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技術 ヤシの実抽出物の製造方法

出願人 高砂香料工業株式会社
発明者 後藤幸生平本忠浩
出願日 2014年3月20日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-057998
公開日 2015年10月22日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-181354
状態 特許登録済
技術分野 調味料 食品の調整及び処理一般 非アルコール性飲料 種実、スープ、その他の食品
主要キーワード 溶解性固形物 減圧蒸発濃縮 樹脂処理液 可溶性固形物 塩味増強 ベニバナ赤色素 クリームシチュー スパイス感
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

既存のヤシ実抽出物が有する独特香気を有さず、かつ様々な種類の飲食品に対して、優れた風味改善特性を付与することのできるヤシの実抽出物の提供。

解決手段

(a)ヤシの実の胚乳部分を溶媒抽出する工程と、(b)前記(a)の工程で得られた溶媒抽出物から香気成分を除去する工程を含むヤシの実抽出物の製造方法及び該製造方法により得られるヤシの実抽出物。(a)の工程における抽出溶媒が、エタノール又はエタノール水溶液、(b)の工程における香気成分の除去が活性炭処理により行われるヤシの実抽出物の製造方法。

概要

背景

従来から、より美味しい飲食品需要を満たすため、甘味塩味苦味酸味及び旨味で示される基本五味を増強又は抑制する素材だけでなく、知覚心理学的感覚としての果汁感油感こく味などといった様々な風味を改善する素材が開発されてきた。

上記の風味改善素材の原料としては様々なものが用いられているが、安価に入手可能なヤシの実由来素材の技術に着目すると、例えばヤシの実の脱脂後の食物繊維を利用する方法として、ココナッツ胚乳スラリー固液分離して得られる固形物を、油脂分が1質量%以下になるまで脱脂し、これを加水分解処理してマンノビオースを10質量%以上含有するマンノオリゴ糖含有食用組成物(特許文献1)を得る方法などが挙げられる。

また、ココナッツを多様な食品に混合して食する場合に、ココナッツオイルに含まれる特有香気が好ましくないため、真空下でココナッツオイルに蒸気を導入して脱臭する方法(特許文献2)や、不活性ガスを導入しつつ蒸留して、脱臭されたオイルを得る方法(特許文献3)などの報告があるが、ヤシの実由来の風味改善剤に関する報告はない。

概要

既存のヤシの実抽出物が有する独特の香気を有さず、かつ様々な種類の飲食品に対して、優れた風味改善特性を付与することのできるヤシの実抽出物の提供。(a)ヤシの実の胚乳部分を溶媒抽出する工程と、(b)前記(a)の工程で得られた溶媒抽出物から香気成分を除去する工程を含むヤシの実抽出物の製造方法及び該製造方法により得られるヤシの実抽出物。(a)の工程における抽出溶媒が、エタノール又はエタノール水溶液、(b)の工程における香気成分の除去が活性炭処理により行われるヤシの実抽出物の製造方法。なし

目的

本発明の目的は、ヤシの実が有する独特の香気を有さず、かつ様々な種類の飲食品に対して、ミルク感増強、旨味増強、こく増強、塩味増強、甘味増強、果汁感増強、スパイス感増強及び酸味抑制効果などの優れた風味改善特性を付与することのできるヤシの実抽出物及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記(a)及び(b)の工程を含むヤシ実抽出物の製造方法。(a)ヤシの実の胚乳部分を溶媒抽出する工程(b)前記(a)の工程で得られた溶媒抽出物から香気成分を除去する工程

請求項2

前記(a)の工程における抽出溶媒が、エタノール又はエタノール水溶液である請求項1に記載の製造方法。

請求項3

前記(b)の工程における香気成分の除去が活性炭処理により行われる請求項1又は請求項2に記載の製造方法。

請求項4

さらに、下記(c)の工程を含む請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の製造方法。(c)前記(b)の工程で得られたヤシの実抽出物に水を加え、合成吸着樹脂による処理を行い、未吸着画分を得る工程

請求項5

さらに、下記(d)の工程を含む請求項4に記載の製造方法。(d)前記(c)の工程における吸着画分を、30質量%〜70質量%のエタノール水溶液により溶離させ、溶離画分を得る工程

請求項6

さらに、下記(e)の工程を含む請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の製造方法。(e)前記(b)の工程で得られたヤシの実抽出物に、炭素数3〜6の脂肪族カルボン酸エステル及び水を加えて分液した後、得られた水層から減圧蒸留により留出分を除去して残渣を得る工程

請求項7

前記炭素数3〜6の脂肪族カルボン酸エステルが、酢酸エチルである請求項6に記載の製造方法。

請求項8

前記ヤシの実が、ココヤシ(Cocos nucifera L.)またはアブラヤシ(Elaeis)である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の製造方法。

請求項9

請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の製造方法により得られるヤシの実抽出物。

請求項10

請求項9に記載のヤシの実抽出物を含有する風味改善剤

請求項11

請求項10に記載の風味改善剤を含有する飲食品

技術分野

0001

本発明は、ヤシ実抽出物の製造方法、並びに該製造方法により得られるヤシの実抽出物及び風味改善剤に関する。

背景技術

0002

従来から、より美味しい飲食品需要を満たすため、甘味塩味苦味酸味及び旨味で示される基本五味を増強又は抑制する素材だけでなく、知覚心理学的感覚としての果汁感油感こく味などといった様々な風味を改善する素材が開発されてきた。

0003

上記の風味改善素材の原料としては様々なものが用いられているが、安価に入手可能なヤシの実由来素材の技術に着目すると、例えばヤシの実の脱脂後の食物繊維を利用する方法として、ココナッツ胚乳スラリー固液分離して得られる固形物を、油脂分が1質量%以下になるまで脱脂し、これを加水分解処理してマンノビオースを10質量%以上含有するマンノオリゴ糖含有食用組成物(特許文献1)を得る方法などが挙げられる。

0004

また、ココナッツを多様な食品に混合して食する場合に、ココナッツオイルに含まれる特有香気が好ましくないため、真空下でココナッツオイルに蒸気を導入して脱臭する方法(特許文献2)や、不活性ガスを導入しつつ蒸留して、脱臭されたオイルを得る方法(特許文献3)などの報告があるが、ヤシの実由来の風味改善剤に関する報告はない。

先行技術

0005

国際公開第2008/062813号
米国特許第6,447,832号明細書
米国特許第5,374,751号明細書

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、ヤシの実が有する独特の香気を有さず、かつ様々な種類の飲食品に対して、ミルク感増強、旨味増強、こく増強、塩味増強、甘味増強、果汁感増強、スパイス感増強及び酸味抑制効果などの優れた風味改善特性を付与することのできるヤシの実抽出物及びその製造方法を提供することである。
また本発明の他の目的は、上記好ましい特性を有するヤシの実抽出物を含有する風味改善剤を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は以下の[1]〜[11]に記載のヤシの実抽出物の製造方法、該方法により得られるヤシの実抽出物、該ヤシの実抽出物を含む風味改善剤及び該ヤシの実抽出物を含有する飲食品に関する。
[1]下記(a)及び(b)の工程を含むヤシの実抽出物の製造方法。
(a)ヤシの実の胚乳部分を溶媒抽出する工程
(b)前記(a)の工程で得られた溶媒抽出物から香気成分を除去する工程
[2]前記(a)の工程における抽出溶媒が、エタノール又はエタノール水溶液である前記[1]に記載の製造方法。
[3]前記(b)の工程における香気成分の除去が活性炭処理により行われる前記[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]さらに、下記(c)の工程を含む前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
(c)前記(b)の工程で得られたヤシの実抽出物に水を加え、合成吸着樹脂による処理を行い、未吸着画分を得る工程
[5]さらに、下記(d)の工程を含む前記[4]に記載の製造方法。
(d)前記(c)の工程における吸着画分を、30質量%〜70質量%のエタノール水溶液により溶離させ、溶離画分を得る工程
[6]さらに、下記(e)の工程を含む前記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の製造方法。
(e)前記(b)の工程で得られたヤシの実抽出物に、炭素数3〜6の脂肪族カルボン酸エステル及び水を加えて分液した後、得られた水層から減圧蒸留により留出分を除去して残渣を得る工程
[7]前記炭素数3〜6の脂肪族カルボン酸エステルが、酢酸エチルである前記[6]に記載の製造方法。
[8]前記ヤシの実が、ココヤシ(Cocos nucifera L.)またはアブラヤシ(Elaeis)である前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の製造方法。
[9]前記[1]〜[8]のいずれか一つに記載の製造方法により得られるヤシの実抽出物。
[10]前記[9]に記載のヤシの実抽出物を含有する風味改善剤。
[11]前記[10]に記載の風味改善剤を含有する飲食品。

発明の効果

0008

本発明のヤシの実抽出物の製造方法により、市販のココナッツジュースなどのヤシの実の胚乳又はヤシの実の胚乳の加工品(例えば、ココナッツ乾燥コプラパームカーネル及びココナッツミルクなど)を用いて容易にヤシの実抽出物を製造することができる。
また、本発明のヤシの実抽出物を含有する風味改善剤は、多様な飲食品に添加することができ、特有の臭気を有さず、ミルク感、旨味、こく、塩味、甘味、果汁感、スパイス感などを増強させることができ、かつ酸味を抑制することができる。したがって、種々の嗜好性関与する風味特性を改善することが可能となる。

0009

以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に使用できるヤシの実としては、ココヤシ(Cocos nucifera L.)またはアブラヤシ(Elaeis)が挙げられる。ココヤシの胚乳部分としては、未熟なココヤシの液状胚乳であるココナッツジュース、胚乳部分を乾燥させたココナッツコプラ、成熟果の胚乳やココナッツコプラを水に浸して浸出液を揉み出したココナッツミルクなどが挙げられ、アブラヤシの胚乳部分としては、胚乳を乾燥したパームカーネルなどが挙げられる。

0010

本発明のヤシの実抽出物を製造する際には、ヤシの実の胚乳部分を用い、ココナッツジュースなどの未加工のヤシの実の胚乳を用いることができ、また、ココナッツコプラやココナッツミルクといった、市販のヤシの実の胚乳の加工品を用いることもできる。

0011

以下、本発明のヤシの実抽出物の製造方法について説明する。
本発明のヤシの実抽出物の製造方法は、少なくとも(a)ヤシの実の胚乳部分を溶媒抽出する工程と、(b)上記(a)の工程で得られた溶媒抽出物から香気成分を除去する工程を含む。

0012

(工程(a):ヤシの実の胚乳部分を溶媒抽出する工程)
工程(a)において用いられる抽出溶媒としては、水、アセトン、エタノール、グリセリン、酢酸エチル、酢酸メチルメタノール1−プロパノール2−プロパノール、1−ブタノール2−ブタノールプロピレングリコール二酸化炭素などが挙げられ、これらは単独で又は二種以上が混合されて使用される。その中でも残留溶媒による安全性の観点から、水又はエタノールを用いることが好ましく、さらに好ましくはエタノール又はエタノール水溶液である。エタノール水溶液としては20質量%〜80質量%エタノールが好ましく、50質量%エタノールがより好ましい。
また、水としては特に限定されないが、超純水イオン交換水逆浸透膜(RO)ろ過水蒸留水水道水などが挙げられ、飲食品製造の観点からイオン交換水が好ましい。

0013

溶媒抽出する際の温度は特に限定されないが、好ましくは15℃〜90℃、更に好ましくは40℃〜70℃である。抽出温度が15℃以上であると、抽出効率が高くなるため好ましく、90℃以下であると、加熱による劣化が抑制されるため好ましい。

0014

抽出時間としては特に限定されず、好ましくは30分〜20時間、更に好ましくは1時間〜5時間である。抽出時間が30分以上であると、抽出収率が安定となるため好ましく、20時間以下であると、酸化による劣化が抑制されるため好ましい。

0015

抽出圧力としては特に限定されず、常圧条件、減圧条件加圧条件のいずれでも構わないが、好ましくは常圧条件下での抽出が挙げられる。

0016

抽出後は、遠心分離やろ過等により抽出物の固液分離操作を行ない、固形物を除去することにより、後の工程の操作性を向上させることができる。

0017

(工程(b):溶媒抽出物から香気成分を除去する工程)
次に、前記工程(a)により得られた溶媒抽出物からヤシの実由来の香気成分(δ—オクタラクトン等)を除去する。δ—オクタラクトンはココナツ様香気を有するものであり、ヤシの実抽出物からこれらの香気成分を除去することにより、多様な飲食品に混合してその風味を評価しても、異和感を感じなくなる。
香気成分の除去方法としては特に制限はなく、一般的に使用される香気成分の除去方法を用いることができ、例えば、吸着処理液液抽出超臨界抽出、蒸留・濃縮膜分離等が挙げられ、これらは単独で又は二種以上を併用して使用される。その中でも製造コスト抑制の観点から、好ましくは蒸留・濃縮、吸着処理、液液抽出が挙げられ、さらに好ましくはこれらの方法を併用した方法が挙げられる。

0018

吸着処理に用いられる香気吸着剤としては特に限定はされないが、活性炭シリカゲルアルミナゼオライト、合成吸着樹脂、イオン交換樹脂多孔質ガラスシクロデキストリン等が挙げられ、好ましくは活性炭や合成吸着剤、更に好ましくは活性炭が挙げられる。

0019

液液抽出の方法としては、溶媒抽出物に水と有機溶媒を加え、有機溶媒層部分を除去することにより行なうことができる。有機溶媒としては特に限定されないが、酢酸エチルやヘキサン等を用いることができる。

0020

また、蒸留・濃縮の方法としては、溶媒抽出物を減圧蒸発濃縮したり、溶媒抽出物を蒸留し、蒸留液を除去することにより行なうことができる。

0021

本発明の製造方法では、上記工程(a)及び(b)により得られたヤシの実抽出物を精製することが好ましい。精製工程としては、例えば、合成吸着樹脂を用いて処理する工程や、液液抽出により処理する工程が挙げられる。

0022

(工程(c)及び(d):合成吸着樹脂による処理工程)
工程(c)において用いられる合成吸着樹脂としては、例えば、芳香族系樹脂アクリル系樹脂アクリロニトリル系樹脂などからなる吸着剤等が使用できる。このような合成樹脂吸着剤は市販されており、例えば芳香族系樹脂であるダイヤイオンHP20、HP21及びセパビーズSP70(商品名、いずれも三菱化学株式会社製)、芳香族高表面積樹脂であるセパビーズSP825、SP850及びSP700(商品名、いずれも三菱化学株式会社製)、芳香族系修飾型樹脂であるセパビーズSP207(商品名、三菱化学株式会社製)、芳香族系小粒径型樹脂であるダイヤイオンHP20SS、セパビーズSP20SS及びSP207SS(商品名、いずれも三菱化学株式会社製)、スチレン系樹脂であるアンバーライトXAD2、XAD4、FPX66、XAD1180、XAD1180N及びXAD2000(商品名、いずれもオルガノ株式会社製)、アクリル系樹脂であるダイヤイオンHP2MG(商品名、三菱化学株式会社製)及びアンバーライトXAD7HP(商品名、オルガノ株式会社製)、架橋デキストラン誘導体であるセファデックスLH20(商品名、GEヘルスケアジャパン株式会社製)等が挙げられる。

0023

工程(b)により得られたヤシの実抽出物を水等で希釈した後、希釈溶液を前記したような吸着剤に通液し、未吸着画分を得ることで本発明の方法は行なわれる。希釈濃度は、希釈溶液の粘度が低くなるように調整すればよく、例えば、0.1質量%〜50質量%とするのが好ましい。

0024

また、さらに吸着画分をエタノール水溶液により脱溶離させることによっても、本発明の方法を行なうことができる(工程(d))。ここで用いられるエタノール水溶液としては、得られる風味改善剤の風味改善効果の観点から、20質量%〜80質量%のエタノール水溶液を用いることが好ましく、より好ましくは30質量%及び70質量%エタノール水溶液である。

0025

(工程(e):液液抽出による処理工程)
液液抽出による処理は、工程(b)により得られたヤシの実抽出物に、炭素数3〜6の脂肪族カルボン酸エステル及び水を加え、分液後の水層を減圧蒸留により留出分を除去することにより残渣を得る。
ここで用いられる炭素数3〜6の脂肪族カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル酢酸ブチルプロピオン酸エチル酪酸メチル及び酪酸エチル等が挙げられるが、酢酸エチルが好ましい。炭素数3〜6の脂肪族カルボン酸エステルを用いることで、香気成分を除去することができる。

0026

また、減圧蒸留の条件としては、熱による劣化を抑制する効果の観点から、120torr/40℃〜460torr/80℃が好ましい。

0027

本発明の方法により得られるヤシの実抽出物はさらに膜濃縮などの他の公知の濃縮手段により濃縮してもよく、また凍結乾燥熱風乾燥など公知の乾燥手段により粉末化してもよい。

0028

また、本発明の風味改善剤は、上記方法により得られたヤシの実抽出物を有効成分として含有する。
風味改善剤中のヤシの実抽出物の濃度は、該風味改善剤を添加する対象である飲食品の種類や風味改善剤の各種飲食品への添加目的によって異なるが、風味改善剤中、可溶解性固形物換算で、好ましくは0.1質量%〜100質量%、さらに好ましくは30質量%〜100質量%の範囲である。

0029

本発明の風味改善剤には、有効成分である本発明のヤシの実抽出物の効果を妨げない限り、その他の添加成分を含有することができる。
添加成分としては、例えば、香料合成香料天然香料調合香料)、甘味料アセスルファムカリウムステビアエリスリトールなど)、酸味料クエン酸酒石酸りん酸、乳酸など)、苦味料カフェインナリンジンなど)、調味料グルタミン酸ナトリウム、L−アルギニンなど)、着色料クロロフィリンブドウ果皮色素ベニバナ赤色素食用赤色102号銅クロロフィリンナトリウムなど)、保存料安息香酸ソルビン酸など)、増粘安定剤(カラギナンキサンタンガムグァーガムデキストランプルランなど)、乳化剤キラヤ抽出物酵素分解レシチングリセリン脂肪酸エステルショ糖脂肪酸エステルポリソルベート60など)、製造用剤(炭酸水素ナトリウム炭酸カリウム炭酸マグネシウムなど)、酸化防止剤カテキンクエルセチンチャ抽出物生コーヒー豆抽出物、d−α−トコフェロールエチレンジアミン四酢酸カルシウムナトリウムなど)、発色剤硝酸カリウム硝酸ナトリウムなど)、光沢剤カルナウバロウラノリンパラフィンワックスなど)、漂白剤酢酸カルシウム次亜硫酸ナトリウムなど)、酵素リパーゼペクチナーゼポリフェノールオキシダーゼプロテアーゼなど)、などの飲食品に使用可能な添加物賦形剤デキストリンアラビアガムコーンスターチ加工デンプンなど)、香辛料ミントコショウシソニンニクショウガなど)、無機塩塩化ナトリウム塩化カリウムなど)、他の風味改善剤(風味改善ペプチド果汁由来画分など)などが挙げられる。

0030

本発明により得られるヤシの実抽出物を含有する風味改善剤を飲食品に添加することで、風味が改善された飲食品を製造することができる。具体的には、ミルク感、旨味、こく、塩味、甘味、果汁感、スパイス感といった風味を増強し、酸味を抑制しうる。したがって、本発明のヤシの実抽出物は、飲食品の風味改善剤として有用である。

0031

飲食品への添加量としては本来の風味を損なわない程度に添加することができ、抽出物の可溶性固形分換算で、好ましくは10質量ppb〜5質量%、さらに好ましくは100質量ppb〜1質量%の範囲である。

0032

また、本発明のヤシの実抽出物を含有する風味改善剤は、あらゆる飲食品に添加することが可能である。かかる飲食品としては、例えば、果汁飲料炭酸飲料乳飲料、酢飲料、清涼飲料牛乳乳酸菌飲料豆乳などの飲料類出汁中華スープシチューカレーなどのスープ類畜肉類鶏肉魚介類などを原料とする加工食品類、調味料類、ふりかけ類、インスタント食品スナック食品類、缶詰食品類、乳製品類菓子類冷菓類等が挙げられる。

0033

以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。

0034

(実施例1)ココナッツコプラ抽出物
乾燥ココナッツコプラパウダー400g(フィリピン製)に50質量%エタノール水溶液2000gを加え、60℃で1時間攪拌し、抽出を行った。室温まで冷却後、遠心分離機により固液分離を行い、1560gの抽出液を得た。得られた抽出液を5℃で一晩放置し、生成した沈殿ろ紙によりろ過することにより除いた。次に得られたろ液を減圧蒸発濃縮(255torr/60℃)して溶媒を除去することにより香気成分を除去して、ココナッツコプラ抽出物50gを得た。

0035

(実施例2)ココナッツコプラ抽出物
実施例1で得られたココナッツコプラ抽出物40gをイオン交換水560mlで希釈してBrix4に調製し、合成吸着剤ダイヤイオンHP20(三菱化学株式会社製)を充填したカラムSV=3/hの速度で通液し、未吸着画分である樹脂処理液を得た。得られた樹脂処理液を減圧蒸発濃縮(255torr/60℃)することによって、ココナッツコプラ抽出物10gを得た。

0036

(実施例3)ココナッツコプラ抽出物
実施例2のココナッツコプラ抽出物を通液した後のカラムに、30質量%エタノール水溶液500mlをSV=2/hの速度で通液し、溶離液を得た。得られた溶離液を減圧蒸発濃縮(255torr/60℃)して溶媒を完全に除去した後、イオン交換水8gを添加して固形物を溶解し、ココナッツコプラ抽出物10gを得た。

0037

(実施例4)ココナッツコプラ抽出物
実施例3の30質量%エタノール水溶液を通液した後のカラムに、70質量%エタノール水溶液500mlをSV=2/hの速度で通液し、溶離液を得た。得られた溶離液を減圧蒸発濃縮(255torr/60℃)して溶媒を完全に除去した後、イオン交換水9.5gを添加して固形物を溶解し、ココナッツコプラ抽出物の分画物10gを得た。

0038

(実施例5)ココナッツコプラ抽出物
乾燥ココナッツコプラパウダー100g(フィリピン製)に50質量%エタノール水溶液500gを加え、60℃で1時間攪拌し、抽出を行った。室温まで冷却後、遠心分離機により固液分離を行い、410gの抽出液を得た。得られた抽出液を5℃で一晩放置し、生成した沈殿をろ紙によりろ過することにより除いた。得られたろ液に活性炭(粒状白鷺、日本エンバイケミカルズ株式会社製)を5質量%添加して室温で1時間攪拌した。次に活性炭をろ紙ろ過することにより除いて、ココナッツコプラの活性炭処理抽出物350gを得た。

0039

(実施例6)ココナッツコプラ抽出物
乾燥ココナッツコプラパウダー100g(フィリピン製)に50質量%エタノール水溶液500gを加え、60℃で1時間攪拌し、抽出を行った。室温まで冷却後、遠心分離機により固液分離を行い、410gの抽出液を得た。得られた抽出液を5℃で一晩放置し、生成した沈殿をろ紙ろ過することにより除き、ろ液を得た。得られたろ液を減圧蒸発濃縮(255torr/60℃)して、溶媒を完全に除去した後、イオン交換水100gを添加して固形物を溶解してから、酢酸エチルを100g添加して液液抽出を行った。得られた水層を減圧蒸発濃縮(255torr/60℃)して溶媒を完全に除去した後、イオン交換水7gを添加して固形物を溶解し、ココナッツコプラの液液抽出処理分画物10gを得た。

0040

(実施例7)ココナッツミルクパウダー抽出物
ココナッツミルクパウダー100g(フィリピン製)に50質量%エタノール水溶液500gを加え、60℃で1時間攪拌し、抽出を行った。室温まで冷却後、遠心分離機により固液分離を行い、400gの抽出液を得た。得られた抽出液を5℃で一晩放置し、生成した沈殿をろ紙ろ過することにより除いた。得られたろ液を減圧蒸発濃縮(255torr/60℃)して、溶媒を完全に除去した後、イオン交換水50gを添加して固形物を溶解した。得られた水溶液を、活性炭(粒状白鷺、日本エンバイロケミカルズ株式会社製)を充填したカラムにSV=2/hで通液して未吸着画分を回収し、ろ紙ろ過することにより活性炭を除いて、ココナッツミルクパウダーの活性炭処理抽出物40gを得た。

0041

(比較例1)ココナッツコプラ抽出物
乾燥ココナッツコプラパウダー100g(フィリピン製)に50質量%エタノール水溶液500gを加え、60℃で1時間攪拌し、抽出を行った。室温まで冷却後、遠心分離機により固液分離を行い、410gの抽出液を得た。得られた抽出液を5℃で一晩放置し、生成した沈殿をろ紙ろ過することにより除いて、ココナッツコプラ抽出物370gを得た。

0042

(実施例9〜12)風味改善減塩めんつゆの調製
上記実施例1、2、5及び6で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販の減塩めんつゆ(50%減塩)に添加し、風味改善減塩めんつゆを得た。

0043

試験例1>官能評価
以下の手順に従って、実施例9〜12の風味改善減塩めんつゆの官能評価を行った。
(手順)
実施例9〜12の風味改善減塩めんつゆ及びコントロールサンプル(ココナッツコプラ抽出物が配合されていない減塩めんつゆ)を試飲し、表1の評価基準に従って実施例9〜12の風味改善減塩めんつゆを官能評価した。評価は専門パネル9名で行い、その平均値を算出した。
官能評価結果を表2に示す。

0044

0045

0046

(実施例13〜16)風味改善減塩みその調製
上記実施例1、2、5及び6で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で40質量ppmとなるように市販の減塩みそ汁(40%減塩)に添加し、風味改善減塩みそ汁を得た。

0047

(比較例2)みそ汁の調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で40質量ppmとなるように市販のみそ汁(40%減塩)に添加し、比較例2のみそ汁を得た。

0048

<試験例2>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例13〜16及び比較例2で調製した減塩みそ汁の官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツコプラ抽出物が配合されていない市販の減塩みそ汁である。
官能評価結果を表3に示す。

0049

0050

(実施例17〜21)風味改善レトルトカレーの調製
上記実施例1〜3、5及び6で調製したココナッツコプラ抽出物を可溶性固形物換算で1000質量ppmとなるように市販のレトルトカレーに添加し、風味改善レトルトカレーを得た。

0051

(比較例3)レトルトカレーの調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で1000質量ppmとなるように市販のレトルトカレーに添加し、比較例3のレトルトカレーを得た。

0052

<試験例3>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例17〜21及び比較例3で調製したレトルトカレーの官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツコプラ抽出物が配合されていない市販のレトルトカレーである。
官能評価結果を表4に示す。

0053

0054

(実施例22、23)風味改善クリームシチューの調製
実施例3及び4で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で100質量ppmとなるように市販のクリームシチューに添加し、風味改善クリームシチューを得た。

0055

(比較例4)クリームシチューの調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で100質量ppmとなるように市販のクリームシチューに添加し、比較例4のクリームシチューを得た。

0056

<試験例4>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例22、23及び比較例4で調製したクリームシチューの官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツコプラ抽出物が配合されていない市販のクリームシチューである。
官能評価結果を表5に示す。

0057

0058

(実施例24〜30)風味改善50%オレンジ果汁飲料の調製
実施例1で調製したココナッツコプラ抽出物を可溶性固形物換算で10重量ppmとなるように市販の50%オレンジ果汁飲料に添加し、風味改善50%オレンジ果汁飲料を得た。

0059

(比較例5)50%オレンジ果汁飲料の調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で10質量ppmとなるように市販の50%オレンジ果汁飲料に添加し、比較例5の50%オレンジ果汁飲料を得た。

0060

<試験例5>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例24〜30及び比較例5で調製した50%オレンジ果汁飲料の官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツ抽出物が配合されていない市販の50%オレンジ果汁飲料である。
官能評価結果を表6に示す。

0061

0062

(実施例31、32)風味改善カフェオレ飲料の調製
実施例3及び4で調製したココナッツコプラ抽出物を可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販のカフェオレ飲料に添加し、風味改善カフェオレ飲料を得た。

0063

(比較例6)カフェオレ飲料の調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販のカフェオレ飲料に添加し、比較例6のカフェオレ飲料を得た。

0064

<試験例6>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例31、32及び比較例6で調製したカフェオレ飲料の官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツコプラ抽出物が配合されていない市販のカフェオレ飲料である。
官能評価結果を表7に示した。

0065

0066

(実施例33〜39)風味改善ノンカロリーコーラ飲料の調製
実施例1〜6で調製したココナッツコプラ抽出物及び実施例7で調製したココナッツミルクパウダー抽出物を可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販のノンカロリーコーラ飲料に添加し、風味改善ノンカロリーコーラ飲料を得た。

0067

(比較例7)ノンカロリーコーラ飲料の調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販のノンカロリーコーラ飲料に添加し、比較例7のノンカロリーコーラ飲料を得た。

0068

<試験例7>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例33〜39及び比較例7で調製したノンカロリーコーラ飲料の官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツ抽出物が配合されていない市販のノンカロリーコーラ飲料である。
官能評価結果を表8に示す。

0069

0070

(実施例40)風味改善無糖ブラックコーヒー飲料の調製
実施例2で調製したココナッツコプラ抽出物を可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販の無糖ブラックコーヒー飲料に添加し、風味改善無糖ブラックコーヒー飲料を得た。

0071

(比較例8)無糖ブラックコーヒー飲料の調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販の無糖ブラックコーヒー飲料に添加し、比較例8の無糖ブラックコーヒー飲料を得た。

0072

<試験例8>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例40及び比較例8で調製した無糖ブラックコーヒー飲料の官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツコプラ抽出物が配合されていない市販の無糖ブラックコーヒー飲料である。
官能評価結果を表9に示す。

0073

0074

(実施例41〜45)風味改善酢飲料の調製
上記実施例1、2、5及び6で調製したココナッツコプラ抽出物及び実施例7で調製したココナッツミルクパウダー抽出物を可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように市販のりんご酢を水で15倍に希釈した溶液に添加し、風味改善酢飲料を得た。

0075

(比較例9)酢飲料の調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で20質量ppmとなるように、市販のりんご酢を水で15倍に希釈した溶液に添加し、比較例9の酢飲料を得た。

0076

<試験例9>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例41〜45及び比較例9で調製した酢飲料の官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツ抽出物が配合されていない市販のりんご酢を水で15倍に希釈した飲料である。
官能評価結果を表10に示す。

0077

0078

(実施例46〜52)風味改善アイスクリームの調製
上記実施例1〜6で調製したココナッツコプラ抽出物及び実施例7で調製したココナッツミルクパウダー抽出物を可溶性固形物換算で100質量ppmとなるように市販のバニラ風味アイスクリームに添加し、風味改善アイスクリームを得た。

0079

(比較例10)アイスクリームの調製
比較例1で調製したココナッツコプラ抽出物を、可溶性固形物換算で100質量ppmとなるように、市販のバニラ風味アイスクリームに添加し、比較例10のアイスクリームを得た。

0080

<試験例10>官能評価
試験例1と同様な手順で、実施例46〜52及び比較例10で調製したアイスクリームの官能評価を行った。なお、コントロールサンプルはココナッツ抽出物が配合されていない市販のバニラ風味アイスクリームである。
官能評価結果を表11に示す。

0081

実施例

0082

上記官能試験の結果より、実施例1〜7のココナッツ抽出物を配合することにより、あらゆる飲食品に対して、特定の風味を増強し、酸味を抑制する効果を奏した。これに対し、比較例1のココナッツコプラ抽出物を配合した場合には、ココナッツ由来の香りが、飲食品の総合的な美味しさに対して好ましくない影響を与える結果となった。これより、本発明のヤシの実抽出物は幅広い対象に利用でき、風味改善効果により優れたものであることが確認された。

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