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技術 スクラップの溶解方法およびこの溶解方法を用いた金属回収方法

出願人 JX金属株式会社
発明者 河村寿文
出願日 2014年3月18日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-055314
公開日 2015年10月8日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-178642
状態 特許登録済
技術分野 固体廃棄物の処理 金属の製造または精製 二次電池の保守(温度調整,ガス除去)
主要キーワード スクラップ粉 析出分離 ガラスコーティング 化学溶解 対象金属 回収対象 理論当量 酸性抽出剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年10月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

スクラップを有効に溶解させることを可能にするスクラップの溶解方法およびこの方法を用いたスクラップからの金属の回収方法を提供する。

解決手段

本発明は、金属または金属酸化物のスクラップを溶解させる方法であって、酸浸出を行うに際して、浸出対象の金属よりも卑な金属からなる遷移金属化合物を添加することを特徴とするスクラップの溶解方法である。

概要

背景

金属および金属化合物から金属を回収するのに、通常酸による化学溶解処理を用いることは非常に一般的である。この場合、金属の回収率を上げるためには、可能な限り多くの金属、好ましくは全量の金属を溶解させることが求められる。そのため、強酸下で理論当量の数倍量の酸を使用したり、電位(ORP)平坦化のための過酸化水素水等の助剤を添加するなどの工夫が必要となる。

例えば、特許文献1に記載された技術では、リチウムイオン二次電池用正極活物質を代表する物質であるコバルト酸リチウムから効率よくコバルトを回収する技術が開示されている。この技術によれば、重量比でコバルト酸リチウムを1に対し、硫酸を1.47〜1.67、水を0.67〜4.0の割合で希釈した硫酸を用いて、リチウムイオン二次電池用正極活物質を溶解させ、その溶解液を60℃以上に保持し、さらに過酸化水素水を添加して電位をさげ、そこへ硫酸を添加してpHを0.4〜0.8に調整して、全量溶解させている。その後、冷却して硫酸コバルト析出させている。

概要

スクラップを有効に溶解させることを可能にするスクラップの溶解方法およびこの方法を用いたスクラップからの金属の回収方法を提供する。本発明は、金属または金属酸化物のスクラップを溶解させる方法であって、酸浸出を行うに際して、浸出対象の金属よりも卑な金属からなる遷移金属化合物を添加することを特徴とするスクラップの溶解方法である。なし

目的

本発明は、スクラップを有効に溶解させることを可能にするスクラップの溶解方法およびこの方法を用いたスクラップからの金属の回収方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金属または金属酸化物スクラップを溶解させる方法であって、鉱酸にて酸浸出を行うに際して、浸出対象の金属よりも卑な金属からなる遷移金属化合物を添加することを特徴とするスクラップの溶解方法

請求項2

前記浸出対象の金属が、前記スクラップに含有される量に対して90重量%以上、浸出液に溶解することを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

前記遷移金属化合物の金属元素が、Fe、Ni、Co、Mnの一種であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記スクラップがLi、Ni、Co、Mnを少なくとも二種類含むリチウムイオン二次電池用正極材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。

請求項5

前記スクラップが破砕されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法によりスクラップを浸出液に溶解させた後、前記遷移金属化合物を不溶物として除去し、浸出後液から金属を回収することを特徴とするスクラップからの金属の回収方法

技術分野

0001

本発明は、スクラップ溶解方法およびこの溶解方法を用いた金属回収方法に関する。

背景技術

0002

金属および金属化合物から金属を回収するのに、通常酸による化学溶解処理を用いることは非常に一般的である。この場合、金属の回収率を上げるためには、可能な限り多くの金属、好ましくは全量の金属を溶解させることが求められる。そのため、強酸下で理論当量の数倍量の酸を使用したり、電位(ORP)平坦化のための過酸化水素水等の助剤を添加するなどの工夫が必要となる。

0003

例えば、特許文献1に記載された技術では、リチウムイオン二次電池用正極活物質を代表する物質であるコバルト酸リチウムから効率よくコバルトを回収する技術が開示されている。この技術によれば、重量比でコバルト酸リチウムを1に対し、硫酸を1.47〜1.67、水を0.67〜4.0の割合で希釈した硫酸を用いて、リチウムイオン二次電池用正極活物質を溶解させ、その溶解液を60℃以上に保持し、さらに過酸化水素水を添加して電位をさげ、そこへ硫酸を添加してpHを0.4〜0.8に調整して、全量溶解させている。その後、冷却して硫酸コバルト析出させている。

先行技術

0004

特開2005−022887号公報

発明が解決しようとする課題

0005

ところで、実際のスクラップから所望の金属を回収する場合、特に回収しようとする金属を全量溶解させることが困難であり、溶解しきれなかった分が回収されずロスとなる。全量溶解させるために、過剰量の酸を使用したり、過酸化水素水などの助剤を用いることは、高価な薬剤を用いることになり、経済的な方法とはいえない。しかも、それでもなお、金属の全量回収という目標には達していない。

0006

そこで、本発明は、スクラップを有効に溶解させることを可能にするスクラップの溶解方法およびこの方法を用いたスクラップからの金属の回収方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

スクラップの浸出を行うという観点から、浸出液回収対象となる金属の全量を溶解させることは全量回収という目標を達成するためには重要である。そこで、本発明者が鋭意検討した結果、回収対象とする金属よりも卑な金属からなる遷移金属化合物を浸出液に添加することにより、回収対象金属が非常によく溶解することを見出し、本発明を完成させた。

0008

すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1)金属または金属酸化物のスクラップを溶解させる方法であって、
鉱酸にて酸浸出を行うに際して、浸出対象の金属よりも卑な金属からなる遷移金属化合物を添加することを特徴とするスクラップの溶解方法。
(2)前記浸出対象の金属が、前記スクラップに含有される量に対して90重量%以上、浸出液に溶解することを特徴とする(1)に記載の方法。
(3)前記遷移金属化合物の金属元素が、Fe、Ni、Co、Mnの一種であることを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記スクラップがLi、Ni、Co、Mnを少なくとも二種類含むリチウムイオン二次電池用正極材であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記スクラップが破砕されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の方法によりスクラップを浸出液に溶解させた後、前記遷移金属化合物を不溶物として除去し、浸出後液から金属を回収することを特徴とするスクラップからの金属の回収方法。

発明の効果

0009

本発明によれば、スクラップを有効に溶解させることを可能にし、これにより高回収率でスクラップから金属を回収することが可能になる。

図面の簡単な説明

0010

実施例1と比較例1とを比較するためのグラフである。

0011

一つの側面から、本発明は、スクラップの溶解方法を提供する。
すなわち、本発明は、金属または金属酸化物のスクラップを溶解させる方法であって、鉱酸にて酸浸出を行うに際して、浸出対象の金属よりも卑な金属からなる遷移金属化合物を添加することを特徴とするスクラップの溶解方法である。

0012

本発明の対象となるスクラップは、金属または金属酸化物を含むものであれば特に限定されないが、Li、Ni、Co、Mnを少なくとも二種類含む電子材料、例えば半導体及び電子部品液晶ディスプレイ工具コーティングガラスコーティング光ディスクハードディスク太陽電池リチウムイオン2次電池用正極材や当該正極材等由来のスクラップが挙げられる。また、このスクラップは、溶解の効率を考慮すると、予め破砕して粉状にしておくことが好ましい。

0013

また、酸浸出に用いる鉱酸は、硫酸、塩酸硝酸などが挙げられ、中でも硫酸が好ましい。また、酸浸出の条件であるが、pHが1以下、温度が60℃以上であることが好ましい。

0014

また、酸浸出に際して、浸出対象の金属よりも卑な遷移金属化合物であるが、金属元素は浸出対象となる金属に応じて、適宜選択される。具体的には、Fe、Ni、Co、Mnのいずれかから選択される。
例えば、浸出対象の金属がLi、Ni、Coである場合、これらよりも卑であるMnが遷移金属化合物の金属元素として用いることができる。また、遷移金属化合物は、この金属元素の硫酸塩、塩酸塩硝酸塩酢酸塩酸化物などが挙げられる。

0015

遷移金属化合物は、(目標浸出率−酸のみによる浸出率)分の遷移金属となるように添加することが好ましい。この割合で遷移金属化合物を使用することにより、浸出対象の金属が浸出液に効率よく溶解する。その溶解する割合は、各金属について正極材原料に含まれる重量に対して90重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは99重量%以上である。
酸浸出に際して、浸出液にスクラップを溶解させる際に、浸出対象の金属よりも卑な遷移金属化合物を添加することにより、浸出対象の金属が効率よく溶解する理由は明らかではないが、おそらく添加した遷移金属化合物が、対象金属からなる化合物において、酸化還元反応により対象金属と置換して、対象金属を塩の形とすることで効率よく溶解するものと考えられる。
このようにして、従来において、多量の酸を用いた酸浸出だけでは溶解が難しかった金属分を効率よく溶解することができる。これにより、酸浸出に要する酸を減らすことが可能になり、浸出時間も短縮される。

0016

例えば、リチウムイオン二次電池用正極材を例に挙げると、浸出対象の金属の合計の2当量という大量の硫酸で溶解させても100%の溶解はしないが、マンガン化合物、例えば硫酸マンガンを添加することにより1当量の硫酸を用いるだけで100%近い浸出対象の金属が短時間で溶解できるようになる。

0017

他の側面から、本発明は、スクラップからの金属の回収方法を提供する。
すなわち、本発明は、上述した方法によりスクラップを浸出液に溶解させた後、前記遷移金属化合物を不溶物として除去し、浸出後液から金属を回収することを特徴とするスクラップからの金属の回収方法である。

0018

浸出後液から金属を回収する方法としては、溶媒抽出法電解法などが挙げられ、金属として分離するか、あるいは合金として回収することが可能である。
溶媒抽出法では、通常の金属抽出に用いられる抽出剤、例えばジ(2−エチルヘキシルホスホリックアシッド(D2EHPA)や、2−エチルヘキシル 2−エチルヘキシルホスホン酸(PC88A)などの有機リン酸型の酸性抽出剤を適宜pHを調整して有機相各金属イオンを抽出し、任意の酸で逆抽出を行うことで、分離回収が可能である。
また、電解法では、浸出後液をそのまま電解液として用いて、カソードアノードとを設置し、定電流にて電解を行うことで、カソードまたはアノード表面電析させることで回収が可能である。

0019

以下、本発明の実施例を示すが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Li、Ni、Co、Mnの酸化物からなる3元系正極材のスクラップ粉1kgを1当量分の硫酸を含有した硫酸水溶液10Lに懸濁させた。続いてその懸濁液に硫酸マンガン200gを添加した。80℃で20時間浸出した結果、正極材スクラップに含まれる各金属の含有量に対して、Liは100重量%、Niは100重量%、Coは99重量%溶解した。Mnは不溶となった。この系で特に価値の高い、NiとCoを効率よく溶解することができた。
なお、この液を通常の条件で電解採取することで、NiとCoを析出分離することが出来る。

0020

(実施例2)
Li、Ni、Co、Mnの酸化物からなる3元系正極材のスクラップ粉1kgを1当量分の硫酸を含有した硫酸水溶液10Lに懸濁させた。続いてその懸濁液に硫酸マンガン500gを添加した。80℃で5時間浸出した結果、正極材スクラップに含まれる各金属の含有量に対して、Liは100重量%、Niは100重量%、Coは99重量%溶解した。Mnは不溶となった。この系で特に価値の高い、NiとCoを効率よく溶解することができた。なお、この液を電解採取することで、NiとCoを析出分離することが出来る。

0021

(比較例1)
実施例1で、硫酸マンガンを添加しない以外は、同様に酸浸出した。80℃で20時間浸出した結果、正極材スクラップに含まれる各金属の含有量に対して、Liは100重量%、Niは60重量%、Coは60重量%溶解した。Mnは不溶となった。この系で特に価値の高い、NiとCoは全量溶解することができなかった。

0022

(比較例2)
実施例1で、硫酸マンガンを添加しない以外は、同様に酸浸出した。酸濃度は3当量分を加えた。80℃で20時間浸出した結果、正極材スクラップに含まれる各金属の含有量に対して、Liは100重量%、Niは80重量%、Coは80重量%溶解した。Mnは不溶となった。この系で特に価値の高い、NiとCoは全量溶解することができなかった。

実施例

0023

ここで、実施例1と比較例1について、Li、Ni、Coの浸出率の時間変化を、図1のグラフに示す。
図1によれば、Li、Ni、Co、Mnを含む正極材スクラップに、硫酸マンガンを添加した場合(実施例1)と、しなかった場合(比較例1)とで、Li、Ni、Coに有意な差が見られた。特に、実施例1においては、比較的速い段階で80%以上が溶解し、時間が経つと100%近くの金属が溶解するに至った。一方で、比較例1では、時間をかけたとしても実施例1にて実現された高い割合の溶解は起こらないと予測された。

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