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図面 (11)

課題

エンジン負荷の増大に伴う排気温の上昇を利用してディーゼル微粒子捕集フィルター堆積している粒子状物質焼却除去する。

解決手段

スイッチ25の操作によりセンターバイパス回路18a,18bからシャトル弁21a,21bに到る経路切替弁23a,23bを閉路し、センターバイパス回路18a,18bからのネガティブコントロール圧力がシャトル弁21a,21bに伝達されるのを回避すると共に、切替弁22a,22bによってシャトル弁21a,21bを作動状態切り替え、その時点でパイロット圧調整弁10から供給されているパイロット圧力をネガティブコントロール制御部7a,7bへ伝達することで、ネガティブコントロール制御部7a,7bに入力されるパイロット圧力を引き下げ可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量を増大させ、エンジン2の負荷を増大させて、排気温の上昇でディーゼル微粒子捕集フィルター24の粒子状物質を焼却除去する。

概要

背景

ディーゼル微粒子捕集フィルター(Diesel particulate filter:DPF)に堆積した粒子状物質焼却除去するための方法としては、油圧系センターバイパスに設けられたカット弁を操作してセンターバイパス回路遮断することによってネガティブコントロール圧力を低下させ、ネガティブコントロール圧力に応じてレギュレータを制御される斜板式油圧ポンプ傾転角を変化させて油圧ポンプポンプ吐出量を増大させると共にポンプ吐出圧力を増大させ、ディーゼルエンジン負荷の増大によるディーゼルエンジンの排気温の上昇でディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたもの、更に、これらの操作に加えてネガティブコントロール圧力とパイロット圧力のうち高圧の圧力をシャトル弁で選択してレギュレータに入力することによりポンプ吐出量を増大させることなくポンプ吐出圧力のみを増大させてディーゼルエンジンの負荷を増大させ、排気温の上昇によってディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたものが特許文献1に提案されている。
また、センターバイパス回路に併設したリリーフ弁リリーフ圧を調整可能な構成とし、粒子状物質の焼却除去に際しリリーフ弁のリリーフ圧を低下させてネガティブコントロール回路の圧力を低下させ、ネガティブコントロール圧力に応じてレギュレータを制御される斜板式油圧ポンプの傾転角を変化させて油圧ポンプのポンプ吐出量を増大させ、ディーゼルエンジンの排気温を上昇させることによってディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたものが特許文献1に提案されている。
特許文献1記載の発明では、粒子状物質の焼却除去を強制的に実施するための処理操作は、ディーゼルエンジンがアイドリング状態にあり、かつ、ディーゼルエンジンの排気ガス温度設定値よりも低い場合にのみ実施されるようになっている。

また、特許文献1の構成においてカット弁の切り替え動作を低速化してネガティブコントロール回路の圧力低下、つまり、ディーゼルエンジンの負荷の増大を円滑に行なうようにしたものが特許文献2として提案されている。
特許文献2では、更に、粒子状物質の焼却除去を強制的に実施するための処理操作を実施する条件として、前述したディーゼルエンジンの排気ガス温度の他、エンジン回転数エンジンブースト圧を利用する点について開示している。
また、特許文献2にはエンジン負荷推定等のためにディーゼル微粒子捕集フィルターを挟む前段後段圧力センサを設置してディーゼル微粒子捕集フィルターの前後段の圧力偏差を検知する点が開示されている。

更に、再生用燃料噴射装置を利用して未燃焼燃料排気管内に供給し燃焼させることで排気温を上昇させてディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたもの、および、未燃焼燃料を排気管内に供給する操作と特許文献1,2に開示されるような排気温の上昇とを併用して排気温を上昇させてディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたものが特許文献3として提案されている。

しかし、何れも可変容量ポンプの傾転角を単一のレギュレータで調整するものであって、パワーシフト機能を備えた油圧制御装置に対応したものはない。

パワーシフト機能を備えた油圧制御装置、特に、パワーシフト制御部とネガティブコントロール制御部とを備えた油圧制御装置としては、特許文献4に開示される油圧制御装置が既に公知である。

この種の油圧制御装置は、パイロット圧調整弁から供給されるパイロット圧力を受けて可変容量ポンプの吐出量を調整するパワーシフト制御部と、可変容量ポンプから吐出される作動油で駆動される油圧系のセンターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力を受けて可変容量ポンプの吐出量を調整するネガティブコントロール制御部とを備えるが、可変容量ポンプで駆動される油圧系のコントロールバルブ中立となったような状態、つまり、油圧系のネガティブコントロール圧力がパイロット圧調整弁から供給されるパイロット圧力よりも高くなった状況下では、ネガティブコントロール制御部が優先的に機能して可変容量ポンプの傾転角がポンプ吐出量を減少させる方向に変化するので、可変容量ポンプを駆動するディーゼルエンジンの負荷が増大せず、排気温も上昇しないといった不都合、要するに、ディーゼルエンジンの負荷の増大に伴う排気温の上昇によってディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去することが困難になるといった不都合が生じる場合がある。

概要

エンジンの負荷の増大に伴う排気温の上昇を利用してディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去する。スイッチ25の操作によりセンターバイパス回路18a,18bからシャトル弁21a,21bに到る経路切替弁23a,23bを閉路し、センターバイパス回路18a,18bからのネガティブコントロール圧力がシャトル弁21a,21bに伝達されるのを回避すると共に、切替弁22a,22bによってシャトル弁21a,21bを作動状態切り替え、その時点でパイロット圧調整弁10から供給されているパイロット圧力をネガティブコントロール制御部7a,7bへ伝達することで、ネガティブコントロール制御部7a,7bに入力されるパイロット圧力を引き下げ、可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量を増大させ、エンジン2の負荷を増大させて、排気温の上昇でディーゼル微粒子捕集フィルター24の粒子状物質を焼却除去する。

目的

本発明の目的は、パワーシフト機能を備えた油圧制御装置においてもディーゼルエンジンの負荷の増大に伴う排気温の上昇を利用してディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を容易に焼却除去することのできる作業車の油圧制御装置を提供する

効果

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請求項1

粒子状物質を除去するディーゼル微粒子捕集フィルターディーゼルエンジン排気経路内に有し、前記ディーゼルエンジンで駆動される可変容量ポンプポンプ吐出圧力の変化に従動させて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力を設定値に保持すると共に出力選択用パイロット圧力を受けて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力の設定値を変更するパワーシフト制御部と、前記可変容量ポンプから吐出される作動油で駆動される油圧系センターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力と電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力を流量調整用のパイロット圧力の候補として選択するパイロット圧力選択手段と、前記パイロット圧力選択手段によって候補として選択された圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する作動状態と前記ネガティブコントロール圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する非作動状態の何れかに前記パイロット圧力選択手段の作動状態を切り替える第一の切替手段と、前記パイロット圧力選択手段から出力される流量調整用のパイロット圧力の上昇に応じて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を減少させる方向で前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整するネガティブコントロール制御部とを備えた作業車油圧制御装置において、前記センターバイパス回路から前記パイロット圧力選択手段に到る圧力の伝達管路上に配置されて当該管路開閉する常開型の第二の切替手段と、前記第二の切替手段を強制的に閉路すると共に前記第一の切替手段により前記パイロット圧力選択手段を強制的に作動状態とする燃焼再生機能始動スイッチとを設けたことを特徴とする作業車の油圧制御装置。

請求項2

前記第二の切替手段に代え、前記パイロット圧力選択手段から前記ネガティブコントロール制御部に到る圧力の伝達管路上に当該管路を開閉する常開型の第二の切替手段を設けると共に、前記燃焼再生機能始動スイッチに代え、前記第二の切替手段を強制的に閉路する燃焼再生機能始動スイッチを設けたことを特徴とする請求項1記載の作業車の油圧制御装置。

技術分野

0001

本発明は、作業車油圧制御装置、特に、粒子状物質を除去するディーゼル微粒子捕集フィルターディーゼルエンジン排気経路内に備えた作業車の油圧制御装置の改良に関する。

背景技術

0002

ディーゼル微粒子捕集フィルター(Diesel particulate filter:DPF)に堆積した粒子状物質を焼却除去するための方法としては、油圧系センターバイパスに設けられたカット弁を操作してセンターバイパス回路遮断することによってネガティブコントロール圧力を低下させ、ネガティブコントロール圧力に応じてレギュレータを制御される斜板式油圧ポンプ傾転角を変化させて油圧ポンプポンプ吐出量を増大させると共にポンプ吐出圧力を増大させ、ディーゼルエンジンの負荷の増大によるディーゼルエンジンの排気温の上昇でディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたもの、更に、これらの操作に加えてネガティブコントロール圧力とパイロット圧力のうち高圧の圧力をシャトル弁で選択してレギュレータに入力することによりポンプ吐出量を増大させることなくポンプ吐出圧力のみを増大させてディーゼルエンジンの負荷を増大させ、排気温の上昇によってディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたものが特許文献1に提案されている。
また、センターバイパス回路に併設したリリーフ弁リリーフ圧を調整可能な構成とし、粒子状物質の焼却除去に際しリリーフ弁のリリーフ圧を低下させてネガティブコントロール回路の圧力を低下させ、ネガティブコントロール圧力に応じてレギュレータを制御される斜板式油圧ポンプの傾転角を変化させて油圧ポンプのポンプ吐出量を増大させ、ディーゼルエンジンの排気温を上昇させることによってディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたものが特許文献1に提案されている。
特許文献1記載の発明では、粒子状物質の焼却除去を強制的に実施するための処理操作は、ディーゼルエンジンがアイドリング状態にあり、かつ、ディーゼルエンジンの排気ガス温度設定値よりも低い場合にのみ実施されるようになっている。

0003

また、特許文献1の構成においてカット弁の切り替え動作を低速化してネガティブコントロール回路の圧力低下、つまり、ディーゼルエンジンの負荷の増大を円滑に行なうようにしたものが特許文献2として提案されている。
特許文献2では、更に、粒子状物質の焼却除去を強制的に実施するための処理操作を実施する条件として、前述したディーゼルエンジンの排気ガス温度の他、エンジン回転数エンジンブースト圧を利用する点について開示している。
また、特許文献2にはエンジン負荷推定等のためにディーゼル微粒子捕集フィルターを挟む前段後段圧力センサを設置してディーゼル微粒子捕集フィルターの前後段の圧力偏差を検知する点が開示されている。

0004

更に、再生用燃料噴射装置を利用して未燃焼燃料排気管内に供給し燃焼させることで排気温を上昇させてディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたもの、および、未燃焼燃料を排気管内に供給する操作と特許文献1,2に開示されるような排気温の上昇とを併用して排気温を上昇させてディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去するようにしたものが特許文献3として提案されている。

0005

しかし、何れも可変容量ポンプの傾転角を単一のレギュレータで調整するものであって、パワーシフト機能を備えた油圧制御装置に対応したものはない。

0006

パワーシフト機能を備えた油圧制御装置、特に、パワーシフト制御部とネガティブコントロール制御部とを備えた油圧制御装置としては、特許文献4に開示される油圧制御装置が既に公知である。

0007

この種の油圧制御装置は、パイロット圧調整弁から供給されるパイロット圧力を受けて可変容量ポンプの吐出量を調整するパワーシフト制御部と、可変容量ポンプから吐出される作動油で駆動される油圧系のセンターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力を受けて可変容量ポンプの吐出量を調整するネガティブコントロール制御部とを備えるが、可変容量ポンプで駆動される油圧系のコントロールバルブ中立となったような状態、つまり、油圧系のネガティブコントロール圧力がパイロット圧調整弁から供給されるパイロット圧力よりも高くなった状況下では、ネガティブコントロール制御部が優先的に機能して可変容量ポンプの傾転角がポンプ吐出量を減少させる方向に変化するので、可変容量ポンプを駆動するディーゼルエンジンの負荷が増大せず、排気温も上昇しないといった不都合、要するに、ディーゼルエンジンの負荷の増大に伴う排気温の上昇によってディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去することが困難になるといった不都合が生じる場合がある。

先行技術

0008

特許第4852081号(段落0035,図1,段落0041〜0042,図2図3,段落0009)
特許第4944152号(段落0041,図2図3図4,段落0039〜0040)
特開2013−108502号公報(段落0035,図1,段落0050〜0051,図9
特許第4667083号
特開2001−254681号公報

発明が解決しようとする課題

0009

そこで、本発明の目的は、パワーシフト機能を備えた油圧制御装置においてもディーゼルエンジンの負荷の増大に伴う排気温の上昇を利用してディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を容易に焼却除去することのできる作業車の油圧制御装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明における作業車の油圧制御装置は、粒子状物質を除去するディーゼル微粒子捕集フィルターをディーゼルエンジンの排気経路内に有し、
前記ディーゼルエンジンで駆動される可変容量ポンプのポンプ吐出圧力の変化に従動させて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力を設定値に保持すると共に出力選択用のパイロット圧力を受けて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力の設定値を変更するパワーシフト制御部と、前記可変容量ポンプから吐出される作動油で駆動される油圧系のセンターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力と電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力を流量調整用のパイロット圧力の候補として選択するパイロット圧力選択手段と、前記パイロット圧力選択手段によって候補として選択された圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する作動状態と前記ネガティブコントロール圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する非作動状態の何れかに前記パイロット圧力選択手段の作動状態を切り替える第一の切替手段と、前記パイロット圧力選択手段から出力される流量調整用のパイロット圧力の上昇に応じて前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を減少させる方向で前記可変容量ポンプのポンプ吐出量を調整するネガティブコントロール制御部とを備えた作業車の油圧制御装置であり、
前記目的を達成するため、特に、
前記センターバイパス回路から前記パイロット圧力選択手段に到る圧力の伝達管路上に配置されて当該管路開閉する常開型の第二の切替手段と、
前記第二の切替手段を強制的に閉路すると共に前記第一の切替手段により前記パイロット圧力選択手段を強制的に作動状態とする燃焼再生機能始動スイッチとを設けたことを特徴とする構成を有する。

0011

以上の構成により、燃焼再生機能始動スイッチが非作動の状態で、かつ、第一の切替手段によってパイロット圧力選択手段が非作動状態に切り替えられている状況下にあっては、電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力がパワーシフト制御部に供給され、従来と同様にして、通常のパワーシフト制御が行われる。
これに対し、燃焼再生機能始動スイッチが非作動の状態で、かつ、第一の切替手段によってパイロット圧力選択手段が作動状態に切り替えられている状況下にあっては、油圧系のセンターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力と出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力が選択されてネガティブコントロール制御部に流量調整用のパイロット圧力として供給されるようになる。
そして、粒子状物質の焼却除去を強制的に実施する場合には、オペレータが燃焼再生機能始動スイッチを操作することによって、センターバイパス回路からパイロット圧力選択手段に到る圧力の伝達管路上に設けられた常開型の第二の切替手段を閉路し、センターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力がパイロット圧力選択手段に伝達されることを回避すると共に、第一の切替手段によりパイロット圧力選択手段を強制的に作動状態とする。
センターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力がパイロット圧力選択手段に伝達されなくなる結果、作動状態にあるパイロット圧力選択手段は、電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力を高圧側の圧力として選択し、ネガティブコントロール制御部には、電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力が流量調整用のパイロット圧力として入力されるようになる。
よって、可変容量ポンプで駆動される油圧系のコントロールバルブが中立となったような状態、つまり、油圧系のネガティブコントロール圧力が高くなった状況下であっても、ネガティブコントロール制御部に入力される流量調整用のパイロット圧力を電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力にまで引き下げることができる。
従って、燃焼再生機能始動スイッチを操作しない場合つまり油圧系のネガティブコントロール圧力がネガティブコントロール制御部に入力される場合よりも可変容量ポンプのポンプ吐出量が増大し、可変容量ポンプを駆動するディーゼルエンジンの負荷が増大することになるので、ディーゼルエンジンの排気温の上昇によって、ディーゼルエンジンの排気経路内に設置されたディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去することができるようになる。
このとき可変容量ポンプの作動によって消費されるエネルギー、つまり、油圧系のセンターバイパス回路の内圧と可変容量ポンプにおける単位時間当たりのポンプ吐出量との積が、ディーゼルエンジンに作用する負荷である。
ポンプ吐出量は、電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力によって特定されるので、電磁制御式のパイロット圧調整弁を制御することで、粒子状物質の焼却除去に適した負荷をディーゼルエンジンに作用させることができる。
前記燃焼再生機能始動スイッチの操作をオペレータが行なうのに代えて自動で切り替える構成としてもよい。

0012

また、前記第二の切替手段に代え、前記パイロット圧力選択手段から前記ネガティブコントロール制御部に到る圧力の伝達管路上に当該管路を開閉する常開型の第二の切替手段を設けると共に、
前記燃焼再生機能始動スイッチに代え、前記第二の切替手段を強制的に閉路する燃焼再生機能始動スイッチを設けた構成としてもよい。

0013

このような構成を適用した場合、オペレータが燃焼再生機能始動スイッチを操作すると、パイロット圧力選択手段からネガティブコントロール制御部に到る圧力の伝達管路上に設けられた常開型の第二の切替手段が閉路し、パイロット圧力選択手段から出力される流量調整用のパイロット圧力がネガティブコントロール制御部に伝達されなくなる。
よって、可変容量ポンプで駆動される油圧系のコントロールバルブが中立となったような状態、つまり、油圧系のネガティブコントロール圧力が高くなった状況下であっても、ネガティブコントロール制御部に入力される流量調整用のパイロット圧力を大気圧相当にまで引き下げることができる。
従って、燃焼再生機能始動スイッチを操作しない場合つまり油圧系のネガティブコントロール圧力がネガティブコントロール制御部に入力される場合よりも可変容量ポンプのポンプ吐出量が増大し、可変容量ポンプを駆動するディーゼルエンジンの負荷が増大することになるので、ディーゼルエンジンの排気温の上昇によって、ディーゼルエンジンの排気経路内に設置されたディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去することができるようになる。
このとき可変容量ポンプの作動によって消費されるエネルギー、つまり、油圧系のセンターバイパス回路の内圧と可変容量ポンプにおける単位時間当たりのポンプ吐出量との積が、ディーゼルエンジンに作用する負荷である。
この状況下ではネガティブコントロール制御部による可変容量ポンプのポンプ吐出量の制限が解除されることになるので、可変容量ポンプの作動によって消費されるエネルギーつまりディーゼルエンジンに作用する負荷は、その時点のパワーシフト制御部の動作状態つまり電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力で制御されるパワーシフト制御部の動作状態に応じたポンプ制御馬力線図における最大負荷となる。

発明の効果

0014

本発明における作業車の油圧制御装置は、燃焼再生機能始動スイッチの操作によりセンターバイパス回路からパイロット圧力選択手段に到る圧力の伝達管路上に設けられた常開型の第二の切替手段を強制的に閉路し、ディーゼルエンジンで駆動される可変容量ポンプから吐出される作動油で駆動される油圧系のセンターバイパス回路からのネガティブコントロール圧力がパイロット圧力選択手段に伝達されるのを回避すると共に、パイロット圧力選択手段の作動状態を切り替える第一の切替手段によってパイロット圧力選択手段を強制的に作動状態に切り替え、その時点で電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給されている出力選択用のパイロット圧力を流量調整用のパイロット圧力としてネガティブコントロール制御部へ伝達するようにしたので、可変容量ポンプで駆動される油圧系のコントロールバルブが中立となったような状態、つまり、油圧系のネガティブコントロール圧力が高くなった状況下であっても、ネガティブコントロール制御部に入力される流量調整用のパイロット圧力を電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力にまで引き下げることができる。
従って、燃焼再生機能始動スイッチを操作しない場合つまり油圧系のネガティブコントロール圧力がネガティブコントロール制御部に入力される場合よりも可変容量ポンプのポンプ吐出量が増大し、可変容量ポンプを駆動するディーゼルエンジンの負荷が増大することになるので、ディーゼルエンジンの排気温の上昇によって、ディーゼルエンジンの排気経路内に設置されたディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去することができるようになる。
このとき可変容量ポンプの作動によって消費されるエネルギー、つまり、油圧系のセンターバイパス回路の内圧と可変容量ポンプにおける単位時間当たりのポンプ吐出量との積がディーゼルエンジンに作用する負荷であり、ポンプ吐出量は、電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力によって特定されるので、電磁制御式のパイロット圧調整弁を制御することで、粒子状物質の焼却除去に適した負荷をディーゼルエンジンに作用させることができる。
しかも、第二の切替手段を除き、手動再生を実現するための格別なハードウェアを改めて設置する必要がないので、手動再生機能を有する油圧制御装置を安価に提供することが可能である。

0015

また、パイロット圧力選択手段からネガティブコントロール制御部に到る圧力の伝達管路上に常開型の第二の切替手段を設けると共に第二の切替手段を強制的に閉路する燃焼再生機能始動スイッチを設けた構成にあっては、燃焼再生機能始動スイッチの操作により、パイロット圧力選択手段からネガティブコントロール制御部に到る圧力の伝達管路上に設けられている常開型の第二の切替手段が閉路され、パイロット圧力選択手段から出力される流量調整用のパイロット圧力がネガティブコントロール制御部に伝達されなくなるので、可変容量ポンプで駆動される油圧系のコントロールバルブが中立となったような状態、つまり、油圧系のネガティブコントロール圧力が高くなった状況下であっても、ネガティブコントロール制御部に入力される流量調整用のパイロット圧力を大気圧相当にまで引き下げることができる。
従って、燃焼再生機能始動スイッチを操作しない場合つまり油圧系のネガティブコントロール圧力がネガティブコントロール制御部に入力される場合よりも可変容量ポンプのポンプ吐出量が増大し、可変容量ポンプを駆動するディーゼルエンジンの負荷が増大することになるので、ディーゼルエンジンの排気温の上昇によって、ディーゼルエンジンの排気経路内に設置されたディーゼル微粒子捕集フィルターに堆積している粒子状物質を焼却除去することができる。
このとき可変容量ポンプの作動によって消費されるエネルギー、つまり、油圧系のセンターバイパス回路の内圧と可変容量ポンプにおける単位時間当たりのポンプ吐出量との積がディーゼルエンジンに作用する負荷であり、この状況下ではネガティブコントロール制御部による可変容量ポンプのポンプ吐出量の制限が解除されることになるので、可変容量ポンプの作動によって消費されるエネルギーつまりディーゼルエンジンに作用する負荷は、その時点のパワーシフト制御部の動作状態つまり電磁制御式のパイロット圧調整弁から供給される出力選択用のパイロット圧力で制御されるパワーシフト制御部の動作状態に応じたポンプ制御馬力線図における最大負荷となる。
しかも、第二の切替手段を除き、手動再生を実現するための格別なハードウェアを改めて設置する必要がないので、手動再生機能を有する油圧制御装置1を安価に提供することが可能である。

図面の簡単な説明

0016

本発明を適用した一実施形態の油圧制御装置の構成の概略を示した機能ブロック図である。
同実施形態の油圧制御装置の各部を制御するコントローラの要部を示した機能ブロック図である。
同実施形態の油圧制御装置が備えるCPUによって実行されるパワーシフトプログラムの概略について示したフローチャートである。
通常のパワーシフトの一例を示した概念図である。
通常のパワーシフトを適用した場合のポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係に加えて低出力側に広げられたパワーシフトの範囲を示した概念図である。
ネガティブコントロール制御部に対するパイロット圧力とポンプ吐出量の関係を示した概念図である。
ROMに格納されるファイルの一例を示した概念図である。
ポンプ吐出量の上限を大幅に制限したパワーシフト特性の一例を示した概念図である。
ポンプ吐出量の上限を制限するために必要とされるファイルの一例を示した概念図である。
本発明を適用した他の一実施形態の油圧制御装置の構成の概略を示した機能ブロック図である。

実施例

0017

次に、本発明における作業車の油圧制御装置(以下、単に油圧制御装置という)の実施形態の幾つかについて図面を参照して具体的に説明する。

0018

〔第1の実施形態〕
図1は本発明を適用した一実施形態の油圧制御装置1を示した機能ブロック図である。

0019

油圧制御装置1は、ディーゼル微粒子捕集フィルター24をエンジンの排気経路内たとえばマフラーに内蔵した作業車用のディーゼルエンジン2によって駆動される可変容量ポンプ3a,3bと流量固定式制御用ポンプ4を有する。
また、油圧制御装置1は、可変容量ポンプ3a,3bから送出される作動油によって駆動される油圧系であるコントロールバルブ群5と、パワーシフト制御部6a,6bおよびネガティブコントロール制御部7a,7bと、パワーシフト制御部6a,6bおよびネガティブコントロール制御部7a,7bの作動状態に応じて傾転盤8a,8bを操作して可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量を調整する調整手段9a,9b、ならびに、電磁制御式のパイロット圧調整弁10と、エンジン制御用エンジンコントロールユニット17(以下、単にECU17という)を介して入力されるディーゼルエンジン2の回転数等の情報に基いてパイロット圧調整弁10を制御するコントローラ(Automatic Power Controller)11を備える。

0020

ディーゼル微粒子捕集フィルター24は、ディーゼルエンジン2の排気ガス中に含まれる粒子状物質を漉し取って大気中への粒子状物質の放出を軽減するためのフィルターであり、フィルターの目詰まりによる機能の低下を防止するため、ときどき、フィルターに堆積している粒子状物質をディーゼルエンジン2の排気ガスの熱で強制的に燃焼除去する必要がある。一般に、この操作を手動再生あるいは強制再生などと呼ぶ。

0021

油圧制御装置1において可変容量ポンプ3aのポンプ吐出量を調整する調整手段9aは、大小の受圧面を両端部に備えたピストン部材12aと、パワーシフト制御部6aおよびネガティブコントロール制御部7aのアクチュエータの先端で押圧されて図1中の左右方向にシフトする制御弁13aによって構成される。
図1では制御弁13aのスプールニュートラル位置にある状態を示しており、この状態では、ピストン部材12aの右端部に形成された大径の受圧面を内嵌した油室14a内の作動油の出入りが禁止されるため、ピストン部材12aが定位置保持状態となって傾転盤8aの傾きが現位置に保持され、可変容量ポンプ3aのポンプ吐出量が現在の状態に維持される。
また、制御弁13aのスプールが図1中で右側にシフトした場合には、ピストン部材12aの右端部に形成された大径の受圧面を内嵌した油室14a内の作動油の出入りが許容されると共に、ピストン部材12aの左端部に形成された小径の受圧面を内嵌した油室15a内に可変容量ポンプ3aから送出される作動油が流入し、ピストン部材12aが図1中で右方にシフトし、傾転盤8aがクロックワイズ方向に揺動して可変容量ポンプ3aにおけるポンプ吐出量が増大する。
更に、制御弁13aのスプールが図1中で左側にシフトした場合には、油室14aおよび油室15aの双方に可変容量ポンプ3aから送出される作動油が流入するが、ピストン部材12aの両端部に形成された受圧面の大小関係からピストン部材12aが図1中で左方にシフトし、傾転盤8aがカウンタークロックワイズ方向に揺動して可変容量ポンプ3aにおけるポンプ吐出量が減少する。

0022

油圧制御装置1のパワーシフト制御部6aは、前述した調整手段9aの機能を利用して可変容量ポンプ3aの出力を設定値の近傍に保持すると共に、更には、制御用ポンプ4を駆動源とするパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力でポンプ吐出量を調整することによって可変容量ポンプ3aの出力の設定値それ自体を変更するパワーシフトの制御を行うためのものである。
つまり、パワーシフト制御部6aのアクチュエータを構成するピストン部材16aには併せて3つの受圧面が形成されており、その内の一つが可変容量ポンプ3aから送出される作動油の圧力を受け、また、他の一つが可変容量ポンプ3bから送出される作動油の圧力を受けて、ピストン部材16a更には制御弁13aのスプールを図1中で左方にシフトさせることでピストン部材12aを図1中で左方に移動させて傾転盤8aをカウンタークロックワイズ方向に揺動させて可変容量ポンプ3aのポンプ吐出量を制限することによってポンプ吐出圧力の増大に応じてポンプ吐出量を減少させ、可変容量ポンプ3aの出力、すなわち、ポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の積算値を設定値の近傍に保持すると共に、ピストン部材16aにおける更に別の受圧面にパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力をオーバーライドして印加することにより、可変容量ポンプ3aの出力設定値それ自体をシフトさせる構成である。
この際、パイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力の大きさは、エンジン回転数等の情報に基いてパイロット圧調整弁10を制御するコントローラ11によって自動的に演算され、目標エンジン回転数実エンジン回転数偏差等に応じたパワーシフトがなされる。

0023

油圧制御装置1のネガティブコントロール制御部7aは、基本的なパワーシフト制御においては、コントロールバルブ群5からなる油圧系の終端に設けられた絞り弁19aとリリーフ弁27aを利用して可変容量ポンプ3a側のセンターバイパス回路18aに生成したネガティブコントロール圧力を受け、この圧力を流量調整用のパイロット圧力としてピストン部材20aを作動させることによって、前述した調整手段9aの機能を利用して可変容量ポンプ3aの吐出量を調整するものである。
ネガティブコントロール制御部7aに入力される流量調整用のパイロット圧力が上昇すればピストン部材20a更には制御弁13aのスプールが図1中で左方にシフトし、ピストン部材12aが図1中で左方に移動して傾転盤8aがカウンタークロックワイズ方向に揺動することで可変容量ポンプ3aのポンプ吐出量を減少させ、流量調整用のパイロット圧力が下がればピストン部材20a更には制御弁13aのスプールが図1中で右方にシフトし、ピストン部材12aが図1中で右方に移動して傾転盤8aがクロックワイズ方向に揺動することによって可変容量ポンプ3aのポンプ吐出量の制限が解除される。

0024

実際にはネガティブコントロール制御部6aとパワーシフト制御部7aが同時に機能することになるが、図1に示される通り、ネガティブコントロール制御部6aのピストン部材16aとパワーシフト制御部7aのピストン部材20aは調整手段9aの制御弁13aに対して並列的に設けられているので、可変容量ポンプ3aのポンプ吐出量は、結果的に、ポンプ吐出量の制限が大きい側、要するに、アクチュエータとして機能するピストン部材16aあるいはピストン部材20aを多く突出させた側の制御部6aもしくは7aからの指令を受けて制限されることになる。

0025

可変容量ポンプ3b,パワーシフト制御部6b,ネガティブコントロール制御部7b,調整手段9bに関しては、前述した可変容量ポンプ3a,パワーシフト制御部6a,ネガティブコントロール制御部7a,調整手段9aと同様の構成であるので、図1中で各部に対応する符号を付すにとどめ、詳細な説明を省略する。

0026

この実施形態におけるパイロット圧力選択手段は、シャトル弁21a,21bによって構成され、また、パイロット圧力選択手段を作動状態と非作動状態に切り替える第一の切替手段は、切替弁22a,22bによって構成され、更に、第二の切替手段は、切替弁23a,23bによって構成されている。

0027

具体的には、パイロット圧力選択手段となるシャトル弁21aの一方の入力ポートが常開型の第二の切替手段である切替弁23aを介して可変容量ポンプ3a側のセンターバイパス回路18aに接続される一方、シャトル弁21aの他方の入力ポートが第一の切替手段である切替弁22aを介してパイロット圧調整弁10に接離可能とされており、第二の切替手段である切替弁23aが開いた状況下において第一の切替手段である切替弁22aが作動状態となって図1中で左方にシフトした場合、つまり、シャトル弁21aの他方の入力ポートがパイロット圧調整弁10に接続された場合においてのみ、パイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力とセンターバイパス回路18aから供給される流量調整用のパイロット圧力との大小関係がシャトル弁22aにより比較されて、相対的に高圧のパイロット圧力がネガティブコントロール制御部7aに供給される。この状態を、パイロット圧力選択手段となるシャトル弁21aの作動状態と規定する。
また、図1に示されるように第二の切替手段である切替弁23aが開いた状況下において第一の切替手段である切替弁22aが非作動状態となった場合には、センターバイパス回路18aから供給される流量調整用のパイロット圧力つまりネガティブコントロール圧力との比較対象となる圧力が大気圧となるので、パイロット圧力選択手段となるシャトル弁21aは、センターバイパス回路18aから供給される流量調整用のパイロット圧力を高圧側のパイロット圧力として定常的に選択する。この状態を、パイロット圧力選択手段となるシャトル弁21aの非作動状態と規定する。
従って、シャトル弁21aは、油圧系のセンターバイパス回路18aからのネガティブコントロール圧力と電磁制御式のパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力を流量調整用のパイロット圧力の候補として選択するパイロット圧力選択手段であり、また、切替弁22aは、パイロット圧力選択手段であるシャトル弁21aを作動状態、つまり、高圧側のパイロット圧力を選択して出力する状態と、非作動状態、要するに、センターバイパス回路18aから供給されるガティコントロール圧力を定常的に選択し続ける状態の何れかに切り替えるための第一の切替手段である。
そして、切替弁23aは、油圧系のセンターバイパス回路18aからパイロット圧力選択手段であるシャトル弁21aに到る圧力の伝達管路上に配置されて其の管路を開閉する常開型の第二の切替手段である。

0028

可変容量ポンプ3bの側に配置されたシャトル弁21b,切替弁22b,切替弁23bの構成および機能は、シャトル弁21a,切替弁22a,切替弁23aと同様であるから、詳細な説明は省略する。

0029

更に、この実施形態の油圧制御装置1は、可変容量ポンプ3aのポンプ吐出圧力を検出する圧力センサ26aと、可変容量ポンプ3bのポンプ吐出圧力を検出する圧力センサ26bを備え、排気経路内のマフラー等に内蔵されたディーゼル微粒子捕集フィルター24には、その前段の排気圧と後段の排気圧との偏差を検出するための差圧センサ28が設置されている。
なお、差圧センサ28の構成や作用に関しては特許第4944152号等でも既に公知であるが、この実施形態では差圧センサ28をディーゼル微粒子捕集フィルター24の目詰まりの程度を検知するために利用しており、その用途が従来例とは異なる。

0030

本実施形態にあっては、更に、第二の切替手段を構成する切替弁23aを強制的に閉路し、かつ、第一の切替手段を構成する切替弁22aを作動させてパイロット圧力選択手段であるシャトル弁21aを強制的に作動状態に切り替えるための燃焼再生機能始動スイッチ25が、コントローラ11に接続して設けられている。
燃焼再生機能始動スイッチ25それ自体の設置先は、作業車のキャビン内インストルメントパネル周辺等である。

0031

図2は油圧制御装置1の各部を制御するコントローラ11の要部を示した機能ブロック図である。

0032

コントローラ11の主要部は、演算処理用のマイクロプロセッサ(以下、単にCPUという)29と、該CPU29の制御プログラムを格納したリードオンリー・メモリ30(以下、単にROM30という)、および、演算データの一時記憶等に利用されるランダムアクセス・メモリ31(以下、単にRAM31という)によって構成され、オペレータの手動操作によって燃焼再生機能始動スイッチ25から送出される手動再生指令や、圧力センサ26a,26bによって検出される可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出圧力、および、差圧センサ28によって検出されるディーゼル微粒子捕集フィルター24の前後段の排気圧の偏差すなわちディーゼル微粒子捕集フィルター24の目詰まりの程度を表す値が、コントローラ11の入力回路32を介してリアルタイムでCPU29に読み込まれ、また、ディーゼルエンジン2のエンジン回転数の値が、ECU17と入力回路32を介してリアルタイムでCPU29に読み込まれるようになっている。
エンジンアクセル指令値は、ディーゼルエンジン2に設けられたスロットル開度センサからの信号である。
また、第一の切替手段として機能する切替弁22a,22bおよび第二の切替手段として機能する切替弁23a,23bとパイロット圧調整弁10は、コントローラ11の出力回路33を介してCPU29によって駆動制御され、燃焼再生機能始動スイッチ25と共に作業車のキャビン内のインストルメントパネルの周辺等に設置されたディスプレイ34には、CPU29からの指令に応じて各種のアラートアラームに関わる注意喚起が表示されるようになっている。

0033

図3はコントローラ11のCPU29によって所定周期毎に繰り返し実行されるパワーシフトプログラムの概略について示したフローチャートであり、その内容はROM30に格納されている。

0034

この実施形態は、ディーゼルエンジン2のトルク特性や可変容量ポンプ3a,3bの負荷等を考慮してエンスト発生状況とエンジン回転数との関係を考察し、通常のパワーシフトを行ってもエンスト等の問題が発生しないエンジン回転数の領域では従来の油圧制御装置たとえば特開2001−254681号公報等に開示される油圧制御装置と同様にしてパワーシフト制御部6a,6bを利用した通常のパワーシフト制御を行い、また、エンジン回転数が低くエンジントルクが減少してエンスト等の問題が発生する低速回転領域では、ネガティブコントロール制御部7a,7bを強制的に作動させて更に低出力側へのパワーシフトを行うようにしたものである。

0035

図3の処理を開始したコントローラ11のCPU29は、まず、手動再生の実行状況等を記憶する状態記憶フラグFに手動再生の実行中を示す値「2」がセットされているか否かを判定するが(ステップS1)、この段階では状態記憶フラグFの値は初期値「0」に保持されているので、ステップS1の判定結果はとなる。

0036

次いで、差圧センサ28によって検出されているディーゼル微粒子捕集フィルター24の前後段の排気圧の偏差、すなわち、ディーゼル微粒子捕集フィルター24の目詰まりの程度を表す値を読み込んで一時記憶し(ステップS2)、更に、手動再生の実行状況等を記憶する状態記憶フラグFに手動再生の実行を要求する値「1」がセットされているか否かを判定するが(ステップS3)、この段階では未だ状態記憶フラグFの値は初期値「0」に保持されているので、ステップS3の判定結果は偽となる。

0037

また、ECU17は、目詰まりの発生と見做すべき排気圧偏差の閾値とエンジン回転数との対応関係を記憶したテーブル(図示略)からステップS2の処理で一時記憶したエンジン回転数Rnに対応する手動再生用の判定閾値を選択し(ステップS4)、ステップS2の処理で一時記憶した排気圧偏差との大小関係を比較する(ステップS5)。

0038

ステップS5の判定結果が真となった場合には、現時点における排気圧偏差の値が手動再生用の判定閾値に達していないこと、つまり、現時点ではディーゼル微粒子捕集フィルター24に堆積している粒子状物質をディーゼルエンジン2の排気ガスの熱で強制的に燃焼除去する必要がないことを意味する。

0039

このように、粒子状物質がディーゼル微粒子捕集フィルター24に堆積していない状況下では通常の運転が可能であるので、ここでは、まず、パワーシフトに関連した処理について説明する。

0040

例えば、エンジン回転数の閾値をRSとして通常のパワーシフトと低出力側のパワーシフトの切り替えを行うとすれば、CPU29は、所定周期毎に繰り返し実行される図3のパワーシフトプログラムにおいて、まず、ステップS2の処理で一時記憶されたエンジン回転数Rnと閾値RSとの大小関係を比較し(ステップS16)、エンジン回転数Rnが閾値RSを越えていれば、第一の切替手段を構成する切替弁22a,22bを図1に示されるような非作動の状態とし(ステップS19)、従来と同様にして、エンジン回転数Rnの情報に基いてパイロット圧調整弁10に駆動電流を印加することでパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力の大きさを調整し、エンジン回転数Rnに応じたパワーシフトを実行する(ステップS20)。

0041

既に述べた通り、第一の切替手段を構成する切替弁22a,22bを図1に示されるように非作動の状態とした場合には、パイロット圧力選択手段を構成するシャトル弁21a,21bがセンターバイパス回路18a,18bから供給される流量調整用のパイロット圧力を高圧側のパイロット圧力として定常的に選択し、また、パイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力はパワーシフト制御部6a,6bのみに作用するので、この実施形態の油圧制御装置1は、従来の入力トルク制御回路と全く同様に機能し、図4中の区間Xの範囲でパワーシフトを行うことが可能である。
図4は通常のパワーシフトの一例を示した概念図であり、図4中のf0はパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力を最小とした場合、つまり、制限を行わない最大出力時のポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を表す関数、また、fmaxはパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力を最大とした場合、要するに、最大のパワーシフトを行った最小出力時のポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を表す関数である。傾転盤8aを操作するピストン部材12aは図1中の左右方向に連続的に位置を変化させることが可能であるため、可変容量ポンプ3aの出力の設定値は図4中の区間Xの範囲で任意に選択可能であるが、パワーシフトの限度はピストン部材16aの3つの受圧面の大きさやピストン部材16aおよび制御弁13aにおける原位置復帰バネ弾性力の大きさ等が複雑に関連して決まるため、従来の油圧制御装置たとえば特開2001−254681号公報等に開示されるような油圧制御装置等にあっては、パワーシフトの範囲を区間Xを越えて広げるといったことはできない。

0042

次に、通常のパワーシフトの範囲を超えて更に低出力側へのパワーシフトを行う場合の作用原理について説明する。

0043

図5は通常のパワーシフトを適用した場合のポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係に加えて低出力側に広げられたパワーシフトの範囲を図4と同じスケールで示した概念図であり、図4の場合と同様、通常のパワーシフトの限界を表す関数f0とfmaxおよび選択可能なパワーシフトの範囲Xを記載している。また、図6はネガティブコントロール制御部7a,7bに対するパイロット圧力Rとポンプ吐出量Qの関係を示した概念図であり、パイロット圧力Rとポンプ吐出量Qの関係を関数gで記載している。

0044

いま、仮に、図5中の区間Xの範囲を越えて、ポンプ吐出圧力Pとポンプ吐出量Qの関係を図5中のfiの関数で示される位置まで低出力側にパワーシフトしたいとする。
このとき、例えば、図5における関数fi上の点fi,jにおける出力を実現するためには、理論上、ポンプ吐出圧力をPi,jとし、かつ、ポンプ吐出量をQi,jとすればよいが、このような出力状態はパワーシフト制御部6a,6bによるパワーシフトを適用した通常のパワーシフトの区間Xでは不可能である。しかし、ポンプ吐出圧力Pi,jに対応して必要とされるポンプ吐出量Qi,jは、図6に示されるネガティブコントロール制御部7a,7bを利用したポンプ吐出量制御の範囲内にあるので、ネガティブコントロール制御部7a,7bに対するパイロット圧力をRi,jとすることによって、fi,jにおける出力の実現に必要とされるポンプ吐出量Qi,jを実現することが可能である。
これと同様に、図5中の関数fi上の点fi,j=fi,0〜fi,mの全てが再現されればよいわけであるから、例えば、図7に示されるようにして、j=0〜mの全てについてポンプ吐出圧力Pi,jと該ポンプ吐出圧力Pi,jを実現するために必要とされるネガティブコントロール制御部7a,7bに対するパイロット圧力Ri,jの関係を求め、不揮発性の記憶手段として機能するROM30にファイルとして記憶させた後、圧力センサ26a,26bによってポンプ吐出圧力の総和の現在値Pを検出し、該現在値Pと略一致するポンプ吐出圧力Pi,jを図7のようなファイルから検索し、このポンプ吐出圧力Pi,jに対応するパイロット圧力Ri,jがネガティブコントロール制御部7a,7bに印加されるようにパイロット圧調整弁10に印加する電流つまりパイロット圧調整弁10から供給されるパイロット圧力を比例制御すればよいことになる。
なお、関数fiの分割数であるmの値が有限である場合、つまり、ポンプ吐出圧力Pi,jとポンプ吐出圧力Pi,j+1が不連続となる場合には、ポンプ吐出圧力の現在値Pがファイルに記憶された何れかのポンプ吐出圧力Pi,jと完全に一致するとは限らないので、通常は、ポンプ吐出圧力の現在値Pを挟む前後のポンプ吐出圧力Pi,jおよびPi,j+1と此れらに対応するパイロット圧力Ri,jおよびRi,j+1を図7のようなファイルから求めた上で、更に、比例配分の処理を行ってポンプ吐出圧力の現在値Pに厳密に対応するパイロット圧力Rを求めるようにする。
具体的には、R=Ri,j+〔(P−Pi,j)/(Pi,j+1−Pi,j)〕・(Ri,j+1−Ri,j)の演算式を利用して比例配分を実行することでパイロット圧力Rを求めるようにすればよい。
あるいは、関数fiと関数g自体を不揮発性の記憶手段としてのROM30に記憶させておき、関数fiにポンプ吐出圧力の現在値Pを代入して必要とされるポンプ吐出量Qを求め、更に、ポンプ吐出量Qを関数gに代入してパイロット圧力Rを求めるようにしても構わない。

0045

つまり、この実施形態は、所定周期毎に繰り返し実行される図3のパワーシフトプログラムにおいて、エンジン回転数Rnが閾値RS以下となってステップS16の判定結果が真となる場合、つまり、ディーゼルエンジン2のトルク出力が不十分であって通常のパワーシフトXの範囲で可変容量ポンプ3a,3bの出力を調整するとエンスト等の問題が発生すると考えられる場合に限り、第一の切替手段である切替弁22a,22bを図1に示されるような非作動の状態からシフトしてシャトル弁21a,21bの他方の入力ポートをパイロット圧調整弁10に接続し(ステップS17)、当該時点で圧力センサ26a,26bで検出されているポンプ吐出圧力の現在値Pに対応するポンプ吐出量Qを実現するためにネガティブコントロール制御部7a,7bが必要とするパイロット圧力Rを不揮発性の記憶手段として機能するROM30に格納されたファイル、もしくは、関数fiと関数gから求め、このパイロット圧力Rが送出される電流をパイロット圧調整弁10に印加し、ネガティブコントロール制御部7a,7bにパイロット圧力Rを供給することで、通常のパワーシフトの範囲Xを超えた更に低出力側へのパワーシフト、例えば、図5中の関数fiに示されるようなパワーシフトを実現する(ステップS18)。エンジン回転数の現在値Rnが閾値RSを下回った状況下では、パイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力Rが必然的にコントロールバルブ群5のセンタバイパス回路18aからのネガティブコントロール圧力よりも高くなるので、その結果として、パイロット圧力選択手段として機能するシャトル弁21aが出力選択用のパイロット圧力Rを選択し、このパイロット圧力Rをネガティブコントロール制御部7aに流量調整用のパイロット圧力として供給するのである。

0046

要するに、図7に示したファイルは、図5中の関数fiに示されるようなパワーシフトを実現する際に所望されるポンプ吐出圧力Pi,jとポンプ吐出量Qi,jとの関係を、ポンプ吐出圧力Pi,jと該ポンプ吐出圧力Pi,jに対応するポンプ吐出量Qi,jを満たすためにネガティブコントロール制御部7a,7bが必要とするパイロット圧力Ri,jの関係として記憶したファイルであり、ROM30に登録するデータとして実際に必要とされるのは、圧力センサ26a,26bで検出されるポンプ吐出圧力の現在値Pに基いてデータの検索作業を行う際に必要とされるPi,jの欄と、これに対応するパイロット圧力Ri,jの欄のみである。

0047

また、ステップS18の処理を実行するCPU29は、圧力センサ26a,26bで検出された圧力Pに基づいてファイルからネガティブコントロール制御部7a,7bが必要とするパイロット圧力Rを求め、該パイロット圧力Rが出力されるようにパイロット圧調整弁10を制御する制御手段として機能しており、このステップS18の処理が実行されるのは、パイロット圧力選択手段であるシャトル弁21a,21bが作動状態となっている場合に限られている。

0048

ここでは、一例として、通常のパワーシフトの限界を超える低出力側のパワーシフトの態様を図5中で関数fiとして1つだけ示しているが、実際には、ディーゼルエンジン2の回転数Rnに応じた低出力側のパワーシフトを実現するための関数を幾つでも記憶することが可能である。
例えば、図7に示されるようなファイルと比べてパイロット圧力Ri,jの値が大きめのファイルを図7のファイルと並列的に設け、閾値RS’<閾値RSの条件の下、RS’<Rn≦RSの状況下で図7のファイルを選択し、更に、Rn<RS’の状況下で他方のファイルを選択するようにすれば、ディーゼルエンジン2の回転数Rnに応じて2段階のパワーシフトが可能である。

0049

また、図5に示されるように通常のパワーシフトの範囲Xにおける出力特性と同様の特性を有する関数fiを平行移動的にパワーシフトするだけでなく、通常のパワーシフトの範囲Xにおける出力特性とは異なる出力特性を有する関数を設定することができる。例えば、図8に示されるように、ポンプ吐出量Qの上限を大幅に制限した関数hを新たに生成することも可能である。
図8に示される例では、ポンプ吐出圧力PがPmid以下の際にポンプ吐出量Qが定常的にQmax’となるように制限する必要があるので、図6の特性から明らかなように、図9に示されるようなファイルにおいて、Pi,jの項がPmid以下となる区間に対応するRi,0〜Ri,jの項に全てRmax’の値を記憶させることになる。

0050

図8に示されるような特性は、パワーショベルクレーン作業を行ったりブレーカー作業を行ったりするような場合、つまり、ポンプ吐出量Qを大幅に制限してアクチュエータの挙動を安定させて細かな作業を行うような場合に有用である。

0051

CPU29がステップS18の処理を実行する際にどのファイルを選択するかは、エンジン回転数Rnを条件としてCPU29の内部処理で自動的に選択処理を行わせるといった方法の他、手動操作盤等を接続してマニュアル指令でファイルを選ばせるといったことも可能であるから、図8に示されるような出力特性を実現するためのファイルと図6に示されるような出力特性を実現するためのファイルをROM30内に同居させることには何らの不都合もなく、自動的もしくは任意の手動操作によってCPU29にファイルを選択させることで様々な出力特性を実現させることが可能となる。

0052

また、前述したステップS5の判定結果が真となった場合には、現時点における排気圧偏差の値が手動再生用の判定閾値を超えていること、つまり、ディーゼル微粒子捕集フィルター24に堆積している粒子状物質をディーゼルエンジン2の排気ガスの熱で強制的に燃焼除去する必要が生じていることを意味するので、CPU29は、出力回路33を介してディスプレイ34にアラート表示信号を出力し、目詰まり検知アラート情報をディスプレイ34上に可視表示して手動再生の実行をオペレータに促すと共に(ステップS6)、状態記憶フラグFに手動再生の実行を要求する値「1」をセットすることによって手動再生の必要が生じたことを自ら記憶する(ステップS7)。

0053

次いで、CPU29は、燃焼再生機能始動スイッチ25がオペレータによって操作されているか否かを判定するが(ステップS8)、燃焼再生機能始動スイッチ25が実際に操作されない限り手動再生の処理は開始されないので、ディスプレイ34上における目詰まり検知のアラート表示をオペレータが無視するのであれば、前記と同様にして、パワーシフトに関連するステップS16〜ステップ20の処理を実施することが可能である。
その場合は、ディスプレイ34上における目詰まり検知のアラート表示が其のまま維持されることになる。

0054

この段階では既に状態記憶フラグFに手動再生の実行を要求する値「1」がセットされているので、次周期以降の処理では、ステップS4〜ステップS7の処理がスキップされる。
但し、パワーシフトに関連した処理の実施に必要とされるステップS2の処理は継続して実行されるので、燃焼再生機能始動スイッチ25が実際に操作されない限り、前記と同様にして、パワーシフトに関連するステップS16〜ステップ20の処理が許容されることになる。

0055

そして、所定周期毎に繰り返し実行される図3のパワーシフトプログラムにおいてオペレータによる燃焼再生機能始動スイッチ25の操作が検知され、ステップS8の判定結果が真となると、コントローラ11のCPU29は、出力回路33を介して第二の切替手段である切替弁23a,23bに動作指令を出力して、切替弁23aを図1中で左方にシフトさせると共に切替弁23bを図1中で右方にシフトさせ、センターバイパス回路18a,18bからパイロット圧力選択手段であるシャトル弁21a,21bに到る圧力の伝達管路上に設けられた切替弁23a,23bを共に閉路し、センターバイパス回路18a,18bからのネガティブコントロール圧力がパイロット圧力選択手段であるシャトル弁21a,21bに伝達されることを回避する。
CPU29は、更に、出力回路33を介して第一の切替手段である切替弁22a,22bに作動指令を出力して切替弁22a,22bを作動させ、パイロット圧力選択手段であるシャトル弁21a,21bを強制的に作動状態とすることによって、パイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力とセンターバイパス回路18a,18bから供給される流量調整用のパイロット圧力との大小関係がシャトル弁22a,22bにより比較されて相対的に高圧のパイロット圧力がネガティブコントロール制御部7a,7bに供給されるようにする。
しかし、この時点では既に切替弁23a,23bの閉路によってセンターバイパス回路18a,18bからのネガティブコントロール圧力がパイロット圧力選択手段であるシャトル弁21a,21bに伝達されなくなっているので、作動状態にあるパイロット圧力選択手段すなわちシャトル弁21a,21bは、パイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力を高圧側の圧力として常時選択することになり、ネガティブコントロール制御部7a,7bには、パイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力が流量調整用のパイロット圧力として入力されることになる。
従って、可変容量ポンプ3a,3bで駆動される油圧系であるコントロールバルブ群5のコントロールバルブが中立となったような状態、つまり、センターバイパス回路18a,18bからの帰還であるネガティブコントロール圧力が高くなった状況下であっても、燃焼再生機能始動スイッチ25を操作すれば、ネガティブコントロール制御部7a,7bに入力される流量調整用のパイロット圧力を電磁制御式のパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力にまで引き下げることが可能となり、燃焼再生機能始動スイッチ25を操作しない場合つまりセンターバイパス回路18a,18bからのネガティブコントロール圧力がネガティブコントロール制御部7a,7bに入力される場合よりもネガティブコントロール制御部7a,7bにおけるピストン部材20a,20bの突出によるポンプ吐出量の制限を軽減することができる。
これにより、可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量が増大し、可変容量ポンプ3a,3bを駆動するディーゼルエンジン2の負荷が増大するので、ディーゼルエンジン2の排気温の上昇によってディーゼルエンジン2の排気経路内に設置されたディーゼル微粒子捕集フィルター28に堆積している粒子状物質を焼却除去することができるようになる。
このとき可変容量ポンプ3a,3bの作動によって消費されるエネルギー、つまり、センターバイパス回路18a,18bに作用する内圧と可変容量ポンプ3a,3bにおける単位時間当たりのポンプ吐出量との積がディーゼルエンジン2に作用する負荷である。
センターバイパス回路18a,18bに作用する内圧の上限はリリーフ弁27a,27bの設定で決まり、可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量は、電磁制御式のパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力によって特定されるので、パイロット圧調整弁10を制御することで、粒子状物質の焼却除去に適した負荷をディーゼルエンジン2に作用させることができる。(以上、ステップS9)

0056

このようにしてディーゼル微粒子捕集フィルター28に堆積している粒子状物質の焼却除去を開始したECU17は、タイマTをリスタートして手動再生の継続実行時間の計測を開始すると共に(ステップS10)、手動再生の実行状況等を記憶する状態記憶フラグFに手動再生の実行中を示す値「2」をセットして手動再生の処理が開始されたことを自ら記憶する(ステップS11)。

0057

次いで、ECU17は、タイマTによる計測時間が手動再生の設定時間T0に達しているか否かを判定し(ステップS12)、達していなければ、当該周期における一連の処理を終了する。

0058

この段階では既に状態記憶フラグFに手動再生の実行中を示す値「2」がセットされているので、次周期以降の処理ではステップS2〜ステップS11の処理がスキップされ、ECU17は、判定結果が定常的に真となるステップS1の判定処理、および、タイマTによる計測時間が手動再生の設定時間T0に達したか否かの判定処理(ステップS12)のみを繰り返し実行することになる。

0059

そして、最終的に、タイマTによる計測時間が手動再生の設定時間T0に達し、ステップS12の判定結果が真となると、CPU29は、第二の切替手段である切替弁23a,23bと第一の切替手段である切替弁22a,22bの作動状態を手動再生開始前の非作動状態に復帰させ(ステップS13)、ディスプレイ34における目詰まり検知のアラート情報の表示を終了させると共に(ステップS14)、状態記憶フラグFに手動再生の完了を示す初期値「0」をセットして手動再生が完了したことを自ら記憶する(ステップS15)。
手動再生の継続時間タイマ制御する構成に代え、オペレータによる燃焼再生機能始動スイッチ25の操作継続時間だけ切替弁23a,23b,22a,22bを作動させる構成を採用することも可能である。

0060

そして、状態記憶フラグFに初期値「0」が改めてセットされることにより、前記と同様にしてパワーシフトに関連したステップS16〜ステップ20の処理の実施が再び許容されることになる。

0061

この実施形態にあっては、差圧センサ28によって検出されるディーゼル微粒子捕集フィルター24の前後段の排気圧の偏差、すなわち、ディーゼル微粒子捕集フィルター24の目詰まりの程度をECU17が定常的に見張り、ディーゼル微粒子捕集フィルター24の前後段の排気圧の偏差が予め設定された閾値を超えた場合、つまり、ディーゼル微粒子捕集フィルター24の目詰まりが一定限度を超えた場合に、CPU29から出力回路33を介してディスプレイ34にアラート表示信号を出力し、目詰まり検知のアラート情報をディスプレイ34上に表示するようにしているので、オペレータは、インストルメントパネルの周辺等に設置されたディスプレイ34の表示を確認するだけで、燃焼再生機能始動スイッチ25を操作すべき時期を適切に把握することができる。
目詰まりの発生と見做すべき排気圧偏差の値はエンジンアクセル指令値やエンジン回転数等によっても異なるが、ECU17は、エンジンアクセル指令値やエンジン回転数と閾値との対応関係を記憶したテーブルを参照して其の時点のエンジンアクセル指令値やエンジン回転数の値に対応する閾値を特定することにより、目詰まり発生の有無を的確に判定することができる(段落0039参照)。

0062

また、第二の切替手段となる切替弁23a,23bを除き、手動再生を実現するための格別なハードウェアを改めて設置する必要がないので(特許第4667083号との比較)、手動再生機能を有する油圧制御装置1を安価に提供することが可能である。
既に述べた通り、ディーゼルエンジン2に作用する負荷はセンターバイパス回路18a,18bに作用する内圧と可変容量ポンプ3a,3bにおける単位時間当たりのポンプ吐出量との積で決まり、このうち、可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量は、電磁制御式のパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力によって自由に調整することができるので、パイロット圧調整弁10を制御するだけで、粒子状物質の焼却除去に適した負荷をディーゼルエンジン2に作用させて最適の状態で粒子状物質の焼却除去作業を実施することが可能となる。
粒子状物質の焼却除去に適した負荷をディーゼルエンジン2に作用させるために必要とされるパイロット圧調整弁10の駆動電流は実験によって容易に求められるので、この駆動電流の値をROM30に格納しておき、ステップS9の処理でROM30から適切な駆動電流の値を読み込み、その駆動電流をパイロット圧調整弁10に印加し、また、ステップS17の処理で、この駆動電流の印加を解除することになる。

0063

〔第2の実施形態〕
図10は、切替弁23a,23bによって構成される第二の切替手段を廃し、パイロット圧力選択手段となるシャトル弁21a,21bからネガティブコントロール制御部7a,7bに到る圧力の伝達管路上に常開型の第二の切替手段、すなわち、切替弁35a,35bを設けると共に、前述の燃焼再生機能始動スイッチ25に代えて、第二の切替手段である切替弁35a,35bを強制的に閉路する燃焼再生機能始動スイッチ25’を設けた作業車の油圧制御装置1’の構成の概略を示した機能ブロック図である。

0064

その他の構成に関しては図1および図2に開示した実施形態の油圧制御装置1と同等であるので、図10中で各部に対応する符号を付すにとどめ、構成に関する詳細な説明は省略し、動作の説明に関しては図3に示したパワーシフトプログラムのフローチャートを援用する。

0065

このような構成を適用した場合、オペレータが燃焼再生機能始動スイッチ25’を操作すると、コントローラ11のCPUが此の操作を検知し(図3のステップS8に対応する処理)、更に、コントローラ11の出力回路を介して第二の切替手段である切替弁35a,35bに動作指令を出力して、切替弁35aを図10中で左方にシフトさせると共に切替弁35bを図10中で右方にシフトさせ、パイロット圧力選択手段であるシャトル弁21a,21bからネガティブコントロール制御部7a,7bに到る圧力の伝達管路を遮断し、パイロット圧力選択手段であるシャトル弁21a,21bからネガティブコントロール制御部7a,7bへの流量調整用のパイロット圧力の伝達が回避される(図3のステップS9に対応する処理)。
従って、可変容量ポンプ3a,3bで駆動される油圧系であるコントロールバルブ群5のコントロールバルブが中立となったような状態、つまり、センターバイパス回路18a,18bからの帰還であるネガティブコントロール圧力が高くなった状況下であっても、燃焼再生機能始動スイッチ25’を操作すれば、ネガティブコントロール制御部7a,7bに入力される流量調整用のパイロット圧力が大気圧相当に維持されることになり、燃焼再生機能始動スイッチ25’を操作しない場合つまりセンターバイパス回路18a,18bからのネガティブコントロール圧力がネガティブコントロール制御部7a,7bに入力される場合よりもネガティブコントロール制御部7a,7bにおけるピストン部材20a,20bの突出によるポンプ吐出量の制限が軽減される。
これにより、可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量が増大し、可変容量ポンプ3a,3bを駆動するディーゼルエンジン2の負荷が増大することとなり、ディーゼルエンジン2の排気温の上昇によってディーゼルエンジン2の排気経路内に設置されたディーゼル微粒子捕集フィルター28に堆積している粒子状物質を焼却除去することができるようになる。
このとき可変容量ポンプ3a,3bの作動によって消費されるエネルギー、つまり、センターバイパス回路18a,18bに作用する内圧と可変容量ポンプ3a,3bにおける単位時間当たりのポンプ吐出量との積が、ディーゼルエンジン2に作用する負荷である。
この状況下ではネガティブコントロール制御部7a,7bによる可変容量ポンプ3a,3bのポンプ吐出量の制限が完全に解除されることになるので、可変容量ポンプ3a,3bの作動によって消費されるエネルギーつまりディーゼルエンジン2に作用する負荷は、その時点のパワーシフト制御部6a,6bの動作状態つまりパイロット圧調整弁10から供給される出力選択用のパイロット圧力で制御されるパワーシフト制御部7a,7bの動作状態に応じたポンプ制御馬力線図における最大負荷となる。
なお、第二の切替手段である切替弁35a,35bを非作動の初期状態に戻すタイミングは、図3のステップS17に対応するタイミングである。

0066

この実施形態においても、第二の切替手段となる切替弁35a,35bを除き、手動再生を実現するための格別なハードウェアを改めて設置する必要がないので(特許第4667083号との比較)、手動再生機能を有する油圧制御装置1’を安価に提供することが可能である。

0067

以上に開示した実施形態の一部または全部は、以下の付記に示す記載によって適切に表現され得るが、発明を実施するための形態や発明の技術思想は、これらのものに制限されるものではない。

0068

〔付記1〕
粒子状物質を除去するディーゼル微粒子捕集フィルター(24)をディーゼルエンジン(2)の排気経路内に有し、
前記ディーゼルエンジン(2)で駆動される可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出圧力の変化に従動させて前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプ(3a,3b)の出力を設定値に保持すると共に出力選択用のパイロット圧力を受けて前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプの出力の設定値を変更するパワーシフト制御部(6a,6b)と、前記可変容量ポンプ(3a,3b)から吐出される作動油で駆動される油圧系(5)のセンターバイパス回路(18a,18b)からのネガティブコントロール圧力と電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力を流量調整用のパイロット圧力の候補として選択するパイロット圧力選択手段(21a,21b)と、前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)によって候補として選択された圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する作動状態と前記ネガティブコントロール圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する非作動状態の何れかに前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)の作動状態を切り替える第一の切替手段(22a,22b)と、前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)から出力される流量調整用のパイロット圧力の上昇に応じて前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を減少させる方向で前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を調整するネガティブコントロール制御部(7a,7b)とを備えた作業車の油圧制御装置(1)において、
前記センターバイパス回路(18a,18b)から前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)に到る圧力の伝達管路上に配置されて当該管路を開閉する常開型の第二の切替手段(23a,23b)と、
前記第二の切替手段(23a,23b)を強制的に閉路すると共に前記第一の切替手段(22a,22b)により前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)を強制的に作動状態とする燃焼再生機能始動スイッチ(25)とを設けたことを特徴とする作業車の油圧制御装置(1)。

0069

〔付記2〕
粒子状物質を除去するディーゼル微粒子捕集フィルター(24)をディーゼルエンジン(2)の排気経路内に有し、
前記ディーゼルエンジン(2)で駆動される可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出圧力の変化に従動させて前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプ(3a,3b)の出力を設定値に保持すると共に出力選択用のパイロット圧力を受けて前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を調整することで前記可変容量ポンプ(3a,3b)の出力の設定値を変更するパワーシフト制御部(6a,6b)と、前記可変容量ポンプ(3a,3b)から吐出される作動油で駆動される油圧系(5)のセンターバイパス回路(18a,18b)からのネガティブコントロール圧力と電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力を流量調整用のパイロット圧力の候補として選択するパイロット圧力選択手段(21a,21b)と、前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)によって候補として選択された圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する作動状態と前記ネガティブコントロール圧力を流量調整用のパイロット圧力として出力する非作動状態の何れかに前記パイロット圧力選択手段の作動状態を切り替える第一の切替手段(22a,22b)と、前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)から出力される流量調整用のパイロット圧力の上昇に応じて前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を減少させる方向で前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量を調整するネガティブコントロール制御部(7a,7b)と、前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出圧力を検出する圧力センサ(26a,26b)と、前記パワーシフト制御部(6a,6b)を利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えて低出力側にシフトされたポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係を表す関数として、前記可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出圧力と此のポンプ吐出圧力に対応するポンプ吐出量を満たすために前記ネガティブコントロール制御部(7a,7b)が必要とする流量調整用のパイロット圧力との関係を記憶した不揮発性の記憶手段(30)と、前記ディーゼルエンジン(2)のトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値(RS)とエンジン回転数の現在値(Rn)とを比較し、エンジン回転数の現在値(Rn)が前記閾値(RS)を下回らなければ前記第一の切替手段(22a,22b)により前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)を非作動状態とする一方、エンジン回転数の現在値(Rn)が前記閾値(RS)を下回ると前記第一の切替手段(22a,22b)により前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)を作動状態とすると共に前記圧力センサ(26a,26b)で検出されたポンプ吐出圧力に基いて前記不揮発性の記憶手段(30)から流量調整用のパイロット圧力を求め、求められた流量調整用のパイロット圧力が出力されるように前記パイロット圧調整弁(10)を制御する制御手段(29)とを備えた作業車の油圧制御装置(1)において、
前記センターバイパス回路(18a,18b)から前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)に到る圧力の伝達管路上に配置されて当該管路を開閉する常開型の第二の切替手段(23a,23b)と、
前記第二の切替手段(23a,23b)を強制的に閉路すると共に前記第一の切替手段(22a,22b)により前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)を強制的に作動状態とする燃焼再生機能始動スイッチ(25)とを設けたことを特徴とする作業車の油圧制御装置(1)。

0070

このような構成を適用した場合、燃焼再生機能始動スイッチ(25)が非作動の状態で、かつ、可変容量ポンプ(3a,3b)を駆動するディーゼルエンジン(2)のトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値(RS)をエンジン回転数の現在値(Rn)が下回らない状況下では、第一の切替手段(22a,22b)によってパイロット圧力選択手段(21a,21b)が非作動状態に切り替えられ、電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力がパワーシフト制御部(6a,6b)に供給され、従来と同様にして、通常のパワーシフト制御が行われる。
これに対し、燃焼再生機能始動スイッチ(25)が非作動の状態で、かつ、可変容量ポンプ(3a,3b)を駆動するディーゼルエンジン(2)のトルク出力が減少する低回転域のエンジン回転数に基いて設定された閾値(RS)をエンジン回転数の現在値(Rn)が下回る状況下では、第一の切替手段(22a,22b)によってパイロット圧力選択手段(21a,21b)が作動状態に切り替えられ、油圧系(5)のセンターバイパス回路(18a,18b)からのネガティブコントロール圧力と出力選択用のパイロット圧力のうち高圧側の圧力が選択されてネガティブコントロール制御部(7a,7b)に流量調整用のパイロット圧力として供給されるようになる。
エンジン回転数の現在値(Rn)が閾値(RS)を下回った状況下では、パイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力が必然的に高くなり、結果として、油圧系(5)のセンターバイパス回路(18a,18b)からのネガティブコントロール圧力を上回ることとなり、パイロット圧力選択手段(21a,21b)は、出力選択用のパイロット圧力をネガティブコントロール制御部(7a,7b)に流量調整用のパイロット圧力として供給することになる。
このように、パイロット圧力選択手段(21a,21b)が作動状態となっている場合には、制御手段(29)は、出力選択用の通常のパイロット圧力に代えて、ポンプ吐出圧力を検出する圧力センサ(26a,26b)で検出された圧力に基づいて不揮発性の記憶手段(30)から流量調整用のパイロット圧力を求め、パイロット圧調整弁(10)から供給されるパイロット圧力が、不揮発性の記憶手段(30)から求められた流量調整用のパイロット圧力となるようにパイロット圧調整弁(10)を制御する。そして、このパイロット圧力がパイロット圧調整弁(10)からパイロット圧力選択手段(21a,21b)を介してネガティブコントロール制御部(7a,7b)に供給される。
不揮発性の記憶手段(30)には、所望するポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係を表す関数、具体的には、パワーシフト制御部(6a,6b)を利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えて低出力側にシフトされたポンプ吐出圧力とポンプ吐出量の関係が、ポンプ吐出圧力と該ポンプ吐出圧力に対応するポンプ吐出量を満たすためにネガティブコントロール制御部が必要とする流量調整用のパイロット圧力の関係として記憶されているので、圧力センサ(26a,26b)で検出されたポンプ吐出圧力の現在値に対応する流量調整用のパイロット圧力を不揮発性の記憶手段(30)から求めてネガティブコントロール制御部(7a,7b)に供給することにより、パワーシフト制御部(6a,6b)のみを利用した通常のパワーシフト制御の範囲を超えたパワーシフトを実現することができる。
このため、可変容量ポンプ(3a,3b)のパワーシフトの範囲を従来に比べて低出力側つまり可変容量ポンプ(3a,3b)を駆動するディーゼルエンジン(2)のトルク出力が減少する領域に広げることが可能となる。
そして、粒子状物質の焼却除去を強制的に実施する場合には、オペレータが燃焼再生機能始動スイッチ(25)を操作することによって、センターバイパス回路(18a,18b)からパイロット圧力選択手段(21a,21b)に到る圧力の伝達管路上に設けられた常開型の第二の切替手段(23a,23b)を閉路し、センターバイパス回路(18a,18b)からのネガティブコントロール圧力がパイロット圧力選択手段(21a,21b)に伝達されることを回避すると共に、第一の切替手段(22a,22b)によってパイロット圧力選択手段(21a,21b)を強制的に作動状態とする。
センターバイパス回路(18a,18b)からのネガティブコントロール圧力がパイロット圧力選択手段(21a,21b)に伝達されなくなる結果、作動状態にあるパイロット圧力選択手段(21a,21b)は、電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力を高圧側の圧力として選択し、ネガティブコントロール制御部(7a,7b)には、電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力が流量調整用のパイロット圧力として入力されるようになる。
よって、可変容量ポンプ(3a,3b)で駆動される油圧系(5)のコントロールバルブが中立となったような状態、つまり、油圧系(5)のネガティブコントロール圧力が高くなった状況下であっても、ネガティブコントロール制御部(7a,7b)に入力される流量調整用のパイロット圧力を電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力にまで引き下げることができる。
従って、燃焼再生機能始動スイッチ(25)を操作しない場合つまり油圧系(5)のネガティブコントロール圧力がネガティブコントロール制御部(7a,7b)に入力される場合よりも可変容量ポンプ(3a,3b)のポンプ吐出量が増大し、可変容量ポンプ(3a,3b)を駆動するディーゼルエンジン(2)の負荷が増大するので、ディーゼルエンジン(2)の排気温の上昇によって、ディーゼルエンジン(2)の排気経路内に設置されたディーゼル微粒子捕集フィルター(24)に堆積している粒子状物質を焼却除去することができるようになる。
このとき可変容量ポンプ(3a,3b)の作動によって消費されるエネルギー、つまり、油圧系(5)のセンターバイパス回路(18a,18b)の内圧と可変容量ポンプ(3a,3b)における単位時間当たりのポンプ吐出量との積がディーゼルエンジン(2)に作用する負荷である。
ポンプ吐出量は、電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)から供給される出力選択用のパイロット圧力によって特定されるので、電磁制御式のパイロット圧調整弁(10)を制御することで、粒子状物質の焼却除去に適した負荷をディーゼルエンジン(2)に作用させることができる。
粒子状物質の焼却除去に適した負荷をディーゼルエンジン(2)に作用させるために必要とされるパイロット圧調整弁(10)の駆動電流は実験によって容易に求められるので、この駆動電流の値を不揮発性の記憶手段(30)に格納しておき、第二の切替手段(23a,23b)を閉路して第一の切替手段(22a,22b)でパイロット圧力選択手段(21a,21b)を強制的に作動状態とする際に、不揮発性の記憶手段(30)から適切な駆動電流の値を読み込み、その駆動電流をパイロット圧調整弁10に印加することになる。

0071

〔付記3〕
前記第二の切替手段(23a,23b)に代え、前記パイロット圧力選択手段(21a,21b)から前記ネガティブコントロール制御部(7a,7b)に到る圧力の伝達管路上に当該管路を開閉する常開型の第二の切替手段(35a,35b)を設けると共に、
前記燃焼再生機能始動スイッチ(25)に代え、前記第二の切替手段(35a,35b)を強制的に閉路する燃焼再生機能始動スイッチ(25’)を設けたことを特徴とする付記1または付記2のうち何れか一項に記載の作業車の油圧制御装置(1’)。

0072

本発明は、クレーン車,パワーショベル等を始め、ディーゼル微粒子捕集フィルターを排気経路内に有するディーゼルエンジンで駆動される可変容量ポンプを備えた作業車一般に利用できる。

0073

1,1’作業車の油圧制御装置
2ディーゼルエンジン
3a,3b可変容量ポンプ
4制御用ポンプ
5コントロールバルブ群(油圧系)
6a,6bパワーシフト制御部
7a,7bネガティブコントロール制御部
8a,8b傾転盤
9a,9b 調整手段
10パイロット圧調整弁
11コントローラ
12a,12bピストン部材
13a,13b制御弁
14a,14b油室
15a,15b 油室
16a,16b ピストン部材
17エンジンコントロールユニット(ECU)
18a,18bセンターバイパス回路
19a,19b絞り弁
20a,20b ピストン部材
21a,21bシャトル弁(パイロット圧力選択手段)
22a,22b切替弁(第一の切替手段)
23a,23b 切替弁(第二の切替手段)
24ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)
25,25’燃焼再生機能始動スイッチ
26a,26b圧力センサ
27a,27bリリーフ弁
28差圧センサ
29マイクロプロセッサ(CPU)
30 ROM
31 RAM
32入力回路
33出力回路
34ディスプレイ(DSP)
35a,35b 切替弁(第二の切替手段)

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