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技術 有機発光ダイオードおよびその製造方法、画像表示装置および照明装置

出願人 王子ホールディングス株式会社
発明者 篠塚啓岡本隆之
出願日 2015年5月22日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2015-104967
公開日 2015年9月24日 (4年5ヶ月経過) 公開番号 2015-167143
状態 特許登録済
技術分野 エレクトロルミネッセンス光源
主要キーワード 略半球体形状 同心円柱 周期的微細構造 半球体形状 多層誘電体構造 基板原板 水面波 バイアス電場
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2015年9月24日)のものです。
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図面 (20)

課題

解決手段

基板上に少なくとも陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層と、Al又はAlの含有率が70%質量以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられている有機発光ダイオードにおいて、有機発光ダイオードからの光の取出波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて特定の座標を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、前記複数の凹部の形状が正弦波形状でありかつ前記凹部の深さが50nm以上160nm以下であり、または前記複数の凹部の形状が円錐形状でありかつ前記凹部の深さが60nm以上170nm以下であり、かつ前記二次元格子構造が正方格子構造である有機発光ダイオード。

概要

背景

有機発光ダイオードは、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという。)を利用した発光素子であり、一般的に、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層の両面にそれぞれ陽極陰極が設けられた構成を有する。有機EL層としては、発光層の他、必要に応じて電子輸送層ホール輸送層などが設けられる。有機発光ダイオードには、ガラス基板等の透明な基板上に、ITO等の透明導電材料からなる陽極、発光層を含む有機EL層、金属からなる陰極が順次形成され、基板側から光が取り出されるボトムエミッション型のものや、基板上に陰極、有機EL層、陽極が順次形成され、基板側とは反対側から光が取り出されるトップエミッション型のものなどがある。
有機発光ダイオードは、視野角依存性が少ない、消費電力が少ない、極めて薄いものができる等の利点がある一方、光取出し効率が低い問題がある。光取出し効率は、発光層から出射した光エネルギーに対する、光の取出し面(たとえばボトムエミッション型の場合は基板面)から大気中に放出される光エネルギーの割合である。たとえば発光層からの光は全方向に出射するため、その多くが屈折率違う複数の層の界面で全反射を繰り返す導波モードとなり、層間を導波するうちに熱に変わったり側面から放出されたりして光取出し効率が低下する。また、金属である陰極との間の距離が近いことから、発光層からの近接場光の一部は陰極の表面で表面プラズモンに変換されて失われ、光取出し効率が低下する。
光取出し効率は、当該有機発光ダイオードを備えたディスプレイ照明等の明るさに影響することから、その改善のために種々の方法が検討されている。光取出し効率を改善する方法の一つとして、表面プラズモン共鳴を利用する方法が提案されている。たとえば特許文献1〜4には、金属層(陰極)の表面に1次元または2次元の周期的微細構造を設ける方法が開示されている。これらの方法において、周期的微細構造は、回折格子として機能する。これにより、陰極表面で表面プラズモンとして失われていたエネルギーが光として取り出され、光取出し効率が向上する。

概要

光取出し効率に優れた有機発光ダイオードの提供。基板上に少なくとも陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層と、Al又はAlの含有率が70%質量以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられている有機発光ダイオードにおいて、有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて特定の座標を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、前記複数の凹部の形状が正弦波形状でありかつ前記凹部の深さが50nm以上160nm以下であり、または前記複数の凹部の形状が円錐形状でありかつ前記凹部の深さが60nm以上170nm以下であり、かつ前記二次元格子構造が正方格子構造である有機発光ダイオード。なし

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、光取出し効率に優れた有機発光ダイオードおよびその製造方法、該有機発光ダイオードを備えた画像表示装置および照明装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、有機発光ダイオードからの光の取出波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、前記複数の凹部の形状が正弦波形状でありかつ前記凹部の深さが50nm以上160nm以下であり、または前記複数の凹部の形状が円錐形状でありかつ前記凹部の深さが60nm以上170nm以下であり、かつ前記二次元格子構造が正方格子構造であることを特徴とする有機発光ダイオード。A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料スペクトルにおける発光ピーク半値半幅を示す。]

請求項2

基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、前記複数の凹部の形状が正弦波形状でありかつ前記凹部の深さが50nm以上160nm以下であり、または前記複数の凹部の形状が円錐形状でありかつ前記凹部の深さが60nm以上170nm以下であり、かつ前記二次元格子構造が正方格子構造であることを特徴とする有機発光ダイオード。A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

請求項3

基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、前記複数の凸部の形状が正弦波形状でありかつ前記凸部の高さが50nm以上160nm以下であり、または前記複数の凸部の形状が円錐形状でありかつ前記凸部の高さが60nm以上170nm以下であり、かつ前記二次元格子構造が正方格子構造であることを特徴とする有機発光ダイオード。A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

請求項4

基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、前記複数の凸部の形状が正弦波形状でありかつ前記凸部の高さが50nm以上160nm以下であり、または前記複数の凸部の形状が円錐形状でありかつ前記凸部の高さが60nm以上170nm以下であり、かつ前記二次元格子構造が正方格子構造であることを特徴とする有機発光ダイオード。A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

請求項5

請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードを備える画像表示装置

請求項6

請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードを備える照明装置

技術分野

0001

本発明は、有機発光ダイオードおよびその製造方法、該有機発光ダイオードを備えた画像表示装置および照明装置に関する。
本願は、2010年11月2日に、日本に出願された特願2010−246653号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

0002

有機発光ダイオードは、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという。)を利用した発光素子であり、一般的に、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層の両面にそれぞれ陽極陰極が設けられた構成を有する。有機EL層としては、発光層の他、必要に応じて電子輸送層ホール輸送層などが設けられる。有機発光ダイオードには、ガラス基板等の透明な基板上に、ITO等の透明導電材料からなる陽極、発光層を含む有機EL層、金属からなる陰極が順次形成され、基板側から光が取り出されるボトムエミッション型のものや、基板上に陰極、有機EL層、陽極が順次形成され、基板側とは反対側から光が取り出されるトップエミッション型のものなどがある。
有機発光ダイオードは、視野角依存性が少ない、消費電力が少ない、極めて薄いものができる等の利点がある一方、光取出し効率が低い問題がある。光取出し効率は、発光層から出射した光エネルギーに対する、光の取出し面(たとえばボトムエミッション型の場合は基板面)から大気中に放出される光エネルギーの割合である。たとえば発光層からの光は全方向に出射するため、その多くが屈折率違う複数の層の界面で全反射を繰り返す導波モードとなり、層間を導波するうちに熱に変わったり側面から放出されたりして光取出し効率が低下する。また、金属である陰極との間の距離が近いことから、発光層からの近接場光の一部は陰極の表面で表面プラズモンに変換されて失われ、光取出し効率が低下する。
光取出し効率は、当該有機発光ダイオードを備えたディスプレイ照明等の明るさに影響することから、その改善のために種々の方法が検討されている。光取出し効率を改善する方法の一つとして、表面プラズモン共鳴を利用する方法が提案されている。たとえば特許文献1〜4には、金属層(陰極)の表面に1次元または2次元の周期的微細構造を設ける方法が開示されている。これらの方法において、周期的微細構造は、回折格子として機能する。これにより、陰極表面で表面プラズモンとして失われていたエネルギーが光として取り出され、光取出し効率が向上する。

先行技術

0003

特開2002−270891号公報
特開2004−31350号公報
特表2005−535121号公報
特開2009−158478号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、上記のような周期的微細構造を設ける場合、効率的に表面プラズモンを伝播光に変換する凹部または凸部の中心間距離や構造高さの情報が従来無かったため、光取出し効率を最大化することは難しかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、光取出し効率に優れた有機発光ダイオードおよびその製造方法、該有機発光ダイオードを備えた画像表示装置および照明装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、2次元の周期的微細構造を、特定のパラメータ満足するように形成することで、光取出し効率が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は以下の態様を有する。
[1]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層と、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料スペクトルにおける発光ピーク半値半幅を示す。]
[2][1]に記載の有機発光ダイオードを製造する方法であって、
表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板を作製し、前記構造上に、前記陽極導電層と、前記有機EL層と、前記陰極導電層とを順次積層することを特徴とする有機発光ダイオードの製造方法。
[3]前記基板が、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製される、[2]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
[4]前記二次元格子構造を鋳型にして前記基板を作製することを含み、
前記鋳型が、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製された原盤であるか、または前記原盤を転写して得られる金属電鋳型もしくは樹脂型である、[2]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
[5]基板上に、少なくとも、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[6][5]に記載の有機発光ダイオードを製造する方法であって、
表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凹部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板を作製し、前記構造上に、前記陰極導電層と、前記有機EL層と、前記陽極導電層とを順次積層することを特徴とする有機発光ダイオードの製造方法。
[7]前記二次元格子構造を鋳型にして前記基板を作製することを含み、
前記鋳型が、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製された原盤であるか、または前記原盤を転写して得られる金属電鋳型もしくは樹脂型である、[6]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
[8]前記基板が、表面に粒子単層膜を作製した後、前記粒子単層膜の上から、Cr、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される金属を真空蒸着して前記粒子単層膜の粒子の隙間から前記基板の原板の表面に到達したメッシュ状の金属蒸着層を作製した後、前記粒子単層膜を除去し、前記メッシュ状の金属蒸着層をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製される、[6]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
[9]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[10]基板上に、少なくとも、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[11]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[12]基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[13]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[14]基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[15]前記凹部の深さが15nm以上70nm以下であることを特徴とする[1]、[5]、[11]または[12]に記載の有機発光ダイオード。
[16]前記凹部の形状が前記基板上の円錐台形状又は円柱形状を転写した形状であって、かつ深さが15nm以上70nm以下であることを特徴とする[1]、[5]、[11]または[12]に記載の有機発光ダイオード。
[17]前記凹部の形状が前記基板上の正弦波形状を転写した形状であって、かつ深さが50nm以上160nm以下であることを特徴とする[1]、[5]、[11]または[12]に記載の有機発光ダイオード。
[18]前記凹部の形状が前記基板上の円錐形状を転写した形状であって、かつ深さが60nm以上170nm以下であることを特徴とする[1]、[5]、[11]または[12]に記載の有機発光ダイオード。
[19]前記凸部の形状が前記基板上の円錐台形状又は円柱形状であって、かつ高さが15nm以上70nm以下であることを特徴とする[9]、[10]、[13]または[14]に記載の有機発光ダイオード。
[20]前記凸部の形状が前記基板上の正弦波形状であって、かつ高さが50nm以上160nm以下であることを特徴とする[9]、[10]、[13]または[14]に記載の有機発光ダイオード。
[21]前記凸部の形状が前記基板上の円錐形状であって、かつ高さが60nm以上170nm以下であることを特徴とする[9]、[10]、[13]または[14]に記載の有機発光ダイオード。
[22][1]、[5]、および[9]ないし[14]のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードを備える画像表示装置。
[23][1]、[5]、および[9]ないし[14]のいずれか一項に記載の有機発光ダイオードを備える照明装置。
[24][10],[11]または[14]に記載の有機発光ダイオードを製造する方法であって、
表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板を作製し、前記構造上に、前記陽極導電層と、前記有機EL層と、前記陰極導電層とを順次積層することを特徴とする有機発光ダイオードの製造方法。
[25]前記基板が、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製される、[24]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
[26]前記二次元格子構造を鋳型にして前記基板を作製することを含み、
前記鋳型が、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製された原盤であるか、または前記原盤を転写して得られる金属電鋳型もしくは樹脂型である、[24]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
[27][9]、[12]または[13]に記載の有機発光ダイオードを製造する方法であって、
表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凹部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板を作製し、前記構造上に、前記陰極導電層と、前記有機EL層と、前記陽極導電層とを順次積層することを特徴とする有機発光ダイオードの製造方法。
[28]前記二次元格子構造を鋳型にして前記基板を作製することを含み、
前記鋳型が、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製された原盤であるか、または前記原盤を転写して得られる金属電鋳型もしくは樹脂型である、[27]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
[29]前記基板が、表面に粒子単層膜を作製した後、前記粒子単層膜の上から、Cr、Ni、FeおよびCoからなる群より選択される金属を真空蒸着して前記粒子単層膜の粒子の隙間から前記基板の原板の表面に到達したメッシュ状の金属蒸着層を作製した後、前記粒子単層膜を除去し、前記メッシュ状の金属蒸着層をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製される、[27]に記載の有機発光ダイオードの製造方法。
前記二次元格子構造が正方格子である場合、前期凹部の中心間の距離p(nm)、または前記凸部の中心間の距離p(nm)の座標の値に、それぞれ(√3/2)を乗じて補正することが好ましい。すなわち、本発明は以下の態様をも包含する。
[30]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層と、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=(√3/2)(258+W(1/2)))、B(λ=500、p=(√3/2)(319+W(1/2)))、C(λ=600、p=(√3/2)(406+W(1/2)))、D(λ=700、p=(√3/2)(484+W(1/2)))、E(λ=800、p=(√3/2)(561+W(1/2)))、F(λ=800、p=(√3/2)(493−W(1/2)))、G(λ=700、p=(√3/2)(425−W(1/2)))、H(λ=600、p=(√3/2)(353−W(1/2)))、I(λ=500、p=(√3/2)(262−W(1/2)))、J(λ=450、p=(√3/2)(110−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[31]基板上に、少なくとも、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機EL層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=(√3/2)(258+W(1/2)))、B(λ=500、p=(√3/2)(319+W(1/2)))、C(λ=600、p=(√3/2)(406+W(1/2)))、D(λ=700、p=(√3/2)(484+W(1/2)))、E(λ=800、p=(√3/2)(561+W(1/2)))、F(λ=800、p=(√3/2)(493−W(1/2)))、G(λ=700、p=(√3/2)(425−W(1/2)))、H(λ=600、p=(√3/2)(353−W(1/2)))、I(λ=500、p=(√3/2)(262−W(1/2)))、J(λ=450、p=(√3/2)(110−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[32]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=(√3/2)(258+W(1/2)))、B(λ=500、p=(√3/2)(319+W(1/2)))、C(λ=600、p=(√3/2)(406+W(1/2)))、D(λ=700、p=(√3/2)(484+W(1/2)))、E(λ=800、p=(√3/2)(561+W(1/2)))、F(λ=800、p=(√3/2)(493−W(1/2)))、G(λ=700、p=(√3/2)(425−W(1/2)))、H(λ=600、p=(√3/2)(353−W(1/2)))、I(λ=500、p=(√3/2)(262−W(1/2)))、J(λ=450、p=(√3/2)(110−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[33]基板上に、少なくとも、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=(√3/2)(258+W(1/2)))、B(λ=500、p=(√3/2)(319+W(1/2)))、C(λ=600、p=(√3/2)(406+W(1/2)))、D(λ=700、p=(√3/2)(484+W(1/2)))、E(λ=800、p=(√3/2)(561+W(1/2)))、F(λ=800、p=(√3/2)(493−W(1/2)))、G(λ=700、p=(√3/2)(425−W(1/2)))、H(λ=600、p=(√3/2)(353−W(1/2)))、I(λ=500、p=(√3/2)(262−W(1/2)))、J(λ=450、p=(√3/2)(110−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[34]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[35]基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[36]基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]
[37]基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造(正方格子構造)が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=(√3/2)(220+W(1/2)))、B´(λ=400、p=(√3/2)(295+W(1/2)))、C´(λ=500、p=(√3/2)(368+W(1/2)))、D´(λ=600、p=(√3/2)(438+W(1/2)))、E´(λ=700、p=(√3/2)(508+W(1/2)))、F´(λ=800、p=(√3/2)(575+W(1/2)))、G´(λ=800、p=(√3/2)(505−W(1/2)))、H´(λ=700、p=(√3/2)(438−W(1/2)))、I´(λ=600、p=(√3/2)(368−W(1/2)))、J´(λ=500、p=(√3/2)(298−W(1/2)))、K´(λ=400、p=(√3/2)(225−W(1/2)))、L´(λ=300、p=(√3/2)(150−W(1/2)))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

発明の効果

0006

本発明によれば、光取出し効率に優れた有機発光ダイオードおよびその製造方法、該有機発光ダイオードを備えた画像表示装置および照明装置を提供できる。

図面の簡単な説明

0007

第一の態様および第五の態様の有機発光ダイオードの構造の一例を示す概略図である。
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)を横軸に、二次元格子構造における凹部の中心間の距離p(nm)または凸部の中心間の距離p(nm)を縦軸にとった、本発明の第一の態様ないし第四の態様における取出し波長λと距離pとの関係を示すグラフである。
表面プラズモンから光への変換効率の計算に用いた、陰極導電層の有機EL層側の表面の模式図である。
図3Aの陰極導電層の断面図である。
有機EL層が2層の場合の、一様誘電体の等価的な屈折率の求め方を説明するための、多層誘電体構造を示す図である。
有機EL層が3層の場合の、一様誘電体の等価的な屈折率の求め方を説明するための、多層誘電体構造を示す図である。
有機EL層が4層の場合の、一様誘電体の等価的な屈折率の求め方を説明するための、多層誘電体構造を示す図である。
第二の態様および第六の態様の有機発光ダイオードの構造の一例を示す概略図である。
実施例1で作製した基板の側面図である。
試験例1で作製したグラフである。
第三の態様および第七の態様の有機発光ダイオードの構造の一例を示す概略図である。
第四の態様および第八の態様の有機発光ダイオードの構造の一例を示す概略図である。
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)を横軸に、二次元格子構造における凹部の中心間の距離p(nm)または凸部の中心間の距離p(nm)を縦軸にとった、本発明の第五の態様ないし第八の態様における取出し波長λと距離pとの関係を示すグラフである。
試験例3で作成したグラフである。
有機EL層側の表面に円錐台形状の凹部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
有機EL層側の表面に円錐台形状の凸部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
有機EL層側の表面に正弦波形状の凹部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
有機EL層側の表面に正弦波形状の凸部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
有機EL層側の表面に円柱形状の凹部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
有機EL層側の表面に円柱形状の凸部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
有機EL層側の表面に円錐形状の凹部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
有機EL層側の表面に円錐形状の凸部を有する陰極導電層の一例を示す斜視図である。
本発明の正弦波形状の凸部の構造の一例を説明するための図である。
本発明の正弦波形状の凸部の配列の一例を示す上面図である。

0008

≪第一の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第一の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、陽極導電層と、発光層を含む有機EL層と、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが15nm以上70nm以下であることを特徴とする。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0009

以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一の態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図である。
本実施形態の有機発光ダイオード10は、一般にボトムエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、透明体の基板11上に、透明導電体からなる陽極導電層12と、有機EL層13と、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層14とが順次積層されている。
有機EL層13は、陽極導電層12側から順次積層されたホール注入層13a、ホール輸送層13b、有機発光材料を含有する発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13eから構成される。これらの層は一層の役割が一つの場合もあるし二つ以上の役割を兼ねる場合もある。たとえば、電子輸送層と発光層を一層で兼ねることができる。
陽極導電層12および陰極導電層14には電圧印加できるようになっている。
かかる有機発光ダイオード10においては、陽極導電層12および陰極導電層14に電圧を印加すると、それぞれから有機EL層13にホールおよび電子注入される。注入されたホールおよび電子は発光層13cで結合し励起子が生成される。この励起子が再結合する際に光が発生する。

0010

基板11の陽極導電層12が積層される側の表面には、複数の凸部15が周期的に二次元に配列した構造(二次元格子構造)が設けられている。この構造上に陽極導電層12、有機EL層13(ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13e)が順次積層されることで、各層の陰極導電層14側の表面には基板11表面と同様の構造が形成される。そのため最終的に有機EL層13上に陰極導電層14を積層すると、陰極導電層14の有機EL層13側の表面には、基板11表面の構造が反転した構造、すなわち複数の凹部16が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が形成される。
この二次元格子構造が設けられていることで、陰極導電層14表面で表面プラズモンが伝播光に変換される。
発光層13cで発光分子から発光する際に、ごく近傍に近接場光が発生する。発光層13cと陰極導電層14との距離は非常に近いため、近接場光は陰極導電層14の表面にて伝播型の表面プラズモンのエネルギーに変換される。
金属表面の伝播型表面プラズモンは、入射した電磁波(近接場光など)により生じる自由電子粗密波が表面電磁場を伴うものである。平坦な金属表面に存在する表面プラズモンの場合、該表面プラズモンの分散曲線と光(空間伝播光)の分散直線とは交差しないため、表面プラズモンのエネルギーを光として取り出すことはできない。これに対し、金属表面に格子構造があると、該格子構造によって回折された空間伝播光の分散曲線が表面プラズモンの分散曲線と交差するようになり、表面プラズモンのエネルギーを輻射光として取り出すことができる。
このように、二次元格子構造が設けられていることで、表面プラズモンとして失われていた光のエネルギーが取り出される。取り出されたエネルギーは、輻射光として陰極導電層14表面から放射される。このとき陰極導電層14から輻射される光は指向性が高く、その大部分が取出し面に向かう。そのため、取出し面から高強度の光が出射し、取出し効率が向上する。
ここで、「周期的に二次元に配列」とは、複数の凹部16が、平面上の少なくとも2方向に周期的に配置されている状態をいう。二次元に配列していることで、1次元の場合(配列方向が一方向。たとえば複数の溝(又は山)が平行に配置されたような構造)よりも取出し効率が高い。
二次元格子構造の好ましい具体例として、配列方向が2方向で、その交差角度が90度であるもの(正方格子)、配列方向が3方向で、その交差角度が60度であるもの(三角格子六方格子ともいう。))等が挙げられ、三角格子構造が特に好ましい。配列方向が多い方が、回折光が得られる条件が多く、高効率で表面プラズモンを伝播光に変換できる。
三角格子構造の作製法は特に限定されないが、たとえば、電子ビームリソグラフィー機械式切削加工レーザー熱リソグラフィー干渉露光、より具体的には二光束干渉露光縮小露光アルミナ陽極酸化法、およびそれらで作製した原盤からのナノインプリント法、などが利用できる。後述する粒子単層膜を用いる方法は、粒子単層膜を構成する粒子が2次元的な6方最密充填配置をとりうることから、かかる粒子単層膜をエッチングマスクとしてドライエッチングを行うことで上記三角格子構造を簡便に形成することができる。
正方格子構造の作製法は特に限定されないが、たとえば、電子ビームリソグラフィー、機械式切削加工、レーザー熱リソグラフィー、干渉露光、より具体的には二光束干渉露光、およびそれらで作製した原盤からのナノインプリント法、などが利用できる。

0011

陰極金属層発光層側表面から発光層までの距離が近いほど発光エネルギーが表面プラズモンに移動する割合が大きい。本発明はそのような素子に対してより有効に機能する。

0012

凹部16の深さは、12nm以上180nm以下であり、15nm以上70nm以下がより好ましい。
深さが12nm未満または180nm超であると光取出し効率の向上効果が不充分となる。
凹部16の深さの上記範囲は以下の理由による。すなわち、凹部16の深さが12nm未満であると、二次元格子構造として十分な表面プラズモンの回折波を生成できなくなり、表面プラズモンを輻射光として取り出す効果が低下する。また、凹部16の深さが180nmを超えると、表面プラズモンが局在型性質を持ち始め、伝播型ではなくなってくるため、輻射光の取出し効率が低下する。さらに、凹部16の深さが180nmを超えると、有機発光ダイオードの陽極層有機薄膜層陰極層を順次積層する際に凹凸が急峻であるため陽極と陰極が短絡する可能性も高くなってくるため好ましくない。
凹部16の深さは、凸部15の高さと同じであるため、凸部15の高さをAFM(原子間力顕微鏡)により測定することで間接的に定量できる。具体的には、まず、二次元格子構造内の無作為に選択された5μm×5μmの領域1カ所についてAFM像を得る。ついで、該AFM像の対角線方向に線を引き、この線と交わった凸部15の高さをそれぞれ単独に求める。そして、これら凸部15の高さの平均値を求める。このような処理を、無作為に選択された合計25カ所の5μm×5μmの領域について同様に行い、各領域における凸部15の高さの平均値を求める。こうして得られた25カ所の領域における平均値をさらに平均した値を凸部15の高さとする。
凸部15の形状は、本発明の効果を有する限り特に限定されず、たとえば円柱形状、円錐形状、円錐台形状、正弦波形状、半球体形状略半球体形状楕円体形状、或いはそれらを基本とした派生形状等が挙げられる。凸部15の形状の別の側面は、前記軸に沿った断面が、長方形三角形台形正弦波形半円形略半円形楕円形、或いはそれらを基本とした派生形状等である。そして、各凸部15と基板面との接線は、本発明の効果を有する限り、互いに接していても、離間していてもよい。
凸部の形状と高さにより、表面プラズモンからの光の取出し効率は変化する。
凸部15の形状が円錐台形状の場合、好ましい高さは12nm以上180nm以下であり、更に好ましくは15nm以上70nm以下、最も好ましくは20nm以上50nm以下である。ここで挙げた円錐台形状とは、上底下底円形であり、かつその直径比が10/100〜90/100の範囲であり、かつ上底と下底の面が平行であり、かつ母線が直線である構造体を示している。微細構造体としては、隣り合う2つの円柱の下底が接する配列から下底の直径の5倍程度の距離離れている配列が好ましい。
また、凸部15の形状が正弦波形状の場合、好ましい高さは12nm以上180nm以下であり、更に好ましくは50nm以上160nm以下、最も好ましくは70nm以上140nm以下である。ここにおいて正弦波形状とは、たとえば、平面上の六方最密配列の格子点αにおいて隣り合う2点を結ぶ直線を引き、かつその直線とZ軸を含む面を振動面とする正弦波を考え、各格子点αがいずれも極大値となり、隣り合う格子点の中間点βがいずれも極小値となる様な波長の正弦波を想定するとき、ある格子点αから±1/2波長の位置βで正弦波を切取り、前記格子点を通るZ軸を中心に前記切り取った正弦波を回転させて得られる面から構成される立体形状である(図20)。図21は、前記立体形状15’を構成単位とするとき、複数の構成単位を正弦波の頂点αを六方最密配列の各格子点αに合わせるように配置した構造体の上面図を示している。図21では、互いに最も近い3つの格子点で構成される正三角形中心付近にある回転面で被覆されない領域は、基板11の上部水平面であり、回転面の最も低い高さ(正弦波の極小値)と同じ高さを表している。
凸部15の形状が円錐形状の場合、好ましい高さは12nm以上180nm以下であり、更に好ましくは60nm以上170nm以下、最も好ましくは80nm以上150nm以下である。ここにおいて円錐形状とは、たとえば、下底は円形であり、かつ母線は直線である構造体である。微細構造体としては、隣り合う2つの円柱の下底が接する配列から下底の直径の5倍程度の距離離れている配列が好ましい。
また、凸部15の形状が円柱形状の場合、好ましい高さは12nm以上180nm以下であり、更に好ましくは15nm以上70nm以下、最も好ましくは20nm以上50nm以下である。ここにおいて円柱形状とは、たとえば、上底と下底は円形であり、かつその上底と下底の直径は同一であり、かつ上底と下底の面は平行であり、かつ母線は直線である構造体である。微細構造体としては、隣り合う2つの円柱の下底が接する配列から下底の直径の5倍程度の距離離れている配列が好ましい。
以上に挙げた円錐台形状、正弦波形状、円錐形状、円柱形状とは、典型的な形状を現しているのであって、本発明の凸部または凹部の構造は、本発明の効果を有する限り、前記形状のいずれかに厳密に限定される必要はない。すなわち、上記基本形状の定義を多少ずれた形状(略形状)も本発明の効果を有する限り本発明の範囲に含まれる。
以上述べた円錐台形状、正弦波形状、円錐形状、円柱形状の構造体はすべて凸型に関する説明であるが、それらの反転型である凹型についても本発明の効果を得ることが出来る。凹型の構造体の形状の定義は、凸型の表面構造体基底面(複数の構造体突起物の最も低い部分を含む平面)を基準面(鏡面)として、面対称構造体(鏡像)を作製したものとなる。たとえば、面対称構造体がガラス基板表面に形成されているとき、構造体表面から基準面側の空間は空隙であり、構造体表面から基準面と反対側の空間はガラス材料で構成されていることになる。

0013

図12は、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板11を用いた場合の、陰極導電層14の有機EL層側の表面の斜視図を示した図である。円錐台形状の複数の凹部16が離間して周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。
図13は、後述する第三の態様の陰極導電層14の有機EL層側の表面に、円錐台形状の複数の凸部116が離間して周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。
図14は、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板11を用いた場合の、陰極導電層14の有機EL層側の表面の斜視図を示した図である。正弦波形状の複数の凹部16aが周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。
図15は、後述する第三の態様の陰極導電層14の有機EL層側の表面に、正弦波形状の複数の凸部116aが周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。
図16は、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板11を用いた場合の、陰極導電層14の有機EL層側の表面の斜視図を示した図である。円柱形状の複数の凹部16bが離間して周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。
図17は、後述する第三の態様の陰極導電層14の有機EL層側の表面に、円柱形状の複数の凸部116bが離間して周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。
図18は、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板11を用いた場合の、陰極導電層14の有機EL層側の表面の斜視図を示した図である。円錐形状の複数の凹部16cが離間して周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。
図19は、後述する第三の態様の陰極導電層14の有機EL層側の表面に、円錐形状の複数の凸部116cが離間して周期的に形成されている例である。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの有機EL層13が接している。

0014

本発明の第一の態様においては、有機発光ダイオード10からの光の取出し波長λ(nm)と、上記二次元格子構造における凹部16の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ凹部16の深さが12nm以上180nm以下、好ましくは15nm以上70nm以下とされている。これにより、光の取出し効率が飛躍的に向上する。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))

0015

W(1/2)は、発光層13cに含まれる発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。半値半幅とは、前記発光ピークを、そのピーク高さの半分の高さの位置で横に切ったときの幅(半値幅)の半分の値である。
発光材料のスペクトルは、発光材料に固有のものであり、W(1/2)は使用する発光材料によって定まる。単一の発光材料のスペクトルに複数のピークが現れる場合は、最も高いピークのW(1/2)を計測する。
発光材料のスペクトルは、可視光分光光度計等により求められる。

0016

凹部16の中心間の距離p(nm)は、取出し波長λ(nm)によって決定される。
取出し波長λ(nm)は、表面プラズモンから輻射光としてエネルギーを取り出したときの波長であり、最も普通には発光材料の発光ピーク波長となる。
この特定の取出し波長がλ1[λ1は450nm〜800nmの範囲内の特定の値である。]であるとき、凹部16の中心間の距離pは、前記領域内のλ=λ1の座標に対応する任意の値をとり得る。たとえばλ1が600nmである場合、距離pは、[353−W(1/2)]nmから[406+W(1/2)]nmまでの任意の値をとり得る。

0017

凹部16の中心間の距離pは、基板11表面の二次元格子構造における凸部15の中心間の距離と同じであるため、レーザー回折法により凸部15の中心間の距離を測定することで、当該二次元格子構造の格子定数として間接的に求められる。すなわち、レーザー光格子(回折格子)を通過すると、光が回り込む現象(回折)が起こる。回折した光が、格子の各点を出てからスクリーンのある一点に着くまでに進む距離は、それぞれ異なるため、進んだ距離に応じ位相の異なる光がスクリーン上で重ね合わされることになり、干渉(光の強めあいと弱めあい)が起こる。
格子の間隔を特徴づけるパラメータとしてΛとして次の定義を用いる。三角格子の場合は凹凸の格子点(頂点)で形成される最小の正三角形の高さをΛとし、正方格子の場合は最近接する格子間距離(格子定数)をΛとする。
この格子のパラメータをΛ、レーザー光の波長をλx、入射光に対して回折光のなす角度をθとすると、数式:Λsinθ=nλx[n=0、±1、±2、...]が成り立つ角度θで格子を出た光はスクリーン上で明るくなる。
この角度θでは、1つの凸部とこれに隣り合う凸部から出た回折光の進む距離がちょうど整数(ここではn)波長分だけ異なり、スクリーン上で強めあう干渉が起こる。この性質を利用してθを測定することで格子パラメータΛを求めることが出来る。この格子パラメータΛから凸部15の中心間の距離、すなわち凹部16の中心間の距離pを求めることができる。たとえば正方格子の場合は、算出された格子パラメータΛがそのまま凹部16の中心間の距離pとなり、三方格子(六方格子)の場合は、算出された格子パラメータΛに2/√3を乗じた値が凹部16の中心間の距離pとなる。

0018

取出し波長λ(nm)と凹部16の中心間の距離p(nm)との関係について、図2を用いてより詳細に説明する。
図2は、取出し波長λ(nm)を横軸に、凹部の中心間の距離p(nm)を縦軸にとったグラフである。
図2に示すとおり、座標A、B、C、D、Eはそれぞれ座標(λ、p)=(450、258)、(500、319)、(600、406)、(700、484)、(800、561)のpをプラス方向にW(1/2)シフトさせた座標であり、座標F、G、H、I、Jはそれぞれ座標(λ、p)=(800、493)、(700、425)、(600、353)、(500、262)、(450、110)の距離pをマイナス方向にW(1/2)シフトさせた座標である。このシフト幅がW(1/2)を超えると、光の取出し効率は向上するものの、その効果は、シフト幅がW(1/2)以内である場合に比べて大きく劣る。
前記シフト幅は、少ないほどよく、1/5Wが好ましく、1/10Wがより好ましく、0が特に好ましい。すなわち、取出し波長λ(nm)と、凹部16の中心間の距離p(nm)とは、それらの関係を示すグラフにて座標(λ、p)=(450、258)、(500、319)、(600、406)、(700、484)、(800、561)、(800、493)、(700、425)、(600、353)、(500、262)、(450、110)を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあることが特に好ましい。

0019

前記A〜Jの10点の座標は、表面プラズモンから光への変換効率を計算することにより求められたものである。また、実際に、これら10点の座標を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあると光の取出し効率が飛躍的に向上することは、後述する[実施例]で、取出し波長λが625nmまたは565nmである場合について確認した。
以下に、前記座標を特定するために行った、表面プラズモンから光への変換効率の計算方法を説明する。
まず、有機発光ダイオード10の構造を図3に示すようにモデル化した。図3Aは、有機EL層13側の表面が上になるように配置した場合の陰極導電層14の斜視図であり、図3Bは該陰極導電層14の断面図である。
図3AおよびBに示すモデルにおいて、陰極導電層14は銀である。陰極導電層14の厚さは半無限大で、xy方向にも無限に広がる。陰極導電層14の上側には、図示しない屈折率nの半無限厚の有機EL層13が接している。
陰極導電層14の有機EL層13側の表面には、凹部16が形成されている。凹部16は、3段の同心円柱からなる穴であり、各同心円柱の高さはd/3で、凹部16の深さはdである。各同心円柱の半径は、凹部16の底側から順にr1、r2、r3である。凹部16は、図3Aに示すように、三角六方)格子状に配置されており、隣接する凹部16同士の中心間の間隔がpで示される。

0020

上記の構造に有機EL層側から垂直に単色平面波を入射した場合の反射率を、スーパーコンピュータを用いて計算した。計算に用いた手法は、厳密結合解析(Rigorous Coupled−Wave Analysis:RCWA)法である。RCWA法は、スカラー解析ではなく、電場・磁場がベクトル場であることを考慮した格子構造の厳密的な電磁界解析方法のうち微分法の一種である。この方法では、回折格子をフーリエ級数展開表現し、電磁場との結合方程式を求め、これを境界条件の下で数値的に解くことで回折効率を算出する[RCWA法について詳しくはL. Li,“New formulation of the Fourier modal method for crossed surface-relief gratings”, J. Opt. Soc. Am. A 14, 2758-2767 (1997).を参照。]。計算の精度は、計算に取り込む回折次数に依存し、多ければ多いほど精度は高くなるが、計算時間とメモリ消費する。今回の計算で考慮した回折次数は2601次(51次×51次)である。反射率は、有機EL層の屈折率nを1.6、1.7または1.8と仮定して、単色平面波の波長(取出し波長λに対応)が450nm、500nm、600nm、700nm、800nmである場合について、穴の中心間の間隔pと深さdを系統的に変えて計算した。

0021

得られた反射率が低いところほど、入射光が高い効率で表面プラズモンに変換されていることを意味する。このことは、ローレンツ相反定理から、反射率が小さいところでは表面プラズモンから光への変換効率が高いということを意味する。
そして、前述した座標のうち、屈折率nが1.6の場合に反射率が最小値となったのが、(λ、p)=(450、258)、(500、319)、(600、406)、(700、484)、(800、561)であり、屈折率nが1.8の場合に反射率が最小値となったのが、(λ、p)=(450、110)、(500、262)、(600、353)、(700、425)、(800、493)である。屈折率nが1.7の場合に反射率が最小値となったのは、屈折率nが1.6の場合と1.8の場合のほぼ中間の値であった。

0022

上記計算で、有機EL層の屈折率nの下限を1.6、上限を1.8と仮定したのは、通常、有機発光ダイオードの有機EL層の屈折率が1.6〜1.8の範囲内であるためである。
有機EL層が多層である場合、有機EL層中の屈折率は必ずしも一様ではないが、上記変換効率の計算においては、有機EL層が、表面プラズモンの波数が多層の場合と同じになるような一様な屈折率を持つ誘電体(一様誘電体)で置き換えられているものとして計算を行うことができる。各層が1.6〜1.8の範囲内であれば、屈折率が1.6〜1.8の範囲内の一様誘電体に置き換えることができる。
なお、有機EL層が多層である場合と、それらを一様誘電体に置き換えた場合とで表面プラズモンの波数が同じになるような、一様誘電体の等価的な屈折率は以下のようにして求めることができる。
図4A図4Bおよび図4Cは、一様誘電体の等価的な屈折率の計算に用いる多層誘電体構造を示す図である。
図4A図4Bおよび図4Cは、それぞれ有機EL層が2層、3層、4層の場合を示し、灰色部分は陰極導電層である。
まず、元の系(実際の多層構造)における表面プラズモンモードに対する等価屈折率neffを求める。等価屈折率neffは、表面プラズモンの波数kspと真空中の伝搬光の波数k0を用いて次式(1)で与えられる。

0023

0024

表面プラズモンの波数kspは、系の反射係数の極として与えられる。
例として図4Aに示すような誘電体が2層(媒質としては陰極導電層を含めて全部で3層)の場合を取り上げる。
図4Aに示す系での反射係数r123は次式(2)で与えられる。

0025

0026

ここで、hiは媒質iの厚さであり、rijは媒質i側から見た媒質jとの界面でのp偏光の反射係数であり、次式(3)で与えられる。

0027

0028

εiは媒質iの比誘電率で媒質iの屈折率niとは次式(4)に示す関係で結ばれている。
kziは媒質iでの波数ベクトル法線成分で、次式(5)に示す関係を満たす。

0029

0030

0031

ここで、kxは波数ベクトルの接線成分であり、各層で共通の値を持つ。
これらの関係を用いて、反射係数の極が求められる。さらに具体的に述べると、極は反射係数r123の分母を0とおいた方程式を満足するkxであるから、前式(2)より、次式(6)の根である。

0032

0033

この根であるkxの値が表面プラズモンの波数kspとなる。この波数kspより等価屈折率neffが求まり、さらに、次式(7)を用いることで一様誘電体の屈折率naが求まる。

0034

0035

4層以上の場合に対しても同様に求めることができる。
たとえば図4Bに示すような4層(有機EL層が3層、陰極導電層が1層)の場合の反射係数r1234は、上述した3層の場合の反射係数r123を用いて、再帰的に求めることができる。具体的には、次式(8)で、r234として前記r123を用いることで求めることができる。
図4Cに示すような5層の場合や6層以上の場合も同様に導くことが出来る。

0036

0037

なお、後述する製造方法で説明するように、有機発光ダイオード10の製造を、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板11を作製し、該構造上に、陽極導電層12と、有機EL層13と、陰極導電層14とを順次積層することにより行う場合、陰極導電層14の有機EL層13側表面に形成される二次元格子構造は、基板11表面の構造に対応したものとなる。すなわち、凹部16の中心間の距離pは、基板11表面の凸部の中心間の距離と一致し、凹部16の深さは凸部の高さと一致する。そのため、基板11表面の凸部15の中心間の距離、凸部15の高さをそれぞれ測定することで、陰極導電層14表面の二次元格子構造における凹部16の中心間の距離p、凹部16の深さを求めることができる。
上述したように、前記凹部16の中心間の距離pは、凸部15の中心間の距離をレーザー回折法で測定することにより間接的に知ることが出来る。また同様に、凹部16の深さは、凸部15の高さをAFMにより測定することによって間接的に求めることが出来る。
以下、有機発光ダイオード10を構成する各層についてより詳細に説明する。

0038

[基板11]
本実施形態において基板11には、可視光を透過する透明体が用いられる。
基板11を構成する材質としては、無機材料でも有機材料でもよく、それらの組み合わせでもよい。無機材料としては、たとえば、石英ガラス無アルカリガラス白板ガラス等の各種ガラスマイカ等の透明無機鉱物などが挙げられる。有機材料としては、シクロオレフィン系フィルムポリエステル系フィルム等の樹脂フィルム、該樹脂フィルム中にセルロースナノファイバー等の微細繊維混入した繊維強化プラスチック素材などが挙げられる。
用途にもよるが、一般に、基板11は可視光透過率の高いものを使用する。透過率は可視光の範囲(波長380nm〜800nm)でスペクトルに偏りを与えず、透過率70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のものを用いる。

0039

[陽極導電層12]
本実施形態において陽極導電層12には、可視光を透過する透明導電体が用いられる。
陽極導電層12を構成する透明導電体は、特に限定されず、透明導電材料として公知のものが使用できる。たとえばインジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide(ITO))、インジウム−亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide(IZO))、酸化亜鉛(Zinc Oxide(ZnO))、亜鉛−スズ酸化物(Zinc Tin Oxide(ZTO))等が挙げられる。
陽極導電層12の厚さは、通常、50〜500nmである。
なお、有機発光ダイオード10を構成する各層の厚さは、分光エリプソメーター、接触式段差計、AFM等により測定できる。

0040

[有機EL層13]
本発明において有機EL(エレクトロルミネッセンス)層は、少なくとも、有機発光材料を含有する発光層を含む層であり、発光層のみから構成されてもよいが、一般的には発光層以外の他の層が含まれる。該他の層は、発光層の機能を損なわない限り、有機材料から構成されるものであっても無機材料から構成されるものであってもよい。
本実施形態において有機EL層13は、ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13eの5層から構成される。これらの層の中で最も重要なものは発光層であり、たとえばホール注入層や電子注入層は層構成によっては省略できる。また、電子輸送層は発光層を兼ねることもできる。これらの層を構成する材質は、特に限定されず、公知のものが使用できる。
上記のうち、発光層13cを構成する材質としては、有機発光材料が用いられる。
有機発光材料としては、たとえば、Tris[1−phenylisoquinoline−C2,N]iridium(III)(Ir(piq)3)、1,4−bis[4−(N,N−diphenylaminostyrylbenzene)](DPAVB)、Bis[2−(2−benzoxazolyl)phenolato] Zinc(II)(ZnPBO)等の色素化合物が挙げられる。また、蛍光性色素化合物りん光発光性材料を他の物質ホスト材料)にドープしたものを用いてもよい。この場合、ホスト材料としては、ホール輸送材料電子輸送材料等が挙げられる。
ホール注入層13a、ホール輸送層13b、電子輸送層13dを構成する材質としては、それぞれ、有機材料が一般的に用いられる。
たとえばホール注入層13aを構成する材質(ホール注入材料)としては、たとえば、4,4’,4”−tris(N,N−2−naphthylphenylamino)triphenylamine(2−TNATA)等の化合物などが挙げられる。
ホール輸送層13bを構成する材質(ホール輸送材料)としては、たとえば、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPD)、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N’−Diphenyl−N,N’−di(m−tolyl)benzidine(TPD)等の芳香族アミン化合物などが挙げられる。
電子輸送層13dを構成する材質(電子輸送材料)としては、たとえば、2,5−Bis(1−naphthyl)−1,3,4−oxadiazole(BND)、2−(4−tert−Butylphenyl)−5−(4−biphenylyl)−1,3,4−oxadiazole(PBD)等のオキサジオール系化合物、Tris(8−quinolinolato)aluminium(Alq)等の金属錯体系化合物などが挙げられる。

0041

電子注入層13eは必須ではないが、電子輸送層13dと陰極導電層14との間に電子注入層13eを設けると、仕事関数の差を少なくすることが出来て陰極導電層14から電子輸送層13dに電子が移行しやすくなる。
ただし陰極導電層14としてMg/Ag=10/90等のマグネシウム合金を使用すると、電子注入層13eを設けなくても、電子注入効果が得られる。
電子注入層13eを構成する材質としては、フッ化リチウム(LiF)などが使用できる。
有機EL層13全体の厚さは、通常、30〜500nmである。

0042

[陰極導電層14]
陰極導電層14はAgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる。
Agの含有率が70質量%以上の合金の具体例としては、たとえば上述したMg/Ag=10/90等のマグネシウム合金が挙げられる。
陰極導電層14の厚さは、通常、50〜3000nmである。

0043

<有機発光ダイオード10の製造方法>
有機発光ダイオード10の製造方法は特に限定されないが、好適には、基板11として、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有するものを作製し、前記構造上に、陽極導電層12と、有機EL層13(ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13d、電子注入層13e)と、陰極導電層14とを順次積層することにより製造される。

0044

表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板の作製方法としては、たとえば、電子ビームリソグラフィー、機械式切削加工、レーザー熱リソグラフィー、干渉露光、より具体的には二光束干渉露光、縮小露光、アルミナの陽極酸化法、およびそれらで作製した原盤からのナノインプリント法などが挙げられる。しかし、これらの手法のうち、二光束干渉露光とレーザー熱リソグラフィー以外の手法は、大面積周期格子構造を作製するのに適さないため、工業的な利用面において面積の制約を受ける。また、二光束干渉露光は、ある程度の小面積は作製可能であるが、一辺が数cm以上の大面積の場合は光学セットアップ全体に対する振動、風、熱収縮膨張、空気の揺らぎ電圧変動、等々の様々な外乱因子が影響して、均一で正確な周期格子構造を作製することはきわめて困難である。
そこで、本発明において、前記基板の作製方法としては、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法が好ましい。この方法は、基材表面に、発光光実効波長程度以下の一次粒子径を有する粒子の単層膜を、ラングミュアー・ブロジェット法(以下、LB法ともいう。)の原理を用いて作製することで、粒子間隔の制御が高精度で行われた2次元的最密充填格子が得られることを利用した方法であり、たとえば特開2009−158478号公報に詳細に開示されている。
該粒子単層膜においては、粒子が2次元に最密充填しているため、これをエッチングマスクとして基板原板表面をドライエッチングすることにより、高精度な三角格子(六方格子)状の二次元格子構造を形成できる。このような二次元格子構造を有する基板を用いて形成された陰極導電層14表面の二次元格子構造は高精度であることから、これを使用することによって、大面積である場合であっても高効率で表面プラズモンの回折波を得ることができ、光取出し効率がさらに向上し、高輝度の有機発光ダイオード10を得ることが可能となる。

0045

前記基板は、より具体的には、基板原板(前記構造を形成する前の基板)の表面を粒子単層膜で被覆する被覆工程と、該粒子単層膜をエッチングマスクとして用いて基板原板をドライエッチングする工程(ドライエッチング工程)とを行うことにより作製できる。
以下、各工程についてより詳細に説明する。

0046

{被覆工程}
被覆する工程は、水槽に、その液面上で粒子を展開させるための液体下層液)を入れ、該下層液の液面に、溶剤中に粒子が分散した分散液を滴下し、溶剤を揮発させることにより粒子からなる粒子単層膜を液面上に形成する粒子単層膜形成工程と、粒子単層膜を基板上に移し取る移行工程とを行うことにより実施できる。
なお、ここでは粒子および有機溶剤としても疎水性のものを選択し、下層液として親水性のものを使用する例を示したが、粒子および有機溶剤として親水性のものを選択してもよく、下層液として、疎水性の液体を使用してもよい。

0047

[粒子単層膜形成工程]
粒子単層膜形成工程では、まず、揮発性が高い溶剤(たとえばクロロホルムメタノールエタノールメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンヘキサン等)中に、表面が疎水性の粒子を加えて分散液を調製する。別途、水槽(トラフ)を用意し、該水槽(トラフ)に、下層液として水(以下、下層水という場合もある。)を入れる。次に、前記分散液を前記下層水の液面に滴下すると、分散液中の粒子が分散媒によって下層水の液面上に展開する。そのため、分散媒である溶剤が揮発することで、粒子が2次元的に最密充填した単層膜が形成される。

0048

粒子単層膜の形成に用いる粒子の粒子径は、形成しようとする凸部15の中心間の距離を考慮して設定される。使用する粒子の粒子径が、基板11表面に形成される凸部15の中心間の距離、すなわち凹部16の中心間の距離pとなる。
また、該粒子は、粒子径の変動係数標準偏差を平均値で除した値)が15%以下であることが好ましく、10%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。このように粒子径の変動係数が小さく、粒子径のばらつきが小さい粒子を使用すると、形成される粒子単層膜に、粒子が存在しない欠陥箇所が生じにくくなり、配列のずれが小さい粒子単層膜が形成できる。粒子単層膜の配列のずれが小さいと、最終的に陰極導電層14表面に形成される二次元格子構造における配列のずれも小さくなる。二次元格子構造における配列のずれが小さいほど陰極導電層14表面で表面プラズモンが効率的に光に変換されるため好ましい。
粒子単層膜を構成する粒子の材質としては、たとえば、Al、Au、Ti、Pt、Ag、Cu、Cr、Fe、Ni、Siなどの金属、SiO2、Al2O3、TiO2、MgO2、CaO2などの金属酸化物ポリスチレンポリメチルメタクリレートなどの有機高分子、その他の半導体材料無機高分子等が挙げられる。これらはいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
この粒子の材質や後述するドライエッチング条件を選択することにより、形成される凸部の高さや形状、すなわち凹部16の深さや形状を調節できる。

0049

粒子は、下層液として水を使用する場合は、表面が疎水性であるものが好ましい。粒子の表面が疎水性であれば、上述したように水槽(トラフ)の下層液の液面上に粒子の分散液を展開させて粒子単層膜を形成する際に、下層液として水を用いて容易に粒子単層膜を形成できる上に粒子単層膜を基板表面に容易に移行させることができる。
上記で例示した粒子のうち、ポリスチレンなどの有機高分子の粒子は表面が疎水性であるため、そのまま使用できるが、金属粒子金属酸化物粒子においては表面を疎水化剤により疎水性にすることにより使用できる。
疎水化剤としては、たとえば、界面活性剤アルコキシシランなどが挙げられる。

0050

界面活性剤を疎水化剤として使用する方法は、幅広い材料の疎水化に有効であり、粒子が金属、金属酸化物などからなる場合に好適である。
界面活性剤としては、臭素化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭素化デシルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム、4−オクチベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤が好適に使用できる。また、アルカンチオールジスルフィド化合物テトラデカン酸、オクタデカン酸なども使用できる。
このような界面活性剤を用いた疎水化処理は、有機溶剤や水などの液体に粒子を分散させて液中で行ってもよいし、乾燥状態にある粒子に対して行ってもよい。
液中で行う場合には、たとえば、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノールアセトン、メチルエチルケトン、エチルエチルケトントルエンn−ヘキサンシクロヘキサン酢酸エチル酢酸ブチルなどの1種以上からなる揮発性有機溶剤中に、疎水化対象の粒子を加えて分散させ、その後、界面活性剤を混合してさらに分散を続ければよい。このようにあらかじめ粒子を分散させておき、それから界面活性剤を加えると、表面をより均一に疎水化することができる。このような疎水化処理後の分散液は、そのまま、下層水の液面に滴下するための分散液として使用できる。
疎水化対象の粒子が水分散体の状態である場合には、この水分散体に界面活性剤を加えて水相で粒子表面の疎水化処理を行った後、有機溶剤を加えて疎水化処理済みの粒子を油相抽出する方法も有効である。こうして得られた分散液(有機溶剤中に粒子が分散した分散液)は、そのまま、下層水の液面に滴下するための分散液として使用できる。
なお、この分散液の粒子分散性を高めるためには、有機溶剤の種類と界面活性剤の種類とを適切に選択し、組み合わせることが好ましい。粒子分散性の高い分散液を使用することによって、粒子がクラスター状凝集することを抑制でき、各粒子が高精度で2次元に最密充填した粒子単層膜がより得られやすくなる。たとえば、有機溶剤としてクロロホルムを選択する場合には、界面活性剤として臭素化デシルトリメチルアンモニウムを使用することが好ましい。その他にも、エタノールとドデシル硫酸ナトリウムとの組み合わせ、メタノールと4−オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウムとの組み合わせ、メチルエチルケトンとオクダデカン酸との組み合わせなどを好ましく例示できる。
疎水化対象の粒子と界面活性剤の比率は、疎水化対象の粒子の質量に対して、界面活性剤の質量が1/3〜1/15倍の範囲が好ましい。
また、こうした疎水化処理の際には、処理中の分散液を撹拌したり、分散液に超音波照射したりすることも粒子分散性向上の点で効果的である。

0051

アルコキシシランを疎水化剤として使用する方法は、Si、Fe、Alなどの粒子や、SiO2、Al2O3、TiO2などの酸化物粒子を疎水化する際に有効である。ただしこれら粒子に限らず、基本的には、水酸基等を表面に有する粒子であればいかなる粒子に対して適用することができる。
アルコキシシランとしては、モノメチルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシランジメチルジエトキシシランフェニルトリエトキシシランヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシランビニルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
疎水化剤としてアルコキシシランを用いる場合には、アルコキシシラン中のアルコキシシリル基シラノール基加水分解し、このシラノール基が粒子表面の水酸基に脱水縮合することで疎水化が行われる。よって、アルコキシシランを用いた疎水化は、水中で行うことが好ましい。
このように水中で疎水化を行う場合には、たとえば界面活性剤などの分散剤を併用して、疎水化前の粒子の分散状態を安定化するのが好ましい。ただし、分散剤の種類によってはアルコキシシランの疎水化効果が低減することもあるため、分散剤とアルコキシシランとの組み合わせは適切に選択する。

0052

アルコキシシランにより疎水化する具体的方法としては、まず、水中に粒子を分散させておき、これとアルコキシシラン含有水溶液(アルコキシシランの加水分解物を含む水溶液)とを混合し、室温から40℃の範囲で適宜攪拌しながら所定時間、好ましくは6〜12時間反応させる。このような条件で反応させることによって、反応が適度に進行し、十分に疎水化された粒子の分散液を得ることができる。反応が過度に進行すると、シラノール基同士が反応して粒子同士が結合してしまい、分散液の粒子分散性が低下し、得られる粒子単層膜は、粒子が部分的にクラスター状に凝集した2層以上のものになりやすい。一方、反応が不十分であると、粒子表面の疎水化も不十分となり、得られる粒子単層膜は粒子間のピッチが広がったものになりやすい。
また、アミン系以外のアルコキシシランは、酸性またはアルカリ性の条件下で加水分解するため、反応時には分散液のpHを酸性またはアルカリ性に調整する必要がある。pHの調整法には制限はないが、0.1〜2.0質量%濃度の酢酸水溶液を添加する方法によれば、加水分解促進の他に、シラノール基安定化の効果も得られるため好ましい。
疎水化対象の粒子とアルコキシシランの比率は、疎水化対象の粒子の質量に対して、アルコキシシランの質量が1/10〜1/100倍の範囲が好ましい。
所定時間反応後、この分散液に対して、前述の揮発性有機溶剤のうちの1種以上を加え、水中で疎水化された粒子を油相抽出する。この際、添加する有機溶剤の体積は、有機溶剤添加前の分散液に対して0.3〜3倍の範囲が好ましい。こうして得られた分散液(有機溶剤中に粒子が分散した分散液)は、そのまま、滴下工程において下層水の液面に滴下するための分散液として使用できる。なお、こうした疎水化処理においては、処理中の分散液の粒子分散性を高めるために、撹拌、超音波照射など実施することが好ましい。分散液の粒子分散性を高めることによって、粒子がクラスター状に凝集することを抑制でき、各粒子が高精度で2次元に最密充填した粒子単層膜がより得られやすくなる。

0053

分散液の粒子濃度は1〜10質量%とすることが好ましい。また、滴下速度を0.001〜0.01ml/秒とすることが好ましい。分散液中の粒子の濃度や滴下量がこのような範囲であると、粒子が部分的にクラスター状に凝集して2層以上となる、粒子が存在しない欠陥箇所が生じる、粒子間のピッチが広がるなどの傾向が抑制され、各粒子が高精度で2次元に最密充填した粒子単層膜がより得られやすい。

0054

粒子単層膜形成工程は、超音波照射条件下で実施することが好ましい。下層水から水面に向けて超音波照射しながら粒子単層膜形成工程を行うと、粒子の最密充填が促進され、各粒子がより高精度で2次元に最密充填した粒子単層膜が得られる。
この際、超音波の出力は1〜1200Wが好ましく、50〜600Wがより好ましい。
また、超音波の周波数には特に制限はないが、たとえば28kHz〜5MHzが好ましく、より好ましくは700kHz〜2MHzである。一般的に振動数が高すぎると、水分子エネルギー吸収が始まり、水面から水蒸気または水滴立ち上る現象が起きるため、本発明のLB法にとって好ましくない。また、一般的に振動数が低すぎると、下層水中のキャビテーション半径が大きくなり、水中に泡が発生して水面に向かって浮上してくる。このような泡が粒子単層膜の下に集積すると、水面の平坦性が失われるため本発明の実施に不都合となる。また、超音波照射によって水面に定常波が発生する。いずれの周波数でも出力が高すぎたり、超音波振動子発信機チューニング条件によって水面の波高が高くなりすぎたりすると、粒子単層膜が水面波破壊される可能性がある。
以上のことから超音波の周波数を適切に設定すると、形成されつつある粒子単層膜を破壊することなく、効果的に粒子の最密充填を促進することができる。しかし、粒子径がたとえば100nm以下など小さな粒子になると粒子の音響学的固有振動数は非常に高くなってしまうため、計算結果のとおりの超音波振動を与えるのは困難になる。
このような場合は、粒子2量体、3量体、・・・20量体程度までの質量に対応する固有振動を与えると仮定して計算を行うと、必要な振動数を現実的な範囲まで低減させることが出来る。粒子の会合体の固有振動数に対応する超音波振動を与えた場合でも、粒子の充填率向上効果は発現する。超音波の照射時間は、粒子の再配列が完了するのに十分であればよく、粒子径、超音波の周波数、水温などによって所要時間が変化する。しかし通常の作製条件では10秒間〜60分間で行うのが好ましく、より好ましくは3分間〜30分間である。
超音波照射によって得られる利点は粒子の最密充填化(ランダム配列を6方最密化する)の他に、分散液調製時に発生しやすい粒子の軟凝集体を破壊する効果、一度発生した点欠陥線欠陥、または結晶転移などもある程度修復する効果がある。

0055

前述した粒子単層膜の形成は、粒子の自己組織化によるものである。その原理は、粒子が集結すると、その粒子間に存在する分散媒に起因して表面張力が作用し、その結果、粒子同士はランダムに存在するのではなく、2次元に最密充填した構造を自動的に形成するというものである。このような表面張力による最密充填は、別の表現をすると横方向の毛細管力による配列化ともいう。
特に、たとえばコロイダルシリカのように、球形であって粒子径の均一性も高い粒子が、水面上に浮いた状態で3つ集まり接触すると、粒子群喫水線合計長を最小にするように表面張力が作用し、3つの粒子は正三角形を基本とする配置で安定化する。仮に、喫水線が粒子群の頂点にくる場合、すなわち、粒子が液面下に潜ってしまう場合には、このような自己組織化は起こらず、粒子単層膜は形成されない。よって、粒子と下層水は、一方が疎水性である場合には他方を親水性にして、粒子群が液面下に潜ってしまわないようにすることが重要である。
下層液としては、以上の説明のように水を使用することが好ましく、水を使用すると、比較的大きな表面自由エネルギーが作用して、一旦生成した粒子の最密充填配置が液面上に安定的に持続しやすくなる。

0056

[移行工程]
移行工程では、粒子単層膜形成工程により下層水の液面上に形成された粒子単層膜を、単層状態のままエッチング対象物である基板原板上に移し取る。
粒子単層膜を基板原板上に移し取る具体的な方法には特に制限はなく、たとえば、疎水性の基板原板を粒子単層膜に対して略平行な状態に保ちつつ、上方から降下させて粒子単層膜に接触させ、ともに疎水性である粒子単層膜と基板との親和力により、粒子単層膜を基板原板に移行させ、移し取る方法;粒子単層膜を形成する前にあらかじめ水槽の下層水内に基板原板を略水平方向に配置しておき、粒子単層膜を液面上に形成した後に液面を徐々に降下させることにより、基板原板上に粒子単層膜を移し取る方法などがある。これらの方法によれば、特別な装置を使用せずに粒子単層膜を基板上に移し取ることができるが、より大面積の粒子単層膜であっても、その2次元的な最密充填状態を維持したまま基板原板上に移し取りやすい点で、いわゆるLBトラフ法を採用することが好ましい。
LBトラフ法では、水槽内の下層水中に基板原板をあらかじめ略鉛直方向に浸漬しておき、その状態で上述の粒子単層膜形成工程を行い、粒子単層膜を形成する。そして、粒子単層膜形成工程後に、基板原板を上方に引き上げることによって、粒子単層膜を基板原板上に移し取ることができる。
このとき、粒子単層膜は、粒子単層膜形成工程により液面上ですでに単層の状態に形成されているため、移行工程の温度条件(下層水の温度)や基板原板の引き上げ速度などが多少変動しても、粒子単層膜が崩壊して多層化するなどのおそれはない。
下層水の温度は、通常、季節天気により変動する環境温度に依存し、ほぼ10〜30℃程度である。
また、この際、水槽として、粒子単層膜の表面圧を計測するウィルルミプレート等を原理とする表面圧力センサーと、粒子単層膜を液面に沿う方向に圧縮する可動バリアとを具備するLBトラフ装置を使用すると、より大面積の粒子単層膜をより安定に基板原板上に移し取ることができる。このような装置によれば、粒子単層膜の表面圧を計測しながら、粒子単層膜を好ましい拡散圧(密度)に圧縮でき、また、基板原板の方に向けて一定の速度で移動させることができる。そのため、粒子単層膜の液面から基板原板上への移行が円滑に進行し、小面積の粒子単層膜しか基板原板上に移行できないなどのトラブルが生じにくい。
好ましい拡散圧は、5〜80mNm−1であり、より好ましくは10〜40mNm−1である。このような拡散圧であると、各粒子がより高精度で2次元に最密充填した粒子単層膜が得られやすい。また、基板原板を引き上げる速度は、0.5〜20mm/分が好ましい。

0057

上記移行工程により、基板原板表面を粒子単層膜で被覆することができる。
移行工程の後、さらに、必要に応じて、粒子単層膜を基板原板上に固定するための固定工程を行ってもよい。粒子単層膜を基板原板上に固定することによって、この後のドライエッチング時に粒子が基板原板上を移動してしまう可能性が抑えられ、より安定かつ高精度に基板原板表面をエッチングすることができる。特に、ドライエッチングが進むにつれて、各粒子の直径が徐々に小さくなるため、基板原板上を移動する可能性が大きくなる。
固定工程の方法としては、バインダーを使用する方法や焼結法がある。
バインダーを使用する方法では、粒子単層膜が形成された基板原板の該粒子単層膜側にバインダー溶液を供給して粒子単層膜と基板原板との間にこれを浸透させる。
バインダーの使用量は、粒子単層膜の質量の0.001〜0.02倍が好ましい。このような範囲であれば、バインダーが多すぎて粒子間にバインダーが詰まってしまい、粒子単層膜の精度に悪影響を与えるという問題を生じることなく、十分に粒子を固定することができる。バインダー溶液を多く供給してしまった場合には、バインダー溶液が浸透した後に、スピンコーターを使用したり、基板を傾けたりして、バインダー溶液の余剰分を除去すればよい。
バインダーの種類としては、先に疎水化剤として例示したアルコキシシランや一般の有機バインダー無機バインダーなどを使用でき、バインダー溶液が浸透した後には、バインダーの種類に応じて、適宜加熱処理を行えばよい。アルコキシシランをバインダーとして使用する場合には、40〜80℃で3〜60分間の条件で加熱処理することが好ましい。
焼結法を採用する場合には、粒子単層膜が形成された基板原板を加熱して、粒子単層膜を構成している各粒子を基板に融着させればよい。加熱温度は粒子の材質と基板の材質に応じて決定すればよいが、粒子径が1μm以下の粒子はその物質本来の融点よりも低い温度で界面反応を開始するため、比較的低温側で焼結は完了する。加熱温度が高すぎると、粒子の融着面積が大きくなり、その結果、粒子単層膜としての形状が変化するなど、精度に影響を与える可能性がある。また、加熱を空気中で行うと基板や各粒子が酸化する可能性があるため、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸素を含む雰囲気下で焼結を行う場合は、後述のエッチング工程で酸化層を考慮した条件を設定することが必要となる。

0058

上記のようにして得られた粒子単層膜においては、下記式(9)で定義される、粒子の配列のずれD(%)が、10%以下であることが好ましい。

0059

[式(9)中、Aは前記粒子の平均粒子径を示し、Bは前記粒子単層膜における前記粒子間の平均ピッチを示す。]

0060

式(9)中、Aの「粒子の平均粒子径」とは、粒子単層膜を構成している粒子の平均一次粒径のことであり、粒子動的光散乱法により求めた粒度分布ガウス曲線フィッティングさせて得られるピークから常法により求めることができる。
Bの「粒子間のピッチ」とは、隣合う2つの粒子の頂点と頂点の距離であり、「平均ピッチ」とは、粒子単層膜内における平均値である。なお、粒子が球形であれば、隣合う粒子の頂点と頂点との距離は、隣合う粒子の中心と中心の距離と等しい。
粒子単層膜における粒子間の平均ピッチは、AFMにより、前記凸部15の中心間の距離pと同様にして求められる。
この粒子の配列のずれDが10%以下である粒子単層膜は、各粒子が2次元に最密充填し、粒子の間隔が制御されていて、その配列の精度が高い。

0061

{ドライエッチング工程}
以上のようにして粒子単層膜で被覆された基板表面を、ドライエッチングすることにより、複数の凸部が周期的に二次元に配列した構造を有する基板を得ることができる。
具体的には、ドライエッチングを開始すると、まず、粒子単層膜を構成している各粒子の隙間をエッチングガスが通り抜けて基板原板の表面に到達し、その部分に凹部が形成され、各粒子に対応する位置にそれぞれ凸部が現れる。引き続きドライエッチングを続けると、各凸部上の粒子も徐々にエッチングされて小さくなり、同時に、基板原板表面の凹部も深くなっていく。そして、最終的には各粒子はドライエッチングにより消失し、それとともに基板原板の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した構造が形成される。
このとき、ドライエッチング条件(バイアスガス流量堆積ガスの種類と量など)を調節することによって、形成される凸部の高さや形状を調節できる。
ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、たとえば、Ar、SF6、F2、CF4、C4F8、C5F8、C2F6、C3F6、C4F6、CHF3、CH2F2、CH3F、C3F8、Cl2、CCl4、SiCl4、BCl2、BCl3、BC2、Br2、Br3、HBr、CBrF3、HCl、CH4、NH3、O2、H2、N2、CO、CO2などが挙げられるが、本発明の効果を阻害しない範囲でこれらに限定されることは無い。粒子単層膜を構成する粒子や基板の材質などに応じて、これらのうちの1種以上を使用できる。
使用可能なエッチング装置としては、反応性イオンエッチング装置イオンビームエッチング装置などの異方性エッチングが可能なものであって、最小で20W程度のバイアス電場を発生できるものであれば、プラズマ発生の方式、電極の構造、チャンバーの構造、高周波電源周波数等仕様に特に制限はない。

0062

本発明においてはドライエッチング工程でのエッチング選択比(基板のエッチング速度/粒子単層膜のエッチング速度)が1.0以下となるようにエッチングの各条件(粒子単層膜を構成する粒子の材質、基板の材質、エッチングガスの種類、バイアスパワーアンテナパワーガスの流量と圧力、エッチング時間など)を設定することが好ましい。
たとえば、粒子単層膜エッチングマスクを構成する粒子としてコロイダルシリカ粒子を選択し、基板として石英基板を選択してこれらを組み合わせた場合、エッチングガスにArやCF4などのガスを用いることで、比較的低い振幅とピッチの比のエッチングをすることができる。
また、電場のバイアスを数十から数百Wに設定すると、プラズマ状態にあるエッチングガス中の正電荷粒子は、加速されて高速でほぼ垂直に基板に入射する。よって、基板に対して反応性を有する気体を用いた場合は、垂直方向物理化学エッチングの反応速度を高めることができる。
基板の材質とエッチングガスの種類の組み合わせによるが、ドライエッチングでは、プラズマによって生成したラジカルによる等方性エッチング並行して起こる。ラジカルによるエッチングは化学エッチングであり、エッチング対象物のどの方向にも等方的にエッチングを行う。ラジカルは電荷を持たないためバイアスパワーの設定でエッチング速度をコントロールすることはできず、エッチングガスのチャンバー内濃度で操作することができる。荷電粒子による異方性エッチングを行うためにはある程度のガス圧を維持しなければならないので、反応性ガスを用いる限りラジカルの影響はゼロに出来ない。しかし、基材を冷却することでラジカルの反応速度を遅くする手法は広く用いられており、その機構を備えた装置も多いので、利用することが好ましい。
また、ドライエッチング工程において、主としてバイアスパワーを調整し、かつ状況に応じていわゆる堆積ガスを併用することで、基板表面に、凸部の中心間の距離と高さとの比(中心間の距離/高さ)が比較的低い二次元格子構造を形成することができる。

0063

このようにして基板表面に形成された構造について、先に述べた粒子単層膜における粒子間の平均ピッチBを求める方法と同様にして、その凸部の中心間の距離Cを求めると、該距離Cは、使用した粒子単層膜の平均ピッチBとほぼ同じ値となる。また、この構造について、下記式(10)で定義される配列のずれD’(%)を求めると、その値も使用した粒子単層膜における配列のずれDとほぼ同じ値となる。

0064

[式(10)中、Aは使用した粒子単層膜を構成する粒子の平均粒子径を示し、Cは前記凸部の中心間の距離を示す。]

0065

なお、ドライエッチング方法により、複数の凹部が二次元に周期的に配列した構造を有する基板を作製する場合、粒子単層膜を利用して作製する金属メッシュマスクを利用する方法がある。すなわち、基板原板の表面に粒子単層膜を作製した後、粒子単層膜の上からCr、Ni、Fe、Coなどの金属を真空蒸着し、しかる後に粒子単層膜をふき取る操作を行う。真空蒸着の際に粒子マスクの隙間から金属が基板原板の表面に到達するが、一方で粒子の真下に金属は蒸着されない。したがって、真空蒸着後に粒子をふき取ると、粒子が存在していた箇所に孔が開いたメッシュ状の金属蒸着層からなるマスクが形成される。
このメッシュ状金属層をドライエッチングのマスクとして使用すると、金属のない部分が削られていくので、凹型の孔を表面に多数有する微細構造体表面が得られる。

0066

また、上述のようにして形成された、表面に複数の凸部が周期的に二次元に配列した構造を有する基板を鋳型として用い、この鋳型表面の構造を基板原板に偶数回転写することにより基板11を作製してもよい。
鋳型表面の構造の転写は、公知の方法、たとえば特開2009−158478号公報に開示されているような、ナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法等の方法により実施できる。
転写回数が増えると微細凹凸の形状は鈍化するので、実用的な転写回数としては2または4回が好ましい。

0067

上述のようにして作製した基板11の前記構造上に、陽極導電層12、ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13d、電子注入層13e、陰極導電層14を順次積層することで、有機発光ダイオード10が得られる。
これら各層の積層方法は、特に限定されず、一般的な有機発光ダイオードの製造において用いられている公知の方法を利用できる。たとえば、陽極導電層12および陰極導電層14は、それぞれ、スパッタリング法真空蒸着法などによって形成できる。また、ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13d、電子注入層13eは、真空蒸着法によって形成される。
これら各層の厚さは非常に薄いため、上記のように各層を順次積層することで、基板11表面の構造が陰極導電層14まで反映され、有機EL層13側の表面に前記二次元周期構造を有する陰極導電層14が形成される。

0068

以上、本発明の第一の態様の有機発光ダイオードおよびその製造方法を、図1に示す実施形態を用いて説明したが本発明はこれに限定されるものではない。
たとえば、本実施形態では、有機EL層13が、ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13d、電子注入層13eの5層から構成される例を示したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13d、電子注入層13eのうちの二つ以上の層の機能を一つの層が兼ね備えてもよい。また、発光層13cは必須であるが、その他の層、たとえばホール注入層13aやホール輸送層13b、電子輸送層13d、電子注入層13eは省略してもよい。最も単純な系は、有機EL層13が発光層13cのみから構成されるものである。
また、電子注入層13eを設けた例を示したが、陰極導電層14が電子注入層の機能を兼ね備える場合は、電子注入層13eを設けなくてもよい。たとえば陰極導電層14をMg/Ag=10/90等のマグネシウム合金で構成すると、上述したように、電子注入効果が得られ、陰極導電層14が電子注入層の機能を兼ね備えたものとなる。

0069

≪第二の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第二の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、発光層を含む有機EL層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機EL層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが15nm以上70nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオードである。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0070

本態様の有機発光ダイオードは、一般にトップエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、基板上における陰極導電層、有機EL層および陽極導電層の積層順が逆になっている以外は、前記第一の態様の有機発光ダイオードと同様である。
以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態において、前出の図面に示した構成に対応する構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5は、本態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図である。
本実施形態の有機発光ダイオード20は、基板21上に、陰極導電層14と、有機EL層13と、陽極導電層12と、が順次積層されている。
有機EL層13は、陰極導電層14側から順次積層された電子注入層13e、電子輸送層13d、発光層13c、ホール輸送層13bおよびホール注入層13aから構成される。
陽極導電層12および陰極導電層14には電圧が印加できるようになっている。

0071

本態様においては、基板21の陰極導電層14が積層される側の表面に、複数の凹部22が周期的に二次元に配列した構造が設けられている。この構造上に陰極導電層14を積層することで、陰極導電層14の有機EL層13側の表面には、基板21表面と同様の構造、すなわち複数の凹部16が周期的に二次元に配列した構造(二次元格子構造)が形成される。
基板21を構成する材質としては前記基板11と同様のものが挙げられる。ただし本態様においては、光が基板21とは反対側から取り出されるため、基板21は必ずしも透明でなくてもよい。
陰極導電層14、有機EL層13、陽極導電層12はそれぞれ前記と同様である。

0072

本態様の有機発光ダイオード20は、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凹部22が二次元に周期的に配列した構造を有する基板21の前記構造上に、陰極導電層14、有機EL層13、陽極導電層12を順次積層する以外は、前記有機発光ダイオード10と同様にして製造できる。
基板21の作製方法としては、たとえば、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィー、機械式切削加工、レーザー加工、二光束干渉露光、縮小露光などが挙げられる。
しかし、上述したように、これらのうちの二光束干渉露光以外の手法は、大面積に周期格子構造を作製するのに適さないため、工業的な利用面において面積の制約を受ける。また、二光束干渉露光は、ある程度の小面積は作製可能であるが、一辺が数cm以上の大面積の場合は光学セットアップ全体に対する振動、風、熱収縮・膨張、空気の揺らぎ、電圧変動、等々の様々な外乱因子が影響して、均一で正確な周期格子構造を作製することはきわめて困難である。
したがって、本態様においても、基板21の作製に、前記基板11と同様、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法を利用することが好ましい。
粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法を利用した基板21の作製は、たとえば、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部が周期的に二次元に配列した構造を有する鋳型を、粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法によって作製し、該鋳型表面の構造を基板原板に奇数回転写することにより実施できる。
粒子単層膜をエッチングマスクとしたドライエッチング法による鋳型の作製は、前記第一の態様における基板の作製と同様の手順で実施できる。
鋳型表面の構造の転写は、公知の方法、たとえば特開2009−158478号公報に開示されているような、ナノインプリント法、熱プレス法、射出成型法、UVエンボス法等の方法により実施できる。
転写回数が増えると微細凹凸の形状は鈍化するので、実用的な転写回数としては1または3回が好ましい。
また、他の方法として、粒子単層膜を利用して作製する金属メッシュマスクを利用する方法がある。すなわち、基板原板の表面に粒子単層膜を作製した後、粒子単層膜の上からCr、Ni、Fe、Coなどの金属を真空蒸着し、しかる後に粒子単層膜をふき取る操作を行う。真空蒸着の際に粒子マスクの隙間から金属が基板原板の表面に到達するが、一方で粒子の真下に金属は蒸着されない。したがって、真空蒸着後に粒子をふき取ると、粒子が存在していた箇所に孔が開いたメッシュ状の金属蒸着層からなるマスクが形成される。
このメッシュ状金属層をドライエッチングのマスクとして使用すると、金属のない部分が削られていくので、凹型の孔を表面に多数有する微細構造体表面が得られる。

0073

≪第三の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第三の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0074

本態様の有機発光ダイオードは、一般にボトムエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、前記第一の態様の有機発光ダイオードの基板の凸部が凹部になり、陰極導電層の有機EL層側の表面の凹部が凸部になった以外は、前記第一の態様の有機発光ダイオードと同様である。
以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態において、前出の図面に示した構成に対応する構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8は、本態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図である。
本実施形態の有機発光ダイオード110は、基板111上に、陽極導電層12と、有機EL層13と、陰極導電層14と、が順次積層されている。
有機EL層13は、陽極導電層12側から順次積層されたホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13eから構成される。
陽極導電層12および陰極導電層14には電圧が印加できるようになっている。

0075

本態様においては、基板111の陽極導電層12が積層される側の表面に、複数の凹部22が周期的に二次元に配列した構造が設けられている。この構造上に陽極導電層12、有機EL層13(ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13e)が順次積層されることで、各層の陰極導電層14側の表面には基板111表面と同様の構造が形成される。そのため最終的に有機EL層13上に陰極導電層14を積層すると、陰極導電層14の有機EL層13側の表面には、基板111表面の構造が反転した構造、すなわち複数の凸部116が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が形成される。
基板111を構成する材質としては前記基板11と同様のものが挙げられる。
陰極導電層14、有機EL層13、陽極導電層12はそれぞれ前記と同様である。

0076

本態様の有機発光ダイオード110は、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凹部22が二次元に周期的に配列した構造を有する基板111の前記構造上に、陽極導電層12を積層する以外は、前記有機発光ダイオード10と同様にして製造できる。
基板111は、前記第二の態様の基板21と同様に製造することができ、好ましい製造方法も、前記基板21の好ましい製造方法と同様である。

0077

≪第四の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第四の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、Aを順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A(λ=450、p=258+W(1/2))、B(λ=500、p=319+W(1/2))、C(λ=600、p=406+W(1/2))、D(λ=700、p=484+W(1/2))、E(λ=800、p=561+W(1/2))、F(λ=800、p=493−W(1/2))、G(λ=700、p=425−W(1/2))、H(λ=600、p=353−W(1/2))、I(λ=500、p=262−W(1/2))、J(λ=450、p=110−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0078

本態様の有機発光ダイオードは、一般にトップエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、前記第二の態様の有機発光ダイオードの基板の凹部が凸部になり、陰極導電層の有機EL層側の表面の凸部が凹部になった以外は、前記第二の態様の有機発光ダイオードと同様である。
以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態において、前出の図面に示した構成に対応する構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9は、本態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図である。
本実施形態の有機発光ダイオード120は、基板121上に、陰極導電層14と、有機EL層13と、陽極導電層12と、が順次積層されている。
有機EL層13は、陰極導電層14側から順次積層された電子注入層13e、電子輸送層13d、発光層13c、ホール輸送層13bおよびホール注入層13aから構成される。
陽極導電層12および陰極導電層14には電圧が印加できるようになっている。

0079

本態様においては、基板121の陰極導電層14が積層される側の表面に、複数の凸部15が周期的に二次元に配列した構造が設けられている。この構造上に陰極導電層14を積層することで、陰極導電層14の有機EL層13側の表面には、基板121表面と同様の構造、すなわち複数の凸部116が周期的に二次元に配列した構造(二次元格子構造)が形成される。
基板121を構成する材質としては前記基板21と同様のものが挙げられる。
陰極導電層14、有機EL層13、陽極導電層12はそれぞれ前記と同様である。

0080

本態様の有機発光ダイオード120は、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部15が二次元に周期的に配列した構造を有する基板121の前記構造上に、陰極導電層14を積層する以外は、前記有機発光ダイオード20と同様にして製造できる。
基板121は、前記第一の態様の基板11と同様に製造することができ、好ましい製造方法も、前記基板11の好ましい製造方法と同様である。

0081

≪第五の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第五の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0082

本態様の有機発光ダイオードは、一般にボトムエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、前記第一の態様の有機発光ダイオードの、陰極導電層の材質を、AgまたはAgの含有率が70質量%以上の合金から、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金に換え、陰極導電層の複数の凹部の中心間の距離pを前記の範囲に変更した以外は、前記第一の態様の有機発光ダイオードと同様である。
以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態において、前出の図面に示した構成に対応する構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図1は、本態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図をも表す。
本実施形態の有機発光ダイオード210は、基板11上に、陽極導電層12と、有機EL層13と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層214と、が順次積層されている。
有機EL層13は、陽極導電層12側から順次積層されたホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13eから構成される。
陽極導電層12および陰極導電層214には電圧が印加できるようになっている。

0083

本態様においては、基板11の陽極導電層12が積層される側の表面に、複数の凸部15が周期的に二次元に配列した構造が設けられている。この構造上に陽極導電層12、有機EL層13(ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13e)が順次積層されることで、各層の陰極導電層214側の表面には基板11表面と同様の構造が形成される。そのため最終的に有機EL層13上に陰極導電層214を積層すると、陰極導電層214の有機EL層13側の表面には、基板11表面の構造が反転した構造、すなわち複数の凹部16が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が形成される。

0084

[陰極導電層214]
陰極導電層214は、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる。
陰極導電層214の厚さは、通常、50〜3000nmである。
基板11、陽極導電層12、有機EL層13はそれぞれ前記と同様である。

0085

陰極金属層の発光層側表面から発光層までの距離が近いと発光エネルギーが表面プラズモンのエネルギーを光に変換される割合は大きい。
本発明は表面プラズモンへ変換されるエネルギーの割合が大きい有機発光ダイオードに対して特に有効である。陰極金属層の発光層側表面から発光層までの距離としては、たとえば、100nm以下、より近い距離として、たとえば、50nm以下の有機発光ダイオードに対して有効である。

0086

本発明の第五の態様においては、有機発光ダイオード210からの光の取出し波長λ(nm)と、上記二次元格子構造における凹部16の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ凹部16の深さが12nm以上180nm以下、好ましくは15nm以上70nm以下とされている。これにより、光の取出し効率が飛躍的に向上する。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))
W(1/2)は、前記第一の態様におけるW(1/2)と同様の意味を有する。

0087

凹部16の中心間の距離p(nm)は、取出し波長λ(nm)によって決定される。
取出し波長λ(nm)は、表面プラズモンから輻射光としてエネルギーを取り出したときの波長であり、最も普通には発光材料の発光ピーク波長となる。
この特定の取出し波長がλ1[λ1は300nm〜800nmの範囲内の特定の値である。]であるとき、凹部16の中心間の距離pは、前記領域内のλ=λ1の座標に対応する任意の値をとり得る。たとえばλ1が600nmである場合、距離pは、[368−W(1/2)]nmから[438+W(1/2)]nmまでの任意の値をとり得る。

0088

取出し波長λ(nm)と凹部16の中心間の距離p(nm)との関係について、図10を用いてより詳細に説明する。
図10は、取出し波長λ(nm)を横軸に、凹部の中心間の距離p(nm)を縦軸にとったグラフである。
図10に示すとおり、座標A´、B´、C´、D´、E´、F´はそれぞれ座標(λ、p)=(300、220)、(400、295)、(500、368)、(600、438)、(700、508)、(800、575)のpをプラス方向にW(1/2)シフトさせた座標であり、座標G´、H´、I´、J´、K´、L´はそれぞれ座標(λ、p)=(800、505)、(700、438)、(600、368)、(500、298)、(400、225)、(300、150)の距離pをマイナス方向にW(1/2)シフトさせた座標である。このシフト幅がW(1/2)を超えると、光の取出し効率は向上するものの、その効果は、シフト幅がW(1/2)以内である場合に比べて大きく劣る。
前記シフト幅は、少ないほどよく、1/5Wが好ましく、1/10Wがより好ましく、0が特に好ましい。すなわち、取出し波長λ(nm)と、凹部16の中心間の距離p(nm)とは、それらの関係を示すグラフにて座標(λ、p)=(300、220)、(400、295)、(500、368)、(600、438)、(700、508)、(800、575)、(800、505)、(700、438)、(600、368)、(500、298)、(400、225)、(300、150)を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあることが特に好ましい。

0089

前記A´〜L´の12点の座標は、表面プラズモンから光への変換効率を計算することにより求められたものである。また、実際に、これら12点の座標を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあると光の取出し効率が飛躍的に向上することは、後述する[実施例]で、取出し波長λが470nmである場合について確認した。
以下に、前記座標を特定するための、表面プラズモンから光への変換効率の計算方法は、前記第一の態様において説明した計算方法を適用することができ、図3に示すモデルにおける陰極導電層14は銀をアルミニウムに換えて計算することができる。
ここで、反射率は、有機EL層の屈折率nを1.6、1.7または1.8と仮定して、単色平面波の波長(取出し波長λに対応)が300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nmである場合について、穴の中心間の間隔pと深さdを系統的に変えて計算した。

0090

そして、前述した座標のうち、屈折率nが1.6の場合に反射率が最小値となったのが、(λ、p)=(300、220)、(400、295)、(500、368)、(600、438)、(700、508)、(800、575)であり、屈折率nが1.8の場合に反射率が最小値となったのが、(λ、p)=(300、150)、(400、225)、(500、298)、(600、368)、(700、438)、(800、505)である。屈折率nが1.7の場合に反射率が最小値となったのは、屈折率nが1.6の場合と1.8の場合のほぼ中間の値であった。

0091

なお、有機発光ダイオード210の場合も、有機発光ダイオード10において図3Aおよび3B、ならびに図4A〜Cを用いたのと同様にして、表面プラズモンから光への変換効率、および屈折率を求めることができる。

0092

本態様の有機発光ダイオード210は、有機EL層13上に、陰極導電層214を積層する以外は、前記有機発光ダイオード10と同様にして製造できる。
本態様の基板11は、前記第一の態様の基板11と同様に製造することができ、好ましい製造方法も、前記第一の態様の基板11の好ましい製造方法と同様である。

0093

≪第六の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第二の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凹部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凹部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凹部の深さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0094

本態様の有機発光ダイオードは、一般にトップエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、基板上における陰極導電層、有機EL層および陽極導電層の積層順が逆になっている以外は、前記第五の態様の有機発光ダイオードと同様である。
以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態において、前出の図面に示した構成に対応する構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5は、本態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図をも表す。
本実施形態の有機発光ダイオード220は、基板21上に、陰極導電層214と、有機EL層13と、陽極導電層12と、が順次積層されている。
有機EL層13は、陰極導電層214側から順次積層された電子注入層13e、電子輸送層13d、発光層13c、ホール輸送層13bおよびホール注入層13aから構成される。
陽極導電層12および陰極導電層214には電圧が印加できるようになっている。

0095

本態様においては、基板21の陰極導電層214が積層される側の表面に、複数の凹部22が周期的に二次元に配列した構造が設けられている。この構造上に陰極導電層214を積層することで、陰極導電層214の有機EL層13側の表面には、基板21表面と同様の構造、すなわち複数の凹部16が周期的に二次元に配列した構造(二次元格子構造)が形成される。
基板21、陰極導電層214、有機EL層13、陽極導電層12はそれぞれ前記と同様である。

0096

本態様の有機発光ダイオード220は、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凹部22が二次元に周期的に配列した構造を有する基板21の前記構造上に、陰極導電層214、有機EL層13、陽極導電層12を順次積層する以外は、前記有機発光ダイオード20と同様にして製造できる。

0097

≪第七の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第七の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、陽極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0098

本態様の有機発光ダイオードは、一般にボトムエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、前記第五の態様の有機発光ダイオードの基板の凸部が凹部になり、陰極導電層の有機EL層側の表面の凹部が凸部になった以外は、前記第五の態様の有機発光ダイオードと同様である。
以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態において、前出の図面に示した構成に対応する構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8は、本態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図をも表す。
本実施形態の有機発光ダイオード310は、基板111上に、陽極導電層12と、有機EL層13と、陰極導電層214と、が順次積層されている。
有機EL層13は、陽極導電層12側から順次積層されたホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13eから構成される。
陽極導電層12および陰極導電層214には電圧が印加できるようになっている。

0099

本態様においては、基板111の陽極導電層12が積層される側の表面に、複数の凹部22が周期的に二次元に配列した構造が設けられている。この構造上に陽極導電層12、有機EL層13(ホール注入層13a、ホール輸送層13b、発光層13c、電子輸送層13dおよび電子注入層13e)が順次積層されることで、各層の陰極導電層214側の表面には基板111表面と同様の構造が形成される。そのため最終的に有機EL層13上に陰極導電層214を積層すると、陰極導電層214の有機EL層13側の表面には、基板111表面の構造が反転した構造、すなわち複数の凸部116が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が形成される。
基板111、陰極導電層214、有機EL層13、陽極導電層12はそれぞれ前記と同様である。

0100

本態様の有機発光ダイオード310は、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凹部22が二次元に周期的に配列した構造を有する基板111の前記構造上に、陽極導電層12を積層する以外は、前記有機発光ダイオード210と同様にして製造できる。
基板111は、前記第二の態様の基板21と同様に製造することができ、好ましい製造方法も、前記基板21の好ましい製造方法と同様である。

0101

≪第八の態様の有機発光ダイオード≫
本発明の第八の態様の有機発光ダイオードは、基板上に、少なくとも、AlまたはAlの含有率が70質量%以上の合金からなる陰極導電層と、有機発光材料を含有する発光層を含む有機エレクトロルミネッセンス層と、陽極導電層とが順次積層され、前記陰極導電層の前記有機エレクトロルミネッセンス層側の表面に、複数の凸部が周期的に二次元に配列した二次元格子構造が設けられた有機発光ダイオードにおいて、
有機発光ダイオードからの光の取出し波長λ(nm)と、前記二次元格子構造における前記凸部の中心間の距離p(nm)とが、それらの関係を示すグラフにて下記座標A´、B´、C´、D´、E´、F´、G´、H´、I´、J´、K´、L´、A´を順次結ぶ直線で囲まれた領域内にあり、かつ前記凸部の高さが12nm以上180nm以下であることを特徴とする有機発光ダイオード。
A´(λ=300、p=220+W(1/2))、B´(λ=400、p=295+W(1/2))、C´(λ=500、p=368+W(1/2))、D´(λ=600、p=438+W(1/2))、E´(λ=700、p=508+W(1/2))、F´(λ=800、p=575+W(1/2))、G´(λ=800、p=505−W(1/2))、H´(λ=700、p=438−W(1/2))、I´(λ=600、p=368−W(1/2))、J´(λ=500、p=298−W(1/2))、K´(λ=400、p=225−W(1/2))、L´(λ=300、p=150−W(1/2))[ここで、W(1/2)は、前記発光層を構成する発光材料のスペクトルにおける発光ピークの半値半幅を示す。]

0102

本態様の有機発光ダイオードは、一般にトップエミッション型と称されているタイプの層構成を有する有機発光ダイオードであり、前記第六の態様の有機発光ダイオードの基板の凹部が凸部になり、陰極導電層の有機EL層側の表面の凸部が凹部になった以外は、前記第六の態様の有機発光ダイオードと同様である。
以下、本態様の有機発光ダイオードを、添付の図面を参照して説明する。なお、以下に記載する実施形態において、前出の図面に示した構成に対応する構成には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9は、本態様の有機発光ダイオードの一実施形態の構成の一部の概略断面図をも表す。
本実施形態の有機発光ダイオード320は、基板121上に、陰極導電層214と、有機EL層13と、陽極導電層12と、が順次積層されている。
有機EL層13は、陰極導電層214側から順次積層された電子注入層13e、電子輸送層13d、発光層13c、ホール輸送層13bおよびホール注入層13aから構成される。
陽極導電層12および陰極導電層214には電圧が印加できるようになっている。

0103

本態様においては、基板121の陰極導電層214が積層される側の表面に、複数の凸部15が周期的に二次元に配列した構造が設けられている。この構造上に陰極導電層214を積層することで、陰極導電層214の有機EL層13側の表面には、基板121表面と同様の構造、すなわち複数の凸部116が周期的に二次元に配列した構造(二次元格子構造)が形成される。
基板121、陰極導電層214、有機EL層13、陽極導電層12はそれぞれ前記と同様である。

0104

本態様の有機発光ダイオード320は、表面に、前記二次元格子構造に対応する、複数の凸部15が二次元に周期的に配列した構造を有する基板121の前記構造上に、陰極導電層214を積層する以外は、前記有機発光ダイオード220と同様にして製造できる。
基板121は、前記第一の態様の基板11と同様に製造することができ、好ましい製造方法も、前記基板11の好ましい製造方法と同様である。

0105

以上説明したように、本発明の第一の態様ないし第八の態様の有機発光ダイオードにおいては、光取出し効率が飛躍的に向上し、高強度の発光が得られる。
なお、前記二次元格子構造が正方格子である場合、前期凹部の中心間の距離p(nm)、または前記凸部の中心間の距離p(nm)の座標の値に、それぞれ(√3/2)を乗じて補正することが好ましい。そして、そのような態様の有機発光ダイオードにおいても、光取出し効率が飛躍的に向上し、高強度の発光が得られる。
したがって、本発明の有機発光ダイオードは、画像表示装置、照明装置等に有用である。低電圧駆動が可能になることから、有機EL素子寿命を飛躍的に延ばすことが可能になり、また省エネルギーである。さらに、光取出し効率が高いことから、明るい画像表示装置や照明装置が得られる。

0106

以下に本発明の実施の形態の一例を説明する。本発明の概念を用いるものである限り、必ずしも対象とする有機発光ダイオードの構造、構成、方式を限定するものではない。
[実施例1]
平均粒子径が395.0nmで、粒子径の変動係数が4.0%である球形コロイダルシリカの5.0質量%水分散体(分散液)を用意した。なお、平均粒子径および粒子径の変動係数は、Malvern Instruments Ltd製 Zetasizer Nano−ZSによる粒子動的光散乱法で求めた粒度分布をガウス曲線にフィッティングさせて得られるピークから求めた。
ついで、この分散液を孔径1.2μmφのメンブランフィルターでろ過し、メンブランフィルターを通過した分散液に濃度1.0質量%のフェニルトリエトキシシランの加水分解物水溶液を加え、約40℃で3時間反応させた。この際、フェニルトリエトキシシランの質量がコロイダルシリカ粒子の質量の0.015倍となるように分散液と加水分解水溶液とを混合した。
ついで、反応終了後の分散液に、この分散液の体積の5倍の体積のメチルイソブチルケトンを加えて十分に攪拌して、疎水化されたコロイダルシリカを油相抽出した。
こうして得られた濃度1.05質量%の疎水化コロイダルシリカ分散液を、粒子単層膜の表面圧を計測する表面圧力センサーと、粒子単層膜を液面に沿う方向に圧縮する可動バリアとを備えた水槽(LBトラフ装置)中の液面(下層水として水を使用、水温26.5℃)に滴下速度0.01mL/秒で滴下した。なお、水槽の下層水には、あらかじめ有機発光ダイオードの透明基板として用いるための石英基板(30mm×30mm×1.0mm、両面鏡研磨)を略鉛直方向に浸漬しておいた。
その後、超音波(出力100W、周波数1500kHz)を下層水中から水面に向けて10分間照射して粒子が2次元的に最密充填するのを促しつつ、分散液の溶剤であるメチルイソブチルケトンを揮発させ、粒子単層膜を形成させた。
ついで、この粒子単層膜を、可動バリアにより、拡散圧が22〜30mNm−1になるまで圧縮し、石英基板を3mm/分の速度で引き上げ、基板の片面上に水面の粒子単層膜を移し取った。
ついで、粒子単層膜が形成された石英基板上にバインダーとして0.15質量%モノメチルトリメトキシシランの加水分解液を浸透させ、その後、加水分解液の余剰分をスピンコーター(3000rpm)で1分間処理して除去した。その後、これを100℃で10分間加熱してバインダーを反応させ、コロイダルシリカからなる粒子単層膜付き石英基板を得た。

0107

ついで、得られた粒子単層膜付き石英基板に対して、CHF3ガスによりドライエッチングを行った。ドライエッチング条件は、アンテナパワー1500W、バイアスパワー50〜300W(13.56MHz)、ガス流量50〜200sccmとした。
ドライエッチング後、得られた基板表面を原子間力顕微鏡(AFM)による観察したところ、断面形状が図6に示すような円錐台形である凸部が三角格子状に配置された微細構造が形成されていた。
このようにして基板表面に形成された微細構造における凸部の中心間の距離p’(格子定数)をレーザー回折法により測定したところ、3回の試験の平均値で395.0nmであった。また、該微細構造における凸部の平均高さhを、AFM像から無作為に選択された合計25カ所の5μm×5μmの領域における平均値を求め、それら25カ所それぞれの平均値をさらに平均することにより求めたところ、30.9nmであった。また、配列のずれD’は4.9%であった。また、上記で求めた値から算出される、平均高さhと中心間の距離p’の平均値との比(中心間の距離p’/平均高さh)は0.078であった。

0108

この石英基板の微細構造面側に、陽極導電層としてIZOを50nmの厚さでスパッタリング法により成膜した。次にホール注入材料として4,4’,4”−tris(N,N−2−naphthylphenylamino)triphenylamine(2−TNATA)を30nmの厚さで蒸着法によって成膜し、次にホール輸送材料として4,4’−bis[N−1−napthyl]−N−phenyl−amino]−biphenyl(α−NPD)を70nmの厚さで蒸着法によって成膜し、次に電子輸送・発光層として、Tris[1−phenylisoquinoline−C2,N]iridium(III)(Ir(piq)3)をホスト材料(PH1)に5%濃度でドープしたものを30nmの厚さで蒸着法によって成膜し、次に電子輸送層としてTris(8−quinolinolato)aluminium(Alq)を30nmの厚さで蒸着法によって成膜し、最後に、陰極導電層としてMg/Ag=10/90(質量比)のマグネシウム銀合金を150nmの厚さで蒸着法によって成膜して、ボトムエミッション型有機発光ダイオードを完成した。蒸着にシャドウマスクを使用することにより、発光エリアは2×2mmに作製した。

0109

[実施例2]
ドライエッチング条件を変更したことを除いて、実施例1と全く同じ操作で作製したボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は395.0nmであり、凸部の平均高さは100nmであった。

0110

[比較例1]
石英基板表面に微細構造を形成しなかった以外は、実施例1と全く同じ操作でボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。したがって、この素子の基板の表面は平坦である。

0111

[比較例2]
球形コロイダルシリカの平均粒子径を変更したことを除いて、実施例1と全く同じ操作で作製したボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は306.9nmであり、凸部の平均高さは30.9nmであった。また、配列のずれD’は11.01%であった。

0112

[比較例3]
ドライエッチング条件を変更したことを除いて、実施例1と全く同じ操作で作製したボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は395.0nmであり、凸部の平均高さは10.2nmであった。また、配列のずれD’は4.9%であった。

0113

[比較例4]
ドライエッチング条件を変更したことを除いて、実施例1と全く同じ操作で作製したボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は395.0nmであり、凸部の平均高さは192.0nmであった。

0114

<試験例1>
[1.取出し波長λ(nm)と、陰極導電層表面の二次元格子構造における凹部の中心間の距離p(nm)との関係を示すグラフの作製]
実施例1、2、比較例1〜4で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードについて、発光層を構成する発光材料(Ir(piq)3をPH1に5%濃度でドープしたもの)の発光スペクトルにおけるピークの半値半幅W(1/2)を、ピーク上の作図により求めたところ、40nmであった。W(1/2)が40nmである場合の座標A〜Jを図7に示す。
また、実施例1、2、比較例1〜4で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードの構成における取出し波長を発光スペクトルの波形分離により求めたところ、625nmであった。
したがって、取出し波長625nmに対応する、上記座標A〜Jで囲まれる領域内となる凹部の中心間の距離pの範囲は335nm〜467nmである。
実施例1、2、比較例1〜4で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードにおいては、石英基板表面に形成した微細構造における凸部の中心間の間隔および平均高さは、その上に積層された陰極導電層の電子輸送層側の表面に形成された二次元周期構造における凹部の中心間の間隔および平均深さと一致する。
したがって、凹部の中心間の間隔が、335nm〜467nmの範囲内の395.0nmであり且つ凹部の深さが30.9nmである実施例1のボトムエミッション型有機発光ダイオードは本発明の範囲内である。また、凹部の中心間の間隔が、実施例1と同様に395.0nmであり且つ凹部の深さが100nmである実施例2のボトムエミッション型有機発光ダイオードは本発明の範囲内である。一方、比較例2のボトムエミッション型有機発光ダイオードは、凹部の中心間の間隔が306.9nmである点で本発明の範囲外であり、比較例3のボトムエミッション型有機発光ダイオードは、凹部の深さが10.2nmである点で本発明の範囲外であり、比較例4のボトムエミッション型有機発光ダイオードは、凹部の深さが192.0nmである点で本発明の範囲外である。

0115

[2.発光効率特性および輝度特性の評価]
実施例1、2、比較例1〜4で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードそれぞれについて、下記手順で発光効率特性および輝度特性を評価した。
得られたボトムエミッション型有機発光ダイオードを30mA/cm2の電流密度で発光させたときの垂直方向の輝度(cd/m2)を輝度計にて測定し、電流密度あたりの輝度特性(電流密度(mA/cm2)−輝度(cd/m2))を求めた。また、輝度を測定する際に電圧も測定しておき、輝度から光束(lm)を換算し、電流密度あたりの発光効率(電流密度(mA/cm2)−発光効率(lm/W))を求めた。
それらの測定結果から、電流密度あたりの発光効率、輝度それぞれについて、実施例1の測定値の、比較例1の測定値に対する向上率を下記式により算出した。実施例2、比較例2〜4についても同様に、比較例1の測定値に対する向上率を算出した。その結果を表1に示す。
向上率=(実施例1の測定値−比較例1の測定値)/比較例1の測定値×100

0116

0117

上記結果に示すとおり、実施例1および2のボトムエミッション型有機発光ダイオードにおいては、比較例1〜4に比べて発光強度が大幅に増大し、電流密度−発光効率特性、電流密度−輝度特性ともに大きく向上していた。

0118

[実施例3]
球形コロイダルシリカの平均粒子径およびドライエッチング条件を変更して基板を作製し、発光材料として、Rubreneをホスト材料(Alq3)に1%濃度でドープしたものを用いた以外は、実施例1と全く同じ操作でボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は350.0nmであり、凸部の平均高さは70nmであった。

0119

[比較例5]
石英基板表面に微細構造を形成しなかった以外は、実施例3と全く同じ操作でボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。したがって、この素子の基板の表面は平坦である。

0120

[比較例6]
球形コロイダルシリカの平均粒子径を変更したことを除いて、実施例3と全く同じ操作で作製したボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は500.0nmであり、凸部の平均高さは70nmであった。

0121

<試験例2>
[1.取出し波長λ(nm)と、陰極導電層表面の二次元格子構造における凹部の中心間の距離p(nm)との関係を示すグラフの作製]
実施例3、比較例5および6で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードについて、発光層を構成する発光材料(Rubreneをホスト材料(Alq3)に1%濃度でドープしたも)の発光スペクトルにおけるピークの半値半幅W(1/2)を、ピーク上の作図により求めたところ、40nmであった。W(1/2)が40nmである場合の座標A〜Jを図7に示す。
また、実施例3、比較例5および6で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードの構成における取出し波長を発光スペクトルの波形分離により求めたところ、565nmであった。
したがって、取出し波長565nmに対応する、上記座標A〜Jで囲まれる領域内となる凹部の中心間の距離pの範囲は280nm〜416nmである。
実施例3、比較例5および6で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードにおいては、石英基板表面に形成した微細構造における凸部の中心間の間隔および平均高さは、その上に積層された陰極導電層の電子輸送層側の表面に形成された二次元周期構造における凹部の中心間の間隔および平均深さと一致する。
したがって、凹部の中心間の間隔が、280nm〜416nmの範囲内の350.0nmであり且つ凹部の深さが70nmである実施例3のボトムエミッション型有機発光ダイオードは本発明の範囲内である。一方、比較例6のボトムエミッション型有機発光ダイオードは、凹部の中心間の間隔が500.0nmである点で本発明の範囲外である。

0122

[2.発光効率特性および輝度特性の評価]
実施例3、比較例5および6で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードそれぞれについて、試験例1と同様に発光効率特性および輝度特性を評価した。
また、実施例3の測定値の、比較例5の測定値に対する向上率を試験例1と同様に算出した。比較例6についても同様に、比較例5の測定値に対する向上率を算出した。その結果を表2に示す。

0123

0124

上記結果に示すとおり、実施例3のボトムエミッション型有機発光ダイオードにおいては、比較例5および6に比べて発光強度が大幅に増大し、電流密度−発光効率特性、電流密度−輝度特性ともに大きく向上していた。

0125

[実施例4]
球形コロイダルシリカの平均粒子径およびドライエッチング条件を変更して基板を作製し、発光材料として、FIlpicをKLHS−04に8%濃度でドープしたものを用い、陰極導電層をAlで成膜した以外は、実施例1と全く同じ操作でボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は300.0nmであり、凸部の平均高さは31.2nmであった。

0126

[比較例7]
石英基板表面に微細構造を形成しなかった以外は、実施例4と全く同じ操作でボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。したがって、この素子の基板の表面は平坦である。

0127

[比較例8]
球形コロイダルシリカの平均粒子径およびドライエッチング条件を変更したことを除いて、実施例4と全く同じ操作で作製したボトムエミッション型有機発光ダイオードを得た。
このとき石英基板表面に形成された微細構造の凸部の中心間の距離は395.0nmであり、凸部の平均高さは30.2nmであった。

0128

<試験例3>
[1.取出し波長λ(nm)と、陰極導電層表面の二次元格子構造における凹部または凸部の中心間の距離p(nm)との関係を示すグラフの作製]
実施例4、比較例7および8で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードについて、発光層を構成する発光材料(FIlipicをKLHS−04に8%濃度でドープしたもの)の発光スペクトルにおけるピークの半値半幅W(1/2)を、ピーク上の作図により求めたところ、20nmであった。W(1/2)が20nmである場合の座標A´〜L´を図11に示す。

0129

また、実施例4、比較例7および8で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードの構成における取出し波長を発光スペクトルの波形分離により求めたところ、470nmであった。
したがって、取出し波長470nmに対応する、上記座標A´〜L´で囲まれる領域内となる凹部の中心間の距離pの範囲は256nm〜366nmである。
実施例4、比較例7および8で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードにおいては、石英基板表面に形成した微細構造における凸部の中心間の間隔および平均高さは、その上に積層された陰極導電層の電子輸送層側の表面に形成された二次元周期構造における凹部の中心間の間隔および平均深さと一致する。
したがって、凹部の中心間の距離が、256nm〜366nmの範囲内の300.0nmであり且つ凹部の深さが31.2nmである実施例4のボトムエミッション型有機発光ダイオードは本発明の範囲内である。一方、比較例8のボトムエミッション型有機発光ダイオードは、凹部の中心間の距離が395.0nmである点で本発明の範囲外である。

0130

[2.発光効率特性および輝度特性の評価]
実施例4、比較例7および8で得たボトムエミッション型有機発光ダイオードそれぞれについて、試験例1と同様に発光効率特性および輝度特性を評価した。
また、実施例4の測定値の、比較例7の測定値に対する向上率を試験例1と同様に算出した。比較例8についても同様に、比較例7の測定値に対する向上率を算出した。その結果を表3に示す。

0131

実施例

0132

上記結果に示すとおり、実施例4のボトムエミッション型有機発光ダイオードにおいては、比較例7および8に比べて発光強度が大幅に増大し、電流密度−発光効率特性、電流密度−輝度特性ともに大きく向上していた。

0133

本発明の有機発光ダイオードは、光取出し効率に優れているため、前記有機発光ダイオードを備えた画像表示装置および照明装置に好適に利用することができる。

0134

10、110、210、310…有機発光ダイオード(ボトムエミッション型)、11、111…基板、12…陽極導電層、13…有機EL層、13a…ホール注入層、13b…ホール輸送層、13c…発光層、13d…電子輸送層、13e…電子注入層、14、214…陰極導電層、15、116…凸部、16…凹部、20、120、220、320…有機発光ダイオード(トップエミッション型)、21、121…基板、22…凹部

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