図面 (/)

技術 トリアシルグリセロールの分離方法

出願人 株式会社島津製作所国立大学法人大阪大学
発明者 馬場健史福崎英一郎
出願日 2014年3月17日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2014-052994
公開日 2015年10月5日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2015-175747
状態 特許登録済
技術分野 クロマトグラフィによる材料の調査、分析
主要キーワード 超臨界流体クロマトグラフ グラジエント分析 成分解析 モディファイア 圧力制御バルブ シリカゲル担体 液圧力 分析流路
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年10月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (5)

課題

トリアシルグリセロール光学異性体を簡単な装置構成で分離する方法を提供する。

解決手段

超臨界流体を含む移動相が送液される分析流路中にトリアシルグリセロールを含む試料注入し、アミロース誘電体充填された分析カラムを用いてトリアシルグリセロールの光学異性体を分離する。なお、移動相にはモディファイアとしてメタノールを含む。

概要

背景

近年、アミノ酸光学異性体を分離することができる技術が開発されたことにより、脳神経系における生理機能解析病態解明疾患バイオマーカー探索、発酵食品成分解析酢酸菌乳酸菌などの微生物代謝産物)など、基礎化学から健康・美容分野にわたる様々な領域に応用され始め、これまで明らかにされていなかった多くの知見が得られるようになっている。

光学異性体をもつ物質としてトリアシルグリセロールがある。トリアシルグリセロール(以下、TAG)とは、1分子グリセロールに3分子の脂肪酸エステル結合したアシルグリセロールである。動物体内脂肪組織に蓄えられる脂肪食品中の油脂、植物油などを構成する脂質の大部分は中性脂肪であり、その中性脂肪に圧倒的に多く含まれているのがTAGである。このTAGは、光学活性体であることが知られているが、分離が容易でないため、その詳細な生理機能については明らかにされていない。TAGを容易に分離する方法を確立することにより、アミノ酸の光学異性体の分離と同様に、種々の分野において新たな知見が得られることが期待できる。

概要

トリアシルグリセロールの光学異性体を簡単な装置構成で分離する方法を提供する。超臨界流体を含む移動相が送液される分析流路中にトリアシルグリセロールを含む試料注入し、アミロース誘電体充填された分析カラムを用いてトリアシルグリセロールの光学異性体を分離する。なお、移動相にはモディファイアとしてメタノールを含む。なし

目的

そこで、本発明は、TAGの光学異性体を簡単な装置構成で分離して精製することができるようにすることを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

超臨界流体を含む移動相が送液される分析流路中にトリアシルグリセロールを含む試料注入し、該試料を分離剤としてアミロース誘電体充填された分析カラム通液させてトリアシルグリセロールの光学異性体を分離する分離方法

請求項2

前記移動相はモディファイアとしてメタノールを含む請求項1に記載の分離方法。

技術分野

0001

本発明は、トリアシルグリセロールを分離する方法に関するものである。

背景技術

0002

近年、アミノ酸光学異性体を分離することができる技術が開発されたことにより、脳神経系における生理機能解析病態解明疾患バイオマーカー探索、発酵食品成分解析酢酸菌乳酸菌などの微生物代謝産物)など、基礎化学から健康・美容分野にわたる様々な領域に応用され始め、これまで明らかにされていなかった多くの知見が得られるようになっている。

0003

光学異性体をもつ物質としてトリアシルグリセロールがある。トリアシルグリセロール(以下、TAG)とは、1分子グリセロールに3分子の脂肪酸エステル結合したアシルグリセロールである。動物体内脂肪組織に蓄えられる脂肪食品中の油脂、植物油などを構成する脂質の大部分は中性脂肪であり、その中性脂肪に圧倒的に多く含まれているのがTAGである。このTAGは、光学活性体であることが知られているが、分離が容易でないため、その詳細な生理機能については明らかにされていない。TAGを容易に分離する方法を確立することにより、アミノ酸の光学異性体の分離と同様に、種々の分野において新たな知見が得られることが期待できる。

先行技術

0004

特許第2780273号公報
国際公開第2005/075974号パンフレット
特開平5−264525号公報

発明が解決しようとする課題

0005

試料中の物質を分離する方法としては、液体クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーが知られている。液体クロマトグラフィーは、分離剤充填された分析カラムに試料を通すことにより、各物質に対する分離剤の保持力差異によって所望の物質を分離することができる。

0006

しかし、通常の液体クロマトグラフィーでは光学活性体であるTAGを容易に分離することはできない。TAGを分離するには分析カラムの分離性能を高める必要がある。液体クロマトグラフィーの分離性能は分析カラムの長さが長いほど高くなるが、長さの長い分析カラムは高価な上、分析カラムの長さが長くなると移動相を送液するための送液圧力が高くなることから、分析カラムを長くしたり分析カラムを直列に連結したりするには限度がある。かかる理由により、TAGを液体クロマトグラフィーで分離することは容易ではない。

0007

TAGのような分離しにくい物質を分離する方法として、リサイクル液体クロマトグラフィーが知られている(例えば、特許文献1参照。)。リサイクル液体クロマトグラフィーは、分析カラムを通過した分離の不十分な成分を含む溶離液を分析カラムに戻して再度の分離(リサイクル分離という)を目的物質の分離が達成されるまで繰り返し行なうというものである。

0008

しかし、TAGを分離するためには、多くの回数にわたってリサイクル分離を行なう必要があるため、分離に長時間を要する。また、分析カラムを通過した溶離液を再度分析カラムへ戻すというリサイクルシステムが装置に必要なため、装置構成が複雑になる。また、TAGは一般に有機溶媒溶けるため、リサイクル液体クロマトグラフィーで分離した後のTAGの精製が容易ではない。

0009

そこで、本発明は、TAGの光学異性体を簡単な装置構成で分離して精製することができるようにすることを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、超臨界流体を含む移動相が送液される分析流路中にTAGを含む試料を注入し、該試料を分離剤としてアミロース誘電体が充填された分析カラムに通液させてTAGの光学異性体を分離する分離方法である。すなわち、本発明では、TAGの分離を超臨界流体クロマトグラフィーを用いて行なう。

0011

超臨界流体クロマトグラフィーは、二酸化炭素などに一定の温度及び圧力をかけて超臨界流体とし、その超臨界流体を溶媒として行なうクロマトグラフィーである。超臨界流体は液体気体の両方の性質をもち、液体よりも拡散性が高く粘性が低いという特徴がある。超臨界流体クロマトグラフィーは、種々の特性を有する流体を移動相として使用することができるため、分離が困難な光学異性体の分離への利用も提案されている(例えば、特許文献2参照。)また、超臨界流体は粘性が低いため、複数の分析カラムを直列に連結して分離性能を高めることができる(例えば、特許文献3参照。)。

0012

上記分離方法において、モディファイアとして例えばメタノールを用いることができる。

発明の効果

0013

本発明では、TAGを超臨界流体クロマトグラフィーにより分離するので、分析カラムの連結によって分離性能を高めることができ、リサイクル液体クロマトグラフのように装置の流路構成を複雑にすることなく、1本の流路で短時間での分離が可能となる。超臨界流体クロマトグラフィーの移動相である超臨界流体は常温大気圧下で気化するため、液体クロマトグラフに比べて分析カラムで分離した成分の精製が容易である。

図面の簡単な説明

0014

超臨界流体クロマトグラフの一実施例を概略的に示す流路図である。
1本の分析カラムを備えた超臨界クロマトグラフでのrac−SSO−TAGの分析結果を示すクロマトグラムであり、(A)は移動相流量を3mL/minに設定したときのクロマトグラム、(B)は移動相流量を1mL/minに設定したときのクロマトグラム、(C)は移動相流量を0.6mL/minに設定したときのクロマトグラムである。
2本の分析カラムを備えた超臨界クロマトグラフでの分析結果を示すクロマトグラムであり、(A)はrac−PPO−TAGを試料として注入したときのクロマトグラム、(B)はrac−OOP−TAGを試料として注入したときのクロマトグラム、(C)はrac−SSO−TAGを試料として注入したときのクロマトグラムである。
4本の分析カラムを備えた超臨界クロマトグラフでの分析結果を示すクロマトグラムであり、(A)はrac−PPO−TAGを試料として注入したときのクロマトグラム、(B)はrac−OOP−TAGを試料として注入したときのクロマトグラム、(C)はrac−SSO−TAGを試料として注入したときのクロマトグラムである。
図4の分析よりも分離部の温度を低く設定して4本の分析カラムを備えた超臨界クロマトグラフで分析を行なったときの分析結果を示すクロマトグラムであり、(A)はrac−PPO−TAGを試料として注入したときのクロマトグラム、(B)はrac−OOP−TAGを試料として注入したときのクロマトグラム、(C)はrac−SSO−TAGを試料として注入したときのクロマトグラムである。

発明を実施するための最良の形態

0015

図1を用いて、本発明の分離方法の実施に用いる超臨界流体クロマトグラフの一例を説明する。

0016

液体状態の二酸化炭素をポンプ6により送液する二酸化炭素送液流路2と、モディファイアとしてメタノールをポンプ10により送液するモディファイア送液流路4がミキサ14に接続されている。ミキサ14には分析流路16が接続されている。分析流路16上には、この分析流路16に試料を注入する試料注入部(オートサンプラ)18、分離部20、圧力制御バルブ22及び質量分析計(MS)24が配置されている。分離部20は、分離剤としてアミロース誘電体が充填された分析カラムを備えている。分離部20は1本の分析カラムによって構成することもできるが、目的に応じて複数本の分析カラムを直列に連結して構成することもできる。

0017

二酸化炭素とメタノールはミキサ14で混合され、移動相として分析流路16に導入される。分析流路16は圧力制御バルブ22によって内圧が7MPa以上に制御され、分析流路16に導入された移動相は超臨界流体の状態となる。試料注入部18により注入された試料は超臨界流体となった移動相によって分離部20に搬送され、成分ごとに分離され、圧力制御バルブ22を経て質量分析計24に導入される。

0018

かかる超臨界流体クロマトグラフを用いてTAGの分離を行なった結果について以下に説明する

0019

図2はrac−SSO−TAG(ラセミ体の1,2-distearoyl-3-oleoyl-glycerol)を100ppmの濃度で含む試料を分析流路に注入して質量分析計24で得られたクロマトグラムであり、(A)は移動相の流量を3mL/min、(B)は移動相の流量を1mL/min、(C)は移動相の流量を0.6mL/minに設定したときのクロマトグラムをそれぞれ示している。

0020

この分析において、分離剤としてアミロース誘電体(3−クロロフェニルカルバマテ)をシリカゲル担体固定化した固定相を分離剤として備えた内径4.6mm、長さ250mmの分析カラム(株式会社ダイセル製品CHIRALPAK ID−3/SFC)1本によって分離部20を構成し、分離部20の温度(カラムオーブン温度)を35℃に設定した。移動相は、モディファイアであるメタノール(ギ酸アンモニウム(HCOONH4)を0.1%含有)の濃度を0%〜10%の範囲で時間変化させてグラジエント分析を行なった。

0021

図2の(A)〜(C)の各クロマトグラムについてrac−SSO−TAGの分離度Rを次式により求めた。なお、次式は互いに隣接するピークP1とP2の分離度を示すものであり、W1はピークP1のベースラインにおけるピーク幅、W2はピークP2のベースラインにおけるピーク幅、t1はピークP1の保持時間、t2はピークP2の保持時間(t2>t1)である。

0022

移動相の流量が3mL/minのときの分離度R=0.804となり、移動相の流量が1mL/minのときの分離度R=1.674となり、移動相の流量が0.6mL/minのときの分離度R=1.834となった。日本薬局方では、ピークの完全分離は「分離度1.5以上」と定義されている。このことから、図2A〜図2Cの分析結果によれば、上記の分析条件下ではrac−SSO−TAGは移動相の流量を1mL/min以下にすることで完全に分離することができることがわかる。

0023

図3図2の分析で用いた分析カラムを2本使用し、それらを直列に連結して分離部20を構成して分析を行なったときのクロマトグラムである。(A)はrac−PPO−TAG(ラセミ体の1,2-dipalmitoyl-3-oleoyl-glycerol)を2ppmの濃度で含む試料、(B)はrac−OOP−TAG(ラセミ体の1,2-dioleoyl-3-palmitoyl-glycerol)を2ppmの濃度で含む試料、(C)はrac−SSO−TAGを100ppmの濃度で含む試料をそれぞれ分析して得られたクロマトグラムである。分離部20の温度(カラムオーブン温度)は35℃であり、移動相の流量は1mL/minである。移動相の組成図2の分析と同様に、モディファイアであるメタノール(ギ酸アンモニウム(HCOONH4)を0.1%含有)の濃度を0%〜10%の範囲で時間変化させてグラジエント分析を行なった。

0024

図3の分析結果によれば、(A)rac−PPO−TAGと(B)rac−OOP−TAGについては、分離はみられるものの完全分離(分離度Rが1.5以上)には至っていない。一方で、rac−SSO−TAGの分離度Rは3.833となり、分離部20以外の条件が同じ条件である図2Bの分析結果(R=1.674)に比べてさらに分離が進んでいることがわかる。このことから、2本の分析カラムを連結することによって分離部20の分離性能が向上していることが確認された。

0025

図4図2及び図3の分析で用いた分析カラムを4本使用し、それらを直列に連結して分離部20を構成して分析を行なったときのクロマトグラムである。図3の分析と同様に、(A)はrac−PPO−TAGを2ppmの濃度で含む試料、(B)はrac−OOP−TAGを2ppmの濃度で含む試料、(C)はrac−SSO−TAGを100ppmの濃度で含む試料をそれぞれ分析して得られたクロマトグラムである。分離部20の温度(カラムオーブン温度)は35℃であり、移動相の流量は1mL/minである。移動相の組成は図2の分析と同様に、モディファイアであるメタノール(ギ酸アンモニウム(HCOONH4)を0.1%含有)の濃度を0%〜10%の範囲で時間変化させてグラジエント分析を行なった。

0026

図4の分析結果から、(A)rac−PPO−TAGと(B)rac−OOP−TAGの分離度がそれぞれ2.156、1.471となり、図3の分析よりも向上していることがわかる。このように、図1に示した超臨界流体クロマトグラフでは、必要に応じて複数本の分析カラムを直列に連結して分離性能を向上させることができるので、液体クロマトグラフでは分離の困難なTAGを、装置構成を複雑化させることなく分離することができる。

0027

図5図4の分析条件のうち分離部20の温度を25℃に低下させて分析を行なって得られたクロマトグラムである。この分析結果から、図4の分析では完全分離に至っていなかった(B)rac−OOP−TAGの分離度が1.829に向上し、完全分離に至っていることが確認された。これらの結果により、rac−OOP−TAGのような分離しにくいTAGであっても、連結する分析カラムの本数や分離部20の温度を調節することによって完全に分離できることが確認された。

0028

2二酸化炭素送液流路
4モディファイア送液流路
6,10ポンプ
8 二酸化炭素
12メタノール(モディファイア)
14ミキサ
16分析流路
18試料注入部
20 分離部
22圧力制御バルブ
24 質量分析装置

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

関連する公募課題一覧

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ