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技術 鉛蓄電池の製造方法

出願人 日立化成株式会社
発明者 戸塚正寿木暮耕二
出願日 2014年3月26日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2014-063349
公開日 2015年10月22日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2015-185497
状態 特許登録済
技術分野 電池の電極及び活物質
主要キーワード 水槽温度 大量生産品 展開加工 化成反応 所定比 循環水流 環境意識 海綿状鉛
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年10月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

鉛蓄電池電槽化成において、そのプロセスを見直し、充電受け入れ性能を向上させる。

解決手段

化成正極活物質を含む正極板と、未化成の負極活物質を含む負極板を備えた鉛蓄電池に希硫酸注液し、直流電流通電する電槽化成において、前記正極活物質に対する課電量が40〜80%の間にある第1段階と、同課電量が125〜165%の間にある第2段階のそれぞれの段階に通電を停止する時間帯を設定する。前記通電を停止する時間は、それぞれ0.5〜1.5時間である。

概要

背景

鉛蓄電池は、その信頼性、価格の安さ等から広く一般に用いられており、特に自動車用鉛蓄電池、いわゆるバッテリー需要は大きい。

鉛蓄電池(以下電池と称す)の外観を図1に示す。電池は、電槽1と蓋2を熱溶着し、前記蓋2の上面に端子3が二本(正極用、負極用)突設されている。電槽1は中空で、隔壁により6区画セル)に分けられている。このセルそれぞれに、正極板セパレータ、負極板を交互に積層し同極集電部同士を溶接して構成された極板群収納されている。蓋2の上面には、前記区画それぞれに対応して注液口4が設けられている。

電池を使用できる状態、すなわち充電放電ができる状態にするためには、電槽化成(container formation)が必要である。これは、図1の注液口4から所定比重の希硫酸を所定量注液し、前記端子3に電線を接続して直流電流通電するプロセスである。これは、未化成の正極板及び負極板を希硫酸中で電解し、酸化還元によって、正極板の未化成活物質二酸化鉛に、負極板の未化成活物質を海綿状鉛に変化させるものである。電槽化成は、電池の充電性能放電性能を決定する活物質を生成する重要なプロセスである。

自動車用鉛蓄電池は大量生産品なので、生産効率向上が求められる。電槽化成はできるだけ短時間で終了することが要求される。そのため大電流を通電して電槽化成をするのが一般的であるが、電池が反応熱により発熱してしまう。すると、所望の活物質を生成できず、結果として電池性能の低下を招いていた。

上記対策として特許文献1には、電槽化成の通電を、短時間の間隔でON−OFFを繰り返すことにより電池の発熱を抑制し、電池の初期容量の向上を図る発明が提案されている。

概要

鉛蓄電池の電槽化成において、そのプロセスを見直し、充電受け入れ性能を向上させる。未化成の正極活物質を含む正極板と、未化成の負極活物質を含む負極板を備えた鉛蓄電池に希硫酸を注液し、直流電流を通電する電槽化成において、前記正極活物質に対する課電量が40〜80%の間にある第1段階と、同課電量が125〜165%の間にある第2段階のそれぞれの段階に通電を停止する時間帯を設定する。前記通電を停止する時間は、それぞれ0.5〜1.5時間である。 なし

目的

本発明は、電槽化成プロセスを見直し、充電受け入れ性能を向上させた鉛蓄電池の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

化成正極活物質を含む正極板と、未化成の負極活物質を含む負極板を備えた鉛蓄電池希硫酸注液し、直流電流通電する電槽化成において、前記正極活物質に対する課電量が40〜80%の間にある第1段階と、同課電量が125〜165%の間にある第2段階のそれぞれの段階に通電を停止する時間帯を設定し、前記通電を停止する時間は、それぞれ0.5〜1.5時間であることを特徴とする鉛蓄電池の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鉛蓄電池の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

鉛蓄電池は、その信頼性、価格の安さ等から広く一般に用いられており、特に自動車用鉛蓄電池、いわゆるバッテリー需要は大きい。

0003

鉛蓄電池(以下電池と称す)の外観図1に示す。電池は、電槽1と蓋2を熱溶着し、前記蓋2の上面に端子3が二本(正極用、負極用)突設されている。電槽1は中空で、隔壁により6区画セル)に分けられている。このセルそれぞれに、正極板セパレータ、負極板を交互に積層し同極集電部同士を溶接して構成された極板群収納されている。蓋2の上面には、前記区画それぞれに対応して注液口4が設けられている。

0004

電池を使用できる状態、すなわち充電放電ができる状態にするためには、電槽化成(container formation)が必要である。これは、図1の注液口4から所定比重の希硫酸を所定量注液し、前記端子3に電線を接続して直流電流通電するプロセスである。これは、未化成の正極板及び負極板を希硫酸中で電解し、酸化還元によって、正極板の未化成活物質二酸化鉛に、負極板の未化成活物質を海綿状鉛に変化させるものである。電槽化成は、電池の充電性能放電性能を決定する活物質を生成する重要なプロセスである。

0005

自動車用鉛蓄電池は大量生産品なので、生産効率向上が求められる。電槽化成はできるだけ短時間で終了することが要求される。そのため大電流を通電して電槽化成をするのが一般的であるが、電池が反応熱により発熱してしまう。すると、所望の活物質を生成できず、結果として電池性能の低下を招いていた。

0006

上記対策として特許文献1には、電槽化成の通電を、短時間の間隔でON−OFFを繰り返すことにより電池の発熱を抑制し、電池の初期容量の向上を図る発明が提案されている。

先行技術

0007

特開平5−121069号公報

発明が解決しようとする課題

0008

近年、環境意識の高まりから、アイドリングストップスタート(以下、ISSと称す)システムを導入した自動車が実用化されている。ISSシステムを導入した自動車は、走行一時停止中にエンジンを停止する。そのため、エンジンの一時停止中にはエアコンなどの電装品を電池で駆動させなければならない。また、信号待ちエンジン停止し、その後のエンジン始動を繰り返すため、電池は従来自動車より多頻度でエンジンを始動しなければならない。すると、電池はエンジンによる充電量より放電量が増えるため、充電不足状態になり、これに起因して短寿命になる。従って、ISS用電池には充電性能、特に充電受け入れ性能が求められる。

0009

特許文献1の発明では初期容量の増加、すなわち放電性能が向上するものの、充電性能の向上は認められなかった。

0010

本発明は、電槽化成プロセスを見直し、充電受け入れ性能を向上させた鉛蓄電池の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

そこで本発明は、上記課題を解決するために以下の構成とする。
未化成の正極活物質を含む正極板と、未化成の負極活物質を含む負極板を備えた鉛蓄電池に希硫酸を注液し、直流電流を通電する電槽化成において、前記正極活物質に対する課電量が40〜80%の間にある第1段階と、同課電量が125〜165%の間にある第2段階のそれぞれの段階に通電を停止する時間帯を設定する。前記通電を停止する時間は、それぞれ0.5〜1.5時間であることを特徴とする。

0012

従来、電池温度の上昇により、化成後の正極活物質(二酸化鉛)の比表面積BET法による)が低下することによって、充電受け入れ性能が低下していた。上記のように、電槽化成中の所定の段階で所定時間通電を停止することで、電池の温度上昇を抑制することができる。その結果、化成後の正極活物質(二酸化鉛)の比表面積の低下が抑制され、充電受け入れ性能の低下が抑制できる。

発明の効果

0013

以上のように、本発明によれば、充電受け入れ性能を向上させた鉛蓄電池の製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0014

鉛蓄電池の外観を示す斜視図である。

0015

以下、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。

0016

(極板の作製)
まず、所定の合金組成になるように鉛中に所定量のカルシウム、スズを溶解する。前記鉛合金金型鋳造することでスラブを作製する。前記スラブを連続的に圧延加工して、圧延鉛合金シートを作製する。
次に、圧延鉛合金シートの幅方向中央部を除く左右両領域に圧延鉛合金シート長手方向のスリット千鳥状に順次入れ、圧延鉛合金シートの幅方向に展開加工エキスパンド加工)して網目状の格子を形成する。これを所定寸法に裁断すると共に、圧延鉛合金シートの幅方向中央部の非展開部を打ち抜きエキスパンド格子体を得る。
次に、酸化鉛を主成分とする鉛粉に水と希硫酸を加えて混練して、正極用ペースト状活物質を作製する。このペースト状活物質をエキスパンド格子体に充填し、熟成、乾燥を経て正極板を作製する。このときの活物質を未化成の正極活物質という。
同様に、酸化鉛を主成分とする鉛粉に、添加剤リグニン硫酸バリウム炭素材料)を加えて混合し、続いて水と希硫酸を加えて混練して、負極用ペースト状活物質を作製する。このペースト状活物質をエキスパンド格子体の網目状部に充填し、熟成、乾燥を経て、負極板を作製する。このときの活物質を未化成の負極活物質という。

0017

袋状セパレータの作製)
ポリエチレン製の多孔質シート体を所定の寸法に切断し、二つ折りにする。続いて、両側縁を熱溶着、又はメカニカルシール接合して袋状セパレータを作製する。

0018

(電池の組み立て)
前記袋状セパレータに負極板を挿入する。この袋状セパレータに収容した負極板を正極板と交互に組み合わせて、正極板6枚/負極板7枚構成の極板群を作製する。続いて、正極板、負極板それぞれの集電部をキャストオンストラップ(COS)方式で溶接し極板群とする。この極板群6個を図1に示すポリプロピレン製の電槽1に収め、蓋2を電槽1にかぶせて熱溶着する。

0019

(電槽化成)
前記電池を空の水槽中に入れ、電池高さの8割程度まで水で浸すようにする。水槽内にはヒータを設置し、冬季のような水温の低い状態でも温度管理できるようにする。さらに水槽内には水流ポンプを置いて循環水流を作り、水槽内の温度を均一化する。水槽温度は、化成反応に好適な38〜42℃で管理する。
前記蓋2に設けた注液口4から希硫酸を注液する。注液する希硫酸の比重は1.230(20℃換算、以下同じ)、注液量630ml/セルである。注液する希硫酸の温度は特に限定されるものではないが、水槽温度近くであることが好ましい。注液すると、希硫酸は多孔質の未化成活物質中に浸透し、同時に希硫酸と未化成活物質が反応し発熱する。
注液後の電池は、通電を開始するまでに0.5〜1時間程度静置する。これは希硫酸が未化成活物質中に浸透するまでにある程度時間を要するためである。なお、1時間を大きく超えて静置するような場合、希硫酸と未化成活物質の反応が過度に進行して、酸化/還元されにくい未化成活物質が形成されるので好ましくない。
静置後の電池の端子3に図示しない電線を接続し、直流電流を所定時間通電して電槽化成する。以下に詳述するように、課電量が所定値に達する第1段階とその後の第2段階のそれぞれに、所定時間通電しない時間帯を設ける。電槽化成後電解液比重を1.280に調整し、JISD5301規定の75D23形電池を作製する。

0020

(課電量)
本発明で定義する課電量とは、正極活物質の理論電気容量(Ah)に対する電槽化成中の充電電気量通電電流A×通電時間h=Ah)の比率であり、百分率表記し単位は%である。通常、未化成負極活物質より未化成正極活物質のほうが電解しにいため、正極活物質の理論電気容量に対する充電電気量の割合を採用する。

0021

理論電気容量は、極板群中の未化成正極活物質量(g)に、単位理論容量4.463(Ah/g)を乗じて求める。

0022

評価試験
ISS用電池の充電受け入れ性評価の手順を以下に示す。満充電状態、すなわちSOC(State of Charge)100%の電池を雰囲気温度25℃中に置き、電池温度が安定した後5時間率電流で放電し、SOC90%の状態にする。続いて、電圧14.0V、制限電流100Aで定電圧充電し、充電開始後秒目までの充電電気量で充電受け入れ性を評価する。

0023

以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。

0024

(実施例1)
注液後の電池を1時間静置後に、直流電流(電流値23A)を通電する。第1段階として課電量40%に達した時点(通電開始2.5時間後)で通電を0.5時間停止する。前記停止後に通電を再開し、第2段階として課電量125%に達した時点(通電開始8時間後)で通電を0.5時間停止する。前記停止後に通電を再開し、課電量250%に達した時点で通電を終了する。このとき、通電時間は通算16時間、通電停止時間は通算1時間である。前記電槽化成後に電解液比重を1.280に調整した。

0025

(実施例2〜9)
実施例1において第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を各々表1に設定したとおりとして電池を作製した。

0026

(実施例10〜17)
実施例1において、第1段階として課電量60%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表1に設定したとおりとして電池を作製した。

0027

(実施例18〜26)
実施例1において、第1段階として課電量80%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表1に設定したとおりとして電池を作製した。

0028

(実施例27〜35)
実施例1において、第1段階として課電量60%、第2段階として課電量145%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表1に設定したとおりとして電池を作製した。

0029

(実施例36〜44)
実施例1において、第1段階として課電量60、第2段階として課電量145%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表2に設定したとおりとして電池を作製した。

0030

(実施例45〜53)
実施例1において、第1段階として課電量80%、第2段階として課電量145%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表2に設定したとおりとして電池を作製した。

0031

(実施例54〜62)
実施例1において、第2段階として課電量165%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表2に設定したとおりとして電池を作製した。

0032

(実施例63〜71)
実施例1において、第1段階として課電量60%、第2段階として課電量165%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表2に設定したとおりとして電池を作製した。

0033

(実施例72〜80)
実施例1において、第1段階として課電量80%、第2段階として課電量165%とし、第1段階後の通電停止時間と第2段階後の通電停止時間を表3に設定したとおりとして電池を作製した。

0034

(比較例1)
注液後の電池を1時間静置後に、直流電流(電流値23A)を連続通電する。課電量250%に達した時点(16時間)で通電を終了する。前記電槽化成後に電解液比重を1.280に調整した電池を作製した。

0035

第1段階として課電量40%に達する前に通電を停止すると、希硫酸と未化成活物質の反応熱と通電による抵抗発熱が、未だ安定していない状態であるため好ましくない。また、第1段階として課電量80%を超えた後に通電を停止する又は第2段階として課電量125%に達する前に通電を停止すると、負極未化成活物質の還元反応中断させることになるため好ましくない。さらに、第2段階として課電量165%を超えた後に通電を停止しても、電池温度の抑制効果がほとんど認められないので好ましくない。

0036

第1段階と第2段階のそれぞれの後に通電を停止する時間が0.5時間未満であると、電池温度上昇の抑制効果が十分でないので好ましくない。また、第1段階と第2段階のそれぞれの後に通電を停止する時間が1.5時間を超えると、希硫酸と化成途中の未化成活物質が反応して、酸化/還元されにくい未化成活物質を形成させることになるので好ましくない。

0037

上記各電池を充電受け入れ性評価試験に供し、充電開始後5秒目までの充電電気量を測定した結果を表1から表3に示す。充電電気量は、比較例1を100とする相対評価とした。

0038

0039

0040

0041

表1から表3の結果から、本実施例はいずれも充電電気量が100を超え、充電受け入れ性能が向上した。特に、実施例40の充電電気量が高く、これは、電池の温度上昇を抑制しつつ、比表面積の高い活物質が得られたためである。

実施例

0042

以上のように本発明に係る鉛蓄電池の製造方法により、充電受け入れ性能に優れる電池を得ることができる。

0043

1.電槽、2.蓋、3.端子、4.注液口

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