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課題
解決手段
分散型電源システムの発電装置制御装置は、センサからの検出信号に基づき、系統電源から給電されているか否かを判定し(第一給電判定部:ステップS104)、電流センサからの検出信号に基づき、系統電源30から給電されているか否かを判定し(第二給電判定部:ステップS106)、第二発電装置のみから貯湯槽制御装置に電力が供給されているときに、第一給電判定部および第二給電判定部が系統電源から給電されていないと判定した場合に、系統電源が異常であると判定し、一方、第一給電判定部が系統電源から給電されていないと判定し、かつ、第二給電判定部が系統電源から給電されていると判定した場合に、ブレーカが作動したと判定する(異常判定部:ステップS108,116)。
概要
背景
概要
分散型電源システムにおいて、系統電源の異常とブレーカの作動のいずれかをより確実に判別する。分散型電源システムの発電装置制御装置は、センサからの検出信号に基づき、系統電源から給電されているか否かを判定し(第一給電判定部:ステップS104)、電流センサからの検出信号に基づき、系統電源30から給電されているか否かを判定し(第二給電判定部:ステップS106)、第二発電装置のみから貯湯槽制御装置に電力が供給されているときに、第一給電判定部および第二給電判定部が系統電源から給電されていないと判定した場合に、系統電源が異常であると判定し、一方、第一給電判定部が系統電源から給電されていないと判定し、かつ、第二給電判定部が系統電源から給電されていると判定した場合に、ブレーカが作動したと判定する(異常判定部:ステップS108,116)。
目的
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、分散型電源システムにおいて、系統電源の異常とブレーカの作動のいずれかをより確実に判別することができることを目的とする
効果
実績
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この技術が所属する分野
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請求項1
電力を発生させる第一発電装置と、電力を発生させる第二発電装置と、系統電源の送電が正常である場合に、前記第一発電装置、前記第二発電装置および前記系統電源からの電力が供給可能である負荷装置と、前記系統電源と前記第一発電装置との間に配設されたブレーカと、前記ブレーカと前記第一発電装置との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出する第一検出装置と、前記系統電源と前記負荷装置との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出する第二検出装置と、前記第一発電装置の制御を少なくとも行う発電装置制御装置と、前記第一発電装置に付随して稼働する付随装置を制御し、前記系統電源および前記第二発電装置からの電力が供給可能であり、前記発電装置制御装置と互いに通信可能に接続されている付随装置制御装置と、を備え、前記発電装置制御装置は、前記第一検出装置からの検出信号に基づき、前記系統電源から給電されているか否かを判定する第一給電判定部と、前記第二検出装置からの検出信号に基づき、前記系統電源から給電されているか否かを判定する第二給電判定部と、前記第二発電装置のみから前記付随装置制御装置に電力が供給されているときに、前記第一給電判定部および第二給電判定部が前記系統電源から給電されていないと判定した場合に、前記系統電源が異常であると判定し、一方、前記第一給電判定部が前記系統電源から給電されていないと判定し、かつ、前記第二給電判定部が前記系統電源から給電されていると判定した場合に、前記ブレーカが作動したと判定する異常判定部と、を備えた分散型電源システム。
請求項2
請求項3
技術分野
0001
本発明は、分散型電源システムに関する。
背景技術
0002
分散型電源システムの一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、分散型電源システムにおいて、発電制御部35は、貯湯制御部62との通信状態が異常であると判定した場合に、電力系統200が異常であると判定する。一方で、発電制御部35が、貯湯制御部62との通信状態が正常であると判定し、且つ、検出装置25からの検出信号に基づき電力系統200から給電されていないと判定した場合に、ブレーカ26が作動して第2の電線82が遮断されたと判定する。
先行技術
0003
特開2013−070569号公報
発明が解決しようとする課題
0004
上述した分散型電源システムにおいては、発電装置30が電力系統200から給電されない状態となった際に、電力系統200の異常とブレーカ26の作動のいずれかを判別することができる。しかし、近年では、発電装置とは別の発電装置(例えば、太陽光発電装置)が並設され、電力系統200が異常であるときに、別の発電装置から貯湯制御部62に電力が供給される場合がある。この場合、電力系統200が異常であるにもかかわらず、通信状態が正常と判定される。したがって、ブレーカ26の作動であるか、電力系統200が異常であり、かつ、別の発電装置から貯湯制御部62に電力が供給されているのかが正確に判断することができないという問題があった。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、分散型電源システムにおいて、系統電源の異常とブレーカの作動のいずれかをより確実に判別することができることを目的とする。
課題を解決するための手段
0005
上記の課題を解決するため、請求項1に係る分散型電源システムは、電力を発生させる第一発電装置と、電力を発生させる第二発電装置と、系統電源の送電が正常である場合に、第一発電装置、第二発電装置および系統電源からの電力が供給可能である負荷装置と、系統電源と第一発電装置との間に配設されたブレーカと、ブレーカと第一発電装置との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出する第一検出装置と、系統電源と負荷装置との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出する第二検出装置と、第一発電装置の制御を少なくとも行う発電装置制御装置と、第一発電装置に付随して稼働する付随装置を制御し、系統電源および第二発電装置からの電力が供給可能であり、発電装置制御装置と互いに通信可能に接続されている付随装置制御装置と、を備え、発電装置制御装置は、第一検出装置からの検出信号に基づき、系統電源から給電されているか否かを判定する第一給電判定部と、第二検出装置からの検出信号に基づき、系統電源から給電されているか否かを判定する第二給電判定部と、第二発電装置のみから付随装置制御装置に電力が供給されているときに、第一給電判定部および第二給電判定部が系統電源から給電されていないと判定した場合に、系統電源が異常であると判定し、一方、第一給電判定部が系統電源から給電されていないと判定し、かつ、第二給電判定部が系統電源から給電されていると判定した場合に、ブレーカが作動したと判定する異常判定部と、を備えている。
0006
これによれば、第一発電装置とは別の第二発電装置(例えば、太陽光発電装置)が並設され、系統電源が異常(例えば停電)であるときに、第二発電装置のみから付随装置制御装置に電力が供給される場合があっても、異常判定部は、第一給電判定部および第二給電判定部が系統電源から給電されていないと判定した場合に、系統電源が異常であると判定する。一方、異常判定部は、第一給電判定部が系統電源から給電されていないと判定し、かつ、第二給電判定部が系統電源から給電されていると判定した場合に、ブレーカが作動したと判定する。よって、系統電源の異常とブレーカの作動のいずれかをより確実に判別することができる。
0007
また請求項2に係る発明は、請求項1に係る分散型電源システムにおいて、付随装置は、第一発電装置の排熱を回収した貯湯水を貯湯する貯湯槽を有する貯湯ユニットである。
これによれば、発電装置に貯湯槽を有する貯湯ユニットを備えたコジェネレーションシステムに、余分な機械的部品を追加すること無く、系統電源の異常とブレーカの作動のいずれかをより確実に判別することができる。
0008
また請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る分散型電源システムにおいて、第一発電装置は、燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池を含んで構成されている。
これによれば、第一発電装置が燃料電池により構成されている場合にも、系統電源の異常とブレーカの作動のいずれかをより確実に判別することができる。
図面の簡単な説明
実施例
0010
以下、本発明による分散型電源システムの実施形態の一つである実施例について説明する。図1はこの分散型電源システムの概要を示す概要図である。この分散型電源システムは、発電ユニット10、他発電ユニット16および貯湯ユニット20を備えている。
0011
発電ユニット10は、第一発電装置11、電源基板13および発電装置制御装置19を備えている。第一発電装置11は、電力(本実施形態では交流電力)を発生させるものであり、直流電力を発電する発電機11aおよび電力変換装置11bから構成されている。図2に示すように、発電機11aは、燃料電池11a1、蒸発部11a2および改質部11a3を備えている。
0012
蒸発部11a2は、後述する燃焼ガスにより加熱されて、供給された改質水を蒸発させて水蒸気を生成するとともに、供給された改質用原料を予熱するものである。蒸発部11a2は、このように生成された水蒸気と予熱された改質用原料を混合して混合ガスを改質部11a3に供給するものである。改質用原料としては天然ガス、LPGなどの改質用気体燃料、灯油、ガソリン、メタノールなどの改質用液体燃料がある。
0013
改質部11a3は、後述する燃焼ガスにより加熱されて水蒸気改質反応に必要な熱が供給されることで、蒸発部11a2から供給された混合ガス(改質用原料および水蒸気)から改質ガスを生成して導出するものである。混合ガスが触媒によって反応し、改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスが生成されている(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水素が反応して水素ガスと二酸化炭素とに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は燃料電池11a1の燃料極に導出されるようになっている。
0014
燃料電池11a1は、燃料と酸化剤ガスとにより発電するものである。燃料電池11a1は、燃料極、空気極(酸化剤極)、および両極の間に介装された電解質からなる複数のセル11a1aが図2の左右方向に積層されて構成されている。本実施形態の燃料電池11a1は、固体酸化物燃料電池であり、電解質として固体酸化物の一種である酸化ジルコニウムを使用している。燃料電池11a1の燃料極には、燃料としての水素、一酸化炭素、メタンガスなどが供給される。セル11a1aの燃料極側には、燃料である改質ガスが流通する燃料流路11a1bが形成されている。セル11a1aの空気極側には、酸化剤ガスである空気(カソードエア)が流通する空気流路11a1cが形成されている。空気流路11a1cには、カソードエアがカソードエアブロワ10a(またはカソードエアポンプ)によって供給されている。
0015
燃料電池11a1においては、燃料極に供給された燃料と空気極に供給された酸化剤ガスによって発電が行われる。すなわち、燃料極では、下記化1および化2に示す反応が生じ、空気極では、下記化3に示す反応が生じている。すなわち、空気極で生成した酸化物イオン(O2−)が電解質を通過し、燃料極で水素と反応することにより電気エネルギーを発生させている。
(化1)
H2+O2−→H2O+2e−
(化2)
CO+O2−→CO2+2e−
(化3)
1/2O2+2e−→O2−
0016
燃焼ガスは、燃料流路11a1bから導出した発電に使用されなかった改質ガスが、空気流路11a1cから導出した発電に使用されなかった酸化剤ガス(空気)によって燃焼されたものである。
0017
電力変換装置11bは、図1に示すように、燃料電池11a1から供給された直流電流を交流電流に変換するものである。また、電力変換装置11bは、変換した交流電流を出力する機能を備えている。電力変換装置11bには、電線14の一端が接続されており、電力変換装置11bの交流電力が電線14に出力されるようになっている。電線14の他端には、負荷装置15が接続されている。電力変換装置11bが出力する電力は、必要に応じて電線14を介して負荷装置15に供給されるようになっている。負荷装置15は、電灯、アイロン、テレビ、洗濯機、電気コタツ、電気カーペット、エアコン、冷蔵庫などの電気器具である。負荷装置15は、系統電源30の送電が正常である場合に、第一発電装置11、第二発電装置16aおよび系統電源30からの電力が供給可能である。
0018
電線14上であって電力変換装置11bと負荷装置15の間には、一端が系統電源30に接続された電源ライン31の他端が接続部14aで接続されている。また、電源ライン31上には、配電盤32が配設されている。発電ユニット10が発電する電力より負荷装置15の消費電力が上回った場合、その不足電力は、電源ライン31から配電盤32を介して系統電源30からの電力が供給されるようになっている。
0019
配電盤32は、他発電ユニット16が電線35を介して接続されており、他発電ユニット16からの電力が配電盤32を介して負荷装置15に供給されている。他発電ユニット16は、電力を発生させる第二発電装置16aおよび制御装置16bを備えている。他発電ユニット16は、例えば、太陽光発電ユニット、燃料電池ユニット、蓄電池などである。制御装置16bは、発電装置制御装置19と互いに通信可能に接続されている。
0020
また、電力変換装置11bは、電源ライン31および電線14を介して供給される系統電源30からの交流電力を直流電力に変換して出力する機能も備えている。電力変換装置11bが出力する直流電力は、電源基板13に出力される。電源基板13は、供給された直流電力を所定の直流電力に変換して発電装置制御装置19、補機10bなどに供給している。補機10bは、図示のない改質水ポンプ、原料ポンプや各部位の温度センサなどの発電ユニット10を作動させるのに必要であって直流電流で作動するものから構成されている。
0021
また、電源ライン31上であって系統電源30と配電盤32の間には、電流センサ31a(第二検出装置に相当)が配設されている。電流センサ31aは、系統電源30から電力変換装置11bへ供給される電力の電流を検出するものである。電流センサ31aで検出された電流の検出信号は、発電装置制御装置19に出力される。なお、本実施形態においては、系統電源30の電流を検出するために電流センサ31aを配設しているが、系統電源30から電力変換装置11bへ供給される電圧を検出する電圧センサを配設するようにしても良く、系統電源30から電力変換装置11bへ供給される電力を検出する電力センサを配設するようにしても良い。電流センサ31aは、系統電源30と負荷装置15との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出する第二検出装置である。
0022
さらに、発電ユニット10は、開閉器14c、センサ11b1および発電装置制御装置19を備えている。
開閉器14cは、電線14上であって接続部14aと電力変換装置11bとの間に配設され、開路または閉路することにより電力変換装置11bと系統電源30とを電気的に遮断または接続するものである。
0023
センサ11b1(第一検出装置に相当)は、電力変換装置11bとブレーカ14dの間に配設されている。より詳しくは、センサ11b1は、開閉器14cとブレーカ14dの間に配設されている。センサ11b1は、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出して、第一発電装置11が系統電源30から給電されているか否かを検出するものである。本実施形態では、センサ11b1は、その配設された位置の電圧を検出する。センサ11b1で検出された電圧の検出信号は、発電装置制御装置19に出力される。センサ11b1は、ブレーカ14dと第一発電装置11との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出する第一検出装置である。
0024
また、電線14上であって開閉器14cと接続部14aの間(すなわち系統電源30と第一発電装置11との間)には、ブレーカ14dが配設されている。系統電源30からの送電が行われている場合であって、何らかの原因により電線14に異常な電流(例えば過電流)が流れたときに、ブレーカ14dは自動で電線14を開路とするようになっている。これにより発電ユニット10は異常な電流による損傷などから回避される。なお、ブレーカ14dの作動の原因には、図示しないヒータ(例えば燃料電池の着火用ヒータ)や発電ユニット10内で短絡や漏電等の異常により電線14に過電流が流れる場合が含まれる。
0025
発電装置制御装置19は、第一発電装置11(燃料電池11a1)の制御を少なくとも行うものである。具体的には、系統電源30から電力供給があるときは、負荷装置15の消費電力となるように燃料電池11a1の発電量の制御を行う。このとき、燃料電池11a1の発電する電力より負荷装置15の消費電力が上回る場合は、その不足電力を系統電源30から受電して補うようになっている。停電の場合は、燃料電池11a1の発電量が一定の出力電力(例えば定格の半分(350W))となるように制御している。
また、開閉器14cは、発電装置制御装置19からの指示に従って、開閉制御されるようになっている。
0026
貯湯ユニット20は、貯湯槽21、貯湯槽制御装置22および電源基板23を備えている。この貯湯ユニット20は、第一発電装置11に付随して稼働する付随装置である。
貯湯槽21は、第一発電装置11(燃料電池11a1)の排熱を熱交換により回収した湯水を貯めるものである。貯湯槽21には、貯湯槽21内の湯水(貯湯水)を循環させるための湯水循環回路24が接続されている。湯水循環回路24上には、熱交換器25が配設されている。熱交換器25には、一端が発電機11aの排熱が排出される発電機11aの排出口に接続された流路25aの他端が接続されている。熱交換器25は、流路25aを介して供給される排熱と湯水循環回路24を循環する湯水との間で熱交換を行うものである。すなわち、発電ユニット10の発電中に図示しないポンプの駆動によって湯水循環回路24を湯水が循環すると、湯水が流路25aを介して排出された発電ユニット10の排熱を熱交換器25を介して回収することで、湯水が加熱されるようになっている。
なお、発電機11aの排熱とは、例えば、発電ユニット10の場合、燃料電池11a1の排熱や改質部11a3の排熱などをいう。しかし、それに限定せず発電ユニット10それ自体の熱など回収可能な排熱なら何でも利用できる。
0027
貯湯槽21は、1つの柱状容器を備えており、その内部に温水が層状に、すなわち上部の温水が最も高温であり下部にいくにしたがって低温となり下部の温水が最も低温であるように貯留されるようになっている。貯湯槽21に貯留されている高温の温水が貯湯槽21の柱状容器の上部から導出され、その導出された分を補給するように水道水などの水(低温の水)が貯湯槽21の柱状容器の下部から導入されるようになっている。このような貯湯槽21は、発電ユニット10の近くに設置されている。
0028
貯湯槽21の内部には残湯量検出センサである温度センサ群21aが設けられている。温度センサ群21aは複数(本実施形態においては5個)の温度センサ21a−1,21a−2,・・・,21a−5から構成されており、上下方向(鉛直方向)に沿って等間隔(貯湯槽21内の上下方向高さの4分の1の距離)にて配設されている。温度センサ21a−1は貯湯槽21の内部上面位置に配置されている。各温度センサ21a−1,21a−2,・・・,21a−5はその位置の貯湯槽21内の液体(温水または水)の温度をそれぞれ検出するものである。この温度センサ群21aによる各位置での湯温の検出結果に基づいて貯湯槽21内の残湯量が、この温度センサ群21aの検出結果が送信される貯湯槽制御装置22によって導出されるようになっている。残湯量は、貯湯槽21内に蓄えられた熱量を表している。
0029
貯湯槽21には、給湯管26が接続されている。給湯管26には、上流から順番に補助加熱装置であるガス湯沸かし器(図示省略)、温度センサ26aおよび流量センサ26bが配設されている。ガス湯沸かし器は、給湯管26を通過する貯湯槽21からの湯水を加熱して給湯するようになっている。温度センサ26aはガス湯沸かし器を通過した後の湯水の温度を検出するものであり、その検出信号は貯湯槽制御装置22に送信されるようになっている。すなわち、温度センサ26aで検出した湯水の温度が設定された給湯温度となるように、ガス湯沸かし器で加熱している。また、流量センサ26bは、貯湯槽21から供給されている単位時間あたりの湯水消費量(給湯量)を検出するものである。流量センサ26bの検出信号は貯湯槽制御装置22に送信されるようになっている。また、図示していないが、給湯管26には貯湯槽21の導出口と温度センサ26aとの間に水道水が合流するようになっている。これにより、貯湯槽21からの湯水を降温している。
0030
給湯管26には、貯湯槽21に貯留している湯水を給湯として利用する湯水使用場所A2に設置されている複数の湯利用機器A2aが接続されている。この湯利用機器としては、浴槽、シャワ、キッチン(キッチンの蛇口)、洗面所(洗面所の蛇口)などがある。また、給湯管26には、貯湯槽21の湯水を熱源として利用する湯水使用場所A2に設置されている熱利用機器A2bが接続されている。この熱利用機器としては、浴室暖房、床暖房、浴槽の湯の追い炊き機構などがある。
0031
貯湯槽制御装置22は、貯湯槽21の残湯量を少なくとも制御するものである。この貯湯槽制御装置22は、第一発電装置11に付随して稼働する貯湯槽21(付随装置)を制御し、系統電源30および他発電ユニット16(第二発電装置)からの電力が供給可能であり、発電装置制御装置19と互いに通信可能に接続されている付随装置制御装置である。貯湯槽制御装置22は、温度センサ群21aの検出結果に基づいて、図示しないポンプを作動させて湯水を循環させ加熱することにより貯湯槽21の残湯量の制御をする。また、貯湯槽制御装置22は、温度センサ26aおよび流量センサ26bなどの検出結果に基づいて図示しないガス湯沸かし器などを作動させ、給湯温度の制御をする。
0032
貯湯槽制御装置22は、電源基板23から電力供給を受けて作動している。電源基板23は、系統電源30からの交流電力が配電盤32で分配されて電線33を介して供給されている。電線33上には、電源切替器34が配設されている。電源切替器34は、電線36を介して他発電ユニット16に接続されている。電源切替器34は、ユーザの切替操作によって切り替えられる手動式の切替装置で構成してもよい。また、電源切替器34は、発電装置制御装置19から指令を受けて、電源基板23に対する、配電盤32からの電力供給または他発電ユニット16からの電力供給を切り替えるように構成してもよい。なお、電源切替器34は、制御装置16bから指令を受けて切り替えるように構成してもよい。電源基板23は、供給された交流電力を所定の直流電力に変換して貯湯槽制御装置22へ供給している。
0033
さらに、貯湯ユニット20は、貯湯槽制御リモコン27を備えている。貯湯槽制御リモコン27は、貯湯槽制御装置22と互いに通信可能に接続されて、貯湯槽21の貯湯状況を少なくとも表示して貯湯槽21の遠隔操作を行うリモコンである。このリモコン27には、貯湯槽21内の湯水の残湯量、給湯温度および湯水消費量などの貯湯槽21の貯湯状況が表示される。また、このリモコン27には、発電機11aの発電する電力や使用電力量などの発電ユニット10の運転状況が表示できるようになっている。
0034
次に、上述した分散型電源システムの系統電源30から送電がある場合の基本的動作の一例について説明する。発電装置制御装置19は、図示しないスタートスイッチが押されて運転が開始される場合、または計画運転にしたがって運転が開始される場合には、起動運転を開始する。ここで、系統電源30から電力の供給がある場合は、開閉器14cは閉路となるように発電装置制御装置19によって制御されている。このように、系統電源30からの電力供給が正常である場合、すなわち発電機11aが系統電源30と系統連系されている場合、発電機11aが発電を行うことを系統連系発電という。
0035
起動運転が開始されるときは、発電装置制御装置19は、図示しないモータ駆動のポンプなどの補機10bを作動させ、発電機11aの蒸発部11a2に燃料および改質水の供給を開始する。上述したように、蒸発部11a2では混合ガスが生成されて、混合ガスは改質部11a3に供給される。改質部11a3では、供給された混合ガスから改質ガスが生成されて、改質ガスが燃料電池11a1に供給される。改質部11a3が所定温度以上となれば、起動運転は終了し、定常運転(発電運転)が開始される。
0036
発電運転中では、発電装置制御装置19は、発電機11aの発電する電力が、センサ11b1からの検出信号に基づいて算出される負荷装置15の電力となるように補機10bを制御して、改質ガスおよびカソードエアを発電機11aに供給する。上述したように、発電機11aの発電する電力より負荷装置15の電力が上回った場合、その不足電力を系統電源30から受電して補うようになっている。
0037
このような発電運転中に、図示しないストップスイッチが押されて発電運転が停止される場合、または運転計画にしたがって運転が停止される場合には、発電装置制御装置19は、分散型電源システムの停止運転(停止処理)を実施する。
0038
発電装置制御装置19は、燃料および水の蒸発部11a2への供給を停止し、改質ガスおよび空気の燃料電池11a1への供給を停止する。このとき、発電機11aが残燃料によって発電している場合には、その出力電力は補機10bなどへ供給されて消費される。残燃料による発電機11aの発電が終了すれば、停止運転は終了する。
0039
このような停止運転が終了すると、分散型電源システムは待機状態(待機時)となる。待機時は、分散型電源システムの発電停止状態(すなわち、起動運転、発電運転、停止運転のいずれの運転中でない状態である。)のことであり、発電指示(スタートスイッチのオンなど)を待っている状態のことである。すなわち、停止運転状態終了時点の状態が維持される。
0040
次に、系統電源30が停電した場合の分散型電源システムの動作の一例について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
発電装置制御装置19は、ステップS102において、他発電ユニット16の第二発電装置16aから電力が供給されているか否かを判定する。例えば、発電装置制御装置19は、他発電ユニット16の制御装置16bからの通信情報から判定することができる。また、切替装置34は、他発電ユニット16と電源基板23とが接続されるように切り替えたことを検出する検出装置を設け、その検出結果が発電装置制御装置19に出力するようにしてもよい。発電装置制御装置19は、前記検出結果から、他発電ユニット16の第二発電装置16aから電力が供給されているか否かを判定する。
0041
発電装置制御装置19が、他発電ユニット16の第二発電装置16aから電力が供給されていると判定した場合には(ステップS102で「YES」と判定)、プログラムをステップS104に進める。一方、発電装置制御装置19が、他発電ユニット16の第二発電装置16aから電力が供給されていないと判定した場合には(ステップS102で「NO」と判定)、プログラムをステップS102の処理に戻す。
0042
発電装置制御装置19は、ステップS104において、センサ11b1から入力された検出信号に基づき、ブレーカ14d後に系統電源30から給電されているか否かを判定する(第一給電判定部)。具体的には、発電装置制御装置19は、センサ11b1によって検出された系統電源30からの電圧(ブレーカ14dよりも電力変換装置11b側の電圧)が、所定電圧以上(例えば、定格の1/10以上)であるか否かによって判定する。発電装置制御装置19は、系統電源30からの電圧が所定電圧以上であると判定した場合には、ブレーカ14d後に系統電源30から給電されていると判定する。
0043
発電装置制御装置19が、ブレーカ14d後に系統電源30から給電されていないと判定した場合には(ステップS104で「NO」と判定)、プログラムをステップS106に進める。一方、発電装置制御装置19が、系統電源30から給電されていると判定した場合には(ステップS104で「YES」と判定)、プログラムをステップS102の処理に戻す。
0044
発電装置制御装置19は、ステップS106において、電流センサ31aから入力された検出信号に基づき、配電盤32(または負荷装置15)に系統電源30から給電されているか否かを判定する(第二給電判定部)。具体的には、発電装置制御装置19は、電流センサ31aによって検出された系統電源30からの電流(系統電源30から負荷装置15までの電流)が、所定電流以上(例えば、定格の1/10以上)であるか否かによって判定する。発電装置制御装置19は、系統電源30からの電流が所定電流以上であると判定した場合には、ブレーカ14d後に系統電源30から給電されていると判定する。
0045
発電装置制御装置19が、配電盤32に系統電源30から給電されていないと判定した場合には(ステップS106で「NO」と判定)、プログラムをステップS108に進める。一方、発電装置制御装置19が、系統電源30から給電されていると判定した場合には(ステップS106で「YES」と判定)、プログラムをステップS116に進める。
0046
発電装置制御装置19は、ステップS108において、系統電源30が異常であると判定する。すなわち、発電装置制御装置19は、ステップS104(第一給電判定部)にて系統電源30から給電されていないと判定され、かつ、ステップS106(第二給電判定部)にて系統電源30から給電されていないと判定された場合に、系統電源30が異常であると判定する(異常判定部)。
0047
その後、発電装置制御装置19は、プログラムをステップS110に進める。発電装置制御装置19は、ステップS110において、開閉器14cを開いて電線14を開路し(遮断し)、発電ユニット10を系統電源30から切り離した(解列した)うえで、発電ユニット10の運転を継続させる単独運転を実行する。
0048
発電装置制御装置19は、ステップS112において、系統電源30の異常が解消したか否かを判定する。
具体的には、発電装置制御装置19は、上述したステップS104と同様に、発電装置制御装置19は、センサ11b1から入力された検出信号に基づき、系統電源30からの電圧が所定電圧以下であると判定した場合には、系統電源30から給電されていないと判定する。系統電源30が正常に回復し、系統電源30から電線14への電力の供給が回復した場合には、発電装置制御装置19は、系統電源30から給電されていると判定し、すなわち、系統電源30の異常が解消したと判定し(ステップS112で「YES」と判定)、プログラムをステップS114に進める。
0049
発電装置制御装置19は、ステップS114において、開閉器14cを閉路することで、発電ユニット10(第一発電装置11)を系統電源30に再連系する。その後、発電装置制御装置19はプログラムをステップS102に戻す。
0050
一方、発電装置制御装置19が、系統電源30が正常に回復していない場合には、系統電源30から給電されていないと判定し、すなわち、系統電源30の異常が解消していないと判定し(ステップS112で「NO」と判定)、ステップS112の処理を繰り返す。なお、ステップS112において、発電装置制御装置19が、電流センサ31aからの検出信号に基づき、系統電源30から給電されているか否かを判定することにより、系統電源30の異常が解消したか否かを判定することにしてもよい。
0051
また、発電装置制御装置19は、系統電源30から給電されていると判定した場合には(ステップS106で「YES」と判定)、プログラムをステップS116に進める。発電装置制御装置19は、ステップS116において、ブレーカ14dが作動したと判定する。すなわち、発電装置制御装置19は、ステップS104(第一給電判定部)にて系統電源30から給電されていないと判定され、かつ、ステップS106(第二給電判定部)にて系統電源30から給電されていると判定した場合に、ブレーカ14dが作動したと判定する(異常判定部)。
0052
その後、発電装置制御装置19は、プログラムをステップS118に進める。発電装置制御装置19は、ステップS110において、第一発電装置11(発電機11a)の発電運転を停止させて、図3に示すフローチャートを終了させる。具体的には、発電装置制御装置19は、補機10bに指令を出力し、燃料等の供給を停止させ、発電機11aを停止させる。
0053
本実施形態によれば、分散型電源システムは、電力を発生させる第一発電装置11と、電力を発生させる第二発電装置16aと、系統電源30の送電が正常である場合に、第一発電装置11、第二発電装置16aおよび系統電源30からの電力が供給可能である負荷装置15と、系統電源30と第一発電装置11との間に配設されたブレーカ14dと、ブレーカ14dと第一発電装置11との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出するセンサ11b1(第一検出装置)と、系統電源30と負荷装置15との間に配設されて、その配設された位置の電圧及び電流の少なくとも一方を検出する電流センサ31a(第二検出装置)と、第一発電装置11の制御を少なくとも行う発電装置制御装置19と、第一発電装置11に付随して稼働する貯湯ユニット20(付随装置)を制御し、系統電源30および第二発電装置16aからの電力が供給可能であり、発電装置制御装置19と互いに通信可能に接続されている貯湯槽制御装置22(付随装置制御装置)と、を備え、発電装置制御装置19は、センサ11b1からの検出信号に基づき、系統電源30から給電されているか否かを判定する第一給電判定部(ステップS104)と、電流センサ31aからの検出信号に基づき、系統電源30から給電されているか否かを判定する第二給電判定部(ステップS106)と、第二発電装置16aのみから貯湯槽制御装置22に電力が供給されているときに、第一給電判定部および第二給電判定部が系統電源30から給電されていないと判定した場合に、系統電源30が異常であると判定し、一方、第一給電判定部が系統電源30から給電されていないと判定し、かつ、第二給電判定部が系統電源30から給電されていると判定した場合に、ブレーカ14dが作動したと判定する異常判定部(ステップS108,116)と、を備えている。
0054
これによれば、第一発電装置11とは別の発電装置である第二発電装置16a(例えば、太陽光発電装置)が並設され、系統電源30が異常(例えば停電)であるときに、第二発電装置16aのみから貯湯槽制御装置22に電力が供給される場合があっても、発電装置制御装置19(異常判定部;ステップS108,116)は、ステップS104(第一給電判定部)およびステップS106(第二給電判定部)にて系統電源30から給電されていないと判定した場合に、系統電源30が異常であると判定する(ステップS108)。一方、発電装置制御装置19(異常判定部;ステップS108,116)は、ステップS104(第一給電判定部)にて系統電源30から給電されていないと判定し、かつ、ステップS106(第二給電判定部)にて系統電源30から給電されていると判定した場合に、ブレーカ14dが作動したと判定する(ステップS116)。よって、系統電源30の異常とブレーカ14dの作動のいずれかをより確実に判別することができる。
0055
また、付随装置は、第一発電装置11の排熱を回収した貯湯水を貯湯する貯湯槽を有する貯湯ユニットである。
これによれば、第一発電装置11に貯湯槽21を有する貯湯ユニット20を備えたコジェネレーションシステムに、余分な機械的部品を追加すること無く、系統電源30の異常とブレーカ14dの作動のいずれかをより確実に判別することができる。
0056
また、第一発電装置11は、燃料と酸化剤ガスとにより発電する燃料電池11a1を含んで構成されている。
これによれば、第一発電装置11が燃料電池11a1により構成されている場合にも、系統電源30の異常とブレーカ14dの作動のいずれかをより確実に判別することができる。
0057
なお、上述した実施形態における燃料電池11a1は固体酸化物燃料電池であったが、本発明を高分子電解質形燃料電池に適用するようにしても良い。
また、上述した実施形態においては、発電機11aは、天然ガス、LPG、灯油、ガソリン、メタノール等の燃料を用いて発電する燃料電池発電機の代わりに、エンジン発電機等が含まれる。
0058
また、上述した実施形態では、第一発電装置11に付随して稼働する付随装置の一例として、貯湯ユニット20を挙げて本発明の分散型電源システムを説明した。しかし、付随装置は貯湯ユニット20に限定されず、系統電源30から供給される電力で作動する付随装置制御装置を有し、当該付随装置制御装置が発電装置制御装置19と通信するような付随装置であればよく、このような付随装置を有する分散型電源システムであれば、本発明の技術的思想は適用可能である。
0059
10…発電ユニット、11…第一発電装置、11a…発電機、11a1…燃料電池、11b…電力変換装置、11b1…センサ(第一検出装置)、14…電線、14c…開閉器、15…負荷装置、19…発電装置制御装置(第一給電判定部、第二給電判定部、異常判定部)、20…貯湯ユニット、21…貯湯槽、22…貯湯槽制御装置(付随装置制御装置)、24…湯水循環回路、25…熱交換器、25a…流路、27…貯湯槽制御リモコン、30…系統電源、31…電源ライン、31a…電流センサ(第二検出装置)。