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技術 インクジェット記録用インク、インク収容容器、インクジェット記録装置

出願人 株式会社リコー
発明者 加藤啓太成瀬充野々垣正康松山彰彦永井一清小飯塚祐介
出願日 2014年3月12日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2014-048368
公開日 2015年10月1日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2015-172138
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット記録方法及びその記録媒体 インキ、鉛筆の芯、クレヨン インクジェット(インク供給、その他)
主要キーワード pHメータ 四方形 路ポンプ 過熱装置 中和水溶液 加熱液 サーモスタット制御 メタクリルアミドモノマー
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年10月1日)のものです。
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図面 (5)

課題

高画像濃度及び低い裏抜け濃度が得られ、吐出信頼性に優れたインクジェット記録用インクの提供。

解決手段

少なくとも、水、有機溶剤顔料を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクが、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。 但し、M+は、プロトンアルカリ金属陽イオンアンモニウムイオン、または有機アンモニウムイオンであり、式中の各M+は同一であっても異なっていてもよい。

概要

背景

近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。インクジェット記録方式は、インクジェット記録装置により少量のインク飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて画像を形成する方式であり、パーソナル及び産業用プリンタ印刷まで用途が拡大してきている。
インクとしては、水溶性染料着色剤とする水系インクが主に用いられているが、前記染料インク耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。しかし、前記顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出定性、保存安定性が劣る。また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴い、普通紙に対して顔料インクを用いた場合でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし、顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題がある。更に、高速印字対策として記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早めるため、インクに浸透剤を添加して水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられるが、この際、水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下してしまうという現象が起こる。

画像濃度の向上及び吐出信頼性の向上については、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含み、前記着色剤がリン酸基により修飾された自己分散顔料を含み、さらに、キレート剤を含むインクジェット記録用水性インクが提案されている。この提案では、リン酸基により処理された自己分散顔料を使用することで高い画像濃度を得ており、さらにインクにキレート剤を添加することで、インクの再分散性を向上させ、吐出信頼性を確保できるとしている。
また、特許文献2には、ニトリロ三酢酸NTA)と(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)の化合物またはその塩を含むインクジェット捺染用インクが提案されている。この提案では、ニトリロ三酢酸(NTA)と(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)の2種類のキレート剤を、染料を用いたインクに同時に添加することで、インク中に残留する多価金属イオンの影響を抑えることができるとしている。

概要

高画像濃度及び低い裏抜け濃度が得られ、吐出信頼性に優れたインクジェット記録用インクの提供。少なくとも、水、有機溶剤、顔料を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクが、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。 但し、M+は、プロトンアルカリ金属陽イオンアンモニウムイオン、または有機アンモニウムイオンであり、式中の各M+は同一であっても異なっていてもよい。なし

目的

本発明は、従来技術の諸問題を解決し、普通紙に対しても高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、更に、インクの吐出信頼性が良好な、インクジェット記録用インクの提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも、水、有機溶剤顔料を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクが、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。但し、M+は、プロトンアルカリ金属陽イオンアンモニウムイオン、または有機アンモニウムイオンであり、式中の各M+は同一であっても異なっていてもよい。

請求項2

前記インクジェット記録用インクが、下記(1)、(2)、(3)のいずれかを満たすことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用インク。(1)前記顔料が、少なくとも一種親水基を有する分散剤により分散された顔料である。(2)前記顔料が、少なくとも一種の親水基を有する樹脂被覆された顔料である。(3)前記顔料が、少なくとも一種の親水基、少なくとも一種の親水基を含む原子団または、少なくとも一種の親水基を有する樹脂が結合した顔料である。

請求項3

前記親水基が、リン酸基またはホスホン酸基であることを特徴とする請求項2記載のインクジェット記録用インク。

請求項4

前記親水基が、ビスホスホン酸基であることを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット記録用インク。

請求項5

前記一般式(1)におけるM+がプロトンまたは有機アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。

請求項6

前記インクジェット記録用インクにおいて、前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.1質量%から15.0質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。

請求項7

前記インクジェット記録用インクにおいて、pHが25℃で7.0以上10.0以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。

請求項8

インク収容部に請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用インクが収容されていることを特徴とするインク収容容器

請求項9

請求項8に記載のインク収容容器を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置

技術分野

0001

本発明は、インクジェット記録用インク、これを用いたインク収容容器、及びインクジェット記録装置に関する。

背景技術

0002

近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単でかつフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。インクジェット記録方式は、インクジェット記録装置により少量のインク飛翔させ、紙などの記録媒体に付着させて画像を形成する方式であり、パーソナル及び産業用プリンタ印刷まで用途が拡大してきている。
インクとしては、水溶性染料着色剤とする水系インクが主に用いられているが、前記染料インク耐候性及び耐水性に劣るという欠点がある。このため、近年、水溶性染料に代えて顔料を使用する顔料インクの研究が進められている。しかし、前記顔料インクは、染料インクに比べて発色性やインクの吐出定性、保存安定性が劣る。また、OA用プリンタの高画質化技術の向上に伴い、普通紙に対して顔料インクを用いた場合でも染料インクと同等の画像濃度が要求されている。しかし、顔料インクは、記録媒体として普通紙を使用する場合、紙中へ浸透することにより紙表面の顔料濃度が低くなり、画像濃度が低くなるという問題がある。更に、高速印字対策として記録媒体に付着したインクの乾燥速度を早めるため、インクに浸透剤を添加して水を記録媒体中に浸透させることにより乾燥を早める手段がとられるが、この際、水だけでなく顔料の記録媒体への浸透性も高くなってしまい、更に画像濃度が低下してしまうという現象が起こる。

0003

画像濃度の向上及び吐出信頼性の向上については、様々な手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含み、前記着色剤がリン酸基により修飾された自己分散顔料を含み、さらに、キレート剤を含むインクジェット記録用水性インクが提案されている。この提案では、リン酸基により処理された自己分散顔料を使用することで高い画像濃度を得ており、さらにインクにキレート剤を添加することで、インクの再分散性を向上させ、吐出信頼性を確保できるとしている。
また、特許文献2には、ニトリロ三酢酸NTA)と(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)の化合物またはその塩を含むインクジェット捺染用インクが提案されている。この提案では、ニトリロ三酢酸(NTA)と(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)の2種類のキレート剤を、染料を用いたインクに同時に添加することで、インク中に残留する多価金属イオンの影響を抑えることができるとしている。

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1では、インクに添加するキレート剤として、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムとニトリロ三酢酸ナトリウム一水和物を例示しているが、これらは、多価金属イオンに対する親和性が高く、普通紙にインクが着弾して、多価金属イオンが紙から溶出してきた際に、多価金属イオンがリン酸基で修飾された顔料ではなく、キレート剤と強く結びついてしまうため、顔料の凝集効果が不十分となり、十分な画像濃度向上効果が期待できない。また、インクに添加するキレート剤として、本発明で用いる一般式(1)の化合物は記載されていない。
一方、特許文献2には、ニトリロ三酢酸(NTA)及び(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)の2種類を同時に添加するインクジェット捺染用インクが例示されている。特許文献2において、印刷対象となるメディアは布であり、紙に対する効果は記載されていない。また、特許文献2に記載したインクを普通紙への印字に使用した場合、ニトリロ三酢酸(NTA)は、多価金属イオンに対する親和性が高く、普通紙にインクが着弾して、多価金属イオンが紙から溶出してきた際に、多価金属イオンはニトリロ三酢酸と強く結びついてしまうと推定される。そのため、特許文献2において染料の代わりに顔料を用いたインクでは、顔料の凝集効果が不十分となり、十分な画像濃度向上効果が期待できない。
そこで、本発明は、従来技術の諸問題を解決し、普通紙に対しても高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、更に、インクの吐出信頼性が良好な、インクジェット記録用インクの提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0005

上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1)少なくとも、水、有機溶剤、顔料を含むインクジェット記録用インクであって、前記インクジェット記録用インクが、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするインクジェット記録用インク。



但し、M+は、プロトンアルカリ金属陽イオンアンモニウムイオン、または有機アンモニウムイオンであり、式中の各M+は同一であっても異なっていてもよい。

発明の効果

0006

本発明によれば、普通紙に対しても高い画像濃度が得られ、画像の裏抜けが低減され、更に、吐出信頼性が良好な、インクジェット記録用インクを提供することができる。

図面の簡単な説明

0007

本発明のインク収容容器の一例を説明するための概略平面図。
図1に示す本発明のインク収容容器のケース外装)を含めた概略平面図。
本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
図3に示すインクジェット記録装置における一部拡大断面図。
図3に示すインクジェット記録装置における他の一部拡大断面図。

0008

以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明の実施の形態には次の2)〜10)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2)前記インクジェット記録用インクが、下記(1)、(2)、(3)のいずれかを満たすことを特徴とする1)記載のインクジェット記録用インク。
(1)前記顔料が、少なくとも一種親水基を有する分散剤により分散された顔料である。
(2)前記顔料が、少なくとも一種の親水基を有する樹脂被覆された顔料である。
(3)前記顔料が、少なくとも一種の親水基、少なくとも一種の親水基を含む原子団または、少なくとも一種の親水基を有する樹脂が結合した顔料である。
3)前記親水基が、リン酸基またはホスホン酸基であることを特徴とする2)記載のインクジェット記録用インク。
4)前記親水基が、ビスホスホン酸基であることを特徴とする2)または3)に記載のインクジェット記録用インク。
5)前記一般式(1)におけるM+がプロトンまたは有機アンモニウムイオンであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
6)前記インクジェット記録用インクにおいて、前記一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.1質量%から15.0質量%であることを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
7)前記インクジェット記録用インクにおいて、pHが25℃で7.0以上10.0以下であることを特徴とする請求項1)〜6)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
8)インク収容部に1)〜7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクが収容されていることを特徴とするインク収容容器。
9)8)に記載のインク収容容器を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。

0009

一般にキレート剤化合物またはその塩は、炭酸カルシウム硫酸カルシウムといった難溶性カルシウム塩を溶解させる特性を持つ。そのため、インクに添加することで、インクが紙に着弾した際に、紙からのカルシウムイオンの溶出量を増加させることができる。しかし、通常のキレート剤のカルシウムイオンに対する親和性は非常に高く、溶出してきたカルシウムイオンは強くキレート剤化合物と結びついている。そのため、顔料を分散させている官能基(親水基)と反応することで、顔料の分散性を低下させることで生じる顔料凝集効果はなく、画像濃度向上にはつながらなかった。

0010

上記の問題を解決する方法を鋭意検討した結果、前記一般式(1)で表される化合物をインクの添加剤として用いることで、紙からのカルシウムイオンの溶出量増加と、溶出してきたカルシウムイオンと顔料を分散させている親水性官能基反応性の両方を確保できることが判明した。その結果、水溶性多価金属塩含有率が低いか又は難溶性の金属塩しか含まれない普通紙においても、高い画像濃度と低い裏抜け濃度が得られることが判明した。更に、インクの吐出前には顔料が凝集することなく、インクと紙との反応で顔料の凝集を生じさせること、及びノズルでインクが乾燥しても凝集しにくいことから高い吐出信頼性を確保できることも判明した。

0011

<EDDS及び中和剤
本発明で用いる前記一般式(1)で表される化合物は、(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸(以下、EDDSとも記載)及びそのアルカリ金属塩アンモニウム塩有機アンモニウム塩を含む。(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸は、(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸・三水和物としてキレストEDDS−4H(キレスト株式会社製)の名称で市販されている。
前記一般式(1)におけるM+は、プロトン、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、または有機アンモニウムイオンを表し、同一でも異なっていても良い。アルカリ金属の陽イオンとしては、ナトリウムイオンカリウムイオンリチウムイオン等が挙げられる。前記一般式(1)におけるM+としては、プロトン及び有機アンモニウムイオンが好ましい。
(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸を、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物アンモニアまたは有機アミン中和した後に、一般式(1)で表される化合物としてインクに添加することもできる。上記中和により、一般式(1)におけるM+が、アルカリ金属の陽イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンとなるが、その割合は、例えば、中和剤の量、溶媒のpH、種類、温度等の条件に依存する。本発明において、一般式(1)で表される化合物としては、M+は、一部はプロトンで残りは有機アンモニウムイオンである化合物、及びM+が全て有機アンモニウムイオンである化合物が好ましい。M+がアルカリ金属の陽イオンまたは有機アンモニウムイオンで置換されている割合を中和率とすると、中和率は70%以上であることが好ましい。中和率は70%以上であると吐出信頼性が向上する。

0012

有機アンモニウムイオンを生成させる中和剤としては、例えば、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドテトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウムイオンを生成する塩基モノ、ジ或いはトリメチルアミン、モノ、ジ或いはトリエチルアミン等のアルキルアミン類エタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンメチルエタノールアミンメチルジエタノールアミンジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアンモニウムアミン、イソプロパノールアンモニウムアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールAEPD)等のアルコールアミン類コリンモルホリン、N−メチルモノホルリンN−メチル−2−ピロリドン2−ピロリドン等の環状アミン、などが挙げられる。この中でもテトラエチルアンモニウムヒドロキシドが特に好ましい。

0013

<顔料>
本発明で用いられる顔料としては、表面に少なくとも1種の親水基を有し、水分散性及び水溶性の少なくともいずれかを示す顔料が好ましく、該顔料としては、(1)少なくとも一種の親水基を有する分散剤により分散された顔料、(2)少なくとも一種の親水基を有する樹脂で被覆された顔料、(3)少なくとも一種の親水基、少なくとも一種の親水基を含む原子団または、少なくとも一種の親水基を有する樹脂が結合した顔料、などが挙げられる。
前記(1)は、一般的に、界面活性剤分散顔料、樹脂分散顔料と呼ばれ、分散剤が顔料と水との界面を取り持つことで、顔料の分散を行っているものである。
前記(2)は、一般的にカプセル顔料と言われ、親水性でかつ水不溶性の樹脂で顔料を被覆してやり、顔料表面の樹脂層にて親水化することで顔料を水に分散するようにしたものである。
前記(3)は、一般的に自己分散顔料と呼ばれ、主にカーボンブラックなどを表面酸化処理して親水化し、顔料単体が水に分散するようにしたものである。

0014

<親水基>
本発明の記録用インクにおける、親水基としては次のような官能基または次のような官能基を有するものが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
−COOX、−SO3X、−PO3HX、−PO3X2、−CONX2、−SO3NX2、−NH−C6H4−COOX、−NH−C6H4−SO3X、−NH−C6H4−PO3HX、−NH−C6H4−PO3X2、−NH−C6H4−CONX2、−NH−C6H4−SO3NX2、−OPO3HX、−OPO3X2(ただし、Xは、水素原子、アルカリ金属、4級アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。)。
親水基の中でも、リン酸基、ホスホン酸基が好ましく、特に、ホスホン酸基を2つ(ビスホスホン酸基)有することが好ましい。

0015

(分散剤)
本発明の記録用インクに用いられる顔料の分散剤としては、親水基を有する界面活性剤型分散剤及び親水基を有する樹脂分散剤のいずれも使用できる。
本発明で用いられる分散剤としては、リン酸基またはホスホン酸基を有する樹脂分散剤が好ましく、ビスホスホン酸基を有する樹脂分散剤が更に好ましい。前記分散剤を使用するとインクに用いた場合に高い画像濃度が得られ、また、裏抜け濃度を低減することができる。
分散剤を使用する場合の前記記録用インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記顔料100質量部に対して、1質量部〜100質量部が好ましく、5質量部〜80質量部がより好ましい。この範囲内で最も適した顔料の粒径が得られ画像濃度と分散性と保存安定性が良好な範囲となる。また、上記効果を損なわない範囲で、2種以上の分散剤を併用してもよい。
分散剤による顔料の分散は、例えば、サンドミルホモジナイザーボールミルビーズミルペイントシェイカー超音波分散機等により行うことができる。

0016

界面活性剤型分散剤としては、アニオン界面活性剤カチオン界面活性剤両性界面活性剤ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤が挙げられる。樹脂分散剤としては、ホモポリマーコポリマーターポリマー、及び/または多くの異なる任意の数の繰り返し単位を有するポリマー等が挙げられる。さらにポリマーは、ランダムポリマー分岐ポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマーブロックポリマー星状ポリマー、及び/または櫛状ポリマーでもよい。これらは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。

0017

アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩ロジン酸石鹸ヒマシ油硫酸エステル塩ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール燐酸エステルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸ジエチルスルホ琥珀酸塩ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインポリオクチルポリアミノエチルグリシンイミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシアリルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステルソルビタンラウレートソルビタンモノステアレートソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレートポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクタン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤等。

0018

樹脂分散剤としては、例えば、カルボキシル基スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基等の親水性官能基(親水基)を含むモノマービニルモノマーアクリルアミドモノマーメタクリルアミドモノマーアクリレートエステルモノマーメタクリレートモノマーエステルモノマービニルエステルモノマービニルエーテルモノマー又はスチレンモノマーのホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる。また、前記モノマーと他のエチレン性不飽和モノマー重合して得られるコポリマーも使用できる。エチレン性不飽和モノマーの例としては、スチレンα−メチルスチレン、ジメチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレンベンジルメタアクリレートフェニル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェニルプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリオキシエチレンオキシプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。

0019

また、前記親水基を含むモノマーと、疎水基を含むモノマーを重合して得られるポリマーも使用できる。疎水基を含むモノマーとしては、例えば、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、ベンジルアクリレートベンジルメタクリレートフェネチルアクリレート、フェネチルメタクリレートシクロヘキシルアクリレートシクロヘキシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、ヘキサデカニルアクリレート、ヘキサデカニルメタクリレート、オクタデカニルアクリレート、オクタデカニルメタクリレート、イコサニルアクリレート、イコサニルメタクリレート、ドコサニルアクリレート、ドコサニルメタクリレート等が挙げられる。親水基を含むモノマーと、疎水基を含むモノマーの重合比は10質量%:90質量%〜20質量%:80質量%が好ましい。

0020

前記樹脂分散剤の合成方法としては、溶液重合懸濁重合塊状重合乳化重合等、公知の種々の合成方法を利用することができるが、重合操作及び分子量の調整が容易なことから、ラジカル重合開始剤を用いる方法が好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、一般に用いられているものなら使用可能で、具体的には、パーオキシケタールハイドロパーオキサイドジアルキルパーオキサイドジアシルパーオキサイドパーオキシジカーボネートパーオキシエステルシアノ系のアゾビスイソブチロニトリルアゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビス(2,2’−イソバレロニトリル)、非シアノ系のジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。分子量の制御がしやすく、分解温度の低い有機過酸化物アゾ系化合物が好ましく、特にアゾ系化合物がより好ましい。重合開始剤の使用量は、重合性単量体の総質量に対して、1〜10質量%が好ましい。

0021

また、前記樹脂分散剤における親水基は、その一部もしくは全てが塩基で中和されることにより、イオン化されていることが好ましい。
中和に用いる塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、アンモニウム、モノ,ジ或いはトリメチルアミン、モノ,ジ或いはトリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、コリン、アミノエタンプロパンジオール、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、アミノエチルプロパンジオール、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等の有機アミン、モノホリン、N−メチルモノホルリン、N−メチル−2ピロリドン、2−ピロリドン等の環状アミン等の有機アミンが挙げられる。

0022

なお、上記以外の樹脂分散剤として、市販品を使用しても良い。
該市販品としては、例えば、ジョンソンポリマー株式会社、ナガセケムテックス株式会社、東亞合成株式会社、三菱レーヨン株式会社、住友精化株式会社、JSR株式会社、昭和高分子株式会社、荒川化学工業株式会社、日本触媒株式会社、日本合成化学株式会社、株式会社クラレなどから容易に入手できる。

0023

<カプセル顔料>
本発明の記録用インクで用いられるカプセル顔料とは、少なくとも1種の親水性基を有する樹脂で顔料を被覆し、マイクロカプセル化することで分散剤を使用しなくても、溶媒中で顔料を安定に分散させることができるものである。
本発明で用いられるカプセル顔料の樹脂としては、リン酸基またはホスホン酸基を有する樹脂が好ましく、ビスホスホン酸基を有する樹脂が更に好ましい。
また、カプセル顔料の樹脂の親水基は、前記樹脂分散剤における親水基と同様、その一部もしくは全てが塩基で中和されることにより、イオン化されていることが好ましい。
前記カプセル顔料の樹脂を使用するとインクに用いた場合に高い画像濃度が得られ、また、裏抜け濃度を低減することができる。

0025

また、顔料を被覆する樹脂の材料としてノニオン性有機高分子材料を用いることが好ましい。ノニオン性有機高分子材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールモノメタクリレートポリプロピレングリコールモノメタクリレートメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートまたはそれらの(共)重合体、2−オキサゾリンカチオン開環重合体などが挙げられる。特に、ポリビニルアルコールの完全ケン化物は、水溶性が低く、熱水には解け易いが冷水には解けにくいという性質を有しており特に好ましい。

0026

水不溶性の顔料を有機高分子材料で被覆してマイクロカプセル化する方法としては、従来公知のすべての方法を用いることが可能であり、化学的製法物理的製法物理化学的方法、機械製法などが挙げられ、具体的には、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化被膜法、コアセルベーション相分離)法、液中乾燥法融解分散冷却法、気中懸濁被覆法スプレードライング法、酸析法、転相乳化法などが挙げられる。

0027

ここで、前記マイクロカプセル化について簡単に説明する。
前記界面重合法は、2種のモノマーもしくは2種の反応物を、分散相連続相に別々に溶解しておき、両者の界面において両物質を反応させて壁膜を形成させる方法である。
前記in−situ重合法は、液体または気体のモノマーと触媒、もしくは反応性の物質2種を連続相核粒子側のどちらか一方から供給して反応を起こさせ壁膜を形成させる方法である。
前記液中硬化被膜法は、芯物質粒子を含む高分子溶液の滴を硬化剤などにより、液中で不溶化して壁膜を形成する方法である。
前記コアセルベーション(相分離)法は、芯物質粒子を分散している高分子分散液を、高分子濃度の高いコアセルベート濃厚相)と希薄相に分離させ、壁膜を形成させる方法である。
前記液中乾燥法は、芯物質を壁膜物質の溶液に分散した液を調製し、この分散液の連続相が混和しない液中に分散液を入れて、複合エマルションとし、壁膜物質を溶解している媒質を徐々に除くことで壁膜を形成させる方法である。
前記融解分散冷却法は、加熱すると液状に溶融常温では固化する壁膜物質を利用し、この物質を加熱液化し、その中に芯物質粒子を分散し、それを微細粒子にして冷却し壁膜を形成させる方法である。
前記気中懸濁被覆法は、粉体の芯物質粒子を流動床によって気中に懸濁し、気流中に浮遊させながら、壁膜物質のコーティング液噴霧混合させて、壁膜を形成させる方法である。
前記スプレードライング法は、カプセル化原液噴霧してこれを熱風と接触させ、揮発分蒸発乾燥させ壁膜を形成させる方法である。
前記酸析法は、アニオン性基を含有する有機高分子化合物類のアニオン性基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和することで水に対する溶解性を付与し色材と共に水性媒体中混練した後、酸性化合物中性または酸性にし、有機化合物類析出させ色材に固着せしめた後に中和し分散させる方法である。
前記転相乳化法は、水に対して分散能を有するアニオン性有機高分子類と色材とを含有する混合体有機溶媒相とし、前記有機溶媒相に水を投入するかもしくは、水に前記有機溶媒相を投入する方法である。

0028

なお、マイクロカプセル化の方法によって、それに適した有機高分子類を選択することが好ましい。
例えば、界面重合法による場合は、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、エポキシ樹脂などが適している。in−situ重合法による場合は、(メタ)アクリル酸エステルの重合体または共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどが適している。液中硬化法による場合は、アルギン酸ソーダ、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミン、エポキシ樹脂などが適している。コアセルベーション法による場合は、ゼラチン、セルロース類、カゼインなどが適している。また、微細で、且つ均一なマイクロカプセル化顔料を得るためには、勿論前記以外にも従来公知のカプセル化法すべてを利用することが可能である。

0029

マイクロカプセル化の方法として転相乳化法または酸析法を選択する場合は、マイクロカプセルの壁膜物質を構成する有機高分子類としては、アニオン性有機高分子類を使用する。転相乳化法は、水に対して自己分散能または溶解能を有するアニオン性有機高分子類と、カーボンブラックとの複合物または複合体、あるいはカーボンブラック、硬化剤およびアニオン性有機高分子類との混合体を有機溶媒相とし、該有機溶媒相に水を投入するか、あるいは水中に該有機溶媒相を投入して、自己分散(転相乳化)化しながらマイクロカプセル化する方法である。なお、ここでのカーボンブラックとは、自己分散型カーボンブラックを含む。上記転相乳化法において、有機溶媒相中に、記録液用のビヒクルや添加剤を混入させて製造しても何等問題はない。特に、直接記録液用の分散液を製造できることからいえば、記録液の液媒体を混入させる方がより好ましい。

0030

一方、酸析法は、アニオン性基含有有機高分子類のアニオン性基の一部または全部を塩基性化合物で中和し、カーボンブラックなどの色材と、水性媒体中で混練する工程および酸性化合物でpHを中性または酸性にしてアニオン性基含有有機高分子類を析出させて、顔料に固着する工程とからなる製法によって得られる含水ケーキを、塩基性化合物を用いてアニオン性基の一部または全部を中和することによりマイクロカプセル化する方法である。このようにすることによって、微細で顔料を多く含むアニオン性マイクロカプセル化顔料を含有する水性分散液を製造することができる。

0031

マイクロカプセル化の際に用いられる溶剤としては、例えば、メタノールエタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルキルアルコール類ベンゾールトルオールキシロールなどの芳香族炭化水素類酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチルなどのエステル類クロロホルム二塩化エチレンなどの塩素化炭化水素類アセトンメチルイソブチルケトンなどのケトン類テトラヒドロフランジオキサンなどのエーテル類;メチルセロソルブブチルセロソルブなどのセロソルブ類などが挙げられる。なお、上記の方法により調製したマイクロカプセルを遠心分離または濾過などによりこれらの溶剤中から一度分離して、これを水および必要な溶剤とともに撹拌、再分散を行い、目的とする本発明の記録用インクを得てもよい。

0032

以上の如き方法で得られるカプセル化顔料平均粒径は50nm〜180nmであることが好ましい。

0033

<自己分散顔料>
本発明の記録用インクで用いられる自己分散顔料は、以下のいずれかに該当する。
・顔料に少なくとも1種の親水基が直接結合するように表面改質された顔料
・顔料に少なくとも1種の親水基を含む原子団が結合するように表面改質された顔料
・顔料に少なくとも1種の親水基を含む樹脂が結合するように表面改質された顔料

0034

少なくとも1種の親水基を含む原子団としては、下記一般式2、一般式3を有する基、その部分エステル又はその塩が挙げられる。一般式2及び一般式3において、Q1及びQ2は、H、R、OR、SR、又はNR2であり、ここでR(これは同じか又は異なってよい)は、H、C1−C18の飽和又は非飽和の分岐又は非分岐のアルキル基、C1−C18の置換又は非置換の分岐又は非分岐のアシル基アラルキル基アルカリル基、又はアリール基である。好ましくは、Q1及びQ2は、H、R、OR、SR、又はNR2であり、ここでR(これは同じか又は異なってよい)は、H、C1−C6アルキル基、又はアリール基である。より好ましくはQ1及びQ2は、H、OH、又はNH2である。
さらに前記原子団は、下記一般式4、一般式5、その部分エステル又はその塩(ここでQ及びQ2は上記したものであり、nは0〜9、例えば1〜9である)を有する基を含む。好ましくはnは0〜3、例えば1〜3であり、より好ましくはnは0又は1である。また前記原子団は、下記一般式6、一般式7、その部分エステル、その塩を有する基を含んでよく、ここでQ1及びQ2とnは上記したものであり、Xは、アリーレンヘテロアリーレンアルキレンビニリデンアルカリレンアラルキレン、環状、又は複素環基である。例えば、Xはアリーレン基、例えば、フェニレンナフタレン又はビフェニレン基(これは、任意の基、例えば、1つ又はそれ以上のアルキル基又はアリール基で置換されてよい)でもよい。Xがアルキレン基である時、例は、特に限定されないが、置換又は非置換のアルキレン基があり、これは分岐又は非分岐であり、1つ又はそれ以上の基(例えば、芳香族基)で置換することができる。例には、特に限定されないが、C1−C12基、例えば、メチレンエチレンプロピレン又はブチレン基がある。

0035

ここで、Z1、Z2は親水基を表す。

0036

該表面改質は、顔料の表面にある特定の官能基(カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ビスホスホン酸基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸またはその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。

0037

少なくとも一種の親水基が結合した顔料の湿式酸化処理による製造方法としては以下に示す酸性カーボンブラックを使用する例が挙げられる。
「酸性カーボンブラック」とは、その粒子の表面上にカルボキシル基を有するために酸性を示すカーボンブラックをいう。水性顔料インキには6以下、特に4以下のpHを有する酸性カーボンブラックを用いることが好ましい。 酸性カーボンブラックは、一般に、常套の酸化剤(例えば、硝酸、オゾン、過酸化水素及び窒素酸化物等)を使用する酸化法、又はプラズマ処理等の表面改質法によって、例えばファーネスブラックチャンネルブラックのようなカラー用のカーボンブラックを適度に酸化することによって得られる。このような酸性カーボンブラックは、三菱化成社から、「MA100」、「2400B」及び「MA8」の商品名で、及びテグサ社から「カラーブラック(ColorBlack)FW200」の商品名で市販されている。得られた酸性カーボンブラックを更に酸化するために、次亜ハロゲン酸塩を用いる。具体的には次亜塩素酸ナトリウム次亜塩素酸カリウムが挙げられ、次亜塩素酸ナトリウムが反応性の点から特に好ましい。酸性カーボンブラックの酸化は、一般に、前述の酸性カーボンブラックと、カーボンブラックの質量に対して有効ハロゲン濃度で10〜30%の次亜ハロゲン酸塩(例えば次亜塩素酸ナトリウム)とを適量の水中に仕込み、5時間以上、好ましくは約10〜15時間、50℃以上、好ましくは95〜105℃で撹拌することにより行う。得られるカーボンブラックは1.5mmol/g以上の表面活性水素含有量を有する。次いで生成物を濾過し、副生塩をイオン交換水洗浄することにより除去する。更に逆浸透膜限外瀘過膜のような0.01μm以下の孔径を有する分離膜を用いて精製及び濃縮する。濃縮は、一般にカーボンブラックの含有率が水に対して10〜30質量%程度の濃厚な顔料分散液になるように行う。得られた顔料分散液をそのまま水性顔料インキとして用いうるが、その際には、カーボンブラックの濃度を1〜20質量%とするのが好ましい。

0038

顔料の表面にある特定の官能基(カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ビスホスホン酸基等の官能基)を化学的に結合させる方法としては、以下の方法が報告されている。例えば米国特許第5,851,280号明細書は、顔料表面に有機基を結合(たとえば有機基がジアゾニウム塩の一部である場合にジアゾニウム反応により結合)させる方法を開示している。得られる表面改質顔料は種々の用途たとえばインク、インクジェットインク塗料トナープラスチックゴムなどに使用可能である。PCT国際公開第WO01/51566号パンフレットは、第1化学基と第2化学基を反応させて第3化学基を結合させた顔料を形成するという改質顔料の製造方法を開示している。
第1化学基は少なくとも1つの求核剤を、また第2化学基は少なくとも1つの求電子剤を、それぞれ含むが、これは逆でもよい。これらの顔料はインク組成物特にインクジェットインク組成物に使用される。

0039

前記樹脂としては、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、及び/または多くの異なる任意の数の繰り返し単位を有するポリマーでもよい。さらにポリマーは、ランダムポリマー、分岐ポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、星状ポリマー、及び/または櫛状ポリマーでもよい。

0040

また、本発明で用いられる自己分散顔料用の樹脂としては、リン酸基またはホスホン酸基を有する樹脂が好ましく、ビスホスホン酸基を有する樹脂が更に好ましい。
また、自己分散顔料用の樹脂の親水基は、前記樹脂分散剤における親水基と同様、その一部もしくは全てが塩基で中和されることにより、イオン化されていることが好ましい。
前記自己分散顔料用の樹脂を使用するとインクに用いた場合に高い画像濃度が得られ、また、裏抜け濃度を低減することができる。

0041

(インクジェット記録用インク)
本発明のインクは、水、有機溶剤、顔料及び、前記一般式(1)で表される化合物を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記一般式(1)で表される化合物のインク中での含有率は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記インク質量の0.1〜15.0質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%が更に好ましい。前記好ましい範囲内であると、インクに用いた場合に高い画像濃度が得られ、吐出信頼性が良好な点で有利である。
本発明のインクの25℃におけるpHは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、7.0〜10.0が好ましい。前記好ましい範囲内であると、インクに用いた場合に吐出信頼性が良好な点で有利である。

0042

本発明のインクは、紙から溶出してくるCaイオン量が、1.0×10-4〜5.0×10-4[g/g]の紙に対して使用するのが好ましい。Caイオン量が1.0×10-4[g/g]以上であると、親水基との反応凝集による画像濃度向上の効果が向上し、紙へのインクの浸透が阻害されないのでインクの乾燥性が向上し、耐擦過性及び耐マーカー性も向上する。
上記紙から溶出してくるCaイオン量は、次の方法により算出したものである。
即ち、紙を2.5cm(±0.5cm)×3.5cm(±0.5cm)四方紙片裁断し、高純水を用いて0.8μmのセルロースアセテートフィルターアドバンテック社製)でろ過して紙粉等の異物を除去する。次いで、前記紙片を高純水に浸漬し、浸漬液に含まれるCaイオンをICP発光分光分析装置によって定量する。ここで得られたCaイオン濃度[ppm]に、高純水の質量を掛け、更に浸漬させた紙の質量で除して、紙から溶出してくるCaイオン量[g/g]を算出する。紙の質量と浸漬する高純水の比率としては、紙の質量/浸漬する高純水の質量=8[g]/100[g]とする。
例えば、MyPaper(リコー社製)のCaイオン量は4.3×10-4[g/g]であり、Xerox4024(富士ゼロックス社製)のCaイオン量は1.7×10-4[g/g]である。

0043

(水)
本発明で使用される水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水蒸留水等の純水、高純水、及び超純水が挙げられる。
水の含有量は、インク全体の20〜60質量%が好ましい。

0044

(有機溶剤)
有機溶剤は保湿効果の付与によるインクの吐出安定化の向上のため使用する。含有量は、インク全体の10〜50質量%が好ましい。含有量が10質量%以上であると、インクが水分蒸発しにくくなり、インクジェット記録装置内のインク供給系でのインクの水分蒸発が抑制され、インク詰まり等が起きにくくなる。また、含有量が50質量%以下であると、顔料や樹脂等の固形分を多く含んでいても、インク粘度が低く抑えられ、高い画像濃度を得ることができる。

0045

前記有機溶剤の例としては次のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
エチレングリコールジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブチルグリコールトリエチレングリコールポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、トリメチロールプロパン、ペトリオール等の多価アルコール類エチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテルジエチレングリコールモノメチルエーテルジエチレングリコールモノエチルエーテルジエチレングリコールモノブチルエーテルテトラエチレングリコールモノメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類エチレングリコールモノフェニルエーテルエチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムγ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類ジメチルスルホキシドスルホランチオジエタノール等の含硫黄化合物プロピレンカーボネイト炭酸エチレン等。
これらの有機溶剤は、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。
上記の中でも、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリエチレングリコール及び/又はグリセリンを含むと、水分蒸発による吐出不良を防止する上で優れた効果が得られる。

0046

本発明で用いられる有機溶剤には浸透剤も含まれる。前記浸透剤としては、炭素数8〜11のポリオール化合物及び炭素数8〜11のグリコールエーテル化合物のいずれかを含有することが好ましい。
前記浸透剤は「非湿潤剤性である媒質」ということができる。これら非湿潤剤性である浸透剤は、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましい。これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2質量%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0質量%(25℃)]が特に好ましい。
その他のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。

0047

その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤のインク中の含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満では、速乾性が得られず滲んだ画像となることがある。一方、4.0質量%を超えると、顔料の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、記録媒体(記録用メディア)への浸透性が必要以上に高くなったり、画像濃度の低下や裏抜けが発生したりすることがある。

0048

(顔料)
本発明で用いられる顔料のインク中の含有量は、0.1〜20.0質量%が好ましい。また、顔料の体積平均粒子径(D50)は、150nm以下が好ましい。前記顔料の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装社製マイクロトラックUPAを用いて動的光散乱法で測定したものである。
顔料としては特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、無機顔料有機顔料のいずれでもよい。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム水酸化アルミニウムバリウムイエロー紺青カドミウムレッドクロムイエロー金属粉、カーボンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。

0049

前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料アゾメチン顔料、多環式顔料、染料キレートニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料がより好ましい。
前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ不溶性アゾ顔料縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料ペリレン顔料ペリノン顔料アントラキノン顔料、キナクリドン顔料ジオキサジン顔料インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料キノフラロン顔料、ローダミンBレーキ顔料などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなどが挙げられる。

0050

黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラックアセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)の金属類、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
前記カーボンブラックとしては、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、一次粒径が、15〜40nm、BET法による比表面積が、50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH値が2〜9を有するものが好ましい。

0051

前記カーボンブラックの市販品としては、例えば、No.2300、No.900、MCF−88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(いずれも、三菱化学社製);Raven700、同5750、同5250、同5000、同3500、同1255(いずれも、コロンビア社製);Regal400R、同330R、同660R、Mogul L、Monarch700、同800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、Monarch1400(いずれも、キャボット社製);カラーブラックFW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、同S150、同S160、同S170、プリンテックス35、同U、同V、同140U、同140V、スペシャルブラック6、同5、同4A、同4(いずれも、デグッサ社製)などが挙げられる。

0052

前記カラー用のものでイエローインクに使用できる顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー2、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー114、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、などが挙げられる。

0053

前記カラー用のものでマゼンタインクに使用できる顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド48(Ca)、C.I.ピグメントレッド48(Mn)、C.I.ピグメントレッド57(Ca)、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19、などが挙げられる。

0054

前記カラー用のものでシアンインクに使用できる顔料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー2、C.I.ピグメントブルー3、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:34、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー66;C.I.バットブルー4、C.I.バットブルー60、などが挙げられる。

0055

また、本発明で使用する顔料は、本発明のために新たに製造されたものでもよい。
なお、イエロー顔料として、ピグメントイエロー74、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド122、ピグメントバイオレッド19、シアン顔料として、ピグメントブルー15:3を用いると、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。

0056

(その他の成分)
本発明のインクに用いられるその他の成分には特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができるが、例えば分散剤、pH調整剤水分散性樹脂防腐防黴剤防錆剤酸化防止剤紫外線吸収剤酸素吸収剤光安定化剤などが挙げられる。

0057

(pH調整剤)
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、アルコールアミン類、アルカリ金属元素水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが7.0未満又は10を超えると、インクジェットヘッドインク供給ユニットを溶かし出す量が大きくなり、インクの変質漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。7.0未満の時には、インク保管中にインクpHが低下して高分子微粒子粒子径の増大により凝集することがある。
前記pHは、例えば、pHメータ(HM−30R、TOA−DKK社製)により測定することができる。
前記アルコールアミン類としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物などが挙げられる。前記ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸リチウム炭酸ナトリウム炭酸カリウムなどが挙げられる。

0058

(水分散性樹脂)
前記水分散性樹脂としては、造膜性画像形成性)に優れ、かつ高撥水性高耐水性高耐候性を備えたものが、高耐水性で高画像濃度高発色性)の画像記録に有用である。
その具体例としては、縮合合成樹脂付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、ポリエステル樹脂ポリウレタン樹脂ポリエポキシ樹脂ポリアミド樹脂ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂アクリルシリコーン樹脂フッ素系樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、ポリオレフィン樹脂ポリスチレン系樹脂ポリビニルアルコール系樹脂ポリビニルエステル系樹脂ポリアクリル酸系樹脂不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
これらの中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。

0059

前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インクが過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は50nm以上であることが好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくても粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出安定性を悪化させる。そこで、インク吐出安定性を阻害させないために、体積平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましい。
前記水分散性樹脂の体積平均粒子径(D50)は、23℃、55%RHの環境下において、日機装社製のマイクロトラックUPAで動的光散乱法により測定したものである。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散顔料を紙面定着させる働きを有し、常温で被膜化して顔料の定着性を向上させるものが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度MFT)は30℃以下であることが好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃未満になると樹脂皮膜粘稠性が強くなり印字物タックが生じるため、ガラス転移温度が−40℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂のインク中の含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。

0060

(防腐防黴剤)
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウムソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウムペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
(防錆剤)
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩チオ硫酸ナトリウムチオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト四硝酸ペンタエリスリトールジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
(酸化防止剤)
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤硫黄系酸化防止剤リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
(紫外線吸収剤)
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤サリチレート系紫外線吸収剤シアノアクリレート系紫外線吸収剤ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。

0061

(インクジェット記録用インクの製造方法)
本発明のインクは、水、有機溶剤、顔料及び、前記一般式(1)で表される化合物及び必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。
前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機マグネチックスターラー高速分散機等で行うことができる。

0062

本発明のインクの物性としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は3〜20mPa・sが好ましい。粘度を3mPa・s以上とすることによって、印字濃度文字品位を向上させる効果が得られる。一方、粘度を20mPa・s以下に抑えることのよって、吐出性を確保することができる。
前記粘度は、例えば、粘度計(RL−550、東機産業社製)を用いて、25℃で測定することができる。
インクの表面張力は、25℃で40mN/m以下が好ましい。表面張力が40mN/mを超えると、記録媒体上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。

0063

(インク収容容器)
本発明のインク収容容器は、本発明のインクを収容するインク収容部を備え、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有する。
前記容器の形状、構造、大きさ、材質には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、アルミニウムラミネートフィルム樹脂フィルムなどで形成されたインク収容部を少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
本発明のインク収容容器の一例を図1図2に示す。図1はインク収容容器の概略平面図、図2図1のインク収容容器のケース(外装)を含めた概略平面図である。
インク収容容器200は、図1に示すように、インク注入口242からインク収容部241内にインクを充填し、排気した後、該インク注入口242を融着により閉じる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給する。インク収容部241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク収容部241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製収容容器ケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。

0064

(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録装置は、前記インク収容容器を備え、本発明のインクをインクジェットヘッドを用いて記録媒体に情報又は画像を記録する。この記録装置は、インクを吐出させるインク飛翔手段を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有する。
前記インク飛翔手段は、本発明のインクに刺激印加し飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適である。また、前記刺激発生手段としては、例えば過熱装置加圧装置圧電素子振動発生装置超音波発振器ライト等が挙げられる。具体的には、圧電素子などの圧電素子等の圧電アクチュエータ発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ静電力を用いる静電アクチュエータ、などが挙げられる。

0065

前記インクの飛翔の態様には特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なる。
例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子を撓ませ、圧力室の容積縮小させて、前記記録ヘッドのノズル孔から該インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサーコンピュータ等の機器が挙げられる。

0066

ここで、実施例でも用いた本発明のインクジェット記録装置について概要を説明する。
図3は、本発明のシリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図である。この記録装置は、装置本体101と、装置本体101に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、装置本体101の前面112の一端部側に、前面112から前方側に突き出し、上カバー111よりも低くなったインク収容容器装填部104とを有する。インク収容容器装填部104の上面には、操作キー表示器などの操作部105が配置されている。インク収容容器装填部104は、インク収容容器200の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内では、図4図5図3の記録装置の一部拡大断面図)に示すように、図示を省略している左右の側板横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とで、キャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータによって図5に示すように矢示方向に移動走査する。

0067

キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を、複数のインク吐出口が主走査方向と交叉するように配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、図示しないインク供給チューブを介して、インク収容容器装填部104に装填された本発明のインク収容容器200からインクが供給されて補充される。

0068

一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とを備えている。

0069

また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156を備えている。搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚さ40μm程度の樹脂材〔例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)〕で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層中抵抗層アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。
なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。
両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。

0070

このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト151が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより記録動作を終了し、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。そして、サブタンク135内のインクの残量ニアーエンドが検知されると、インク収容容器200から所要量のインクがサブタンク135に補給される。

0071

このインクジェット記録装置において、インク収容容器200中のインクを使い切ったときには、インク収容容器200における筐体を分解して内部のインク収容部だけを交換することができる。また、インク収容容器200は、縦置きで前面装填構成としても安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内収納したりする場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インク収容容器200の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタファクシミリ装置複写装置、プリンタ/ファックスコピア複合機、などに特に好適に適用することができる。

0072

記録物及び記録物の製造方法)
本発明の記録物は、本発明のインクを用いて記録媒体(記録用メディア)に情報又は画像が記録されたものである。本発明の記録物は、インクをインクジェットヘッドから吐出させて記録媒体に記録を行う工程により製造することができる。
前記記録媒体としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、普通紙、印刷用塗工紙光沢紙特殊紙、布、フィルムOHPシート、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、普通紙及び印刷用塗工紙のいずれかが好ましく、紙から溶出してくるCaイオン量が、1.0×10-4〜5.0×10-4[g/g]の紙に対して使用するのが特に好ましい。前記普通紙は安価である点で有利である。また、前記印刷用塗工紙は光沢紙に比べて比較的安価でしかも平滑な光沢ある画像を与える点で有利である。しかし、乾燥性が悪く一般にインクジェット用には使用困難であったが、本発明のインクにより乾燥性が向上し使用可能となった。
本発明の記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。

0073

以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に明示しない限り「質量部」及び「質量%」を表す。

0074

また、実施例における樹脂の重量平均分子量、粘度は以下のように測定した。
<樹脂の重量平均分子量>
樹脂の重量平均分子量について、以下に示す方法で測定した。カラム恒温槽には島津製作所製CTO−20A、検出器には島津製作所製RID−10A、溶離液流路ポンプには島津製作所製LC−20AD、デガッサには島津製作所製DGU−20A、オートサンプラーには島津製作所製SIL−20Aを用いてGPC法によって測定した。カラムは東ソー株式会社製の水系SECカラムTSKgelG3000PWXL(排除限界分子量2×105)とTSKgelG5000PWXL(排除限界分子量2.5×106)とTSKgelG6000PWXL(排除限界分子量5×107)を接続したものを用いた。サンプルは溶離液で2g/100mLの濃度に調製し、測定に用いた。溶離液には酢酸、及び酢酸ナトリウムを各々0.5モルリットルに調整した水溶液を使用した。カラム温度は40℃、流速は1.0mL/分で実施した。

0075

<樹脂の粘度>
合成された樹脂について、その10質量%水溶液の粘度は、回転粘度計(粘度計RE550L・コーンプレートタイプ、東機産業社製)を用いて、25℃で測定した。具体的には、樹脂を1.1mL採取し粘度計のサンプルカップに入れ、これを粘度計本体に取り付けて1分間静置した後、粘度計のローターを回転し、1分後の値を読み取った。粘度測定時の回転数は、トルクが40%〜80%の範囲で一定になるように調整した。

0076

<EDDS中和水溶液EDTA中和水溶液・NTA中和水溶液の調製>
本発明におけるEDDSまたはその他キレート剤は中和処理により、カルボン酸基またはその他親水基の一部又は全部を中和してから添加することもできる。
なお、本発明での中和率は、下記の方法により求めた値であり、EDDSまたはその他キレート剤中のプロトンが実際に金属イオンや有機アンモニウムイオンで置換されている割合とは異なる。
一般式(1)で表される化合物について、中和前の化合物を化合物(H)とすると、
中和率X(%)
=(添加した塩基のモル数×塩基の陽イオンの価数)
÷(化合物(H)のモル数×化合物(H)が持つ親水基の数)×100
添加した塩基のモル数=塩基の添加量Yg÷塩基の分子量
化合物のモル数=化合物(H)の仕込み量Zg÷化合物(H)の分子量
したがって、中和率X%を得るために必要な塩基の量は、次式のようになる。
塩基の添加量Yg=中和率X(%)×(化合物(H)の仕込み量Zg×4)
×塩基の分子量÷(塩基の陽イオン価数×100×化合物(H)の分子量)

0077

(水溶液調製例1)
EDDS((S,S)−エチレンジアミン二コハク酸) TEAH中和20質量%水溶液
下記処方の材料を混合しEDDS TEAH中和20質量%水溶液を作製した。中和率は75%とした。
・(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸・三水和物粉末
(固形分100質量%、キレストEDDS−4H、キレスト株式会社製)
・・・ 10部
・テトラエチルアンモニウムヒドロキシド35質量%水溶液 ・・・ 37部
・蒸留水・・・ 53部
※TEAH:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド

0078

(水溶液調製例2)EDDS TEAH中和95質量%水溶液
作製したEDDS TEAH中和20質量%水溶液をスターラーで撹拌しながら、100℃で加熱して水分のみを蒸発させ、固形分が95質量%となるEDDS TEAH中和95質量%水溶液を作製した。中和率は75%とした。

0079

(水溶液調製例3)EDDS NaOH中和20質量%水溶液
下記処方の材料を混合しEDDS NaOH中和20質量%水溶液を作製した。中和率は75%とした。
・(S,S)−エチレンジアミン二コハク酸・三水和物粉末
(固形分100質量%、キレストEDDS−4H、キレスト株式会社製)
・・・ 19部
・水酸化ナトリウム40質量%水溶液 ・・・ 17部
・蒸留水・・・ 64部

0080

(水溶液調製例4)EDTATEAH中和20質量%水溶液調製
下記処方の材料を混合しEDTA TEAH中和20質量%水溶液を作製した。中和率は75%とした。
エチレンジアミン四酢酸粉末
(固形分100質量%、特級、国産化学株式会社製) ・・・ 9部
・テトラエチルアンモニウムヒドロキシド35質量%水溶液
(東京化成工業株式会社製) ・・・ 37部
・蒸留水・・・ 54部

0081

(水溶液調製例5)NTA(ニトリロ三酢酸) TEAH中和20質量%水溶液調製
下記処方の材料を混合しNTA TEAH中和20質量%水溶液を作製した。中和率は67%とした。
・ニトリロ三酢酸粉末
(固形分100質量%、キレスト 2NT、キレスト株式会社製) ・・・ 9部
・テトラエチルアンモニウムヒドロキシド35質量%水溶液
(東京化成工業株式会社製) ・・・ 37部
・蒸留水・・・ 54部

0082

<親水基を有する樹脂分散剤合成例>
(合成例1)ビスホスホン酸基含有樹脂分散剤
ビスホスホン酸モノマーと疎水基モノマーを用いた2元系分散剤合成法
攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒(エタノール)500.0質量部と、下記構造式(2)で表される化合物(1−メタクリロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(特開昭58−222095号公報に記載の方法にて合成))40.0質量部、下記構造式(3)で表される化合物(1−ビニルナフタレン(東京化成工業株式会社製))60.0質量部、重合開始剤(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(東京化成工業株式会社製))4.0質量部を仕込み、温度65℃に昇温した。次いで、窒素気流下、10時間重合反応を行った後、反応系から、仕込んだ溶媒の半量程度を留去した後、アセトン中に混合物注入することでポリマーを析出させ、更に乾燥して、ポリマーを得た。
得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、ホスホン酸基が100%中和された樹脂1を合成した。樹脂1の重量平均分子量は、5000であった。得られた樹脂の25℃における10質量%水溶液の粘度は3.3mPa・sであった。

0083

(合成例2)リン酸基含有樹脂分散剤
ホスマーMと疎水基モノマーを用いた2元系分散剤合成法
撹拌機、温度計、窒素導入管を備えたフラスコに、溶媒1−メトキシ2−プロパノール500部と、構造式(4)



で表されるホスマーM(ユニケミカル社製)30部、ダイアセトンアクリルアミド(日本化成株式会社製)10部、1−ビニルナフタレン(東京化成工業株式会社製)60部、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル4部を入れた後、65℃に昇温し、窒素気流下、15時間重合した。次に、溶媒の半量程度を留去した後、大量のメタノール中に注入して、樹脂2を析出させた。さらに、析出した酸基を有する樹脂2を乾燥させた。酸基を有する樹脂2は、重量平均分子量が30000であった。得られたポリマーを水で希釈しながら、100%酸中和を達成するように、水酸化カリウムを加え、固形分濃度が10質量%になるように、水で濃度調整した。このようにして、リン酸基が100%中和された樹脂2を合成した。得られた樹脂の25℃における10質量%水溶液の粘度は2.8mPa・sであった。

0084

<<顔料分散体調製例>>
以下のようにして、各顔料分散体を調製した。
(1)分散剤分散させた顔料分散体
(1)−1ビスホスホン酸基含有分散剤型顔料分散体(Bk)
下記処方の材料をプレミックスし、混合スラリーを作製した。これをディスクタイプメディアミルアシザワ・ファインテック社製、DMR型)により、0.05mmジルコニアビーズ充填率55%を用いて、周速10m/s、液温10℃で3分間循環分散し、次いで遠心分離機(久保田商事社製、Model−7700)で粗大粒子を遠心分離し、顔料濃度16%の顔料分散体(1)−1を得た。
・カーボンブラック(NIPEX160、degussa社製、
BET比表面積150m2/g、平均一次粒径20nm、pH4.0、
DBP吸油量620g/100g) ・・・160部
・樹脂1 ・・・400部
・蒸留水・・・440部

0085

(1)−2ビスホスホン酸基含有分散剤型顔料分散体(Cyan)
(1)−1のカーボンブラックをピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー)に変更した点以外は、(1)−1と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体(1)−2を得た。

0086

(1)−3ビスホスホン酸基含有分散剤型顔料分散体(Magenta)
(1)−1のカーボンブラックをピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02)に変更した点以外は、(1)−1と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体(1)−3を得た。

0087

(1)−4ビスホスホン酸基含有分散剤型顔料分散体(Yellow)
(1)−1のカーボンブラックをピグメントイエロー74(大日精化社製、ファーストイエロー531)に変更した点以外は、(1)−1と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体(1)−4を得た。

0088

(1)−5リン酸基含有分散剤型顔料分散体
(1)−1の樹脂1を樹脂2に変更した点以外は、(1)−1と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体(1)−5を得た。

0089

(1)−6ポリオキシエチレン基含有分散剤型顔料分散体
(1)−1の樹脂1をポリオキシエチレン(POE)(m=40)−β−ナフチルエーテル(本油脂社製)に変更した点以外は、(1)−1と同様にして、顔料濃度16%の顔料分散体(1)−6を得た。

0090

顔料分散体調製例(1)−1〜(1)−6で得られた各顔料分散体の組成を、表1にまとめて示す。なお、表中の数値は質量部である。

0091

(2)樹脂被覆型顔料分散体
(2)−1アミド基・ポリオキシエチレン基含有樹脂被覆型顔料分散体
ポリマー溶液の調製として、機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管還流管および滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成株式会社製、商品名:AS−6)4.0g、及びメルカカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。
次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に、1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。次にポリマー溶液の一部を乾燥し重量平均分子量を測定したところ15000であった。
得られたポリマー溶液28g、カーボンブラック26g、1mol/L水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水30gを十分に撹拌した。
その後、3本ロールミル(株式会社ノリタケカンパニー製、商品名:NR‐84A)を要いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に撹拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン、及び水の一部を留去し、顔料の含有率が16質量%となる樹脂被覆型顔料分散体(2)−1を得た。

0092

(2)−2ホスホン酸基含有樹脂被覆型顔料分散体
(2)−1において、アクリル酸2.8gをビニルホスホン酸2.8gに変更した点以外は、(2)−1と同様にして、顔料濃度16%の樹脂被覆型顔料分散体(2)−2を得た。

0093

(3)自己分散型顔料分散体
(3)−1リン酸基含有自己分散型顔料分散体
[樹脂の合成]
連続供給法を使用してコポリマーを調製した。上記の構造式(4)で表されるホスマーM(ユニケミカル社製)を、まずDMSOで洗浄して不純物を除去した酸性Amberlite樹脂とともに14時間撹拌してDMSOに溶解した(7%固形分)。この溶液にアクリル酸ブチルニトロフェニルアクリルアミドを溶解し、モノマーの質量比を、28.7質量%のホスマーM、68.3質量%のアクリル酸ブチル、及び3質量%のニトロフェニルアクリルアミドとした。溶液の10分の1を、熱電対サーモスタット制御加熱マントル、滴下ロート、及び隔膜キャップをしたすりガラスジョイントを取り付けた三ツ首丸底フラスコに充填した。残りの溶液を滴下ロートに充填した。3質量%の総モノマーの4,4’−アゾビスシアノ吉草酸(ACVA)(DMSO中10%の固形分で溶解した)を皮下シリンジに充填した。反応混合物を105℃に加熱し、ACVA溶液の10分の1を反応混合物に加えた。10分の1の残りのモノマー溶液と残りの開始剤溶液を30分毎に5時間加え、次に温度を105℃に1時間維持し、次に冷却した。生じた樹脂(リン酸基を有する繰り返し単位を含む)を5質量%の酢酸水に沈殿させて採取し、固形分を蒸留水で2回洗浄した。樹脂の10質量%水溶液粘度は1.9mPa・sであった。樹脂をTHF溶液(10%固形分)中でまず窒素で10分パージして水素化した。上記溶液に10%のパラジウム担持活性炭(2.5g)を加え、混合物をParr装置にて45psiで3〜4時間水素化した。生じた樹脂を改質顔料の調製のためにそのまま使用した。

0094

[改質顔料]
500mLのステンレス鋼ビーカーに20gのBlack Pearls(登録商標)700カーボンブラックを加えた。上記樹脂(20g)を132gのTHFに溶解し、生じた溶液を48gのTHFと20gの水とともに、ステンレス鋼ビーカー中のカーボンブラックに加えた。混合物をプロペラ羽根とローター固定子で撹拌し、55℃の温度まで加熱した。別の容器で0.25gの亜硝酸ナトリウムを16gの水に溶解した。メタンスルホン酸(0.35g)を撹拌混合物に加え、亜硝酸ナトリウム溶液を5分かけて滴下して加えた。混合物を55℃で2時間撹拌して維持した。次に、800mLのTHFを含有するポリエチレン容器に反応混合物を用手法で撹拌して加えた。生じた固形分を遠心分離して集め、THFで2回洗浄した。固形分をpH9の500mLの水に音波プローブを用いて30分間分散させた。生じた分散物を20ミクロンのふるいを通過させて、10倍量の水(約5リットル)で透析ろ過して分粒した。このようにして、顔料濃度16%となる親水基としてリン酸基を有する自己分散顔料分散体(3)−1を得た。

0095

(3)−2カルボキシル基含有自己分散型顔料分散体
顔料濃度16%である市販のカルボキシル基含有自己分散型顔料分散体KM−9036(東洋インキ社製)(ブラック顔料分散体)を顔料分散体(3)−2として用いた。

0096

(3)−3ビスホスホン酸基含有自己分散型顔料分散体
特開2012−207202号公報の〔顔料表面改質処理〕の−方法A−に記載の方法と同様にして、自己分散型顔料分散体を作製した。
カーボンブラック((1)−1で使用したもの)20g、下記構造式(5)の化合物20ミリモル、及びイオン交換高純水200mLを、室温環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合する。得られるスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸20ミリモルを添加する。30分後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(20ミリモル)を上記混合物にゆっくりと添加する。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させる。カーボンブラックに下記構造式(5)の化合物を付加した改質顔料が生成できる。次いで、pHをNaOH水溶液により10に調整することにより、30分後に改質顔料分散体が得られる。少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基又はジェミナルビスホスホン酸ナトリウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、更に超音波分散を行って顔料濃度16%となる親水性官能基としてビスホスホン酸基を有する自己分散型顔料分散体(3)−3を得た。

0097

(3)−4ベンゼントリカルボン酸基含有ポリマーグラフト型顔料分散体
特許5001291号公報の[例2]に記載の方法と同様にして、顔料分散体を作製した。
[ベンゼントリカルボン酸モノマーの合成]
磁気撹拌棒、温度計、及び250mLの滴下ロートを取り付けた2リットルの三ツ首丸底フラスコに、1リットルの水と71gの水酸化ナトリウムペレットと充填した。これが溶解した時、100gの1−アミノベンゼン−3,4,5−トリカルボン酸を加え、これも溶解させた。中和熱が消えてから、反応物を氷浴で10℃に冷却した。塩化メタクリロイル(40.23g)を滴下ロートに充填した。これを、温度を15℃未満に維持しながら、反応容器に15分かけて滴下して加えた。別の容器で、40gの水酸化ナトリウムを150gの水に溶解した。これを、塩化メタクリロイルの添加が完了した20分後、反応混合物に加えた。反応物が10℃に冷却したら、さらに温度を15℃未満に維持しながら40gの塩化メタクリロイルを15分かけて滴下ロートから滴下して加えた。添加完了の20分後、反応混合物を濃塩酸でpH3に酸性化した。生じた固形分を真空ろ過により採取し、エタノールで洗浄し、真空オーブンにて60℃で14時間乾燥した。

0098

[樹脂の合成]
半連続供給法を使用してコポリマーを調製した。上記のアクリルアミド−ベンゼントリカルボン酸モノマーを、まずDMSOで洗浄して不純物を除去した酸性Amberlite樹脂とともに14時間撹拌してDMSOに溶解した(7%固形分)。この溶液にアクリル酸ブチルとニトロフェニルアクリルアミドを溶解し、モノマーの質量比を、28.7質量%のアクリルアミド−ベンゼントリカルボン酸モノマー、68.3質量%のアクリル酸ブチル、及び3質量%のニトロフェニルアクリルアミドとした。少量(全モノマー供給量に基づき3質量%)のメシチレンも加えて、NMR分析内部標準物質とした。溶液の10分の1を、熱電対サーモスタット制御の加熱マントル、滴下ロート、及び隔膜キャップをしたすりガラスジョイントを取り付けた三ツ首丸底フラスコに充填した。残りの溶液を滴下ロートに充填した。3質量%の総モノマーの4,4’−アゾビスシアノ吉草酸(ACVA)(DMSO中10%の固形分で溶解した)を皮下シリンジに充填した。反応混合物を105℃に加熱し、ACVA溶液の10分の1を反応混合物に加えた。10分の1の残りのモノマー溶液と残りの開始剤溶液を30分毎に5時間加え、次に温度を105℃に1時間維持し、次に冷却した。生じたポリマー(ベンゼントリカルボン酸基を有する繰り返し単位を含む)を5質量%の酢酸水に沈殿させて採取し、固形分を蒸留水で2回洗浄した。樹脂の固有粘度はTHF中0.066dL/gであり、酸価は131mg/KOHであった。樹脂をTHF溶液(10%固形分)中でまず窒素で10分パージして水素化した。上記溶液に10%のパラジウム担持活性炭(2.5g)を加え、混合物をParr装置にて45psiで3〜4時間水素化した。生じた樹脂を改質顔料の調製のためにそのまま使用した。

0099

[改質顔料]
500mLのステンレス鋼ビーカーに20gのBlack Pearls(登録商標)700カーボンブラックを加えた。上記樹脂(20g)を132gのTHFに溶解し、生じた溶液を48gのTHFと20gの水とともに、ステンレス鋼ビーカー中のカーボンブラックに加えた。混合物をプロペラ羽根とローター固定子で撹拌し、55℃の温度まで加熱した。別の容器で0.25gの亜硝酸ナトリウムを16gの水に溶解した。メタンスルホン酸(0.35g)を撹拌混合物に加え、亜硝酸ナトリウム溶液を5分かけて滴下して加えた。混合物を55℃で2時間撹拌して維持した。次に、800mLのTHFを含有するポリエチレン容器に反応混合物を用手法で撹拌して加えた。生じた固形分を遠心分離して集め、THFで2回洗浄した。固形分をpH9の500mLの水に音波プローブを用いて30分間分散させた。生じた分散物を20ミクロンのふるいを通過させて、10倍量の水(約5リットル)で透析ろ過して分粒した。このようにして、顔料濃度16%となる親水性官能基としてベンゼントリカルボン酸基を有する自己分散型顔料分散体(3)−4を得た。

0100

[実施例1〜22、比較例1〜9]
<インクジェット記録用インクの作製>
(実施例1)
下記処方の材料を1時間撹拌して均一に混合し、得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブレンフィルター加圧ろ過し、粗大粒子やゴミを除去して、実施例1のインクを作製した。
・顔料分散液(1)−1(顔料濃度16%) 50.0部
・水溶液調製例1 10.0部
・AEPD0.1部
・グリセリン10.0部
・1,3−ブタンジオール20.0部
・蒸留水9.9部

0101

(実施例2〜22、比較例1〜9)
表2の実施例2〜22及び比較例1〜9の各欄に示す材料を用いた点以外は、実施例1と同様にして各インクを作製した。なお、表中の数値は質量%である。

0102

0103

前記インクについて、以下のようにして種々の特性を測定し評価した。結果をまとめて表3に示す。
<各インクのpH>
pHメータ(HM−30R、TOA−DKK社製)により、各インクの25.0℃におけるpHを測定した。

0104

<各インクの印字評価
インクジェットプリンタ(IPSiO GXe5500、リコー社製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子駆動電圧を変動させ、被記録材上に同じ付着量のインクが付くように設定して、以下のような印字評価を行った。

0105

<<画像濃度&裏抜け>>
各インクを用いて、Microsoft Word2003により作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、マイペーパー(リコー社製)に印字した後、X−Rite938(X−Rite社製)により前記記号部を測色し画像濃度を評価した。印字モードは、プリンタ添付のドライバで「普通紙−きれい」モードとした。各色の画像濃度は下記の基準で評価した。評価に際しては、1つのチャートにつき1色あたり4カ所の測定箇所をそれぞれ1回ずつ測定し、4カ所の平均値を各色の測定結果とした。なお、JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
また、X−Rite938を用いて、紙の裏面測から前記記号部の画像濃度(OD値)及び紙の非印刷部のOD値を測色し、前記記号部のOD値から紙の非印刷部のOD値を差し引いて得られるOD値を裏抜け濃度として、前記と同様の基準で評価した。
※マイペーパー:リコー社製(上質紙坪量69.6g/m2、サイズ度23.2秒、
透気度21.0秒、Caイオン量4.3×10-4[g/g]

0106

〔画像濃度(OD値)評価基準
A:OD値ブラック1.35以上
イエロー0.80以上
マゼンタ0.95以上
シアン1.05以上
B:OD値 ブラック1.25以上、1.35未満
イエロー0.75以上、0.80未満
マゼンタ0.85以上、0.95未満
シアン 0.95以上、1.05未満
C:OD値 ブラック1.15以上、1.25未満
イエロー0.70以上、0.75未満
マゼンタ0.75以上、0.85未満
シアン 0.85以上、0.95未満
D:OD値 ブラック1.15未満
イエロー0.70未満
マゼンタ0.75未満
シアン 0.85未満

0107

〔裏抜け濃度(OD値)評価基準〕
A:OD値ブラック0.10未満
イエロー0.08未満
マゼンタ0.09未満
シアン0.10未満
B:OD値 ブラック0.10以上、0.20未満
イエロー0.08以上、0.16未満
マゼンタ0.09以上、0.18未満
シアン 0.10以上、0.20未満
C:OD値 ブラック0.20以上、0.50未満
イエロー0.16以上、0.40未満
マゼンタ0.18以上、0.40未満
シアン 0.20以上、0.50未満
D:OD値 ブラック0.50以上
イエロー0.40以上
マゼンタ0.40以上
シアン 0.50以上

0108

<<連続印字吐出信頼性>>
MM環境(25±1.0℃、50±5%RH)の環境において、インクジェットプリンタに各インクを充填して、Microsoft Word2003により作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、マイペーパー(リコー社製)に100枚連続印字した。印字中、チャートにインクのドット抜けや飛行曲がりが見られた際には、正常印刷への復帰動作としてプリンターノズルクリーニングを行い、その合計回数を評価した。得られた合計回数から各インクセットの吐出安定性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
AA:クリーニング0回。
A :クリーニング1回。
B :クリーニング2回以上5回未満。
C :クリーニング5回以上。

0109

<<放置後吐出信頼性>>
HL環境(32±0.5℃、15±5%RH)に3時間以上放置したインクジェットプリンタに各インクを充填して、マイペーパー(リコー社製)にベタ印字部付きノズルチェックパターンを1枚印字し、ドット抜けがないことを確認した。
その後、プリンタを6日間のHL環境(32±0.5℃、15±5%RH)に放置した後、再度、マイペーパー(リコー社製)にノズルチェックパターンを1枚印字して、ドット抜けや飛行曲がりの有無を確認した。
ノズルチェックパターンにインクのドット抜けや飛行曲がりが見られた際には、正常印刷への復帰動作としてプリンターノズルのクリーニングを行い、その合計回数を評価した。得られた合計回数から各インクの吐出信頼性を下記評価基準により評価した。
〔評価基準〕
AA:クリーニング0回。
A:クリーニング1回。
B:クリーニング2回以上5回未満。
C:クリーニング5回以上。

実施例

0110

0111

101 装置本体
102給紙トレイ
103排紙トレイ
104インク収容容器装填部
105 操作部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131ガイドロッド
132 ステー
133キャリッジ
134記録ヘッド
135サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
143給紙コロ
144分離パッド
145ガイド
151搬送ベルト
152カウンタローラ
153搬送ガイド
154押さえ部材
155 先端加圧コロ
156帯電ローラ
157搬送ローラ
158 デンションローラ
161ガイド部材
171分離爪
172排紙ローラ
173排紙コロ
181両面給紙ユニット
182手差し給紙部
200 インク収容容器
241インク収容部
242インク注入口
243インク排出口
244ケース(外装)

先行技術

0112

特開2011−157425号公報
特開2007−238798号公報

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