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技術 光偏向装置、光偏向ミラー及び画像表示装置

出願人 株式会社リコー
発明者 新川瑞季橋口強
出願日 2014年3月13日 (5年5ヶ月経過) 出願番号 2014-050337
公開日 2015年10月5日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2015-175889
状態 特許登録済
技術分野 機械的光走査系 電気信号の光信号への変換
主要キーワード 温度傾き 動作成分 周辺環境温度 のこぎり波形 光偏向ミラー 光強度ムラ 弾性梁 環境温度範囲
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図面 (13)

課題

簡易な構成で周辺環境温度によらず走査均一性を確保することができ、輝度ムラ画像歪みの発生を抑制して高品質画質を得ることができる光偏向ミラーを提供する。

解決手段

反射面2aを有するミラー2と、ミラー2を回転可能に支持するとともに複数の折返部4cを有して蛇行して形成した一対の蛇行状梁部4と、蛇行状梁部4の各梁部4a,4bにそれぞれ設けた複数の圧電部材5a,5bと、を有し、複数の圧電部材5a,5bに電圧波形印加することにより各梁部4a,4bを変形させ、その変形の累積によりミラー2を回転駆動させる光偏向装置において、各圧電部材5a,5bに印加する電圧波形の駆動周波数を個別に調整する電圧調整部を有する。

概要

背景

近年、光偏向装置や、それを用いた画像表示装置等の小型化並びに低コスト化を可能とするものとして、半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術によって製造される光偏向ミラーが開発されている。

この光偏向ミラーは、シリコンガラス微細加工して製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスとして、基板上に反射面を設けた可動部や弾性梁状部を一体形成し、光ビームを偏向・走査する。

また、このような光偏向ミラーのミラー駆動方式としては、弾性梁状部材薄膜化した圧電材料を重ね合わせた圧電アクチュエータ方式がある。

この圧電アクチュエータ方式においては、圧電材料の圧電特性から材料の伸縮カンチレバーとなる支持体に伝えることでカンチレバーを上下に振動させることにより、ミラー回動させるようにしている。

そして、このミラーを、光ビームの光軸と直行する同一面内において、互いに直行する第1軸(水平方向)と第2軸(垂直方向)との2軸を中心軸として回動させることによって二次元光走査を可能としている。

一方、このような光偏向ミラーを用いた光偏向装置で二次元光走査を行う際には、水平方向の光走査機械的な共振周波数を使用する共振駆動を用い、垂直方向の光走査に関しては、非共振駆動を用いるのが通例となっている。

例えば、水平走査に対する共振駆動としては、カンチレバーの一端を枠部に固定して支持し、カンチレバーの他端を圧電駆動により振動させる。このカンチレバーの振動によって発生するトルクをカンチレバーの他端に連結したトーションバー(弾性梁状部材)に伝え、トーションバーの先端に設置したミラーを回転駆動させる。これにより、低電圧駆動で大きな走査角を得ることができる。

一方、垂直方向に対する非共振駆動を用いるのは、例えば、画像表示装置等に適用した場合の表示画像高精細化や面内均一化を達成するためには、ラスタ走査が必要となるためである。

通常、ラスタ走査をさせるには、駆動信号として、のこぎり波を用いる。ところが、このような駆動の高調波に対して、可動部の重さとカンチレバーの剛性等によって決まる共振の振動成分が干渉することがある。

この光走査における共振の振動成分の干渉は、輝度ムラ画像歪み等の発生要因となって表示画像の画質劣化させてしまうため、印加する駆動信号の振幅位相を調整して共振による振動を抑制する必要がある。

しかしながら、光偏向装置の周辺温度変化を初めとして環境変化が生じると、光偏向ミラーの構造の物性値や圧電特性の変化に応じて副走査方向の共振特性も変化してしまう。その結果、常温を基準として光走査の干渉が抑制されるように調整した駆動信号が適合しなくなることがある。

これはラスタ走査における表示画像の経時的な輝度ムラや画像歪みの変動などとなって現れ、環境温度に依存して画質が劣化・不安定してしまうという問題があった。

そこで、ラスタ走査における走査速度の均一性を確保する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。

一般に、2軸での光走査を行う場合、垂直方向の光走査は非共振駆動の高調波と垂直方向走査用の構造による共振周波数が干渉することで波打ち現象が生じ、走査が不均一になる。

そのため、特許文献1では、光走査の速度を検出する速度検出手段を設け、その速度検出信号に基づいて走査駆動手段へのフィードバックを行い、光走査の走査速度の不均一性を低減させている。

概要

簡易な構成で周辺環境温度によらず走査の均一性を確保することができ、輝度ムラや画像歪みの発生を抑制して高品質な画質を得ることができる光偏向ミラーを提供する。反射面2aを有するミラー2と、ミラー2を回転可能に支持するとともに複数の折返部4cを有して蛇行して形成した一対の蛇行状梁部4と、蛇行状梁部4の各梁部4a,4bにそれぞれ設けた複数の圧電部材5a,5bと、を有し、複数の圧電部材5a,5bに電圧波形を印加することにより各梁部4a,4bを変形させ、その変形の累積によりミラー2を回転駆動させる光偏向装置において、各圧電部材5a,5bに印加する電圧波形の駆動周波数を個別に調整する電圧調整部を有する。

目的

本発明は、軸のラスタ走査における、垂直方向の光走査について駆動信号を制御することで走査速度の不均一性を低減させる際における上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、光偏向装置及びこの光偏向装置を用いた画像表示装置において、簡易な構成で周辺環境温度によらず走査の均一性を確保することができ、輝度ムラや画像歪みの発生を抑制して高品質な画質を得ることができる光偏向装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

反射面を有するミラーと、前記ミラーを回転可能に支持するとともに複数の折返部を有して蛇行して形成した一対の蛇行状梁部と、前記蛇行状梁部の前記各梁部にそれぞれ設けた複数の圧電部材と、を有し、前記複数の圧電部材に電圧波形印加することにより前記各梁部を変形させ、その変形の累積により前記ミラーを回転駆動させる光偏向装置において、前記各圧電部材に印加する電圧波形の駆動周波数を個別に調整する電圧調整部を有することを特徴とする光偏向装置。

請求項2

請求項1に記載の光偏向装置において、前記電圧調整部は、前記複数の圧電部材と対応する前記複数の梁部に対して一つ置きに異なる2種類の電圧波形を印加するとともに、当該2種類の印加電圧波形の駆動周波数を個別に調整することを特徴とする光偏向装置。

請求項3

請求項2に記載の光偏向装置であって、前記2種類の印加電圧波形のそれぞれの駆動周波数を記憶部を備え、前記電圧調整部は、前記記憶部に記憶したそれぞれの駆動周波数の値に基づいて前記各圧電部材に電圧波形を印加することを特徴とする光偏向装置。

請求項4

請求項3に記載の光偏向装置であって、前記記憶部は、前記光偏向装置の共振周波数と、前記2種類の電圧波形のそれぞれの駆動周波数とを記憶し、前記電圧調整部は、前記記憶部に記憶した前記共振周波数と前記2種類の電圧波形のそれぞれの駆動周波数との相対値に基づいて前記各圧電部材に電圧を印加することを特徴とする光偏向装置。

請求項5

請求項4に記載の光偏向装置であって、前記電圧調整部は、前記共振周波数と前記それぞれの駆動周波数の割合が整数倍にならない駆動条件を満たすように前記各圧電部材に電圧を印加することを特徴とする光偏向装置。

請求項6

請求項5に記載の光偏向装置であって、前記電圧調整部は、前記各圧電部材に印加する電圧波形の最大値を個別に調整するとともに、前記駆動周波数の値を調整することを特徴とする光偏向装置。

請求項7

光軸と直交する同一面内で互いに直交する2軸を回動させることによって二次元光走査を行うミラーと、前記ミラーを回転可能に支持するとともに複数の梁部を折り返すように蛇行状に形成した蛇行状梁部と、前記蛇行状梁部の前記各梁部にそれぞれ設けた複数の圧電部材と、を有し、前記2軸のうち、少なくとも一方の軸周りの回転駆動に請求項1乃至請求項6の何れか1の請求項に記載の電圧波形が前記圧電部材に印加されることを特徴とする光偏向ミラー

請求項8

請求項1乃至請求項6のいずれか1の請求項に記載の光偏向装置を備えたことを特徴とする画像投影装置

技術分野

0001

本発明は、光偏向ミラーを用いた光偏向装置及び画像表示装置に関する。

背景技術

0002

近年、光偏向装置や、それを用いた画像表示装置等の小型化並びに低コスト化を可能とするものとして、半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術によって製造される光偏向ミラーが開発されている。

0003

この光偏向ミラーは、シリコンガラス微細加工して製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスとして、基板上に反射面を設けた可動部や弾性梁状部を一体形成し、光ビームを偏向・走査する。

0004

また、このような光偏向ミラーのミラー駆動方式としては、弾性梁状部材薄膜化した圧電材料を重ね合わせた圧電アクチュエータ方式がある。

0005

この圧電アクチュエータ方式においては、圧電材料の圧電特性から材料の伸縮カンチレバーとなる支持体に伝えることでカンチレバーを上下に振動させることにより、ミラー回動させるようにしている。

0006

そして、このミラーを、光ビームの光軸と直行する同一面内において、互いに直行する第1軸(水平方向)と第2軸(垂直方向)との2軸を中心軸として回動させることによって二次元光走査を可能としている。

0007

一方、このような光偏向ミラーを用いた光偏向装置で二次元光走査を行う際には、水平方向の光走査機械的な共振周波数を使用する共振駆動を用い、垂直方向の光走査に関しては、非共振駆動を用いるのが通例となっている。

0008

例えば、水平走査に対する共振駆動としては、カンチレバーの一端を枠部に固定して支持し、カンチレバーの他端を圧電駆動により振動させる。このカンチレバーの振動によって発生するトルクをカンチレバーの他端に連結したトーションバー(弾性梁状部材)に伝え、トーションバーの先端に設置したミラーを回転駆動させる。これにより、低電圧駆動で大きな走査角を得ることができる。

0009

一方、垂直方向に対する非共振駆動を用いるのは、例えば、画像表示装置等に適用した場合の表示画像高精細化や面内均一化を達成するためには、ラスタ走査が必要となるためである。

0010

通常、ラスタ走査をさせるには、駆動信号として、のこぎり波を用いる。ところが、このような駆動の高調波に対して、可動部の重さとカンチレバーの剛性等によって決まる共振の振動成分が干渉することがある。

0011

この光走査における共振の振動成分の干渉は、輝度ムラ画像歪み等の発生要因となって表示画像の画質劣化させてしまうため、印加する駆動信号の振幅位相を調整して共振による振動を抑制する必要がある。

0012

しかしながら、光偏向装置の周辺温度変化を初めとして環境変化が生じると、光偏向ミラーの構造の物性値や圧電特性の変化に応じて副走査方向の共振特性も変化してしまう。その結果、常温を基準として光走査の干渉が抑制されるように調整した駆動信号が適合しなくなることがある。

0013

これはラスタ走査における表示画像の経時的な輝度ムラや画像歪みの変動などとなって現れ、環境温度に依存して画質が劣化・不安定してしまうという問題があった。

0014

そこで、ラスタ走査における走査速度の均一性を確保する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0015

一般に、2軸での光走査を行う場合、垂直方向の光走査は非共振駆動の高調波と垂直方向走査用の構造による共振周波数が干渉することで波打ち現象が生じ、走査が不均一になる。

0016

そのため、特許文献1では、光走査の速度を検出する速度検出手段を設け、その速度検出信号に基づいて走査駆動手段へのフィードバックを行い、光走査の走査速度の不均一性を低減させている。

発明が解決しようとする課題

0017

しかしながら、このような構成にあっては、光走査の速度信号を検出するためには、追加のセンサ機構が必要となってしまい、デバイス全体の構成が複雑化するばかりでなく、デバイス全体の小型化をも阻害してしまうという問題が生じる。

0018

また、2軸での光走査を行うため、水平方向と垂直方向との信号の混入が避けられず、信号の混入を回避するための処理に負担が掛かるうえ、混入を完全に除去することは非常に困難であるという問題も生じる。

0019

さらに、環境温度の変化にも対応させる場合、センサ機構を含めるデバイス全体の温度依存性を検討し、フィードバック制御を行うための各機構や条件の最適化を行う必要があり、開発を含めて製品コストが高騰してしまうという問題も生じる。

0020

本発明は、軸のラスタ走査における、垂直方向の光走査について駆動信号を制御することで走査速度の不均一性を低減させる際における上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、光偏向装置及びこの光偏向装置を用いた画像表示装置において、簡易な構成で周辺環境温度によらず走査の均一性を確保することができ、輝度ムラや画像歪みの発生を抑制して高品質な画質を得ることができる光偏向装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0021

本発明に係る光偏向装置は、上記目的達成のため、反射面を有するミラーと、前記ミラーを回転可能に支持するとともに前記ミラーを回転可能に支持するとともに複数の折返部を有して蛇行して形成した一対の蛇行状梁部と、前記蛇行状梁部の前記各梁部にそれぞれ設けた複数の圧電部材と、を有し、前記複数の圧電部材に電圧波形を印加することにより前記各梁部を変形させ、その変形の累積により前記ミラーを回転駆動させる光偏向装置において、前記各圧電部材に印加する電圧波形の駆動周波数を個別に調整する電圧調整部を有することを特徴とする。

発明の効果

0022

本発明によれば、光偏向装置及びこの光偏向装置を用いた画像表示装置において、簡易な構成で周辺環境温度によらず走査の均一性を確保することができ、輝度ムラや画像歪みの発生を抑制して高品質な画質を得ることができる光偏向装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の実施の形態に係る光偏向装置に適用される光偏向ミラーの正面図である。
本発明の実施の形態に係る光偏向装置を用いた二次元画像表示装置ブロック構成図である。
本発明の実施の形態に係る光偏向装置を示し、(a)はラスタ走査の説明図、(b)はラスタ走査時に発生する往復走査ずれのグラフ図である。
(a)〜(d)は、本発明の実施の形態に係る光偏向装置おける光偏向ミラーの駆動信号例グラフ図である。
本発明の実施の形態に係る光偏向装置を示し、(a)は理想的なラスタ走査のグラフ図、(b)は非共振駆動に機械的共振成分が干渉した場合の速度波うちが発生している状態のグラフ図である。
本発明の実施の形態に係る光偏向装置における光偏向ミラーの垂直方向の機械的共振モードの固有周波数特性のグラフ図である。
ミラー駆動信号周波数成分をFFT解析した際の周波数成分のグラフ図である。
機械的共振と駆動信号の周波数成分との重なりを示すグラフ図である。
1次的な温度係数共振周波数特性のグラフ図である。
光偏向ミラーの駆動周波数と共振周波数の相対関係を示すグラフ図である。
本発明の実施の形態に係る光偏向装置を用いた二次元画像表示における画像光強度ムラの温度依存性を説明(温度)するためのグラフ図である。
本発明の実施の形態に係る光偏向装置を用いた二次元画像表示における画像光強度ムラの温度依存性を説明(垂直軸Y)するためのグラフ図である。

実施例

0024

以下、本発明の実施の形態における光変更ミラーについて説明する。

0025

なお、本発明における非共振駆動による光走査を行うための光偏向装置の光偏向ミラーは、圧電材料が設けられたカンチレバーが蛇行状に形成された構成であり、これらカンチレバーの一つおきに異なる電圧を印加して、それぞれのカンチレバーに反りを発生させ、反射面を回転させて光走査を行っている。

0026

この際、カンチレバーの一つおきに印加する電圧は、1周期立ち上がり時間と立ち下がり時間とが互いに入れ替わったパターンののこぎり波とし、相対的な位相や電圧の最大値を調整することにより、機械的共振による走査速度の波うちを低減している。

0027

しかしながら、周辺環境温度に応じて部材の物理定数が変化し、構造由来の共振周波数が変化する場合には、機械的共振の振動を非共振駆動を強めてしまい、垂直方向の光走査の速度均一性が変化し、画質の変動、劣化が起きてしまうことがあった。

0028

そこで、本発明では、光偏向ミラー及び光偏向装置及び画像投影装置の想定する環境温度範囲とその時の光偏向ミラーの共振周波数の変動に対して、カンチレバーの一つおきに印加する駆動信号の周波数と共振周波数の相対値を常に整数倍の関係からずらすことにより、ミラーの光走査速度均一性が向上し、温度によらず十分な線形性を実現できることが実験的に確かめられた。

0029

本発明で使用する光偏向ミラーには、蛇行状のカンチレバーが連結してつなげられている。この素子構成は、安定動作のために対称性が確保されるように設計されているが、蛇行状パターンの特性により完全な対称形状とすることは不可能である。

0030

この時、共振周波数と駆動周波数が相対的に整数倍の関係になっていると、共振による振動成分を反射ミラー動作成分が強めてしまうことで、光走査の高調波に共振が干渉した波うち現象が生じ、走査均一性が低下することになる。

0031

そのため、想定する温度変動と共振周波数の変動範囲に対して、印加する駆動用信号の周波数と共振周波数の相対値が常に整数倍の関係からずれているように調整することで、機械的共振による振動の非共振駆動による光走査への干渉を抑制することができる。

0032

このような駆動信号の調整機構により、速度均一性に優れた、高品質な画像を形成することができる。

0033

また、本発明においては、駆動信号の調整のみで可能となるため、新たな温度センサなどの検出デバイスを使うことなく、広い温度範囲で均一な画像が得られる。また複雑な信号処理などを行う必要がない状態で、均一な画像が得られる。

0034

以下、本発明にかかる光偏向装置について、図面を参照しつつ詳述する。先ず、図1に基づいて、本発明における光ビームを偏向・走査するようにした偏向ミラーの構成を説明する。

0035

光偏向ミラー1は、MEMSプロセスにより加工することで後述する各部材を一体で形成しており、一面をレーザ光の反射面2aとするミラー2を略中心に配置した枠部材3を備えている。

0036

ミラー2は、二次元画像表示を行なうために、レーザ光の光軸Pと直行する同一面内において互いに直交する水平軸Xと垂直軸Yとの2軸を中心軸として回転可能となっている。

0037

枠部材3は、一端が外枠部3aに支持され、他端が可動枠3bに支持された一対の蛇行状梁部4を支持している。

0038

一対の蛇行状梁部4は、垂直軸Yに沿って長く延びる複数本縦梁部4a,4bの上端間および下端間を水平軸Xに沿って短く延びる折返部としての横梁部4cで交互に接続することにより、蛇行して形成している。これにより、蛇行状梁部4は、横梁部4cを除く垂直軸Yに沿う部分を一つ置きに縦梁部4aと縦梁部4bと分けている。この蛇行した隣り合う各縦梁部4a,4bには、独立の圧電部材(圧電部材層)5a,5bが設けられている。

0039

一方、可動枠3bは、ミラー2の上下に垂直軸Yと同軸上に延びる一対のトーションバー6a,6bと、圧電材料を積層した駆動梁7a,7bと、を有している。

0040

水平軸Xを中心としたミラー2の垂直方向の光走査は、圧電部材5a,5bのそれぞれに異なる電圧波形を印加して、蛇行状梁部4に反り(変形)を発生させることにより、隣接する縦梁部4a,4bを互いに反対方向に撓らせ、これを累積させることで非共振でミラー2を水平軸X周りに回転駆動させ、光偏向ミラー1に圧電型光偏向ミラーとしての機能を具備させる。

0041

一方、垂直軸Yを中心としたミラー2の水平方向の走査は、ミラー2の両側に設けたトーションバー6a,6bと駆動梁7a,7bを利用した共振駆動により行われる。

0042

このような構成により、水平軸Xと垂直軸Yとの2軸方向に同時に光走査することが可能になる。

0043

次に、図2に基づいて、図1に示した光偏向ミラー1を駆動させる光偏向装置20と、この光偏向装置20を備えた二次元画像表示装置30の構成を説明する。

0044

光偏向装置20は、ミラー2を有する光偏向ミラー1と、ミラー駆動部21と、ミラー制御部22と、を有する。

0045

二次元画像表示装置30は、外部から入力された画像信号を元に画像信号演算部31がレーザ発光強度打ち出しタイミングを設定し、その制御信号光源駆動部32に出力する。光源駆動部32は、その制御信号に基づいて光源33の発光を制御する。光源33から出力された光ビームは、ビーム光学系34により、光偏向ミラー1のミラー2に照射され、光偏向装置20により走査された画像が投影面Sに二次元画像を投影する。

0046

ここで、光偏向装置20は、外部から入力された画像信号に基づく適切な画像を投影面Sに投影するために、図3(a)に示すように、二次元のラスタ走査を行う。なお、図において、水平軸X方向の水平走査は光偏向ミラー1の機械的共振駆動、Y軸方向の垂直走査は光偏向ミラー1の非共振駆動である。

0047

この際、垂直走査方向においても光偏向ミラー1を構成する各部品等の重さや剛性などによる固有の共振周波数を有しており、非共振駆動の振動に干渉することがある。これは画像表示において、図3(b)に示すように、Y軸方向における光強度の波うち、つまり画像の強度ムラとして現れる要因となる。

0048

ここで、図4に基づいて、光偏向ミラー1の非共振駆動方法について説明する。なお、以下においては、電圧波形は、実際には圧電部材5a,5bに印加するものであるが、説明の便宜上、縦梁部4aと縦梁部4bとに印加するものとして説明する。

0049

光偏向ミラー1の蛇行状梁部4に印加する電圧波形のパターンは、図4(a)のような、縦梁部4aに印加する電圧信号、縦梁部4bに印加する電圧信号とに分かれている。

0050

電圧波形のパターンは、のこぎり波形になっており、垂直走査方向の1周期は、ラスタ走査させるために徐々に印加電圧を変化させている区間と、元に戻すために急激に印加電圧を変化させている区間と、に分けられる。

0051

具体的には、縦梁部4aへの印加電圧は、1周期の時間Taに対して、ラスタ走査のための時間Ta1、元に戻すための時間Ta2に分けられる。ここで1周期に対するラスタ走査のための時間の割合をシンメトリSaとすると、Sa=Ta1/Taとなる。

0052

同様に、縦梁部4bへの印加電圧においては、1周期の時間Tbに対して、Sb=Tb1/Tbとなる。また、波形の印加電圧信号の駆動周波数fvとして調整すれば1周期の時間は、図4(b)に示すように、1/fvで表すことができる。なお、この調整が請求項1に示す駆動周波数の個別調整に相当する制御であり、上述したミラー制御部22によるミラー駆動部21の制御として実現される。

0053

一方、図3(b)に示した画像ムラを抑制するには、垂直方向への光走査速度の均一性を調べ、均一性が最も改善する信号設定をする必要がある。

0054

設定パラメータとしては、図4(d)に示すように、縦梁部4a及び縦梁部4bへの信号間の位相差Δp、縦梁部4a及び縦梁部4bへの各信号の電圧最大値Va,Vbが挙げられる。

0055

ミラー制御部22は、垂直方向への光走査が最も改善する値を記憶しており、ミラー駆動部21の駆動を制御する。

0056

ここで、このような調整を行うことによって光走査の均一性に有効である理由は、光偏向ミラー1の構造により垂直方向を駆動する場合、蛇行状の蛇行状梁部4の構造が完全に対称ではないためである。

0057

そのため、わずかに生じる非対称性への補償を縦梁部4a,縦梁部4bへの電圧値の調整によって行うことで、機械的共振の誘起を抑制できる効果が得られる。

0058

しかしながら、この方法だけでは光偏向ミラー1の周辺温度変化に追従した機械的共振周波数変動に伴う光走査速度の変動を充分に抑制することはできない。

0059

図5(a)は、画像表示範囲における光走査速度が理想的に均一な状態を示し、図5(b)は、非共振駆動に機械的共振成分が干渉した場合の速度波うちが発生している状態を示す。

0060

この波うち周期は、光偏向ミラー1の垂直方向の機械的な共振周波数f0に対して1/f0周期である。

0061

つまり、共振周波数と非共振駆動の相対関係fv/f0が整数倍に近いほど、波うちが誘起され易くなる。この際、垂直方向の機械的共振モードの固有周波数特性は、図6に示すようになっており、共振周波数f0に加えて複数の共振周波数f1を有する。

0062

その結果、図4で示したのこぎり波形の電圧信号においても、駆動周波数fvに応じた周波数成分を有しており、FFT解析を行うと、図7に示すような周波数成分を確認することができる。

0063

そのため、図8に示すように、機械的共振と駆動信号の周波数成分との重なりを考慮しなければならない。ここで、図6に示すような機械的共振モードの固有周波数は、使用環境温度変化に応じた部材の物性や圧電部材5a,5bの薄膜材料の性能の変化により温度依存性を持つ。

0064

そこで、光偏向ミラー1は、図9に示すような1次的な温度係数の共振周波数特性を有しており、この温度傾きをaとする。また、光偏向ミラー1の周辺変化温度をΔT、共振周波数のシフトΔfとすれば、
Δf=aΔT (式1)
の関係で表すことができる。

0065

また、周辺の温度変化に対して、光偏向ミラー1の光走査速度の均一性を維持するためには、図10に示すように、nを整数として
n<(f0+Δf)/fv<n+1 (式2)
の関係を満たす必要がある。

0066

つまり、二次元画像表示装置30及び光偏向装置20で想定する使用温度範囲ΔTに基づき、式2を満たす機械的共振/駆動周波数の関係を維持する駆動周波数をミラー制御部22に記憶し、ミラー駆動部21を制御するという調整を実行する。

0067

これにより、図11に示すように、温度の変動の度に煩雑な調整をすることなく、常に同一設定の駆動周波数広い温度範囲でリニアな光走査速度均一性を維持することが可能になる。また、図12に示すように、垂直方向の画像に発生しやすい明るさムラ画像パターン歪みをなくすことができる。さらに、外部の温度検出手段を用いるなどして温度のテーブルデータに基づく駆動制御を行うといった複雑な信号処理をすることなく、環境によらない高品質な画質を投影することができる。

0068

これにより、二次元画像表示装置30での、光走査速度の波うちによる画像振幅ずれや、ミラー走査タイミングと発光同期タイミングのずれ、画像の乱れという問題を抑制することができる。

0069

また、駆動周波数の調整機構と各蛇行状梁部4への電圧値を調整する機構を組み合わせることでより、高品質で温度依存性の小さい光走査が可能になる。

0070

さらに、光偏向素子製作プロセスにおいて発生する加工誤差、圧電部材の位置によるムラがわずかに生じる場合にも、駆動周波数の調整機構によりその誤差を補償することができる。そのため、副走査方向の均一性向上ができると同時に、加工により発生する誤差の補償が可能になり、製造プロセスによる歩留まりを上げることもできる。

0071

以下、本発明のミラー制御部22による光偏向ミラー1の制御例を説明する。具体的には、水平軸X方向の水平走査は共振周波数から数十Hz高周波側の約20kHzの正弦波電圧印加により、ミラー2がトーションバー6a,6bのねじれにより約20kHzで回動することになる。ミラー2の回動角度に関しては、±10°程度の回転が得られるように動作させた。

0072

一方、縦梁部4a、縦梁部4bを駆動することで、可動枠3bがY軸方向に回転し、これに応じてミラー2も垂直方向に回転する。

0073

具体的には、縦梁部4a、縦梁部4bの蛇行した各梁部に独立に設けられた圧電部材5a,5bの一つ置きにのこぎり波による電圧印加を行う。電圧印加パターンは、縦梁部4aと縦梁部4bへののこぎり波の位相をずらし、最大電圧値の調整を行う。この際の調整は、f0/fv=n,n+1/2の関係になるよう設定した。このような非共振駆動によるラスタ走査において、約60Hzののこぎり波により±4°程度の回転が得られるように動作させた。

0074

このような光偏向ミラー1による2軸走査を利用して二次元の画像表示を行った。なお、駆動条件は、f0/fv=nとf0/fv=n+1/2の関係とし、この駆動条件それぞれについて約−25〜75℃の温度範囲の画像の光強度ムラを調べた。

0075

この結果、図10に示すように、共振と駆動周波数との相対関係がn倍である条件では常温から温度が離れていくほど、画質の劣化が見られ、式2の関係を満たす光走査では温度による画質劣化が約1/10以下にまで低減された。

0076

実際の画像上の波うちは、図11に示すようになり、式2を満たす光走査では光走査速度が一定となり、温度安定性にすぐれた画質の二次元画像を提供することが可能になる。

0077

以上のように、主に1つ以上の光源33を使用し、光偏向ミラー1によって二次元光走査されたレーザ光がスクリーン等の投影面Sに投影される実施例を示したが、これに限定されるものではない。

0078

例えば、スクリーンとして拡散板を使用し、半透明板など使って虚像を形成する車両用等のヘッドアップディスプレイ装置に適用することができる。また、光偏向ミラー1として、2軸走査可能な構成の説明を行ったが、非共振によるラスタ走査のみの1次元光走査用の光偏向器にも適用可能である。

0079

このように、本発明は、上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。

0080

以上のように、本発明の実施の形態に係る光偏向ミラーにおいては、追加のセンサ機構や複雑な信号処理を行うことなく、非共振駆動での光走査において周辺環境温度によらず均一な光走査速度を確保することができ、明るさムラや画像歪みを抑制した高品質な画質を提供することができる。

0081

1光偏向ミラー
2a反射面
2ミラー
4蛇行状梁部
4a縦梁部(梁部)
4b 縦梁部(梁部)
4c横梁部(折返部)
5a圧電部材
5b 圧電部材
20光偏向装置
22ミラー制御部(電圧調整部)

先行技術

0082

特開2011−107505号公報

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