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技術 放熱特性推定部を備えた数値制御装置

出願人 ファナック株式会社
発明者 手塚淳一小川肇
出願日 2014年3月3日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-040808
公開日 2015年9月24日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2015-167436
状態 特許登録済
技術分野 温度の制御 電動機の制御一般 交流電動機の制御一般 複数電動機の制御
主要キーワード 周囲温度データ 許容発熱量 発熱係数 発熱条件 平方値 空冷タイプ 過熱保護装置 放熱係数
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

数値制御装置の構成要素を流れる電流と温度と周囲温度を用いて各構成要素の放熱特性推定し、放熱特性の変化を数値的に把握して異常の兆候発見する。

解決手段

モータ部1の冷却用ファンモータ11を備えるモータ駆動装置20に備えられた数値制御装置2Aにおいて、温度検出器3、4からモータ部1の構成要素の温度と周囲温度とを取得すると共に、構成要素に入力される入力エネルギーと構成要素から出力される出力エネルギーを取得し、構成要素の温度と周囲温度と入力エネルギーと出力エネルギーのデータから構成要素の放熱特性を推定し、推定した構成要素の放熱特性を正常値と比較して、放熱特性が正常値を下回る時に、冷却用ファンモータ11が異常であると判定することにより、モータ駆動装置のモータ部1の構成要素の過熱による故障を防ぐことができる。

概要

背景

工作機械システムにおいては、工作機械駆動軸毎モータを有し、これらのモータをモータ駆動装置によって駆動している。モータ駆動装置はモータ部とこれを制御する数値制御装置を備え、モータ部にあるモータは、数値制御装置により数値で制御するようになっている。又、モータの動作はモータ駆動装置の数値制御装置で監視される。そして、モータ駆動装置のモータ部には、モータに動作を行わせるための入力電源コンバータインバータが設けられている。

一方、コンバータやインバータによってモータが制御されるモータ駆動装置のモータ部では、コンバータやインバータの発熱及びモータの発熱により、モータ部を構成するコンバータ、インバータ、モータの温度が上昇する。そして、コンバータ、インバータ、モータの温度が上昇すると、これらの構成要素が熱的に損傷し、モータ駆動装置が正常に動作しなくなる。このため、コンバータ、インバータ、モータには温度上昇を防止するための冷却機能が設けられている。冷却機能は一般に冷却フィンを使用した空冷であり、冷却用ファンファンモータで駆動し、発生した冷却風でコンバータ、インバータ、モータ内の冷却が行われる。そして、予防保全を目的として、ファンモータに取り付けた速度センサを用いてファンの回転低下回転停止状態を監視して、コンバータ、インバータ、モータ内の温度上昇を防止していた。

ところが、この方法ではファンモータの回転速度を検出するための速度センサが別途必要である上に、ファンモータの回転速度低下以外の要因による冷却効率の低下に起因するコンバータ、インバータ、モータ内の温度上昇は検出できなかった。一方、モータを使用する制御装置において、モータの過熱を防ぐ過熱保護装置が特許文献1に開示されている。特許文献1は、電子式パワーステアリング装置における過熱保護装置であり、複数の部品(モータ、コントローラ)の熱容量の違いによる発熱特性及び放熱特性から温度を推定してモータに流す電流を制限し、モータ及びモータ周辺装置を過熱から保護している。また、同じ数値制御装置の分野では、モータの発熱量が許容される発熱量を越えた場合に、加減速時定数の増大又は送り速度の低減により、工作機械の送り軸モータオーバヒートを未然に防止して機械保護を図る技術が特許文献2に開示されている。

概要

数値制御装置の構成要素を流れる電流と温度と周囲温度を用いて各構成要素の放熱特性を推定し、放熱特性の変化を数値的に把握して異常の兆候発見する。モータ部1の冷却用ファンモータ11を備えるモータ駆動装置20に備えられた数値制御装置2Aにおいて、温度検出器3、4からモータ部1の構成要素の温度と周囲温度とを取得すると共に、構成要素に入力される入力エネルギーと構成要素から出力される出力エネルギーを取得し、構成要素の温度と周囲温度と入力エネルギーと出力エネルギーのデータから構成要素の放熱特性を推定し、推定した構成要素の放熱特性を正常値と比較して、放熱特性が正常値を下回る時に、冷却用ファンモータ11が異常であると判定することにより、モータ駆動装置のモータ部1の構成要素の過熱による故障を防ぐことができる。

目的

本発明は、数値制御装置を制御部として備えモータ部を駆動するモータ駆動装置において、モータ部にある構成要素に流れる電流、温度及び周囲温度から推定した構成要素の放熱特性変化に基づいて、構成要素の冷却機能の異常を発見できる数値制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

冷却機能を備え、少なくとも1つのモータを駆動するモータ駆動装置に備えられた数値制御装置において、前記モータ駆動装置に設置された温度検出器から前記モータ駆動装置のモータ部にある構成要素の温度を取得する温度取得部と、前記モータ駆動装置に設置された温度検出器から前記モータ駆動装置のモータ部の周囲温度を取得する周囲温度取得部と、前記構成要素への入力エネルギーを取得する入力エネルギー取得部と、前記構成要素からの出力エネルギーを取得する出力エネルギー取得部と、前記構成要素の温度と前記周囲温度と前記入エネルギーと前記出力エネルギーから前記構成要素の放熱特性推定する放熱特性推定部と、推定された前記構成要素の放熱特性を前記冷却機能の正常/異常判定信号として出力する放熱特性出力部と、を備えたことを特徴とする数値制御装置。

請求項2

前記放熱特性推定部は、前記入力エネルギーから前記出力エネルギーを減じることで算出された前記構成要素の損失エネルギーから、前記構成要素の温度と熱容量から算出された前記構成要素の熱エネルギーを減じることにより、前記構成要素の放熱量を算出し、該放熱量を前記構成要素の温度と前記周囲温度の温度差で割ることにより、前記構成要素の放熱特性を算出することを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。

請求項3

前記構成要素の放熱特性の正常値を記憶する正常値記憶部と、前記放熱特性出力部から出力された前記構成要素の放熱特性の推定値を、前記正常値記憶部に記憶された正常値と比較する放熱特性比較部と、前記推定値が前記正常値を下回った場合に、前記冷却機能が異常であると判定し、アラームを出力する放熱能力判定部と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の数値制御装置。

請求項4

前記放熱特性出力部から出力された前記構成要素の放熱特性の推定値は、推定時の周囲温度データを含んでおり、前記正常値記憶部には、前記正常値が前記構成要素の周囲温度に対応して記憶されており、前記放熱特性比較部は、前記放熱特性出力部から出力された前記構成要素の放熱特性の推定値を、対応する周囲温度における正常値と比較することを特徴とする請求項3に記載の数値制御装置。

請求項5

前記正常値記憶部には、前記構成要素の放熱特性の正常値の代わりに、前記構成要素の放熱特性の上限値が記憶されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の数値制御装置。

請求項6

前記放熱特性出力部に接続し、前記構成要素の放熱特性を表示する放熱特性表示部を備えたことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の数値制御装置。

請求項7

前記冷却機能が空冷タイプであり、冷却風を発生させる冷却用ファンモータを備えることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の数値制御装置。

技術分野

0001

本発明は放熱特性推定部を備えた数値制御装置に関し、特に、冷却機能を備え、少なくとも1つのモータを数値制御装置を用いて駆動するモータ駆動装置において、モータ駆動装置のモータ部を構成する構成要素の冷却機能の異常を発見可能な放熱特性推定部を備えた数値制御装置に関する。

背景技術

0002

工作機械システムにおいては、工作機械駆動軸毎にモータを有し、これらのモータをモータ駆動装置によって駆動している。モータ駆動装置はモータ部とこれを制御する数値制御装置を備え、モータ部にあるモータは、数値制御装置により数値で制御するようになっている。又、モータの動作はモータ駆動装置の数値制御装置で監視される。そして、モータ駆動装置のモータ部には、モータに動作を行わせるための入力電源コンバータインバータが設けられている。

0003

一方、コンバータやインバータによってモータが制御されるモータ駆動装置のモータ部では、コンバータやインバータの発熱及びモータの発熱により、モータ部を構成するコンバータ、インバータ、モータの温度が上昇する。そして、コンバータ、インバータ、モータの温度が上昇すると、これらの構成要素が熱的に損傷し、モータ駆動装置が正常に動作しなくなる。このため、コンバータ、インバータ、モータには温度上昇を防止するための冷却機能が設けられている。冷却機能は一般に冷却フィンを使用した空冷であり、冷却用ファンファンモータで駆動し、発生した冷却風でコンバータ、インバータ、モータ内の冷却が行われる。そして、予防保全を目的として、ファンモータに取り付けた速度センサを用いてファンの回転低下回転停止状態を監視して、コンバータ、インバータ、モータ内の温度上昇を防止していた。

0004

ところが、この方法ではファンモータの回転速度を検出するための速度センサが別途必要である上に、ファンモータの回転速度低下以外の要因による冷却効率の低下に起因するコンバータ、インバータ、モータ内の温度上昇は検出できなかった。一方、モータを使用する制御装置において、モータの過熱を防ぐ過熱保護装置が特許文献1に開示されている。特許文献1は、電子式パワーステアリング装置における過熱保護装置であり、複数の部品(モータ、コントローラ)の熱容量の違いによる発熱特性及び放熱特性から温度を推定してモータに流す電流を制限し、モータ及びモータ周辺装置を過熱から保護している。また、同じ数値制御装置の分野では、モータの発熱量が許容される発熱量を越えた場合に、加減速時定数の増大又は送り速度の低減により、工作機械の送り軸モータオーバヒートを未然に防止して機械保護を図る技術が特許文献2に開示されている。

0005

特開2008−54440号公報

先行技術

0006

特許第3902710号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、特許文献1に開示のモータの制御装置は、モータ電流による発熱量と放熱量の差からモータの温度とモータコントローラの温度を推定しており、温度検出器がないので放熱量を精度よく見積もることができないという課題がある。また、特許文献2に開示の数値制御工作機械では、駆動手段への電流又はトルク指令データから駆動手段の温度を演算して決定した許容発熱量を、駆動手段への電流又はトルク指令データに基づく動作から求めた総発熱量が上回った時に駆動手段の動作を抑えている。しかし、特許文献2に開示の数値制御工作機械には温度検出器がないので、駆動手段の温度(放熱特性)を精度よく見積もることができないという課題がある。

0008

本発明は、数値制御装置を制御部として備えモータ部を駆動するモータ駆動装置において、モータ部にある構成要素に流れる電流、温度及び周囲温度から推定した構成要素の放熱特性変化に基づいて、構成要素の冷却機能の異常を発見できる数値制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記課題を解決する本発明によれば、少なくとも1つのモータを駆動するモータ駆動装置に備えられた数値制御装置において、モータ駆動装置に設置された温度検出器からモータ駆動装置の構成要素の温度を取得する温度取得部と、モータ駆動装置に設置された温度検出器からモータ駆動装置の周囲温度を取得する周囲温度取得部と、構成要素への入力エネルギーを取得する入力エネルギー取得部と、構成要素からの出力エネルギーを取得する出力エネルギー取得部と、構成要素の温度と周囲温度と入力エネルギーと出力エネルギーから構成要素の放熱特性を推定する放熱特性推定部と、推定された構成要素の放熱特性を冷却機能の正常/異常判定信号として出力する放熱特性出力部とを備えたことを特徴とする数値制御装置が提供される。

発明の効果

0010

本発明によれば、数値制御装置を備えるモータ駆動装置において、モータ駆動装置のモータ部にある構成要素の動作環境から推定した構成要素の放熱特性の変化から、構成要素の冷却機能の異常を発見して、構成要素の性能低下、故障を防止することができるという効果がある。

図面の簡単な説明

0011

本発明の数値制御装置の第1の実施例を備えたモータ駆動装置のブロック図である。
図1に示した数値制御装置の放熱特性推定部の動作の一例を示すフローチャートである。
図1に示した数値制御装置の放熱特性推定部の放熱特性の推定方法をモータを例に挙げて説明する入出力関係図である。
本発明の数値制御装置の第2の実施例を備えたモータ駆動装置のブロック図である。
図4に示した放熱特性比較部及び放熱能力判定部の動作の一例を示すフローチャートである。
図4に示した放熱特性表示部の表示画面における表示例を示す図である。

実施例

0012

以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。

0013

図1は本発明の第1の実施例の数値制御装置2を備えたモータ駆動装置10の構成を示すものである。モータ駆動装置10には、モータ部1と、モータ部1を制御する制御部である数値制御装置2が備えられている。図1に示す実施例のモータ部1には、2つのモータM1,M2が示されている。モータM1,M2は、例えばサーボモータスピンドルモータである。

0014

モータ部1には3相交流電源に接続する入力電源12があり、3相交流は入力電源12に接続するコンバータ13に入力されて直流に変換される。コンバータ13の出力は2つのモータM1,M2を駆動するインバータ14,15にそれぞれ入力され、所望の交流に変換されて2つのモータM1,M2が駆動制御される。

0015

モータ部1の各構成要素(モータM1,M2、インバータ14,15及びコンバータ13)はその動作において発熱し、内部温度が上昇する。各構成要素の内部温度が過度に上昇すると、これらの構成要素が熱的に損傷し、故障し易くなるので、各構成要素の内部は空冷タイプ又は液冷タイプの冷却機能によって温度が過度に上昇しないように冷却する必要がある。これは、モータは所定の温度を越えると減磁しやすくなり、又、モータを構成する部品毎に耐久温度が設定されているため、モータを含む各構成要素の内部が所定の温度を越えると故障する可能性があるからである。

0016

特に、熱を放出する表面積が小さく、巻線抵抗の値が大きく、電流が多く流れるモータは、発熱量が大きいため空冷による自然冷却ではなく、ファンによる強制空冷や液冷による能動的な熱の排出が必要となる。インバータやコンバータの場合も同様であり、インバータやコンバータの回路素子に電流が流れると発熱するため、インバータやコンバータも発熱量に応じて強制空冷や液冷による能動的な熱の排出を必要とする。

0017

空冷タイプの冷却機能には、各構成要素の発熱条件によってファンを付けるタイプと付けないタイプがある。図1に示す実施例では、空冷タイプの冷却機能として冷却用ファンモータ11が設けられており、冷却用ファンモータ11は入力電源12からの電流によって駆動される。一方、液冷タイプの冷却機能には、図示は省略するが、水冷タイプと油冷タイプの冷却機能があり、直接各構成要素を冷やすことができるので空冷に比べて冷却能力は高くなるが、設置コストは高くなる。

0018

本発明は、予防保全(過熱保護)を目的として、モータ部1の各構成要素(モータ、インバータ、コンバータ)の過熱による故障を事前に防ぐことが可能な数値制御装置を提供するものである。即ち、各構成要素の冷却機能が空冷タイプの場合は、冷却用ファンモータのファンの速度低下による放熱特性の低下を、液冷タイプの場合は、冷媒循環停滞による放熱特性の低下を、数値として事前に把握して、各構成要素の過熱による故障を防ぐものである。

0019

ここでは、図1に示した実施例のモータ部1に設けられている冷却用ファンモータ11のファンの速度低下を例にとって、冷却機能の放熱特性の低下を数値として事前に把握し、モータ部1の過熱による故障を防ぐ場合を説明する。図1に示した実施例では、モータ部1を制御する数値制御装置2に、温度取得部21、周囲温度取得部22、入力エネルギー取得部23、出力エネルギー取得部24、放熱特性推定部25及び放熱特性出力部26が設けられている。また、モータ駆動装置10には、各構成要素の温度を検出する温度検出器3と、モータ部1の周囲温度を検出する温度検出器4が設けられている。

0020

ここで、図2を併用して、温度取得部21、周囲温度取得部22、入力エネルギー取得部23、出力エネルギー取得部24、放熱特性推定部25及び放熱特性出力部26の動作を、動作順に説明する。温度取得部21は、モータ駆動装置10に設置された温度検出器3からモータ部1の構成要素(モータM1,M2、インバータ14,15及びコンバータ13)の温度を取得する(ステップ201)。また、周囲温度取得部22は、モータ駆動装置10に設置された温度検出器4からモータ部1の周囲温度を取得する(ステップ202)。

0021

入力エネルギー取得部23は、前述の構成要素に入力されるエネルギーを取得する(ステップ203)。コンバータ13に入力されるエネルギーは、入力電源12から出力されてコンバータ13に入力されるエネルギーである。このため、入力エネルギー取得部23には、入力電源12の出力が3本の信号線で引き込まれている。インバータ14,15に入力されるエネルギーは、コンバータ13から出力されてインバータ14,15に入力されるエネルギーである。このため、入力エネルギー取得部23には、コンバータ13の出力がインバータ14,15の手前、又は内部に設置された図示しない信号線から引き込まれている。モータM1,M2に入力されるエネルギーは、インバータ14,15から出力されてモータM1,M2に入力されるエネルギーである。このため、入力エネルギー取得部23には、インバータ14,15の出力がモータM1,M2の手前に設置された図示しない信号線から引き込まれている。

0022

一方、出力エネルギー取得部24は、各構成要素から出力されるエネルギーを取得する(ステップ204)。コンバータ13から出力されるエネルギーは、コンバータ13での熱損失を除くと、インバータ14,15に入力されるエネルギーと考えられるので、出力エネルギー取得部24には、インバータ14,15に入力される電力値が入力される。インバータ14,15から出力されるエネルギーは、インバータ14,15での熱損失を除くと、モータM1,M2に入力されるエネルギーと考えられるので、出力エネルギー取得部24には。モータM1,M2に入力される電力値が入力される。

0023

放熱特性推定部25は、温度取得部21、周囲温度取得部22、入力エネルギー取得部23及び出力エネルギー取得部24から入力された各構成要素の温度と周囲温度と入力エネルギー及び出力エネルギーから構成要素の放熱特性を推定する(ステップ205)。そして、放熱特性推定部25において推定された構成要素の放熱特性は、放熱特性出力部26が、冷却機能の正常/異常判定信号として出力する。

0024

次に、図1に示した放熱特性推定部25が、放熱特性(放熱係数K)を推定する方法についてモータMを例に挙げて説明する。図3に示すように、モータMに入力される入力エネルギーをEin(t)とした時に、モータMから出力される出力エネルギー(回転エネルギー)をEout(t)とする。すると、この時のモータMの内部の損失エネルギーEloss(t)は、式1で表される。なお、以下に示す式1〜式11に示される添え字は、本明細書ではアルファベット半角文字或いは半角数字で表している。

0025

一方、モータMに入力される入力エネルギーEin(t)は、式2に示すように、モータMに印加される入力電圧Vin(t)と,モータMに供給される入力電流Iin(t)との積から算出される。また、モータMから出力される出力エネルギーEout(t)は、式3に示すように単位時間当たりの回転エネルギーや仕事で表され、コンバータやインバータなどの場合、式3’に示すように出力電圧Vout(t)と出力電流Iout(t)との積で表される。式3におけるJはイナーシャ、ω(t)は角速度、Trq(t)はトルクである。

0026

損失エネルギーEloss(t)の一部は、モータ温度TM(t)と周囲温度T0(t)の差に応じて外部に放出され、残りのエネルギーは、熱エネルギーとしてモータMの内部に蓄積される。外部に放出される放熱量Er(t)は、式4で表され、一般的にモータ温度TM(t)と周囲温度T0(t)の差に放熱係数Kを乗じることによって算出される。

0027

従って、モータMの内部の熱エネルギーEh1(t)は、式5に示すように、損失エネルギーEloss(t)から放熱量Er(t)を差し引くことで算出することができる。

0028

一方、時間がt0からtまで変化した時のモータMの内部の熱エネルギーEh2(t)の積算値は、式6に示すようにモータMの温度の差分(TM(t)−TM(t0))に、熱容量CMを乗じることによって算出される。

0029

そして、式6を微分すると、式7に示すように単位時間当たりのモータMの内部の熱エネルギーEh2(t)を算出することができる。

0030

熱エネルギーEh1(t)は、モータMの内部のエネルギーの入出力関係から算出された熱エネルギーであり、熱エネルギーEh2(t)は、モータMの内部の温度ポテンシャルから算出された熱エネルギーになる。したがって、熱エネルギーEh1(t)とEh2(t)はほぼ等しくなると考えられるので、式8の関係式が成り立つ。

0031

従って、放熱特性(放熱係数K)は、式9に示すように式8を放熱係数Kについて解くことにより算出することができる。

0032

それゆえに、本発明では、入力エネルギー取得部23において取得した単位時間Δt当たりの入力エネルギーEin(Δt・n)と、出力エネルギー取得部24において取得した単位時間Δt当たりの出力エネルギーEin(Δt・n)と、温度取得部21において取得したモータ温度TM(t)と、周囲温度取得部22で検出した周囲温度T0(t)に基づいて監視対象となる構成要素の放熱係数Kを算出する。放熱係数Kは冷却用ファンモータ11の冷却機能を含む各構成要素の冷却能力を示しており、冷却用ファンモータ11の故障により冷却能力が低下すると放熱係数Kの値が小さくなる。一方、冷却用ファンモータ11が正常に動作している時は、放熱係数Kの値はほぼ一定値を示すので、各構成要素の放熱特性を確認する上で有効な指標となる。

0033

ここでは単位時間Δt毎に放熱係数Kを計算しているが、もう少し長い時間単位ロングスパン)で放熱係数Kを算出しても、また、単位時間Δt毎に計算した放熱係数Kの平均値Kavgを算出して、各構成要素の冷却能力を見ることができる。

0034

ここで、抵抗値を用いた損失エネルギーの算出について説明する。モータMに供給される単位時間Δt当たりのエネルギーEinは、入力電圧Vと入力電流Iを乗じることで算出される。Einの一部は、モータの回転エネルギー(出力エネルギー)Eoutに変換され、残りのエネルギーは、損失分ElossとしてモータMの内部で消費される。損失分Elossは、主にモータMの巻線抵抗Rでの単位時間Δt当たりの消費分であり、式10で表され、熱エネルギーとして消費される。よって巻線抵抗Rで消費されるエネルギーを損失エネルギーElossとして放熱係数Kの計算に利用することができる。

0035

また、モータMに電流が流れることにより、電気エネルギーE1が供給されるとすると、損失エネルギーElossは、電流Iの関数Eloss (I(t))で表される。従って、電流の平方値と発熱の関係が比例関係にあるとした場合、式11に示すように、各構成要素毎の発熱係数Hに電流I(t)2を乗じることにより損失エネルギーEloss(I(t))を算出することも可能である。

0036

次に、モータ部1における構成要素の放熱特性が低下した時にアラーム出力を行う、本発明の第2の実施例の数値制御装置2Aを備えたモータ駆動装置20について説明する。図4は本発明の第2の実施例のモータ駆動装置20を示しており、モータ部1の構成は、図1で説明した第1の実施例のモータ駆動装置10のモータ部1の構成と同じである。一方、第2の実施例の数値制御装置2Aは、第1の実施例の数値制御装置2と同様に、温度取得部21、周囲温度取得部22、入力エネルギー取得部23、出力エネルギー取得部24、放熱特性推定部25及び放熱特性出力部26を備えている。これらの構成と動作は第1の実施例と同様であるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。

0037

第2の実施例の数値制御装置2Aには、第1の実施例の数値制御装置2の放熱特性出力部26の後段に、正常値記憶部31、放熱特性比較部32、放熱能力判定部33及び放熱特性表示部34が設けられている。正常値記憶部31には、モータ部1の構成要素の冷却機能が正常に動作している時の各構成要素の放熱特性Knがモータ部1の周囲温度に対応して記憶されている。正常値記憶部31には、モータ部1の構成要素の冷却機能が正常に動作している時の各構成要素の放熱特性の正常値Knの代わりに、予め設定したモータ部1の周囲温度に対応した放熱特性Kの上限値Kmを記憶させておいても良い。放熱特性比較部32は放熱特性出力部26と正常値記憶部31とに接続されており、放熱特性比較部32の出力が放熱能力判定部33に入力される。

0038

図5は、図4に示した放熱特性比較部32及び放熱能力判定部33の動作の一例を示すフローチャートである。放熱特性比較部32には放熱特性出力部26からの放熱特性K(推定値)及び推定時点の周囲温度のデータが入力されると共に、正常値記憶部31からのこの周囲温度のデータに対応する放熱特性の正常値Knが入力される。放熱特性比較部32は、放熱特性出力部26からの放熱特性Kと正常値記憶部31からの放熱特性の正常値Knとを比較し、比較結果を放熱能力判定部33に入力する(ステップ501)。

0039

放熱能力判定部33は、放熱特性出力部26からの放熱特性Kが正常値記憶部31からの放熱特性の正常値Kn以上の場合(NO)は何もせずに処理を終了する(ステップ502)。一方、放熱能力判定部33は、放熱特性出力部26からの放熱特性Kが正常値記憶部31からの放熱特性の正常値Knより小さい場合(YES)は、冷却用ファンモータ11に異常があるとしてアラームを発生する(ステップ503)。ステップ502においてK<Knとなる場合は、冷却用ファンモータ11の冷却効率が低下している場合である。正常値記憶部31に記憶されているデータが、モータ部1の構成要素の冷却機能が正常に動作している時の上限値Kmの場合は、ステップ502においてK<Kmとなる場合に、放熱能力判定部33はステップ503においてアラームを発生する。

0040

また、第2の実施例の数値制御装置2Aには、表示画面を備えた放熱特性表示部34が設けられているので、放熱特性表示部34を用いて放熱特性出力部26から出力される放熱特性Kを画面に表示させることができる。図6は放熱特性表示部34に表示された放熱特性(放熱係数)Kの推移の一例を示すものである。このように、放熱特性表示部34を設けておくことにより、放熱特性の監視(モニタリング)を行うことが可能である。

0041

放熱特性(放熱係数)Kをモニタリングすることにより、冷却用ファンモータ11の故障等による放熱量Eoの低下(冷却効率の低下)を事前に予測することができる。これにより、冷却用ファンモータ11の故障による構成要素の温度の過度の上昇を未然に防ぐことが可能になる。図6に示した画面の表示例では、月毎に算出した放熱係数Kの特性により、2013年7月までは正常に機能していた冷却用ファンモータ11が、8月に故障したことが分る。そして、10月に修理され、冷却用ファンモータ11の冷却能力が正常に戻っていることが確認できる。このように所定の期間毎に放熱特性Kをモニタリングすることにより、早い段階で冷却用ファンモータ11の故障を発見してモータ部1の構成要素の過熱による故障を防ぐことができるので、大きな損害には至らない。

0042

以上、本発明を、モータ駆動装置のモータ部における構成要素の冷却機能が冷却用ファンモータを備えた空冷タイプの場合について説明したが、冷却機能が液冷タイプの場合であっても、冷媒の循環停滞による放熱特性の低下を推定することにより、モータ駆動装置のモータ部における構成要素の過熱による故障を防ぐことができる。

0043

1モータ部
2、2A数値制御装置
3、4温度検出器
10、20モータ駆動装置
11冷却用ファンモータ
M1,M2 モータ

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