子536と第1電極92とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材534により電気的に接続されている。同様に、放電灯90の第2端部90e2に、第2端子546が設けられている。第2端子546と第2電極93とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材544により電気的に接続されている。第1端子536および第2端子546の材料は、例えば、タングステン等の金属である。導電性部材534,544の材料としては、例えば、モリブデン箔が利用される。

0060

第1端子536および第2端子546は、放電灯点灯装置10に接続されている。放電灯点灯装置10は、第1端子536および第2端子546に、放電灯90を駆動するための駆動電流を供給する。その結果、第1電極92および第2電極93の間でアーク放電が起きる。アーク放電により発生した光(放電光)は、破線の矢印で示すように、放電位置から全方向に向かって放射される。

0061

主反射鏡112は、固定部材114により、放電灯90の第1端部90e1に固定されている。主反射鏡112は、放電光のうち、照射方向Dと反対側に向かって進む光を照射方向Dに向かって反射する。主反射鏡112の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電光を照射方向Dに向かって反射できる範囲内において、特に限定されず、例えば、回転楕円形状であっても、回転放物線形状であってもよい。例えば、主反射鏡112の反射面の形状を回転放物線形状とした場合、主反射鏡112は、放電光を光軸AXに略平行な光に変換することができる。これにより、平行化レンズ305を省略することができる。

0062

副反射鏡50は、固定部材522により、放電灯90の第2端部90e2側に固定されている。副反射鏡50の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電空間91の第2端部90e2側の部分を囲む球面形状である。副反射鏡50は、放電光のうち、主反射鏡112が配置された側と反対側に向かって進む光を主反射鏡112に向かって反射する。これにより、放電空間91から放射される光の利用効率を高めることができる。

0063

固定部材114,522の材料は、放電灯90からの発熱に耐え得る耐熱材料である範囲内において、特に限定されず、例えば、無機接着剤である。主反射鏡112および副反射鏡50と放電灯90との配置を固定する方法としては、主反射鏡112および副反射鏡50を放電灯90に固定する方法に限らず、任意の方法を採用できる。例えば、放電灯90と主反射鏡112とを、独立にプロジェクター500の筐体(図示せず)に固定してもよい。副反射鏡50についても同様である。

0064

以下、プロジェクター500の回路構成について説明する。
図3は、本実施形態のプロジェクター500の回路構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、図1に示した光学系の他、画像信号変換部510と、直流電源装置80と、液晶パネル560R,560G,560Bと、画像処理装置570と、CPU(Central Processing Unit)580と、を備えている。

0065

画像信号変換部510は、外部から入力された画像信号502(輝度色差信号アナログRGB信号など)を所定のワード長デジタルRGB信号に変換して画像信号512R,512G,512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。

0066

画像処理装置570は、3つの画像信号512R,512G,512Bに対してそれぞれ画像処理を行う。画像処理装置570は、液晶パネル560R,560G,560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R,572G,572Bを液晶パネル560R,560G,560Bに供給する。

0067

直流電源装置80は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換する。直流電源装置80は、トランス(図示しないが、直流電源装置80に含まれる)の2次側にある画像信号変換部510、画像処理装置570およびトランスの1次側にある放電灯点灯装置10に直流電圧を供給する。

0068

放電灯点灯装置10は、起動時に放電灯90の電極間高電圧を発生し、絶縁破壊を生じさせて放電路を形成する。以後、放電灯点灯装置10は、放電灯90が放電を維持するための駆動電流Iを供給する。

0069

液晶パネル560R,560G,560Bは、前述した液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにそれぞれ備えられている。液晶パネル560R,560G,560Bは、それぞれ駆動信号572R,572G,572Bに基づいて、前述した光学系を介して各液晶パネル560R,560G,560Bに入射される色光の透過率(輝度)を変調する。

0070

CPU580は、プロジェクター500の点灯開始から消灯に至るまでの各種の動作を制御する。例えば、図3の例では、通信信号582を介して点灯命令消灯命令を放電灯点灯装置10に出力する。CPU580は、放電灯点灯装置10から通信信号584を介して放電灯90の点灯情報を受け取る。

0071

以下、放電灯点灯装置10の構成について説明する。
図4は、放電灯点灯装置10の回路構成の一例を示す図である。
放電灯点灯装置10は、図4に示すように、電力制御回路20と、極性反転回路30と、制御部40と、記憶部44と、動作検出部60と、イグナイター回路70と、を備えている。

0072

電力制御回路20は、放電灯90に供給する駆動電力を生成する。本実施形態においては、電力制御回路20は、直流電源装置80からの電圧を入力とし、その入力電圧降圧して直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。

0073

電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23およびコンデンサー24を含んで構成される。スイッチ素子21は、例えば、トランジスターで構成される。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源装置80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子およびコイル23の一端に接続されている。

0074

コイル23の他端にコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子および直流電源装置80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には、後述する制御部40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。

0075

スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネルギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッチ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。

0076

極性反転回路30は、電力制御回路20から入力される直流電流Idを所定のタイミングで極性反転させる。これにより、極性反転回路30は、制御された時間だけ継続する直流である駆動電流I、もしくは、任意の周波数を持つ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。本実施形態において、極性反転回路30は、インバーターブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。

0077

極性反転回路30は、例えば、トランジスターなどで構成される第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34を含んでいる。極性反転回路30は、直列接続された第1のスイッチ素子31および第2のスイッチ素子32と、直列接続された第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34と、が互いに並列接続された構成を有する。第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34の制御端子には、それぞれ制御部40から極性反転制御信号が入力される。この極性反転制御信号に基づいて、第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34のON/OFF動作が制御される。

0078

極性反転回路30においては、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34と、第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33と、を交互にON/OFFさせる動作が繰り返される。これにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの極性が交互に反転する。極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31と第2のスイッチ素子32との共通接続点、および第3のスイッチ素子33と第4のスイッチ素子34との共通接続点から、制御された時間だけ同一極性状態を継続する直流である駆動電流I、もしくは制御された周波数をもつ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。

0079

すなわち、極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がOFFであり、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がOFFのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONであるように制御される。したがって、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには、コンデンサー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90、第4のスイッチ素子34の順に流れる駆動電流Iが発生する。第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONのときには、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90、第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。

0080

本実施形態において、電力制御回路20と極性反転回路30とを合わせた部分が放電灯駆動部230に対応する。すなわち、放電灯駆動部230は、放電灯90を駆動する駆動電流Iを放電灯90に供給する。

0081

制御部40は、放電灯駆動部230を制御する。図4の例では、制御部40は、電力制御回路20および極性反転回路30を制御することにより、駆動電流Iが同一極性を継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、点灯モード等を制御する。

0082

制御部40は、極性反転回路30に対して、駆動電流Iの極性反転タイミングにより、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの周波数等を制御する極性反転制御を行う。また、制御部40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する電流制御を行う。

0083

本実施形態においては、制御部40は、放電灯90に定常点灯電力(第1駆動電力)Wsが供給される定常点灯モード(定常点灯駆動)と、放電灯90に定常点灯電力Wsよりも大きいリフレッシュ電力(第2駆動電力)Wrが供給される高電力モード(高電力駆動)とを実行可能である。本実施形態においては、リフレッシュ電力Wrは、例えば、放電灯90の定格電力Wt以下である。

0084

制御部40は、所定の設定タイミングにおいて、後述する第1情報に基づいて高電力モードの第1実行情報を設定する。詳細については後述する。
なお、本明細書において「設定タイミング」とは、第1実行情報を設定する瞬間のみを意味するものではなく、各種情報の参照等、制御部40が第1実行情報を設定するために作動する期間全体を意味するものとする。
また、本明細書において、第1実行情報とは、高電力モードの実行情報である。

0085

制御部40の構成は、特に限定されない。本実施形態においては、制御部40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42、および極性反転回路コントローラー43を含んで構成されている。なお、制御部40は、その一部または全てを半導体集積回路で構成してもよい。

0086

システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20および極性反転回路30を制御する。システムコントローラー41は、動作検出部60が検出したランプ電圧(電極間電圧)および駆動電流Iに基づき、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御してもよい。

0087

本実施形態においては、システムコントローラー41には、記憶部44が接続されている。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20および極性反転回路30を制御する。記憶部44には、例えば、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、波形、変調パターン等の駆動パラメーターに関する情報が格納されている。

0088

記憶部44は、制御部40によって制御され、高電力モードに関する第1情報が記憶される。
第1情報は、高電力モードに関係するあらゆる情報を含む。第1情報としては、例えば、高電力モードにおける、駆動電流Iの波形、駆動電力(リフレッシュ電力Wr)、実行時間、ランプ電圧、駆動リフレッシュ効果や、高電力モードが終了した時刻、高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間における放電灯90の点灯時間、等が挙げられる。駆動リフレッシュ効果は、第1電極92および第2電極93に加えられる熱負荷の大きさである。詳細については、第7実施形態において述べる。

0089

また、記憶部44には、第1情報に応じた高電力モードの第1実行情報、および第1情報から高電力モードの第1実行情報を得るためのルックアップテーブルや演算式等が格納されている。
高電力モードの第1実行情報は、高電力モードを実行するために必要なあらゆる情報を含む。第1実行情報としては、例えば、高電力モードの実行が抑制される高電力モード抑制時間(抑制時間)や、高電力モードの実行の有無、高電力モードの駆動パラメーター等が挙げられる。

0090

第1情報は、高電力モードの第1実行情報について設定する設定タイミングにおいて、システムコントローラー41によって参照される。システムコントローラー41(制御部40)は、記憶部44の第1情報に応じて、高電力モードの第1実行情報を設定し、駆動電流Iを制御する。第1情報は、例えば、高電力モードが実行される度に更新、あるいは蓄積され、記憶部44に記憶される。

0091

電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御する。

0092

極性反転回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、極性反転回路30へ極性反転制御信号を出力することにより、極性反転回路30を制御する。

0093

制御部40は、専用回路を用いて実現され、上述した制御や後述する処理の各種制御を行うようにすることができる。制御部40は、例えば、CPUが記憶部44に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。

0094

図5は、制御部40の他の構成例について説明するための図である。図5に示すように、制御部40は、制御プログラムにより、電力制御回路20を制御する電流制御手段40−1、極性反転回路30を制御する極性反転制御手段40−2として機能するように構成されてもよい。

0095

図4に示した例では、制御部40は、放電灯点灯装置10の一部として構成されている。これに対して、制御部40の機能の一部をCPU580が担うように構成されていてもよい。

0096

動作検出部60は、例えば、放電灯90のランプ電圧を検出し、制御部40に駆動電圧情報を出力する電圧検出部、駆動電流Iを検出し、制御部40に駆動電流情報を出力する電流検出部などを含んでいてもよい。本実施形態においては、動作検出部60は、第1の抵抗61、第2の抵抗62および第3の抵抗63を含んで構成されている。

0097

本実施形態において、電圧検出部は、放電灯90と並列に、互いに直列接続された第1の抵抗61および第2の抵抗62で分圧した電圧によりランプ電圧を検出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により駆動電流Iを検出する。

0098

イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時にのみ動作する。イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時に放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(放電灯90の通常点灯時よりも高い電圧)を放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)に供給する。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90と並列に接続されている。

0099

以下、駆動電流Iの極性と電極の温度との関係について説明する。
図6(a),(b)は、第1電極92および第2電極93の動作状態を示す図である。
図6(a),(b)には、第1電極92および第2電極93の先端部分が示されている。第1電極92および第2電極93の先端にはそれぞれ突起552p,562pが形成されている。第1電極92と第2電極93との間で生じる放電は、主として突起552pと突起562pとの間で生じる。

0100

図6(a)は、第1電極92が陽極として動作し、第2電極93が陰極として動作する第1極性状態を示している。第1極性状態では、放電により、第2電極93(陰極)から第1電極92(陽極)へ電子が移動する。陰極(第2電極93)からは電子が放出される。陰極(第2電極93)から放出された電子は陽極(第1電極92)の先端に衝突する。この衝突によって熱が生じ、陽極(第1電極92)の先端(突起552p)の温度が上昇する。一方、電子を放出する側となる陰極(第2電極93)の先端(突起562p)の温度は低下する。

0101

図6(b)は、第1電極92が陰極として動作し、第2電極93が陽極として動作する第2極性状態を示している。第2極性状態では、第1極性状態とは逆に、第1電極92から第2電極93へ電子が移動する。その結果、第2電極93の先端(突起562p)の温度が上昇する。一方、第1電極92の先端(突起552p)の温度は低下する。

0102

以上のように、電子が衝突する陽極の温度は上昇し、電子を放出する陰極の温度は低下する。すなわち、第1極性状態においては、第1電極92の温度が上昇し、第2電極93の温度が低下する。第2極性状態においては、第2電極93の温度が上昇し、第1電極92の温度が低下する。

0103

このように、電子が衝突する陽極の温度は、電子を放出する陰極の温度と比べて高くなりやすい。ここで、一方の電極の温度が他方の電極と比べて高い状態が続くことは、種々の不具合を引き起こす虞がある。例えば、高温となる電極の先端が過剰に溶けた場合には、意図しない電極の変形が生じ得る。その結果、電極間距離(アーク長)が適正値からずれ、照度が安定しない虞がある。逆に、低温となる電極の先端の溶融が不十分な場合には、先端に生じた微小凹凸が溶けずに残る虞がある。その結果、いわゆるアークジャンプが生じる(アーク位置が安定せずに移動する)場合がある。

0104

なお、第1電極92と第2電極93とは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して第1電極92についてのみ説明する場合がある。また、第1電極92の先端の突起552pと第2電極93の先端の突起562pとは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して突起552pについてのみ説明する場合がある。

0105

次に、本実施形態における放電灯90へ供給される駆動電力の制御、すなわち、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御について説明する。
図7は、本実施形態の駆動電力の波形を示す図である。図7において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図7では、放電灯90を点灯させた時点から定常点灯状態になるまでの駆動電力Wの変化を示している。

0106

図7に示すように、放電灯90の点灯を開始すると、駆動電力は徐々に上昇した後、所定の目標電力に到達する。このとき、放電灯90の内部のプラズマ密度は小さく、温度は低く、駆動電力Wは不安定な状態である。その後、放電灯90の内部のプラズマ密度が大きく、温度が高くなるにつれて、駆動電力Wは安定な状態となる。放電灯90の点灯開始から駆動電力Wが安定するまでの期間を立上期間PH1と定義する。立上期間PH1が過ぎた後は継続的に放電灯90を点灯させる期間に入る。この期間を定常点灯期間PH2と定義する。

0107

本実施形態の駆動電力波形においては、立上期間PH1は、リフレッシュ電力(第2駆動電力)Wrに向けて駆動電力Wが徐々に増加する第1立上期間PH11と、駆動電力Wがリフレッシュ電力Wrの値に一定に維持される第2立上期間PH12と、を有している。第2立上期間PH12は、すなわち、高電力モードで放電灯90が駆動される高電力点灯期間である。言い換えると、本実施形態においては、放電灯90が点灯してから、定常点灯期間PH2に移行するまでの立上期間PH1において、高電力モードが実行される。
第1立上期間PH11の長さ、および第2立上期間PH12の長さ(実行時間tr1)は適宜設定することができる。

0108

定常点灯期間PH2は、放電灯90に定常点灯電力(第1駆動電力)Wsが供給される定常点灯モードが実行される期間である。定常点灯電力Wsは、第2立上期間PH12におけるリフレッシュ電力Wrよりも小さい。

0109

具体的には、一例として、放電灯90の定格電力Wtが200Wであり、定常点灯電力Wsが140Wであり、リフレッシュ電力Wrが190Wである。

0110

ランプ点灯開始、すなわち、時刻0から時刻Tbまでの第1立上期間PH11では、駆動電力Wは0Vから190Wに向けて直線的に増加する。時刻Tbから時刻Tcまでの第2立上期間PH12では、駆動電力Wは190Wで一定に維持される。時刻Tc以降の定常点灯期間PH2では、駆動電力は140Wで一定に維持される。時刻Tbは、一例としてランプ点灯開始から45秒後の時点であり、時刻Tcは、一例としてランプ点灯開始から100秒後の時点である。すなわち、例えば、高電力モードの実行時間tr1は、55秒間である。

0111

図4に示す制御部40は、高電力モードに関する第1情報と、設定タイミングにおける放電灯90の点灯状態に関する第2情報とに基づいて、高電力モードの第1実行情報を設定し、その第1実行情報に従って放電灯駆動部230を制御する。

0112

第2情報は、高電力モードの第1実行情報を設定する設定タイミングにおける放電灯90の点灯状態に関係するあらゆる情報を含む。第2情報としては、例えば、設定タイミングにおける放電灯90の累積点灯時間、ランプ電圧、点灯モード、駆動電力等の駆動パラメーター等が挙げられる。

0113

具体的には、本実施形態において制御部40は、ランプ電圧(第2情報)を参照して放電灯90の劣化の程度を検出し、その放電灯90の劣化の程度に応じたリフレッシュ電力Wrの値(第1情報)を、記憶部44を参照して取得する。これにより、高電力モードの第1実行情報を適宜設定する。

0114

放電灯90の劣化(損耗)が進行している程、電極間距離の増大に伴ってランプ電圧が高くなる。このとき、リフレッシュ電力Wrを高くして電極先端の突起をより溶融させる必要がある。特に低電力モードで放電灯90を駆動した場合、電極の先端部分のみが溶融して微小な突起が形成される。低電力モードでは電極が溶融しにくいため、突起が変形しやすく、投影画面のちらつきが発生するおそれがある。ところが、微小な突起を適切に形成すれば、その突起によりアーク放電が安定し、ちらつきが抑えられる。

0115

劣化していない新品の放電灯90に対してリフレッシュ電力Wrを高くすると、電極の先端が溶融し過ぎ、微小な突起が消滅してしまう。劣化が進行した放電灯90では電流値が低くなる分、度を保ちながら電極を適度に溶融させることができる。そのため、劣化が進行していない放電灯90に対してリフレッシュ電力Wrを相対的に低く、劣化が進行している放電灯90に対してリフレッシュ電力Wrを相対的に高くする。言い換えると、リフレッシュ電力Wrは、ランプ電圧が大きくなるに従って大きく設定される。このように、プロジェクターの設計者は、ランプ電圧と、そのランプ電圧に対して最適なリフレッシュ電力Wrとの相関関係を予め求めておくことで、投影画面のちらつきを抑えることができる。ランプ電圧とリフレッシュ電力Wrとの相関関係の一例を[表1]に示す。

0116

0117

次に、制御部40による放電灯駆動部230の制御について説明する。以下の説明においては、制御部40がランプ電圧(電極間電圧)を参照してからリフレッシュ電力Wrを決定するまでの第1の手順について、図8を用いて説明する。
放電灯90が点灯開始されて(ステップS01)、第1立上期間PH11内においてランプ電圧を参照するまでの時間、すなわち、ランプ電圧を参照する時刻Taを予め設定しておく。時刻Taは、例えば、ランプ点灯開始から20秒後の時点とする。制御部40は、放電灯90の点灯が開始してから時刻Ta(20秒)が経過したか否かを判断する(ステップS02)。

0118

時刻Ta(20秒)が経過したら、制御部40はランプ電圧を参照する(ステップS03)。第1立上期間PH11中は駆動電力の増大に伴ってランプ電圧が徐々に上昇する。したがって、時刻Taで参照したランプ電圧は、定常点灯期間PH2におけるランプ電圧とは異なる。そこで、プロジェクターの設計者は、時刻Taでのランプ電圧値から定常点灯期間PH2でのランプ電圧を求める換算式、もしくは複数の放電灯を実測して得られた電圧推移統計値に基づく換算テーブルを予め用意し、記憶部44に格納しておく。換算テーブルの一例を[表2]に示す。
なお、[表2]では、時刻Taでのランプ電圧値と定常点灯期間PH2でのランプ電圧との関係に加え、[表1]に示したリフレッシュ電力Wrとの関係も組み合わせて示している。

0119

0120

制御部40は、[表2]に基づいて、定常点灯期間PH2におけるランプ電圧を推定し(ステップS04)、リフレッシュ電力Wrを決定する(ステップS05)。例えば、時刻Taで参照したランプ電圧が30Vであったとすると、[表2]から定常点灯期間PH2におけるランプ電圧の推定値は81〜90Vとなる。このとき、最適なリフレッシュ電力Wrの値は190Wとなり、図7に示すような駆動電力波形となる。

0121

本実施形態においては、ステップS03からステップS05までが設定タイミングに相当する。また、時刻Taは第1立上期間PH11における任意の時点である。すなわち、本実施形態において、設定タイミングは、第1立上期間PH11の任意の時点に設定される。

0122

以上のようにして、制御部40は、リフレッシュ電力Wrを決定し、放電灯駆動部230を制御する。これにより、放電灯90が駆動される。

0123

上記の制御部40による放電灯駆動部230の制御は、放電灯駆動方法として表現することもできる。すなわち、本実施形態の放電灯駆動方法は、第1電極92および第2電極93を有する放電灯90に定常点灯電力Wsを供給する定常点灯モードと、放電灯90に定常点灯電力Wsよりも大きいリフレッシュ電力Wrを供給する高電力モードと、を含む放電灯駆動方法であって、所定の設定タイミングにおいて、高電力モードに関する第1情報に基づいて高電力モードの第1実行情報を設定することを特徴とする。

0124

本実施形態によれば、記憶部44に記憶された高電力モードに関する第1情報に基づいて、高電力モードの第1実行情報が設定される。そのため、第1電極92の突起552pの状態に応じて、高電力モード時において突起552pに加えられる熱負荷の大きさを調整できる。したがって、本実施形態によれば、突起552pが溶融され過ぎることを抑制でき、放電灯90の放電を安定して維持することができる。

0125

また、本実施形態によれば、リフレッシュ電力Wrは、放電灯90の定格電力Wt以下に設定される。そのため、リフレッシュ電力Wrが放電灯90の定格電力Wtを超えず、放電灯90に過度の負荷を与えることはない。これにより、本実施形態によれば、放電灯90の放電を安定して維持することができる。

0126

また、本実施形態によれば、上述したように、放電灯点灯装置10において、駆動電力波形は、放電灯90の立上期間PH1として、リフレッシュ電力Wrに向けて駆動電力Wが徐々に増加する第1立上期間PH11と、駆動電力Wがリフレッシュ電力Wrの値に一定に維持される第2立上期間PH12と、を有している。さらに、制御部40は、放電灯90の劣化の程度に応じてリフレッシュ電力Wrの値を調整する構成、すなわち、第1情報と第2情報とに基づいて高電力モードの第1実行情報を設定する構成となっている。

0127

そのため、放電灯90の劣化の程度に係わらず、電極先端の突起を常に適度に溶融させることができ、突起の形状を維持することができる。その結果、放電が安定することにより、照度変化が少なく、寿命の長い光源装置200を実現できる。これにより、表示品位に優れ、信頼性の高いプロジェクター500を実現できる。

0128

また、本実施形態において、制御部40は、第1立上期間PH11内の任意の時刻Taにおけるランプ電圧を参照し、ランプ電圧の参照結果から定常点灯期間PH2のランプ電圧を推定する構成となっている。この構成によれば、1回の点灯毎に第1立上期間PH11でのランプ電圧を参照するため、定常点灯期間PH2のランプ電圧を精度良く推定でき、放電灯90の劣化の程度を的確に検出することができる。

0129

ただし、ランプ電圧の参照からリフレッシュ電力Wrの決定までの手順としては、上記の第1の手順に代えて、以下の第2の手順を採用してもよい。第2の手順において、制御部40は、前回の放電灯点灯時に参照したランプ電圧を例えば記憶部44に記憶させておく。その後、次回の放電灯点灯時に、制御部40は、記憶部44からランプ電圧を読み出し、その読み出し結果から定常点灯期間PH2のランプ電圧を推定する。

0130

第2の手順を採用した場合、前回の点灯時に記憶済みの電極間電圧を次回の点灯時に参照するため、立上期間PH1内でランプ電圧を参照することなく、定常点灯期間PH2のランプ電圧を容易に推定でき、放電灯90の劣化の程度を的確に検出することができる。
なお、前回の放電灯点灯時のランプ電圧は、後述する第4実施形態における第3情報に相当する。

0131

なお、例えば上記実施形態では、ランプ電圧を参照することにより放電灯の劣化の程度を検出したが、この構成に代えて、例えばランプ電圧を参照することなく、放電灯の累積点灯時間(第2情報)を参照して放電灯の劣化の程度を検出してもよい。この場合、放電灯の累積点灯時間とリフレッシュ電力Wrとの関係を示すテーブル等を用意しておけばよい。その他、放電灯駆動装置、光源装置、プロジェクターの具体的な構成については、上記実施形態の例に限らず、適宜変更が可能である。

0132

また、本実施形態においては、リフレッシュ電力Wrが定格電力Wtよりも大きい構成としてもよい。

0133

(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態に対して、制御部40が前回の高電力モードの点灯状態に関する第1情報に基づいて高電力モード抑制時間を設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。

0134

図9は、本実施形態の駆動電力の波形を示す図である。図9において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図9では、放電灯90を点灯させた時点から定常点灯状態になるまでの駆動電力Wの変化を示している。

0135

リフレッシュ電力Wr、すなわち、高電力モードの駆動電力Wは、放電灯90に印加されるランプ電圧、すなわち、動作検出部60により検出されるランプ電圧の値に応じて設定される。具体的には、高電力モードの駆動電力Wは、例えば、[表3]のように設定される。この場合における定常点灯電力Wsは、例えば、140Wである。

0136

0137

[表3]に示すように、例えば、ランプ電圧が75Vよりも大きい範囲では、リフレッシュ電力Wrは200Wと設定されるのに対して、ランプ電圧が75V以下の範囲では、リフレッシュ電力Wrは160Wと設定される。

0138

ランプ電圧が小さい範囲においては、放電灯90の劣化度合いが小さく、定常点灯期間PH2においても第1電極92の突起552pが溶融しやすい。そのため、高電力モードの駆動電力、すなわち、リフレッシュ電力Wrを小さく設定することで、突起552pの過度な溶融を抑制できる。
なお、本実施形態において参照されるランプ電圧は、前回実行された高電力モード時のランプ電圧である。

0139

次に、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御について説明する。
図10は、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御手順の一例を示すフローチャートである。

0140

図10に示すように、放電灯90が点灯開始され(ステップS10)、制御部40は、記憶部44を参照し、前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS11)。そして、第1情報が記憶されていれば(ステップS11:YES)、制御部40は、第1情報に基づいて高電力モード抑制時間(第1実行情報)を設定する(ステップS12)。

0141

高電力モード抑制時間は、高電力モードが実行された後、次の高電力モードが実行可能となるまでの放電灯90の点灯時間である。すなわち、前回、高電力モードが実行された後における放電灯90の点灯時間が、高電力モード抑制時間以下の場合には、高電力モードは実行されない。

0142

本実施形態において、高電力モード抑制時間の設定は、例えば、記憶部44に記憶されている第1情報と高電力モード抑制時間との関係を示すルックアップテーブルを用いて行われる。本実施形態においては、高電力モード抑制時間を設定するための第1情報として、例えば、前回の高電力モード時において検出されたランプ電圧が用いられる。本実施形態における具体的なルックアップテーブルの一例を[表4]に示す。

0143

0144

表4から分かるように、前回の高電力モード時のランプ電圧が大きくなるほど、高電力モード抑制時間は長くなるように設定される。これは、ランプ電圧が大きくなるほど、突起552pが十分に成長するための時間が長くなるためである。放電灯90に供給される電力が一定である場合には、ランプ電圧の上昇に伴って、電極間に流れる駆動電流Iの値が小さくなり、突起552pの成長が遅くなる。そのため、高電力モードが終了した後から、突起552pが十分に成長するまでの時間が長くなる。

0145

なお、放電灯90に印加されるランプ電圧の上昇は、放電灯90の劣化を意味する。すなわち、放電灯90が劣化するにしたがって、突起552pの成長に要する時間は長くなる。
表4に示すルックアップテーブルでは、前回の高電力モードの終了時点から次の設定タイミングまでにおける放電灯90の劣化度合いが大きくなるにしたがい、高電力モード抑制時間が大きくなる。すなわち、ランプ電圧の上昇に応じて高電力モード抑制時間が設定される。

0146

記憶部44に第1情報が記憶されていない場合(ステップS11:NO)には、制御部40は、ステップを、高電力モードを実行するステップS14へと進行させる。

0147

次に、制御部40は、前回の高電力モードが終了した時点、すなわち、第2立上期間PH12が終了した時点から、設定された高電力モード抑制時間が経過したかどうかを判定する(ステップS13)。すなわち、制御部40は、前回の高電力モードが終了した後の点灯時間(第1情報)が、高電力モード抑制時間より長いかどうかを判定し、高電力モードの実行の有無(第1実行情報)を決定する。

0148

高電力モード抑制時間が経過している場合(ステップS13:YES)には、制御部40は、高電力モードの実行を決定し、所定のタイミングで高電力モードを実行する(ステップS14)。本実施形態においては、立上期間PH1において高電力モードが実行されるため、駆動電力Wがリフレッシュ電力Wrまで上昇した時点(時刻Tb)から高電力モードが実行される。すなわち、図9に示すように、第1立上期間PH11は、駆動電力Wがリフレッシュ電力Wrまで上昇した時刻Tbから、高電力モードの実行期間である第2立上期間PH12へと移行する。
その後、制御部40は、時刻Tcから点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS15)。

0149

一方、図10に示すように、高電力モード抑制時間が経過していない場合(ステップS13:NO)には、制御部40は、高電力モードを実行しないことを決定し、高電力モードを実行せずに、点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS16)。すなわち、図9に示すように、駆動電力Wが定常点灯電力Wsまで上昇した時刻Tdから駆動電力Wは一定となり、その後、点灯期間が定常点灯期間PH2へと移行する。この場合においては、ランプ点灯開始から時刻Tdまでの期間が第1立上期間PH13に相当し、時刻Tdから時刻Tcまでが第2立上期間PH14に相当する。

0150

本実施形態においては、ステップS11からステップS13までが設定タイミングに相当する。本実施形態においては、設定タイミング、すなわち、ステップS11からステップS13は、ランプ点灯開始から駆動電力Wが定常点灯電力Wsになる時刻Tdまでの間であれば、どこに設けられていてもよい。

0151

以上のようにして、制御部40は、放電灯駆動部230を制御し、放電灯90を駆動する。

0152

上記の制御部40による放電灯駆動部230の制御は、放電灯駆動方法として表現することもできる。すなわち、本実施形態の放電灯駆動方法は、放電灯90に定常点灯電力Wsを供給する定常点灯モードと、放電灯90に定常点灯電力Ws電力よりも大きいリフレッシュ電力Wrを供給する高電力モードと、を含む放電灯駆動方法であって、高電力モードに関する第1情報を記憶し、所定の設定タイミングにおいて、第1情報に基づいて高電力モードの第1実行情報を設定することを特徴とする。

0153

ランプ点灯開始後の所定の期間において高電力モードが実行される構成においては、例えば、短い期間の中で電源のON/OFFが連続して行われる等により、高電力モードが実行される間隔が狭くなる場合がある。このような場合、高電力モードによって溶融した電極先端の突起が十分に成長する前に、再度高電力モードが実行され、電極先端の突起が過度に溶融される場合があった。その結果、かえって電極間距離が広がり、ランプ(放電灯)の寿命が低下してしまう問題があった。

0154

これに対して、本実施形態によれば、制御部40は、前回の高電力モードの点灯状態に関する第1情報、例えば、ランプ電圧、に基づいて高電力モード抑制時間を設定する。そして、制御部40は、前回の高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間における点灯時間が高電力モード抑制時間よりも長いかどうかについて判定し、高電力モードの実行の有無について決定する。これにより、高電力モードが終了した後、第1電極92の突起552pが十分に成長する前に、再び高電力モードを実行されることを抑制できる。したがって、本実施形態によれば、突起552pが過度に溶融されることを抑制でき、放電灯90の電極間距離が広がることを抑制できる。

0155

また、高電力モードが実行されると、放電灯90に供給される駆動電力Wが大きくなるため、放電灯90から射出される光の強度が大きくなる。これにより、定常点灯期間中に高電力モードが実行されると、放電灯90から射出される光の強度が変化し、ちらつきが生じる場合がある。
これに対して、本実施形態によれば、立上期間PH1において高電力モードが実行される。そのため、定常点灯期間PH2において駆動電力Wが大きくなることが抑制され、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。

0156

なお、本実施形態においては、以下の構成を採用してもよい。

0157

上記説明した実施形態においては、高電力モードに関する第1情報として、前回の高電力モード時におけるランプ電圧を用いたが、これに限られない。本実施形態においては、第1情報として、高電力モード時におけるリフレッシュ電力Wr等を用いてもよい。この場合においては、前回の高電力モード時におけるリフレッシュ電力Wrが大きいほど、高電力モード抑制時間が長くなるように設定される。これは、リフレッシュ電力Wrが大きいほど、突起552pが溶融するためである。

0158

また、上記説明した実施形態においては、制御部40は、ルックアップテーブルを用いて第1実行情報を設定したが、これに限られない。本実施形態においては、制御部40は、例えば、演算式を用いることによって第1実行情報を算出し、設定してもよい。

0159

また、上記説明した実施形態においては、制御部40は、前回の高電力モードの第1情報のみを参照して第1実行情報を設定したが、これに限られない。本実施形態においては、制御部40は、設定タイミングより前に実行された高電力モードに関する第1情報を複数参照して第1実行情報を設定してもよい。具体的には、制御部40は、例えば、複数の第1情報の変化の傾向等から、記憶部44に記憶されたルックアップテーブルや演算式等を補正し、これらを用いて第1実行情報を設定してもよい。

0160

また、本実施形態においては、複数の第1情報を用いて高電力モードの第1実行情報が設定されてもよい。具体的には、例えば、高電力モード時のランプ電圧と、高電力モード時のリフレッシュ電力Wrとを用いて、高電力モード抑制時間が設定されてもよい。

0161

(第3実施形態)
第3実施形態は、第2実施形態に対して、設定タイミングにおいて放電灯90の点灯状態に関する第2情報を取得し、前回の高電力モードに関する第1情報と第2情報とに基づいて高電力モードの第1実行情報を設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。

0162

図11は、本実施形態における制御部40の放電灯駆動部230の制御手順について示すフローチャートである。
図11に示すように、放電灯90が点灯開始され(ステップS20)、制御部40は、第2実施形態と同様に、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS21)。

0163

記憶部44に第1情報が記憶されている場合(ステップS21:YES)には、制御部40は、次にランプ点灯開始から所定時間が経過したかどうかを判定する(ステップS22)。所定時間は、ランプ点灯開始からランプ電圧を参照するまでの時間であり、図9において時刻Taとなる時間である。時刻Taの値は、例えば、予め記憶部44に記憶されている。

0164

なお、記憶部44に第1情報が記憶されていない場合(ステップS21:NO)は、制御部40は、第2実施形態と同様にして、ステップを、高電力モードを実行するステップS27へと進行させる。

0165

制御部40は、ランプ点灯開始から所定時間が経過した場合(ステップS22:YES)、例えば、時刻Taにおいて、ランプ電圧(第2情報)を検出する(ステップS23)。ここで、第1実施形態において述べたように、時刻Taで参照したランプ電圧は、定常点灯期間PH2におけるランプ電圧とは異なるため、プロジェクターの設計者は、時刻Taでのランプ電圧値から定常点灯期間PH2でのランプ電圧を求める換算式、もしくは複数の放電灯を実測して得られた電圧推移の統計値に基づく換算テーブルを予め用意し、記憶部44に格納しておく。換算テーブルの一例を[表5]に示す。
なお、[表5]では、時刻Taでのランプ電圧値と定常点灯期間PH2でのランプ電圧との関係に加え、高電力モード抑制時間との関係についても示している。

0166

0167

[表5]に示すルックアップテーブルは、所定の設定タイミング(時刻Ta)における放電灯90の劣化度合い、すなわち、ランプ電圧が大きくなるにしたがい、上記第2実施形態と同様に、高電力モード抑制時間が大きくなるように設定されている。

0168

制御部40は、時刻Taにおいて検出されたランプ電圧および[表5]に基づいて、定常点灯期間PH2におけるランプ電圧(第2情報)を推定する(ステップS24)。そして、推定したランプ電圧値に基づいて高電力モード抑制時間を設定する(ステップS25)。その後、制御部40は、第1実施形態と同様にして、前回の高電力モードが終了した時点から高電力モード抑制時間が経過しているかどうかを判定し(ステップS26)、高電力モード抑制時間が経過している場合(ステップS26:YES)には、高電力モードを実行し(ステップS27)、その後点灯期間を定常点灯期間PH2に移行させる(ステップS28)。高電力モード抑制時間が経過していない場合(ステップS26:NO)には、制御部40は、高電力モードを実行せずに、点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS29)。

0169

本実施形態においては、ステップS21〜S26が、高電力モードの第1実行情報を設定する設定タイミングに相当する。また、ステップS22からステップS24までは、放電灯90の点灯状態に関する第2情報を取得するステップである。本実施形態においては、第2情報は、設定タイミングにおける放電灯90のランプ電圧、より詳細には時刻Taにおける放電灯90のランプ電圧である。

0170

本実施形態によれば、より適切に高電力モードの第1実行情報を設定することができる。以下、詳細に説明する。

0171

第2実施形態においては、放電灯90の劣化状態を取得する情報として、前回の高電力モードにおけるランプ電圧を用いていたため、[表4]のルックアップテーブルは、前回の高電力モードから次の設定タイミングまでの間における放電灯90の劣化、すなわち、ランプ電圧の上昇に応じて設定されていた。しかし、前回の高電力モード以降の使用時間が長時間であるような場合には、放電灯90の劣化が想定以上に進行し、適切に高電力モードの第1実行情報、例えば、高電力モード抑制時間を設定できない場合があった。

0172

これに対して、本実施形態によれば、高電力モードの第1実行情報を設定する設定タイミングにおいて、放電灯90の点灯状態に関する第2情報を取得し、その第2情報に基づいて高電力モードの第1実行情報を設定する。そのため、本実施形態によれば、より正確に放電灯90の劣化状態を取得でき、より適切に高電力モードの第1実行情報を設定できる。

0173

なお、本実施形態においては、以下の構成を採用してもよい。

0174

本実施形態においては、第2情報として、放電灯90の累積点灯時間を用いてもよい。この場合には、放電灯90の実使用時間(累積点灯時間)から、放電灯90の劣化状態を把握できる。

0175

また、本実施形態においては、複数の第2情報を用いて高電力モードの第1実行情報が設定されてもよい。具体的には、例えば、設定タイミングにおけるランプ電圧と、設定タイミングにおける放電灯90の累積点灯時間とを用いて、高電力モード抑制時間が設定されてもよい。

0176

また、本実施形態においては、第1情報と第2情報とを用いて高電力モードの第1実行情報が設定されてもよい。具体的には、例えば、設定タイミングにおけるランプ電圧と、前回の高電力モードにおけるリフレッシュ電力Wrとを用いて、高電力モード抑制時間が設定されてもよい。

0177

(第4実施形態)
第4実施形態は、第2実施形態に対して、高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間に実行される点灯モードに関する第3情報に基づいて高電力モード抑制時間を設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。

0178

本実施形態においては、高電力モードに関する第1情報に加えて、高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間に実行される点灯モードに関する第3情報が、記憶部44に記憶される。第3情報が記憶部44に記憶されるタイミングは、高電力モードが立上期間PH1に設けられる場合、例えば、プロジェクター500の電源がOFFされる直前である。

0179

第3情報は、高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間に実行される点灯モードに関するあらゆる情報を含む。なお、以下の説明においては、高電力モードの終了後から次の設定タイミングまでの間に実行される点灯モードを、直前の点灯モードと称する。

0180

第3情報としては、例えば、直前の点灯モードにおける放電灯90のランプ電圧、すなわち、第1実施形態で述べた前回の放電灯点灯時のランプ電圧、駆動電力W、実行時間等が挙げられる。
直前の点灯モードは、例えば、定常点灯モード、高電力モード、低電力モード、調光モード、待機モード等のプロジェクター500に設定されている各種点灯モードを含む。

0181

図12は、本実施形態における制御部40の放電灯駆動部230の制御手順について示すフローチャートである。
図12に示すように、制御部40は、放電灯90が点灯開始され(ステップS30)、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報、および直前の点灯モードに関する第3情報が記憶されているかどうか判定する(ステップS31)。

0182

記憶部44に第1情報および第3情報が記憶されている場合(ステップS31:YES)には、まず第3情報に基づいて、高電力モード抑制時間が設定される(ステップS32)。高電力モード抑制時間の設定は、例えば、第3情報と高電力モード抑制時間との関係を示すルックアップテーブルを用いて行われる。このルックアップテーブルは、記憶部44に記憶されている。本実施形態においては、第3情報として、例えば、直前の点灯モードの駆動電力を用いる。本実施形態における具体的なルックアップテーブルの一例を[表6]に示す。

0183

0184

[表6]に示すように、直前の点灯モードの駆動電力が大きいほど、高電力モード抑制時間は短く設定される。これは、高電力モードの後に設定される点灯モードの駆動電力が大きいほど、第1電極92の突起552pの成長が速いためである。[表6]に示す例の場合では、高電力モードにおけるリフレッシュ電力Wrは、例えば、200Wに設定される。

0185

ここで、[表6]に示す定常点灯電力Wsが200Wの場合とは、直前の点灯モードが高電力モードである場合である。この場合、放電灯90は、定常状態において、駆動電力Wが200Wの高電力モードで駆動されているため、高電力モード抑制時間は0hに設定される。

0186

なお、記憶部44に第1情報および第3情報が記憶されていない場合(ステップS31:NO)は、制御部40は、第2実施形態と同様にして、ステップを、高電力モードを実行するステップS34へと進行させる。

0187

高電力モード抑制時間を設定した後、制御部40は、第2実施形態と同様にして、前回の高電力モードが終了した時点から高電力モード抑制時間が経過しているかどうかを判定し(ステップS33)、高電力モード抑制時間が経過している場合(ステップS33:YES)には、高電力モードを実行し(ステップS34)、その後点灯期間を定常点灯期間PH2に移行させる(ステップS35)。高電力モード抑制時間が経過していない場合(ステップS33:NO)には、制御部40は、高電力モードを実行せずに、点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS36)。
本実施形態においては、ステップS31〜S33が、高電力モードの第1実行情報を設定する設定タイミングに相当する。

0188

本実施形態によれば、直前の点灯モードに関する第3情報に基づいて、高電力モード抑制時間を設定するため、前回の高電力モードが実行された後の突起552pの成長度合いをより正確に把握できる。したがって、本実施形態によれば、高電力モードの第1実行情報をより適切に設定できる。

0189

なお、本実施形態においては、以下の構成を採用してもよい。

0190

上記説明した実施形態においては、第3情報を記憶するタイミングをプロジェクター500の電源をOFFにする直前としたが、これに限られない。本実施形態においては、例えば、直前の点灯モードを実行している間中、常に第3情報を記憶部44に記憶してもよい。

0191

また、本実施形態においては、複数の第3情報を用いて高電力モードの第1実行情報が設定されてもよい。具体的には、例えば、直前の点灯モード時の駆動電力Wと、直前の点灯モードの実行時間とを用いて、高電力モード抑制時間が設定されてもよい。

0192

(第5実施形態)
第5実施形態は、第3実施形態に対して、高電力モードの第1実行情報として駆動パラメーターを設定する点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。

0193

本実施形態においては、上記説明した第2実施形態から第4実施形態までと異なり、第1情報の内容に関わらず、立上期間PH1において高電力モードが実行される。

0194

図13は、本実施形態における制御部40の放電灯駆動部230の制御手順について示すフローチャートである。
図13に示すように、制御部40は、放電灯90が点灯開始され(ステップS40)、第2実施形態と同様に、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS41)。記憶部44に第1情報が記憶されている場合(ステップS41:YES)には、制御部40は、次にランプ点灯開始から所定時間が経過したかどうかを判定する(ステップS42)。

0195

なお、記憶部44に第1情報が記憶されていない場合(ステップS41:NO)には、制御部40は、高電力モードの駆動パラメーターを初期パラメーターに設定し(ステップS47)、高電力モードを実行する(ステップS46)。

0196

制御部40は、ランプ点灯開始から所定時間が経過した場合(ステップS42:YES)、時刻Taにおいてランプ電圧(第2情報)を検出し(ステップS43)、例えば、[表5]に一例として示した換算テーブルを用いて定常点灯期間PH2におけるランプ電圧(第2情報)を推定する(ステップS44)。

0197

次に、前回の高電力モードの第1情報と、推定された定常点灯期間PH2のランプ電圧とに基づいて高電力モードの第1実行情報を設定する(ステップS45)。本実施形態において、第1情報は、例えば、前回の高電力モード実行後の放電灯90の点灯時間である。

0198

また、高電力モードの第1実行情報は、例えば、高電力モードにおけるリフレッシュ電力Wr(駆動パラメーター)である。リフレッシュ電力Wrの設定は、例えば、前回の高電力モード実行後の点灯時間と、推定された定常点灯期間PH2のランプ電圧と、設定する高電力モードのリフレッシュ電力Wrと、の関係を示すルックアップテーブルを用いて行われる。本実施形態における具体的なルックアップテーブルの一例を[表7]に示す。

0199

0200

[表7]に示すように、ランプ電圧の値が大きいほど(すなわち、放電灯90の劣化度合いが大きくなるにしたがって)、また、前回の高電力モード実行後の点灯時間が長いほど、設定される高電力モードのリフレッシュ電力Wrは大きく設定される。
ランプ電圧の値が大きいと、電極間に流れる駆動電流Iが小さくなるため、第1電極92の突起552pが溶融しにくい。これにより、前回の高電力モードにおける突起552pの溶融の度合いは小さくなる。したがって、高電力モードの駆動電力を大きく設定することにより、突起552pを適切に溶融させることができる。

0201

一方、前回の高電力モード実行後の点灯時間が長いほど、第1電極92の突起552pは成長する。そのため、高電力モードにおける駆動電力を大きく設定しても、突起552pが過度に溶融することを抑制できる。

0202

制御部40は、上記のようにして高電力モードのリフレッシュ電力Wrを設定し、高電力モードを実行する(ステップS46)。その後、制御部40は、点灯期間を定常点灯期間PH2に移行させる(ステップS48)。

0203

本実施形態によれば、前回の高電力モードにおける第1情報と、第2情報とに基づいて、高電力モードの駆動パラメーターが設定される。そのため、高電力モードを実行する際の第1電極92の突起552pの成長度合いに応じて、実行する高電力モードにおける突起552pの溶融効果を調整できる。したがって、本実施形態によれば、突起552pが過度に溶融することを抑制でき、放電灯90の電極間距離が広がることを抑制できる。

0204

なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。

0205

本実施形態においては、第1情報および第2情報のうちから選択した情報を3つ以上用いて高電力モードの第1実行情報が設定されてもよい。具体的には、例えば、前回の高電力モード時におけるリフレッシュ電力Wrと、設定タイミングにおけるランプ電圧および累積点灯時間とに基づいて高電力モードの駆動パラメーター、例えば、リフレッシュ電力Wrが設定されてもよい。

0206

また、本実施形態においては、高電力モードの駆動パラメーターとして、リフレッシュ電力Wr以外の値、例えば、駆動電流波形や、高電力モードの実行時間を設定してもよい。以下、それぞれについて説明する。

0207

まず、駆動パラメーターとして駆動電流波形を用いる場合について説明する。
図14は、高電力モードにおける駆動電流波形の一例を示す図である。縦軸は、駆動電流Iを示しており、横軸は時間Tを示している。
図14に示すように、本実施形態の駆動電流波形は、サイクルC1とサイクルC2とが交互に設けられている。

0208

サイクルC1は、複数の混合期間P1で構成され、混合期間P1は、交流期間P1aと直流期間P1bとで構成されている。
交流期間P1aは、駆動電流Iとして、電流値Im1と電流値−Im1との間で極性が反転される交流電流が放電灯90に供給される期間である。本実施形態においては、交流期間P1aにおける交流電流は、矩形波交流電流である。直流期間P1bは、駆動電流Iとして、電流値Im1の直流電流が放電灯90に供給される期間である。本実施形態においては、直流期間P1bにおける直流電流は、電流値が一定(Im1)の第1極性を有する直流電流である。

0209

サイクルC2は、複数の混合期間P2で構成され、混合期間P2は、交流期間P2aと直流期間P2bとで構成されている。
交流期間P2aは、サイクルC1の交流期間P1aと同様である。直流期間P2bは、駆動電流Iとして、電流値−Im1の直流電流が放電灯90に供給される期間である。本実施形態においては、直流期間P2bにおける直流電流は、電流値が一定(−Im1)の第2極性を有する直流電流である。

0210

高電力モードにおける駆動電流波形を設定するために用いられるルックアップテーブルの一例を[表8]に示す。

0211

0212

[表8]に示すように、前回の高電力モード実行後の点灯時間と、推定された定常点灯期間PH2のランプ電圧とに応じて、高電力モードにおける駆動電流波形が、波形A、波形Bおよび波形Cのいずれかに設定される。波形A〜波形Cのそれぞれの各パラメーターについて[表9]に示す。

0213

0214

[表9]に示すように、波形Aから波形Cの交流期間P1a,P2aの周波数は、いずれも500Hzである。
波形Aにおける交流期間P1a,P2aの長さt1,t3は、それぞれ15周期分である。波形Aにおける直流期間P1b,P2bの長さt2,t4は、それぞれ2ms(ミリ秒)である。波形AにおけるサイクルC1,C2に含まれる混合期間P1,P2の数は、1である。

0215

波形Bにおける交流期間P1a,P2aの長さt1,t3は、それぞれ10周期分である。波形Bにおける直流期間P1b,P2bの長さt2,t4は、それぞれ6msである。波形BにおけるサイクルC1,C2に含まれる混合期間P1,P2の数は、2である。

0216

波形Cにおける交流期間P1a,P2aの長さt1,t3は、それぞれ5周期分である。波形Cにおける直流期間P1b,P2bの長さt2,t4は、それぞれ8msである。波形CにおけるサイクルC1,C2に含まれる混合期間P1,P2の数は、10である。

0217

波形A、波形B、および波形Cは、この順に、第1電極92の突起552pを溶融させる効果が大きくなる。すなわち、交流期間P1a,P2aの長さt1,t3が小さくなるほど、突起552pを溶融させる効果は大きくなる。また、直流期間P1b,P2bの長さt2,t4が大きくなるほど、突起552pを溶融させる効果は大きくなる。また、サイクルC1,C2に含まれる混合期間P1,P2の数が大きくなるほど、突起552pを溶融させる効果は大きくなる。

0218

なお、[表9]に示した例では、交流期間P1a,P2aの周波数は、各駆動電流波形で同じ値に設定したが、それぞれ異なっていてもよい。交流期間P1a,P2aの周波数が小さくなるほど、突起552pの溶融効果が大きくなる。

0219

次に、駆動パラメーターとして実行時間を用いる場合について説明する。
図15は、高電力モードの駆動パラメーターとして高電力モードの実行時間tr1(図9参照)を設定した場合における制御部40の放電灯駆動部230の制御手順について示すフローチャートである。
図15に示すステップS50からステップS54は、図13に示したステップS40からステップS44と同様である。

0220

制御部40は、定常点灯期間PH2のランプ電圧を推定した(ステップS54)後、前回の高電力モード実行後の点灯時間と、推定された定常点灯期間PH2のランプ電圧とに基づいて、高電力モードの実行時間tr1を設定する(ステップS55)。高電力モードの実行時間tr1を設定するために用いられるルックアップテーブルの一例を[表10]に示す。

0221

0222

[表10]に示すように、ランプ電圧が大きいほど、すなわち、放電灯90の劣化度合いが大きくなるにしたがって、また、前回の高電力モード実行後の点灯時間が長いほど、設定される高電力モードの実行時間は大きく設定される。高電力モードの実行時間が長いほど、第1電極92の溶融効果は大きくなる。

0223

制御部40は、高電力モードの実行時間tr1を設定した後、高電力モードを実行する(ステップS56)。そして、制御部40は、高電力モードが実行されてから設定された実行時間tr1が経過したかどうかを判定し(ステップS58)、設定された実行時間tr1が経過した場合(ステップS58:YES)には、点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS59)。実行時間tr1が経過していない場合(ステップS58:NO)には、制御部40は、実行時間tr1が経過するまで高電力モードを実行し続ける。

0224

なお、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されていない場合(ステップS51:NO)には、制御部40は、高電力モードの実行時間tr1を初期値に設定し(ステップS57)、高電力モードを実行する(ステップS56)。実行時間tr1の初期値は、例えば、予め記憶部44に記憶されている。

0225

(第6実施形態)
第6実施形態は、上記説明した第2実施形態から第5実施形態に対して、定常点灯期間PH2において、高電力モードが実行される点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。

0226

図16は、本実施形態の駆動電力の波形を示す図である。図16において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図16は、立上期間PH1が終了し、定常点灯モードが実行される定常点灯期間PH2になった後の駆動電力Wの波形を示している。

0227

本実施形態においては、定常点灯期間PH2において高電力モードが実行される高電力点灯期間PH3が設けられる。図16においては、時刻Teから時刻Tfまでの間に高電力点灯期間PH3が設けられる例を示している。

0228

図17は、本実施形態における制御部40の放電灯駆動部230の制御手順について示すフローチャートである。
図17に示すように、制御部40は、まず定常点灯期間PH2(ステップS60)において、記憶部44に前回の高電力モードに関する第1情報が記憶されているかどうかを判定する(ステップS61)。制御部40は、記憶部44に第1情報が記憶されている場合(ステップS61:YES)には、現在の点灯状態、すなわち、定常点灯期間PH2における点灯状態に関する第2情報を測定し(ステップS62)、その測定結果に基づいて、例えば、高電力モードの第1実行情報として高電力モード抑制時間を設定する(ステップS63)。

0229

その後、制御部40は、第2実施形態と同様にして、高電力モード抑制時間が経過したかどうかを判定し(ステップS64)、高電力モード抑制時間が経過している場合(ステップS64:YES)には、高電力モードを実行する(ステップS65)。すなわち、制御部40は、点灯期間を定常点灯期間PH2から高電力点灯期間PH3に移行させる。

0230

ここで、第2実施形態から第5実施形態までにおいては、高電力モードが立上期間PH1に設けられていたため、高電力モードを実行することが決定された場合であっても、高電力モードは、すぐには実行されず、駆動電力Wがリフレッシュ電力Wrまで上昇した後に実行されていた。

0231

これに対して、本実施形態では、高電力モードが、定常点灯モードが実行される定常点灯期間PH2に設けられているため、高電力モードの実行が決定された場合には、すぐに高電力モードを実行することができる。本実施形態において高電力モードは、実行が決定された後、すぐに実行されてもよいし、所定の間隔を空けて実行されてもよい。

0232

制御部40は、実行時間tr2だけ高電力モードを実行した後、点灯期間を定常点灯期間PH2に再び移行させる(ステップS66)。制御部40は、高電力モード抑制時間が経過していない場合(ステップS64:NO)には、高電力モードを実行せずに、そのまま定常点灯期間PH2を維持する(ステップS67)。

0233

本実施形態においては、ステップS61からステップS64までが設定タイミングに相当する。本実施形態においては、定常点灯モードが実行される定常点灯期間PH2において高電力モードが実行されるため、設定タイミングは定常点灯期間PH2に設けられる。
本実施形態における設定タイミングは、例えば、所定の点灯時間が経過する度に設けられてもよいし、定常点灯期間PH2中、常に設けられていてもよい。

0234

設定タイミングが所定の点灯時間が経過する度に設けられる場合には、放電灯90の点灯状態が変化する傾向に応じて、設定タイミングを設ける位置を調整してもよい。
設定タイミングを定常点灯期間PH2中、常に設ける場合には、定常点灯期間PH2における放電灯90の点灯状態に関する第2情報を常に取得し、第2情報と、前回の高電力モードに関する第1情報とに基づいて適宜高電力モードを実行する。

0235

本実施形態によれば、定常点灯期間PH2において高電力モードが実行されるため、設定タイミングが定常点灯期間PH2に設けられる。これにより、設定タイミングにおける放電灯90の点灯状態に関する第2情報として、定常点灯期間PH2における点灯情報を取得することが容易である。したがって、本実施形態によれば、放電灯90の点灯状態や、劣化の度合いを正確に把握しやすく、より適切に高電力モードの第1実行情報を設定できる。

0236

なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。

0237

本実施形態においては、高電力モードが実行される高電力点灯期間PH3において、放電灯90から射出される光を調光してもよい。これにより、定常点灯期間PH2と高電力点灯期間PH3とにおけるプロジェクター500から投射される画像光強度変化を抑制でき、ちらつきが生じることを抑制できる。

0238

また、上記説明した実施形態においては、高電力モードの第1実行情報として、高電力モード抑制時間、および高電力モードの実行の有無について設定したが、これに限られない。本実施形態においては、上述した第2実施形態から第5実施形態における第1実行情報のいずれを設定してもよい。

0239

また、上記説明した実施形態においては、前回の高電力モードの第1情報として前回の高電力モードが終了した後の点灯時間を用いたが、これに限られない。本実施形態においては、上述した第2実施形態から第5実施形態における第1情報のいずれを設定してもよい。

0240

また、本実施形態においては、制御部40は、第2情報を用いずに、第1情報のみに基づいて高電力モードの第1実行情報を設定してもよい。

0241

なお、上記説明した第2実施形態から第6実施形態までにおいては、第1実行情報として、高電力モードの実行の有無(高電力モード抑制時間)と、高電力モードの駆動パラメーターとのうちのいずれか一方を選択した場合について示したが、これに限られない。本発明の一つの態様としては、高電力モードの第1実行情報として、高電力モードの実行の有無と高電力モードの駆動パラメーターとの両方を用いてもよい。この場合には、制御部40は、例えば、各種情報に基づいて高電力モードの実行の有無を決定し、高電力モードが実行される場合に、高電力モードにおける駆動パラメーターを設定する。

0242

(第7実施形態)
第7実施形態は、上記説明した第1実施形態に対して、突起形成期間PH4が設けられ点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。

0243

本実施形態においては、制御部40は、定常点灯モードと、高電力モードと、第1電極92の突起552pの成長を促進する突起形成モード(突起形成駆動)と、を実行可能である。

0244

なお、本明細書において「突起形成モード」とは、高電力モードおよび定常点灯モードよりも突起552pの成長が促進される駆動が実行される点灯モードを意味する。
本実施形態においては、突起形成モードにおいて放電灯90に供給される交流電流の周波数を、突起552pの成長を促進する周波数に設定し、その交流電流が放電灯90に供給される期間の割合を大きくすることによって、突起形成モードにおいて突起552pの成長を促進させている。

0245

本実施形態において記憶部44には、高電力モードに関する第1情報に応じた突起形成モードの第2実行情報、および高電力モードに関する第1情報から突起形成モードの第2実行情報を得るためのルックアップテーブルや演算式等が格納されている。

0246

突起形成モードの第2実行情報は、突起形成モードを実行するために必要なあらゆる情報を含む。第2実行情報としては、例えば、突起形成モードにおける、駆動電流Iの波形、駆動電流の周波数、駆動電力、実行時間等が挙げられる。
なお、本明細書において、第2実行情報とは、突起形成モードの実行情報である。

0247

本実施形態においてシステムコントローラー41(制御部40)は、記憶部44に格納された高電力モードに関する第1情報に応じて、突起形成モードの第2実行情報を設定し、駆動電流Iを制御する。

0248

次に、本実施形態における放電灯90へ供給される駆動電力の制御について説明する。
図18は、本実施形態の駆動電力の波形を示す図である。図18において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図18では、放電灯90を点灯させた時点から定常点灯状態になるまでの駆動電力Wの変化を示している。

0249

図18に示すように、本実施形態においては、立上期間PH1と定常点灯期間PH2との間に、突起形成期間PH4が設けられている。
突起形成期間PH4は、突起形成モードが実行される期間である。本実施形態の突起形成期間PH4において、駆動電力Wは、リフレッシュ電力Wrより小さく、定常点灯電力Wsよりも大きい突起形成電力(第3駆動電力)Wmである。本実施形態においては、突起形成期間PH4における駆動電力Wの値は一定(Wm)である。

0250

本実施形態においては、突起形成期間PH4の長さ、すなわち、突起形成モードの実行時間tc1は、高電力モードに関する第1情報に応じて決定される。詳細については、後述する。

0251

定常点灯期間PH2は、放電灯90に定常点灯電力(第1駆動電力)Wsが供給される定常点灯モードが実行される期間である。定常点灯電力Wsは、第2立上期間PH12におけるリフレッシュ電力Wrよりも小さい。

0252

リフレッシュ電力Wr、すなわち、高電力モードの駆動電力Wは、例えば、200Wであり、定常点灯電力Wsは、例えば、140Wである。
また、リフレッシュ電力Wrは、第2実施形態と同様に、動作検出部60により検出される放電灯90のランプ電圧の値に応じて設定されてもよい。具体的には、例えば、第2実施形態において示した[表3]のように設定できる。

0253

本実施形態においては、高電力モードと、突起形成モードと、定常点灯モードとは、この順で実行される。すなわち、本実施形態においては、突起形成モード(突起形成期間PH4)は、高電力モード(第2立上期間PH12)を実行した後で、かつ、定常点灯モード(定常点灯期間PH2)を実行する前に実行される。

0254

次に、上述した本実施形態の各期間、すなわち、立上期間PH1、突起形成期間PH4、および定常点灯期間PH2において放電灯90へ供給される駆動電流Iの制御について説明する。
本実施形態の各期間における駆動電流Iの波形は、第5実施形態において図14に示した駆動電流Iの波形と同様にできる。

0255

本実施形態において、図14に示す交流期間P1aにおける駆動電流Iの周波数は、突起552pが成長しやすい周波数に設定される。突起552pの形成が促進されるのに好ましい周波数としては、例えば、100Hz以上、1000Hz以下である。

0256

本実施形態においては、図18に示す突起形成期間PH4に対する交流期間P1a,P2aの割合は、第2立上期間PH12に対する交流期間P1a,P2aの割合よりも大きく設定される。言い換えると、突起形成モードの実行時間tc1に対して交流電流が供給される時間の割合は、高電力モードの実行時間tr1に対して交流電流が供給される時間の割合よりも大きい。

0257

また、本実施形態においては、突起形成期間PH4に対する交流期間P1a,P2aの割合は、定常点灯期間PH2に対する交流期間P1a,P2aの割合よりも大きく設定される。言い換えると、突起形成モードの実行時間tc1に対して交流電流が供給される時間の割合は、定常点灯モードの実行時間に対して交流電流が供給される時間の割合よりも大きい。

0258

図14に示す交流期間P1a,P2aの長さt1,t3と直流期間P1b,P2bの長さt2,t4とは、それぞれ、混合期間P1,P2に対する上記の交流期間P1a,P2aの割合に応じて設定される。

0259

次に、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御について説明する。
図19は、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御手順の一例を示すフローチャートである。

0260

図19に示すように、放電灯90が点灯開始され(ステップS70)、第1立上期間PH11において制御部40は、記憶部44に格納された高電力モードに関する第1情報を参照し、それに基づいて突起形成期間PH4(突起形成モード)の第2実行情報を設定する(ステップS71)。

0261

本実施形態においては、高電力モードの第1情報として、例えば、リフレッシュ電力Wrと、駆動リフレッシュ効果と、を用いる。
本実施形態においては、突起形成モードの第2実行情報として、実行時間tc1を設定する。

0262

ここで、「駆動リフレッシュ効果」とは、高電力モードの駆動によって第1電極92の突起552pに加えられる熱負荷の大きさを示している。例えば、高電力モード時に放電灯90に供給される駆動電流Iの波形を調整することにより、駆動リフレッシュ効果の大きさを調整することができる。駆動リフレッシュ効果が大きいほど、高電力モードが実行される第2立上期間PH12において突起552pは溶融されやすい。

0263

駆動リフレッシュ効果は、高電力モードにおける、少なくとも実行時間tr1と駆動電流波形とによる熱負荷によって決定される。実行時間tr1が長いほど、突起552pに加えられる熱負荷は大きくなる。また、例えば、図14で示した駆動電流波形では、高電力モードの実行時間tr1に対する直流期間P1b,P2bの割合が大きいほど、突起552pに加えられる熱負荷は大きくなる。実行時間tr1による熱負荷と駆動電流波形による熱負荷とを合わせた熱負荷が大きいほど、駆動リフレッシュ効果は大きくなる。

0264

駆動リフレッシュ効果の大きさは、例えば、所定のリフレッシュ電力Wrに設定された高電力モードによって溶融した突起552pが、定常点灯モードが実行された際に、溶融する前と同程度に成長するまでに要する成長時間を指標とすることができる。なお、以下の説明においては、この成長時間を、単に突起552pの成長時間と称する場合がある。

0265

制御部40は、高電力モードの第1情報であるリフレッシュ電力Wrおよび駆動リフレッシュ効果に基づいて、突起形成モードの実行時間tc1を設定する。本実施形態において実行時間tc1の設定は、例えば、リフレッシュ電力Wrと、駆動リフレッシュ効果との関係を示すルックアップテーブルを用いて行われる。本実施形態における具体的なルックアップテーブルの一例を[表11]に示す。なお、この場合における定常点灯モードの定常点灯電力Wsは、例えば、140Wである。

0266

0267

[表11]において、駆動リフレッシュ効果の程度を示す大、中、小は、指標として、例えば、上述した突起552pの成長時間を用いた場合である。すなわち、駆動リフレッシュ効果が大とは、成長時間が長い場合であり、駆動リフレッシュ効果が小とは、成長時間が短い場合である。駆動リフレッシュ効果が中とは、その中間である。

0268

[表11]に示すように、駆動リフレッシュ効果が大きいほど、また、リフレッシュ電力Wrが大きいほど、突起形成モードの実行時間tc1は、長く設定される。これは、駆動リフレッシュ効果およびリフレッシュ電力Wrが大きいほど突起552pが溶融されており、より突起552pを成長させる必要があるためである。
例えば、[表11]のように突起形成モードの実行時間tc1が設定されることにより、突起形成期間PH4において突起552pを十分に成長させることができる。

0269

次に、図19に示すように、制御部40は、記憶部44に格納された高電力モードの第1情報に基づいて、高電力モードを実行し(ステップS72)、その後点灯期間を突起形成期間PH4へと移行させる(ステップS73)。
突起形成期間PH4においては、上記設定された第2実行情報に基づいて突起形成モードが実行される。制御部40は、実行時間tc1が経過した時点で、点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS74)。

0270

以上のようにして、制御部40は放電灯駆動部230を制御する。

0271

上記の制御部40による放電灯駆動部230の制御は、放電灯駆動方法として表現することもできる。すなわち、本実施形態の放電灯駆動方法は、放電灯90に定常点灯電力Wsを供給する定常点灯モードと、放電灯90に定常点灯電力Wsよりも大きいリフレッシュ電力Wrを供給する高電力モードと、第1電極92の先端に形成される突起552pの成長を促進する突起形成モードと、を含み、高電力モードを実行した後で、かつ、定常点灯モードを実行する前に、突起形成モードを実行することを特徴とする。

0272

本実施形態によれば、突起形成期間PH4が設けられ、突起形成モードが実行されるため、突起552pが扁平化した状態で定常点灯モードが実行されることを抑制でき、その結果、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。以下、詳細に説明する。

0273

図20(A)〜(C)は、第1電極92の突起552pの溶融状態を示す図である。図20(A)は、突起552pが溶融される前の状態を示す図である。図20(B)は、突起552pが高電力モードで溶融された状態を示す図である。図20(C)は、溶融された突起552pが突起形成モードで成長した状態を示す図である。図20(B)において破線で示しているのは、図20(A)における突起552pの形状である。図20(C)において破線で示しているのは、図20(B)における突起552pの形状である。

0274

図20(A)に示すように、溶融される前の突起552pの形状は、先端が尖っている。この場合においては、放電の輝点の位置が突起552pの先端で安定する。
一方、図20(B)に示すように、高電力モードによって突起552pが溶融されると、突起552pは扁平化し、突起552pの先端の形状が平らな状態となる。この場合においては、放電の輝点の位置が突起552pの先端において定まりにくい。

0275

突起552pが扁平化した状態であっても、高電力モードが実行されている期間、すなわち、第2立上期間PH12においては、第1電極92の温度が高いため、放電の輝点の位置は安定しやすい。
しかし、突起552pが扁平化した状態のまま、定常点灯モードが実行されると、第1電極92の温度が低下し、放電の輝点の位置は不安定となり、放電灯90のちらつきを生じる場合があった。

0276

この問題に対して、本実施形態によれば、高電力モードが実行された後で、かつ、定常点灯モードが実行される前に、突起552pの成長を促す突起形成モードが実行される。そのため、図20(C)に示すように、高電力モードにおいて溶融された突起552pは、突起形成モードによって成長し、突起552pの形状は、先端が尖った形状となる。これにより、突起552pが扁平化された状態で定常点灯モードが実行されることが抑制され、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。

0277

また、本実施形態によれば、突起形成期間PH4に対して、例えば、周波数が100Hz以上、1000Hz以下の交流期間P1a,P2aの割合が大きく設定されるため、突起形成期間PH4において突起552pの成長を促進することができる。

0278

また、突起552pの形成が促進される駆動が実行され続けると、突起552pは次第に細くなり、電極間距離が大きくなるという問題がある。
これに対して、本実施形態によれば、突起形成期間PH4に対する交流期間P1a,P2aの割合が、第2立上期間PH12に対する交流期間P1a,P2aの割合、および定常点灯期間PH2に対する交流期間P1a,P2aの割合よりも大きく設定されている。そのため、第2立上期間PH12および定常点灯期間PH2における突起552pの成長度合を、突起形成期間PH4における突起552pの成長度合に比べて小さくできる。したがって、本実施形態によれば、突起552pが細くなり、電極間距離が大きくなることを抑制できる。

0279

また、本実施形態によれば、突起形成期間PH4(突起形成モード)における突起形成電力Wmが、第2立上期間PH12(高電力モード)におけるリフレッシュ電力Wrと、定常点灯期間PH2(定常点灯モード)における定常点灯電力Wsとの間となるように設定される。そのため、第2立上期間PH12、突起形成期間PH4、定常点灯期間PH2の順で、段階的に駆動電力Wが小さくなる。その結果、駆動電力Wが急激に変化することが抑制され、放電灯90の第1電極92にかかる負荷を軽減できる。

0280

なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。

0281

本実施形態においては、突起形成モードの第2実行情報として、駆動電流波形を設定してもよい。具体的には、突起形成モードの第2実行情報として、例えば、突起形成期間PH4に対する交流期間P1a,P2aの割合を設定してもよい。本実施形態における具体的なルックアップテーブルの一例を[表12]に示す。

0282

0283

[表12]においては、[表11]と同様に駆動リフレッシュ効果を大、中、小の3段階で示している。
[表12]に示すように、駆動リフレッシュ効果が大きいほど、また、リフレッシュ電力Wrが大きいほど、突起形成期間PH4に対する交流期間P1a,P2aの割合は大きく設定される。これにより、突起形成期間PH4において突起552pを十分に成長させることができる。ここで、交流期間P1a,P2aの割合が100%であることは、すなわち、直流期間P1b,P2bが設けられないことを意味する。

0284

また、上記説明においては、突起形成電力Wmをリフレッシュ電力Wrと定常点灯電力Wsとの間となるように設定したが、これに限られない。本実施形態においては、突起形成電力Wmは、リフレッシュ電力Wrと同じであってもよいし、定常点灯電力Wsと同じであってもよい。突起形成電力Wmを大きく設定するほど、突起552pの成長をより促進できる。

0285

また、本実施形態においては、突起形成モードを実行する際に駆動電力Wを変化させてもよい。
図21は、本実施形態における駆動電力波形の他の一例を示す図である。図21において、縦軸は、駆動電力Wを示しており、横軸は時間Tを示している。図21では、図18と同様に、放電灯90を点灯させた時点から定常点灯状態になるまでの駆動電力Wの変化を示している。

0286

図21に示すように、突起形成期間PH5において、駆動電力Wは、リフレッシュ電力Wrから定常点灯電力Wsに向かって連続的に変化している。図21に示す例では、突起形成期間PH5における駆動電力Wは、線形に変化している。
突起形成期間PH5の長さ、すなわち、突起形成モードの実行時間tc2は、突起形成期間PH4と同様に設定される。

0287

この構成によれば、突起形成期間PH5において、駆動電力Wはリフレッシュ電力Wrから定常点灯電力Wsに向かって徐々に低下するため、駆動電力Wが急激に変化することが抑制され、放電灯90の第1電極92にかかる負荷をより軽減できる。また、駆動電力Wの低下に伴い、放電灯90から射出される光の強度も徐々に低下するため、定常点灯モードに切り替わる際に、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。

0288

なお、突起形成期間PH5における駆動電力Wは、線形に変化する場合に限られず、連続的に変化する範囲内において、どのように変化してもよい。本実施形態においては、例えば、突起形成期間PH5における駆動電力Wは、曲線的に変化してもよい。

0289

また、本実施形態において、突起形成期間PH5における駆動電力Wは、突起形成期間PH5の全体に亘って連続的に変化する場合に限られず、突起形成期間PH5の一部の期間において定常点灯電力Wsに向かって連続的に変化してもよい。例えば、突起形成期間PH5における駆動電力Wは、突起形成期間PH5の一部の期間において定常点灯電力Wsに向かって連続的に変化し、他の期間においては保持されるとしてもよい。

0290

また、本実施形態においては、制御部40は、突起形成期間PH4において放電灯90に供給される駆動電力Wを一定とするか変化させるかどうかについて、例えば、高電力モードのリフレッシュ電力Wr等の第1情報に基づいて決定してもよい。

0291

また、本実施形態においては、高電力モードおよび定常点灯モードにおける駆動電流Iに含まれる交流電流の周波数は、100Hzより小さく、1000Hzよりも大きい周波数に設定されてもよい。すなわち、本実施形態においては、高電力モードおよび定常点灯モードにおける駆動電流Iに含まれる交流電流の周波数は、突起552pの成長を促進する周波数に設定されなくてもよい。

0292

また、本実施形態においては、交流期間P1a,P2aにおける周波数は混合期間P1,P2毎に変化してもよい。

0293

また、上記説明においては、突起形成モードにおいて突起552pの成長を促進するために、突起形成期間PH4に対して、例えば、100Hz以上、1000Hz以下の交流電流を放電灯90に供給する時間の割合を大きくしたが、これに限られない。本実施形態においては、突起形成モードにおける突起552pの成長度合を、高電力モードおよび定常点灯モードにおける突起552pの成長度合に対して大きくできる範囲内において、突起形成モードは、特に限定されない。本実施形態においては、例えば、突起形成モードを、高電力モードおよび定常点灯モードに対して、放電灯90に供給される駆動電流Iを大きくする駆動としてもよい。

0294

また、上記説明においては、突起形成モードの第2実行情報の設定(ステップS71)は、高電力モードの実行(ステップS72)前としたが、これに限られない。本実施形態においては、突起形成モードの第2実行情報の設定は、点灯期間が突起形成期間PH4に移行される(ステップS73)前である範囲において、いつ行われてもよい。

0295

(第8実施形態)
第8実施形態は、第7実施形態に対して、突起形成モードの第2実行情報が、放電灯90の劣化情報に基づいて設定される点において異なる。
なお、以下の説明においては、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。

0296

図22は、本実施形態の制御部40による放電灯駆動部230の制御手順の一例を示すフローチャートである。
図22に示すように、放電灯90が点灯開始され(ステップS80)、制御部40は、ランプ点灯開始から所定時間が経過したかどうかを判定する(ステップS81)。所定時間は、ランプ点灯開始からランプ電圧を参照するまでの時間であり、図18において時刻Taとなる時間である。時刻Taの値は、例えば、予め記憶部44に記憶されている。

0297

制御部40は、ランプ点灯開始から所定時間が経過した場合(ステップS81:YES)、時刻Taにおいて、ランプ電圧(劣化情報)を検出する(ステップS82)。ここで、第1実施形態において述べたように、時刻Taで参照したランプ電圧は、定常点灯期間PH2におけるランプ電圧とは異なるため、プロジェクターの設計者は、時刻Taでのランプ電圧値から定常点灯期間PH2でのランプ電圧を求める換算式、もしくは複数の放電灯を実測して得られた電圧推移の統計値に基づく換算テーブルを予め用意し、記憶部44に格納しておく。換算テーブルとしては、例えば、[表2]や[表5]において示した換算テーブルを採用できる。

0298

制御部40は、上記の換算テーブルに基づいて、定常点灯期間PH2におけるランプ電圧を推定する(ステップS83)。そして、制御部40は、推定されたランプ電圧に基づいて、突起形成モードの第2実行情報を設定する(ステップS84)。突起形成モードの第2実行情報の設定は、例えば、推定された定常点灯期間PH2におけるランプ電圧と、突起形成モードの第2実行情報との関係を示すルックアップテーブルを用いて行われる。本実施形態においては、突起形成モードの第2実行情報として、例えば、実行時間tc1を設定する。本実施形態における具体的なルックアップテーブルの一例を[表13]に示す。

0299

0300

[表13]に示すように、推定された定常点灯期間PH2のランプ電圧が大きくなるほど、突起形成モードの実行時間tc1が長く設定される。これは、定常点灯期間PH2のランプ電圧が大きくなるほど、すなわち、放電灯90の劣化度合いが大きくなるほど、突起552pが成長しにくくなるためである。

0301

制御部40は、第7実施形態と同様にして、高電力モードを実行し(ステップS85)、その後点灯期間を突起形成期間PH4に移行させる(ステップS86)。制御部40は、突起形成期間PH4の実行時間tc1が経過した後、点灯期間を定常点灯期間PH2へと移行させる(ステップS87)。

0302

本実施形態によれば、第7実施形態と同様にして、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。

0303

また、本実施形態によれば、突起形成モードの第2実行情報が放電灯90の劣化情報に基づいて設定されるため、放電灯90の劣化状態に応じて、適切に突起形成モードを実行することができる。

0304

なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。

0305

上記説明においては、放電灯90の劣化情報として、放電灯90のランプ電圧を用いたが、これに限られない。本実施形態においては、放電灯90の劣化情報として、例えば、放電灯90の累積点灯時間を用いてもよい。

0306

また、上記説明においては、放電灯90の劣化情報を取得するタイミングを時刻Taとしたが、これに限られず、放電灯90の劣化情報を取得するタイミングは、突起形成期間PH4の前である範囲において特に限定されない。具体的には、例えば、高電力モードが実行されている第2立上期間PH12中であってもよいし、また、例えば、電源がOFFされる直前にランプ電圧を取得し、記憶部44に記憶させておいてもよい。

0307

なお、上記説明した第7実施形態および第8実施形態においては、立上期間PH1において高電力モードが実行されるものとしたが、これに限られない。高電力モードは、例えば、第6実施形態において示したように、定常点灯期間PH2に実行されてもよい。

0308

なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
また、上記第1実施形態から第8実施形態は、互いに干渉しない範囲内で、適宜組み合わせることができる。

0309

10…放電灯点灯装置(放電灯駆動装置)、40…制御部、44…記憶部、90…放電灯、92…第1電極(電極)、93…第2電極(電極)、200…光源装置、230…放電灯駆動部、330R,330G,330B…液晶ライトバルブ(光変調素子)、350…投射光学系、500…プロジェクター、552p,562p…突起、I…駆動電流、PH1…立上期間、PH11,PH13…第1立上期間、PH12,PH14…第2立上期間、PH2…定常点灯期間、T…時間、tc1,tc2…実行時間(突起形成駆動の実行時間)、tr1,tr2…実行時間(高電力駆動の実行時間)、W…駆動電力、Wm…突起形成電力(第3駆動電力)、Wr…リフレッシュ電力(第2駆動電力)、Ws…定常点灯電力(第1駆動電力)、Wt…定格電力

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