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技術 電子注入材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子

出願人 国立大学法人山形大学
発明者 城戸淳二笹部久宏各務彰
出願日 2014年3月25日 (6年7ヶ月経過) 出願番号 2014-061370
公開日 2015年10月22日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-185710
状態 特許登録済
技術分野 エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 直列式 緑色蛍光発光 複数段積層 インターレイヤー 緑色蛍光発光材料 誘導体溶液 リチウムキノラート ナノパーティクル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年10月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

高い電子注入特性を有しており、有機EL素子低電圧化を図るために有用な電子注入材料及びそれを用いた有機EL素子を提供する。

解決手段

有機EL素子に、一般式R−CO2Na …(1) で表される含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体からなる電子注入材料を用いる。(式(1)中、Rは窒素を少なくとも1つ含む単環又は縮合環芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基はアルキル基又は芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。)

概要

背景

有機ELは、一部の製品で実用化が開始されているが、大型ディスプレイ照明分野への応用には、素子のさらなる低電圧化が重要課題の1つである。有機ELは、金属/有機層、有機層/有機層の界面を多く有する多積層型デバイスであり、中でも、陰極から電子輸送層界面における大きな注入障壁が、高電圧化及び電力効率の低下を招く大きな要因となっている。

これに対する改善策としては、金属/有機層間に極薄膜のアルカリ金属化合物の挿入や、電子輸送層にアルカリ金属をドープする化学ドーピング等が提案されている。また、従来、陰極/有機層界面にフッ化リチウムリチウムキノラートからなる電子注入層を挿入することが一般的に行われている(例えば、非特許文献1参照)。

素子のさらなる低電圧化のために、汎用材料であるフッ化リチウムやリチウムキノラートの特性を上回る電子注入材料が求められているが、蒸着型素子及び塗布型素子のいずれにおいても、このような電子注入材料は極めて少ない。

例えば、安息香酸ナトリウム(C6H5COONa)やステアリン酸ナトリウム(C17H35COONa)等のカルボン酸ナトリウムは、電子注入材料として一般的に使用されているフッ化リチウムに比べて電子注入特性が高いことが知られている(非特許文献2,3参照)。

概要

高い電子注入特性を有しており、有機EL素子の低電圧化をるために有用な電子注入材料及びそれを用いた有機EL素子を提供する。有機EL素子に、一般式R−CO2Na …(1) で表される含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体からなる電子注入材料を用いる。(式(1)中、Rは窒素を少なくとも1つ含む単環又は縮合環芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基はアルキル基又は芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。)なし

目的

本発明は、高い電子注入特性を有しており、有機EL素子の低電圧化を図るために有用な電子注入材料及びそれを用いた有機EL素子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

一般式R−CO2Na…(1)で表される含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体からなることを特徴とする電子注入材料。(式(1)中、Rは窒素を少なくとも1つ含む単環又は縮合環芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基はアルキル基又は芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。)

請求項2

請求項1記載の電子注入材料が用いられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子

技術分野

背景技術

0002

有機ELは、一部の製品で実用化が開始されているが、大型ディスプレイ照明分野への応用には、素子のさらなる低電圧化が重要課題の1つである。有機ELは、金属/有機層、有機層/有機層の界面を多く有する多積層型デバイスであり、中でも、陰極から電子輸送層界面における大きな注入障壁が、高電圧化及び電力効率の低下を招く大きな要因となっている。

0003

これに対する改善策としては、金属/有機層間に極薄膜のアルカリ金属化合物の挿入や、電子輸送層にアルカリ金属をドープする化学ドーピング等が提案されている。また、従来、陰極/有機層界面にフッ化リチウムリチウムキノラートからなる電子注入層を挿入することが一般的に行われている(例えば、非特許文献1参照)。

0004

素子のさらなる低電圧化のために、汎用材料であるフッ化リチウムやリチウムキノラートの特性を上回る電子注入材料が求められているが、蒸着型素子及び塗布型素子のいずれにおいても、このような電子注入材料は極めて少ない。

0005

例えば、安息香酸ナトリウム(C6H5COONa)やステアリン酸ナトリウム(C17H35COONa)等のカルボン酸ナトリウムは、電子注入材料として一般的に使用されているフッ化リチウムに比べて電子注入特性が高いことが知られている(非特許文献2,3参照)。

先行技術

0006

J.Endo, T.Matsumoto, J.Kido, Jpn. J. Appl. Phys., 41, 2002, p.L800-L803
Y.Q.Zhan, etal., Appl. Phys. Lett., 83, 2003, p.1656
H.Siemund, F.Brocker, H.Gobel, Org. Electro., 14, 2013, p.335-343

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、カルボン酸ナトリウムの誘導体については、その電子注入特性についての検討はなされていない。

0008

一方で、近年、製造効率コスト等の観点から、塗布型有機EL素子が注目されており、このような素子に適用可能であり、かつ、高い電子注入特性を有する電子注入材料が求められている。

0009

そこで、本発明者らは、カルボン酸ナトリウム誘導体に着目して検討したところ、高い電子注入特性を有する電子注入材料を見出した。

0010

すなわち、本発明は、高い電子注入特性を有しており、有機EL素子の低電圧化を図るために有用な電子注入材料及びそれを用いた有機EL素子を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0011

本発明に係る電子注入材料は、一般式R−CO2Na …(1) で表される含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体からなることを特徴とする。
前記式(1)において、Rは窒素を少なくとも1つ含む単環又は縮合環芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基はアルキル基又は芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
このような含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体は、高い電子注入特性を有しており、かつ、溶解性に優れ、塗布型有機EL素子にも好適に適用することができる。

0012

また、本発明によれば、前記電子注入材料が用いられていることを特徴とする有機EL素子が提供される。
このような有機EL素子は、蒸着プロセス及び塗布プロセスのいずれでも高い電子注入特性が得られ、低電圧化が図られる。

発明の効果

0013

本発明に係る電子注入材料は、高い電子注入特性を有しており、かつ、溶解性に優れ、蒸着型及び塗布型のいずれの有機EL素子にも好適に適用することができる。
したがって、前記電子注入材料を用いることにより、有機EL素子を効果的に低電圧化させることができる。

図面の簡単な説明

0014

本発明に係る有機EL素子の層構造の一例を模式的に示した概略断面図である。
実施例において電子注入層を溶液濃度1mg/mlで成膜した有機EL素子の電流密度電圧特性を示したグラフである。
実施例において電子注入層を溶液濃度3mg/mlで成膜した有機EL素子の電流密度−電圧特性を示したグラフである。

0015

以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係る電子注入材料は、一般式R−CO2Na …(1) で表される含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体からなるものである。
前記式(1)において、Rは窒素を少なくとも1つ含む単環又は縮合環の芳香族炭化水素基であり、該芳香族炭化水素基はアルキル基又は芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。

0016

前記式(1)で表される化合物は、より詳細には、下記一般式(2)により表すことができる。

0017

0018

前記式(2)において、破線部分は、前記式(1)におけるRが縮合環である場合を示すものである。前記芳香族炭化水素基の単環又は縮合環に含まれる窒素は、環のいずれの位置でもよい。また、R1〜R6は、水素、アルキル基又は芳香族炭化水素基のうちのいずれかである。

0019

上記のような含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体は、高い電子注入特性を有しており、かつ、溶解性に優れている。また、繰り返し構造を有し、高分子量であるポリマーと異なり、真空蒸着可能な低分子であるため、蒸着型及び塗布型のいずれの有機EL素子にも好適に適用することができる電子注入材料である。

0020

前記一般式(1)で表される含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体のうち、代表例としては、下記に示すような2−キノリンカルボン酸ナトリウム(1)、ピリジン−2−カルボン酸ナトリウム(2)、ピリジン−3−カルボン酸ナトリウム(3)、ピリジン−4−カルボン酸ナトリウム(4)が挙げられる。

0021

0022

上記のような含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体が用いられている本発明に係る有機EL素子は、一対の電極間に少なくとも1層の有機層が積層された構造からなる。具体的な層構造としては、例えば、陽極発光層/陰極、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、あるいはまた、図1に示すような、基板1/陽極2/ホール輸送層3//インターレイヤー4/発光層5/電子注入層6/陰極7等の構造が挙げられる。
さらに、ホール注入層ホール輸送発光層、電子輸送発光層等をも含む公知の積層構造であってもよい。
また、本発明に係る有機EL素子は、1つの発光層を含む発光ユニット電荷発生層を介して直列式複数段積層されてなるマルチフォトンエミッション構造の素子であってもよい。

0023

前記有機EL素子において、前記含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体は、電子注入材料として用いられ、これにより、蒸着プロセス及び塗布プロセスのいずれでも高い電子注入特性が得られ、低電圧化が図られる。

0024

なお、前記有機EL素子においては、本発明に係る電子注入材料以外の各層の構成材料は、特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができ、低分子系又は高分子系のいずれであってもよい。
前記各層の膜厚は、各層同士の適応性や求められる全体の層厚さ等を考慮して、適宜状況に応じて定められるが、通常、5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。

0025

上記各層の形成方法は、蒸着法、スパッタリング法等などのドライプロセスでもよいが、本発明は、特に、塗布プロセスにより形成可能である点に利点を有しており、スピンコート法インクジェット法キャスティング法ディップコート法バーコート法ブレードコート法ロールコート法、グラビアコート法フレキソ印刷法スプレーコート法ナノパーティクル分散液を用いる方法等のウェットプロセスを好適に適用することができる。

0026

また、電極も、公知の材料及び構成でよく、特に限定されるものではない。例えば、ガラスやポリマーからなる透明基板上に透明導電性薄膜が形成されたものが用いられ、ガラス基板に陽極として酸化インジウム錫(ITO)電極が形成された、いわゆるITO基板が一般的である。一方、陰極は、Al等の仕事関数の小さい(4eV以下)金属や合金導電性化合物により構成される。

0027

以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。

0028

電子注入層に、上記(化2)に示した各含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体を用いて、図1に示すような層構造を有する有機EL素子を以下のような工程により作製した。
まず、ガラス基板1上にITOが成膜された陽極2上に、PEDOT:PSSスピンコート(6500rpm、30秒間)により成膜し、200℃で10分間熱処理し、ホール輸送層3を形成した。
その上に、インターレイヤー4としてIL(住友化学株式会社製ポリマー)のp−キシレン溶液(7mg/ml)をスピンコート(5000rpm、10秒間)により成膜し、180℃で1時間熱処理し、その上に、緑色蛍光発光材料であるF8BT2−エトキシエタノール溶液(1mg/ml又は3mg/ml)をスピンコート(2500rpm、30秒間)により成膜し、130℃で10分間熱処理し、極薄膜又は厚膜の発光層5を形成した。
その上に、各含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体のp−キシレン溶液(12mg/ml)をスピンコート(2000rpm、30秒間)により成膜し、電子注入層(EIL)6を形成した。
その上に、Alを膜厚100nmで真空蒸着により成膜し、陰極7を形成した。

0029

具体的な素子の層構成は、ITO/PEDOT:PSS(30nm)/IL(20nm)/F8BT(80nm)/EIL/Al(100nm)である。
なお、前記素子に用いたF8BTの化学式を下記に示す。

0030

0031

比較のため、電子注入層として、汎用材料であるリチウムキノラート、又は、安息香酸ナトリウムを用い、それ以外については、上記と同様の層構成とした素子も作製した。

0032

上記において作製した各素子は、いずれも、良好な緑色蛍光発光が認められた。
また、各素子について、発光輝度100cd/m2、1000cd/m2のときの駆動電圧、電力効率及び外部量子効率の測定を行った。
これらの測定結果を表1,2にまとめて示す。表1には、EILを溶液濃度1mg/mlで塗布(スピンコート)成膜し、薄膜として形成した場合、表2には、溶液濃度3mg/mlで塗布(スピンコート)成膜し、厚膜として形成した場合について示す。
なお、表1,2においては、2−キノリンカルボン酸ナトリウムを「キノリン」、ピリジン−2−カルボン酸ナトリウムを「ピリジン−2」、ピリジン−3−カルボン酸ナトリウムを「ピリジン−3」、ピリジン−4−カルボン酸ナトリウムを「ピリジン−4」、リチウムキノラートを「Liq」、安息香酸ナトリウムを「安息香酸」と略称する。

0033

0034

0035

また、図2に、濃度1mg/mlの各含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体溶液を用いて電子注入層を成膜した場合の電流密度−電圧特性のグラフを示す。なお、比較のため、電子注入層を設けない素子についても併せて示す。
また、図3に、濃度3mg/mlの各芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体溶液を用いて電子注入層を成膜した場合の電流密度−電圧特性のグラフを示す。なお、比較のため、電子注入層にLiq(溶液濃度1mg/ml)を用いた素子についても併せて示す。

実施例

0036

図2に示した結果から分かるように、濃度1mg/mlの含窒素芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体溶液を用いて電子注入層を成膜した場合、電子注入特性が向上することが認められた。また、芳香族環がより電子輸送性の高い2−キノリンカルボン酸ナトリウムの場合、より低電圧化を示した。
また、図3に示した結果から分かるように、2−キノリンカルボン酸ナトリウムは汎用材料であるLiqと同等の電子注入特性を示すことが認められた。
また、表1,2に示した結果から分かるように、電子注入層に芳香族カルボン酸ナトリウム誘導体を用いた場合、Liqと同等以上の外部量子効率を示すことが認められた。

0037

1基板
2陽極
3ホール輸送層
4インターレイヤー
5発光層
6電子注入層
7 陰極

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