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技術 レーザーダイシング装置及びダイシング方法

出願人 株式会社東京精密
発明者 百村和司
出願日 2015年1月28日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-014324
公開日 2015年10月29日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2015-186825
状態 特許登録済
技術分野 ダイシング
主要キーワード 加工用レーザー光 デフォーカス距離 測定スキャン 高脆性材料 脆性モード加工 ウェーハ表面形状 研削溝 ウェーハ画像
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

改質領域の加工深さの変化に対する自由度が高く、ウェーハの内部に改質領域を精度良く形成することが可能なレーザーダイシング装置及びダイシング方法を提供する。

解決手段

レーザーダイシング装置10は、加工用レーザー光L1を出射するレーザー光源21と、加工用レーザー光L1の光路と一部光路を共有するAF用レーザー光L2を出射するAF用光源31と、第1及び第2レーザー光L1、L2の共有光路上に配置される集光レンズ24と、ウェーハ表面で反射したAF用レーザー光L2の反射光に基づいてフォーカス誤差信号を生成するAF信号処理部40と、フォーカス誤差信号に基づいて集光レンズ24とウェーハ表面との距離が一定となるように集光レンズ24をウェーハ厚み方向に移動させる制御部50と、加工用レーザー光L1の集光点の位置を固定した状態でAF用レーザー光L2の集光点の位置をウェーハ厚み方向に調整するフォーカスレンズ群37と、を備える。

概要

背景

従来、表面に半導体装置電子部品等が形成されたウェーハを個々のチップに分割するには、細かなダイヤモンド砥粒で形成された厚さ30μm程度の薄い砥石により、ウェーハに研削溝を入れてウェーハをカットするダイシング装置が用いられていた。

ダイシング装置では、薄い砥石(以下、ダイシングブレードと称する)を例えば30,000〜60,000rpmで高速回転させてウェーハを研削し、ウェーハを完全切断(フルカット)又は不完全切断(ハーフカット或いはセミフルカット)を行う。

しかし、このダイシングブレードによる研削加工の場合、ウェーハが高脆性材料であるため脆性モード加工となり、ウェーハの表面や裏面にチッピングが生じ、このチッピングが分割されたチップの性能を低下させる要因になっていた。特に裏面に生じたチッピングは、クラックが徐々に内部に進行するため大きな問題となっていた。

このような問題に対して、従来のダイシングブレードによる切断に替えて、ウェーハの内部に集光点を合わせてレーザー光入射し、ウェーハ内部に多光子吸収による改質領域を形成して個々のチップに分割するレーザーダイシング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなレーザーダイシング装置では、ウェーハの内部に形成する改質領域をウェーハ表面から一定の深さに形成するため、オートフォーカス機構を用いてウェーハの表面の位置(高さ)を検出してレーザー光の集光点の位置を高精度に制御する必要がある。

例えば、特許文献1に開示された技術では、集光レンズによって、改質領域を形成するための加工用レーザー光と、ウェーハの表面の位置を検出するためのAF用(測距用)レーザー光とが共有する光路上でウェーハに向けて集光される。このとき、ウェーハの表面で反射されたAF用レーザー光の反射光が検出され、この検出信号に応じて加工用レーザー光の集光点の位置がウェーハの表面から一定の距離に位置するように集光レンズの位置がウェーハ厚み方向に微調整される。これにより、ウェーハの表面の変位追従するように加工用レーザー光の集光点の位置を制御しながら、ウェーハの内部の所望の位置に改質領域を形成するリアルタイム加工を行うことが可能となる。

概要

改質領域の加工深さの変化に対する自由度が高く、ウェーハの内部に改質領域を精度良く形成することが可能なレーザーダイシング装置及びダイシング方法を提供する。レーザーダイシング装置10は、加工用レーザー光L1を出射するレーザー光源21と、加工用レーザー光L1の光路と一部光路を共有するAF用レーザー光L2を出射するAF用光源31と、第1及び第2レーザー光L1、L2の共有光路上に配置される集光レンズ24と、ウェーハ表面で反射したAF用レーザー光L2の反射光に基づいてフォーカス誤差信号を生成するAF信号処理部40と、フォーカス誤差信号に基づいて集光レンズ24とウェーハ表面との距離が一定となるように集光レンズ24をウェーハ厚み方向に移動させる制御部50と、加工用レーザー光L1の集光点の位置を固定した状態でAF用レーザー光L2の集光点の位置をウェーハ厚み方向に調整するフォーカスレンズ群37と、を備える。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、改質領域の加工深さの変化に対する自由度が高く、ウェーハの内部に改質領域を精度良く形成することが可能なレーザーダイシング装置及びダイシング方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

第1レーザー光ウェーハの内部に集光させることにより前記ウェーハの内部に改質領域を形成するレーザーダイシング装置であって、前記第1レーザー光を出射する第1レーザー光源と、前記第1レーザー光の光路と一部光路を共有し、前記ウェーハの表面で反射させるための第2レーザー光を出射する第2レーザー光源と、前記第1レーザー光の光路と前記第2レーザー光の光路との共有光路上に配置され、前記第1レーザー光と前記第2レーザー光とを集光する集光レンズと、前記ウェーハの表面で反射した前記第2レーザー光の反射光に基づいて、前記第2レーザー光の集光点と前記ウェーハの表面との距離を示すフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成手段と、前記フォーカス誤差信号に基づいて、前記集光レンズと前記ウェーハの表面との距離が一定となるように前記集光レンズを前記ウェーハの厚み方向に移動させる制御手段と、前記第1レーザー光の集光点の位置を固定した状態で前記第2レーザー光の集光点の位置を前記ウェーハの厚み方向に調整する集光点調整手段と、を備えるレーザーダイシング装置。

請求項2

前記集光点調整手段は、前記第2レーザー光の光路上であって前記共有光路とは独立した位置に配置された1又は複数のレンズからなるフォーカスレンズ群を有し、前記フォーカスレンズ群の少なくとも一部のレンズが前記第2レーザー光の光路に沿って移動可能に構成される請求項1に記載のレーザーダイシング装置。

請求項3

前記フォーカスレンズ群は、前記ウェーハ側から順に正レンズ及び負レンズを有し、前記負レンズが前記第2レーザー光の光路に沿って移動可能に構成される請求項2に記載のレーザーダイシング装置。

請求項4

前記集光レンズの射出瞳と前記正レンズとの光学的距離が120mm以下である請求項3に記載のレーザーダイシング装置。

請求項5

前記正レンズの焦点距離が20mm以上80mm以下である請求項3又は4に記載のレーザーダイシング装置。

請求項6

前記正レンズの焦点距離と前記負レンズの焦点距離との差が2mm以上15mm以下である請求項3〜5のいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置。

請求項7

前記集光レンズにより集光され前記ウェーハの表面に照射される前記第1レーザー光の集光像の直径が5μm以上50μm以下である請求項3〜6のいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置。

請求項8

前記フォーカス誤差信号生成手段は、ナイフエッジ法により前記フォーカス誤差信号を生成する請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置。

請求項9

前記フォーカス誤差信号生成手段は、非点収差法により前記フォーカス誤差信号を生成する請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザーダイシング装置。

請求項10

第1レーザー光をウェーハの内部に集光させることにより前記ウェーハの内部に改質領域を形成するダイシング方法であって、前記第1レーザー光の光路と前記ウェーハの表面で反射させるための第2レーザー光の光路との共有光路上に配置された集光レンズにより前記第1レーザー光及び前記第2レーザー光を集光させる集光工程と、前記ウェーハの表面で反射した前記第2レーザー光の反射光に基づいて、前記第2レーザー光の集光点と前記ウェーハの表面との距離を示すフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成工程と、前記フォーカス誤差信号に基づいて、前記集光レンズと前記ウェーハの表面との距離が一定となるように前記集光レンズを前記ウェーハの厚み方向に移動させる制御する制御工程と、前記第1レーザー光の集光点の位置を固定した状態で前記第2レーザー光の集光点の位置を前記ウェーハの厚み方向に調整する集光点調整工程と、を含むダイシング方法。

請求項11

前記集光点調整工程は、前記第2レーザー光の光路上であって前記共有光路とは独立した位置に配置された1又は複数のレンズからなるフォーカスレンズ群の少なくとも一部のレンズを前記第2レーザー光の光路に沿って移動させることにより、前記第2レーザー光の集光点の位置を前記ウェーハの厚み方向に調整する請求項10に記載のダイシング方法。

請求項12

前記フォーカスレンズ群は、前記ウェーハ側から順に正レンズ及び負レンズを有し、前記集光点調整工程は、前記負レンズを前記第2レーザー光の光路に沿って移動させることにより、前記第2レーザー光の集光点の位置を前記ウェーハの厚み方向に調整する請求項11に記載のダイシング方法。

請求項13

前記集光レンズの射出瞳と前記正レンズとの光学的距離が120mm以下である請求項12に記載のダイシング方法。

請求項14

前記正レンズの焦点距離が20mm以上80mm以下である請求項12又は13に記載のダイシング方法。

請求項15

前記正レンズの焦点距離と前記負レンズの焦点距離との差が2mm以上15mm以下である請求項12〜14のいずれか1項に記載のダイシング方法。

請求項16

前記集光レンズにより集光され前記ウェーハの表面に照射される前記第1レーザー光の集光像の直径が5μm以上50μm以下である請求項12〜15のいずれか1項に記載のダイシング方法。

請求項17

前記フォーカス誤差信号生成工程は、ナイフエッジ法により前記フォーカス誤差信号を生成する請求項10〜16のいずれか1項に記載のダイシング方法。

請求項18

前記フォーカス誤差信号生成工程は、非点収差法により前記フォーカス誤差信号を生成する請求項10〜16のいずれか1項に記載のダイシング方法。

技術分野

0001

本発明は、半導体装置電子部品等が形成されたウェーハを個々のチップに分割するレーザーダイシング装置及びダイシング方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、表面に半導体装置や電子部品等が形成されたウェーハを個々のチップに分割するには、細かなダイヤモンド砥粒で形成された厚さ30μm程度の薄い砥石により、ウェーハに研削溝を入れてウェーハをカットするダイシング装置が用いられていた。

0003

ダイシング装置では、薄い砥石(以下、ダイシングブレードと称する)を例えば30,000〜60,000rpmで高速回転させてウェーハを研削し、ウェーハを完全切断(フルカット)又は不完全切断(ハーフカット或いはセミフルカット)を行う。

0004

しかし、このダイシングブレードによる研削加工の場合、ウェーハが高脆性材料であるため脆性モード加工となり、ウェーハの表面や裏面にチッピングが生じ、このチッピングが分割されたチップの性能を低下させる要因になっていた。特に裏面に生じたチッピングは、クラックが徐々に内部に進行するため大きな問題となっていた。

0005

このような問題に対して、従来のダイシングブレードによる切断に替えて、ウェーハの内部に集光点を合わせてレーザー光入射し、ウェーハ内部に多光子吸収による改質領域を形成して個々のチップに分割するレーザーダイシング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなレーザーダイシング装置では、ウェーハの内部に形成する改質領域をウェーハ表面から一定の深さに形成するため、オートフォーカス機構を用いてウェーハの表面の位置(高さ)を検出してレーザー光の集光点の位置を高精度に制御する必要がある。

0006

例えば、特許文献1に開示された技術では、集光レンズによって、改質領域を形成するための加工用レーザー光と、ウェーハの表面の位置を検出するためのAF用(測距用)レーザー光とが共有する光路上でウェーハに向けて集光される。このとき、ウェーハの表面で反射されたAF用レーザー光の反射光が検出され、この検出信号に応じて加工用レーザー光の集光点の位置がウェーハの表面から一定の距離に位置するように集光レンズの位置がウェーハ厚み方向に微調整される。これにより、ウェーハの表面の変位追従するように加工用レーザー光の集光点の位置を制御しながら、ウェーハの内部の所望の位置に改質領域を形成するリアルタイム加工を行うことが可能となる。

先行技術

0007

特開2007−167918号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、上述したような従来のレーザーダイシング装置では、開口数(NA:Numerical Aperture)が高い集光レンズ(高NAレンズ)が用いられるため、オートフォーカス機構の感度がきわめて高く、高精度検出の範囲が合焦位置の近傍に限られる。そのため、ウェーハの表面の変位を検出可能な測定範囲フォーカス引き込み範囲)が極めて狭く、例えば通常数μmの範囲でのみ測定が可能である。また、ウェーハの内部に形成される改質領域のウェーハの表面からの深さ(以下、「加工深さ」という。)を変えるために、加工用レーザー光の集光点を変更すると、それに伴ってAF用レーザー光の集光点の位置も変更されるため、ウェーハの表面の変位を検出できなくなってしまう。すなわち、改質領域の加工深さの変更に対して自由度がないことが問題となっている。

0009

例えば、775μmの厚さを有するウェーハの表面から十数μmから七百μmを超える深さに改質領域を形成する場合、薄いウェーハ用のオートフォーカス機構では測定範囲を超えてしまうため、リアルタイムでの加工は不可能となる。この場合、事前測定スキャンすることによりウェーハ表面の形状を測定して記憶し、記憶されたウェーハ表面形状データに基づきウェーハを加工していくトレース加工を実施する必要がある。

0010

しかし、このような方法では実際の加工を行う前段階で測定スキャンを実施してウェーハ表面形状の測定と記憶を行うため、実際の加工に加えて測定スキャンのための時間が必要となりスループット加工効率)の低下を招く要因となっている。

0011

一方、それぞれの加工深さに対応可能なオートフォーカス機構を別々のユニットとして用意することも考えられるが、コストアップや装置の複雑化を招くため好ましくない。

0012

本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、改質領域の加工深さの変化に対する自由度が高く、ウェーハの内部に改質領域を精度良く形成することが可能なレーザーダイシング装置及びダイシング方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上記目的を達成するために、本発明の第1態様に係るレーザーダイシング装置は、第1レーザー光をウェーハの内部に集光させることによりウェーハの内部に改質領域を形成するレーザーダイシング装置であって、第1レーザー光を出射する第1レーザー光源と、第1レーザー光の光路と一部光路を共有し、ウェーハの表面で反射させるための第2レーザー光を出射する第2レーザー光源と、第1レーザー光の光路と第2レーザー光の光路との共有光路上に配置され、第1レーザー光と第2レーザー光とを集光する集光レンズと、ウェーハの表面で反射した第2レーザー光の反射光に基づいて、第2レーザー光の集光点とウェーハの表面との距離を示すフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成手段と、フォーカス誤差信号に基づいて、集光レンズとウェーハの表面との距離が一定となるように集光レンズをウェーハの厚み方向に移動させる制御手段と、第1レーザー光の集光点の位置を固定した状態で第2レーザー光の集光点の位置をウェーハの厚み方向に調整する集光点調整手段と、を備える。

0014

本発明の第2態様に係るレーザーダイシング装置は、第1態様において、集光点調整手段は、第2レーザー光の光路上であって共有光路とは独立した位置に配置された1又は複数のレンズからなるフォーカスレンズ群を有し、フォーカスレンズ群の少なくとも一部のレンズが第2レーザー光の光路に沿って移動可能に構成される。

0015

本発明の第3態様に係るレーザーダイシング装置は、第2態様において、フォーカスレンズ群は、ウェーハ側から順に正レンズ及び負レンズを有し、負レンズが第2レーザー光の光路に沿って移動可能に構成される。

0016

本発明の第4態様に係るレーザーダイシング装置は、第3態様において、前記集光レンズの射出瞳と前記正レンズとの光学的距離が120mm以下である。

0017

本発明の第5態様に係るレーザーダイシング装置は、第3態様又は第4態様において、前記正レンズの焦点距離が20mm以上80mm以下である。

0018

本発明の第6態様に係るレーザーダイシング装置は、第3〜5態様のいずれかにおいて、前記正レンズの焦点距離と前記負レンズの焦点距離との差が2mm以上15mm以下である。

0019

本発明の第7態様に係るレーザーダイシング装置は、第3〜6態様のいずれかにおいて、前記集光レンズにより集光され前記ウェーハの表面に照射される前記第1レーザー光の集光像の直径が5μm以上50μm以下である。

0020

本発明の第8態様に係るレーザーダイシング装置は、第1〜7態様のいずれかにおいて、フォーカス誤差信号生成手段は、ナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を生成する。

0021

本発明の第9態様に係るレーザーダイシング装置は、第1〜7態様のいずれかにおいて、フォーカス誤差信号生成手段は、非点収差法によりフォーカス誤差信号を生成する。

0022

本発明の第10態様に係るダイシング方法は、第1レーザー光をウェーハの内部に集光させることによりウェーハの内部に改質領域を形成するダイシング方法であって、第1レーザー光の光路とウェーハの表面で反射させるための第2レーザー光の光路との共有光路上に配置された集光レンズにより第1レーザー光及び第2レーザー光を集光させる集光工程と、ウェーハの表面で反射した第2レーザー光の反射光に基づいて、第2レーザー光の集光点とウェーハの表面との距離を示すフォーカス誤差信号を生成するフォーカス誤差信号生成工程と、フォーカス誤差信号に基づいて、集光レンズとウェーハの表面との距離が一定となるように集光レンズをウェーハの厚み方向に移動させる制御工程と、第1レーザー光の集光点の位置を固定した状態で第2レーザー光の集光点の位置をウェーハの厚み方向に調整する集光点調整工程と、を含む。

0023

本発明の第11態様に係るダイシング方法は、第10態様において、集光点調整工程は、第2レーザー光の光路上であって共有光路とは独立した位置に配置された1又は複数のレンズからなるフォーカスレンズ群の少なくとも一部のレンズを第2レーザー光の光路に沿って移動させることにより、第2レーザー光の集光点の位置をウェーハの厚み方向に調整する。

0024

本発明の第12態様に係るダイシング方法は、第11態様において、フォーカスレンズ群は、ウェーハ側から順に正レンズ及び負レンズを有し、集光点調整工程は、負レンズを第2レーザー光の光路に沿って移動させることにより、第2レーザー光の集光点の位置をウェーハの厚み方向に調整する。

0025

本発明の第13態様に係るダイシング方法は、第12態様において、前記集光レンズの射出瞳と前記正レンズとの光学的距離が120mm以下である。

0026

本発明の第14態様に係るダイシング方法は、第12態様又は第13態様において、前記正レンズの焦点距離が20mm以上80mm以下である。

0027

本発明の第15態様に係るダイシング方法は、第12〜14態様のいずれかにおいて、前記正レンズの焦点距離と前記負レンズの焦点距離との差が2mm以上15mm以下である。

0028

本発明の第16態様に係るダイシング方法は、第12〜15態様のいずれかにおいて、前記集光レンズにより集光され前記ウェーハの表面に照射される前記第1レーザー光の集光像の直径が5μm以上50μm以下である。

0029

本発明の第17態様に係るダイシング方法は、第10〜16態様のいずれかにおいて、フォーカス誤差信号生成工程は、ナイフエッジ法によりフォーカス誤差信号を生成する。

0030

本発明の第18態様に係るダイシング方法は、第10〜16態様のいずれかにおいて、フォーカス誤差信号生成工程は、非点収差法によりフォーカス誤差信号を生成する。

発明の効果

0031

本発明によれば、第1レーザー光(加工用レーザー光)の集光点と第2レーザー光(AF用レーザー光)の集光点との相対的な距離を調整することができるので、改質領域の加工深さに応じてウェーハの表面近傍に第2レーザー光の集光点を合わせることが可能となり、ウェーハの表面の変位を安定かつ高精度に検出することができる。したがって、改質領域の加工深さの変化に対する自由度が高く、ウェーハの内部の所望の位置に改質領域を精度良く形成することが可能となる。

図面の簡単な説明

0032

本発明の一実施形態に係るレーザーダイシング装置の概略を示した構成図
フレームテープを介してマウントされたウェーハを示した斜視図
ウェーハ内部の集光点近傍に形成される改質領域を説明する概念
AF装置の構成例を示した概略図
分割フォトダイオード受光面に形成される集光像の様子を示した図
フォーカス誤差信号の出力特性を示したグラフ
AF用レーザー光の集光点がウェーハ厚み方向に変化する様子を示した図
本実施形態のレーザーダイシング装置を用いたダイシング方法の流れを示したフローチャート
図8に示すキャリブレーション動作の詳細な流れを示したフローチャート
キャリブレーション動作によって測定されるフォーカス誤差信号の出力特性の一例を示した図
図8に示すリアルタイム加工動作の詳細な流れを示したフローチャート
シミュレーションによる評価結果(加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性)を示した図
シミュレーションによる評価結果(加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性)を示した図
シミュレーションによる評価結果(加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性)を示した図
シミュレーションによる評価結果(加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性)を示した図
シミュレーションによる評価結果(加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性)を示した図
AF装置30の他の構成例を示した概略図
4分割フォトダイオードの受光面を示した図
AF装置30の更に他の構成例を示した概略図

実施例

0033

以下、添付図面に従って本発明の実施の形態について説明する。

0034

図1は、本発明の一実施形態に係るレーザーダイシング装置10の概略を示した構成図である。同図に示すように、レーザーダイシング装置10は、ウェーハWを移動させるステージ12と、ウェーハWにレーザー光を照射するレーザーヘッド20と、レーザーダイシング装置10の各部を制御する制御部50とを備える。

0035

ステージ12は、XYZθ方向に移動可能に構成され、ウェーハWを吸着保持する。ウェーハWは、図2に示すように、一方の面に粘着材を有するダイシングシートSが貼付され、このダイシングシートSを介してフレームFと一体化された状態でステージ12に載置される。

0036

レーザーヘッド20は、ウェーハWに対向する位置に配置されており、ウェーハWの内部に多光子吸収による改質領域を形成するための加工用レーザー光L1をウェーハWに対して照射する。

0037

制御部50は、CPU、メモリ入出力回路部等からなり、レーザーダイシング装置10の各部の動作や加工に必要なデータの記憶等を行う。

0038

レーザーダイシング装置10はこの他に、図示しないウェーハ搬送手段、操作板テレビモニタ、及び表示灯等から構成されている。

0039

操作板には、レーザーダイシング装置10の各部の動作を操作するスイッチ類表示装置が取り付けられている。テレビモニタは、図示しないCCDカメラ撮像したウェーハ画像の表示、又はプログラム内容や各種メッセージ等を表示する。表示灯は、レーザーダイシング装置10の加工中、加工終了、非常停止等の稼働状況を表示する。

0040

次に、レーザーヘッド20の詳細構成について説明する。

0041

図1に示すように、レーザーヘッド20は、レーザー光源(第1レーザー光源)21と、ダイクロイックミラー23と、集光レンズ24と、第1アクチュエータ25と、AF装置30とを備える。

0042

レーザー光源21は、ウェーハWの内部に改質領域を形成するための加工用レーザー光(第1レーザー光)L1を出射する。例えば、レーザー光源21は、パルス幅が1μs以下であって、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上となるレーザー光を出射する。

0043

加工用レーザー光L1の第1光路上には、レーザー光源21側から順に、ダイクロイックミラー23と、集光レンズ24とが配置される。ダイクロイックミラー23は、加工用レーザー光L1を透過し、かつ後述するAF装置30から出射されるAF用レーザー光(第2レーザー光)L2を反射する。なお、AF用レーザー光L2の第2光路は、ダイクロイックミラー23により加工用レーザー光L1の第1光路と一部光路を共有するように屈曲され、その共有光路上に集光レンズ24が配置される。

0044

レーザー光源21から出射された加工用レーザー光L1は、ダイクロイックミラー23を通過した後、集光レンズ24によりウェーハWの内部に集光される。加工用レーザー光L1の集光点のZ方向位置(ウェーハ厚み方向位置)は、第1アクチュエータ25によって集光レンズ24をZ方向に微小移動させることにより調節される。なお、詳細は後述するが、第1アクチュエータ25は、集光レンズ24とウェーハWの表面との距離が一定となるように、制御部50によって駆動が制御される。

0045

図3は、ウェーハ内部の集光点近傍に形成される改質領域を説明する概念図である。図3(a)は、ウェーハWの内部に入射された加工用レーザー光L1が集光点に改質領域Pを形成した状態を示し、図3(b)は断続するパルス状の加工用レーザー光L1の下でウェーハWが水平方向に移動され、不連続な改質領域P、P、…が並んで形成された状態を表している。図3(c)は、ウェーハWの内部に改質領域Pが多層に形成された状態を示している。

0046

図3(a)に示すように、ウェーハWの表面から入射した加工用レーザー光L1の集光点がウェーハWの厚さ方向の内部に設定されていると、ウェーハWの表面を透過した加工用レーザー光L1は、ウェーハWの内部の集光点でエネルギーが集中し、ウェーハWの内部の集光点近傍に多光子吸収によるクラック領域溶融領域屈折率変化領域等の改質領域が形成される。図3(b)に示すように、断続するパルス状の加工用レーザー光L1をウェーハWに照射して複数の改質領域P、P、…をダイシングストリートに沿って形成することで、ウェーハWは分子間力バランス崩れ、改質領域P、P、…を起点として自然に割断するか、或いは僅かな外力を加えることによって割断される。

0047

また、厚さの厚いウェーハWの場合は、改質領域Pの層が1層では割断できないので、図3(c)に示すように、ウェーハWの厚さ方向に加工用レーザー光L1の集光点を移動し、改質領域Pを多層に形成させて割断する。

0048

なお、図3(b)、(c)に示した例では、断続するパルス状の加工用レーザー光L1で不連続な改質領域P、P、…を形成した状態を示したが、加工用レーザー光L1の連続波の下で連続的な改質領域Pを形成するようにしてもよい。不連続の改質領域Pを形成した場合は、連続した改質領域Pを形成した場合に比べて割断され難いので、ウェーハWの厚さや搬送中の安全等の状況によって、加工用レーザー光L1の連続波を用いるか、断続波を用いるかが適宜選択される。

0049

AF装置30は、ウェーハWの表面の基準位置からのZ方向(ウェーハ厚み方向)の変位を検出するためのAF用レーザー光(第2レーザー光)L2を出射し、ウェーハWの表面で反射したAF用レーザー光L2の反射光を受光し、その受光した反射光に基づいて、ウェーハWの表面の基準位置からのZ方向の変位を検出する。

0050

図4は、AF装置30の構成例を示した概略図である。図4に示すAF装置30は、ナイフエッジ法を用いてウェーハWの表面の基準位置からのZ方向の変位を検出するものである。

0051

AF装置30は、AF用光源(第2レーザー光源)31と、集光レンズ32と、ピンホール33と、ナイフエッジ34と、照明系レンズ35と、ハーフミラー36と、フォーカスレンズ群37と、結像レンズ38と、ディテクタ39と、AF信号処理部40と、第2アクチュエータ41と、を備える。

0052

AF用光源31は、例えばLD(Laser Diode)光源やSLD(Super Luminescent Diode)光源等からなり、加工用レーザー光L1とは異なる波長であってウェーハWの表面で反射可能な波長を有するAF用レーザー光L2を出射する。

0053

AF用光源31から出射されたAF用レーザー光L2は、集光レンズ32、ピンホール33を通過した後、ナイフエッジ34によってその一部が遮光される、そして、ナイフエッジ34によって遮光されることなく進行した光は、照明系レンズ35を通過した後、ハーフミラー36で反射されて、フォーカスレンズ群37を介して、ダイクロイックミラー23に導かれる。このダイクロイックミラー23により反射されたAF用レーザー光L2は、加工用レーザー光L1との共有光路に沿って進行し、集光レンズ24により集光されてウェーハWに照射される。なお、ナイフエッジ34はピンホール33とハーフミラー36の間にあればよく、照明系レンズ35の後に配置しても同様の効果を得られる。

0054

ウェーハWの表面で反射されたAF用レーザー光L2の反射光は、集光レンズ24に戻って共有光路に沿って進行し、ダイクロイックミラー23により反射される。このダイクロイックミラー23により反射されたAF用レーザー光L2の反射光は、フォーカスレンズ群37、ハーフミラー36を順次通過する。ハーフミラー36を通過したAF用レーザー光L2の反射光は、結像レンズ38により集光され、ディテクタ39上に照射され、ディテクタ39の受光面に集光像を形成する。

0055

ディテクタ39は、2分割された受光素子光電変換素子)を有する2分割フォトダイオードからなり、AF用レーザー光L2の反射光の集光像を分割して受光し、それぞれの光量に応じた出力信号電気信号)をAF信号処理部40に出力する。

0056

AF信号処理部40は、ディテクタ39の各受光素子から出力された出力信号に基づいて、ウェーハWの表面の基準位置からのZ方向の変位(ウェーハWの表面とAF用レーザー光L2の集光点とのデフォーカス距離)を示すフォーカス誤差信号を生成して制御部50に出力する。なお、AF信号処理部40は、本発明のフォーカス誤差信号生成手段に相当する。

0057

ここで、ウェーハWの表面の変位の検出原理について説明する。

0058

図5は、ディテクタ39を構成する2分割フォトダイオード42の受光面に形成される集光像の様子を示した図である。なお、図5(a)〜(c)は、図4においてウェーハWの表面がそれぞれh1、h2、h3で示す位置にあるときに、2分割フォトダイオード42の受光面に形成される集光像の様子を示している。

0059

まず、ウェーハWの表面がh2の位置にある場合、すなわち、ウェーハWの表面とAF用レーザー光L2の集光点とが一致している場合、図5(b)に示すように、2分割フォトダイオード42の受光面には真ん中にシャープな像(真円)が形成される。このとき、2分割フォトダイオード42の受光素子42A、42Bで受光される光量は共に等しくなり、ウェーハWの表面は合焦位置にあることが分かる。

0060

一方、ウェーハWの表面がh1の位置にある場合、すなわち、ウェーハWの表面がAF用レーザー光L2の集光点よりも集光レンズ24に近い位置にある場合、図5(a)に示すように、2分割フォトダイオード42の受光面には、受光素子42A側に半円状の集光像が形成され、その大きさ(ぼけ量)はウェーハWと集光レンズ24との距離に応じて変化する。

0061

また、ウェーハWの表面がh3の位置にある場合、すなわち、ウェーハWの表面がAF用レーザー光L2の集光点よりも集光レンズ24から遠い位置にある場合、図5(c)に示すように、2分割フォトダイオード42の受光面には、受光素子42B側に半円状の集光像が形成され、その大きさ(ぼけ量)はウェーハWと集光レンズ24との距離に応じて変化する。

0062

このように、2分割フォトダイオード42の受光素子42A、42Bで受光される光量は、ウェーハWの表面の変位に応じて変化する。したがって、このような性質を利用してウェーハWの表面の変位を検出することができる。

0063

AF信号処理部40では、2分割フォトダイオード42の受光素子42A、42Bから出力された出力信号をそれぞれA、Bとしたとき、フォーカス誤差信号Eを、次式(1)に従って求める。

0064

E=(A−B)/(A+B) ・・・(1)
図6は、フォーカス誤差信号の出力特性を示したグラフであり、横軸はウェーハWの表面の基準位置からZ方向(ウェーハ厚み方向)の変位を示し、縦軸はフォーカス誤差信号の出力値を示している。なお、ウェーハWの表面の基準位置(原点)にAF用レーザー光L2の集光点が一致するように予め調整されているものとする。

0065

図6に示すように、フォーカス誤差信号の出力特性は、ウェーハWの表面の基準位置(原点)をゼロクロス点としたS字状の曲線となる。また、ウェーハWの表面の位置が、図中に矢印で示した範囲、すなわち、ウェーハWの表面の変位を検出可能な測定範囲(フォーカス引き込み範囲)内にあるとき、ウェーハWの表面の変位とフォーカス誤差信号の出力との関係は、原点を通る単調な曲線となる。つまり、フォーカス誤差信号の出力がゼロであれば、ウェーハWの表面がAF用レーザー光L2の集光点と一致する合焦位置にあることが分かり、フォーカス誤差信号の出力がゼロでなければ、ウェーハWの表面の変位方向及び変位量を知ることができる。

0066

このような出力特性を有するフォーカス誤差信号は、ウェーハWの表面の基準位置からZ方向の変位を示すウェーハ変位情報としてAF信号処理部40で生成され、制御部50に出力される。

0067

制御部50は、AF信号処理部40から出力されたフォーカス誤差信号に基づいて、集光レンズ24とウェーハWの表面との距離が一定となるように、第1アクチュエータ25の駆動を制御する。これにより、ウェーハWの表面の変位に追従するように集光レンズ24がZ方向(ウェーハ厚み方向)に微小移動され、ウェーハWの表面から一定の距離(深さ)に加工用レーザー光L1の集光点が位置するようになるので、ウェーハWの内部の所望の位置に改質領域を形成することができる。なお、制御部50は、本発明の制御手段に相当するものである。

0068

ところで、本実施形態のように、加工用レーザー光L1の第1光路とAF用レーザー光L2の第2光路との共有光路上に集光レンズ24が配置される構成においては、改質領域の加工深さを変えるために集光レンズ24とウェーハWとの相対的な距離が変化すると、加工用レーザー光L1の集光点とともにAF用レーザー光L2の集光点もウェーハWに対するZ方向位置が変化する。

0069

例えば、図7(a)に示すように、ウェーハWの表面から浅い位置に改質領域を形成する場合において、ウェーハWの表面にAF用レーザー光L2の集光点が一致していたとする。このような場合、図7(b)に示すように、ウェーハWの表面から深い位置に改質領域を形成するために、集光レンズ24とウェーハWとの相対的な距離を変化させると、AF用レーザー光L2の集光点がウェーハWの表面からZ方向(ウェーハ厚み方向)に大きくずれてしまう。そして、AF用レーザー光L2の集光点とウェーハWの表面との距離が測定範囲(フォーカス引き込み範囲)を超えてしまうと、ウェーハWの表面の変位を検出することができなくなってしまう。特に、集光レンズ24は高NAレンズが用いられるため、ウェーハWの表面の変位を検出可能な測定範囲がAF用レーザー光L2の集光点(合焦位置)の近傍に限られるため、上記問題はより顕著なものとなる。

0070

そこで、本実施形態のAF装置30は、加工用レーザー光L1の集光点とは独立してAF用レーザー光L2の集光点をZ方向(ウェーハ厚み方向)に変化させる集光点調整手段としてフォーカスレンズ群37を備えている。

0071

フォーカスレンズ群37は、AF用レーザー光L2の第2光路上であって加工用レーザー光L1の第1光路との共有光路とは独立した位置に配置される。具体的には、ダイクロイックミラー23とハーフミラー36との間に配置される。

0072

フォーカスレンズ群37は、少なくとも第2光路に沿って移動可能に構成された移動レンズを含む複数のレンズからなり、本例では、被写体側(ウェーハW側)から順に、第2光路に沿って移動不能に設けられた固定レンズ(正レンズ)37Aと、第2光路に沿って移動可能に設けられた移動レンズ(負レンズ)37Bとから構成される。

0073

第2アクチュエータ41は、移動レンズ37Bを第2光路に沿って移動させる。移動レンズ37Bが第2光路に沿って移動すると、加工用レーザー光L1の集光点のZ方向位置は固定された状態で、移動レンズ37Bの移動方向及び移動量に応じてAF用レーザー光L2の集光点のZ方向位置が変化する。すなわち、加工用レーザー光L1の集光点とAF用レーザー光L2の集光点との相対的な距離が変化する。

0074

制御部50は、AF信号処理部40から出力されるフォーカス誤差信号に基づいて、AF用レーザー光L2の集光点がウェーハWの表面に一致するように(具体的には、フォーカス誤差信号がゼロとなるように)、第2アクチュエータ41の駆動を制御する。

0075

このように、制御部50が、AF信号処理部40から出力されるフォーカス誤差信号に基づいて、第2アクチュエータ41の駆動を制御することにより、加工用レーザー光L1の集光点とは独立してAF用レーザー光L2の集光点をウェーハWの表面に一致させることが可能となる。

0076

これにより、図7(a)に示した状態から図7(b)に示した状態のように、改質領域の加工深さを変化させるために集光レンズ24とウェーハWとの相対的な距離が変化する場合においても、上記のようにフォーカスレンズ群37の移動レンズ37Bを第2光路に沿って移動させることにより、図7(c)に示した状態のように、加工用レーザー光L1の集光点のZ方向位置を固定した状態で、AF用レーザー光L2の集光点をウェーハWの表面に一致させることが可能となる。

0077

このようなフォーカスレンズ群37の構成が好ましい理由について説明する。

0078

ウェーハWの内部に加工用レーザー光L1の集光点を合わせた内部加工の状態において、集光レンズ24とウェーハWとの相対的な距離が短くなると、ウェーハWの表面に集光するAF用レーザー光L2は集光レンズ24からは発散光となる。フォーカスレンズ群37としては負レンズ先行タイプもあるが、集光レンズ24からの光が発散光であることを考慮すれば、本実施形態のように、正レンズ先行タイプが合理的である。正レンズ(群)及び負レンズ(群)のうちどちらを動かして集光点調整(フォーカス調整)するかについても、正レンズを動かすタイプ、負レンズを動かすタイプがあり得るが、集光点調整によって集光レンズ24及びフォーカスレンズ群37の合成焦点距離の変動がなるべく小さい方が好ましい。この観点から負レンズを動かすタイプが好ましい。

0079

以上のような理由により、本実施形態においては、フォーカスレンズ群37は、被写体(ウェーハW側)から順に、固定レンズ(正レンズ)37A、移動レンズ(負レンズ)37Bとからなる構成が好ましく採用される。

0080

次に、本実施形態のレーザーダイシング装置10を用いたダイシング方法について説明する。図8は、本実施形態のレーザーダイシング装置10を用いたダイシング方法の流れを示したフローチャートである。なお、ウェーハWは、図3に示すように、一方の面に粘着材を有するダイシングシートSが貼付され、このダイシングシートSを介してフレームFと一体化された状態でステージ12に吸着保持されているものとする。また、ステージ12に吸着保持されたウェーハWは、画像処理装置を有するアライメント手段(不図示)によってアライメントが適宜行われるものとする。

0081

図8に示すように、レーザーダイシング装置10は、後述するリアルタイム加工動作に先立って、オートフォーカス誤差信号の出力特性を測定するキャリブレーション動作を実
行する(ステップS10)。

0082

キャリブレーション動作が完了した後、レーザーダイシング装置10は、ウェーハWの表面の変位に追従するように加工用レーザー光L1の集光点のZ方向位置を調整しながらウェーハWの内部に改質領域を形成するリアルタイム加工動作を実行する(ステップS12)。

0083

図9は、図8に示すキャリブレーション動作の詳細な流れを示したフローチャートである。

0084

まず、制御部50は、第2アクチュエータ41の駆動を制御して、フォーカスレンズ群37の移動レンズ37Bを改質領域の加工深さに応じた位置に移動させる(ステップS20)。なお、制御部50のメモリ部(不図示)には、改質領域の加工深さとフォーカスレンズ群37の移動レンズ37Bの位置との対応関係が保持されている。

0085

続いて、制御部50は、ステージ12の移動を制御して、ウェーハWの表面の基準位置を集光レンズ24の直下に移動させる(ステップS22)。なお、ウェーハWの表面の基準位置は、AF用レーザー光L2の集光点を一致させる位置であって、ウェーハWの表面のZ方向位置の変位の基準となる位置なので、ウェーハWの表面の段差が少ない部分(平滑面)であることが望ましく、例えば、ウェーハWの外周部を除く中央部分の所定位置を基準位置とする。

0086

続いて、制御部50は、集光点調整工程として、第2アクチュエータ41の駆動を制御して、AF信号処理部40から出力されるオートフォーカス誤差信号がゼロとなるように、フォーカスレンズ群37の移動レンズ37Bを第2光路に沿って移動させる(ステップS24)。これにより、図7(b)に示すように、AF用レーザー光L2の集光点とウェーハWの表面の基準位置とにずれがある場合でも、図7(c)に示すように、AF用レーザー光L2の集光点がウェーハWの表面の基準位置と一致するように集光点調整が行われる。なお、制御部50は、メモリ部(不図示)に保持されているフォーカスレンズ群37の移動レンズ37Bの位置を、集光点調整後の移動レンズ37Bの位置(補正位置)に書き換える。

0087

続いて、制御部50は、第1アクチュエータ25の駆動を制御して、集光レンズ24をZ方向に沿って移動可能範囲の全体にわたって移動させながらAF信号処理部40から出力されるオートフォーカス誤差信号の出力特性を測定して、その出力特性をルックアップテーブルとしてメモリ部(不図示)に保持しておく(ステップS26)。

0088

なお、ウェーハWの内部に改質領域の層を複数形成する場合には、ステップS20からステップS26までの処理を改質領域の加工深さ毎に実行する。

0089

以上の処理により、制御部50は、図8のステップS12のリアルタイム加工動作において、メモリ部(不図示)に保持されたルックアップテーブルを参照することにより、AF信号処理部40から出力されるオートフォーカス誤差信号の出力値からウェーハWの表面の基準位置からのZ方向の変位(ウェーハWの表面とAF用レーザー光L2の集光点とのデフォーカス距離)を簡単に求めることができるので、リアルタイム加工動作における加工効率(スループット)を向上させることが可能となる。

0090

図10は、キャリブレーション動作によって測定されるフォーカス誤差信号の出力特性の一例を示した図であり、改質領域の加工深さMを0〜800μmの範囲で変化させたときの出力特性を示している。

0091

本実施形態では、改質領域の加工深さに応じてAF用レーザー光L2の集光点のZ方向位置がウェーハWの表面の基準位置と一致するように調節されるので、図10に示すように、各加工深さに対応するフォーカス誤差信号の出力特性は略揃ったものとなり、いずれもウェーハWの表面の基準位置(原点)をゼロクロス点としたS字状の曲線となる。したがって、このような出力特性を有するフォーカス誤差信号を用いてリアルタイム加工動作を実行することにより、改質領域の加工深さの変更に影響されることなく、ウェーハWの表面の変位を安定かつ高精度に検出することが可能となる。

0092

図11は、図8に示すリアルタイム加工動作の詳細な流れを示したフローチャートである。

0093

まず、制御部50は、図9のステップS20と同様に、第2アクチュエータ41の駆動を制御して、フォーカスレンズ群37の移動レンズ37Bを改質領域の加工深さに応じた位置に移動させる(ステップS30)。このとき、制御部50は、メモリ部(不図示)に保持されている移動レンズ37Bの位置(補正位置)に移動させる。これにより、AF用レーザー光L2の集光点がウェーハWの表面の基準位置と一致し、AF装置30は、ウェーハWの表面の基準位置を基準としたZ方向の変位を検出することが可能となる。

0094

続いて、制御部50は、ステージ12の移動を制御して、ステージ12に吸着保持されたウェーハWを所定の加工開始位置に移動させる(ステップS32)。

0095

続いて、制御部50は、レーザー光源21をONとした後、ウェーハWを水平方向(XY方向)に移動させながら、レーザー光源21から出射された加工用レーザー光L1により、ダイシングストリートに沿ってウェーハWの内部に改質領域を形成する(ステップS34)。

0096

このとき、制御部50は、レーザー光源21をONにするタイミングと略同時、或いはそれよりも先のタイミングで、AF用光源31をONとする。これにより、集光工程として、加工用レーザー光L1とAF用レーザー光L2が集光レンズ24によりウェーハWに向かって集光される。AF用光源31から出射されたAF用レーザー光L2はウェーハWの表面で反射され、その反射光はディテクタ39の受光面に集光像を形成する。AF信号処理部40は、フォーカス誤差信号生成工程として、ディテクタ39から出力された出力信号(電気信号)に基づいて、ウェーハWの表面の基準位置からのZ方向の変位を示すフォーカス誤差信号を生成して制御部50に出力する。

0097

そして、制御部50は、制御工程として、AF信号処理部40から出力されるフォーカス誤差信号に基づいて、第1アクチュエータ25の駆動を制御することによって、加工用レーザー光L1の集光点のZ方向位置を調整しながら、ウェーハWの内部に改質領域を形成する。

0098

続いて、制御部50は、ウェーハWの全てのダイシングストリートに対して改質領域の形成が終了しているか否かを判断する(ステップS36)。全てのダイシングストリートに対して改質領域の形成が終了していない場合(Noの場合)、次のダイシングストリートに移動し(ステップS38)、そのダイシングストリートについてステップS34からステップS36までの処理を繰り返す。一方、全てのダイシングストリートに対して改質領域の形成が終了した場合(Yesの場合)、次のステップS40に進む。

0099

続いて、制御部50は、全ての加工深さについて改質領域の形成が終了しているか否かを判断する(ステップS40)。全ての加工深さについて改質領域の形成が終了していない場合には、次の加工深さに移動し(ステップS42)、ステップS30からステップS36までの処理を繰り返す。一方、全ての加工深さについて改質領域の形成が終了した場合には、リアルタイム加工動作を終了する。

0100

このようにして、ウェーハの内部の所望の位置に改質領域を形成することにより、改質領域を起点としてウェーハWを複数のチップに分割することが可能となる。

0101

以上のとおり、本実施形態によれば、加工用レーザー光L1の集光点とは独立してAF用レーザー光L2の集光点のZ方向位置(ウェーハ厚み方向位置)を調整可能な集光点調整手段としてフォーカスレンズ群37を備えたので、加工用レーザー光L1の集光点とAF用レーザー光L2の集光点との相対的な距離を調整することができる。これにより、改質領域の加工深さに応じてウェーハWの表面近傍にAF用レーザー光L2の集光点を合わせることが可能となり、ウェーハWの表面の変位を安定かつ高精度に検出することができる。したがって、改質領域の加工深さの変化に対する自由度が高く、ウェーハの内部の所望の位置に改質領域を精度良く形成することが可能となる。

0102

ところで、本発明者が鋭意検討したところによれば、集光レンズ24とフォーカスレンズ群37との光学的距離とフォーカス引き込み範囲、フォーカス感度には相関があり、良好な結果を得るためには、この光学的距離Dをある範囲に保つことが必要であることを見出した。具体的には、集光レンズ24の射出瞳とフォーカスレンズ群37の固定レンズ(正レンズ)37Aとの光学的距離Dが長すぎると加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性のばらつきが大きくなることから、光学的距離Dは120mm以下であることが好ましい。

0103

ここで、上述した本実施形態のレーザーダイシング装置10と実質的に等価なモデルを用いてシミュレーションを行い、光学的距離Dを変化させたときの加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性(AF特性)の変化について評価した結果について図12及び図13を参照して説明する。

0104

図12及び図13は、光学的距離Dをそれぞれ所定値に設定したときの加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性を示したものである。なお、Dの単位はmmとする(以下、同様とする)。

0105

図12はD=30とした場合であり、図13はD=90とした場合である。これらの図に示すように、光学的距離Dが長くなるにつれて、フォーカス引き込み範囲は広くなるものの、フォーカス誤差信号の出力特性のカーブの傾き(合焦位置(すなわち、変位=0)を中心とした比例関係にある略直線部分の傾き)が緩やかのものとなり、フォーカス感度が低下する傾向にある。また、加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性のばらつきが大きくなる。

0106

したがって、集光レンズ24の射出瞳とフォーカスレンズ群37の固定レンズ37Aとの光学的距離Dは120mm以下であることが好ましい。これにより、フォーカス感度が高く、フォーカス引き込み範囲が広く、加工深さによらず安定したAF特性を得ることが可能となる。

0107

また、本実施形態では、フォーカスレンズ群37は、固定レンズ(正レンズ)37A及び移動レンズ(負レンズ)37Bから構成されるが、その固定レンズ37Aの焦点距離は20mm以上80mm以下であることが好ましい。固定レンズ37Aの焦点距離が長すぎると移動レンズ37Bの移動量が大きくなりすぎる。また、固定レンズ37Aの焦点距離が短すぎると加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性のばらつきが大きくなる。したがって、これらの点を考慮すると、固定レンズ37Aの焦点距離は上記範囲であることが好ましく、移動レンズ37Bの移動量を小さくでき、かつ加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性のばらつきを小さくすることができる。

0108

また、本実施形態では、固定レンズ37Aの焦点距離(絶対値)と移動レンズ37Bとの焦点距離(絶対値)との差が2mm以上15mm以下であることが好ましい。固定レンズ37Aと移動レンズ37Bとの焦点距離の差が2mmよりも小さい場合には、ウェーハWの表面にAF用レーザー光L2の集光点を調整する際に固定レンズ37Aと移動レンズ37Bとの距離が短くなりすぎるため、フォーカスレンズ群37を構成する上で困難となる。一方、この焦点距離の差が大きすぎると、移動レンズ37Bの焦点距離が小さくなり、収差上の観点から望ましくない。これらの点を考慮すると、固定レンズ37Aの焦点距離(絶対値)と移動レンズ37Bとの焦点距離(絶対値)との差を2mm以上15mm以下であることが好ましく、フォーカスレンズ群37を容易に構成することができ、収差の発生を抑制することができる。

0109

また、本実施形態では、集光レンズ24により集光されウェーハWの表面に照射されるAF用レーザー光L2の集光像(ピンホール像)の直径(スポット径)Nは5μm以上50μm以下であることが好ましい。

0110

ここで、上述した本実施形態のレーザーダイシング装置10と実質的に等価なモデルを用いてシミュレーションを行い、スポット径Nを変化させたときの加工深さ毎のAF特性の変化について評価した結果について図14図16を参照して説明する。

0111

図14図16は、スポット径Nをそれぞれ所定値に設定したときの加工深さ毎のフォーカス誤差信号の出力特性を示したものである。なお、Nの単位はμmとする。また、光学的距離Dは60mmとした。

0112

図14は、N=10とした場合のフォーカス誤差信号の出力特性を示した図である。図14に示すように、N=10とした場合には、合焦位置(変位=0)付近でフォーカス誤差信号の出力特性のカーブが急激に変化し、合焦位置以外ではほぼ一定の値となっている。

0113

図15は、N=100とした場合のフォーカス誤差信号の出力特性を示した図である。図15に示すように、N=100とした場合には、N=10とした場合に比べて(図14参照)、合焦位置付近のフォーカス誤差信号の出力特性のカーブの変化が緩やかなものとなる。このことから、フォーカス引き込み範囲を拡大するためには、スポット径Nを大きくすればよいことが分かる。

0114

図16は、N=200とした場合のフォーカス誤差信号の出力特性を示した図である。図16に示すように、N=200とした場合には、フォーカス誤差信号の出力特性のカーブの振幅が減少し、そのカーブに変曲点が発生する現象が生じる。また、改質領域の加工深さが深くなるほど、フォーカス誤差信号の出力特性のカーブの傾き(合焦位置を中心とした比例関係にある略直線部分の傾き)が緩やかなものとなり、フォーカス感度が低下する問題も生じる。

0115

これらの結果から分かるように、スポット径Nは5μm以上50μm以下であることが好ましく、フォーカス感度が高く、フォーカス引き込み範囲が広く、加工深さによらず安定したAF特性を得ることが可能となる。

0116

なお、本実施形態では、AF用レーザー光L2の反射光を受光する手段としてのディテクタ39が2分割フォトダイオードで構成される例を示したが、これに限らず、光量バランスを測定できるもの(例えば、4分割フォトダイオード、2次元撮像素子等)を用いてもよい。

0117

また、本実施形態では、ウェーハWの表面の変位を検出する方法としてナイフエッジ法を用いたが、これに限らず、例えば、非点収差法等を用いることも可能である。

0118

図17は、AF装置30の他の構成例を示した概略図である。なお、図17において、図4と共通又は類似する構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。

0119

図17に示すAF装置30は、非点収差法を用いてウェーハWの表面の変位を検出するものである。AF装置30は、図4に示したナイフエッジ34に代えて、結像レンズ38とディテクタ39との間に、AF用レーザー光L2の反射光に非点収差を付与する非点収差付与手段としてシリンドリカルレンズ43が配置される。また、ディテクタ39は、4分割フォトダイオードによって構成される。

0120

非点収差法によるウェーハWの表面の検出原理については公知であるため(例えば特開2009−152288号公報参照)、ここでは詳細な説明は省略するが、簡単に説明すれば、ディテクタ39を構成する4分割フォトダイオードの受光面上に形成されるAF用レーザー光L2の反射光の集光像は、ウェーハWの表面とAF用レーザー光L2の集光点が一致している場合には真円となる。一方、ウェーハWの表面とAF用レーザー光L2の集光点がずれている場合には、ウェーハWの表面の変位方向に応じて集光像が縦方向又は横方向に引き伸ばされた楕円となり、その大きさはウェーハWの表面の変位量に依存する。したがって、この性質を利用することで、ウェーハWの表面の変位を検出することができる。

0121

図18は、4分割フォトダイオードの受光面を示した図である。同図に示すように、4分割フォトダイオード44は、4つの受光素子(光電変換素子)44A〜44Dを有し、各受光素子44A〜44Dは、AF用レーザー光L2の反射光の集光像を分割して受光し、それぞれの光量に応じた出力信号(電気信号)をAF信号処理部40に出力する。

0122

AF信号処理部40では、各受光素子44A〜44Dからそれぞれ出力される出力信号をA〜Dとしたとき、フォーカス誤差信号Eを、次式(2)に従って求める。

0123

E=[(A+C)−(B+D)]/[(A+C)+(B+D)] ・・・(2)
制御部50は、AF信号処理部40から出力されるフォーカス誤差信号に基づいて、上述した実施形態と同様に、第1アクチュエータ25や第2アクチュエータ41の駆動を制御することにより、改質領域の加工深さに対する変更に影響を受けることなく、ウェーハWの表面の変位を追従するように加工用レーザー光L1の集光点を高精度に制御することができ、ウェーハWの内部の所望の位置に改質領域を高精度に形成することが可能となる。

0124

図19は、AF装置30の更に他の構成例を示した概略図である。なお、図19において、図4と共通又は類似する構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。

0125

図19に示すAF装置30は、2つのディテクタで受光された反射光の光量比を利用してウェーハWの表面の変位を検出するものである。AF装置30は、図4に示したナイフエッジ34、結像レンズ38、ディテクタ39に代えて、ハーフミラー45、集光レンズ46、マスク遮光板)47、第1ディテクタ48、第2ディテクタ49を備えて構成される。

0126

AF用光源31から出射されたAF用レーザー光L2は、集光レンズ32、ピンホール33、照明系レンズ35を経由して、ハーフミラー36で反射される。更に、このAF用レーザー光L2は、フォーカスレンズ群37を経由して、ダイクロイックミラー23で反射され、加工用レーザー光L1との共有光路に沿って進行し、集光レンズ24により集光されてウェーハWに照射される。

0127

ウェーハWの表面で反射されたAF用レーザー光L2の反射光は、集光レンズ24により屈折され、ダイクロイックミラー23で反射され、フォーカスレンズ群37を経由して、ハーフミラー36を透過する。更に、この反射光は、ハーフミラー45によって2つの分岐経路分岐される。一方の分岐経路に分岐された反射光は、集光レンズ46により100%集光され第1ディテクタ48の受光面に結像される。そして、第1ディテクタ48は、受光した光量に応じた出力信号(電気信号)をAF信号処理部40に出力する。他方の分岐経路に分岐された反射光は、マスク47の孔部を通過して(受光領域が制限され)、第2ディテクタ49の受光面に結像される。そして、第2ディテクタ49は、受光した光量に応じた出力信号(電気信号)をAF信号処理部40に出力する。

0128

AF信号処理部40は、第1ディテクタ48及び第2ディテクタ49から出力された出力信号に基づいて、ウェーハWの表面の基準位置からのZ方向の変位(デフォーカス距離)を示すAF信号を生成して制御部50に出力する。

0129

ここで、ウェーハWの表面の変位の検出原理について説明する。

0130

第1ディテクタ48に受光される反射光は、集光レンズ46によって100%集光されるので受光量は一定であり、第1ディテクタ48の出力は一定となる。一方、第2ディテクタ49に受光される反射光は、マスク47によって受光領域が中心部分に制限されるので、集光レンズ24からウェーハWの表面までの距離、すなわち、ウェーハWの表面の高さ位置(Z方向位置)によって第2ディテクタ49の受光量は変化する。そのため、第2ディテクタ49の出力は、AF用レーザー光が照射されるウェーハWの表面の高さ位置によって変化する。したがって、このような性質を利用することで、ウェーハWの表面の変位を検出することができる。

0131

AF信号処理部40では、第1ディテクタ48及び第2ディテクタ49から出力された出力信号をそれぞれS1、S2としたとき、フォーカス誤差信号Eを、次式(3)に従って求める。

0132

E=S1/S2 ・・・(3)
制御部50は、AF信号処理部40から出力されるフォーカス誤差信号に基づいて、上述した実施形態と同様に、第1アクチュエータ25や第2アクチュエータ41の駆動を制御することにより、改質領域の加工深さに対する変更に影響を受けることなく、ウェーハWの表面の変位を追従するように加工用レーザー光L1の集光点を高精度に制御することができ、ウェーハWの内部の所望の位置に改質領域を高精度に形成することが可能となる。

0133

なお、ディテクタ39は、4分割フォトダイオードに限らず、光量バランスを測定できるものであればよく、例えば、2次元撮像素子等を用いてもよい。

0134

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。

0135

10…レーザーダイシング装置、12…ステージ、20…レーザーヘッド、21…レーザー光源、23…ダイクロイックミラー、24…集光レンズ、25…第1アクチュエータ、30…AF装置、31…AF用光源、32…集光レンズ、33…ピンホール、34…ナイフエッジ、35…照明系レンズ、36…ハーフミラー、37…フォーカスレンズ群、37A…固定レンズ、37B…移動レンズ、38…結像レンズ、39…ディテクタ、40…AF信号処理部、41…第2アクチュエータ、42…2分割フォトディテクタ、43…シリンドリカルレンズ、44…4分割フォトダイオード、45…ハーフミラー、46…集光レンズ、47…マスク、48…第1ディテクタ、49…第2ディテクタ、50…制御部、L1…加工用レーザー光、L2…AF用レーザー光

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