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技術 カチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法およびアミン化樹脂の運搬方法

出願人 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社
発明者 原岳史宮前治広安藤亮原田雅彦仲沢憲幸
出願日 2014年3月26日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-064384
公開日 2015年10月29日 (5年0ヶ月経過) 公開番号 2015-187194
状態 特許登録済
技術分野 塗料、除去剤 エポキシ樹脂
主要キーワード ドロップ式 固体総量 塗料会社 無攪拌状態 最長粒径 ワンパック化 膜厚不足 固体状樹脂
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この項目の情報は公開日時点(2015年10月29日)のものです。
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課題

本発明は、カチオン電着塗料用エマルション輸送を効率化して、輸送コストを大きく削減することを目的とする。

解決手段

本発明は、カチオン電着塗料用の基体樹脂を合成し、反応容器より液体で取り出した後、固体状にし、それを必要に応じて適当な粒径に調整し、次いで乳化現場において水および必要に応じて添加される溶剤中和剤硬化剤もしくは添加剤を加えて乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法を提供する。また、本発明は、カチオン電着塗料用の基体樹脂を反応容器より液体で取り出した後固体状にし、必要に応じて適当な粒径に調整し、運搬することを特徴とするカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法を提供する。

概要

背景

カチオン電着塗装は、カチオン電着塗料中に被塗物陰極として浸漬させ、電圧印加することにより行われる塗装方法である。この方法は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、また自動的かつ連続的に塗装することができるので、特に自動車車体等の大型で複雑な形状を有する被塗物の下塗り塗装方法として広く実用化されている。さらに電着塗装は、被塗物に高い防食性を与えることができ、被塗物の保護効果にも優れている。

カチオン電着塗料は、一般にアミン化樹脂ブロック化イソシアネート硬化剤および顔料を水中で乳化あるいは分散したものである。カチオン電着塗装は、通電によって被膜を形成するものであり、水を溶媒とする必要があり、カチオン電着塗料は水を大量に含むものである。

日本国内では、カチオン電着塗料は通常、塗料会社で作成した電着塗料エマルションを塗装場所に運搬して、塗装現場顔料分散ペーストなどと混合して作成している。しかし、上記電着塗料用エマルションは、水を主体とする溶媒を含むものであり、それを輸送する場合輸送重量の大半が水であるので、輸送機器を大きくする必要があり、輸送コストが高かった。また、エマルション状態保管や輸送するため、エマルション安定性を確保する上で、厳重な温度管理が必要であった。上述のような輸送時のコスト面での不都合を少なくするために、エマルション液濃縮することも考えられるが、粘度が上昇し、エマルションの安定性を損なったり、濃縮コストが余分に掛かったりする。

また、国内で製造した電着塗料用エマルションを国内外の塗装現場へ運搬する場合、タンカーでの海上輸送および/または鉄道トラックなどによる陸上輸送が必要になるが、その場合も前述のように大量の水を含むエマルションを温度管理しつつ輸送しなければならず、輸送機器の大型化や複雑化は避けられず、輸送コストに大きく反映される。従って、輸送の効率化が求められている。

特開2010-43189号公報(特許文献1)には、カチオン電着塗料に補給する高濃度樹脂を含有する補給塗料が開示されている。この技術は、カチオン電着塗料が使用時に塗膜形成成分が持ち出されて少なくなるのを、補給塗料で塗膜形成成分を補給する技術の改良であって、補給塗料をツーパック化していたものをワンパック化する技術である。この発明も輸送的観点があるが、カチオン電着塗料用エマルションの輸送ではなく補給塗料に関するものであり、また補給塗料も基本的に多量の水が含まれている。

特開2012-092293号公報(特許文献2)には、特定配合の顔料分散ペーストが記載されている。特許文献2の[0002]段落には、海外塗装設備に輸送するときの問題点として、ドラム缶に入れられた顔料分散ペーストが長期間無攪拌状態にあるので、顔料分散ペーストの貯蔵安定性を高める技術が開示されている。この技術はカチオン電着塗料用エマルションの輸送ではなく顔料分散ペーストに関するものである。

概要

本発明は、カチオン電着塗料用エマルションの輸送を効率化して、輸送コストを大きく削減することを目的とする。 本発明は、カチオン電着塗料用の基体樹脂を合成し、反応容器より液体で取り出した後、固体状にし、それを必要に応じて適当な粒径に調整し、次いで乳化現場において水および必要に応じて添加される溶剤中和剤、硬化剤もしくは添加剤を加えて乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法を提供する。また、本発明は、カチオン電着塗料用の基体樹脂を反応容器より液体で取り出した後固体状にし、必要に応じて適当な粒径に調整し、運搬することを特徴とするカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法を提供する。 なし

目的

本発明は、カチオン電着塗料用エマルションの輸送を効率化して、輸送コストを大きく削減することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

カチオン電着塗料用の基体樹脂を合成し、反応容器より液体で取り出した後、固体状にし、それを必要に応じて適当な粒径に調整し、次いで乳化現場において水および必要に応じて添加される溶剤中和剤硬化剤もしくは添加剤を加えて乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項2

上記基体樹脂が軟化点20〜90℃を有する、請求項1記載のカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項3

上記固体状の基体樹脂が溶剤を基体樹脂の総質量に基づいて10質量%以下の量で含有する、請求項1または2記載のカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項4

上記基体樹脂がアミン化樹脂である請求項1〜3いずれかに記載のカチオン電着エマルションの現場での製造方法。

請求項5

上記基体樹脂の調整された粒径が最短粒径40cm以下である、請求項1〜4いずれかに記載のカチオン電着用エマルションの現場での製造方法。

請求項6

上記粒径の調整が粉砕または造粒であり、該粒径の調整が基体樹脂を液体から固体状に変化させる段階、もしくは固体状にした直後、もしくはその後の必要な段階、またはそれらを組み合わせて行われる、請求項1〜5のいずれかに記載のカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項7

上記基体樹脂が固体状物またはその粒径を調整した物として、運搬される請求項1〜6のいずれかに記載のカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項8

カチオン電着塗料用の基体樹脂を合成し、反応容器より液体で取り出した後固体状にし、乳化現場に運搬後固体のアミン化樹脂を適当な粒径に調整し、水および必要に応じて添加される溶剤、中和剤、硬化剤もしくは添加剤により乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項9

カチオン電着塗料用の基体樹脂を反応容器より液体で取り出した後、固体状にし、それを適当な粒径に調整後、乳化現場に運搬し、そこで水および必要に応じて添加される溶剤、中和剤、硬化剤もしくは添加剤により乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項10

カチオン電着塗料用の基体樹脂を反応容器より液体で取り出した後固体状にし、必要に応じて適当な粒径に調整し、運搬することを特徴とするカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法

請求項11

上記基体樹脂が軟化点20〜90℃を有する、請求項10記載のカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法。

請求項12

上記基体樹脂が固体状の場合溶剤を基体樹脂の総質量に基づいて10質量%以下の量で含有する、請求項10または11記載のカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法。

請求項13

上記基体樹脂がアミン化樹脂である請求項10〜12いずれかに記載のカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法。

請求項14

上記基体樹脂の調整された粒径が最短粒径40cm以下である、請求項10〜13いずれかに記載のカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法。

請求項15

上記粒径の調整が粉砕または造粒であり、該粒径の調整が基体樹脂を液体から固体状に変化させる段階、もしくは固体状にした直後、もしくはその後の必要な段階、またはそれらを組み合わせて行われる、請求項10〜14のいずれかに記載のカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法。

請求項16

カチオン電着塗料用の固体状基体樹脂を乳化現場に運搬した後に適当な粒径に調整し、水および必要に応じて添加される溶剤、中和剤、硬化剤もしくは添加剤により乳化するカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項17

上記基体樹脂が軟化点20〜90℃を有する、請求項16記載のカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項18

上記基体樹脂が固体状の場合溶剤を基体樹脂の総質量に基づいて10質量%以下の量で含有する、請求項16または17記載のカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法。

請求項19

上記基体樹脂がアミン化樹脂である請求項16〜18いずれかに記載のカチオン電着用エマルションの現場での製造方法。

請求項20

上記基体樹脂の調整された粒径が最短粒径40cm以下である、請求項16〜19いずれかに記載のカチオン電着用エマルションの現場での製造方法。

技術分野

0001

本発明は、カチオン電着塗料用エマルション基体樹脂固体状にして、それを乳化現場まで輸送し、そこで乳化するカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法および固体状の基体樹脂の運搬方法に関する。

背景技術

0002

カチオン電着塗装は、カチオン電着塗料中に被塗物陰極として浸漬させ、電圧印加することにより行われる塗装方法である。この方法は、複雑な形状を有する被塗物であっても細部にまで塗装を施すことができ、また自動的かつ連続的に塗装することができるので、特に自動車車体等の大型で複雑な形状を有する被塗物の下塗り塗装方法として広く実用化されている。さらに電着塗装は、被塗物に高い防食性を与えることができ、被塗物の保護効果にも優れている。

0003

カチオン電着塗料は、一般にアミン化樹脂ブロック化イソシアネート硬化剤および顔料を水中で乳化あるいは分散したものである。カチオン電着塗装は、通電によって被膜を形成するものであり、水を溶媒とする必要があり、カチオン電着塗料は水を大量に含むものである。

0004

日本国内では、カチオン電着塗料は通常、塗料会社で作成した電着塗料エマルションを塗装場所に運搬して、塗装現場顔料分散ペーストなどと混合して作成している。しかし、上記電着塗料用エマルションは、水を主体とする溶媒を含むものであり、それを輸送する場合輸送重量の大半が水であるので、輸送機器を大きくする必要があり、輸送コストが高かった。また、エマルション状態保管や輸送するため、エマルション安定性を確保する上で、厳重な温度管理が必要であった。上述のような輸送時のコスト面での不都合を少なくするために、エマルション液濃縮することも考えられるが、粘度が上昇し、エマルションの安定性を損なったり、濃縮コストが余分に掛かったりする。

0005

また、国内で製造した電着塗料用エマルションを国内外の塗装現場へ運搬する場合、タンカーでの海上輸送および/または鉄道トラックなどによる陸上輸送が必要になるが、その場合も前述のように大量の水を含むエマルションを温度管理しつつ輸送しなければならず、輸送機器の大型化や複雑化は避けられず、輸送コストに大きく反映される。従って、輸送の効率化が求められている。

0006

特開2010-43189号公報(特許文献1)には、カチオン電着塗料に補給する高濃度樹脂を含有する補給塗料が開示されている。この技術は、カチオン電着塗料が使用時に塗膜形成成分が持ち出されて少なくなるのを、補給塗料で塗膜形成成分を補給する技術の改良であって、補給塗料をツーパック化していたものをワンパック化する技術である。この発明も輸送的観点があるが、カチオン電着塗料用エマルションの輸送ではなく補給塗料に関するものであり、また補給塗料も基本的に多量の水が含まれている。

0007

特開2012-092293号公報(特許文献2)には、特定配合の顔料分散ペーストが記載されている。特許文献2の[0002]段落には、海外塗装設備に輸送するときの問題点として、ドラム缶に入れられた顔料分散ペーストが長期間無攪拌状態にあるので、顔料分散ペーストの貯蔵安定性を高める技術が開示されている。この技術はカチオン電着塗料用エマルションの輸送ではなく顔料分散ペーストに関するものである。

先行技術

0008

特開2010-43189号公報
特開2012-092293号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、カチオン電着塗料用エマルションの輸送を効率化して、輸送コストを大きく削減することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、水を含むカチオン電着塗料用エマルション自体を長距離輸送する概念を捨てて、塗装現場に近い乳化現場でエマルション化する方式に変更する。その際に最も重要なカチオン電着塗料の基体樹脂(特に、アミン化樹脂)を固体状で輸送して、水媒体と共に輸送していたことによる問題点を解消する。

0011

即ち、本発明はカチオン電着塗料用の基体樹脂を合成し、反応容器より液体で取り出した後、固体状にし、それを必要に応じて適当な粒径に調整し、次いで乳化現場において水および必要に応じて添加される溶剤中和剤、硬化剤もしくは添加剤を加えて乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法を提供する。

0012

本発明は、また、カチオン電着塗料用の基体樹脂を合成し、反応容器より液体で取り出した後固体状にし、乳化現場に運搬後固体のアミン化樹脂を適当な粒径に調整し、水および必要に応じて添加される溶剤、中和剤、硬化剤もしくは添加剤により乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法を提供する。

0013

本発明は、更に、カチオン電着塗料用の基体化樹脂を反応容器より液体で取り出した後固体状にし、それを適当な粒径に調整後、乳化現場に運搬し、そこで水および必要に応じて添加される溶剤、中和剤、硬化剤もしくは添加剤により乳化することを特徴とするカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法を提供する。

0014

本発明は、また、カチオン電着塗料用の基体樹脂を反応容器より液体で取り出した後固体状にし、必要に応じて適当な粒径に調整し、運搬することを特徴とするカチオン電着塗料用基体樹脂の運搬方法を提供する。

0015

本発明は、更に、カチオン電着塗料用の固体状基体樹脂を乳化現場に運搬した後に適当な粒径に調整し、水および必要に応じて添加される溶剤、中和剤、硬化剤もしくは添加剤により乳化するカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法を提供する。

0016

上記基体樹脂は、軟化点20〜90℃を有するのが好ましい。

0017

上記基体樹脂は、固体状で溶剤を固体総量に基づいて10質量%以下の量で含有するのが好ましい。

0018

上記粒径の調整は、粉砕が好ましく、その粉砕はいずれの段階で行われても良く、基体樹脂を液体から固体状に変化させる段階、もしくは固体化した直後、もしくはその後の必要な段階、またはそれらを組み合わせて行われるのが好ましい。

0019

上記基体樹脂は、通常、アミン化樹脂が用いられる。

0020

上記基体樹脂の調整された粒径は、最短粒径が40cm以下であるのが好ましい。

発明の効果

0021

本発明では、カチオン電着塗料用エマルションの基体樹脂(特に、アミン化樹脂)を合成して固体状にする。固体状で基体樹脂は、そのままあるいはそれを粉砕若しくは造粒した粒子状態で輸送することができる。本発明では、基体樹脂は固体あるいは粒子状態であるので、水を含まない状態で輸送することができ、水に付随する欠点、即ち輸送装置の大型化や温度などの輸送条件の制御が不要になる。従って、基体樹脂の輸送は、コスト面でも大きく削減することが可能になる。

0022

本発明では、固体状または適当な粒径に調整した基体樹脂を現場に持ち込んで、乳化現場で基体樹脂を必要に応じて更に粒径を調整し、水および必要に応じて添加される溶剤、中和剤、硬化剤または添加剤により乳化することによりカチオン電着塗料用エマルションを調製する。乳化現場では、カチオン電着塗料用エマルションを形成するための乳化装置が必要になるが、これまでの液体を輸送していたコストが大きく削減されるので、削減効果の方が大きい。

0023

基体樹脂
本発明のカチオン電着塗料用エマルションは、基体樹脂に、水および必要な溶剤、中和剤、硬化剤、添加剤を加えて乳化することにより形成される。本発明の基体樹脂は、合成後、固体状にする必要がある。

0024

カチオン電着塗料の基体樹脂は、特に限定されず公知のものを使用すればよいが、例えば、エポキシ樹脂アクリル樹脂ポリブタジエン樹脂アミンスルフォニウムなどのカチオン性官能基を付加したもの等が挙げられ、特に、アミン化樹脂が好ましい。

0025

アミン化樹脂
アミン化樹脂は、アミノ基含有アクリル樹脂、アミノ基含有エステル樹脂またはアミノ基含有エポキシ樹脂などであって良いが、樹脂骨格中のオキシラン環有機アミン化合物変性して得られるカチオン変性エポキシ樹脂が好ましい。一般にカチオン変性エポキシ樹脂は、出発原料樹脂分子内のオキシラン環を1級アミン、2級アミンあるいは3級アミンおよび/またはその酸塩などのアミン類との反応によって開環して製造される。出発原料樹脂の典型例は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールノボラッククレゾールノボラックなどの多環式フェノール化合物エピクロルヒドリンとの反応生成物であるポリフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂である。また他の出発原料樹脂の例として、特開平5−306327号公報に記載のオキサゾリドン環含有エポキシ樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は、ジイソシアネート化合物、またはジイソシアネート化合物のイソシアネート基メタノールエタノールなどの低級アルコールブロックして得られたビスウレタン化合物と、エピクロルヒドリンとの反応によって調製することができる。

0026

上記出発原料樹脂は、アミン類によるオキシラン環の開環反応の前に、2官能性のポリエステルポリオールポリエーテルポリオールビスフェノール類、2塩基性カルボン酸などにより鎖延長して用いることができる。

0027

また同じく、アミン類によるオキシラン環の開環反応の前に、分子量またはアミン当量の調節、熱フロー性の改良などを目的として、一部のオキシラン環に対して2−エチルヘキサノールノニルフェノールエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノn−ブチルエーテルプロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテルなどのモノヒドロキシ化合物を付加して用いることもできる。

0028

オキシラン環を開環し、アミノ基を導入する際に使用し得るアミン類の例としては、ブチルアミンオクチルアミンジエチルアミンジブチルアミンメチルブチルアミン、モノエタノールアミンジエタノールアミンN−メチルエタノールアミントリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミンなどの1級アミン、2級アミンまたは3級アミンおよび/もしくはその酸塩を挙げることができる。また、アミノエチルエタノールアミンメチルイソブチルケチミンなどのケチミンブロック1級アミノ基含有2級アミン、ジエチレントリアミンジケチミンも使用することができる。これらのアミン類は、全てのオキシラン環を開環させるために、オキシラン環に対してほぼ当量で反応させる必要がある。

0029

基体樹脂の数平均分子量は、1,000〜10,000であるのが好ましい。数平均分子量が1,000以上であることにより、得られる硬化電着塗膜耐溶剤性および耐食性などの物性が良好となる。一方で、数平均分子量が10,000以下であることにより、得られる電着塗膜平滑性が良好となる。基体樹脂の数平均分子量は1,600〜5,000の範囲であるのが好ましい。

0030

なお、本明細書において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。

0031

本発明の基体樹脂は、合成し、反応容器より液体で取り出した後、固体状にする必要がある。固体状にするためには、基体樹脂の軟化点を制御して、高い温度での合成後冷却して固体状にする方法が考えられる。また、固体状にする別の方法として、真空乾燥凍結乾燥などの手法を用いることもできる。本明細書において、「固体状」とは、固体若しくは固体に類似する挙動を示す状態であって、例えば粘度が非常に高い状態の物も粒径の調整ができれば固体状の中に含まれる。

0032

本発明の基体樹脂は、好ましくは軟化点が20〜90℃、より好ましくは60〜80℃である必要がある。軟化点が20℃より低い場合には、合成後反から取り出した基体樹脂が室温では固体状にならず、高粘度液体のままで、粒径の調整ができない。軟化点の低い基体樹脂を強制的に冷却することで、粒径調整することは可能であるが、コスト面で不利である。逆に、軟化点が90℃より高いと、固体状にはなるが、乳化時に水に溶解しにくくなり、乳化に多大な時間を有するようになる。また、エマルション中に未溶解の樹脂が残存し、安定性を低下させる可能性がある。軟化点は、(株)島津製作所から市販のフローテスターCFT−500Dなどの熱流動評価装置で測定することができる。

0033

基体樹脂には、合成時の粘度を調整する目的で、添加剤や溶剤などを添加しても良い。これらを添加することにより、粘度が下がり、合成が容易になる。

0034

基体樹脂は、その製造時に溶剤を含んでも良い。溶剤の添加量は、固体状態で基体樹脂の総質量に対して、通常10質量%以下、好ましくは4〜6質量%である。また、必要に応じて界面活性剤表面調整剤粘性調整剤のような添加剤を含んでも良い。これら添加剤の添加量は、アミン化樹脂の質量に対して10質量以下%、好ましくは1〜6質量%である。10質量%を超えると、樹脂が固体となりにくく、取り出し・粉砕が困難になる。

0035

基体樹脂は、軟化点を20〜90℃に制御している場合、合成後反応釜から120〜150℃の液状で取り出し、液体のままでドラム缶などの容器充填後、固体になる温度以下まで冷却させて固体状にすることができる。容器を使用せずに、ベルトクーラー造粒機などで固体化することも可能である。

0036

基体樹脂の運搬および粒径調整
本発明では、基体樹脂は、固体状で運搬される。基体樹脂は、例えば上記のドラム缶に充填した場合は、ドラム缶一個の固体のまま、運搬しても良いが、適当な粒径の粒状物となるように粒径の調整を行って運搬してもよい。粒径の調整は、粉砕および造粒の両方を含む概念であり、大きな物は運びやすい大きさに粉砕しても良い。また、所定の大きさの基体樹脂液滴を冷却させることで、造粒することも可能である。通常、基体樹脂の固体状物は多くの場合粉砕して使用する。粒径の調整(具体的には粉砕若しくは造粒)が基体樹脂の固体状物の製造後すぐに行なわれてもよく、輸送前の適当な段階または輸送後乳化現場で粒径の調整をしても良い。また、固体状物を輸送前にあらかた粉砕して、輸送し、乳化現場に着いてから最終の粉砕を行っても良い。基体樹脂の調整された粒径は最短粒径が40cm以下である。最短粒径とは、粒子の一番短い粒径を意味する。基体樹脂の最短粒径が40cmを超えることも可能だが、通常乳化時に溶解しにくくなり、溶け残りが発生したり、乳化時間が長くなる。本発明では、最短粒径のみを規定していて、最長粒径は規定していない。このことは最短部が40cm以下であれば、最長粒径が大きくてもよく、最短部が40cmで、最長粒径が5mであってもよい。基体樹脂の粒状物の中には、微粒子、具体的には最短粒径が2mm以下の粒子が存在することが好ましい。このような微粒子が存在すると、乳化時にこれらが先に溶解して、乳化助剤的に働いて、より大きな粒子の溶解性を促進する。

0037

粒径調整における粉砕は、ハンマーなどの打撃や固体状物の落下による方法の他、市販の粉砕機(衝撃型、圧縮型切削型など)も使用可能で、一段階で目的の粒子径まで粉砕できなければ、設備組合せて、2段階以上の方法で粉砕しても良い。造粒は市販の造粒機で小さな粒子を大きな粒子にしても良い。

0038

粒径調整時の粒径の測定は、精度の高い制御が必要では無いので、目視ノギスなどの使用で簡単に測定しても良い。また、粒径の上限は、適正範囲の上限の孔の開いたいを用いて、その篩いに粉砕物を透過して制御しても良い。粒径の下限も制御する場合は、適正範囲の下限の孔の開いた篩いを用いて、同様に制御しても良い。

0039

基体樹脂の固体状物の輸送は、種々の方法で良い。トラックを用いる輸送、船やタンカーを用いる輸送、それらを組み合わせた輸送のどれであっても良い。いずれの輸送方法を用いても、水および溶剤を殆ど有していないので、取扱が容易になる。

0040

基体樹脂の乳化現場での乳化作業
基体樹脂の乳化は一般的に、撹拌装置加温冷却装置を備えた乳化用タンクイオン交換水の一部、必要に応じて溶剤、中和剤や添加剤を混合し、基体樹脂の軟化点よりも高い温度に加熱する。その後、粒径を調整した固体状基体樹脂と、必要に応じて溶剤、添加剤および硬化剤を投入して、基体樹脂を溶融、混合させて得られた油中水型エマルション(W/O型エマルション)の状態から残りのイオン交換水を更に加えて、転相させて乳化する。

0041

カチオン電着塗料用エマルションの乳化による調製において、基体樹脂は、必要に応じて中和剤を用いて中和することによって水溶化させる。基体樹脂の中和に用いる中和剤としては、メタンスルホン酸乳酸ジメチロールプロピオン酸ギ酸酢酸、乳酸などの有機酸スルファミン酸硝酸などの無機酸が用いられる。

0042

使用される中和剤の量は、基体樹脂および硬化剤を含む樹脂固形分100gに対して、10〜50mg当量(MEQ(A))の範囲であるのが好ましい。上記下限は15mg当量であるのがより好ましく、上記上限は20mg当量であるのがより好ましい。中和剤の量が10mg当量以上であることにより水への親和性が十分となり水への分散が良好となる。一方、中和剤の量が50mg当量以下であることにより、析出に要する電気量が適正となり、塗料固形分の析出性、つきまわり性が良好となる。ここでMEQ(A)とは、mg equivalent(acid)の略であり、塗料の固形分100g当たりの中和に要するすべての酸のmg当量の合計である。このMEQ(A)は、電着塗料組成物を10g精し約50mlの溶剤(THF:テトラヒドロフラン)に溶解した後、1/10NのNaOH溶液を用いて電位差滴定を行うことによって、電着塗料組成物中の含有酸量を定量して測定することができる。

0043

乳化時に使用する溶剤としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなどが挙げられる。

0044

乳化時の溶剤の使用量は、アミン化樹脂に含まれる溶剤の使用量と合わせて、得られたエマルションの総質量に対して、通常0.5〜6.0質量%、好ましくは1〜4質量%になるような量である。0.5質量%より少ないと、塗膜の平滑性が損なわれたりや塗膜の膜厚不足が生じる。6.0質量%より多いと、つきまわり性低下や膜厚過多が生じる。

0045

乳化時に用いられる添加剤は、乾き防止剤消泡剤等の界面活性剤、アクリル樹脂微粒子等の粘度調整剤、はじき防止剤、バナジウム塩、銅、鉄、マンガンマグネシウムカルシウム塩等の無機防錆剤、等の慣用塗料用添加剤を必要に応じて添加しても良い。またこれら以外に、目的に応じて公知の補助錯化剤緩衝剤平滑剤応力緩和剤光沢剤半光沢剤、酸化防止剤、および紫外線吸収剤等を配合してもよい。

0046

乳化時の添加剤の使用量は、得られたエマルションの総質量に対して、通常0〜2質量%、好ましくは0.3〜1.0質量%である。

0047

電着塗料用エマルションに用いる硬化剤は、通常ブロックイソシアネート硬化剤である。ブロック化イソシアネート硬化剤は、ポリイソシアネートを、封止剤ブロック化することによって調製することができる。

0049

封止剤の例としては、n−ブタノールn−ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコールフェノールカルビノールメチルフェニルカルビノールなどの一価アルキル(または芳香族アルコール類;エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルなどのセロソルブ類;ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテル両末端ジオール類;エチレングリコールプロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのジオール類と、シュウ酸コハク酸アジピン酸スベリン酸セバシン酸などのジカルボン酸類から得られるポリエステル型両末端ポリオール類パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール類;ジメチルケトオキシムメチルエチルケトオキシム、メチルイソブチルケトオキシム、メチルアミルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム類;およびε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムに代表されるラクタム類が好ましく用いられる。

0050

ブロック化イソシアネート硬化剤のブロック化率は100%であるのが好ましい。これにより、カチオン電着塗料用エマルションの貯蔵安定性が良好になるという利点がある。

0051

本発明の乳化現場での製造方法によって得られたカチオン電着塗料用エマルションは、これまで、液体のまま輸送されたカチオン電着塗料用エマルションと性能的に異なるものではない。単に基体樹脂を固体状で輸送して、それを現場で乳化するだけであり、カチオン電着塗料用エマルションに含まれる成分に変化はないからである。

0052

本発明のカチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法は、前段階の基体樹脂の固体状化と輸送のみを行う基体樹脂の運搬方法と、後段階の固体状の基体樹脂を粒径調整および乳化する乳化現場でのエマルションの製造の二つに分けて、実施することもある。それぞれは、基体樹脂が固体状であることで、可能になった技術であり、カチオン電着塗料の基体樹脂に限れば新しい輸送方法である。固体状の基体樹脂の運搬前に粗粉砕を行って、輸送の効率化をはかっても良い。また、輸送前に完全に最終段階の大きさまで粉砕することも可能である。

0053

本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明は、これら実施例に限定されるものでは無い。実施例中、「部」および「%」は特に指示しない限り質量に基づく。

0054

製造例1−1
アミン変性エポキシ樹脂(アミン化樹脂)Aの製造
撹拌装置、冷却管窒素導入管および温度計備え付け反応釜に、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成したエポキシ当量188のエポキシ樹脂(ダウケミカル社製「DER331J」)1760kg、ビスフェノールA700kgと2−エチルヘキサン酸188kg、ジメチルベンジルアミン4kgを反応容器に加えて140℃で反応させ、エポキシ当量が1420になるまで継続した。

0055

その後冷却し、N−メチルエタノールアミン112kg、およびアミノエチルエタノールアミンのケチミン化物(81質量%/MIBK溶液)88kgを加え、160℃で2時間反応後、ブチルセロソルブ123kgを混合後、液状のアミン変性エポキシ樹脂を得た。

0056

得られた液状のアミン変性エポキシ樹脂は、200リットル容器(市販のドラム缶)に充填し、室温まで冷却することにより固体状とした。得られた固体状のアミン変性エポキシ樹脂は軟化点70℃を有し、かつ溶剤量はアミン変性エポキシ樹脂の質量に対して、4.7質量%であった。

0057

製造例1−2
アミン変性エポキシ樹脂(アミン化樹脂)Bの製造
ブチルセロソルブを500kg使用する以外は、1−1と同様に製造し、軟化点15℃、溶剤量15.4%の樹脂を得た。この樹脂は固体状にならなかった。

0058

製造例1−3
アミン変性エポキシ樹脂(アミン化樹脂)Cの製造
ビスフェノールAを150kg、2−エチルヘキサン酸885kg、使用する以外は、1−1と同様に製造し、軟化点15℃、溶剤量4.5%の樹脂を得た。この樹脂は固体状にならなかった。

0059

製造例1−4
アミン変性エポキシ樹脂(アミン化樹脂)Dの製造
ブチルセロソルブを使用しない以外は、1−1と同様に製造し、軟化点102℃、溶剤量0.6%の樹脂を得た。

0060

製造例1−5
アミン変性エポキシ樹脂(アミン化樹脂)Eの製造
ブチルセロソルブを250kg使用する以外は、1−1と同様に製造し、軟化点28℃、溶剤量8.6%の樹脂を得た。

0061

製造例2ブロック化イソシアネート硬化剤の製造
ジフェニルメタンジイソシアネート(スミジュール44V20、イソシアネート基含量NCO含量)31%:住友バイエルウレタン社製)1350kgを反応容器に仕込み、これを120℃まで加熱した後、ジブチル錫ジラウレート2.5kgを加えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944kgに溶解させたものを120℃で2時間かけて加えた。さらに120℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認した。こうして固形分質量濃度99%のブロック化イソシアネート硬化剤を得た。

0062

製造例3顔料分散樹脂の製造
攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK39.1部で希釈した後、ここヘジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌下乾燥窒素雰囲気で2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(固形分90.0質量%)が得られた。

0063

次いで、適当な反応容器に、ジメチルエタノールアミン87.2部、75%乳酸水溶液117.6部およびエチレングリコールモノn−ブチルエーテル39.2部を順に加え、65℃で約30分攪拌して4級化剤を調製した。

0064

次に、DER−331J 710.0部とビスフェノールA289.6部とを適当な反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱したところ、初期発熱反応が生じた。反応混合物を150〜160℃で約1時間反応させ、次いで、120℃に冷却した後、先に調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(MIBK溶液)498.8部を加えた。

0065

反応混合物を110〜120℃に約1時間保ち、次いで、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル463.4部を加え、混合物を85〜95℃に冷却し、均一化した後、先に調製した4級化剤196.7部を添加した。酸価が1となるまで反応混合物を85〜95℃に保持した後、脱イオン水964部を加えて、4級アンモニウム塩部分を有する顔料分散用樹脂を得た(固形分50質量%)。

0066

製造例4顔料分散ペーストの製造
サンドグラインドミルに、上記製造例3で得た顔料分散樹脂を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48質量%)。

0067

実施例1
電着塗料用樹脂エマルションの製造
乳化装置にイオン交換水2,000kg、ギ酸23kgを仕込み、80℃に保温後、製造例1−1で得たアミン化樹脂A2,350kg(固形分換算)をハンマーで最短粒径40cmに砕いて、ゆっくりと加え、6時間かけて溶解した。次いで、そこに、製造例2で得られたブロック化イソシアネート硬化剤400kg(固形分換算)を混合し、さらにイオン交換水1000kgを加え、転相させることで、カチオン電着塗料用樹脂エマルション(固形分40質量%)を得た。このエマルションの粒子径は、レーザー光散乱で測定した結果、体積平均粒子径が160nmであった。エマルションの粒子径測定は、レーザードップラー式粒度分析計マイクロトラックUPA150」(日機装社製)を用いた。

0068

カチオン電着塗料組成物および硬化電着塗膜の調製
得られたカチオン電着塗料用樹脂エマルション375部、製造例4で製造した顔料分散ペースト135部、およびイオン交換水490部を混合して、カチオン電着塗料組成物を製造した。得られたカチオン電着塗料組成物の固形分は20%であった。

0069

得られたカチオン電着塗料組成物中に、リン酸亜鉛処理鋼板(JIS G3134 SPCC−SDのサーフダインSD−5000(日本ペイント社製)処理鋼板)を陰極として浸漬し、浴温度28℃、印加電圧200V、180秒で電着塗装を行った。塗装後水洗した後、160℃で25分間焼き付け空冷し、膜厚15μmの硬化電着塗膜を得た。

0070

上記のカチオン電着塗料用樹脂エマルションは、室温で3ヶ月静置して保管しても、分離や固形分の沈降は発生しなかった。また得られた塗膜の性能(耐塩水噴霧試験性、耐水性および耐薬品性;JIS K 5600)を評価したが、保管前の電着塗料と比較して遜色は無かった。

0071

実施例2
製造例1−1のアミン化樹脂Aの粉砕樹脂を60℃で1ヶ月保管したものを使用した以外は実施例1と同様に行ったが、エマルション、塗膜ともに、実施例1と同等の性能が得られた。60℃で1ヶ月の保管することで、輸送した状態を再現した。

0072

実施例3
製造例1−1のアミン化樹脂Aを60℃で1ヶ月保管した後に、最短粒径40cmに粉砕してから乳化した以外は実施例1と同様に行ったが、エマルション、塗膜ともに、実施例1と同等の性能が得られた。

0073

実施例4
製造例1−1のアミン化樹脂Aの溶融樹脂ロールドロップ式造粒機にて、最短粒径1cmの固体状樹脂粒子成形させたものを適用した以外は実施例1と同様に行ったが、エマルション、塗膜ともに、実施例1と同等の性能が得られた。なお、ロールドロップ式造粒機とは、通常、突起を有する回転ドラムを有しており、溶融物は該突起の先端部に掻き取られ、該回転ドラムが回転して得られる遠心力及び/又は重力の作用にて板上に該溶融物が滴下する機構を有する造粒機である。

0074

実施例5
製造例1−5で得られたアミン化樹脂Eを用いた以外は実施例1と同様に作成した。粉砕時間が1.5倍に延びて、エマルションの粒子径が200nmになった以外は、実施例1と同等の性能が得られた。

0075

実施例6
アミン化樹脂Aを用い、最大粒径を79cmに砕く以外は、実施例1と同様に行ったが、24時間かかっても完全に溶解せず、カチオン電着塗料樹脂エマルションは得られなかった。しかし、48時間溶解を続けると、カチオン電着塗料樹脂エマルションが得られたものの、これより得られる塗膜は性能がやや劣る結果となった。

0076

実施例7
製造例1−4で得られたアミン化樹脂Dを用いる以外は、実施例1と同様に行ったが、24時間かかっても完全に溶解せず、エマルションは得られなかった。しかし、48時間溶解を続けると、カチオン電着塗料樹脂エマルションが得られたものの、これより得られる塗膜は十分な性能を確保することはできなかった。

0077

参考例1
実施例1において、製造例1のアミン化樹脂Aを固体状にした後粉砕して水に加える代わりに、固体状にせずに液状のまま120度に保温して水に流し入れる以外は、実施例1と同様に行ったが、実施例1と同等の性能が得られた。

0078

比較例1
参考例1で、アミン化樹脂Aのカチオン電着塗料樹脂エマルションをそのまま60℃で1ヶ月保管すると、一部の樹脂分が沈降し、カチオン電着塗料樹脂エマルションは得られたものの、これより得られる塗膜は十分な性能を確保することはできなかった。

0079

比較例2
製造例1−2で得られたアミン化樹脂Bを用い、室温で粉砕しようと試みたが、樹脂が柔らかくて粉砕できなかった。

実施例

0080

比較例3
製造例1−3で得られたアミン化樹脂Cを用い、室温で粉砕しようと試みたが、樹脂が柔らかくて粉砕できなかった。

0081

本発明は、カチオン電着塗料用エマルションの乳化現場での製造方法に関するものである。すなわち、カチオン電着塗料用エマルションを塗料工場から、海外など遠く離れた塗装現場に納品する際に、その主要成分である基体樹脂(特に、アミン化樹脂)を固体状にし、必要に応じて粒径を調整して運搬し、塗装現場に、より近い乳化現場で、水や中和剤などを加えエマルション化した後に、塗装現場に納品する事により輸送効率を大幅に改善した。従来カチオン電着塗料用エマルションは、水性溶媒中に基体樹脂を乳化した液体で輸送していたので、水性媒体も輸送しなければならなかったが、本発明では基体樹脂を固体で輸送し、乳化現場で水や、その他の添加剤を用いてカチオン電着塗料用エマルションにするので、水性溶媒を輸送する際に必要な装および装置などを大幅に簡略化できる。本発明は、カチオン電着塗料用エマルションの国内外への輸送効率を大きく改善する。

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