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技術 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 川田浩史
出願日 2015年1月13日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2015-004438
公開日 2015年10月8日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2015-179661
状態 特許登録済
技術分野 重金属無機化合物(II) 電池の電極及び活物質
主要キーワード 所定ピーク アルカリ金属層 ナトリウム複合酸化物 多孔薄膜 セルロース繊維層 ゲル状ポリマー 遷移金属層 角度側
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

電池容量を向上させる。

解決手段

本開示の実施形態の一例である非水電解質二次電池用正極活物質は、X線回折パターン回折角18°〜19°にそれぞれピークトップがある2つのピークを持ち、当該各ピークのうち、低角度側ピークの強度Aに対する高角度側ピークの強度Bの比R(B/A)が0.001<R(B/A)<0.03を満たすLi2MnO3−LiMO2固溶体{Mは少なくとも1種の金属元素}を含む。

概要

背景

Li層以外の遷移金属層にもLiが含有されたリチウム過剰型の複合酸化物は、充放電関与するLiが多いことから、高容量正極材料として注目されている。例えば、特許文献1は、O2構造を有するリチウム過剰型の複合酸化物(以下、「O2リチウム過剰酸化物」という)を開示している。特許文献1では、当該O2リチウム過剰酸化物をリチウム二次電池正極活物質に適用することで、電池放電容量が向上すると記載されている。なお、O3構造を有するリチウム過剰型の複合酸化物(以下、「O3リチウム過剰酸化物」という)も知られている。

概要

電池容量を向上させる。本開示の実施形態の一例である非水電解質二次電池用正極活物質は、X線回折パターン回折角18°〜19°にそれぞれピークトップがある2つのピークを持ち、当該各ピークのうち、低角度側ピークの強度Aに対する高角度側ピークの強度Bの比R(B/A)が0.001<R(B/A)<0.03を満たすLi2MnO3−LiMO2固溶体{Mは少なくとも1種の金属元素}を含む。

目的

本開示の一態様は、電池容量を向上させる非水電解質二次電池用正極活物質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

X線回折パターン回折角18°〜19°にそれぞれピークトップがある2つのピークを持ち、当該各ピークのうち、低角度側ピークの強度Aに対する高角度側ピークの強度Bの比R(B/A)が0.001<R(B/A)<0.03を満たすLi2MnO3−LiMO2固溶体{Mは少なくとも1種の金属元素}を含む、非水電解質二次電池用正極活物質

請求項2

前記Li2MnO3−LiMO2固溶体は、一般式LixNay[Liz1Mnz2M*(1-z1-z2)]O(2±γ){0.67<x<1.1、0<y<0.1、0<z1<0.33、0.5<z2<0.95、0≦γ<0.1、M*は少なくともNi、Coを含む、2種以上の金属元素}で表される、請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。

請求項3

前記Li2MnO3−LiMO2固溶体は、前記非水電解質二次電池用正極活物質の総体積に対して50体積%以上含まれている請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質。

請求項4

請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を含む正極と、負極と、電解質と、を備えた非水電解質二次電池

請求項5

一般式Naα[Liβ1Mnβ2M(1-β1-β2)]O(2±γ){0.67<α<1.1、0<β1<0.33、0.5<β2<0.95、0≦γ<0.1、Mは少なくとも1種の金属元素}で表され、X線回折パターンの回折角16°〜17°にピークトップがある第1ピークの強度aに対する、回折角18°〜19°にピークトップがある第2ピークの強度bの比R(b/a)が0.001<R(b/a)<0.028を満たすナトリウム複合酸化物を合成する工程と、前記ナトリウム複合酸化物とリチウム化合物とを反応させて、前記ナトリウム複合酸化物のNaをLiにイオン交換する工程と、を含む非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。

技術分野

0001

本開示は、非水電解質二次電池用正極活物質非水電解質二次電池、及び非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法に関する。

背景技術

0002

Li層以外の遷移金属層にもLiが含有されたリチウム過剰型の複合酸化物は、充放電関与するLiが多いことから、高容量正極材料として注目されている。例えば、特許文献1は、O2構造を有するリチウム過剰型の複合酸化物(以下、「O2リチウム過剰酸化物」という)を開示している。特許文献1では、当該O2リチウム過剰酸化物をリチウム二次電池正極活物質に適用することで、電池放電容量が向上すると記載されている。なお、O3構造を有するリチウム過剰型の複合酸化物(以下、「O3リチウム過剰酸化物」という)も知られている。

先行技術

0003

特開2012−204281号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、従来技術では、例えば、Liの移動が阻害され、正極活物質の容量が十分ではなかった。
本開示の一態様は、電池容量を向上させる非水電解質二次電池用正極活物質を提供する。

課題を解決するための手段

0005

本開示の一態様に係る非水電解質二次電池用正極活物質は、X線回折パターン回折角18°〜19°にそれぞれピークトップがある2つのピークを持ち、当該各ピークのうち、低角度側ピークの強度Aに対する高角度側ピークの強度Bの比R(B/A)が0.001<R(B/A)<0.03を満たすLi2MnO3−LiMO2固溶体{Mは少なくとも1種の金属元素}を含む。

発明の効果

0006

本開示に係る非水電解質二次電池用正極活物質によれば、従来のリチウム過剰酸化物を用いた正極活物質よりも、電池容量を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0007

本開示の実施形態の一例である正極活物質のX線回折パターンである。
本開示の実施形態の一例である正極活物質の作製に用いられるナトリウム複合酸化物のX線回折パターンである。
実施例及び比較例で作製した非水電解質二次電池を模式的に示す図である。
実施例及び比較例で作製した非水電解質二次電池において、正極活物質のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(B/A)と、放電容量との関係を示す図である。
実施例及び比較例で作製した非水電解質二次電池において、正極活物質の作製に用いられるナトリウム複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)と、放電容量との関係を示す図である。

0008

(本開示の基礎となった知見)
従来技術においては、O3リチウム過剰酸化物を正極活物質に用いた場合は、充放電中遷移金属マイグレーションして、アルカリ金属層中におけるLiの移動が阻害されるという課題がある。一方、O2リチウム過剰酸化物を正極活物質に用いた場合は、上記マイグレーションの問題は解消されるが、O3構造と比べて遷移金属層からアルカリ金属層へのパスが狭く、遷移金属層中でLiが移動し難いという課題がある。このため、従来のリチウム過剰酸化物を用いた正極活物質では、期待されるほどの容量が得られていない。
これらの課題に対して、本発明者は、Li2MnO3−LiMO2固溶体を含む(例えば、主成分として含む)、リチウム過剰型の正極活物質において、X線回折パターンの2つの所定ピーク強度比が特定の範囲内である場合に、電池容量が特異的に向上することを見出した。
本開示の一態様に係る非水電解質二次電池用正極活物質は、X線回折パターンの回折角18°〜19°にそれぞれピークトップがある2つのピークを持ち、当該各ピークのうち、低角度側ピークの強度Aに対する高角度側ピークの強度Bの比R(B/A)が0.001<R(B/A)<0.03を満たすLi2MnO3−LiMO2固溶体{Mは少なくとも1種の金属元素}を含む。
これにより、従来のリチウム過剰酸化物を用いた正極活物質よりも、電池容量を向上させることができる。

0009

以下、本開示の実施形態の一例について詳説する。
本開示の実施形態の一例である非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質とを備える。正極と負極との間には、セパレータを設けることが好適である。非水電解質二次電池は、例えば、正極及び負極がセパレータを介して巻回されてなる巻回型電極体と、非水電解質とが外装体に収容された構造を有する。或いは、巻回型の電極体の代わりに、正極及び負極がセパレータを介して積層されてなる積層型の電極体など、他の形態の電極体が適用されてもよい。また、非水電解質二次電池の形態としては、特に限定されず、円筒型、角型、コイン型、ボタン型、ラミネート型などが例示できる。

0010

〔正極〕
正極は、例えば金属箔等の正極集電体と、正極集電体上に形成された正極活物質層とで構成される。正極集電体には、アルミニウムなどの正極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。正極活物質層は、正極活物質の他に、導電材及び結着材を含むことが好適である。

0011

導電材は、正極活物質層の電気伝導性を高めるために用いられる。導電材としては、カーボンブラックアセチレンブラックケッチェンブラック黒鉛等の炭素材料が例示できる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。導電材の含有率は、正極活物質層の総質量に対して0.1〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましく、0.1〜10重量%が特に好ましい。

0012

結着材は、正極活物質及び導電材間の良好な接触状態を維持し、且つ正極集電体表面に対する正極活物質等の結着性を高めるために用いられる。結着剤には、例えばポリテトラフルオロエチレンPTFE)、ポリフッ化ビニリデンポリビニルアセテートポリメタクリレートポリアクリレートポリアクリロニトリルポリビニルアルコール、又はこれらの2種以上の混合物等が用いられる。結着材は、カルボキシメチルセルロースCMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)等の増粘剤と併用されてもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。結着剤の含有率は、正極活物質層の総質量に対して0.1〜30重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましく、0.1〜10重量%が特に好ましい。

0013

正極の充電終止電位満充電状態での正極電位)は、特に限定されないが、好ましくは4.4V(vs.Li/Li+)以上であり、より好ましくは4.5V以上であり、特に好ましくは4.5V〜5.0Vである。本非水電解質二次電池は、充電終止電圧が4.4V以上の高電圧用途において特に好適である。

0014

以下、正極活物質について詳説する。
正極活物質は、Li2MnO3−LiMO2固溶体{Mは少なくとも1種の金属元素}を含む。例えば、主成分として含んでもよい。ここで、主成分とは、正極活物質の総体積に対して50体積%以上含まれていることを示す。Li2MnO3−LiMO2固溶体は、Li層以外の遷移金属層にもLiが含有されたリチウム過剰型のリチウム複合酸化物である。Li2MnO3−LiMO2固溶体のX線回折測定により得られるX線回折パターンには、回折角(2θ)20°〜25°付近超格子構造由来するピークが観測される(図1のX線回折パターンでは、2θ=21°付近に現れている)。

0015

なお、正極活物質は、本開示の目的を損なわない範囲で、Li2MnO3−LiMO2固溶体と異なる他の金属化合物等を混合物や固溶体の形で含んでいてもよい。但し、Li2MnO3−LiMO2固溶体は、正極活物質の総体積に対して50体積%以上含まれていることが好ましく、80体積%以上がより好ましい。本実施形態では、Li2MnO3−LiMO2固溶体のみ(100体積%)から正極活物質が構成されているものとする。

0016

Li2MnO3−LiMO2固溶体(正極活物質)のMは、例えばNi、Co、Fe、Al、Mg、Ti、Sn、Zr、Nb、Mo、W、Bi、Cr、V、Ce、K、Ga、及びInから選択される少なくとも1種である。Li2MnO3−LiMO2固溶体は、遷移金属として、Mnの他にNi及びCoの少なくとも一方を含有することが好ましく、Ni及びCoの両方を含有することがより好ましい。

0017

例えば、一般式LixNay[Liz1Mnz2M*(1-z1-z2)]O(2±z){0.67<x<1.1、0<y<0.1、0<z1<0.33、0.5<z2<0.95、0≦γ<0.1、M*は少なくともNi、Coを含む、2種以上の金属元素}で表されるLi2MnO3−LiMO2固溶体が好適である。

0018

上記一般式において、xを0.67よりも大きくすることで高容量化を図ることができる。但し、正極活物質表面における残留アルカリ量の抑制等の観点から、xは1.1未満が好ましい。より好ましくは、0.83<x<1.1である。z1は0よりも大きく、これは遷移金属層にLiが含まれることを意味する。高電位における結晶構造の安定性を考慮すると、z1は0.33未満が好ましい。

0019

Li2MnO3−LiMO2固溶体は、上記一般式に示すように、少量のNaを含有することが好適である。具体的には、上記一般式におけるyは0.0001以上0.1未満が好ましい。これにより、例えば高い容量を維持しながら、Liが移動する面間隔を広げて充放電特性を向上させることができる。

0020

図1は、Li2MnO3−LiMO2固溶体(正極活物質)のX線回折パターンである。
図1に示すように、Li2MnO3−LiMO2固溶体のX線回折測定により得られるX線回折パターンには、2θ=18°〜19°にそれぞれピークトップがある2つのピークが存在する。即ち、正極活物質は、X線回折パターンの2θ=18°〜19°にそれぞれピークトップがある2つのピークを持つLi2MnO3−LiMO2固溶体を主成分(本実施形態では100体積%)とする。

0021

さらに、正極活物質の主成分であるLi2MnO3−LiMO2固溶体は、当該各ピークのうち、低角度側ピークの強度Aに対する高角度側ピークの強度Bの比R(B/A)が、0.001<R(B/A)<0.03を満たすものである。ピーク強度比R(B/A)が当該範囲内にあるLi2MnO3−LiMO2固溶体を用いた正極活物質は、後述の実施例に示すように、放電容量を特異的に向上させる。

0022

X線回折パターンの2θ=18°〜19°における2つのピークの存在は、Li2MnO3−LiMO2固溶体が2つの異なる結晶構造を有していることを示す。低角度側ピークの強度Aは高角度側ピークの強度Bに比べて大幅に大きく、このことはLi2MnO3−LiMO2固溶体の主たる結晶構造に由来するピークが低角度側ピークであることを意味する。即ち、Li2MnO3−LiMO2固溶体は、主たる結晶構造に加えて、これと異なる結晶構造をわずかに有している。

0023

低角度側ピークは、O2構造、T2構造、O6構造、又はこれらの混合に起因するものである。即ち、Li2MnO3−LiMO2固溶体の主たる結晶構造は、O2構造、T2構造、O6構造、又はこれらが混合した構造である。Li2MnO3−LiMO2固溶体の主たる結晶構造は、例えばO2構造である。なお、Li2MnO3−LiMO2固溶体は、O2構造のみから構成されていてもよいが、O2構造の当該固溶体を合成する際に副生成物としてT2構造、O6構造の酸化物が合成される場合がある。

0024

ここで、O2構造とは、空間群P63mcに属し、Liが酸素面体の中心に存在し、且つ酸素と遷移金属との重なり方が単位格子あたり2種類存在する構造である。O6構造とは、空間群R−3mに属し、Liが酸素8面体の中心に存在し、且つ酸素と遷移金属との重なり方が単位格子あたり6種類存在する構造である。また、T2構造とは、空間群Cmcaに属し、Liが酸素4面体の中心に存在し、且つ酸素と遷移金属との重なり方が単位格子あたり2種類存在する構造である。

0025

高角度側ピークは、酸素が立方最密充填された構造(以下、「ccp構造」という)に起因するものである。具体的には、空間群R−3m又はC2/mに属するO3構造、空間群Fd3mに属するスピネル構造、又はこれらの混合に起因する。即ち、Li2MnO3−LiMO2固溶体にわずかに含まれる結晶構造は、ccp構造であって、例えばO3構造である。なお、O3構造は、空間群R−3mに属し、Liが酸素8面体の中心に存在し、且つ酸素と遷移金属との重なり方が単位格子あたり3種類存在する構造である。

0026

上記Li2MnO3−LiMO2固溶体は、ナトリウム複合酸化物を合成した後、当該複合酸化物のNaをLiにイオン交換することによって作製することができる。

0027

ナトリウム複合酸化物の合成方法は、以下の通りである。
ナトリウム複合酸化物は、LiよりもNaの含有量が多い複合酸化物であって、例えばナトリウム化合物リチウム化合物、及び遷移金属化合物を混合し、当該混合物を焼成することにより合成することができる。ナトリウム化合物としては、例えばNa2O、Na2O2、Na2CO3、NaNO3、NaOH等が挙げられる。リチウム化合物としては、例えばLi2O、Li2CO3、LiNO3、LiNO2、LiOH、LiOH・H2O、LiH、LiF等が挙げられる。遷移金属化合物には、Mnを含有するマンガン化合物、他の遷移金属を含有する化合物(例えば、ニッケル化合物コバルト化合物)が用いられる。マンガン化合物としては、例えばMn3O4、Mn2O3、MnO2、MnCO3、MnSO4、M
n(OH)2等が挙げられる。

0028

ナトリウム化合物、リチウム化合物、マンガン化合物、及び他の遷移金属化合物(ニッケル化合物、コバルト化合物)の混合比率は、ナトリウム複合酸化物のX線回折パターンにおける後述のピーク強度比R(b/a)が特定範囲となるように決定される。具体的には、O2リチウム過剰酸化物を作製する場合よりも、やや過剰のリチウム化合物を混合する。このとき、リチウム化合物の量が多すぎると、ピーク強度比R(b/a)が特定範囲を超えて目的とするナトリウム複合酸化物が得られないため、厳密な添加量調整が不可欠である。混合方法は、これらを均一に混合できるものであれば特に限定されず、ミキサー等の公知の混合機を用いた混合が例示できる。

0029

上記混合物の焼成は、大気中又は酸素気流中で行う。焼成温度は、600〜1100℃が好ましく、700〜1000℃がより好ましい。焼成時間は、焼成温度が600〜1100℃の場合、好ましくは1〜50時間である。焼成物は、公知の方法で粉砕することが好ましい。

0030

図2は、上記の方法により得られるナトリウム複合酸化物のX線回折パターンである。
図2に示すように、ナトリウム複合酸化物のX線回折測定により得られるX線回折パターンには、2θ=16°〜17°にピークトップがある第1ピークと、2θ=18°〜19°にピークトップがある第2ピークとが存在する。即ち、正極活物質の主成分であるLi2MnO3−LiMO2固溶体は、X線回折パターンの当該第1及び第2ピークを持つナトリウム複合酸化物から作製される。

0031

さらに、上記ナトリウム複合酸化物は、第1ピークの強度aに対する第2ピークの強度bの比R(b/a)が、0.001<R(b/a)<0.028を満たすものである。第1ピーク及び第2ピークの存在は、ナトリウム複合酸化物が2つの異なる結晶構造を有していることを示す。当該ナトリウム複合酸化物のイオン交換により、上記Li2MnO3−LiMO2固溶体を作製することができる。

0032

上記ナトリウム複合酸化物は、一般式Naα[Liβ1Mnβ2M(1-β1-β2)]O(2±z){0.67<α<1.1、0<β1<0.33、0.5<β2<0.95、0≦γ<0.1、Mは少なくとも1種の金属元素}で表されるものが好適である。金属元素Mは、例えばNi、Co、Fe、Al、Mg、Ti、Sn、Zr、Nb、Mo、W、Bi、Cr、V、Ce、K、Ga、及びInから選択される少なくとも1種である。ナトリウム複合酸化物は、遷移金属として、Mnの他にNi及びCoの少なくとも一方を含有することが好ましく、Ni及びCoの両方を含有することがより好ましい。

0033

イオン交換の方法は、以下の通りである。
NaをLiにイオン交換する好適な方法としては、例えばリチウム塩溶融塩床をナトリウム複合酸化物に加えて加熱する方法が挙げられる。リチウム塩には、LiNO3、LiNO2、Li2SO4、LiCl、Li2CO3、LiOH、LiI、LiBr等から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。イオン交換処理時における加熱温度は、180〜380℃が好ましく、230〜330℃がより好ましい。

0034

上記イオン交換処理の方法としては、少なくとも1種のリチウム塩を含む溶液中にナトリウム複合酸化物を浸漬する方法も適している。この場合は、リチウム化合物を溶解させた溶剤中にナトリウム複合酸化物を投入し、加熱処理する。イオン交換速度を高めるため、溶剤の沸点付近で溶媒還流させながら、又は加圧することで沸騰を抑制した状態でイオン交換処理することが好ましい。処理温度は80〜200℃が好ましく、100〜180℃がより好ましい。

0035

以上の工程により、X線回折パターンのピーク強度比R(B/A)が特定の範囲内(0.001<R(B/A)<0.03)にあるLi2MnO3−LiMO2固溶体が得られる。

0036

〔負極〕
負極は、例えば金属箔等の負極集電体と、負極集電体上に形成された負極活物質層とを備える。負極集電体には、アルミニウムや銅などの負極の電位範囲で安定な金属の箔、当該金属を表層に配置したフィルム等を用いることができる。負極活物質層は、リチウムイオン吸蔵・放出可能な負極活物質の他に、結着剤を含むことが好適である。また、必要により導電材を含んでいてもよい。

0037

負極活物質としては、天然黒鉛人造黒鉛、リチウム、珪素炭素、錫、ゲルマニウム、アルミニウム、鉛、インジウムガリウムリチウム合金、予めリチウムを吸蔵させた炭素並びに珪素、及びこれらの合金並びに混合物等を用いることができる。結着剤としては、正極の場合と同様にPTFE等を用いることもできるが、スチレンブタジエン共重合体SBR)又はこの変性体等を用いることが好ましい。結着剤は、CMC等の増粘剤と併用されてもよい。

0038

〔非水電解質〕
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解した電解質塩とを含む。非水電解質は、液体電解質非水電解液)に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。非水溶媒には、例えばエステル類エーテル類アセトニトリル等のニトリル類ジメチルホルムアミド等のアミド類、及びこれらの2種以上の混合溶媒等を用いることができる。

0040

上記エーテル類の例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランプロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサンフラン2−メチルフラン、1,8−シネオールクラウンエーテル等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタンジエチルエーテルジプロピルエーテルジイソプロピルエーテルジブチルエーテルジヘキシルエーテルエチルビニルエーテルブチルビニルエーテルメチルフェニルエーテルエチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエンベンジルエチルエーテルジフェニルエーテルジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテルジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテルテトラエチレングリコールジメチル等の鎖状エーテル類などが挙げられる。

0041

非水溶媒は、上記各種溶媒の水素フッ素等のハロゲン原子置換したハロゲン置換体を含有することが好適である。特に、フッ素化環状炭酸エステルフッ素化鎖状炭酸エステルが好ましく、両者を混合して用いることがより好ましい。これにより、負極はもとより正極においても良好な保護被膜が形成されてサイクル特性が向上する。フッ素化環状炭酸エステルの好適な例としては、4−フルオロエチレンカーボネート、4,5−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4−ジフルオロエチレンカーボネート、4,4,5−トリフルオロエチレンカーボネート、4,4,5,5−テトラフルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。フッ素化鎖状エステルの好適な例としては、2,2,2−トリフルオロ酢酸エチル、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸メチル、ペンタフルオロプロピオン酸メチル等が挙げられる。

0042

上記電解質塩は、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩の例としては、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(FSO2)2、LiN(C1F2l+1SO2)(CmF2m+1SO2)(l,mは1以上の整数)、LiC(CPF2p+1SO2)(CqF2q+1SO2)(CrF2r+1SO2)(p,q,rは1以上の整数)、Li[B(C2O4)2](ビスオキサレートホウ酸リチウム(LiBOB))、Li[B(C2O4)F2] 、Li[P(C2O4)F4]、Li[P(C2O4)2F2]等が挙げられる。これらのリチウム塩は、1種類で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。

0043

〔セパレータ〕
セパレータには、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布等が挙げられる。セパレータの材質としては、ポリエチレンポリプロピレン等のオレフィン系樹脂セルロースなどが好適である。セパレータは、セルロース繊維層及びオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂繊維層を有する積層体であってもよい。

0044

以下、実施例により本開示をさらに詳説するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。

0045

<実施例1>
[Li2MnO3−LiMO2固溶体(正極活物質)の作製]
NiSO4、CoSO4、及びMnSO4を13.5:13.5:73の化学量論比となるように水溶液中で混合し、共沈させることで前駆体物質である(Ni,Co,Mn)(OH)2を得た。次に、この前駆体物質、Na2CO3、及びLiOH・H2Oを85:74:15の化学量論比となるように混合し、さらに追加のLiOH・H2Oを混合した後、この混合物を900℃で10時間保持して、ナトリウム複合酸化物を合成した。LiOH・H2Oの追加分は、ナトリウム複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)が0.0035となるように添加量を調整した。

0046

誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(Thermo Fisher Scientific社製、商品名「iCAP6300」)を用いて、得られたナトリウム複合酸化物の組成分析した。その結果、Na:Li:Mn:Co:Ni=0.756:0.145:0.625:0.115:0.115であった。

0047

粉末X線回折装置(リガク社製、商品名「RINT2200」)を用いて、得られたナトリウム複合酸化物のピーク強度比R(b/a)を求めた。その結果、当該ナトリウム複合酸化物のX線回折パターンには、2θ=16°〜17°にピークトップを有する第1ピーク、及び2θ=18°〜19°にピークトップを有する第2ピークが確認され、ピーク強度比R(b/a)は0.0036であった。

0048

次に、硝酸リチウム塩化リチウムを88:12のモル比で混合した溶融塩床を、合成したナトリウム複合酸化物5gに対し5倍当量(25g)加えた。その後、当該混合物を280℃で2時間保持させ、ナトリウム複合酸化物のNaをLiにイオン交換して、リチウム過剰型のリチウム複合酸化物(Li2MnO3−LiMO2固溶体)を作製した。

0049

上記ICP発光分光分析装置を用いて、得られたリチウム複合酸化物組成を分析した。その結果、Na:Li:Mn:Co:Ni=0.0005:0.889:0.625:0.115:0.115であった。

0050

上記粉末X線回折装置を用いて、得られたリチウム複合酸化物のピーク強度比R(B/A)を求めた。その結果、当該リチウム複合酸化物のX線回折パターンには、2θ=18°〜19°にそれぞれピークトップを含む2つのピークが確認され、ピーク強度比R(B/A)は0.007であった。結晶構造解析の結果、主たる結晶構造は、空間群P63mcに属するO2構造であり、0.4%のccp構造(ピーク強度比R(B/A)に基づいて算出)を含むことが分かった。また、リートベルト解析から、当該リチウム複合酸化物は、Li0.744Na0.0005[Li0.145Mn0.625Co0.115Ni0.115]O2で表されるLi2MnO3−LiMO2固溶体であることが確認された。

0051

電解液の調整]
4−フルオロエチレンカーボネート(FEC)と、フルオロエチルメチルカーボネート(FEMC)とを体積比が1:3となるように混合して非水溶媒を得た。当該非水溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1.0mol/Lの濃度になるように溶解させて電解液を作製した。

0052

コイン型非水電解質二次電池の作製]
以下の手順により、図3に示すコイン型非水電解質二次電池10(以下、「コイン型電池10」という)を作製した。まず、得られたLi2MnO3−LiMO2固溶体を正極活物質、アセチレンブラックを導電剤、ポリフッ化ビニリデンを結着剤として、正極活物質、導電剤、結着剤の質量比が80:10:10となるように混合した。次に、当該混合物をN−メチル−2−ピロリドンを用いてスラリー化した。このスラリーを正極集電体であるアルミニウム箔集電体上に塗布し、110℃で真空乾燥して正極11を作製した。

0053

次に、封口板12及びケース13を有する電池外装体を用意し、露点−50℃以下のドライエアー下で、封口板12の内面に厚さ0.3mmのリチウム金属箔を負極14として貼り付けた。負極14上にセパレータ15を配置し、続いて正極活物質層がセパレータ15と対向するように正極11を配置した。さらに正極11のセパレータ15と反対側に、ステンレス製当て板16及び皿バネ17を配置した。そして、調整した電解液を封口板12の凹部に満たした後、封口板12にガスケット18及びケース13を取り付けて、コイン型電池10を作製した。

0054

ナトリウム複合酸化物のピーク強度比R(b/a)、Li2MnO3−LiMO2固溶体のピーク強度比R(B/A)、及びLi2MnO3−LiMO2固溶体に含まれるccp構造の含有量は、後述の放電容量と共に表1に示した(以下の実施例、比較例についても同様)。

0055

<実施例2〜5>
ナトリウム複合酸化物の合成において、当該複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)が目標値となるように、LiOH・H2Oの追加分の添加量をそれぞれ調整した以外は、実施例1と同様にして、コイン型電池を作製した。なお、表1に示すピーク強度比R(b/a)は、粉末X線回折測定により得られた分析結果であり、目標値は当該値に近似する値である(以下同様)。

0056

上記粉末X線回折装置を用いて、実施例2〜5で得られたリチウム複合酸化物のX線回折パターンを測定した結果、ピーク強度比R(B/A)はそれぞれ表1に示す値であった。
なお、得られたリチウム複合酸化物は、実施例1の場合と同じ組成を有するLi2MnO3−LiMO2固溶体であった。

0057

<実施例6〜11>
NiSO4、CoSO4、及びMnSO4を6.5:13.5:80の化学量論比となるように水溶液中で混合し、共沈させることで前駆体物質である(Ni,Co,Mn)(OH)2を得た。次に、この前駆体物質、Na2CO3、及びLiOH・H2Oを85:74:15の化学量論比となるように混合し、さらに追加のLiOH・H2Oを混合した後、この混合物を900℃で10時間保持して、ナトリウム複合酸化物を合成した。このとき、ナトリウム複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)が目標値(表1に示す値)となるように、LiOH・H2Oの追加分の添加量をそれぞれ調整した。
以上の工程以外は、実施例1と同様にして、コイン型電池を作製した。

0058

上記ICP発光分光分析装置を用いて、実施例6〜11で得られたリチウム複合酸化物の組成を分析した結果、いずれもNa:Li:Mn:Co:Ni=0.0004:0.932:0.666:0.112:0.054であった。
上記粉末X線回折装置を用いて、実施例6〜11で得られたリチウム複合酸化物のX線回折パターンを測定した結果、ピーク強度比R(B/A)はそれぞれ表1に示す値であった。
また、リートベルト解析から、当該リチウム複合酸化物は、いずれもLi0.765Na0.0004[Li0.167Mn0.666Co0.112Ni0.054]O2で表されるLi2MnO3−LiMO2固溶体であることが確認された。

0059

<実施例12〜16>
NiSO4、CoSO4、及びMnSO4を13.5:6.5:80の化学量論比となるように水溶液中で混合し、共沈させることで前駆体物質である(Ni,Co,Mn)(OH)2を得た。次に、この前駆体物質、Na2CO3、及びLiOH・H2Oを85:74:15の化学量論比となるように混合し、さらに追加のLiOH・H2Oを混合した後、この混合物を900℃で10時間保持して、ナトリウム複合酸化物を合成した。このとき、ナトリウム複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)が、目標値(表1に示す値)となるように、LiOH・H2Oの追加分の添加量をそれぞれ調整した。
以上の工程以外は、実施例1と同様にして、コイン型電池を作製した。

0060

上記ICP発光分光分析装置を用いて、実施例12〜16で得られたリチウム複合酸化物の組成を分析した結果、いずれもNa:Li:Mn:Co:Ni=0.0004:0.896:0.684:0.056:0.115であった。
上記粉末X線回折装置を用いて、実施例12〜16で得られたリチウム複合酸化物のX線回折パターンを測定した結果、ピーク強度比R(B/A)はそれぞれ表1に示す値であった。また、リートベルト解析から、当該リチウム複合酸化物は、いずれもLi0.751Na0.0004[Li0.145Mn0.684Co0.056Ni0.115]O2で表されるLi2MnO3−LiMO2固溶体であることが確認された。

0061

<比較例1>
ナトリウム複合酸化物の合成において、追加のLiOH・H2Oを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、コイン型電池を作製した。

0062

上記粉末X線回折装置を用いて、得られたリチウム複合酸化物のX線回折パターンを測定した結果、高角度側ピークは確認できなかった(ピーク強度比R(B/A)は0)。
なお、得られたリチウム複合酸化物は、実施例1の場合と同じ組成を有するLi2MnO3−LiMO2固溶体であった。

0063

<比較例2>
ナトリウム複合酸化物の合成において、追加のLiOH・H2Oを添加しなかった以外は、実施例12と同様にして、コイン型電池を作製した。

0064

上記粉末X線回折装置を用いて、得られたリチウム複合酸化物のX線回折パターンを測定した結果、高角度側ピークは確認できなかった(ピーク強度比R(B/A)は0)。
なお、得られたリチウム複合酸化物は、実施例12の場合と同じ組成を有するLi2MnO3−LiMO2固溶体であった。

0065

<比較例3,4>
ナトリウム複合酸化物の合成において、当該複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)が目標値(表1に示す値)となるように、LiOH・H2Oの追加分の添加量をそれぞれ調整した以外は、実施例1と同様にして、コイン型電池を作製した。

0066

上記粉末X線回折装置を用いて、比較例3,4で得られたリチウム複合酸化物のX線回折パターンを測定した結果、ピーク強度比R(B/A)はそれぞれ表1に示す値であった。
なお、得られたリチウム複合酸化物は、実施例1の場合と同じ組成を有するLi2MnO3−LiMO2固溶体であった。

0067

<比較例5>
ナトリウム複合酸化物の合成において、当該複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)が目標値(表1に示す値)となるように、LiOH・H2Oの追加分の添加量を調整した以外は、実施例6と同様にして、コイン型電池を作製した。

0068

上記粉末X線回折装置を用いて、得られたリチウム複合酸化物のX線回折パターンを測定した結果、ピーク強度比R(B/A)はそれぞれ表1に示す値であった。
なお、得られたリチウム複合酸化物は、実施例6の場合と同じ組成を有するLi2MnO3−LiMO2固溶体であった。

0069

[放電容量の評価]
実施例及び比較例で作製したコイン型電池について、15mA/gの定電流電池電圧が4.7Vに達するまで充電した後、15mA/gの定電流で電池電圧が2.0Vに達するまで放電を行い、このときの放電容量を求めた。充放電試験は、ソーラトロン社製の電気化学測定ステムを用いて行った。評価結果は表1に示した。

0070

※正極活物質に含有される遷移金属の組成
M1 Mn:Ni:Co=73:13.5:13.5
M2 Mn:Ni:Co=80:6.5:13.5
M3 Mn:Ni:Co=80:13.5:6.5

0071

表1に示すデータに基づいて、図4及び図5を作製した。
図4は、実施例及び比較例で作製したコイン型電池において、正極活物質のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(B/A)×100と、放電容量との関係を示す図である。図5は、正極活物質の作製に用いられるナトリウム複合酸化物のX線回折パターンにおけるピーク強度比R(b/a)×100と、放電容量との関係を示す図である。

0072

図4から明らかであるように、ピーク強度比R(B/A)が0.001<R(B/A)<0.03(0.1<R(B/A)×100<3)を満たす実施例のコイン型電池は、当該条件を満たさない比較例のコイン型電池に対して、放電容量が特異的に向上している。即ち、ピーク強度比R(B/A)が0.001未満である場合(比較例1,2)、ピーク強度比R(B/A)が0.03を超える場合(比較例3〜4)のいずれにおいても、当該条件を満たす場合に比べて放電容量が低下する。特に、ピーク強度比R(B/A)が0.03を超える場合は放電容量の低下が大きくなる。

0073

上記のように、低角度側ピーク(強度A)は、例えばO2構造に起因し、高角度側ピーク(強度B)は、例えばO3構造等のccp構造に起因するものであるから、正極活物質は主たる結晶構造がO2構造であり、ccp構造をわずかに含む場合に、放電容量が特異的に向上する。この特異的な効果は、主たる結晶構造をO2構造とすることで遷移金属のマイグレーションが抑制され、ccp構造をわずかに含有させることで遷移金属層におけるLiの移動が促進されたことによると考えられる。つまり、正極活物質の結晶構造を純粋なO2構造とするのではなく、わずかなccp構造を意図的に作ることで、高い放電容量を得ることができる。一方、ccp構造の含有量が1.9体積%よりも多いと放電容量がかえって低下する。このように、放電容量の特異的な向上は、ccp構造の含有量が0.03〜1.9体積%(又は0.05〜1.8体積%)という極めて限定された範囲内でのみ得られる。

実施例

0074

なお、図5に示すように、ピーク強度比R(b/a)が0.001<R(b/a)<0.028(0.1<R(B/A)×100<2.8)を満たすナトリウム複合酸化物を用いた場合に、当該条件を満たさないナトリウム複合酸化物を用いた比較例のコイン型電池に対して、放電容量が特異的に向上している。

0075

10コイン型非水電解質二次電池、11 正極、12封口板、13ケース、14負極、15セパレータ、16当て板、17皿バネ、18 ガスケット

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