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技術 品質管理物質の統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を得るシステムおよび方法

出願人 バイオ-ラドラボラトリーズインコーポレイテッド
発明者 クチプディ、ラクシュミパービン、カーティスユント-パチェコ、ジョン
出願日 2015年5月7日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-094951
公開日 2015年10月1日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2015-172951
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 機器内また 加速ユニット 予想分布 自動試験機 試料平均 目標確率 記録レコード 履歴データベース内
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図面 (6)

課題

医療用試験機械品質検査を行うために使用される、品質管理物質統計学的に有効な分析平均値および分析範囲確立する方法を提供する。

解決手段

この方法では、品質管理物質の新たなロットに対する試験を利用して分析平均値を確立し、履歴試験結果のデータベースのデータを使用して分析範囲を確立する。このシステムは、以前のロット・データの試験結果のばらつきを推定し、その後、品質管理物質の新たなロットについての新たな試験が指定した確率で当該範囲内に収まるものと予想されるように、分析範囲の限界を計算することができる。履歴データを使用して試験のばらつきを推定するので、新たな物質ロットの試験のみに基づいて平均値および範囲を確立する場合に比べて、統計学的に有効な平均値および範囲を指定するために必要な新たな試験の回数を大幅に減少させることができる。

概要

背景

ある種の医療試験は、高度に自動化されている。例えば、患者コレステロール値または血糖値の測定、被験者の血中または尿中の薬物の有無の試験、あるいは患者の血液の化学的性質のその他の特徴の測定など一般的な試験は、現在では、自動試験機械により、最大で1時間に数千回の試験という速度で実行することができる。通常の試験では、若干量の患者の血液などの試料試薬と反応させ、その結果得られた生成物検査して、試料中の特定の検体の有無または量を決定する。試薬は、個々の試験の実施に合わせて特別に工夫することができる。

この試験結果に基づいて重要な医学的決定が下されることもあるので、定期的に試験機械品質検査を行い、その機械が適切に動作しているという信頼性を維持する、またはその機械が適切に動作していなくなったときにはそのことを検出するように努めることが非常に望ましい。実際に、米国政府の規定では、このような定期的な妥当性検査を求めている。規則により、各試験機械は、患者試験を行う日に、1日あたり少なくとも1度は品質検査を行わなければならない。

品質検査では、例えば、既知の特徴を有する試料を試験することと、その機械が既知の特徴と一致する試験結果を出すかどうかを確認することが行われる。既知の特徴と一致する試験結果が得られた場合には、その機械は適切に動作していると考えることができ、そうでない場合には、機械の動作に疑いがある可能性がある。

したがって、機械の品質検査では、既知の特徴を有する試験試料が容易に得られる必要がある。このような機械の品質検査に用いられる試験試料を、「品質管理物質」と呼ぶことがある。1つの試験機械で、異なる試薬を用いた検体の試験など、多数の異なる試験を実行することができる場合もあれば、異なる製造業者の試験機械が異なった方法で試験を実行する場合もあるので、あらゆる種類の機械の品質検査を、その装置が行うことができるあらゆる試験の実行中に行うためには、膨大な数の品質管理物質が容易に入手できなければならないことになる。例えば人体組織中の異常な状態または不安定な検体の有無を調べる試験など、少なくとも一部の試験では、既知の特徴を有する実際の生物学的試料予備を保持しておくことが現実的ではないことがあるので、品質管理物質が、実際の生物学的試料の挙動に似ることがある。品質管理物質は、安定化されており、長期間貯蔵しておくことができることが好ましい。例えば、一部の品質管理物質は、製造時に凍結乾燥し、使用時に水で戻して使用してもよい。

品質管理物質を製造する過程には自然のばらつきがあるので、個々の品質管理物質は、新たに製造するたびにロットごとに特定し、適切に動作している試験機器を用いて品質管理物質を試験したときそのロットから抜き出した試料を試験した結果が指定の確率で収まると予想される試験結果値の範囲を決定する。通常は、平均値公表される。分析平均値および分析範囲と呼ばれるこれらの平均値および範囲は、試験研究室がそれぞれの機械の品質検査に使用できるように公表される。平均値および範囲は、試験機械のモデルと品質管理物質の可能な組合せ、または試験方法と品質管理物質の可能な組合せのそれぞれについて公表されることもある。

概要

医療用試験機械の品質検査を行うために使用される、品質管理物質の統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立する方法を提供する。この方法では、品質管理物質の新たなロットに対する試験を利用して分析平均値を確立し、履歴試験結果のデータベースのデータを使用して分析範囲を確立する。このシステムは、以前のロット・データの試験結果のばらつきを推定し、その後、品質管理物質の新たなロットについての新たな試験が指定した確率で当該範囲内に収まるものと予想されるように、分析範囲の限界を計算することができる。履歴データを使用して試験のばらつきを推定するので、新たな物質ロットの試験のみに基づいて平均値および範囲を確立する場合に比べて、統計学的に有効な平均値および範囲を指定するために必要な新たな試験の回数を大幅に減少させることができる。

目的

効果

実績

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請求項1

品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲確立する方法であって、品質管理物質の特定のロットから抜き出した複数の試料についての試験によって得られる複数の試験結果を取得する試験結果取得工程と、前記複数の試験結果の平均値を計算する平均値計算工程と、前記品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果のデータベースアクセスする履歴アクセス工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて実行した試験によって得られる試験結果のばらつきの推定値であるばらつき推定値を計算するばらつき推定値計算工程と、品質管理物質の新たなロットの試料について実行した新たな品質検査試験の結果が分析範囲内に収まる目標確率を指定する目標確率指定工程と、少なくとも前記平均値および前記ばらつき推定値に基づいて、前記品質管理物質の前記特定のロットから抜き出した試料の品質検査試験の結果が前記目標確率で収まると予想される試験結果値の範囲を計算する範囲計算工程と、を備える方法。

請求項2

前記試験結果を得るべく、前記品質管理物質の前記特定のロットから抜き出した前記複数の試料を試験する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記範囲を出力する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記ばらつき推定値計算工程は、少なくとも前記履歴試験結果から、前記平均値の不確定性の推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を計算する工程とを含み、前記範囲計算工程は、少なくとも前記平均値と、前記平均値の不確定性の推定値と、前記機器内ばらつき推定値と、前記機器間ばらつき推定値とに基づいて、前記範囲を計算する工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記平均値を推定する際の不確定性に帰する前記分析範囲の割合の上限を設定する工程と、少なくとも前記機器内ばらつき推定値および前記機器間ばらつき推定値に基づいて、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する幅の割合が上限以下である分析範囲を実現するサンプリングプランを確立する工程とをさらに備える、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記機器内ばらつき推定値が、複数の機器の各々から得られる試験結果の分散の平均値から導出される、請求項4に記載の方法。

請求項7

前記機器間ばらつき推定値が、複数の機器の各々から得られる試験結果の平均値の分散から導出される、請求項4に記載の方法。

請求項8

前記平均値の不確定性の推定値は前記平均値の標準誤差であり、前記平均値の標準誤差は、少なくとも履歴試験結果の前記データベースから得られるばらつきの推定値に基づいて計算される、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記ばらつき推定値計算工程は、試験結果の平均値とばらつきの間の観察される関係を考慮する工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記ばらつき推定値計算工程は、前記履歴試験結果を用いた回帰を実行して、前記平均値と前記ばらつきの少なくとも1つの成分との間の関係を特定する工程と、前記平均値と前記関係とに基づいて前記ばらつきの推定値を調節する工程とを含む、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記ばらつき推定値計算工程は、前記品質管理物質の前記特定のロットから得られる前記試験結果から計算した前記平均値と同等の平均試験結果を有する前記品質管理物質の特定の以前のロットを識別する工程と、前記品質管理物質の前記特定の以前のロットの試験によって得られる試験結果のばらつきを計算する工程と、前記品質管理物質の前記特定のロットに、前記品質管理物質の前記特定の以前のロットから得られる前記試験結果の計算した前記ばらつきと等しいばらつき推定値を割り当てる工程とを含む、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記ばらつき推定値計算する工程は、少なくとも前記履歴試験結果から、前記平均値の不確定性の推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの研究室内で得られた試験結果のばらつきの推定値である研究室内ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の研究室から得られた試験結果のばらつきの推定値である研究室間ばらつき推定値を計算する工程とを含み、前記範囲計算工程は、少なくとも前記平均値と、前記平均値の不確定性の推定値と、前記研究室内ばらつき推定値と、前記研究室間ばらつき推定値とに基づいて、前記範囲を計算する工程を含む、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記履歴試験結果のデータベースに見られる異常な試験結果を考慮から除外する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。

請求項14

品質管理物質の特定のロットに分析平均値および分析範囲を割り当てるサンプリング・プランを確立する方法であって、平均値を推定する際の不確定性に帰する分析範囲の割合の上限を設定する工程と、品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果のデータベースにアクセスする工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記機器内ばらつき推定値および前記機器間ばらつき推定値に基づいて、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する幅の割合が上限以下である分析範囲を実現するサンプリング・プランを確立する工程と、を備える方法。

請求項15

品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立するシステムであって、プロセッサと、品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果を保持するデータベースと、プロセッサによって読取可能である、プロセッサ命令を保持するメモリとを備え、前記プロセッサ命令は前記プロセッサによって実行されたとき、前記システムに、品質管理物質の特定のロットから抜き出した複数の試料についての試験によって得られる複数の試験結果を取得する工程と、前記複数の試験結果の平均値を計算する工程と、前記品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果のデータベースにアクセスする工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて実行した試験によって得られる試験結果のばらつきの推定値であるばらつき推定値を計算する工程と、品質管理物質の新たなロットの試料について実行した新たな品質検査試験の結果が分析範囲内に収まる目標確率に関する指定を受信する工程と、少なくとも前記平均値および前記ばらつき推定値に基づいて、前記品質管理物質の前記特定のロットから抜き出した試料の品質検査試験の結果が前記目標確率で収まると予想される試験結果値の範囲を計算する工程と、を実行させる、システム。

請求項16

前記命令は前記プロセッサによって実行されて前記ばらつき推定値を計算するとき、前記プロセッサに、少なくとも前記履歴試験結果から、前記平均値の不確定性の推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を計算する工程と、を実行させる、請求項15に記載のシステム。

請求項17

品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立する分析平均値/分析範囲割当システムであって、品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果を保持するデータベースと、品質管理物質の新たなロットから抜き出した複数の試料についての試験によって得られる複数の試験結果を受信し、該複数の試験結果の平均値を計算する平均値決定モジュールと、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて実行した試験によって得られる試験結果のばらつきの推定値であるばらつき推定値を計算するばらつき推定モジュールと、少なくとも前記平均値および前記ばらつき推定値に基づいて、前記品質管理物質の前記新たなロットから抜き出した試料の品質検査試験の結果が目標確率で収まると予想される試験結果値の範囲を確立する範囲確立モジュールと、を備えるシステム。

請求項18

前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を含み、前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を含み、前記システムは、少なくとも前記機器内ばらつき推定値および前記機器間ばらつき推定値に基づいてサンプリング・プランを確立するサンプリング・プラン確立モジュールをさらに備える、請求項17に記載のシステム。

請求項19

前記サンプリング・プラン確立モジュールは、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する前記分析範囲の割合の上限の指定を受信し、少なくとも前記機器内ばらつき推定値と、前記機器間ばらつき推定値と、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する前記分析範囲の割合の前記上限とに基づいて、サンプリング・プランを確立する、請求項18に記載のシステム。

請求項20

前記範囲確立モジュールは、前記平均値と履歴試験結果のばらつきとの間の観察される関係を考慮する、請求項17に記載のシステム。

請求項21

前記ばらつき推定値は前記平均値の不確定性の推定値を含み、前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を含み、前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を含み、前記範囲確立モジュールは、少なくとも前記平均値と、前記平均値の不確定性の推定値と、前記機器内ばらつき推定値と、機器間ばらつき推定値にと基づいて、前記範囲を確立する、請求項17に記載のシステム。

技術分野

0001

本発明は、品質管理物質統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を得るシステムおよび方法に関する。

背景技術

0002

ある種の医療試験は、高度に自動化されている。例えば、患者コレステロール値または血糖値の測定、被験者の血中または尿中の薬物の有無の試験、あるいは患者の血液の化学的性質のその他の特徴の測定など一般的な試験は、現在では、自動試験機械により、最大で1時間に数千回の試験という速度で実行することができる。通常の試験では、若干量の患者の血液などの試料試薬と反応させ、その結果得られた生成物検査して、試料中の特定の検体の有無または量を決定する。試薬は、個々の試験の実施に合わせて特別に工夫することができる。

0003

この試験結果に基づいて重要な医学的決定が下されることもあるので、定期的に試験機械品質検査を行い、その機械が適切に動作しているという信頼性を維持する、またはその機械が適切に動作していなくなったときにはそのことを検出するように努めることが非常に望ましい。実際に、米国政府の規定では、このような定期的な妥当性検査を求めている。規則により、各試験機械は、患者試験を行う日に、1日あたり少なくとも1度は品質検査を行わなければならない。

0004

品質検査では、例えば、既知の特徴を有する試料を試験することと、その機械が既知の特徴と一致する試験結果を出すかどうかを確認することが行われる。既知の特徴と一致する試験結果が得られた場合には、その機械は適切に動作していると考えることができ、そうでない場合には、機械の動作に疑いがある可能性がある。

0005

したがって、機械の品質検査では、既知の特徴を有する試験試料が容易に得られる必要がある。このような機械の品質検査に用いられる試験試料を、「品質管理物質」と呼ぶことがある。1つの試験機械で、異なる試薬を用いた検体の試験など、多数の異なる試験を実行することができる場合もあれば、異なる製造業者の試験機械が異なった方法で試験を実行する場合もあるので、あらゆる種類の機械の品質検査を、その装置が行うことができるあらゆる試験の実行中に行うためには、膨大な数の品質管理物質が容易に入手できなければならないことになる。例えば人体組織中の異常な状態または不安定な検体の有無を調べる試験など、少なくとも一部の試験では、既知の特徴を有する実際の生物学的試料予備を保持しておくことが現実的ではないことがあるので、品質管理物質が、実際の生物学的試料の挙動に似ることがある。品質管理物質は、安定化されており、長期間貯蔵しておくことができることが好ましい。例えば、一部の品質管理物質は、製造時に凍結乾燥し、使用時に水で戻して使用してもよい。

0006

品質管理物質を製造する過程には自然のばらつきがあるので、個々の品質管理物質は、新たに製造するたびにロットごとに特定し、適切に動作している試験機器を用いて品質管理物質を試験したときそのロットから抜き出した試料を試験した結果が指定の確率で収まると予想される試験結果値の範囲を決定する。通常は、平均値も公表される。分析平均値および分析範囲と呼ばれるこれらの平均値および範囲は、試験研究室がそれぞれの機械の品質検査に使用できるように公表される。平均値および範囲は、試験機械のモデルと品質管理物質の可能な組合せ、または試験方法と品質管理物質の可能な組合せのそれぞれについて公表されることもある。

発明が解決しようとする課題

0007

米国食品医薬品局の最近のガイダンスによれば、公表される品質管理物質の分析平均値および分析範囲は、統計学的に有効なものであることが求められている。

課題を解決するための手段

0008

1つの態様によれば、品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立する方法は、品質管理物質の特定のロットから抜き出した複数の試料を試験して各試料の試験結果を取得する工程と、前記複数の試験結果の平均値を計算する工程とを備える。平均値の推定値不確定性も計算する。この方法は、前記品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果のデータベースアクセスする工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて実行した試験によって得られる試験結果のばらつきの推定値であるばらつき推定値を計算する工程と、をさらに備える。品質管理物質の新たなロットの試料について実行した新たな品質検査試験の結果が分析範囲内に収まる目標確率を指定する。この方法は、少なくとも前記平均値、前記平均値の推定値の不確定性、および前記ばらつき推定値に基づいて、前記品質管理物質の前記特定のロットから抜き出した試料の品質検査試験の結果が前記目標確率で収まると予想される試験結果値の範囲を計算する工程をさらに備える。この方法は、前記試験結果を得るべく、前記品質管理物質の前記特定のロットから抜き出した前記複数の試料を試験する工程をさらに備えてもよい。この方法は、前記範囲を出力する工程をさらに備えてもよい。実施形態によっては、ばらつき推定値を計算する工程は、少なくとも前記履歴試験結果から、前記平均値の不確定性の推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を計算する工程とを含む。少なくとも平均値およびばらつき推定値に基づいて範囲を計算する工程は、少なくとも前記平均値と、前記平均値の不確定性の推定値と、前記機器内ばらつき推定値と、前記機器間ばらつき推定値とに基づいて、前記範囲を計算する工程を含む。実施形態によっては、この方法は、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する前記分析範囲の割合の上限を設定する工程と、少なくとも前記機器内ばらつき推定値および前記機器間ばらつき推定値に基づいて、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する幅の割合が上限以下である分析範囲を実現するサンプリングプランを確立する工程とをさらに備える。実施形態によっては、前記機器内ばらつき推定値は、複数の機器の各々から得られる試験結果の分散の平均値から導出される。実施形態によっては、前記機器間ばらつき推定値は、複数の機器の各々から得られる試験結果の平均値の分散から導出される。実施形態によっては、前記平均値の不確定性の推定値は前記平均値の標準誤差であり、前記平均値の標準誤差は、少なくとも履歴試験結果の前記データベースから得られるばらつきの推定値に基づいて計算される。実施形態によっては、少なくとも前記履歴試験結果からばらつきの推定値を計算する工程は、試験結果の平均値とばらつきの間の観察される関係を考慮する工程を含む。実施形態によっては、少なくとも前記履歴試験結果からばらつきの推定値を計算する工程は、前記履歴試験結果を用いた回帰を実行して、前記平均値と前記ばらつきの少なくとも1つの成分との間の関係を特定する工程と、前記平均値と前記関係とに基づいて前記ばらつきの推定値を調節する工程とを含む。実施形態によっては、少なくとも前記履歴試験結果からばらつきの推定値を計算する工程は、前記品質管理物質の前記特定のロットから得られる前記試験結果から計算した前記平均値と同等の平均試験結果を有する前記品質管理物質の特定の以前のロットを識別する工程と、前記品質管理物質の前記特定の以前のロットの試験によって得られる試験結果のばらつきを計算する工程と、前記品質管理物質の前
記特定のロットに、前記品質管理物質の前記特定の以前のロットから得られる前記試験結果の計算した前記ばらつきと等しいばらつき推定値を割り当てる工程とを含む。実施形態によっては、前記ばらつきの推定値を計算する工程は、少なくとも前記履歴試験結果から、前記平均値の不確定性の推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの研究室内で得られた試験結果のばらつきの推定値である研究室内ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の研究室から得られた試験結果のばらつきの推定値である研究室間ばらつき推定値を計算する工程とを含み、少なくとも前記平均値および前記ばらつき推定値に基づいて範囲を計算する工程は、少なくとも前記平均値と、前記平均値の不確定性の推定値と、前記研究室内ばらつき推定値と、前記研究室間ばらつき推定値とに基づいて、前記範囲を計算する工程を含む。この方法は、前記履歴試験結果のデータベースに見られる異常な試験結果を考慮から除外する工程をさらに備えてもよい。

0009

別の態様によれば、品質管理物質の特定のロットに分析平均値および分析範囲を割り当てるサンプリング・プランを確立する方法は、平均値を推定する際の不確定性に帰する分析範囲の割合の上限を設定する工程と、品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果のデータベースにアクセスする工程とを備える。機器内ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値であり、少なくとも前記履歴試験結果から計算される。機器間ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値であり、少なくとも前記履歴試験結果から計算される。この方法は、少なくとも前記機器内ばらつき推定値および前記機器間ばらつき推定値に基づいて、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する幅の割合が上限以下である分析範囲を実現するサンプリング・プランを確立する工程をさらに備える。

0010

別の態様によれば、品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立するシステムは、プロセッサと、該品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果を保持するデータベースと、プロセッサによって読取可能なメモリとを備える。このメモリはプロセッサ命令を保持しており、該プロセッサ命令は前記プロセッサによって実行されたとき、前記システムに、品質管理物質の特定のロットから抜き出した複数の試料についての試験によって得られる複数の試験結果を取得する工程と、前記複数の試験結果の平均値を計算する工程と、前記品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果のデータベースにアクセスする工程とを実行させる。前記命令は、前記システムに、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて実行した試験によって得られる試験結果のばらつきの推定値であるばらつき推定値を計算する工程と、品質管理物質の新たなロットの試料について実行した新たな品質検査試験の結果が分析範囲内に収まる目標確率に関する指定を受信する工程とをさらに実行させる。前記命令は、前記システムに、少なくとも前記平均値および前記ばらつき推定値に基づいて、前記品質管理物質の前記特定のロットから抜き出した試料の品質検査試験の結果が前記目標確率で収まると予想される試験結果値の範囲を計算する工程をさらに実行させる。実施形態によっては、前記命令は前記プロセッサによって実行されて前記ばらつき推定値を計算するとき、前記プロセッサに、少なくとも前記履歴試験結果から、前記平均値の不確定性の推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を計算する工程と、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を計算する工程と、を
実行させる。

0011

別の態様によれば、品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立する分析平均値/分析範囲割当システムは、品質管理物質の以前のロットについて実行した試験によって得られる履歴試験結果を保持するデータベースと、品質管理物質の新たなロットから抜き出した複数の試料についての試験によって得られる複数の試験結果を受信し、該複数の試験結果の平均値を計算する平均値決定モジュールとを備える。このシステムは、少なくとも前記履歴試験結果から、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて実行した試験によって得られる試験結果のばらつきの推定値であるばらつき推定値を計算するばらつき推定モジュールと、少なくとも前記平均値および前記ばらつき推定値に基づいて、前記品質管理物質の前記新たなロットから抜き出した試料の品質検査試験の結果が目標確率で収まると予想される試験結果値の範囲を確立する範囲確立モジュールとをさらに備える。実施形態によっては、前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を含み、前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を含み、前記システムは、少なくとも前記機器内ばらつき推定値および前記機器間ばらつき推定値に基づいてサンプリング・プランを確立するサンプリング・プラン確立モジュールをさらに備える。実施形態によっては、サンプリング・プラン確立モジュールは、前記サンプリング・プラン確立モジュールは、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する前記分析範囲の割合の上限の指定を受信し、少なくとも前記機器内ばらつき推定値と、前記機器間ばらつき推定値と、前記平均値を推定する際の不確定性に帰する前記分析範囲の割合の前記上限とに基づいて、サンプリング・プランを確立する。前記範囲確立モジュールは、前記平均値と履歴試験結果のばらつきとの間の観察される関係を考慮してもよい。実施形態によっては、前記ばらつき推定値は前記平均値の不確定性の推定値を含み、前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて1つの試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器内ばらつき推定値を含み、前記ばらつき推定値は、前記品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて異なる複数の試験機器を用いて得られた試験結果のばらつきの推定値である機器間ばらつき推定値を含み、前記範囲確立モジュールは、少なくとも前記平均値と、前記平均値の不確定性の推定値と、前記機器内ばらつき推定値と、機器間ばらつき推定値にと基づいて、前記範囲を確立する。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施形態による、品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立する方法のステップ概要を示す流れ図。
本発明の実施形態による、分析平均値および分析範囲の割当に関わる様々なシステムの相互作用を示す簡略ブロック図。
本発明の実施形態によるシステムを示す図。
本発明の実施形態による、分析平均値および分析範囲の割当に関わるデータ・フローをさらに詳細に示す図。
本発明の実施形態を実施することができる例示的なコンピュータ・システムを示すブロック図。

実施例

0013

以下のテーブル1は、品質管理物質の製造業者によって公表されるような、分析平均値および分析範囲の例示的なテーブルの抜粋である。

0014

テーブル1の第1の部分は、特定の試験機器について実行した特定の試験に応じて構成されている。テーブル1の「機器」部分には、8組の平均値と範囲が示してある。これらは、2種類の試験(グルコースおよびコレステロール)を、2つの異なるモデルの試験機械(ブランドAのモデルXおよびブランドBのモデルY)について、2つの異なる品質管理物質中の検体濃度レベル1およびレベル2)について実行したものである。例えば、ブランドBのモデルYの試験機械の所有者は、このテーブルの3行目を参照して、このテーブルが作成された品質管理物質を用いて実行した品質検査試験で試験結果が収まると予想される範囲を求めることができる。このテーブルの3行目によれば、ブランドBのモデルYの試験機械のユーザは、グルコースを試験するための特定のレベル1の品質管理物質の試験で、75mg/dLから103mg/dLの間の試験結果が、この範囲を指定するために使用した統計学的方法によって確立された信頼度で得られると予想することができる。実施形態によっては、この範囲は、品質検査中の試験機械が適切に動作している時間の約99.7%にわたって試験結果が指定範囲内に収まるものと機械のユーザが予想するように確立することができる。したがって、試験結果がこの範囲外である場合には、機械が適切に動作しているかどうか、または品質管理物質が損なわれているかどうかという点で疑問が生じ、さらなる調査が促される可能性がある。

0015

テーブル1の「方法」部分は、試験方法に応じて構成されている。このテーブルの「機器」部分に示されていない試験機械を使用している研究室も、「方法」部分を使用して、その特定の試験機械で用いられている方法による品質検査試験の予想範囲を求めることができる。

0016

テーブル1の簡易リストには、16組の異なる平均値および範囲のエントリが示してある。本開示では、各エントリは、「試験条件」に対応するものとし、この「試験条件」は、試験機械の製造元およびモデル、検体、試薬、品質管理物質、品質管理物質濃度、および試験方法等の要素の特定の組合せとすることができる。完全なテーブルでは、数十の異なる試験機械のモデル、および複数の異なる方法のうちのいずれかで実行される数十の異なる試験を含む、多くの異なる試験条件のエントリを含むこともある。品質管理物質の1つの製品群で、1500超の試験条件で分析平均値および分析範囲を特徴付ける必要があることもある。品質管理物質の製造業者は、統計学的に有効な方法でそれらの平均値および範囲のそれぞれを確立しなければならず、これらの平均値および範囲は、各品質管理物質の新たなロットごとに再確立しなければならない。

0017

平均値および範囲を確立する1つの技術は、単純に、特定の品質管理物質の新たなロッ
トごとに、複数の異なる研究室で複数の異なる試験機械について、その新たなロットから抜き出した試料について試験を実行し、その結果を統計学的に特定するものである。ただし、この手法は、試験工程中の複数の不確定性の原因を説明するために、物質/機械の組合せごとに多くの試験が必要になることがあるので、費用が非常に高くつく可能性がある。

0018

例えば、周知のように、母集団の平均値をサンプリングによって推定すると、試料セットが違えばその母集団の平均値の推定値も違うので、不確定性がある。この不確定性は、しばしば「平均値の標準誤差」と呼ばれる。これは、平均値の不確定性の1つの推定値である。

0019

その他の不確定性の原因も生じる。1つの試験機械について繰り返し試験を行うと、多少の変動が生じる。この変動は、「機器内」ばらつきと呼ばれる。さらに、同じ製造元およびモデルの複数の異なる試験機械を用いて行った試験でも、変動が生じる。この変動は、「機器間」ばらつきと呼ばれる。また、同じ製造元およびモデルの複数の試験機械を用いて異なる研究室で行った試験でも、変動が生じる。この変動は、「研究室間」ばらつきと呼ばれる。実施形態によっては、機器間ばらつきと研究室間ばらつきを交換可能な用語として仮定することもある。この仮定は、例えば、それぞれの研究室が任意の特定の製造元およびモデルの1つの機器しか使用していなければ、完全に有効である。実際には、機器間ばらつきと研究室間ばらつきを同一視することによって生じる誤差は、生じたとしても無視できる程度であることもある。例えば、特定の機械製造元およびモデルについて特定の研究室で得られた全ての結果を、同じ試験機器について実行されたものと仮定することもできる。

0020

物質の新たなロットの試験のみに基づいて平均値および範囲が割り当てられる場合には、複数の研究室で複数の試験機械のそれぞれを用いて複数回の試験を実行し、平均値を確立する際の不確定性、機器内ばらつき、および機器間ばらつきまたは研究室間ばらつきを考慮できるだけの十分な試験結果を収集することになる。この手法では、高い信頼性で範囲を確立するために、多数の統計学的妥当性の試験が必要になることがある。

0021

本発明の実施形態では、2つの観測結果を利用して、新たな品質管理物質ロットの統計学的に有効な平均値および範囲を確立するために実行しなければならない試験の数を大幅に減少させる。第1に、同等の信頼性で試料のばらつきを推定するために必要な試料数と比較して少ない試料を用いて試料平均値を推定することができることが分かっている。第2に、特定の品質管理物質から予想される平均試験結果はロット間で変動する(そのため新たなロットそれぞれについて平均値および範囲を再割り当てする必要が生じる)が、試験結果のばらつきは、ロット間で比較的安定している傾向があることも分かっている。

0022

本発明の実施形態では、品質管理物質の新たなロットの分析平均値は、その新たな物質ロットに対して実行する試験を用いて確立するが、分析範囲は、以前のロットから得られた履歴試験結果のデータベースを利用して確立する。これらの分析範囲は、平均値の推定値の不確定性、機器内ばらつき、および機器間または研究室間ばらつきに基づくことができる。したがって、新たな物質ロットの分析平均値および分析範囲を確立するために実行しなければならない試験数が、比較的少数で済む。実施形態によっては、ばらつきの推定値を、新たに確立された分析平均値に基づいてさらに調節することができる。次いで、分析平均値および分析範囲を、試験条件ごとに指定することができる。

0023

履歴結果
世界中の数多くの試験研究室で数多くの試験機械について行われるほぼ全ての品質検査試験は記録されており、その結果は、その品質検査試験で使用された品質管理物質の製造
業者返送される。これらの品質検査試験結果は、履歴結果のデータベースに蓄積され、品質管理物質の製造業者が様々な方法で使用することができる。このようなデータベースは、何年にもわたってデータ収集した、何百万もの個別品質検査試験結果を含むことができる。各記録レコードは、通常は、その結果が得られた試験条件を示し、品質検査試験が行われた研究室、試験に用いられた品質管理物質のタイプ、品質検査試験を行った試験機器の製造元およびモデル、試験対象の検体、使用した試薬、使用した試験方法、ならびに試験結果などの情報を含むことができる。その他の情報を含んでいてもよい。したがって、このデータベースは、関心のある各試験条件で各品質管理物質の以前のロットを用いて実行した多くの試験の結果を含むことができる。

0024

分析平均値の計算例
実施形態によっては、分析平均値は、同様の試験条件下で実行した、新たなロットの品質管理物質の試験によって得られる試験結果の平均として計算される。この同様の試験条件には、例えば異なる研究室で同じ製造元およびモデルの複数の試験機械を用いることなども含まれる。場合によっては、1つの試験機器について複数回の試験を実行することで十分であることもある。平均値は、以下のように計算することができる。

0025

Yijを、i番目の研究室によって報告されたj番目の試験結果とする。ここで、i=1、…、L、j=1、…、niであり、niは、報告側の各研究室の報告結果の数である。なお、全ての研究室が同数の試験を実行する必要はないことに留意されたい。

0026

を、i番目の研究室の報告結果の平均値とする。

0027

分析平均値(Mean)は、次のように全ての研究室平均値の平均として計算される。

0028

機器(研究室)内ばらつきの計算例
実施形態によれば、機器内ばらつきは、複数の研究室に存在している可能性が高い複数の試験機械にわたって特定の品質管理物質の以前のロットについて実行された品質検査試験で得られる履歴データを用いて推定される。関心のある試験条件に対応する試験機械の製造元およびモデルによっては、機器内ばらつきを推定するために使用することができるデータベース内の試験結果が、場合によっては数千など多数存在する可能性がある。実施形態によっては、機器内ばらつきは、個々の試験機械から得られる試験結果の平均分散(ばらつきの平均)として計算することもできるし、あるいはその他の方法で個々の試験機
械の試験結果の分散から導出することもできる。推定値は偏り補正したものでもよい。機器内ばらつき推定値は、以下のように計算することができる。

0029

報告側の研究室ごとに、以下のように報告結果の合計を計算する。

0030

報告側の研究室ごとに、以下のように報告結果の合計の2乗を計算する。

0031

以下のように、全ての研究室からの全ての報告結果の合計を計算する。

0032

以下のように、全ての研究室からの報告結果の総数を計算する。

0033

上記の各量から、以下のように組内平方和(sum square within)を計算する。

0034

研究室内分散VW=SSW/(N−L)を計算する。

0035

次いで、研究室内標準偏差を、以下のように計算することができる。

0036

なお、これらの計算では、特定の研究室から得られる全ての結果が、同じ機器を用いて得られたものであると仮定していることに留意されたい。もちろん、別々の機器を別々に追跡することもできる。研究室内標準偏差(SD)SDWは、機器内または研究室内ばらつき推定値の例である。以下でさらに詳細に説明するように、この推定値は、分析範囲の限界を計算する前に、上記で求めた平均値に基づいてさらに調節することができる。

0037

機器(研究室)内ばらつきの計算例
実施形態によれば、機器間ばらつきも、複数の研究室に存在している可能性が高い複数の試験機械にわたって特定の品質管理物質の以前のロットについて実行された品質検査試験で得られる履歴データを用いて推定される。各特定の試験機械は、同じ製造元およびモデルのその他の機械で得られた結果とは異なる結果を出す可能性がある。これらの違いは、較正技術または演算技術の違いによってもたらされている可能性がある。関心のある試験条件に対応する試験機械の製造元およびモデルによっては、その試験結果を使用する研究室であって、かつその品質検査試験結果が履歴データベース内にあって機器間ばらつきの推定に使用することができる研究室が、場合によっては数百など多数存在する可能性がある。実施形態によっては、機器間ばらつきは、異なる個々の試験機械から得られる平均試験結果間のばらつき(平均のばらつき)として計算することができる。機器間ばらつき推定値は、上記で定義したSi、SSiおよびNを用いて以下のように計算することができる。

0038

以下のように、組間平方和(sum square between)を計算する。

0039

0040

を計算する。

0041

以下のように、研究室間分散を計算する。

0042

以下のように、研究室間標準偏差を計算する。

0043

研究室間標準偏差SDBは、研究室間または機器間ばらつき推定値の例である。以下でさらに詳細に説明するように、この推定値は、分析範囲の限界を計算する前に、上記で求めた平均値に基づいてさらに調節することができる。

0044

機器内ばらつきおよび機器間ばらつきが、総ばらつきSDTの一因となる2つの変動源であると仮定すると、SDTは、以下のようになる。

0045

平均値に基づくばらつき推定値の調節
実施形態によっては、機器内ばらつき、機器間ばらつきおよび総ばらつきの推定値を、先に進む前に調節することができる。例えば、SDWなどの機器内ばらつきは、関心のある特定の品質管理物質についての平均試験結果の関数として変動することが分かっている。(平均試験結果は、ロット間で変動する品質管理物質中の検体の濃度の関数として変動する。)1つの仮定のシナリオでは、特定の品質管理物質の第1のロットで、第2のロットよりわずかに高い平均試験結果が得られ、さらに、それらの結果が、特定の試験機器内において、第2のロットの場合より第1のロットの場合の方がより大きく変動する可能性がある。すなわち、この仮定例では、機器内ばらつきが、平均試験結果と明白に相関している。新たなロットの品質管理物質について計算した平均値の推定値は、以前のロットから得られた平均値の平均と異なる可能性があるので、観察したばらつきと平均値の関係に従ってばらつきの推定値を調節することが望ましいことがある。

0046

平均値とばらつきの関係を特定するために、関心のある各試験条件について、履歴試験結果のデータベースのデータについて回帰解析を行うことができる。関係が分かったら、ばらつきの推定値を調節することができる。別個の機器内推定値、機器間推定値および総ばらつき推定値については、別個に相関および調節を行うことが好ましい。回帰解析を行ってこれら3つのばらつき(機器内ばらつき、機器間ばらつき、総ばらつき)のうちの任意の2つについて平均値とばらつきの間の関係を確立したら、3つ目の関係は、総ばらつきを機器間ばらつきおよび機器内ばらつきと関係付け等式から直接確立することができる。

0047

その他の技術を利用して、観察したばらつきと平均試験結果の間の関係を考慮することもできる。例えば、ばらつき推定値を確立するための別の方法では、履歴試験結果のデータベースにおいて、品質管理物質の新たなロットについて計算した平均試験結果と同等の平均試験結果を有する品質管理物質の特定の以前のロットを特定する。この実施形態では、この特定の以前のロットの試験結果のばらつきを計算し、次いで、品質管理物質の新たなロットのばらつき推定値を、品質管理物質の特定の以前のロットの計算した試験結果のばらつきと等しくなるように割り当てる。以前のロットの平均値が新たな物質ロットの計算した平均値と同等であるかどうかは、適当な任意の方法で確証することができる。例えば、以前のロットは、その平均値が新たなロットから得られた試験結果の平均値の1%以内、2%以内、5%以内またはその他の適当な割合以内である場合に、同等の平均値を有するとみなすことができる。あるいは、以下で述べるように、以前のロットは、その平均値が品質管理物質の新たなロットについて計算した平均値の標準誤差内である場合に、同等の平均値を有するとみなすことができる。

0048

平均値推定の誤差の例
任意の研究室で任意の機器について実行された試験によって得られる新たな試験結果が収まると予想される試験結果の範囲は、試料平均値の決定の不確定性、機器内ばらつきおよび機器間ばらつきなど、複数の要因によって拡大する。平均値の推定値の不確定性は、試料の平均値の推定値を計算するために使用される機器および試料の数、ならびに機器間ばらつきおよび機器内ばらつきによって決まる。本発明の実施形態では、例えばわずか4つなど、非常に少ない数の試料を使用して、分析平均値を推定することができる。平均値の標準誤差の推定値をこれと同数の少数の試料に基づいて計算した場合には、分析範囲の信頼性が低くなり望ましくないことがある。

0049

したがって、本発明の実施形態によれば、ばらつきを推定する際にはるかに大きな試料サイズを利用することができるので、履歴結果のデータベースのばらつきデータを用いて平均値の推定値の不確定性を計算する。実施形態によっては、

0050

に従って、平均値の標準誤差を、平均値の不確定性の推定値として使用する。この平均値の標準誤差(SEM)についての数式では、項VWおよびVBは、上記で計算した機器内分散および機器間または研究室間分散であり、Lは、研究室の数であり、niは、新たな品質管理ロットの平均値を推定するために使用される報告側の各研究室からの報告結果の数である。

0051

分析範囲の決定例
平均値の誤差ならびに機器内ばらつきおよび機器間ばらつきが推定されたら、分析範囲を決定することができる。任意の研究室で任意の試験機器を用いて得られた試験結果の予想分布は、分析平均値を中心に分布し、平均値の推定値の不確定性ならびに機器内ばらつきおよび機器間ばらつきの影響を受ける幅を有することになる。上記で計算した推定値を用いて、予想試験結果の分布の標準偏差は、以下のように計算することができる。

0052

本開示では、平均値の標準誤差の推定値ならびに機器内ばらつき推定値および機器間ばらつき推定値を含む母集団ばらつきの推定値を、「全体(overall)」ばらつきの推定値と呼ぶ(上記の「総(total)」ばらつきとは異なる)。上記で計算したSDRは、全体ばらつきの推定値の例である。次いで、予想試験結果分布の指定部分包含するように、分析範囲の割当を行う。例えば、分析範囲が統計学的管理下で動作している試験機械から得られる全ての予想試験結果の99.7%を包含することが望ましい場合には、この範囲は、平均値±3*SDRに設定すればよい。この場合には、品質管理物質の新たなロットから抜き出した試料について試験を行うと、その試験を行うためにどの機器を使用したかに関わりなく、またその機器がどの研究室にあるかに関わりなく、99.7%の確率で指定範囲内に収まるものと予想される。別の例では、分析範囲が全ての予想試験結果の95.4%を包含することが望ましい場合には、この範囲を、平均値±2*SDRに設定すればよく、この場合には、品質管理物質の新たなロットから抜き出した試料について試験を行うと、任意の研究室の任意の正常に動作する試験機器で、95.4%の確率で指定範囲内に収まるものと予想される。

0053

データのキュレーション(curation)
分析平均値および分析範囲の決定において使用する全てのデータは、履歴結果のデータベース内のデータおよび品質管理物質の新たなロットについて実行した試験の結果も含めて、使用前に「キュレート(curate)」する。すなわち、データを検査し、明らかにエラーまたは異常のあるデータを、補正するか、または考慮から除外する。

0054

異常なデータは、多くの原因から生じる可能性がある。例えば、異なる研究室が、異なる方法で、品質管理物質の製造業者にそれぞれの品質検査試験結果を報告する。一部の試験機械は、自動化し、コンピュータ・ネットワークに接続することができるので、品質検査試験結果は、人為的なエラーの可能性がほとんどなく自動的に電子的に伝送されるが、収集エラーおよび伝送エラーは生じる可能性がある。一部の研究室は、品質検査試験結果を手作業で報告することがあるので、その他の多くのエラーの可能性が存在する。例えば、数字順序が入れ替わったり、数字が間違ってタイプされたりする可能性もあるし、あるいは特定の試験の測定単位が誤って入力される可能性もある。後者の場合には、正しくはミリグラムリットルの単位で結果が報告されるべき試験が、誤ってグラム/リットルの単位で報告され、報告された結果が実際の結果と1000倍も異なってしまうという可能性もある。その他にも、エラーの原因は数多く考えられる。

0055

ただし、通常の試験結果の分布内にある可能性が高いが、単にこの分布のテールに含まれるに過ぎないデータを除外しないことは重要である。試験結果を排除することができる基準の例としては、以下が挙げられる。

0056

・試験結果が、関心のある試験で生じうる結果の範囲外にある。
・試験結果と平均試験結果の差が、例えば4、5または6など、同様の試験の母集団の標準偏差の指定数より大きい。

0057

・正の数で測定することしかできない量について、試験結果が負の数である。
・試験結果が、同様の試験の平均結果より、例えば100倍以上など、指定倍数を超えて大きい。

0058

・報告された試験結果の単位が、その試験自体の性質と相容れないものである。
データを排除する基準は、その他にも数多く想起することができ、添付の特許請求の範囲内で使用することができる。実施形態によっては、データが自動的に排除されないこともあるが、自動システムにより、疑いのあるデータにフラグを立てて、熟練したオペレータ再調査できるようにすることができ、このオペレータが、その後に、フラグの立ったデータがあれば、どのデータを排除するかを判断することができる。

0059

サンプリング・プランの指定
履歴試験結果のデータベースは、その他の用途にも利用することができる。例えば、上記で説明したように、平均値の推定値の不確定性は、分析平均値、機器内ばらつきおよび機器間(研究室間)ばらつきを確立するために試験する試料の数の影響を受ける。平均値の誤差は、分析範囲の幅のごく一部、例えばその範囲の幅のせいぜい12%にしか寄与しないことが望ましい。ただし、機器内ばらつきおよび機器間ばらつきが予め分かっていなければ、分析範囲の幅が、異なる研究室で異なる機器について行われた試験の影響をどのように受けるのかを知ることは、困難または不可能である。分析平均値を確立するために使用される試料の数、ならびに異なる試験機器および研究室への試験の割当が、平均値および範囲の割当工程の最初に闇に選ばれたものである場合には、その工程の最後になって、平均値の不確定性による過剰な寄与のためにその範囲が無駄に広いことが分かる可能性がある。

0060

履歴試験結果のデータベースは、平均値の不確定性による分析範囲への寄与が許容できる程度に小さくなるような分析平均値および分析範囲を確立するために行わなければならない試験の数を最小限に抑えるようにサンプリング・プランを設計するために利用することができる。例えば、特定の試験条件で、機器間ばらつきまたは研究室間ばらつきが機器内ばらつきに対して非常に小さいことがアプリオリに分かっている場合には、その他の機械について行われる試験は、単に最初の機械の試験を繰り返すだけとなる可能性が高いので、1つの試験機械のみについて行われる試験を用いて分析平均値を確立すればよい可能性がある。ただし、機器間ばらつきが機器内ばらつきに対して大きい場合には、機器間ばらつきを考慮するために、複数の機械を用いて試験することが非常に重要となる。この場合には、機器内ばらつきが小さいということは、これらの試験がすぐに重複するようになる可能性があることを示しているので、各機械について必要な試験数は比較的少なくなる可能性がある。機器内ばらつきおよび機器間ばらつきが厳密に釣り合っている場合には、複数の試験機器のそれぞれについて複数回の試験を実行することが必要になる可能性がある。

0061

以下のテーブル2は、機器内ばらつきおよび機器間ばらつきの異なる関係の、サンプリング・プランへの影響を示している。これらの影響は、研究室内(機器内)ばらつきに対する研究室間(機器間)ばらつきの比k、すなわちk=SDR/SDW、および異なるサンプリング・プランの平均値の誤差に帰することができる分析範囲の割合で与えられる。テーブル2から分かるように、研究室間ばらつきが研究室内ばらつきに対して非常に小さい(k=0.1)場合には、1つの機器についてのみ試験すれば、分析範囲のうち平均値の不確定性に帰することができるのはわずかな部分のみであるという十分な信頼性で平均値を確立することができる可能性がある。12%の寄与を例として用いると、テーブル2の「k=0.1」の欄には、1つの試験機械について4回以上試験を実行すれば十分であることが分かる。あるいは、2つまたは3つの機器を使用する場合には、各機械について2回以上の試験を行えば十分であり、4つの機器を使用する場合には、各機械について試験は1回だけでよい。

0062

k=2の場合には、テーブル2の「k=2」欄から分かるように、分析範囲の幅への寄与が12%未満になるようにするためには、少なくとも4つの試験機械を利用しなければ
ならない。

0063

k=0.5の場合には、2つの機器のそれぞれについて4回以上の試験を行う、3つの機器のそれぞれについて2回以上の試験を行う、または4つの機器のそれぞれについて1回以上の試験を行うなど、複数のサンプリング・プランのうちのいずれでも十分である可能性がある。

0064

事前に履歴試験データを用いてSDRおよびSDWを推定することにより、試験者は、新たな分析範囲を決定するための効率的なサンプリング・プランを安全に設計することができる可能性がある。

0065

図1は、本発明の実施形態による、品質管理物質の特定のロットについて統計学的に有効な分析平均値および分析範囲を確立する方法100のステップの概要を示す流れ図であ
る。図1に示す複数のステップは、任意選択であり、実施形態によっては行われないこともあることを理解されたい。さらに、ステップの順序は、適宜並べ替えることができる。図1の流れ図は逐次的に示してあるが、一部のステップはその他のステップと並行して実行することができる。

0066

ステップ101で、上述のように、履歴試験結果のデータベースを収集する。すなわち、試験研究室が、品質検査試験の結果を記録して報告し、各結果の試験条件を特定する情報とともにそれらの結果を報告する。これらの結果は、各品質検査試験で使用される品質管理物質の製造業者に報告することもできる。ステップ102で、データベース中のデータをキュレートして、明らかにエラーまたは異常のあるエントリを除外する。データベースは、新たな平均値および分析範囲が必要とされる以前のロットの品質管理物質も含む、多くの品質検査試験の結果を含むことが好ましい。

0067

ステップ103で、平均値を推定する際の不確定性に帰する分析範囲の割合の上限を設定する。複数の実施形態では、この上限は、6%、8%、10%、12%、15%、20%、25%またはその他の適当な値に設定することができる。この上限は、この方法を実行するエンティティが選択することができ、また任意に選択することができ、あるいは複数の理由により、この上限を確立するエンティティが選ぶこともできる。

0068

ステップ104で、履歴結果のデータベースにアクセスし、これを用いて、品質管理物質の以前のロットの機器内ばらつきおよび機器間ばらつきを推定する。上記で説明したように、ばらつき推定値は、標準偏差SDWおよびSDBとして表すことができる。実施形態によっては、例えば分散の最大尤度または制限付き最大尤度の推定値など、その他の種類のばらつきの推定値を使用することもできる。

0069

ステップ105で、少なくとも部分的には機器内ばらつき推定値および機器間ばらつき推定値に基づいて、サンプリング・プランを決定する。このサンプリング・プランは、平均値の不確定性による分析範囲の幅への寄与がステップ103で設定した上限を超えないだけの十分な精度で平均値を推定することができるためには、品質管理物質の新たなロットのうちどれだけ多くの試料を、どれだけ多くの異なる試験機械について試験する必要があるかを示すことができる。機器内ばらつきおよび機器間ばらつき推定値が標準偏差SDWおよびSDBとして表される場合には、テーブル2を使用して、サンプリング・プランを確立することができる。

0070

ステップ106で、新たな分析平均値および分析範囲が必要とされる新たなロットの品質管理物質から抜き出した試料を試験する。これらの試料は、ステップ105で確立したサンプリング・プランに従って試験することができる。

0071

ステップ107で、機器間ばらつきおよび機器内ばらつき推定値を、関心のある試験条件でのばらつきと平均値の間の履歴的関係に従って、ステップ106で計算した平均値に基づいて調節することができる。例えば、履歴結果のデータベースのデータに対して回帰を実行して、平均値と機器内ばらつきの間および平均値と機器間ばらつきの間の予想される関係を確立することができる。

0072

ステップ108で、機器内ばらつき推定値および機器間ばらつき推定値ならびに平均値の不確定性の推定値から、全体ばらつきの推定値を計算する。上記で説明したように、平均値の標準誤差を、平均値の不確定性の推定値として使用することができる。標準偏差SDRを全体ばらつきの推定値として使用することができるが、本発明の実施形態では、その他の全体ばらつきを使用することもできる。

0073

ステップ109で、統計学的管理下で運営されている研究室における適切に機能している試験機械について行った新たな品質検査試験の結果が、確立する分析範囲内に収まる確率について、目標確率を設定する。例えば、目標確率は、75%、80%、90%、95.4%、99%、99.7%、99.9%またはその他の任意の適当な値に設定することができる。

0074

ステップ110で、分析範囲の限界を確立する。この範囲は、計算した平均値を中心とし、新たな品質検査試験結果がステップ109で確立した目標確率でこの範囲内に収まるような幅を有することが好ましい。標準偏差SDRを用いて全体ばらつきを推定するときには、この範囲は、所望の割合の品質検査試験結果を包含するために必要な標準偏差の数を用いて確立することができる。

0075

少なくともステップ104〜110は、例えば試験機器の製造元およびモデル、試験方法、特定の品質管理物質、ならびに品質管理物質の濃度の新たな組合せなど、新たな関心のある試験条件のそれぞれについて繰り返すことができる。

0076

図2は、本発明の実施形態による、分析平均値および分析範囲の割当に関係する様々なシステムの相互作用を示す簡略ブロック図である。複数の研究室201a〜201hが、品質検査試験の結果を記録する。これらの結果は、履歴結果のデータベース202に収集され、上述のようにキュレートすることができる。図2では、3つの異なるモデルの試験機械を利用している8箇所の研究室が示してあるが、これよりも多くの研究室およびこれよりも多くのモデルの試験機械が存在していてもよいことを理解されたい。分析平均値/分析範囲割当システム203は、データベース202にアクセスし、この平均値および範囲を割り当てるための計算を実行する。分析平均値/分析範囲割当システム203は、最初にデータベース202のデータを利用してサンプリング・プラン204を構築することができ、品質管理物質の新たなロットから抜き出した試料は、このサンプリング・プランに従って試験することができる(205)。これらの試験の結果は、分析平均値/分析範囲割当システム203に返送され、この分析平均値/分析範囲割当システム203が、分析平均値および分析範囲206を計算し、出力する。

0077

図3は、分析平均値/分析範囲割当システム203をさらに詳細に示す図である。分析平均値/分析範囲割当システム203は、データベース202を含み、このデータベース202は、上述のように、複数の異なる試験機器について行われた品質検査試験301の結果を受信する。このシステムは、品質管理物質の新たなロットから抜き出した試料について行われた試験の結果を受信して、その試験結果の平均値を計算する平均値決定モジュール302をさらに含む。また、システム203は、データベース202のデータを用いて、品質管理物質の少なくとも1つの以前のロットについて行われた試験で得られた試験結果のばらつきの推定値を計算するばらつき推定モジュール303も含む。範囲確立モジュール304は、平均値およびばらつき推定値ならびに品質管理物質の新たなロットから抜き出した試料について行う新たな品質検査試験の結果が分析範囲内に収まる目標確率306を受信し、分析平均値および分析範囲206を計算する。また、システム203は、データベース202のデータ、および例えば平均値を推定する際の不確定性に帰する分析範囲の割合の上限の指定307など、その他の1つまたは複数の入力に基づいてサンプリング・プラン204を構築する試料プラン確立モジュール305を含んでいてもよい。モジュール302〜305は、例えば以下でさらに詳細に述べるようにコンピュータ・システムを用いるなど、ハードウェアソフトウェアファームウェア、またはそれらの組合せとして実装することができる。

0078

実施形態による様々なデータ・フローを、図4にさらに詳細に示す。本開示では、データベースからの「ピア」データは、特定の試験条件での分析平均値および分析範囲を確立
する際に使用することができるデータである。

0079

図5は、本発明の実施形態を実施することができる例示的なコンピュータ・システム500を示すブロック図である。この例では、その全体または一部分を使用して、あるいは様々な修正を加えて使用して、本発明の分析平均値/分析範囲割当システム203および/またはその他の構成要素の機能を実現することができるようなコンピュータ・システム500を示している。例えば、単なる例示であるが、機器内ばらつきおよび機器間ばらつきの推定、平均値および平均値の推定値の不確定性の計算、機器内ばらつきおよび機器間ばらつき推定値の回帰および調節、全体ばらつきの推定値の計算、ならびに分析範囲の計算など、分析平均値/分析範囲割当システム203の様々な機能は、コンピュータ・システム500によって制御または実行することができる。

0080

コンピュータ・システム500は、バス590を介して電気的に結合することができる複数のハードウェア要素を含むものとして示してある。これらのハードウェア要素には、1つまたは複数の中央処理装置510、1つまたは複数の入力装置520(例えばマウスキーボードなど)、および1つまたは複数の出力装置530(例えば表示装置プリンタなど)が含まれることがある。また、コンピュータ・システム500は、1つまたは複数の記憶装置540を含むこともある。例えば、1つまたは複数の記憶装置540は、ディスクドライブ光学記憶装置、ならびに例えばプログラマブルかつ/またはフラッシュ更新可能であることもあるランダム・アクセス・メモリ(RAM)および/または読取専用メモリ(ROM)などの固体状態記憶装置とすることができる。

0081

コンピュータ・システム500は、さらに、コンピュータ可読記憶媒体読取装置550、通信システム560(例えばモデム、ネットワーク・カード無線または有線)、赤外線通信装置、Bluetooth(登録商標)装置、携帯通信装置など)、および上述のようにRAM装置およびROM装置を含むこともあるワーキング・メモリ580を含むこともある。実施形態によっては、コンピュータ・システム500は、デジタル信号プロセッサ専用プロセッサなどを含むことがある処理加速ユニット570を含むこともある。

0082

コンピュータ可読記憶媒体読取装置550は、さらに、コンピュータ可読記憶媒体に接続することができ、その両者で(また必要に応じて1つまたは複数の記憶装置540と組み合わせて)全体として、遠隔ローカル、固定、および/または脱着可能な記憶装置にコンピュータ可読情報を一時的かつ/または永久的に格納する記憶媒体を加えたものとなることができる。通信システム560により、ネットワーク、システム、コンピュータ、および/またはその他の上述の構成要素とデータを交換することができる。

0083

また、コンピュータ・システム500は、オペレーティング・システム584および/またはその他のコード588など、ワーキング・メモリ580内に現在位置しているものとして示してあるソフトウェア要素を含むこともできる。コンピュータ・システム500の代替実施形態は、上述のものの多数の変形形態を有することができることを理解されたい。例えば、カスタマイズされたハードウェアを使用し、かつ/あるいは特定の要素をハードウェアもしくはソフトウェア(アプレットなどの高移植性ソフトウェアなど)またはその両方で実装することもできる。さらに、ネットワーク入出力およびデータ取得装置など、その他の計算装置への接続を行うこともできる。

0084

コンピュータ・システム500のソフトウェアは、本明細書に記載したアーキテクチャの様々な要素の機能のいずれかまたは全てを実施するコード588を含むことができる。例えば、システム500などのコンピュータ・システムに記憶および/または実行されるソフトウェアは、分析平均値/分析範囲割当システム203、および/または上述したような本発明のその他の構成要素の機能を実現することができる。これらの構成要素のいく
つかでソフトウェアによって実施することができる方法については、上記で既に詳細に説明している。

0085

分かりやすく、かつ理解しやすいように、本発明について詳細に説明した。ただし、添付の特許請求の範囲の範囲内で、特定の変更および修正を加えることができることを理解されたい。

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