図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2015年9月28日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

光を照射したときに良好に発光する粒子を含有するためにセキュリティ機能が高く、また、透明性が良好であるセキュリティフィルムを提供する。

解決手段

UV光または可視光照射により赤外発光を呈する0.01〜1.0質量%の光発光体粒子11を透明熱可塑性樹脂12中に分散させた光発光体フィルムであり、光発光体粒子11は、UV光または可視光の照射により赤外光を発光する赤外光発光体粒子であり、一般式:Ba1−XSnAXO3(0<X<0.4、AはLiまたはNaである)で表される化合物、一般式:CaMoO4:M(Mは、Nd3+、Yb3+、及びEr3+からなる群より選択される1種または2種以上のランタン族金属イオンである。)、及び、一般式:Y2SiV2O10:Nd3+,Er3+で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子であるセキュリティフィルム10。

概要

背景

従来、キャッシュカードクレジットカード等のIDカード運転免許証健康保険証、パスポートなどは、偽造されやすく、偽造防止真贋の判定が可能であること)を必要とする。そして、真贋を判定する方法として、蛍光粒子包含させる方法がある。具体的には、上記蛍光粒子を含有したインクを使用して紙に印刷して偽造防止を行う方法や、上記蛍光粒子を含有したインクを糸に染色して偽造防止用の糸として使用して偽造防止を行う方法がある。また、蛍光粒子を混入させた認証カードが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、偽造防止については複数の技術が知られている(例えば、特許文献2〜10参照)。

概要

光を照射したときに良好に発光する粒子を含有するためにセキュリティ機能が高く、また、透明性が良好であるセキュリティフィルムを提供する。UV光または可視光照射により赤外発光を呈する0.01〜1.0質量%の光発光体粒子11を透明熱可塑性樹脂12中に分散させた光発光体フィルムであり、光発光体粒子11は、UV光または可視光の照射により赤外光を発光する赤外光発光体粒子であり、一般式:Ba1−XSnAXO3(0<X<0.4、AはLiまたはNaである)で表される化合物、一般式:CaMoO4:M(Mは、Nd3+、Yb3+、及びEr3+からなる群より選択される1種または2種以上のランタン族金属イオンである。)、及び、一般式:Y2SiV2O10:Nd3+,Er3+で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子であるセキュリティフィルム10。

目的

本発明は、光を照射したときに良好に発光する粒子が含有されるためにセキュリティ機能が高く、また、透明性が良好であるセキュリティフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

UV光または可視光照射により赤外発光を呈する光発光体粒子を透明熱可塑性樹脂中に分散させた光発光体フィルムであり、前記光発光体粒子は、UV光または可視光照射により赤外光発光する赤外光発光体粒子であり、前記光発光体粒子は、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及び、下記一般式(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子であり、前記光発光体粒子が、0.01〜1.0質量%で前記透明熱可塑性樹脂中に分散され、下記一般式(1)で表される化合物は、UV光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体であり、下記一般式(2)で表される化合物は、可視光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体であり、下記一般式(3)で表される化合物は、UV光または可視光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体であるセキュリティフィルム。一般式(1):Ba1−XSnAXO3(0<X<0.4、AはLiまたはNaである)一般式(2):CaMoO4:M(Mは、Nd3+、Yb3+、及びEr3+からなる群より選択される1種または2種以上のランタン族金属イオンである。)一般式(3):Y2SiV2O10:Nd3+,Er3+

請求項2

前記光発光体粒子が、前記透明熱可塑性樹脂のガラス転移温度が80℃以上である請求項1に記載のセキュリティフィルム。

請求項3

前記透明熱可塑性樹脂中に、安定剤及び滑剤が更に含まれており、前記安定剤は、フェノール系、リン系、及びイオウ系の安定剤からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記滑剤は、エステル系オレフィン系、及びアミド系の滑剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載のセキュリティフィルム。

請求項4

前記光発光体粒子が、その表面が有機物で処理されており、前記有機物が、有機ケイ素化合物金属錯化合物脂肪酸系化合物アルコキシ基無水マレイン酸基エポキシ基アセトアミド基オキサゾリン基のうちの少なくとも1つの官能基を含有する官能基含有有機ポリマーオリゴマー、及びビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の有機物である請求項1〜3のいずれか一項に記載のセキュリティフィルム。

請求項5

前記透明熱可塑性樹脂が、非結晶性コポリエステル樹脂アクリル樹脂、透明アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂ポリカーボネート樹脂ポリプロピレン樹脂ポリエチレンテレフタレート樹脂ポリエチレンナフタレート樹脂、及び、非結晶性コポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか一項に記載のセキュリティフィルム。

請求項6

電子パスポートヒンジシートを構成するためのフィルムである請求項1〜5のいずれか一項に記載のセキュリティフィルム。

技術分野

0001

本発明は、セキュリティフィルムに関する。更に詳しくは、e−IDカードやe−パスポート用として有用なセキュリティフィルムに関する。

背景技術

0002

従来、キャッシュカードクレジットカード等のIDカード、運転免許証健康保険証、パスポートなどは、偽造されやすく、偽造防止真贋の判定が可能であること)を必要とする。そして、真贋を判定する方法として、蛍光粒子包含させる方法がある。具体的には、上記蛍光粒子を含有したインクを使用して紙に印刷して偽造防止を行う方法や、上記蛍光粒子を含有したインクを糸に染色して偽造防止用の糸として使用して偽造防止を行う方法がある。また、蛍光粒子を混入させた認証カードが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、偽造防止については複数の技術が知られている(例えば、特許文献2〜10参照)。

先行技術

0003

国際公開第2007/72795号
特開2011−238044号公報
特開2011−131527号公報
特開2008−063701号公報
特開2006−001094号公報
特開2005−338656号公報
特開2004−122690号公報
特開平11−138974号公報
特開平11−058929号公報
特開平10−006636号公報

発明が解決しようとする課題

0004

IDカードなどのセキュリティ機能(即ち、偽造され難く、真贋の判定が可能な機能)を担うための要素(セキュリティ要素)として、上記「UV光照射により可視光発光が可能な無機蛍光体粒子)または有機蛍光体(粒子)」が既に知られているが(特許文献1など)、これらの「既に知られている蛍光体」によってIDカードなどのセキュリティ機能を担保することは困難である。即ち、偽造者も上記「既に知られている蛍光体」を容易に入手することができるため、偽造したIDカードなどを作ることは容易である。

0005

また、特許文献2〜10に記載のものは、発光強度や透明性が十分なセキュリティフィルムとは全く異なるものである。

0006

そこで、IDカードなどにおいては、セキュリティ機能が高い(即ち、偽造され難く、真贋の判定を確実に行うことができる)新たなセキュリティフィルムの開発が切望されている。つまり、光を照射したときに良好に発光する粒子が含有されるためにセキュリティ機能が高く、また、透明性が良好であるセキュリティフィルムの開発が切望されている。

0007

本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明は、光を照射したときに良好に発光する粒子が含有されるためにセキュリティ機能が高く、また、透明性が良好であるセキュリティフィルムを提供する。

0008

つまり、本発明のセキュリティフィルムは、「UV光の照射により可視光発光可能な無機蛍光体(粒子)及び有機蛍光体(粒子)」とは異なる粒子である「UV光または可視光照射により赤外光発光を呈する光発光体粒子」を、ポリカーボネート樹脂等の透明熱可塑性樹脂中に均一に分散させたフィルムである。そして、本発明のセキュリティフィルムは、「UV光または可視光」の照射により発生する「赤外光」を検出することで、真贋判定を可能にするものであり、IDカードなどのように高いセキュリティ機能が求められるものを構成するフィルムとして有益なものである。本発明のセキュリティフィルムが含有する粒子(光発光体粒子)は、IDカードや電子パスポートのセキュリティ要素として新規なものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明により、以下のセキュリティフィルムが提供される。

0010

[1]UV光または可視光照射により赤外発光を呈する光発光体粒子を透明熱可塑性樹脂中に分散させた光発光体フィルムであり、前記光発光体粒子は、UV光または可視光の照射により赤外光を発光する赤外光発光体粒子であり、前記光発光体粒子は、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及び、下記一般式(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子であり、前記光発光体粒子が、0.01〜1.0質量%で前記透明熱可塑性樹脂中に分散され、下記一般式(1)で表される化合物は、UV光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体であり、下記一般式(2)で表される化合物は、可視光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体であり、下記一般式(3)で表される化合物は、UV光または可視光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体であるセキュリティフィルム。
一般式(1):Ba1−XSnAXO3(0<X<0.4、AはLiまたはNaである)
一般式(2):CaMoO4:M(Mは、Nd3+、Yb3+、及びEr3+からなる群より選択される1種または2種以上のランタン族金属イオンである。)
一般式(3):Y2SiV2O10:Nd3+,Er3+

0011

[2] 前記光発光体粒子が、前記透明熱可塑性樹脂のガラス転移温度が80℃以上である前記[1]に記載のセキュリティフィルム。

0012

[3] 前記透明熱可塑性樹脂中に、安定剤及び滑剤が更に含まれており、前記安定剤は、フェノール系、リン系、及びイオウ系の安定剤からなる群より選択される少なくとも1種であり、前記滑剤は、エステル系オレフィン系、及びアミド系の滑剤からなる群より選択される少なくとも1種である前記[1]または[2]に記載のセキュリティフィルム。

0013

[4] 前記光発光体粒子が、その表面が有機物で処理されており、前記有機物が、有機ケイ素化合物金属錯化合物脂肪酸系化合物アルコキシ基無水マレイン酸基エポキシ基アセトアミド基オキサゾリン基のうちの少なくとも1つの官能基を含有する官能基含有有機ポリマーオリゴマー、及びビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の有機物である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のセキュリティフィルム。

0014

[5] 前記透明熱可塑性樹脂が、非結晶性コポリエステル樹脂アクリル樹脂、透明アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂ポリエチレンテレフタレート樹脂ポリエチレンナフタレート樹脂、及び、非結晶性コポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のセキュリティフィルム。

0015

[6]電子パスポートのヒンジシートを構成するためのフィルムである前記[1]〜[5]のいずれかに記載のセキュリティフィルム。

発明の効果

0016

本発明のセキュリティフィルムは、所定の化合物である光発光体粒子が分散されている。そのため、本発明のセキュリティフィルムは、光を照射したときに良好に発光する粒子を含有するためにセキュリティ機能が高く、また、透明性が良好である。

図面の簡単な説明

0017

本発明のセキュリティフィルムの一実施形態の断面を示す模式図である。
本発明のセキュリティフィルムの一実施形態を用いた電子パスポートの断面を示す模式図である。
本発明のセキュリティフィルムの一実施形態を用いた電子パスポートの表面部を模式的に示す平面図である。

0018

以下、本発明を実施するための形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に属することが理解されるべきである。

0019

(1)セキュリティフィルム:
本発明のセキュリティフィルムの一実施形態としては、図1に示すセキュリティフィルム10である。本実施形態のセキュリティフィルム10は、UV光または可視光照射により赤外発光を呈する光発光体粒子11を透明熱可塑性樹脂12中に分散させた光発光体フィルムである。光発光体粒子11は、UV光または可視光の照射により赤外光を発光する赤外光発光体粒子であり、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、及び、下記一般式(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子である。下記一般式(1)で表される化合物は、UV光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体(UV光励起赤外発光体)である。下記一般式(2)で表される化合物は、可視光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体(可視光励起赤外発光体)である。下記一般式(3)で表される化合物は、UV光または可視光が照射されて励起し、赤外光を発光する発光体(UV光可視光励起赤外発光体粒子)である。なお、一般式(3)中、Nd3+、Er3+は賦活剤である。セキュリティフィルム10には、光発光体粒子11が、0.01〜1.0質量%の割合で透明熱可塑性樹脂12中に分散されている。上記含有割合は、光発光体粒子の表面が有機物で処理されている場合、表面の有機物を含まない部分(光発光体粒子のみの部分)の割合である。
一般式(1):Ba1−XSnAXO3(0<X<0.4、AはLiまたはNaである)
一般式(2):CaMoO4:M(Mは、Nd3+、Yb3+、及びEr3+からなる群より選択される1種または2種以上のランタン族金属イオンである。)
一般式(3):Y2SiV2O10:Nd3+,Er3+

0020

図1は、本発明のセキュリティフィルムの一実施形態の断面を示す模式図である。

0021

このセキュリティフィルム10は、光発光体粒子11が、0.05〜0.5質量%の割合で透明熱可塑性樹脂12中に分散されていることが好ましい。上記光発光体粒子11の含有割合が下限値未満であると、検出器での検出が困難である。上記光発光体粒子11の含有割合が上限値超であると、セキュリティフィルム10の透明性が低下してセキュリティフィルム10の下層に画像がある場合にその画像が不鮮明となる不具合が生じる。

0022

このようなセキュリティフィルム10は、セキュリティ機能が高い(即ち、偽造され難く、真贋の判定を確実に行うことができる)新たなフィルムである。具体的には、セキュリティフィルム10は、透明のフィルムであるため、一見した限りではこのフィルム中に、真贋判定の要素(セキュリティ要素)である光発光体粒子11が含まれているとは判別し難い。即ち、仮に偽造を試みたとしても、セキュリティフィルム10は、透明のフィルムであるため、光発光体粒子11の所在の特定が困難である。特に、プラスチックカードなどに使用された場合、光発光体粒子11の所在の特定は更に困難になる。具体的には、セキュリティフィルム10は、「オフセット印刷インクジェット印刷シルクスクリーン印刷等がされたコアシート層」の上層に配置されることになるので、コアシート層の画像などによって目視による光発光体粒子11の所在の特定を更に困難にすること(容易に特定されることを防止すること)ができる。また、セキュリティ要素である光発光体粒子11の物性(励起波長発光波長)を特定することも困難である。即ち、セキュリティフィルム10は、特殊な手段を用い、UV光または可視光を照射することにより赤外光を発光させるという特殊な条件でないと光発光体粒子11の発光を観察することができない。

0023

セキュリティフィルム10は、フィルム全体に光発光体粒子11が分散されているので、どの部分においても光発光体粒子11に由来する赤外光の発光を観察できる。

0024

また、e−IDカードなどのプラスチックカードにおいて、セキュリティフィルム10の下層に印刷層(画像などが印刷された層)が配置される場合、セキュリティフィルム10が透明であるため、印刷層の画像を鮮明に確認することができる。

0025

以上のことから、セキュリティフィルム10は、特に用途は限定されないが、例えば、e−IDカードなどのプラスチックカード用または電子パスポート用のセキュリティフィルムとして有用なフィルムである。

0026

本明細書において「セキュリティフィルム」は、パスポートなどのように偽造されやすいために、偽造防止(真贋判定)を必要とするもの(カードやパスポートなど)を構成するフィルムである。つまり、セキュリティフィルムは、パスポートなどの真贋を判定するための手段としてパスポートなどに備えられるものである。更に、高度なセキュリティを要求される他の用途、例えば、入退カード、公務員カード、高度精密機器管理カード等の多岐にわたり使用される。

0027

ここで、従来、偽造防止の技術としては特許文献2〜10のような複数の技術が知られている。

0028

特許文献2には、熱可塑性樹脂からなる基材の片面に接着層、反対面に情報印刷層を設けた偽造防止ICラベルが開示されている。この偽造防止ICラベルは、ナフタルイミド系化合物ペリレン系化合物及びこれら2種の混合物の一般的な蛍光色素を基材または接着層に含有させたものであり、本発明の特殊な近赤外線発光体(光発光体粒子)とは異なる。つまり、この偽造防止ICラベルは、上記光発光体粒子を透明熱可塑性樹脂に溶融混合して均一に分散させ、透明性に優れた本発明のセキュリティフィルムとは大きく異なる。

0029

特許文献3には、偏光機能を有する蛍光2色性色素紙媒体にすき込むことで得られる偽造防止ラベルが開示されている。しかし、この偽造防止ラベルは、本発明のセキュリティフィルムとは発光機能や高い透明性という観点において大きく異なるものである。

0030

特許文献4には、高分子ハイドロゲル材料を内包させた透明中空繊維ユニットを紙に混入させた偽造防止用紙が開示されている。しかし、この偽造防止用紙は、本発明のセキュリティフィルムとは全く異なる技術によるものであり、全く異なる製品である。

0031

特許文献5には、画像形成方法が開示され、この方法において、剥離層レリーフ形成層金属薄膜層受容層被転写体からなる転写シートが開示されている。そして、この転写シートは、蛍光色素(蛍光色素F1)を被転写体上に形成させたことを特徴としている。しかし、蛍光色素F1は、励起波長500〜2000nmでこれらの波長吸収後吸収波長より長い波長にシフトアップコンバージョン)した発光を行うことを特徴とするものである。従って、特許文献5における転写シートは、高透明性を特徴とする本発明のセキュリティフィルムとは目的、技術、製品が異なる。

0032

特許文献6には、特許文献5と同様に、転写シート(ホログラム転写シート)が開示されている。具体的には、接着層/金属薄膜層/レリーフ形成層/剥離層/基材/耐熱滑性層からなるホログラム転写シートが開示されており、このホログラム転写シートは、剥離層及び/または接着層に蛍光色素を含有させたことを特徴とするものである。そして、蛍光色素は、特許文献5と同様のものである。従って、特許文献5と同様に、特許文献6に記載のホログラム転写シートは、高透明性を特徴とする本発明のセキュリティフィルムとは目的、技術、製品が異なる。

0033

特許文献7には、蛍光発光印刷物の製造方法が開示されている。具体的には、昇華感熱転写印刷により基材上に形成したフルカラー画像において、印刷インク中に紫外光を吸収して紫外光を発光する蛍光色素を含有させたことが開示されている。しかし、この特許文献7に記載の蛍光発光印刷物の製造方法は、高透明性を特徴とする本発明のセキュリティフィルムとは目的、技術、製品が異なる。

0034

特許文献8には、偽造防止用インクが開示されている。具体的には、可視光を吸収(励起波長)して波長シフトが50nm以上の特定構造の蛍光色素または蛍光顔料を含有するインクが開示されている。この蛍光色素または蛍光顔料は、本発明における近赤外光発光体とは構造が異なる(なお、近赤外光発光体は無機物であり一般的には蛍光顔料の範疇であるが、構造が異なる)。従って、特許文献8に記載の偽造防止用インクは、高透明性を特徴とする本発明のセキュリティフィルムとは目的、技術、製品が異なる。

0035

特許文献9には、任意の基体をアゾ系蛍光色素により着色しておくことを特徴とする複写防止記録方法が開示されている。しかし、特許文献9に記載の複写防止記録方法は、高透明性を特徴とする本発明のセキュリティフィルムとは目的、技術、製品が異なる。

0036

特許文献10に記載の技術は、特許文献8に記載の技術に類似ものであり、特許文献10には、特定構造の有機蛍光色素をインクに含有させた偽造防止インクが開示されている。しかし、特許文献10に記載の偽造防止インクは、高透明性を特徴とする本発明のセキュリティフィルムとは目的、技術、製品が異なる。

0037

以上のように、これらの特許文献2〜10には、紙媒体、積層構造の不透明媒体、またはインクが開示されており、本発明のセキュリティフィルムとは全く異なる。更には、使用されている蛍光体は、よく知られている蛍光色素であり、特許文献2〜10では、この蛍光色素を紙媒体やインクに混合、すき込んだものである。そのため、特許文献2〜10に記載の技術は、高度なセキュリティ機能を要求されるプラスチックICカードや電子パスポート等に使用され、高い透明性を有するセキュリティフィルムには到底採用できない。また、上述したように、特許文献2〜10に記載の技術と本発明のセキュリティフィルムとは使用目的、機能が全く異なる。

0038

「光発光体粒子を透明熱可塑性樹脂中に分散させた」とは、セキュリティフィルムの任意の大きさの複数の領域を任意に選択したときにこれらの任意の領域中に均等に(即ち、光発光体粒子の凝集体の形成が抑制された状態で)含まれていることを意味する。より具体的には、顕微鏡による観察において、光発光体粒子の凝集体の数が5個/cm2以下で透明熱可塑性樹脂中に存在している状態を意味する。

0039

(1−1)光発光体粒子:
光発光体粒子は、上述したように、一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、及び、一般式(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種からなる粒子である。この光発光体粒子は、UV光または可視光照射により赤外発光を呈する粒子である。上記光発光体粒子は、特殊な粒子であり市販品はなく、IDカードや電子パスポートのセキュリティ要素として新規なものである。従って、この粒子自体がセキュリティ要素として機能する。

0040

一般式(1)で表される化合物、一般式(2)で表される化合物、及び、一般式(3)で表される化合物の中でも、一般式(1)で表される化合物または一般式(3)で表される化合物が好ましく、一般式(1)で表される化合物が更に好ましい。

0041

特に、一般式(1)で表される化合物の中でも、Xが0.01〜0.1を満たすものが好ましい。

0042

光発光体粒子は、その表面を有機物で処理されることが好ましく、この有機物としては、アルコキシ基、シラノール基ハイドロジェン基を含有する有機ケイ素化合物、金属錯化合物、脂肪酸エステル脂肪酸アミド等の脂肪酸系化合物、アルコキシ基、無水マレイン酸基、エポキシ基、アセトアミド基、オキサゾリン基を含有する官能基含有有機ポリマー、オリゴマー、ポリビニルピロリドンPVP)等が挙げられる。

0043

このように表面を上記化合物で処理することにより、光発光体粒子を熱可塑性樹脂中に溶融混合した際に粒子同士の凝集を抑制でき、高い透明性が保持される。更に、光発光体粒子がフィルム中に均一分散されているため、検出器にてフィルムの部位によらずに均一な感度で検出が可能になる。上記検出器としては、所定の波長を照射して所定の波長を検出する小型の検出器がある。例えば、一般式(1)で表される光発光体粒子Aの場合は、紫外光が照射されると近赤外光を発光する機能を有するので、検出器は、紫外光を照射し、近赤外光を受光する機能が要求される。

0044

これらの中でも、有機ケイ素化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の脂肪酸系化合物、アルコキシ基、無水マレイン酸基、エポキシ基を含有する官能基含有有機ポリマー、または、オリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種の有機物で光発光体粒子の表面を処理することが好ましい。これらの化合物で光発光体粒子の表面を処理することにより、粒子表面の疎水化を図ることができ、また、熱可塑性樹脂への相溶性を向上させることができる。その結果、熱可塑性樹脂(特に、疎水性熱可塑性樹脂)への上記光発光体粒子の粒子分散性を向上させることができる。

0045

有機ケイ素化合物としては、シリコーンシラザンが挙げられるが、アルコキシ基と有機基とを有するオルガノアルコキシシラン、オルガノアルコキシシランオリゴマー、ハイドロジェン基を有するポリシロキサンが好ましい。これらの中でも、光発光体粒子の表面との反応性や取り扱いの容易さなどから、オルガノアルコキシシランが好ましい。

0046

金属錯化合物としては、例えば、Al、Zrなどのキレート化合物環状オリゴマーなどを挙げることができる。これらの中でも、反応性や取り扱いの容易さから、Al、Zrなどのキレート化合物が好ましい。

0047

脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の脂肪酸系化合物としては、リケマールS−100A、リケスターEW440A(理研ビタミン社製)、リコワックスE、OP、リコルブWE4、リコルブFA1(クラリアント社製)等が挙げられる。

0048

アルコキシ基を含有する有機ポリマー、オリゴマーとしては、アルコキシシリル基含有アクリル樹脂が挙げられ、具体的には、ゼムラック(カネカ社製)、ARUFON US−6000シリーズ(東亜合成社製)、サイマック(東亜合成社製)等が挙げられる。

0049

無水マレイン酸基を含有する有機ポリマーオリゴマーとしては、スチレン無水マレイン酸ポリマーSMレジン(川原油化社製)、エチレンエチルアクリレート無水マレイン酸共重合体ディパーA8400(日油社製)、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体ダイヤカルナ(三菱化学社製)等が挙げられる。

0050

エポキシ基を含有する有機ポリマーオリゴマーとしては、エポキシ基含有アクリルポリマーARUFON UG−4000シリーズ(東亜合成社製)、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体ボンドファスト2C、E、CG5001(住友化学社製)等、エチレンーグリシジルメタクリレートメタクリレート共重合体、ボンドファスト7L、7M(住友化学社製)等が挙げられる。

0051

アセトアミド基を含有する有機ポリマーオリゴマーとしては、ポリ−N−ビニルアセトアミド(昭和電工社製)等が挙げられる。

0052

オキサゾリン基を含有する有機ポリマーオリゴマーとしては、エポクロスRPS(日本触媒社製)等が挙げられる。

0053

ポリビニルピロリドンとしては、ポリビニルピロリドンK−30、K−85(日本触媒社製)等が挙げられる。

0054

光発光体粒子は、平均粒子径が0.3〜5.0μmであることが好ましく、0.5〜2.0μmであることが更に好ましい。光発光体粒子は、高温焼成法で製造するために、0.3μm未満の微粒子を製造することは困難である。一方、5.0μmを超えると、得られるフィルムの透明性が低下して好ましくない。なお、本明細書において「平均粒子径」は、透過型電子顕微鏡にて80個の粒子の直径を測定して平均値を求めたときの値である。

0055

(1−2)透明熱可塑性樹脂:
透明熱可塑性樹脂は、透明な熱可塑性樹脂のことである。ここで、「透明」とは、熱可塑性樹脂を厚さ100μmのフィルム状に形成したとき、このフィルムの全光線透過率が80%以上であることを意味する。

0056

透明熱可塑性樹脂は、非結晶性コポリエステル樹脂、アクリル樹脂、透明アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、及び、非結晶性コポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。このような透明な樹脂を含むセキュリティフィルムをICカードなどのプラスチックカードや電子パスポートに用いると、このセキュリティフィルムの下層に、オフセット印刷されたシート層を配置することができる。このように、セキュリティフィルムが透明であることによって、印刷層にカラー印刷された文字、画像を良好に視認することができる。

0057

これらの透明熱可塑性樹脂の中でも、ポリカーボネート樹脂、非結晶性コポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とのポリマーアロイ樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂が更に好ましい。セキュリティフィルムは、高度なセキュリティ機能の安定的な持続性が要求されるため、そのベースとなる透明熱可塑性樹脂は、強度やタフネス性耐熱性耐湿性が要求される。これらの樹脂はその要求に応えられるものである。また、本発明のセキュリティフィルムは、単独で使用されるよりも複数枚シート加熱積層し、カード状にして使用されることが多いと考える。このような使用形態においては、本発明のセキュリティフィルムと同種の材質のシートを、本発明のセキュリティフィルムの上層、下層、または両方(上下層)に配置して加熱積層により各シート層間加熱融着させる必要がある。従って、これらの透明熱可塑性樹脂であれば、これらの要求をも満たす。そのため、上記樹脂は、上述した用途に好適である。

0058

透明熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が80℃以上のものであることが好ましく、80〜160℃のものであることが更に好ましく、90〜150℃のものであることが特に好ましい。透明熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記範囲であると、ICカードなどのカードや電子パスポートの実際の使用環境における温度下において熱(例えば直射日光などによる熱)による変形などが生じ難く、好適に使用できる。更に、ICカードなどのプラスチックカードや電子パスポート(e−パスポート)のデータページは、複数枚のシート(積層シート)を積層させて加熱することにより製造されるが、加熱温度を200℃以下とすることが可能となる。即ち、積層シートを200℃以下の温度で加熱させて、各シートを融着させることができる。このようなことから、加熱工程に使用する装置としては、例えば、真空圧成形機などの汎用的な装置を用いることができるという利点がある。上記ガラス転移温度が80℃未満であると、実際の使用環境における温度下において、ICカードなどのカードや電子パスポートに熱による変形などが発生することがある。

0059

(1−3)その他の成分:
本発明のセキュリティフィルムは、光発光体粒子、透明熱可塑性樹脂以外に、安定剤、滑剤等を含むことが好ましい。

0060

安定剤は、フェノール系、リン系、イオウ系の熱安定剤等が好ましい。滑剤は、エステル系、オレフィン系、アミド系の滑剤等が好ましい。

0061

フェノール系の熱安定剤としては、スミライザーGM、GS、GP、GA−80、MDP−S、WX−R、WX−RC(住友化学社製)等、アデカスタブAO−20、AO−30、A0−40、AO−50、AO−60、AO−330(ADEKA社製)等が挙げられる。

0062

リン系の熱安定剤としては、アデカスタブPEP−8、PEP−8W、PEP36、HP−10、2112、1500、3010(ADEKA社製)等、GSY−101(堺化学社製)等が挙げられる。

0063

イオウ系の熱安定剤としては、スミライザーTPL−R、TPM、TPS、TP−D(住友化学社製)、アデカスタブA0412S(ADEKA社製)等が挙げられる。

0064

これらの熱安定剤は、単独で、または併用して使用されるが、併用する場合は、フェノール系とリン系の熱安定剤の併用、または、フェノール系とイオウ系の熱安定剤の併用が好ましい。

0065

これらの熱安定剤を含むことで、光発光体粒子と透明熱可塑性樹脂とを溶融混押出成形によりペレットを製造する工程において透明熱可塑性樹脂の熱酸化劣化を抑制する効果が得られる。更には、上記ペレットを使用して溶融混錬押出成形によりセキュリティフィルムを製造する工程においても透明熱可塑性樹脂の熱酸化劣化を抑制する効果が得られる。なお、上記「ペレットを製造する工程」は、セキュリティフィルム用の透明熱可塑性樹脂コンパウンドペレットを製造する工程のことであり、つまり、後述する「セキュリティフィルム用コンパウンド製造工程」のことである。

0066

エステル系の滑剤としては、リケスターEW440A、リケマールS−100A、リケマールSL800、SL900、SL900A(理研ビタミン社製)、リコワックスOP、E、リコルブWE4(クラリアントジャパン社製)等が挙げられる。

0067

オレフィン系の滑剤としては、ハイワックス高密度タイプ、ポリプロピレン分解タイプ、酸化タイプ酸変性タイプ、特殊モノマー変性タイプ(三井化学社製)等、リコルブH12、リコワックスPE520、PED191(クラリアントジャパン社製)等が挙げられる。

0068

アミド系滑剤としては、カオーワックスEB−G、EB−P、EB−FE(花王社製)、リコルブFA1(クラリアントジャパン社製)等が挙げられる。

0069

これらの滑剤は、単独で、または併用して使用されるが、エステル系の滑剤を単独で、または、エステル系の滑剤とオレフィン系の滑剤との併用が好ましい。

0070

これらの滑剤を含有することで、光発光体粒子と透明熱可塑性樹脂とを溶融混錬押出成形によりペレットを製造する工程おいて、成形機壁及びスクリユー壁と溶融樹脂との摩擦を低減することができる。更に、溶融樹脂の長時間滞留による熱酸化劣化の抑制及び溶融樹脂の分子切断を抑制する効果を有する。更には、上記ペレットを使用して溶融混錬押出成形によりセキュリティフィルムを製造する工程においても成形機壁及びスクリユー壁と溶融樹脂との摩擦を低減することができ、溶融樹脂の長時間滞留による熱酸化劣化の抑制及び溶融樹脂の分子切断を抑制する効果を有する。なお、上記「ペレットを製造する工程」は、セキュリティフィルム用の透明熱可塑性樹脂コンパウンドペレットを製造する工程のことであり、つまり、後述する「セキュリティフィルム用コンパウンド製造工程」のことである。

0071

これらのことから、安定剤と滑剤を併用して使用することが特に好ましい。

0072

安定剤の配合割合は、0.01〜2.0質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.0質量%であり、滑剤の配合割合は、0.01〜2.0質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.6質量%である。

0073

また、本発明のセキュリティフィルムは、必要に応じて従来公知の添加剤などを適宜配合することができる。

0074

本発明のセキュリティフィルムは、厚みが30〜500μmであり、50〜200μmであることが好ましい。特に、ICカード(IDカードを含むカード)等の透明オーバーシートに使用する場合には、50〜125μmであることが好ましい。セキュリティフィルムの厚さが上記範囲であることにより、一般的に使用されているカードの厚み内に制御できる。

0075

また、電子パスポートやICカードに使用する場合、電子パスポートやICカードなどは積層構造であることが一般的であり、その厚さに制限がある。そのため、電子パスポートやICカードなどの全厚みにおける透明オーバーシート(透明オーバーシート、透明レーザーマーキングオーバーシート)の厚みが500μmを超えると、電子パスポートやICカードなど全体の厚みが厚くなり過ぎて好ましくない。セキュリティフィルムの厚みが下限値未満であると、赤外発光の程度が小さく、発光の検出が困難となるおそれがある。即ち、高感度のセキュリティフィルムを得ることができなくなる。なお、「透明レーザーマーキングオーバーシート」は、レーザーマーキングが可能である透明なオーバーシートのことである。

0076

本発明のセキュリティフィルムは、全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることが好ましい。セキュリティフィルムの全光線透過率が上記範囲であると、セキュリティフィルムは透明なフィルムということができる。そのため、本発明のセキュリティフィルムは、例えばICカードなどのカードや電子パスポートのデータページにおける最外層を構成する透明層として好適に使用することができる。この場合、セキュリティフィルムの下層に印刷層(画像などが印刷された層)が配置されていると、印刷層の画像を鮮明に確認することができる。「全光線透過率」は、透過率試験機(例えば、日本電色工業社製のヘーズメーターNDH−4000)を用いてセキュリティフィルムを測定したときの値である。

0077

(1−4)セキュリティフィルムの用途:
本発明のセキュリティフィルムは、電子パスポートまたはプラスチックカードに使用することができ、特に、国民IDカード、運転免許証、健康保険証等の政府系の個人情報を取り扱うカードに使用されることが好ましい。このような「政府系の個人情報を取り扱うカード」は、容易に偽造され難いことが必須であり、本発明のセキュリティフィルムは、このようなカードに用いるフィルムとしてその目的に合致したものである。

0078

本発明のセキュリティフィルムを電子パスポートに使用する場合(即ち、電子パスポートを構成するフィルムとして本発明のセキュリティフィルムを使用する場合)、本発明のセキュリティフィルムは、電子パスポートのヒンジシートを構成するためのフィルムとして用いることが好ましい。このように、ヒンジシートを構成するためのフィルムとして用いると、セキュリティ要素であるセキュリティフィルムの所在が容易に判明し難く、更に高いセキュリティ機能を有することになる。

0079

図2図3は、電子パスポート100を示している。電子パスポート100は、表紙50及びこの表紙50のうちの内側となる面の中央部に貼り付けられたプロテクトシート51を有する表紙部60と、個人情報が記録されたデータページ20と、ビザシート30とを有している。そして、電子パスポート100は、データページ20が、外側に張り出したヒンジシート21を有しており、このヒンジシート21と表紙部60とをミシン糸40で糸綴じすることによりデータページ20が表紙部60に固定される。電子パスポート100は、データページ20とともにビザシート30も糸綴じされている。そして、ヒンジシート21は、複数のフィルムが積層された積層体であり、セキュリティフィルム10を含んでいる。図2は、本発明のセキュリティフィルムの一実施形態を用いた電子パスポートの断面を示す模式図である。図3は、本発明のセキュリティフィルムの一実施形態を用いた電子パスポートの表面部を模式的に示す平面図である。

0080

(2)セキュリティフィルムの製造方法:
本発明のセキュリティフィルムは、例えば、以下のように作製することができる。

0081

(2−1)光発光体粒子作製工程:
まず、以下の方法によって、光発光体粒子を作製する(光発光体粒子作製工程)。具体的には、特定の無機化合物酸化物水酸化物など)を均一に混合・粉砕した後、所定の温度にて1段または多段にて加熱及び焼成した後、粉砕して所定組成の光発光体粒子を作製する。

0082

なお、得られた粒子の表面を処理する工程(表面処理工程)を更に行うことが好ましい。

0083

表面処理工程には、乾式処理湿式処理、及びインテグラルブレンドがある。乾式処理は、ディスクミル等の高速攪拌機に光発光体粒子と表面処理剤投入して粒子の粉砕と表面処理を同時に行うものである。湿式処理は、通常、ディスクミル等の高速攪拌機にて粒子の粉砕を行った後、粉砕粒子、水または溶剤を加熱と攪拌可能な密閉式攪拌機に投入した後、所定の温度と攪拌速度下にて表面処理剤(表面処理剤水溶液または溶液)を一括投入または所定の滴下速度にて滴下した後、所定時間攪拌を続ける。その後、水または溶剤を減圧除去等の方法により除去することにより、表面処理光発光体粒子を得る。

0084

更には、下記コンパウンド製造工程にて、透明熱可塑性樹脂、光発光体粒子、表面処理剤、安定剤、及び滑剤を均一混合分散する「インテグラルブレンド」という表面処理方法もある。

0085

これら表面処理については、セキュリティフィルムの機能、用途等に応じて適宜選択される。

0086

(2−2)セキュリティフィルム用コンパウンド製造工程:
次に、透明熱可塑性樹脂粉体、得られた光発光体粒子、安定剤、及び滑剤を用いて、セキュリティフィルム用コンパウンドを製造する。具体的には、原材料密閉式ミキサーに投入して均一攪拌した後、ストランドダイ付の2軸スクリュー押出機を使用して所定の温度にて溶融混合する。そして、ストランドダイから溶融押出成形によりコンパウンドペレットを製造する。

0087

(2−3)フィルム製造工程:
次に、得られたコンパウンドペレットを用いて、Tダイ付の単軸または2軸スクリュー押出機を使用して所定の温度にて溶融押出成形して透明フィルムを製造する。

0088

また、フィルム製造工程においては、上記成分以外に、必要に応じて従来公知の添加剤などを配合することができる。

0089

以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。

0090

(製造例1)UV光励起赤外発光体粒子Aの作製:
下記第1原料を均一に混合した後、大気下にてアルミナ坩堝充填して電気炉で3時間かけて1450℃まで昇温させ10時間保持した。その後、室温まで冷却した。このようにして無機複合金属酸化物を得た。第1原料は、BaCO3が1.9537g(0.0099mol)、SnO2が1.5071g(0.01mol)、Na2CO3・10H2Oが0.0286g(0.0001mol)で配合されたものであった。

0091

得られた無機複合金属酸化物をディスクミル(レッチェ社製の振動ディスクミルRS200)にて粉砕し、平均粒子径1μmの光発光体粒子を得た。

0092

この光発光体粒子を分光蛍光光度計日立分光蛍光光度計F−7000)により励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定した。その結果、この光発光体は、励起ピーク波長が380nm、発光ピーク波長が930nmであった。

0093

(製造例2)可視光励起赤外発光体粒子Bの作製:
密閉式反応機に下記第2原料を均一に混合した後、100℃にて加熱して水分を揮発させた。その後、200℃まで序々に昇温させて有機酸であるクエン酸分解反応を行わせ、混合物を得た。この混合物を電気炉に入れて900℃にて2時間高温熱処理させた。その後、室温まで冷却した。このようにして無機複合金属酸化物を得た。第2原料は、(NH4)6Mo7O24・4H2Oが3.530g(0.02mol)、Nd(NO3)3O・5H2Oが0.068g(0.0002mol)、Ca(NO3)2・4H2Oが4.722g(0.02mol)、クエン酸が4.620g(0.022mol)、水が15mlで配合されたものであった。

0094

このようにして得た無機複合金属酸化物をディスクミル(レッチェ社製の振動ディスクミルRS200)にて粉砕し、平均粒子径1μmの光発光体粒子を得た。

0095

この光発光体粒子を分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)により励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定した。その結果、この光発光体は、励起ピーク波長が585nm、発光ピーク波長が1065nmであった。

0096

(製造例3)UV光可視光励起赤外発光体粒子Cの作製:
下記第3原料をボールミルにて均一に混合した後、下記3段階焼成により無機複合金属酸化物(焼成物)を得た。得られた焼成物をディスクミル(レッチェ社製の振動ディスクミルRS200)にて粉砕し、平均粒子径1μmの光発光体粒子を得た。第3原料は、Y2O3が49.68g(0.22mol)、SiO2が12.02g(0.20mol)、V2O5が37.85g(0.21mol)、Nd2O3が0.336g(0.001mol)、Er2O3が0.114g(0.0003mol)で配合されたものであった。
〔第1段階〕 上記混合物をアルミナ坩堝に充填して大気下、電気炉中で650℃、4時間加熱した後、室温まで冷却して粗粉砕して平均粒子径10μmの粒子を得た。
〔第2段階〕 次に、第1段階で得られた焼成物を大気下、電気炉で1100℃、4時間加熱した後、室温まで冷却して粗粉砕して平均粒子径3μmの粒子を得た。
〔第3段階〕 次に、第2段階で得られた焼成物を大気下、電気炉で600℃、2時間加熱した後、室温まで冷却した。

0097

この光発光体粒子を分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)により励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定した。その結果、この光発光体は、励起ピーク波長が320nm、発光ピーク波長が1050nmであった。

0098

(製造例4)UV光励起赤外発光体粒子A表面処理品Dの作製:
製造例1で得たUV光励起赤外発光体粒子A10g、トルエン200gを滴下装置オートクレーブに投入した。その後、60℃で加温しつつ攪拌しながら、1/100N−塩酸水(水:γ−MPTS(γーメタクリロキシトリメトキシシラン)(モル比=1:3)と、γ−MPTS0.6gとを30分間かけて別々に滴下した。その後、80℃に昇温させ、3時間攪拌を続けた後、室温まで冷却した。

0099

その後、エバポレーターにて40℃で減圧下にて、トルエンと、γ−MPTSの加水分解反応性生物であるメタノールとを除去した。その後、真空乾燥機内にて60℃、1昼夜乾燥させて、UV光励起赤外発光体粒子A表面処理品Dを得た。

0100

(製造例5)UV光励起赤外発光体粒子A表面処理品Eの作製:
脂肪酸モノグリセライド(リケマールS−100、理研ビタミン社製)1g、トルエン10gを攪拌機付密閉容器に投入して脂肪酸モノグリセライドを溶解させて溶解物を得た。その後、製造例1で得たUV光励起赤外発光体粒子A1gと上記溶解物とを混合して、常温で60分間攪拌を続けて、UV光励起赤外発光体粒子Aのトルエン分散体を作製した。その後、真空乾燥機内にて60℃、1昼夜乾燥させて、特殊脂肪酸エステルで処理した「UV光励起赤外発光体粒子A」の表面処理品Eを得た。

0101

(製造例6)UV光励起赤外発光体粒子A表面処理品Fの作製:
遊星ボールミルフリッチジャパン社製)を用い、ジルコニアベセル中にUV光励起赤外発光体粒子A10gとα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体ダイヤカルナ30(三菱化学社製)2.0g、ジルコニアビーズ20gを投入した。その後、500rpmにて3時間攪拌を続けてUV光励起赤外発光体粒子Aの表面処理品Fを得た。

0102

(実施例1)
ポリカーボネート樹脂に、製造例1で得たUV光励起赤外発光体粒子A0.1質量%、フェノール系熱安定剤(スミライザーGA−80、住友化学工業社製)0.1質量%、リン系熱安定剤(アデカスタブPEP−8、ADEKA)0.1質量%、エステル系滑剤(リコワックスE、クラリアントジャパン社製)0.2質量%を加えて組成物を得た。その後、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、260℃、回転数50rpmにて5分間上記組成物を攪拌混合して均一なポリカーボネート樹脂組成物S−1を得た。

0103

このポリカーボネート樹脂組成物S−1を真空プレス機川精機社製)にて、280℃、2MPaにて真空下で加熱・加圧圧縮した後、室温まで冷却して厚み100μmの透明フィルムP−1を得た。

0104

その後、この透明フィルムP−1を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Aが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。このフィルム中でのUV光励起赤外発光体粒子Aの平均粒子径は1.8μmであった。

0105

本透明フィルムP−1の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は86%であり、透明性が良好であることを確認した。

0106

本透明フィルムP−1について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長が380nm、発光ピーク波長が930nmであることを確認した。

0107

これらのピーク波長における検出感度は、3.0×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0108

本透明フィルムP−1は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0109

0110

(実施例2)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子Aを製造例2で得た可視光励起赤外発光体粒子Bに変えたこと以外は、実施例1と同様にして透明フィルムP−2を得た。

0111

この透明フィルムP−2を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Bが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0112

本透明フィルムP−2の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は84%であり、透明性が良好であることを確認した。

0113

本透明フィルムP−2について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長585nm、発光ピーク波長1065nmであることを確認した。

0114

これらのピーク波長における検出感度は、2.8×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0115

本透明フィルムP−2は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0116

(実施例3)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子Aを製造例3で得たUV光可視光励起赤外発光体粒子Cに変えたこと以外は、実施例1と同様にして透明フィルムP−3を得た。

0117

この透明フィルムP−3を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Cが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0118

本透明フィルムP−3の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は85%であり、透明性が良好であることを確認した。

0119

本透明フィルムP−3について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長320nm、発光ピーク波長1050nmであることを確認した。

0120

これらのピーク波長における検出感度は、2.9×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0121

本透明フィルムP−3は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0122

(実施例4)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子Aを製造例4で得たUV光励起赤外発光体粒子A表面処理品D0.11質量%(粒子Aとして0.1質量%)に変えたこと以外は、実施例同様1にして透明フィルムP−4を得た。

0123

この透明フィルムP−4を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、光励起赤外発光体粒子A表面処理品Dが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0124

本透明フィルムP−4の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は89%であり、透明性が良好であることを確認した。

0125

本透明フィルムP−4について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長380nm、発光ピーク波長930nmであることを確認した。

0126

これらのピーク波長における検出感度は、3.9×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0127

本透明フィルムP−4は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0128

(実施例5)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子Aを、製造例5で得たUV光励起赤外発光体粒子A表面処理品E0.2質量%(粒子Aとして0.1質量%)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして透明フィルムP−5を得た。

0129

この透明フィルムP−5を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、光励起赤外発光体粒子A表面処理品Eが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0130

本透明フィルムP−5の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は88%であり、透明性が良好であることを確認した。

0131

本透明フィルムP−5について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長380nm、発光ピーク波長930nmであることを確認した。

0132

これらのピーク波長における検出感度は、3.8×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0133

本透明フィルムP−5は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0134

(実施例6)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子Aを製造例6で得たUV光励起赤外発光体粒子A表面処理品F0.12質量%(粒子Aとして0.1質量%)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして透明フィルムP−6を得た。

0135

この透明フィルムP−6を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、光励起赤外発光体粒子A表面処理品Fが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0136

本透明フィルムP−6の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は89%であり、透明性が良好であることを確認した。

0137

本透明フィルムP−6について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長380nm、発光ピーク波長930nmであることを確認した。

0138

これらのピーク波長における検出感度は、3.8×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0139

本透明フィルムP−6は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0140

(実施例7)
アクリル樹脂(アクペットVRL40、三菱レーヨン社製)100質量部、製造例1で得たUV光励起赤外発光体粒子A表面処理品D0.11質量%(粒子Aとして0.1質量%)、特殊脂肪酸エステル(リケスターEW−440A、理研ビタミン社製)0.1質量部、グリセリンモノ脂肪酸エステル(リケマールS−100A、理研ビタミン社製)0.1質量部を、ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、240℃、回転数100rpmにて5分間攪拌混合して均一なアクリル樹脂組成物を得た。

0141

このアクリル樹脂組成物を真空プレス機(北川精機社製)にて、260℃、2MPaにて真空下で加熱・加圧圧縮した。その後、室温まで冷却して厚み100μmの透明フィルムP−7を得た。

0142

この透明フィルムP−7を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Aが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0143

本透明フィルムP−7の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は90%であり、透明性が良好であることを確認した。

0144

本透明フィルムP−7について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長380nm、発光ピーク波長930nmであることを確認した。

0145

これらのピーク波長における検出感度は、3.9×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0146

本透明フィルムP−7は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0147

(実施例8)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子Aを製造例4で得たUV光励起赤外発光体粒子A表面処理品D0.011質量%(粒子Aとして0.01質量%)とした以外は、実施例1と同様にして透明フィルムP−8を得た。

0148

この透明フィルムP−8を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Aが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0149

本透明フィルムP−8の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は90%であり、透明性が良好であることを確認した。

0150

本透明フィルムP−8について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長380nm、発光ピーク波長930nmであることを確認した。

0151

これらのピーク波長における検出感度は、2.1×104countsであることから、セキュリティフィルムとして必要な検出感度を有していることが確認できた。

0152

本透明フィルムP−8は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0153

(実施例9)
実施例8のUV光励起赤外発光体粒子A表面処理品D1.1質量%(粒子Aとして1.0質量%)とした以外は、実施例1と同様にして透明フィルムP−9を得た。

0154

この透明フィルムP−9を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Aが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0155

本透明フィルムP−9の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は82%であり、透明性が良好であることを確認した。

0156

本透明フィルムP−9について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定したところ、励起ピーク波長380nm、発光ピーク波長930nmであることを確認した。

0157

これらのピーク波長における検出感度は、12×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0158

本透明フィルムP−9は、セキュリティフィルムとして有益であることを確認した。結果を表1に示す。

0159

(比較例1)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子A混合量を0.001質量%としたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムP−10を得た。

0160

このフィルムP−10を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Aが凝集せず単分散状態にて均一分散していることを確認した。

0161

フィルムP−10の全光線透過率をヘーズメーター(日本電色工業社製のヘーズメーターNDH7000)を用いて測定したところ、全光線透過率は90%であり、透明性が良好であることを確認した。

0162

フィルムP−10について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定した。その結果、励起ピーク波長は380nm付近に弱いピークが観察でき、発光ピーク波長は930nm付近に弱いピークが観察できた。

0163

これらのピーク波長における検出感度は、0.2×104countsであることから、セキュリティフィルムとして検出感度が不足しているといえ、本透明フィルムP−10は、セキュリティフィルムとして実用性に乏しい。結果を表2に示す。

0164

0165

(比較例2)
実施例1のUV光励起赤外発光体粒子Aの使用量を1.2質量%としたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルムP−11を得た。このフィルムP−11はわずかに白濁したフィルムであった。

0166

このフィルムP−11を拡大顕微鏡(ユニバーサルズーム顕微鏡MULTIZOOM AZ100、ニコンインストルメンツカンパニ社製)にて観察したところ、UV光励起赤外発光体粒子Aの部分的な凝集が観察された。

0167

フィルムP−11について、分光蛍光光度計(日立分光蛍光光度計F−7000)を用いて励起波長スペクトル及び発光波長スペクトルを測定した。その結果、励起ピーク波長は380nm、発光ピーク波長は930nmであった。

0168

これらのピーク波長における検出感度は、7.5×104countsであることから、セキュリティフィルムとして十分な検出感度を有していることが確認できた。

0169

しかし、本フィルムP−11は、十分な検出感度を有している反面、透明性が悪化しており、本セキュリティフィルムの下層に配置する印刷層の画像が不鮮明となる問題がある。そのため、透明性が要求される用途におけるセキュリティフィルムとしては実用性に乏しい。結果を表2に示す。

実施例

0170

上述したように、実施例1〜9の透明フィルム(セキュリティフィルム)は、光を照射したときに良好に発光するためにセキュリティ機能が高く、透明性が良好であることが確認できた。

0171

本発明のセキュリティフィルムは、IDカードなどのカードや電子パスポートなどを構成するフィルムとして使用することができる。

0172

10:セキュリティフィルム、11:光発光体粒子、12:透明熱可塑性樹脂、20:データページ、21:ヒンジシート、糸綴じ代、30:ビザシート、40:ミシン糸、50:表紙、51:プロテクトシート、60:表紙部、100:電子パスポート。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い法人

関連性が強い法人一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ