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技術 フェールセイフ機構付き免震構造

出願人 清水建設株式会社
発明者 北村佳久
出願日 2014年3月26日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2014-063682
公開日 2015年10月22日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2015-183495
状態 特許登録済
技術分野 異常な外部の影響に耐えるための建築物 防振装置
主要キーワード 補剛体 周期側 衝撃緩衝材 緩和部材 層崩壊 テーパー構造 中高層建物 変位規制
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年10月22日)のものです。
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図面 (6)

課題

想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物倒壊崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムを備えたフェールセイフ機構付き免震構造を提供する。

解決手段

免震層に、建物の下部構造体に対する上部構造体の相対変位規制するフェールセイフ機構10を設ける。フェールセイフ機構10を、上部構造体に一体に設けられるとともに免震層内に配設された当接部11と、下部構造体に一体に設けられるとともに免震層内に突設され、予め設定した下部構造体に対する上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した際に当接部11が当たって当接部11及び下部構造体に対する上部構造体の相対変位を規制する変位規制本体部12と、当接部11と変位規制本体部12の間に設けられる緩衝部13とを備えて構成する。

概要

背景

例えば中高層建物巨大地震を受けると、建物の最弱層に損傷が生じて耐力が低下し始め、この層に地震エネルギー振動エネルギー)が集中して層崩壊が生じ、他の層は健全性が確保されているにもかかわらず、層崩壊モードによって建物が崩壊に至るという現象が発生する。また、崩壊に至らない場合においても、最弱層の被害が甚大となり、補修による復旧が困難になる。

これに対し、従来、オフィスビルなどの中・高層建物には、建物本体と基礎の間など、上部構造体と下部構造体の間の免震層積層ゴムなどの免震装置を介設し、地震時に、上部構造体の固有周期を例えば地震動卓越周期帯域から長周期側にずらし、応答加速度を小さくして揺れを抑えるように構築したものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

一方、東地方太平洋地震のような想定をはるかに上回る巨大地震が発生する可能性があり、このような巨大地震に対し、免震装置やオイルダンパーなどの制振装置の機能だけで建物の被害を抑えることができないことも十分に予想される。

例えば、免震構造は地震時の安全性が非常に高く、急速に普及しているが、地震動が大きくなるほどに免震層の変位、ひいては免震装置の変位が大きくなるため、建物を支持している積層ゴムなどの免震装置が破断座屈し、荷重を支持することができなくなると非常に危険な状態になる。また、座屈や破断に至るまでに建物外周部の擁壁衝突すると、積層ゴムに破断が生じなくても建物に大きな衝撃が作用し、この衝撃によって建物や擁壁が損傷してしまう。

このため、従来、擁壁にゴムなどの衝撃緩衝材を設けることにより、衝撃を緩和する対策、変位を抑える対策が提案、実用化されている。

概要

想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物を倒壊・崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムを備えたフェールセイフ機構付き免震構造を提供する。免震層に、建物の下部構造体に対する上部構造体の相対変位規制するフェールセイフ機構10を設ける。フェールセイフ機構10を、上部構造体に一体に設けられるとともに免震層内に配設された当接部11と、下部構造体に一体に設けられるとともに免震層内に突設され、予め設定した下部構造体に対する上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した際に当接部11が当たって当接部11及び下部構造体に対する上部構造体の相対変位を規制する変位規制本体部12と、当接部11と変位規制本体部12の間に設けられる緩衝部13とを備えて構成する。

目的

本発明は、上記事情に鑑み、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物を倒壊・崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムを備えたフェールセイフ機構付き免震構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

建物上部構造体と下部構造体の間の免震層免震装置を介設してなるフェールセイ機構付き免震構造において、前記免震層に、前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位規制するフェールセイフ機構を備え、前記フェールセイフ機構は、前記上部構造体に一体に設けられるとともに前記免震層内に配設された当接部と、前記下部構造体に一体に設けられるとともに前記免震層内に突設され、予め設定した前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した際に前記当接部が当たって該当接部及び前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位を規制する変位規制本体部と、前記当接部と前記変位規制本体部の間に設けられ、前記当接部と前記変位規制本体部が近づき予め設定した互いの間隔を下回るとともに前記当接部と前記変位規制本体部の間に挟まれて弾性変形外力を吸収する緩衝部とを備えて構成されていることを特徴とするフェールセイフ機構付き免震構造。

請求項2

請求項1記載のフェールセイフ機構付き免震構造において、前記当接部及び前記変位規制本体部は、予め設定した前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した際に互いに当たる面として、水平方向の互いに直交する方向を向く第1の面及び第2の面と、水平方向を向き、前記第1の面及び第2の面に交差する第3の面とを備えて形成されていることを特徴とするフェールセイフ機構付き免震構造。

請求項3

請求項1または請求項2に記載のフェールセイフ機構付き免震構造において、過大な変位が生じて前記免震装置による前記上部構造体の支持状態解除された際に前記免震装置に代わって前記上部構造体を前記変位規制本体部で支持するように、前記フェールセイフ機構が構成されていることを特徴とするフェールセイフ機構付き免震構造。

技術分野

0001

本発明は、フェールセイ機構付き免震構造に関する。

背景技術

0002

例えば中高層建物巨大地震を受けると、建物の最弱層に損傷が生じて耐力が低下し始め、この層に地震エネルギー振動エネルギー)が集中して層崩壊が生じ、他の層は健全性が確保されているにもかかわらず、層崩壊モードによって建物が崩壊に至るという現象が発生する。また、崩壊に至らない場合においても、最弱層の被害が甚大となり、補修による復旧が困難になる。

0003

これに対し、従来、オフィスビルなどの中・高層建物には、建物本体と基礎の間など、上部構造体と下部構造体の間の免震層積層ゴムなどの免震装置を介設し、地震時に、上部構造体の固有周期を例えば地震動卓越周期帯域から長周期側にずらし、応答加速度を小さくして揺れを抑えるように構築したものがある(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。

0004

一方、東地方太平洋地震のような想定をはるかに上回る巨大地震が発生する可能性があり、このような巨大地震に対し、免震装置やオイルダンパーなどの制振装置の機能だけで建物の被害を抑えることができないことも十分に予想される。

0005

例えば、免震構造は地震時の安全性が非常に高く、急速に普及しているが、地震動が大きくなるほどに免震層の変位、ひいては免震装置の変位が大きくなるため、建物を支持している積層ゴムなどの免震装置が破断座屈し、荷重を支持することができなくなると非常に危険な状態になる。また、座屈や破断に至るまでに建物外周部の擁壁衝突すると、積層ゴムに破断が生じなくても建物に大きな衝撃が作用し、この衝撃によって建物や擁壁が損傷してしまう。

0006

このため、従来、擁壁にゴムなどの衝撃緩衝材を設けることにより、衝撃を緩和する対策、変位を抑える対策が提案、実用化されている。

先行技術

0007

特開平10−169241号公報
特開平10−37517号公報
特開2012−122228号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記従来のように衝撃緩衝材を設けて対策を講じる場合には、衝撃緩衝材を設けるためのピットクリアランス緩衝材寸法分大きく採る必要があり、敷地余裕がない場合になど、その適用が困難になる。また、敷地に余裕があったとしても大きなコストアップを招くことになる。さらに、中間階免震では、擁壁自体がないため、適用することさえできない。

0009

このため、その適用に大きな制約がなく、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物を倒壊・崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムが強く求められている。

0010

本発明は、上記事情に鑑み、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物を倒壊・崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムを備えたフェールセイフ機構付き免震構造を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。

0012

本発明のフェールセイフ機構付き免震構造は、建物の上部構造体と下部構造体の間の免震層に免震装置を介設してなるフェールセイフ機構付き免震構造において、前記免震層に、前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位規制するフェールセイフ機構を備え、前記フェールセイフ機構は、前記上部構造体に一体に設けられるとともに前記免震層内に配設された当接部と、前記下部構造体に一体に設けられるとともに前記免震層内に突設され、予め設定した前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した際に前記当接部が当たって該当接部及び前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位を規制する変位規制本体部と、前記当接部と前記変位規制本体部の間に設けられ、前記当接部と前記変位規制本体部が近づき予め設定した互いの間隔を下回るとともに前記当接部と前記変位規制本体部の間に挟まれて弾性変形外力を吸収する緩衝部とを備えて構成されていることを特徴とする。

0013

この発明においては、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生し、予め設定した建物の下部構造体に対する上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した場合であっても、フェールセイフ機構の変位規制本体部に当接部が当たることで、それ以上大きく変位することを規制することが可能になる。

0014

また、このとき、当接部と変位規制本体部の間に緩衝部が設けられているため、当接部と変位規制本体部が当たる際の衝撃を緩衝部で緩和させることができ、建物やフェールセイフ機構に損傷が生じることを防止できる。さらに、緩衝部が弾性変形することにより、地震によって建物に作用した外力(地震力/振動エネルギー)を吸収して減衰させることができ、建物の揺れを抑える効果も得ることができる。

0015

そして、このようなフェールセイフ機構が、当接部と変位規制本体部と緩衝部を免震層内に設けて構成されるため、積層ゴム等の免震装置の周囲に設置したり、免震層内に適宜分散配置して設けることができる。
すなわち、従来のようにピットクリアランスを緩衝材寸法分大きく採る必要がなく、また、中間階免震で擁壁が無くても設置することができ、その設置に関し大きな制約をなくすことができる。

0016

よって、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物を倒壊・崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムを備えたフェールセイフ機構付き免震構造を実現することが可能になる。

0017

また、本発明のフェールセイフ機構付き免震構造において、前記当接部及び前記変位規制本体部は、予め設定した前記下部構造体に対する前記上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した際に互いに当たる面として、水平方向の互いに直交する方向を向く第1の面及び第2の面と、水平方向を向き、前記第1の面及び第2の面に交差する第3の面とを備えて形成されていることが望ましい。

0018

この発明においては、フェールセイフ機構の当接部及び変位規制部本体が、水平方向の互いに直交する方向(X方向、Y方向)を向く第1の面、第2の面と、例えば45度の角度で第1の面及び第2の面に交差する第3の面を備えて形成されていることにより、下部構造体に対して上部構造体が水平の多方向に相対変位したとしても、下部構造体に対する上部構造体の相対変位量を超える変位が発生した際に、変位規制本体部に当接部を当てることができる。また、少ないフェールセイフ機構の設置数で効果的に変位を規制することができる。

0019

これにより、より確実に且つ効果的に、さらに経済的に、フェールセイフ機構によって上部構造体の相対変位を規制することができ、免震装置の破断や座屈を防止することが可能になるとともに建物の倒壊・崩壊を防止し、人命を保護できるフェールセイフシステムを構築することが可能になる。

0020

さらに、本発明のフェールセイフ機構付き免震構造においては、過大な変位が生じて前記免震装置による前記上部構造体の支持状態解除された際に前記免震装置に代わって前記上部構造体を前記変位規制本体部で支持するように、前記フェールセイフ機構が構成されていることがより望ましい。

0021

この発明においては、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生し、万一、積層ゴムなどの免震装置が破断や座屈し、荷重を支持することができなくなった場合であっても、免震装置に代わってフェールセイフ機構の変位規制本体部で上部構造体を支持することができる。これにより、さらに確実に建物の倒壊・崩壊を防止し、人命を保護できるフェールセイフシステムを構築することが可能になる。

発明の効果

0022

本発明のフェールセイフ機構付き免震構造においては、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物を倒壊・崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムを備えたフェールセイフ機構付き免震構造を実現することが可能になる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の一実施形態に係る建物を示す図である。
本発明の一実施形態に係るフェールセイフ機構付き免震構造を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係るフェールセイフ機構付き免震構造を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係るフェールセイフ機構付き免震構造を示す側面図である。
本発明の一実施形態に係るフェールセイフ機構付き免震構造において、免震装置に代わってフェールセイフ機構の変位規制本体部で上部構造体を支持した状態を示す側面図である。

実施例

0024

以下、図1から図5を参照し、本発明の一実施形態に係るフェールセイフ機構付き免震構造について説明する。

0025

はじめに、本実施形態の建物1は、図1に示すように、地盤Gを掘削して基礎2とこの基礎2に連続して立設する擁壁3からなる免震ピット4を構築し、この免震ピット4で囲まれた地下空間Hに、建物本体5の地下階を配設して構築されている。

0026

そして、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aにおいては、免震ピット4の基礎2が下部構造体S1、建物本体5が上部構造体S2とされ、これら上部構造体S2と下部構造体S1の間の免震層6に免震装置7を介設し、この免震装置7で上部構造体S2の荷重を支持するように、且つ、地震時に上部構造体S2の固有周期を例えば地震動の卓越周期帯域から長周期側にずらし、応答加速度を小さくして揺れを抑えるように構成されている。

0027

また、免震装置7として、例えば、高減衰ゴムなどのゴム材鋼板弾性体補剛体)を上下方向に交互に積層してなる積層ゴム型免震装置積層ゴム体水平免震装置)が適用されている。この積層ゴム型免震装置では、鉛直荷重に対してゴム材及び鋼板によって高ばね化され、水平荷重に対しては、ゴム材が水平方向に変形するように低ばね化されている。このため、地震時にゴム材が水平方向に変形することによって振動エネルギー(地震エネルギー)を吸収し、免震効果が発揮される。

0028

さらに、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aは、図2に示すように、免震層6に、下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位を規制するフェールセイフ機構10を設けて構成されている。

0029

具体的に、このフェールセイフ機構10は、図3及び図4に示すように、当接部11と変位規制本体部12と緩衝部13とを備えて構成されている。

0030

本実施形態の当接部11は、例えば上部構造体S2の底部の梁14や、梁14などに一体形成したテーパー構造15などを利用、活用して構成したものであり、上部構造体S2に一体に設けられ、免震層6内に配設されている。なお、当接部11は、上部構造体S2に一体に設けられて免震層6内に配設されていればよく、勿論、上部構造体S2に対して別途当接部11となる部材を設置することによって構成してもよい。

0031

変位規制本体部12は、例えばコンクリートを用いて形成され、下部構造体S1に一体に設けられて免震層6内に配設されるとともに、下部構造体S1の上面から上部構造体S2の底部に向けて突設されている。また、この変位規制本体部12は、当接部11と横方向に所定の間隔Rをあけて対向配置されている。すなわち、変位規制本体部12は、巨大地震時(超巨大地震時)にストッパーとして機能するものであり、地震によって、予め設定した下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位量を超える変位が発生した際に当接部11が当たり、この当接部11及び下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位を規制するように構成されている。

0032

緩衝部13は、例えばゴムなどの弾性体を用いて形成されている。また、本実施形態では、この緩衝部13が当接部11に対向する変位規制本体部12の側面に固設されて、当接部11と変位規制本体部12の間に設けられている。さらに、この緩衝部13は、巨大地震時(超巨大地震時)に衝撃吸収部材、外力緩和部材として機能するものであり、当接部11と変位規制本体部12が近づき予め設定した互いの間隔を下回るとともに当接部11と変位規制本体部12の間に挟まれて弾性変形し外力を吸収するように構成されている。

0033

さらに、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aにおいては、図2に示すように、免震層6内に適宜その設置位置を決めて、複数のフェールセイフ機構10が設けられている。また、図3及び図4に示すように、少なくとも一部のフェールセイフ機構10は、当接部11及び変位規制本体部12が、予め設定した下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位量を超える変位が発生した際に互いに当たる面として、水平方向の互いに直交する方向を向く第1の面11a、12a及び第2の面11b、12bと、水平方向を向き、第1の面11a、12a及び第2の面11b、12bに例えば45度の角度で交差する第3の面11c、12cとを備えて形成されている。

0034

また、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aにおいては、過大な変位が生じて免震装置7による上部構造体S2の支持状態が解除された際に免震装置7に代わって上部構造体S2を変位規制本体部12で支持するように、フェールセイフ機構10が構成されている。

0035

そして、上記構成からなる本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aにおいては、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生し、予め設定した建物の下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位量を超える変位が発生すると、免震装置7で振動エネルギーを吸収して減衰させつつ、フェールセイフ機構10の変位規制本体部12に当接部11が当たり、これにより、それ以上大きく変位することが規制される。

0036

また、当接部11と変位規制本体部12の間に緩衝部13が設けられているため、当接部11と変位規制本体部12が当たる際の衝撃が緩衝部13で緩和され、且つ、緩衝部13が弾性変形することにより、地震によって建物に作用した外力(地震力/振動エネルギー)が吸収して減衰される。

0037

さらに、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aでは、フェールセイフ機構10の当接部11及び変位規制本体部12が、水平方向の互いに直交する方向(X方向、Y方向)を向く第1の面11a、12a、第2の面11b、12bと、45度の角度で交差する(45度方向を向く)第3の面11c、12cを備えて形成されている。このため、下部構造体S1に対して上部構造体S2が水平の多方向に相対変位したとしても、下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位量を超える変位が発生した際に、変位規制本体部12に当接部11が当たる。

0038

さらに、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生し、万一、積層ゴムなどの免震装置7が破断や座屈し、荷重を支持することができなくなった場合に、免震装置7に代わってフェールセイフ機構10の変位規制本体部12で上部構造体S2が支持される。

0039

したがって、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aにおいては、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生し、予め設定した建物の下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位量を超える変位が発生した場合であっても、フェールセイフ機構10の変位規制本体部12に当接部11が当たることで、それ以上大きく変位することを規制することが可能になる。

0040

また、このとき、当接部11と変位規制本体部12の間に緩衝部13が設けられているため、当接部11と変位規制本体部12が当たる際の衝撃を緩衝部13で緩和させることができ、建物やフェールセイフ機構10に損傷が生じることを防止できる。さらに、緩衝部13が弾性変形することにより、地震によって建物に作用した外力(地震力/振動エネルギー)を吸収して減衰させることができ、建物の揺れを抑える効果も得ることができる。

0041

そして、このようなフェールセイフ機構10が、当接部11と変位規制本体部12と緩衝部13を免震層6内に設けて構成されるため、積層ゴム等の免震装置7の周囲に設置したり、免震層6内に適宜分散配置して設けることができる。すなわち、従来のようにピットクリアランスを緩衝材寸法分大きく採る必要がなく、また、中間階免震で擁壁が無くても設置することができ、その設置に関し大きな制約をなくすことができる。

0042

よって、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生した場合においても、建物を倒壊・崩壊させず、人面を保護できるような汎用性が高いフェールセイフシステムを備えたフェールセイフ機構付き免震構造Aを実現することが可能になる。

0043

また、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aにおいては、フェールセイフ機構10の当接部11及び変位規制本体部12が、水平方向の互いに直交する方向を向く第1の面11a、12a、第2の面11b、12bと、45度の角度で交差する第3の面11c、12cを備えて形成されていることにより、下部構造体S1に対して上部構造体S2が水平の多方向に相対変位したとしても、下部構造体S1に対する上部構造体S2の相対変位量を超える変位が発生した際に、変位規制本体部12に当接部11を当てることができる。また、少ないフェールセイフ機構10の設置数で効果的に変位を規制することができる。

0044

これにより、より確実に且つ効果的に、さらに経済的に、フェールセイフ機構10によって上部構造体S2の相対変位を規制することができ、免震装置7の破断や座屈を防止することが可能になるとともに建物の倒壊・崩壊を防止し、人命を保護できるフェールセイフシステムを構築することが可能になる。

0045

さらに、本実施形態のフェールセイフ機構付き免震構造Aにおいては、想定される最大級の巨大地震や、想定を超える超巨大地震が発生し、万一、積層ゴムなどの免震装置7が破断や座屈し、荷重を支持することができなくなった場合であっても、例えば図5に示すように、免震装置7に代わってフェールセイフ機構10の変位規制本体部12で上部構造体S2を支持することができる。これにより、さらに確実に建物の倒壊・崩壊を防止し、人命を保護できるフェールセイフシステムを構築することが可能になる。

0046

以上、本発明に係るフェールセイフ機構付き免震構造の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。

0047

例えば、本実施形態では、免震ピット4の基礎2が下部構造体S1、建物本体5が上部構造体S2であるものとして説明を行ったが、建物(建物本体)の中間階に免震層を設ける場合においても、この中間階の免震層にフェールセイフ機構10を設けることで、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明に係る上部構造体、下部構造体を特に本実施形態のように限定する必要はない。

0048

1建物
2基礎(下部構造体)
3擁壁
4免震ピット
5 建物本体(上部構造体)
6免震層
7免震装置
10フェールセイフ機構
11 当接部
11a 第1の面
11b 第2の面
11c 第3の面
12変位規制本体部
12a 第1の面
12b 第2の面
12c 第3の面
13緩衝部
14 梁
15テーパー構造
A フェールセイフ機構付き免震構造
G地盤
S1 下部構造体
S2 上部構造体

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