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技術 変性ポリ酢酸ビニル

出願人 デンカ株式会社
発明者 丹野信幸橋本崇男
出願日 2014年3月26日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-064718
公開日 2015年10月29日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-187216
状態 特許登録済
技術分野 重合方法(一般) 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード NMR試料管 ミリモル当量 変性ポリ酢酸ビニル 無機酸水溶液 純度試験 シリコーン離型剤 FRP 酢酸ビニル由来
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年10月29日)のものです。
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課題

高温環境下においても弾性率を維持できる変性ポリ酢酸ビニルの提供。

解決手段

式Iで表される結合単位を有する変性ポリビニルアルコールの存在下で、酢酸ビニルと、ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種単量体とを、懸濁重合法で共重合させた変性ポリ酢酸ビニル。(X1,X2はC1〜12のアルキル基、H又は金属塩;Y1はカルボン酸カルボン酸エステルカルボン酸金属塩又はH;gは0〜3;hは0〜12)

概要

背景

ポリ酢酸ビニルは、塗料粘着剤接着剤コーティング剤義歯安定剤、チューインガムベースFRP収縮防止剤制振材などの原料として広く使用されている。

ポリ酢酸ビニルを用いた塗料としては、ポリ酢酸ビニルに、シリコーン系樹脂を含有させた樹脂組成物からなるもの(特許文献1参照)が知られている。
ポリ酢酸ビニルを用いた接着剤やコーティング剤としては、ポリ酢酸ビニルに特定の平均粒径水性二酸化ケイ素分散体を含有させたもの(特許文献2参照)や、ポリ酢酸ビニルに、エポキシ基含有化合物酸性化合物、非アスベスト充填剤界面活性剤を含有させたもの(特許文献3参照)が知られている。
ポリ酢酸ビニルを用いた義歯安定剤としては、酢酸ビニル樹脂に、ワセリンエタノール及び水を含有させたもの(特許文献4参照)が知られている。

このように、ポリ酢酸ビニルを用いた製品は広い分野で利用されている。しかしながら、これらのポリ酢酸ビニルは、高温環境下において弾性率が低下してしまうため、塗装後の塗膜液ダレや粘着剤の軟化による被着体の落下などが発生してしまう場合があった。

概要

高温環境下においても弾性率を維持できる変性ポリ酢酸ビニルの提供。式Iで表される結合単位を有する変性ポリビニルアルコールの存在下で、酢酸ビニルと、ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種単量体とを、懸濁重合法で共重合させた変性ポリ酢酸ビニル。(X1,X2はC1〜12のアルキル基、H又は金属塩;Y1はカルボン酸カルボン酸エステルカルボン酸金属塩又はH;gは0〜3;hは0〜12)なし

目的

本発明は、高温環境下においても弾性率を維持できる変性ポリ酢酸ビニルを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

式I(式I中、X1とX2は、炭素数1〜12の低級アルキル基水素原子又は金属塩のいずれか一つであり、同一のものでも良く異なったものでも良い。gは、0〜3の整数を表す。hは、0〜12の整数を表す。Y1は、カルボン酸カルボン酸エステルカルボン酸金属塩又は水素原子のいずれか一つであり、同一のものでも良く異なったものでも良い。)で表される結合単位を有する変性ポリビニルアルコールの存在下で、酢酸ビニルと、ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種単量体とを、懸濁重合法で共重合させて得られる変性ポリ酢酸ビニルであって、前記変性ポリ酢酸ビニル中に、前記酢酸ビニル由来の結合単位99〜50モル%と前記ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体由来の結合単位1〜50モル%を有する変性ポリ酢酸ビニル。

請求項2

ジアルキルマレイン酸エステルが、マレイン酸ジメチルマレイン酸ジエチルマレイン酸ジプロピルマレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシルから選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載した変性ポリ酢酸ビニル。

請求項3

ジアルキルフマル酸エステルが、フマル酸ジメチルフマル酸ジエチルフマル酸ジプロピルフマル酸ジブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシルから選ばれる少なくとも一種である請求項1又は請求項2に記載した変性ポリ酢酸ビニル。

請求項4

平均重合度が1000〜9000である請求項1〜請求項3いずれか一項に記載した変性ポリ酢酸ビニル。

請求項5

粒子メジアン径が100〜800μmである請求項1〜請求項4いずれか一項に記載した変性ポリ酢酸ビニル。

技術分野

0001

本発明は、変性ポリ酢酸ビニルに関する。特に、高温環境下においても弾性率を維持できる変性ポリ酢酸ビニルに関する。

背景技術

0003

ポリ酢酸ビニルを用いた塗料としては、ポリ酢酸ビニルに、シリコーン系樹脂を含有させた樹脂組成物からなるもの(特許文献1参照)が知られている。
ポリ酢酸ビニルを用いた接着剤やコーティング剤としては、ポリ酢酸ビニルに特定の平均粒径水性二酸化ケイ素分散体を含有させたもの(特許文献2参照)や、ポリ酢酸ビニルに、エポキシ基含有化合物酸性化合物、非アスベスト充填剤界面活性剤を含有させたもの(特許文献3参照)が知られている。
ポリ酢酸ビニルを用いた義歯安定剤としては、酢酸ビニル樹脂に、ワセリンエタノール及び水を含有させたもの(特許文献4参照)が知られている。

0004

このように、ポリ酢酸ビニルを用いた製品は広い分野で利用されている。しかしながら、これらのポリ酢酸ビニルは、高温環境下において弾性率が低下してしまうため、塗装後の塗膜液ダレや粘着剤の軟化による被着体の落下などが発生してしまう場合があった。

先行技術

0005

特開2005−146070号公報
特開2007−314786号公報
特開2001−207153号公報
特開2011−063538号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、高温環境下においても弾性率を維持できる変性ポリ酢酸ビニルを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0007

特定の変性ポリビニルアルコール(以下、変性PVAという)を分散剤として用い、酢酸ビニルジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種単量体懸濁重合法で共重合させて得られる変性ポリ酢酸ビニルにより、上記課題を解決できる。

0008

本発明は、式I(式I中、X1とX2は、炭素数1〜12の低級アルキル基水素原子又は金属塩のいずれか一つであり、同一のものでも良く異なったものでも良い。gは、0〜3の整数を表す。hは、0〜12の整数を表す。Y1は、カルボン酸カルボン酸エステルカルボン酸金属塩又は水素原子のいずれか一つであり、同一のものでも良く異なったものでも良い。)で表される結合単位を有する変性ポリビニルアルコールの存在下で、酢酸ビニルと、ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体とを、懸濁重合法で共重合させて得られる変性ポリ酢酸ビニルであって、前記変性ポリ酢酸ビニル中に、前記酢酸ビニル由来の結合単位99〜50モル%と、前記ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体由来の結合単位1〜50モル%を有する変性ポリ酢酸ビニルである。



変性ポリ酢酸ビニルは、共重合させるジアルキルマレイン酸エステルが、マレイン酸ジメチルマレイン酸ジエチルマレイン酸ジプロピルマレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシルから選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、ジアルキルフマル酸エステルが、フマル酸ジメチルフマル酸ジエチルフマル酸ジプロピルフマル酸ジブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシルから選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
変性ポリ酢酸ビニルは、その平均重合度が1000〜9000、粒子メジアン径が100〜800μmであることが好ましい。

発明の効果

0009

本発明によれば、高温環境下においても弾性率を維持できる変性ポリ酢酸ビニルを得ることができる。

0010

本発明の変性ポリ酢酸ビニルは、(1)変性PVAの存在下で、(2)酢酸ビニルと、(3)ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体とを、懸濁重合法で共重合させて得られるものである。本発明の変性ポリ酢酸ビニルは、その分子中にジアルキルマレイン酸エステルやジアルキルフマル酸エステル由来の結合単位を有するものであり、従来のポリ酢酸ビニルに比べて高温環境下における弾性率を維持することができるものである。

0011

(1)変性PVA
変性PVAは、変性ポリ酢酸ビニルを形成する酢酸ビニルとジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体を、懸濁重合の重合液中に均一に分散させるために用いるものである。
変性PVAは、その分子中に特定構造の結合単位を有することにより、懸濁重合時の分散能力(保護コロイド性)を向上させたものである。保護コロイド性が高いため、酢酸ビニルとジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体の重合反応を均一に進めることができ、得られる変性ポリ酢酸ビニルの粒子径分布を狭いものにすることができる。

0012

変性PVAは、酢酸ビニルとジカルボン酸エステルを共重合させた共重合体ケン化することで得られるものである。

0013

変性PVAにおけるジカルボン酸エステルの共重合量は、0.1〜10モル%が好ましい。ジカルボン酸エステルの共重合量が0.1モル%未満では、得られる変性PVAに含有される特定の結合単位が不足して、その保護コロイド性を向上させることができない。このため、得られる変性ポリ酢酸ビニルの粒子径分布が広いものになってしまう場合がある。また、ジカルボン酸エステルの共重合量が10モル%を超えると、得られる変性ポリ酢酸ビニルを接着剤や塗料として用いた場合に、その接着性塗膜強度が低下したものになってしまう場合がある。

0014

これらジカルボン酸エステルとしては、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチルなどがある。

0015

酢酸ビニルとジカルボン酸エステルを共重合させるには、公知の溶液重合乳化重合、懸濁重合などの重合方法を任意に用いることができる。溶液重合においては、酢酸ビニルの仕込み方法として、分割仕込み一括仕込みなど任意の手段を用いてもよい。重合反応は、アゾビスイソブチロニトリル過酸化アセチル過酸化ベンゾイル過酸化ラウロイルなどの公知のラジカル重合触媒を用いて行われる。反応温度は50℃〜反応混合物沸点程度の範囲から選択される。

0016

得られた酢酸ビニル−ジカルボン酸エステルの共重合体は、アルコールに溶解させ、アルカリ触媒又は酸触媒の存在下でケン化する。アルコールとしてはメタノール、エタノール、ブタノールなどがある。アルコール中の酢酸ビニル−ジカルボン酸エステル共重合体の濃度は20〜50重量%の範囲に設定するとよい。アルカリ触媒としては水酸化ナトリウム水酸化カリウムナトリウムメチラートナトリウムエチラートカリウムメチラートなどのアルカリ金属水酸化物アルコラートなどのアルカリ触媒を用いることができる。酸触媒としては、塩酸硫酸などの無機酸水溶液p−トルエンスルホン酸などの有機酸を用いることができる。これら触媒の使用量は、酢酸ビニルに対して1〜100ミリモル当量にするとよい。ケン化温度は特に制限はないが、通常10〜70℃好ましくは30〜50℃の範囲から選ぶのが望ましい。

0017

変性PVAのケン化度は、65〜75モル%の範囲に調整することが好ましい。ケン化度がこの範囲の変性PVAを用いることにより、得られる変性ポリ酢酸ビニルは、粒子径の分布が狭く、これを接着剤や塗料として用いた場合に、その接着性又は、塗膜強度を維持することができる。

0018

変性PVAの数平均分子量は、特に限定するものではない。懸濁重合時の重合液への溶解性と、酢酸ビニル及びジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体の保護コロイド性のバランスを向上させるためには3800〜28500のものを用いると良い。

0019

懸濁重合の重合液中における変性PVAの濃度は、0.05〜0.5%とすると、その保護コロイド性を維持しつつ、懸濁重合時の重合液の粘度が適正となって、重合反応が効率的に行われるため好ましい。

0020

(2)酢酸ビニル
酢酸ビニルは、ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合させて、変性ポリ酢酸ビニルを形成するものである。変性ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル由来の結合単位(共重合量)は、99〜50モル%の範囲である。酢酸ビニルの共重合量が50モル%に満たないと、変性ポリ酢酸ビニルを接着剤や塗料として用いた場合に、その接着性や塗膜強度が低下する。酢酸ビニルの共重合量が99モル%を越えてしまうと、変性ポリ酢酸ビニルの高温環境下における弾性率を維持できない。酢酸ビニルの共重合量は、好適には95〜70モル%、更に好適には90〜75モル%とすることが望ましい。

0021

(3)ジアルキルマレイン酸エステル及びジアルキルフマル酸エステルから選ばれる少なくとも一種の単量体(以下、これらを合わせてエステル化合物という)
エステル化合物は、得られる変性ポリ酢酸ビニルの高温環境下における弾性率を維持するために共重合させるものである。
エステル化合物の共重合量は、1〜50モル%の範囲である。エステル化合物の共重合量が1モル%に満たないと、変性ポリ酢酸ビニルの高温環境下における弾性率を維持できない。また、エステル化合物の共重合量が50モル%を超えてしまうと、変性ポリ酢酸ビニルを接着剤や塗料として用いた場合に、その接着性や塗膜強度が低下する。
エステル化合物の共重合量は、好適には5〜30モル%、更に好適には10〜25モル%とすることが望ましい。

0022

エステル化合物としてのジアルキルマレイン酸エステルは、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシルなどがある。これらの単量体は併用することもできる。

0023

エステル化合物としてのジアルキルフマル酸エステルは、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジソプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジ−2−エチルヘキシルなどがある。これらの単量体は併用することもできる。

0024

変性ポリ酢酸ビニルの平均重合度は、1000〜9000であることが好ましい。変性ポリ酢酸ビニルの平均重合度をこの範囲に限定することにより、変性ポリ酢酸ビニルを接着剤や塗料として使用した場合に、その溶液粘度が適正となり、塗装作業性を向上させることができる。

0025

変性ポリ酢酸ビニルの平均重合度は、重合温度や重合時間、酢酸ビニルとエステル化合物の懸濁重合時の重合液中の濃度、重合開始剤などの添加量を適宜調整することで、任意に調整することができる。

0026

変性ポリ酢酸ビニルは、接着剤や塗料として用いた場合の溶剤への溶解性や混練り時粉立ち性が向上するため、そのメジアン径を100〜800μmの範囲に調整することが好ましい。
変性ポリ酢酸ビニルのメジアン径を調整するには、重合温度や重合時間、酢酸ビニルとエステル化合物の懸濁重合時の重合液の濃度、変性ポリビニルアルコール、重合開始剤などの添加量を適宜調整することで、任意に調整することができる。

0027

0028

実施例1の変性ポリ酢酸ビニルは、本願発明で特定した変性ポリビニルアルコール0.1質量部の存在下で、酢酸ビニル100質量部と、マレイン酸ジブチル20質量部とを、懸濁重合法で共重合させて得られたものである。変性ポリ酢酸ビニル中には、酢酸ビニル由来の結合単位93モル%とマレイン酸ジブチル由来の結合単位7モル%を有するものであり、高温環境下においても弾性率を維持できるものであった。

0029

本実施例で用いた変性PVAの作製、本実施例の変性ポリ酢酸ビニルの作製、及び各評価は以下に示したとおりに行った。

0030

<変性PVAの作成>
酢酸ビニル17質量部、メタノール14質量部、マレイン酸ジメチル0.023質量部、イタコン酸0.257質量部及び酢酸ビニルに対して0.10%のアゾビスイソブチロニトリルを重合缶に仕込み、窒素置換後加熱して沸点まで昇温し、更に、酢酸ビニル6質量部、メタノール5質量部及びマレイン酸ジメチル0.207質量部の混合液重合率75%に達するまで連続的に添加して重合させ、重合率90%に達した時点で重合を停止した。次いで常法により未重合の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体を水酸化ナトリウムで常法によりケン化した。その後、90℃で90分熱風乾燥し、マレイン酸ジメチル0.6モル%、ケン化度88.0モル%、分子量(Mn)11000の変性PVAを得た。

0031

変性PVAのマレイン酸ジメチルの含有量はNMRにより測定したものである。変性PVAのケン化度はJIS K6276「3.5ケン化度」に準じて測定したものである。変性PVAの分子量はGPCを使用して試料濃度0.25w/v%水溶液を40℃で測定し標準ポリエチレングリコール換算でMnを計算したものである。

0032

<変性ポリ酢酸ビニルの作製>
還流冷却器滴下ロート温度計窒素導入口を備えたガラス重合容器イオン交換水270質量部を加え、上述で得られた変性PVA0.1質量部を添加して、加熱攪拌し溶解した。
その後、重合容器内温度を58℃にして、重合開始剤として過酸化ラウロイル0.08質量部と酢酸ビニル100質量部、ジアルキルマレイン酸エステルとしてマレイン酸ジブチル20質量部を添加し6時間重合して変性ポリ酢酸ビニルを得た。得られた変性ポリ酢酸ビニルの物性を以下の方法に従い測定・評価した。

0033

(測定・評価)
<酢酸ビニル、ジアルキルマレイン酸エステル又はジアルキルフマル酸エステル由来の結合単位>
変性ポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニル、ジアルキルマレイン酸エステル又はジアルキルフマル酸エステル由来の結合単位は、以下の手順に従って測定した。試料約27mgを5mmφNMR試料管に精し、重ジメチルスルホキシドDMSO)約0.6mlを加え過熱溶解する。試料のDMSO溶液を、JEOL社製NMRECX−400を使用し、測定温度80℃、積算回数128回で1H−NMRを測定する。得られたNMRスペクトルの1.85から2.00ppmの酢酸ビニル由来のメチル基ピークと1.00から1.85ppmのジアルキルマレイン酸エステル又はジアルキルフマル酸エステル由来のメチレン基のピークの積分強度比より組成を算出する。

0034

<高温環境下における弾性率>
高温環境下における弾性率は、以下の方法で作製した変性ポリ酢酸ビニルのフィルム試験片を、動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hz、測定温度23℃の条件で貯蔵弾性率を測定した。
変性ポリ酢酸ビニルのフィルムの試験片の作製
変性ポリ酢酸ビニル15重量部、ポリメタクリル酸メチル樹脂15重量部、トルエン70部、シリコーン樹脂30部を混合して変性ポリ酢酸ビニル組成物を得た。得られた変性ポリ酢酸ビニル組成物をシリコーン離型剤コーティングされた透明フィルム上に厚みが500μmになるように塗布し、その上に同じ透明フィルムを積層した後、600mJ/cm2で紫外線照射して完全硬化させて変性ポリ酢酸ビニルのフィルムを得た。得られた変性ポリ酢酸ビニルのフィルムを直径25mm、厚さ1mmの試験片とした。
80℃での貯蔵弾性率が100,000Paを越える値を示したものを◎、800,000〜100,000Paであったものを○、800,000Paに満たなかったものを×として評価した。

0035

<平均重合度>
平均重合度は、JIS K6725「ポリ酢酸ビニル試験方法」の「3.2平均重合度」に準じて測定した。

0036

<粒子のメジアン径>
メジアン径は、得られた変性ポリ酢酸ビニルを、レーザー回折粒度分布装置[島津製作所製 SALD−2300]を用いて測定した。800μm以下のものを合格とした。

0037

<粒子径の分布>
粒子径の分布は、レーザ回折粒子径測定装置SALD−3100(株式会社島津製作所製)を用いて、体積基準における平均粒径(d50)と、d50を基準としたときの標準偏差(σ50)を測定し、CV値(σ50/d50×100)を算出した。CV値が0.8以下のものを○、0.8を超えたものを×として評価した。CV値は値が小さいほど粒子径の分布が狭いことを示す。

0038

<残存酢酸ビニルモノマー量>
残存酢酸ビニルモノマー量は、第8版食品添加物公定書の成分規格・保存規格の「酢酸ビニル樹脂」の純度試験に準じて測定した。300μg/g以下のものを合格とした。

0039

実施例2〜8
変性ポリ酢酸ビニルの重合の際に用いた、ポリビニルアルコール、重合開始剤及び、ジアルキルマレイン酸エステル又はジアルキルフマル酸エステルの種類と量を、それぞれ上述の表1に記載したように変えた以外は、実施例1と同様にして変性ポリ酢酸ビニルを作成し、実施例1と同様に評価を行った。

0040

0041

実施例9〜14、比較例1〜3
変性ポリ酢酸ビニルの重合の際に用いた、ポリビニルアルコール、重合開始剤及び、ジアルキルマレイン酸エステル又はジアルキルフマル酸エステルの種類と量を、それぞれ上述の表2に記載したように変えた以外は、実施例1と同様にして変性ポリ酢酸ビニルを作成し、実施例1と同様に評価を行った。比較例1で用いた未変性PVAは以下に示したとおりに作製したものである。

0042

<未変性PVAの作製>
酢酸ビニル17質量部、メタノール14質量部及び酢酸ビニルに対して0.10%のアゾビスイソブチロニトリルを重合缶に仕込み、窒素置換後加熱して沸点まで昇温し、更に、酢酸ビニル6質量部、メタノール5質量部の混合液を重合率75%に達するまで連続的に添加して重合させ、重合率90%に達した時点で重合を停止した。次いで未重合の酢酸ビニルを除去し、得られた重合体を水酸化ナトリウムでケン化した。その後、90℃で90分熱風乾燥し、ケン化度88.0モル%、分子量(Mn)11000の未変性PVAを得た。未変性PVAのケン化度と分子量は、上述と同一の方法で測定したものである。

実施例

0043

本発明の変性ポリ酢酸ビニルは、高温環境下においても弾性率を維持でき、粒子径の分布も狭いものであった。なお、比較例3のサンプルは重合反応が制御できず変性ポリ酢酸ビニルを得ることができなかった。

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